ハイブランドバッグのヴィンテージもの、足りない部分をアレンジで補う機能の高め方例x3選【1350】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ヴィンテージものでワードローブ一式を集めるスタイルの私ですが、バッグもヴィンテージ物ばかり。

ただし、ハイブランドのヴィンテージという分野にこだわります。

ハイブランド様の過去のお品というのは、現在よりももっとカリスマ性のあるデザインが多かったと言えましょうか。

デザインなどすべて出尽くした、とかつてのアパレル全盛期をとうに過ぎた今そのように感じている人は多いかと思います。

それでもハイブランド様のリリースのバッグというのは、新しいこの先の未来へのご提案ということがコンセプトにあることはブランディングの1つでもあると思います。

どんな事業者も日々失敗と研究の積み重ねの苦労を発展という形で上昇を目指すものですので、過去の今から30年前のヴィンテージバッグに製造側、ユーザー側共に大いに満足しているかと言うと不満もあるものだと思います。

その不満の1つにとても要となる「機能の不足」ということを私としては強く感じています。

この度の投稿は、この不足した機能をどのように満足したものに自身の工夫で高められ満たしていけるのかを3つの例で考えました。

主にリフォームや改造と呼ばれる領域になることで、ハイブランド様の「著作権の侵害」にならぬよう、お写真は控えさせていただきます。

そして、自身の使用目的のベースで行ったことであることもここで前もってお伝えしたいと思います。

もとあるデフォルトの状態から何かしら変化を付けてその様相を変えてしまう時点で製造者であるブランド側がどう思うかというのは、こちらのユーザー側では判断できないことなのです。

そういった意味で著作権は、「自明のもの」であるところをまずはしっかり理解していただきたいと思います。

それでも、使うのは対価を支払った使い手であることも否めない事実であり、その使い方やアレンジの仕方の特権はバッグの持ち主にあるべきだとそう思います。

3つのヴィンテージバッグのアレンジ例:①内張り替え②ショルダー設置③底板設置

ヴィンテージバッグに欠けている状態を補うリフォームを3つ体験しています。

1つ目から順にご紹介してまいります。

①内張り替え

ヴィンテージバッグの良質なレザーで多いのが、内張りの劣化です。

1980年代周辺というのは、レザー素材のブランドバッグも多かった。

ナイロンなどの素材の拡張がまだアイデアとして提案されておらず、お洒落バッグタイプには決まって本革レザーであるべきだとのしきたりみたいのものがあったかと思います。

そうであるからこそ、今ヴィンテージ級の30年-40年前の1980-1990年代のバッグに今見ると斬新で素敵なものが見つかるとも言えます。

気に入っているあるハイブランド様のバケツ型モデルの表は「カーフ」という本革レザーで覆われた迫力あるバッグを色違いで2点持っています。

黒とオフベージュです。

しかしいずれも、内張りが合皮であるために、布の上にPVCが塗ってあるというようなイメージです。

これが、PVCの部分だけが劣化しぽろぽろと30年後の今剥がれ落ちてボロボロになっているのです。

このボロボロを綺麗に取り去るリフォームがすでにしてあり、毛玉の多い白い色の貧弱な布が残りますが、その布と表面のカーフとのレベルがあまりにも違います。

ここで分かるのは、もともと表裏のレベルが近づくような映りになるよう、合皮素材でありながら本革に類似に映るような工夫だったと言えます。

ただ、それも今となってはその場しのぎと言え、劣化した今、表面の立派な素材の価値さえ裏地のせいで半減しそうになっている現実があるのです。

ということで、何とか残った内張りの素材をもっと高級感あるハリコシあるカツラギの素材に見直し、リフォーム屋さんで交換中です。

黒は黒色の裏地、ベージュはオフベージュ色の裏地となじむような色にそろえ、全体としてパッと見た時に表素材と裏地素材の差が歴然としたものにならないよう裏地のレベルを本革レザーの表地に望ましいものへと高めます。

黒は比較的どんな素材も高級感は出ますので調達しやすいですが、オフベージュなどは注意して念入りにその素材の厚みが感じられるのかなども熟慮して生地を調達することをお勧めします。

ただ、あまり費用をかけないように、リフォーム屋さんへ外注しても生地は自分で生地屋さんのはぎれの中からお得に購入したりして外注へ支払う費用をおさえるのも工夫の1つです。

最終的にコスパ良きヴィンテージバッグになることをお勧めしたいのです。

②ショルダー設置

YouTube動画の中でも言ってしまっていますが、エルメス様の「ボリード」というがま口/ドームタイプのキャンパス地のポーチはご存知でしょうか。

かつて1990年代前半には一世を風靡したような人気アイテムだったと思いだされます。

キャンパス地のボリードはほとんどポーチであったかと。

そこに大小のサイズの違いがあり、私は黒の大きいサイズを持っていました。

状態も良いのですが、ポーチなのに横が30cm程もありビッグポーチなのです。

これがなかなかバッグの中ではかさばるし、入らないこともあり出番がなかなかないのだけれど素敵なデザインだと思います。

そこで、あらかじめ備え付けの共布の黒のタブが「わ」になっているところを利用。

まず、タブをもっと丈夫にミシンで多重に縫い付けしっかり固定します。

物理的に一見難しそうですが、このがま口が前後に広がるフォルムなために、このサイドのタブの縫い付けの補強が可能だったことが幸いでした。

そして、そこへリング状の金具を付け、さらに本革レザーのライトブラウンの調節機能付きの既製品ショルダーをここへ設置して見事ショルダーバッグに生まれ変わりました。

③底板設置

ハイブランド様もサブバッグデザインがあるのですが、ほとんどが底板は頼りの無いものです。

設置していないとまでは言い切れないかもしれませんが気休めのボール紙みたいな芯地のようなものであまり効果がありません。

そこへ物を入れると沈み込み、底が膨らんで恰好の悪いフォルムになってしまいます。

ここへ、「ベルポーレン」という厚みがあり割れない素材のプラスチック底板をバッグの柄や色に馴染む生地で包んで、ミシンを使って縫いとじ、リムーバルにそこへ設置すれば出来上がりです。

この効果は非常に大きく、もしかして、上着などを入れるためだけに考えられたサブバッグそのものが、底板の設置によって、「メインバッグへ生まれ変わる」という瞬間に感動します。

ただ、前述の著作権のお話になりますが、いくらリムーバブルとは言っても、これも実は著作権に触れます。

そもそもブランド様側の考え方というのは、その一緒に並べる写真とか、バッグのバック(背景)もブランドの威厳に傷が付かないか。。などを配慮しているものです。

よって、このバッグに使う底板ですよということが写真としてお伝えすることさえ控えさせていただくことになるのです。

3つのアレンジ例から今思うことのまとめ

もとは、ハイブランドバッグというのは、デフォルトの状態をすべてそのまま受け入れてもらうというスタンスだと思うので、結果不満が出ることは結果でしかないということになるかと思います。

とはいえ、バッグの使い手は実際の話、いろいろ感想をもつのが自然じゃないですか。

よって、自分の物になったことの特権としてこうしたリフォーム、アレンジを追加して機能を高めていくことはユーザーにできることの大きなことだと思います。

それが結局はご提案のお品に対しての本当の意味でのフィードバックだと私は思うのです。

「トリクルダウン:上から下への高級品の広まり」がベースにある商業がハイブランド業だと思います。

そのトップの川上に存在しているハイブランド様同士でも競争であるとにかく厳しいライバル同士が混在した背景があると思っています。

そんな熾烈な戦いの中で「哲学」を持って多くのプロ達のアイデアと技術の寄せ集めで生まれたハイブランドバッグは、それはそれは見た目1つであっと言わせる雰囲気をにおわせているものです。

そう考えますと、ヴィンテージ分野では比較的入手がしやすいお値段のハイブランドバッグを手にしたいという考え方は、ヴィンテージ分野で、トリクルダウンの仕組みによって模倣や量産をされた内の1つだと思われるハイブランドに類似のデザインバッグを選ぶより、断然「本物」だと言えるでしょう。

そうすると、お直しをする手間とコストをさらにかけてでも、その後は一生物の価値が生まれるとすれば、コスパは大変良いと言えます。

あとがき

時々ハイブランドバッグ様のバッグをじっくり細かいところまで見て下さると良い発見があるかと思います。

細部までいろいろ特徴を出したり、手間をかけている様子が特にヴィンテージものでは顕著に見られる点が面白いです。

1つ1つのステッチの整い具合とか、決して口ではアピールされてくることのなかった部分のいろんな箇所を目で見てその良質さや徹底された良品を作るという考え方などを感じ取ることができた時、ハイブランド様からの提案をキャッチした瞬間になるのかもしれません(^-^)。

デニムロングスカートを身長とのベストバランスで着こなすための裾上げリフォーム【1114】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このほど、ヴィンテージデニムスカートを購入。

ブルージーンズと並んで、薄ブルーのあのヴィンテージ感がとても素敵だと、アメリカン古着を探した結果見つかった1点のロングスカートがあります。

しかし、身長158.5cmの私にはやや重い雰囲気だと感じ、カットを決意。

お直し屋さんでお願いしようと思いましたが、ここは、この機会にやり方をアウトプットさせていただくことで、何かお役にも立てるかもしれなく、自分で体験することとなりました。

ボリュームたっぷりのギャザースカートは裾の広がりも大きく、縫う箇所が長いというのが特徴です。

お直しの前に、デニムロングスカートコーデを日本人女性様とパリジェンヌ様で見比べてみた感想

MADE IN USAのデニムロングスカート・・・デニムといっても薄手ですが、その作りはジーンズにそっくり。
この色の落ち具合がまさにブルージーンズ寄りでとても惹かれました。

最初は、このまま着用しようかとコーデの参考をさせていただくためにスナップ写真をネットで拝見。

その時にハッと思ったことがあったのです。

日本人の方のデニムロングスカートの着こなし方は、全体に丈が背丈のバランスには重すぎる傾向があったのです。

ロングではき過ぎておられるなあと思いました。

ということで、パリジェンヌ様の同じロングデニムスカートの着こなしを見てみました。

そうしますと、誰もが、足の脛(すね)辺りをあえて見せるはき方だったのです。

以前読んだ本で、「服というものは、体の美しさを表現することである」という言葉が思い出されます。

日本人の多くは、足を隠し過ぎていて、肌の見え方が少ないようでした。

パリジェンヌ様達は肌の見える割合が日本人より多く、遠目で見た感じのバランスが非常にすっきりとして感じが良かったのです。

背丈は確かに欧米の方の方が上ですが、全体のバランスというのは同じように考えられますので、長めではき過ぎているのか、バランスが取れているのかを見比べてみると、パリジェンヌ様は、第3者が見た遠目からのバランスをとても意識した着方をしていらっしゃいました。

これは、国の文化とでもいえるのかもしれませんが、普段から全体コーデとして、全身が映る鏡でトータル的に自身のコーデをチェックしているのかどうかもあるかと思います。

当然ながら、洋服は見られる方の人数が圧倒的なわけで、着る側からの視線は自分だけなのです。

いかに主観的に見ているだけなのか、もっと俯瞰した見方をした方がかっこよいバランスが知れるというものです。

私の場合10cmカットの出来上がり73cmとなった裾上げ

158.5cmの新調の私の場合は、10cmをざっくりカットすると決意。

本当は、古着ならではの汚れがあり、そこを除外していきたかったのがもどかしいですが、あくまでロングスカートを探していたので、スカート丈も維持したいのです。

最初の10cmカットしない状態でも引きずる感じ程も長くはなかったのですが、とても気になる汚れが裾周辺にいくつかあり、10cmカットによって、そこそこ解消されました。

後のYOUTUBE動画内でその箇所を是非ご覧になってくださいね(^-^)。

では、ここでは、簡単に作業の手順を振り返ります↓。

まずは、しっかりサイド、前後のハギ同士を合わせて裾ラインをピッタリ合わせて待ち針します。
裾先端から10cmの位置に細かく印を付けて、ハサミでカット。細かく印を付けるとカーブのラインが忠実に出せます。
10cmの印の箇所をを切り落とし完了。ギャザースカートのすそが弧を描いています。
アイロンで折って三つ折りステッチ。1cmの幅です。
出来上がりです。ギャザースカートはジーンズの裾上げの長さの延長といった感覚で行けました。フレア―スカートはバイアス裁ちなので、少し難易度があるかもしれません。フレアースカートだとまた話が違ってくると思いますので、別の機会で。

お直し後の喜びが倍増のコーデ例のご披露

上下ともアメリカン古着のコンビです。すべてのアイテムが古着です。ベルトはランセルの本革メッシュベルト。ネックレスは鼈甲のオレンジ(白甲:しろこう)。靴はリーガルのローファーのヴィンテージ物。

コーデについて、少し解説させていただきますね。

上下は、全く色同士のリンクはないですが、色のトーンが優しいレベルであることが共通になっています。ブルージーンズの色にヴィンテージシャツのシティ柄です。

このシティ柄。ネーミングは私が勝手に決めさせていただきました。

建物とか街の様子が描かれています。

時々、道路脇の木々や、車が走っている柄もシティ柄。

最初は、ヨットや海のシャツを探していましたが、ハワイアンシャツとかアロハシャツの部類にどうしても行き着いていまって、多く存在し過ぎていました。

レア感があまりなかったので、やっと見つけたシティ柄の2点の内の、こちらをチョイスです。

襟が1980年代なのでしょうか。その年代を物語っていますね。リフォームなどして襟の形を変えることはやめました。このままで素敵でした。

あとがき

今回のリフォームでロングスカートのままをキープしながら、デニムスカートを着用していけそうです。

以前はずっしりと重量もありましたし、10cmカットによって何かすっきりとしました。

アメリカ製はもともとサイズも大きく、丈も長いのですね。

とにかく冒頭のお話の背丈とのバランスは大切です。

せっかくの足元のかっこよさも長すぎる丈で隠れて影の存在になってしまうのはとてももったいないことです。

足の先端の靴の細部まで視界に分かるような、ぱっと見の美しさに影響するような良きアイテムなのかもしれませんから(^-^)。

巾着袋のシングルとダブルの使い勝手の違い【948】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

巾着袋には、シングルとダブルのひもがありますが、今回、ブランド物のシングルひもが、あまりの使い勝手の悪さにダブルに変更したリフォームをしました。

その体験から巾着袋のシングルとダブルの使い勝手の違いと、シングルならではの使い勝手の良さというものもあるのかということを考えてみました。

巾着ひものシングルをダブルにお直しをしたくなった理由

ブランド様の商標権の兼ね合いで、実際のお写真は控えさせていただきますが、イラストでお願いしますね。

左のイラストみたいなシングルの形になっている巾着袋。

素材などはとても良く、カッコイイのですが、機能がまるでだめで、生地が滑らないガサッとしたタイプであるうえに、巾着ひもも滑らないので、口をきゅっと絞めることが困難、もしくは不可能といったような状況でした。

