バッグ製作の小さな型紙の7.5cmx5cm、2種類の全く別のバッグのパーツになる「折り方」の違い【751】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

リュックを製作中でございます。

複数のパーツから成り立つリュックなのですが、面白いことに、全く同じ縦7.5cmx横5cmの型紙が別々のパーツとして2種存在しているのです。

元は同じなのに、その違いを生むのは「折り方」です。

最終的に出来上がる姿は幅も縦の長さも違う別物。

このたびは、出来上がりの形状が違うことでの強度の違いや目的の違いなどをお話致します。

単純な長方形の型紙でも随分奥行きある製作ができるヒントとして見ていただければと思います。

作りが違う別物になった2種のタブは元が同じ型紙である、折り方で違うデザインになると同時に違う機能を目的としている

それぞれの出来上がりパーツの横に置いてあるのが型紙。2種が縦7.5cmx横5cmの全く同じ型紙。

1つは、入り口の留め具のDカン、ナスカンにそれぞれ1枚ずつ使う縦7.5cmx横5cmの型紙です。

三つ折りで真ん中に2列ステッチが走ります。

もう1つは、リボン紐の先カンとして使用するタブのようなもの。

こちらは、二つ折りを均等にしていった結果紐先をくるみ込む役割のパーツに出来上がります。

指にひっかかることで使いやすかったり、デザインも兼ねています。

こちらは、ステッチはボックス型の二度縫いです。

元の型紙は、こちらも縦7.5cmx横5cmなのです。

全く同じ型紙ですが、用途によって2種の別の型紙に分けております。

Dカンやナスカンタブに使う方は真ん中まで三つ折り(二度折ります)なので、ややしっかりしています。

それに比べてひも先のタブは、ひも先に縫い付けるミシンステッチのかけやすさも必要であり、ゆったりと平たい二つ折り(一度だけ折ります)の繰り返しで出来上がるもの。

バッグ自体の重みをすべて背負うほどの圧力がかかる方のDカンやナスカンタブには生地が多く重なる方の強度が強い方のタブということ。

反対に、ひも先の凸凹に対応できる柔軟さのための平たさは圧力はかからないけれども着実に美しく縫い付ける飾りも兼ね、ステッチのかけやすさを重視することになるのです。

こうして、目的に応じて同じパーツでも折り方が違うことで、「美しさと機能の両方の充実」を目指しているのです。

あとがき

ニュースでたまたま拝見した「売れたバッグ」というのがありました。

その取っ手はなんと、この度で言うDカンやナスカンのタブと同じ作り方でした。

picturesque(ピクチャレスク)では、取っ手は四つ折り観音開きで4重にしますので違う折り方です。

ただ、その製造者様の考え方を想像しますと、四つ折り観音開きはアシンメトリーであり、片方が「わ」で片方が「ハギ合わせ」というがたつきがあります。

そのちぐはぐが無い均等な折り方である両端から真ん中へ向かう三つ折りのやり方を選択され、ショルダーの出来上がりの左右の幅のバランスを重視されたのだと思います。

細かい所を見ると、そっくりでも実は製造者の重視する点によって作り方が随分違うものなのです。

柄の可愛さや表面の様子で隠れている場所ですが、じっくりと研究している方だと見る場所なのではないかと思います。