見えない内側も見られる前提で美しく仕上げたい、ラッピングの縫いとじステッチを両面同じ位置に均等配分される仕上げ方【233】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在製作週間にしております「スーツに合うエコバッグ」。

こちらも後半に入ってきました。

今回使用の生地と残り2生地を終えたら、集めた生地が終了します。

スーツに合うということでいうと、このたびの生地はなかなかコーデの範囲が広い無地となります。

やっとここで登場の初の「完全無地」

よく考えましたら、これまで、ジャガードやストライプなど柄入り生地を使ってばかりでした。

このたびは、バイカラーの切り替えもしない、完全無地1色で作ります。

色は、「グレージュ」などと呼ばれるような色です、「モカグレー」とも呼べますかね。

この色はなかなか便利な色です。

黒にも合う、茶色にも合うといった中間色で、とてもクール。

そして上品さもあります。

そこへ、カーテン地のボコボコした織り目が「エモい♪」です。

<使用生地>生地名不明(カーテン地)、ポリエステル/100%、日本製。
このモカグレー色の中間色にボコボコした凹凸感のある織り目が特徴。結構厚手です。

マチにほどこすラッピングのテクニックを修行中

ラッピングは、ここ最近多く機会を得ていて大変勉強になります。

はっきり言って難易度は高めです。

技術が必要ですが、技術と言ってもたくさんのコツの集まりなので、それを見つけて1つ1つ忠実にそのコツを全うしていけば上手くできるものでもあります。

確かに単純なものではないかもしれませんが、この機会にたくさん経験して得意分野とまでになればと思います。

まずはマチ16cm巾分の地縫い。本体の端から1.5cmの縫い代を縫います。

ただ、後の「再考案」では、そもそも地縫い自体を縫い代1.5cmではなく縫い代側に寄った7.5mm程度に行い、完全に地縫いを隠せる位置にした方が確実と判断。

ここからも仕様が今後発展して改良されていきます。

巾6.5cmx長さ20cmのラッピング布を用意。両端1.5cmに縫い代の印を付けます。

ラッピングの幅が変わらないことで、地縫いを7.5mm程度に改良したことの効果が出そう。

完全に地縫いがラッピングによって隠されるのです。

縫い代の印通りにアイロンで折り線:最初に真ん中で折ったところを最後にもう一度ダメ押しアイロンが重要。
縁はくるみ込むのでこんな形に。アイロンのきちんとしたかけ方が活きます。
最初のスタートラインを1ミリ外(右)に突き出してスタート。

この突き出しの意味は、地縫いの線が見えないようかぶせる役割。

縫い終わったらアイロンをして、反対側へくるみ込みます。
そして、くるみ込んで閉じる方側に待ち針。
この縁の部分を見ることは表側と裏側に均等にラピング巾が配分で来ているかを確認の目安。
そして、縫い閉じた後の裏側ですが。。あれ?ミシン目が端の方数センチ落ちてしまいました。
ここにミシン目が乗っていない。。この原因は、表と裏でラッピング布が均等でない証拠です。
と、このように分かりやすい側面から見てみますと、確かに幅が違う。随分ずれていますね。
この生地は、伸びたりすべったりするし、厚みがあることも原因です。

ということで、できあがりが今一つなマチのラッピングでしたが、それだけ完璧に行うことに注意が必要な部分なのです。

しかし、今回の学びは大変有難いこと。

本などには決して書いていないこと。理論通りにやっても、生地によっては通用しない場合があったわけです。

確かに私も最後の方引っ張ったりもしていたし、目視もしていなかったので、この辺りをきちんとどの素材であっても行っていきます。

例えば、幅が表裏でずれがちなら、最初から反対方向へずらしておくとちょうどになるなど、

「職人技」の粋でコツを得ていきたいと思っております。

見えない部分と言えばそうですが、見ようと思えば、見ることが可能な部分ではあるわけですので、美しく仕上げたいです。

出来上がり:「スーツに合うエコバッグ:モカグレー無地VER」縦39cmx横35cmxマチ16cm。

あとがき

すでに上述しましたが、ラッピングのある場所の地縫いは、ラッピング幅よりも半分くらいに完全に隠れるように設定しておくと、その後のラッピングに集中できます。

これまでのように地縫いを1.5cm、ラッピングを1.5cmとしてしまうとラッピングの際に地縫いが見えないように気を付けることも加わり注意点が多すぎて苦労し過ぎます。

苦労するところは、どうしても必要なこと以外は解消し工夫してその悩みを消していくことも結果美しく仕上げるコツだと思いました。

このお品は、後に見本としてコンテンツにまとめ、作り方販売をしていきたいので、この時点で徹底的にメソッドを確立したいのです。

是非出来上がった暁には、コンテンツでじっくりご覧いただけると嬉しいです。

販売しますので有料なのですが、それ以上に腕をあげていく、他のバッグにも応用できるなどのたくさんの結果が出るようなお力添えを精一杯してまいります(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

広くゆったりと見渡せるA4横型、メインにもなるサブバッグに出来上がるためのノウハウ【29】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