これでは、何も使えないと思い、ダブルに巾着ひもを改造することを決意。そして、右のようになりました。

結果は、生地の性質やひもの性質も何も関係なくスムーズにひもを引っ張ることができて、とてもスムーズな開閉の巾着袋へと変身できました。

今回、巾着袋のシングルをダブルへスムーズに短い時間で変更できたことにはある条件がありました。

それは、2枚仕立ての作りであるということ。

生地の前面と後ろ面を縫い合わせたやり方で作られたものだという点です。

そうすると、片方のひもホールが無い方に、一部縫い目をほつくことで、ひもホールを作って縫いとじ直すことで可能でした。

もしも、片方のサイドが「わ」になっていた場合は、新しく巾着ホールとともに縫い代も確保せねばなりませんので、少し段階を踏みますができないことはないです。

ただ、縫い代の分面積が狭くなることは仕方がないことです。

シングルひもの巾着袋が使い勝手が良いケースはあるのか

さて、私の価値観としては、ダブル巾着袋の方が、今回お直しをしたという事実からも使い勝手が良いと思っていますが、シングルならではの良さもあるのだろうかと考えてみました。

シングルひもの場合は、完全に口がしまらないと思っています。

半開きというかひもホール周辺が別でストッパーなどを利用しないといけなくなります。

ただ、その半開きが良い時もあるのかもしれません。

コップ入れなどに使う時は、少し開き気味なことで、通気性が良かったり、

巾着袋にお花を挿すようなインテリアの場合は、アシンメトリーなシングルの巾着袋が雰囲気があったりするのかもしれません。

あとは、先ほどのコップの感覚に似ていますが、何か大きな容積の物を収納する時になんとなく入れ物として使う場合に、かえって、ダブルよりも出し入れしやすいのかもしれません。

あとがき

リフォームすることで、機能が高まったり使い勝手が良くなったりする効果が得られれば、その苦労とか時間も意味がありますね。

バイクとか自転車などのパーツや機能に関してはてんでちんぷんかんぷんですが、アパレル用品に関してならリフォームのイメージはまだわきやすいです。

1つの例としては、お出かけに使っていたようなバッグ、旅行に買っていたようなボストンバッグをインテリア用に入れ物として使うという再利用の仕方があります。

バッグってもとは入れ物ですから、使い道を変えただけで、その機能は継続です。

そんな考え方で、捨てずにまた使い続けていったりした例は、他にもあり、小さめのハンドバッグだったブランドバッグをショルダーを無しにしてポーチに使ったりなどもできます。

そうすることで、流行などという言葉とは無縁に、永続的に使っていけるかもしれなく、最終的にはコスパの良いお品であったなあと言えそうですね(^-^)。

フラップのお直しの際にハギにせざるを得なかったことから考える、ハギはデザイン?それとも2流品?【836】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドリュックの入り口フラップの取り付け直しリフォーム、残り3点となりました。

今回は、その3点の内の1つです。

フラップの面積を広くするわけなので残布が必要です。

しかも両面表地ということで倍必要になります。

今回の生地は元は多めで2点のリュックを作ることができたのですが、それも配分によりお直しの時点では残布不足の事態に。。

これを打破する策として、ハギを真ん中で作ってデザインみたいにするという手法を取り入れました。

果たしてそのハギの解釈は。。。

今回は、このハギの解釈についてのお話になります。

完成レビューで見る、ハギのデザイン性について

今回の生地は特にごわついていて、パンプスの素材用としてのナイロン素材です。このごわつきがリュックにした時に素敵になりました。ボンと膨らむので、隙間が結構解消されているかのように見えます。薄手のやわらかな生地との違いがここに見られます。
さて、今回のお話のハギの部分ですが、フラップに真ん中に線が走っていますね。こうして、縦割りで真ん中でハギを作ったのが今回の策でした。
アップに近寄ってみます。ハギと言っても偏っては美しくないので、どこかしら真ん中を基準にはします。そしてデザイン性を出すことでつぎはぎのイメージを払拭。

さて、このハギの解釈ということになりますが、私としては、実直ながら、やはり、フルに面積を使ったものに対しては二流になるかと思っています。

作り手がこんなことを言っては元も子もないですが、どうしてもそういうものですね。

高級品のブランドバッグが余計な部分の余り生地をもったいなく残してでも柄を綺麗に整頓して出す位置に裁断したりすることからも、高級品の証としては、フルにパーツを1枚仕立てで製作することにあるかと思うんです。

しかし、現実の話としては、1点物であるがゆえ、こうせざるを得なかったというストーリもありまして、私としては、堂々とそういったエピソードをお話していくスタイルです。

同じ残布がもう二度と手に入らないからこうするしかなかったのだというお話と共にご理解いただくということがある意味新しいタイプのご紹介の仕方だと思っています。

ハギがあっても、何も変わらずきちんと丁寧にお仕立てする。。。このことは貫いております。

訳アリとしてのお値段について

こういったものは、このエピソードをお話するとともに、やはりお値段との関連があります。

当然ながら、定価というわけにはいきませんが、このことをご理解いただくことで、特に使用には差し支えない機能がそろっていることから、大変お得なお買い物をしていただけることに繋がります。

ありのままをお話して、ご理解いただくことで、受け入れていただく可能性に掛けたいと思っております(^-^)。

あとがき

YOUTUBE内のお話の中にもあるのですが(最後の方)、結局はお値段どうこう関係なしに、すべてが二度とない生地の組み合わせ、二度と登場しない生地だったりすることで、ビンテージ古着のようなレア感を新品のハンドメイドバッグにも入れ込みたいのです。

なので、お値段が安い方のお品でも、そういった考え方/哲学は同じレベルで入れ込んでいるということですね。

温かい冬には前身をシャット♪、ボレロ風カーディガンからセーターへのリフォーム【827】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

古着には完全でないものも見つかります。

ここをもう少し。。。など、リフォームによって手を加えることで満足の行くようなデザインに近づければ、古いものに出番があったことで素晴らしい結果に導かれると思います。

今回、1つの例としまして、ボレロ風な前身が開きっぱなしのお品をセーターに変えていくリフォームを図解でお伝えしたいと思います。

現物はブランド様への考慮で写真の掲載をやめさせていただきました。

ボタン付きのカーディガンでも応用可能♪、前開きを縫い閉じるリフォーム

今回のカーディガンは少し特殊。

観音開きになっていて本当に羽織るだけのお品でできているものになります。

ボタンホール1つ付いていないのです。

それでも素材が毛混のあったかいもの。

羽織る出番よりも着る出番の方が実際は多いと考え、リフォームを決意。

こんな感じでボレロのようなVネックの深い、羽織るタイプのカーディガンです。丈は50cm程度あるので、セーターになることができると考えました。
このように重ねて、ステッチで固定。セーターの色に合わせて目立たないような糸の色を選びました。エンジ色のセーターなのでなじむ同じような糸の色がおすすめ。そして、上になる方の見頃の端の裏側に伸び止めテープ9mmの「平」を貼りました。そのテープに縫い付けがかかるようにステッチしていくというのが良い使い方です。一番上の横ステッチは固定です。合計3本のステッチを入れました。

応用としては、グログランテープのようなリボンテープを用意して、その裏に伸び止めテープを貼ってグログランテープが表に少し顔を出してしまっても良い感じのデザインにしてしまうと気軽にできるかもしれません。

伸び止めテープは1枚仕立てでやりましたが、わずかにうねりが残っています。

何なら2枚重ねても良いかもしれません。

なにも貼らないとかなりうねりが出るかと思います。せっかくの目立つラインなので伸び止めテープの利用価値はあるかと思います。

そして、このように出来上がりました。正面から見たときにステッチの線がわずかにボックス状に映る感じですが、ステッチする位置も、ニットの編み目の太い線に隠れるような位置を選んだりすることで浮くものにならない工夫もできるみたいです。

ということで、ちょっとした作業でしたが、着心地としては劇的に変わると思います。

寒い冬は閉じられたアイテムがあったかいです。

あとがき

今回のアイテムはもともとボレロ風でボタン1つ付いていないものではありましたが、同じようにボタン付きのカーディガンなども可能であるかと思います。

その時にボタンは完全にデザインだけということになりますね。

カーディガンの機能を残したいのだけれどボタンホールが緩くなってボタンがぽろぽろととれてしまうケースは、別の記事でその対策をアップさせていただいております。

【306】という番号の記事で<リフォーム>カテの中にございます。結構人気の記事です。

よろしけれはそちらにも後ほどお立ち寄りどうぞ(^-^)。

隙間解消対策をすでに完成しているお品もリフォームしていく意向【798】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在集中製作中の「餅巾着:もちきんちゃく」に重大な修正箇所があり、現在試行錯誤中です。

巾着型はどうしてもすき間がセキュリティー性が弱く、それを工夫してきたデザインなのですが、実際の使用場面となるとやはりまだまだ甘いものだということが、お客様からのフィードバックで分かってきています。

カギを握るのはフラップのサイズ

今回、先にYOUTUBE動画を貼ります。

なぜかというと、YOUTUBEアップ後にまた更に改良する必要が出てきたので、先に貼っておきます。

このYOUTUBE内の改良内容ははそれはそれで、一定の効果はあるようですが、まだまだ解決できていないと思い直しました。

YOUTUBE内より抜粋1/3:今回いったん改良したのは、フラップが大きくなったこと。そして、Dカンの位置をうんと下へ下げています。
YOUTUBE内より抜粋2/3:フラップは縦横17.5cm程の型紙を1cm縫い代を折ったもので、15cm程に出来上がりました。以前よりは大きいものの、まだまだすき間を完全に埋めるものではないことが引っ掛かります。
YOUTUBE内より抜粋1/3:フラップが入り口からずれていて、隙間が完全に解消されていません。

ただ、以前よりも、この向きから言うと縦方向には固定されてある程度の開き防止はできていることも少し分かります。

じゃあこれ以上どうするのか。。。試行錯誤の末の計画

この向きから、実物を長い間じーっと見つめました。

そして、こう思いました。

せっかくこの折り畳み式のような形にきゅっと口を狭めたわけなので、それをちゃんとキープせねばと。

この状態で入口の横がだいたい20cm弱なので、フラップの型紙の横幅を20cmにして縫い代分各1cm両サイズとられて、ちょうどフルに覆うものができるのでは。。

そして、フラップの取り付け位置を挟み込みではなくて、背の裏側から覆うように持ってくる、つまり、本体の裏面に縫い付けの方法でいまよりもすき間が覆われるのでは。。

そして、リュックのショルダータブは、その縫い付けの先端の真ん中に挟み込む。

これを次にやってみようかと思います。

そして、今までのすべてのこのタイプのお品をリフォームしていこうと思います。

あとがき

あと一歩で、上手くいきそうな予感。

このことを解決することで、機能としても気の利いたものにやっとなりそうです。

なぜ、そのサイズでなければならないのか、なぜその位置に取り付けなければならないのか、ということなどがちゃんと理由があるお品になることが大切。

そうでしかどうしてもなり得なかったという状況というのは、がんじがらめで究極。

ここから生まれたものって創意工夫がこらされたものであるということを聞きます。

それがシンプルで無駄のない意味のこもったお品となるかと思います。

レンタルジュエリーは、当HPで受け付け致しております。

本物志向のレンタルジュエリーこちら。

ハンドメイドバッグは、ヤフオクとcreemaで販売中です。

是非お立ち寄りどうぞ(^-^)。

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ビンテージバッグを長期にわたって持っていくことである越えなければいけない峠【665】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、私が実際にビンテージ物の20-30年のブランドバッグを集めてきたことの間に越えてきた、峠があったというお話です。

よく「このバッグ一生物だね」なんていう言葉がありますが、それは最初の新品の内の話です。

その後の経年で果たして本当に一生物に相応しい状態でいられるバッグがどれだけあるのか。

その実際の話になりますので、より現実的にビンテージ物の難しい部分も知っていただこうかと思います。

合皮部分の劣化などの問題に必ずぶち当たるブランドバッグ

私が集めてきたバッグの中で、何もお直しをする必要が無かったというのはほんの1-2点です。

それは、布製だったり、ALLレザーの本革で作られたりしているものです。

ほとんどが、どのような一流ブランドと呼ばれるバッグであっても、裏地に合皮が使われていたりして経年劣化が起こってくるのが10年超えてきた後からです。

私もこれまでいろんなリフォームをしてきました。

自分で行えるもの、リフォーム屋さんのプロにお願いしたものと混在します。

自分で行ったものとしては、合皮部分の内ポケットがねっちょりとべたついてきて、それをポケットのステッチを外してポケット無しの状態にして終わりという単純なリフォーム。

新たにポケットを付ける必要なんてないと思ったんです。

よってその程度は自分で可能です。

自分ではどうにもならなかったものとしては、内袋がまるまる合皮が劣化してまるごと布製へ変更してもらったリフォーム。

これは、もしかして自分でもできるかもしれませんが、綺麗にとなるとやはりプロの直し屋さんを頼るのが一番。

綺麗に黒色の内袋を、テクニックを使って、途中のハギ目からの接結で取り付けていただきました(¥22,000というようなお直し代だったという記憶です。何かバッグが1つ購入できますね)。

あとは、もともと購入時にショルダーが付いていない状態だったので、別のショルダーが無事な本体は劣化と型崩れで終了の中古品から移動して自分でミシンで縫い付けてショルダーにするというリフォームをここ最近しました。

その他は、もともとポーチなのだけれど、ポーチとしてはサイズが大きすぎるものをタブを利用して(タブを補強のためミシンで補強ステッチはしました)、そこへ丸い輪のパーツをはめ込み、その輪に革のショルダーを上述のように他の本体が使えないバッグからの移動でうまく色を合わせて縫い付けることは数点リフォームしました。

これ、あくまで自分使いですね。思いっきりブランドがミックスしてしまっていますので、写真とか具体的なブランド名もご紹介することがなかなかできません。

でも確実にポーチが使えるバッグになったという点で前より価値が出たものになったんです。

こういったビンテージ物のアレンジの仕方は自分にとっては1点物なので、素敵なコレクションになります。

今回のこのリフォームだらけのエピソードから言えることは、一度のリフォーム後は本当の意味で一生物になったということ。

その前までは、中途半端だったり、価値の不足した状態だったのを、「リフォームの峠」を越えて、ずっと今後も使えるものになったということです。

製造側の方も合皮を中途半端に一部使いするということを見直していただきたいと私は強く思います。

合皮なら合皮ならではの雨の日専用ということで、すべて合皮であればそれは納得のお品になれるんですね。

そういうこともなかなか難しい諸事情もあるのでしょうね。うーん。。。

あとがき

今回のこの「リフォームの峠」を超えてこそ本当のビンテージ物がコレクションの1つになっていくというものに対して、事前に何か対策できるとしたら、そもそもバッグを購入する時に表面だけでなく中もしっかりチェックすることでしょうね。

そうすれば、リフォームさえしなくてよいですからね。

例えば、私が持つビンテージ物のバッグの中でリフォームをしなくてよかったものは、断然布製のお品なんです。

布製の表地に対して裏地に合皮レザーを使うことは全くとは言いませんが、あまりないですので、裏地も布であることが多いです。

そうすると表地が布製というのは、結局のところ、長い長い目で見たら、安全な劣化のない長持ちのお品になれるんです。

それは最初の時点では、どうしても本革レザーの表面に迫力が負けたりなどで、その価値が分かりにくいものですが、何十年と経過した時にその実態が分かったりするものです。

ということで、「購入時の慎重さ」というのもポイントになるかと思いました。

タオルをコスパ良く使っていくために。。縁の擦り切れを接着芯を使ってお直しする技【662】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

タオルは日常になじんだありふれたお品のようですが、これが結構長持ちの約20年になるタオルが私の手元ではごろごろしています。

ここにきて、お洗濯のきっかけに擦り切れが目立ってきたタオルがあります。

タオルも同時期にスタートしてもお品によって持ちが様々。

長年タオルをコスパ良く使おうとリフォームしながら使ってきて思うこと。

タオルって結局洗濯機で傷むのです。

タオルが何か大きな力が加わり損傷することはほとんどありません。

結局、綺麗に洗おうとしたその洗濯機で傷むという何とも矛盾の事実。

まず、お勧めしたいのは、ウォッシュタオルやバスタオルも洗濯ネットに入れて洗うのが長持ちの一番の秘訣だということです。

実際のリフォーム作業の場面

とは言え、そこまでしていると洗濯ネットだらけになってしまうので、私も、タオルはそのまま洗濯機で回してきました。

よって今回、擦り切れを手直しするということになります。

ひどくはないのですが、一部縁が三つ折りラッピングが外れてゾコゾコになっています。これをラッピングし直してステッチしたいのですが、けば立った毛のような繊維を三つ折りというのは困難。そこで、ある材料を使います。
ハンドメイドバッグに使っている接着芯です。できれば織芯がタオルには相性が良いと思います。同じ黒色があったので、色はマッチしています。そして、毛並みの上にすき間を埋めるように生地のように補充して接着してあげるのです。
こんな風に接着したら、適度な長さに横にカットします。このままでは野暮ったく、くるみ込みきれません。
飛び出した繊維の長さに芯地もカット。そうすると生地みたいなものが出来上がりましたね。これで三つ折りラッピングができる体勢になりました。
そうして、ミシンをかけて縫い閉じて出来上がりです。ミシンの場面などは下に貼るYOUTUBE動画でどうぞ。

左右が対象の物はもう反対側もチェックして事前のリペアをしておく勧め

とここでポイントがあります。

タオルの片方だけが今回お直しの対象でしたが、私が偶然間違えて、大丈夫だと思われる反対のサイドを縫ってしまったことがきっかけで気づいたことがあります。

別のサイドももうすぐ同じようになりそうな状態だということが分かったのです。

今ここでお直しをしておけば、早い対処となり、ひどく劣化することから免れます。

対象の箇所というのはおそらく反対側もなっていることが多いのでそちらもチェックして同じようにお直ししておくという手立てが長持ちにつながると思いました。

あとがき

タオル関係のリフォームは、以前の記事でも、バスタオルを含め4度アップしています。

【185】、【254】、でバスタオル、【257】、【260】で今回と同じようなウォッシュタオルです。

また違った擦れ具合だったりするので以前の記事は、リフォームのやり方が今回と違ったものであったりします。

大半の人が、お洗濯においては、洗濯ネットにタオル類を入れることなんて少ないのかと思いますが、パイル地であるデリケートなタオルこそ本来洗濯ネットに入れるにふさわしいアイテムなのではないかと思えてきました。

毎日使う当たり前の物だからこそ、買い替えれば代わりが簡単に見つかるものだからこそ結局、同じものを長く使い続けることのコスパの良さ、価値もあるかとそんな考え方を一度してみるとよいかもしれません。

【625】【626】の続き、これでラスト、留めベルトのつまみタブ設置リフォーム【628】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

【625】【626】の記事にて、日傘のある部分のリフォームを行ってまいりましたが、実は忘れ物がございまして(^_^;)。

今回は、本当にこれで最終です。

忘れ物というのが、留め具のリングに取り付けるタブでした。

これがある無しではとても使い勝手が変わりますので、必須のパーツだったのでした(^_^;)。

リングの空きを邪魔しないようなシェイプされたデザイン

ということで、今回型紙無しで、なんとなくデザインしてみました。

当然左右対称に重ならねば縫えませんので、どんなデザインでも左右対称は必須ですが、ポイントは、リング内にボタンがはまりやすいよう、その空間を邪魔しないようにシェイプされたデザインにするという点です。

こんな感じで、1本のテープなんだけど細い部分があるものということで細長い台形にカット。
なんとなく考えたものですけどね(^_^;)。
アイロンで真ん中を縦に折り、さらにそこへ向かって外側から包み込む感じで、周りのステッチをかけました。この1つ前の段階のアイロンで折る場面は後程のYOUTUBE動画にポイント箇所があるので、ご参照くださいね(^-^)。
そして、リングに細い部分を通して、先端を手縫いで縫い留めます。この写真よりももっと深く折り込み、つまみタブの長さをほどほどに短くしました。
そうして、完成です。このつまみタブがあると、機能としては大変スムーズです。

あとがき

今回の日傘は、非常に布ライクで、ガサっとしてすべりにくいので、こういった素材は特に、留めベルトもやりにくいものです。

総合して思うのは、あまりきつくやり過ぎず、少し余裕のある程よいゆとりが傘の生地自体を傷めないコツだと思いました。

ツルツルの滑りの良い傘なら自然にキュッと縮まってくれますが、結構厚みがあるままなのでその点は傘の素材の種類による配慮といったものが出てきます。

今回のリフォームは、ビンテージの古いお品をリフォームすることで、大切に使っていけることの例です。

昔の物は本当に素敵な物が多いです。

日傘もなかなかこれといったものが見つからなかった中に今回の傘が、昔ながらの手の込み具合で、オシャレできらりと光っているお品でした。

購入時の選び方なんかも結局は長く使っていくかなどにかかわってくるというもの。

ショッピングをする時の自分に合った拘りとか、そんな点も今後ご紹介できたらと思います。

そもそもお直ししてでも使っていきたいお品というのは、もとは、購入時の心持ちだったりしますので、ショッピングこそ重要であるのかもしれませんね(^-^)。

前回【625】の続き、日傘の袋のサイズを広げるリフォーム【626】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

前回の記事【626】では、ここ最近紫外線対策として、メルカリでお譲りいただいたお洒落なビンテージ日傘の留めベルトをちゃんと使えるようにお直しするということをしました。

ただ、ここにはまだ続きが。。。

どういう訳かいろいろサイズ的な問題の部分があったお品のようで、袋も窮屈なんですね。

傘と同じ生地なので合わせて作ってあるとは思うのですが、なぜか入り口も閉まらずといった状態。

ということで、今回は、傘の袋の方が主役。

日傘の袋のサイズを大きくするにあたってお直しする箇所は2点

こんな感じでとってもサイズがきつくて、入り口のドットボタンが閉めれない状態にあります。その理由はよく分かりませんが、とにかくすっきりしない収納状態なんですね。これをちゃんとすっきりとドットボタンが機能した、中身にふさわしい容量に広げていきます。

まず、狭い原因の1つに、凝ったタックが入っていることです。

確かに入口の上部分は狭いのでタックを入れる意味はデザインとしてはありますが、実際、きつい原因にもなっていますので、タックをすべて外します。

1-タック外し:タックが結構入っているので、思い切ってすべて外します。
まず、タックをリッパーで外す作業です。
糸を外したらアイロンで整えます。ドットボタン周辺は、ミシンが乗り上げられないので縫えないんです。可能であれば、一部ミシン糸を残して丁寧に見えない部分で玉止めして、ミシンが可能な部分だけをほどくというテクニックがあります。今回試みましたが、結果は糸が思うように残せず、ほぼ全部ミシン目を外してしまいました。
こういったように糸を外し過ぎたときは、ミシンで縫えない部分は手縫いで補助します。
2-縫い代を広げる作業:横幅が狭いことを縫い代のゆとりをもらって、この半分くらいの縫い代に変更することで本体の横幅を広げます。
5mm強程広げることで両サイドの計1cm強を広げることができました。縁をロック代わりに2本取りでブランケットステッチですっきりと始末しました。擦れてもほつれが擁護でき、安心と心地良さが生まれます。

スカートのダーツやタックなどもそうなのですが、広げた分量の2倍が実際に広がるということので、かなり効果が出ます。

そして、この部分も、先ほどのタックのドットボタンのように、一番下のアイレットリング/ハトメリングがミシンを妨げるので、手前でミシンをやめて、残りを手縫いです。

こうして、ミシンと手縫いをミックスした作業を致しました。

完成です。ゆったりと傘が袋に入れられるようになりまして、ドットボタンもちゃんと閉まりました。

あとがき

上述の中で、ミシン縫い部分と手縫い部分がミックスされるというお話を致しました。

やはり、リフォームは、当初の製造の順番通りにどうしてもできない部分があります。

外す必要がない部分を外すとか、外したら新しいものを付け直さなくてはならないようなパーツは、今回のアイレットリングやドットボタンのようにそのままの状態で残し、別の工夫を入れ込むというミシン+手縫いというアイデアを持ち込みました。

ある意味リフォームはそういった製造過程にはない工夫が必要な場合があります。

逆に製造過程を知ったりの学びになったり、アイデアの引き出しを増やすという経験もできるということなのかもしれません。