サブバッグと呼ばれるバッグが本当に2番手バッグで終わるのか。。。

価値観によってはメインバッグにもなるかもしれません。

私は、結構あのサブバッグのラフな形がとても好きです。

いつの時代も流行を気にせずに自然なスタイルで使えるただのシンプルな入れ物のような様相がかえって、自然で使いやすいのです。

トート型の自由で開放的な作りは、セキュリティー性には欠ける部分もあります。

しかし、どこに自分が一番重きを置くかというところでは、私は、ストレスのない開閉であったり使い心地であったりという、「使い勝手」を重視しています。

そんな自分の価値観も組み込みながら、せっかくの広い面積に美しくお花が咲く風景のように映るデザインでサブバッグをお作りしたいと思いました。

サーモンピンクxベージュの優しさにあふれた柄の

今回の花柄、こちらです。

<表地/裏地共通:サーモンピンク花柄>:PAPER PRINTEDという名前の生地、ポリエステル/100%、日本製。

まず、この色、大変落ち着いていて上品ですね。エレガントな雰囲気です。

サーモンピンク地にグレージュ系のコントラストが素敵素敵です。

薄手の生地ではあるのですが、目が詰まっていますので、表地使いもありと判断。

裏地の色は別生地だとあまりにコーデが難しく、ギブアップ。同じ生地で作りました。

おそらく、この素材はもとは、ワンピースなどに向く服地だと思います。

それをバッグに作るという点が面白いのです。

初の両玉縁風ポケットにトライ

今回のデザインは大変シンプルで、ポケットも1個のみです。

ただ、このポケット、今回私としては初めて作ったデザインのポケットです。

作業順を1-8までの写真で追っていってみて下さいませ。

バッグ用の玉縁ポケットの手順(あくまで、今回初めてで、見よう見まねで取り組んでみたもので、引き続き良い作り方は研究中です)

まず、ハード薄芯を裏地の裏面に当て、そこに長方形のポケット口の出来上がりの枠をシャープペンなどで書きます。

ラッピング布パーツを裏地の表面に裏返し(つまりは中表)に置いて、描いた枠線を後で包みこめるように均等な配分の位置、つまり枠がど真ん中に来るように置いて待ち針を打ちます。

そして、先ほど書いた線の上をなぞるようにボックス型にミシンをかけます。

この時返し縫いは最小限が綺麗です。私は、返し縫い無しで、玉止めをしっかりするということにしています。

そして、1のように真ん中にハサミを入れ、縁約7mm程度はYの字に角に向かってハサミを入れます。

そして、玉縁(たまぶち)を意味する、ラッピングという作業で、ラッピング布のある表面側から、裏面側に返して、アイロンをかけ、ボックスの縁から1mmほどをステッチで固定。

それが、2、3の写真の出来上がり写真にあたります。

4のように左側の延長布(短い方)と、右側のポケットの袋布(長い方)をそれぞれ三つ折りステッチして固定した後、5のように、裏地の裏面にポケットパーツ2つの裏面を向けて(中裏)、ボックスの穴の半分ずつ均等に、待ち針で取り付けます。

6がその状態を表側から改めて待ち針を打ち直した場面です。ここで、真ん中から見え方が均等かどうかをチェックしながら整える待ち針です。

そして、先ほどボックスの外1mmのところにステッチをかけたその上をなぞるように再び裏面にミシンを走らせます。

そうするとポケットの延長布と袋が本体に取り付けられたということで、最後に延長布と袋を縫いつなぎ、脇も縫いつなげます。

7,8は完成の状態です。

なぜに、このような変なこと(玉縁)をやるのか。。

これは、先人の知恵だと思うんです。

真ん中を切ってハサミを入れたその切り口を、布でくるみこんで、切り口がほつれるリスクを食い止める、この役割と、見た目の美しいデザインを兼ね備えた、昔の人の知恵が受け継がれている手法だと思います。

最初にこのラッピング方法を考えた人は、すごいとつくづく思います。ほぼ発明のレベルでしょう。

私は、スーツによくあるポケットの手法を玉縁の部分だけ学ばせていただきました。

そのほかに関しては全く作り方も分からず、独自の作り方で今回のように出来上がりました。

スーツ専門の職人様からはもしかして突っ込みが入るかもしれませんが。。。

独学だけで来た者が洋服道には行けませんでした。仕方がないのです。

完成レビュー

サブバッグが完成した状態を10枚の写真でご用意いたしました。

<サイズは>:縦27cmx横34cmxマチ14cm。

デザインとしては、シンプルでとても単純です。

A4横のサイズというのは、超定番サイズだと考えます。

このサイズ感が大きすぎないさっぱりした持ちやすいアイテムになればと思います。

このA4などという呼び名ですが、ペーパレス化が進む将来では、消滅していく可能性もあります。

もう書類を入れるという観念がなくなると、このサイズ感である必要もないのかな。

しかし、この書類入れの機能というものがいずれ遥か昔の紙使用時代のなごりだなんて言われるようになった未来が来たとしても、その意味は歴史とともに必要があってのサイズだったということが刻まれることでしょう。

あとがき

サブバッグなんだけど、メインバッグにもなってしまうような活躍のバッグになればと思います。

私がそうであるように、多くの方達も、こうした単純なバッグの良さを感じ、使い勝手に魅力を感じていただくことがあるかもしれません。

余計な飾りが無い所が、垢抜け(あかぬけ)していてい魅力的だという価値観もあるのです(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク