端が擦り切れた10年来のタオル、ここから更なる10年長持ちさせるための生地カラーに美しく馴染む三つ折りステッチ【257】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「フェイスタオル」というサイズ、これは最も伝統的なタオルの中の定番。

「ウォッシュタオル:コンパクトサイズ」や「ハンドタオル:ハンカチサイズ」は後に出てきたサイズではないでしょうか。

別投稿で、このたびのような縦長長方形の伝統的な方の「フェイスタオル」の紛らわしい呼び名の覚え方をご紹介しています。

「フェイス」という言葉は、お顔のことで、小さい方のサイズがイメージとして付いてしまう紛らわしさの解消方法です。

「顔が広い」という言い回しが日本語にありますが、この言葉から面積が広い方の「フェイスタオル」の「フェイス」に関連付けて覚えました。

「ハンドタオル」「ウォッシュタオル」は区別があいまいで、タオルハンカチのことをどちらも呼ぶことがあります。

しかし、「フェイスタオル」と言うと、必ずこちらのことという定義が定着していますので、いかがでしょうか。

さて、脱線を元に戻しまして、このたび擦り切れたタオルの縁のミシンを使った補修の様子をお伝えしたいと思います。

縁だけのせいで新調するなど「サスティナブル」ではない。。まだこの先も使っていけるものにしたいと思います。

この時点ではまだ終わらない、縁が擦り切れた10年来のフェイスタオルを三つ折りで新しい縁に生まれ変わらせる短時間の補修

非常に短い時間で行えますので、ミシンを1台お手元に持たれることをまずはお勧めしたいと思います。

擦り切れた10年来のフェイスタオル:百貨店のワゴンでの購入。ブランド品のロゴの無いタイプでした。
歪みの整え:まずはアイロンがけのようなことをしながら縦と横の地の目を整えておきます。
三つ折りアイロンと糸選び:1cmずつの三つ折り。60番の糸のパープルカラー、ベストマッチです。
ボビンごと糸立てに設置:邪道ながらこのように下糸用のボビンを上糸に設置して使うことを時々します。

当然下糸も別のボビンに巻いたものを準備、ボビン同士のコンビで縫っていけるのです。

三つ折りステッチ:最初と最後は返し縫い、丁寧に縫っていきます。ミシンは「JUKI:シュプール:TL25」です。
糸の始末:最初と最後をこんな風に折った溝の中に丁寧に隠し、玉結び・玉止め。
完成:ものの1分で完成。表側から見た時に糸カラーが馴染んでしっとりと映ります。白糸よりも正解でした。
新品同様の縁:大袈裟ですが、10年来とは思えない縁に蘇りました。ここから更に10年を目指すことになります。

あとがき

厳しい判断をすると、そもそもたやすくこのタオルを購入したことが10年で傷んだ原因です。

ブランドタオルで同じくらいの価格のデッドストック品やUSED品であってももっと良い状態で10年を迎えられています。

日常的な親しみあるタオルだからこそ、コスパ良い購入の慎重さも追求したいところです。

ただ、贈答品として無料でいただいたようなタオルは質がもともと良くないこともあります。

そういったタオルは使い道を「敷くための専用」などと長持ちできるような使い方にしていく使い方の工夫もあると思います。

タオルは決して「拭く」ためだけのものではない、別の可能性もあるということです(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

バスタオルは常に20年来のものという良きコスパ、ブランドのロゴの硬さがかえってアンバランスで開いた刺繍穴の補填【254】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

冷蔵庫・包丁・トースターの日常的なキッチン用品と並び、タオル類のインテリア用品も軽く10年超えの使用、現在は20年来になるものもあります。

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.10.26からおよそ5年後の2025.09.14にブログ記事の「手直し」の順番でタイトルから見直し綴り直しをしています。

このたびは、立派なロゴ刺繍がかえって傷みを加速させてしまった現状と、その補修風景をお伝えします。

そもそも刺繍が立派過ぎて、本来タオルという素材との相性は良くないのです。

ここに商業的な背景を見ることができまして、タオル類などはハイブランド品もすべてライセンス品だと思うのです。

今後長持ちをしていくことができるタオル類はロゴを象徴し過ぎるものよりも、お品物自体の良質さを保つことを考えた製造のものをあらかじめ選ぶという見方もあるということです。

とはいえ、これまで長年持ってきたせっかくの素敵なバスタオル、この先も使っていきたいと、刺繍周辺に穴が開いてしまった補修をしたのがこのたびの記録です。

この先も長持ちを望む素敵なブランドバスタオル、ロゴ刺繍付近の穴開きのカバーと今後の補強対策の当て布の縫い付け

20年使用し続けてきたブランドバスタオル:「FENDI」様のもの。贈答品の未開封リサイクル品を購入。

一見問題がなさそうな丈夫な作りですが、ロゴ刺繍周辺に穴が開いてしまったのです↓。

ロゴ刺繍周辺の穴:まさしくロゴ刺繍の硬さとパイル地のミスマッチの一例のようなもの。刺繍が立派過ぎます。

時代も変わり、ロゴ刺繍をど真ん中に据えるデザインばかりではなくなってきているのですが、昔のデッドストックなどでは懐かしいこういったライセンス品がかえって素敵。

「ブランド傘」などでも感じることですが、ロゴ刺繍をすること自体がすでに製造時に生地を弱らせているという見方もできます。

ロゴがあるからこそかっこいい。。ロゴ周辺の傷みはちょっとした皮肉なのです。

考案の当て布の型紙:黒生地で当て布をするという案。型紙を縦7.5cmx横10cmで用意。
手持ちの古帯の黒布:帯布は硬いので本当は柔らかい生地がタオルに相性が良く、黒のパイル地ならなお◎。
折り込みミシンステッチ:接着芯を貼り、縫い代は1.5cmで行いましたが、1cmの方がすっきりすると後で反省。
完成した補填布:この長方形をロゴ刺繍の裏面に当てて縫い付けます。
補填布の縫い付け:先程の縫い代を隠すためのボックスステッチになぞって縫い付け。
バスタオルへの設置完了:ロゴの裏面が黒生地でカバーされました。
表面へのステッチの出方:同じ黒糸を下糸にも使ったのでわずかにボックス枠が映りますが問題なし。

こうして完成して反省した点は、帯布が硬いことです。

もう1つのその後のアイデアをここに記録しておきますね↓。

黒布ではなく、黒の接着芯を多重に重ねて裏面に破れた箇所だけに接着。

その接着芯を固定するように、控え目な回数(たくさんは禁物、刺繍とおなじことになってしまいますので)のミシンステッチで返し縫い。

このやり方をしたのが、ブログ記事の【185】です。

バスタオルのロゴ刺繍は、このたびの英文字ではなくマーク、少し印象が違うと思います。

あとがき

このたびほとんど触れなかった元の素材の性質についてなのですが、極上です。

パイルが安価なお品物に比べて雲泥の差、ここにブランド品バスタオルを選ぶ理由があります。

消耗品だからと頻繁に買い替えることは好みません。

こんな風に1点を毎日淡々と末永く使わせていただくことが非常に静謐な姿であると思うからです。

かつて着物は庶民の間では「ボロ(漢字では襤褸)」と呼ばれる部分的継ぎ接ぎの姿でも着ていたそう。

この姿は、一見「貧しさ」の象徴とも見てしまうのですが、そればかりではないと思います。

長持ちにおいては、素材がどんどん傷んでいく下降線とは対極に、愛着や物を使う姿勢は上昇線と共にフェーズが上がっていくのではないかと(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

進み切ったワンピースの裏地のパンクでも可能、裂けた繊維状の部分を残し伸び止めテープで補填し縫い閉じた【224】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

特に自転車ライフでは、ヒップの部分がパンと張って、着ていたワンピース・パンツ・スカートの裏地が内部で傷んでくるものです。

内部の事なのでなかなか気付きませんが、繊細な軽くて超薄手の裏地は強い圧力には耐え得るものではなく、パンクしてしまうことがあるのです。

古着ライフをしていると、表からは何ら問題は感じなくても、内部でひっそりと裏地がパンクしていることも多々ありました。

このたびは、古着のウールワンピースのお尻の部分の裏地のパンクがかなり進んでいたにもかかわらずリフォームできた嬉しい回となります。

裏地の織り糸が乱れるほどの傷みを解消した助っ人の存在「伸び止めテープ」が欠かせませんでした。

是非1つのリフォームの引き出しにとお伝えしたいと思います。

10cm以上にわたりぱっかりと空いた古着ワンピースの裏地のヒップ部分、伸び止めテープの補助により縫い閉じができた

ウールの古着ワンピース:あっさりとしたベージュカラーが親しみやすいシンプルなデザイン。外側は問題無し。
避けた裏地のヒップのハギ目:自転車ライフやオフィスでの椅子に座ったデスク作業という前のユーザーを想像。
ほつれ糸の除去と残す織り糸の区別:ぼそぼそと余分なほつれはカット、ブラシのような織り糸は残します。
織り糸の隙間を埋める伸び止めテープ:伸び止めテープ平7mmを利用、アイロン接着で生地を継ぎ足すイメージ。

立役者は「伸び止めテープ」、接着芯よりもごわついていることでより補強効果も高まります。

仕付け糸:折り伏せ縫いのようなやり方で仕付け糸。
仕付け糸の完成:こんな感じで折り伏せ縫いの下側にほつれた部分(伸び止めテープ)が隠れるように。

この後アイロンで倒すと縫いやすいです。

ミシンの2列ステッチ:内部の伸び止めテープの幅内に貫通できるよう、二列のステッチ。
出来上がり:左は縫った上糸側、右は下糸側。いずれも同じ2列のステッチが目に映るという出来上がり。

決して美しくはできていませんが、上手な方はもっと美しく仕上げることができると思います。

伸び止めテープの引用アイデアを是非リフォームの一助にと記録に残したいと思いました。

あとがき

裏地付き着用のまま座るということ自体もこうしたパンクへの圧力になると思います。

自転車に乗る時シーンに裏地付きを着るのかというシーンとのマッチングも事前に考えると良いかと。

ただ、あまりにも神経質にそのように配慮する余裕などないのかもしれません。

よって、起こってしまった時には、このたびの方法を思い出してみて下さればと、方法が無いわけではないということを知って下さればと思います。

自転車のタイヤもパンクしないように、是非お気を付けいただければと(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

古着ワンピースのVネックへ「ベルト布」をクロスで追加、着用時・ハンガー両方からのずり落ちのストレスが解消された【217】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「衣」は着るのみならず、衣類の収納が織りなすワードローブも含めてのものだと考えます。

すっきりとした収納はやがて、おしゃれ度アップにまでつながるほどの重要なタスク。

1点の大きく開いたVネックラインが素敵な古着ワンピースに出会いました。

黒色のパワーと水玉ジャガードが柔らかい印象の良きバランス。

ネックのプリーツ仕様や大きな衿は、予想するところ1980年代前半くらいに流行があったような。。

ただ、ネックラインが美しい反面、大きく開いたVの字から起こる悩みがありました。

このたびは着用時の肩からのずり落ちが気になるストレスと、収納時のハンガーからのずり落ちを発見した時のストレスの2つを同時に解消した記録です。

大きなVネックの古着ワンピースの肩の部分の不安定な着心地と収納、「クロス型支え布」を加えストレス解消へとコマを進めた

リフォーム前の古着ワンピース:黒のサテン地が高級感に溢れます。Vネックのプリーツが特徴。ずり落ちが悩み。

このずり落ちは2つのストレスを生んでいました。

1つは着用時の肩のずり落ちを気にするストレス、もう1つはクローゼットのハンガーにかけてもすぐに落ちてしまうストレスです。

2つものストレスは是非解消せねばと考案したのが、「支え布」。

スタイリッシュに馴染む生地で。。を考えながら、同じサテン調の生地を探しました。

ツヤのある生地の発見:シャンタンの裏面を利用、同じツヤがリンクしてこのワンピースには馴染みました。
シャンタンの表面:節があり乾いたイメージもある表面とツヤある全く別の風合いの裏面は使い分けが可能。

シャンタンという生地は、「節」が特徴のガサッとした生地。

しかし、対照的なツルツル感があるツヤの裏面を持つという特徴も新しい発見。

生地の利用は「表」だと示された面だけではなく、裏面も検討できるという可能性がジャガードと同じようにこうした無地にもあったのでした。

このワンピースには、むしろツヤある裏面が望ましかったということです。

ベルト作り:効果的な長さを調整しながらおよそ10cm程度の観音開き構造のベルトを作りました。

内部に接着芯を貼ったのは、普段のハンドメイドバッグのノウハウそのままです。

外枠1周のステッチ:お洋服なので外枠のみで十分、むしろツヤが活きます。
設置の位置決め:クロスに配置することでスタイリッシュかつより強固に。
縫い付け完了:ややV字の真ん中より上に配置したことになります。とてもよく素材が馴染んでいます。
ハンガーにかける:背面に設置したのでこちらは後ろ側。ずり落ちをクロスベルトのパワーが支えてくれています。

あとがき

このたびの古着ワンピースは、手作り品、どこかでどなたかがお出かけ用にワクワクしながらお作りになったものでしょう。

ただ、ユーザーが変われば、当然価値観も違いリフォームの余地が生まれるものです。

一番良いのは、そのままの状態を引き継ぐことなのですが、実際はそうはいかないことも自然なこと。

見せるお洋服でもあると同時に、着る者自身の心地良さも非常に重要だからです。

ストレスを抱えながら我慢した着用は決して良いことではないと考えます。

なぜなら、お洋服の着用自体が人生を歩んでいる中のワンシーンであり、着心地の良さを感じ整然とした収納の姿を見る晴れやかな気持ちは間違いなく貴重な長旅の中の「幸福」なのです(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク

ブランドバスタオルの穴の原因は硬いロゴ刺繍とパイル地の柔らかさのミスマッチ、裏側への当て芯+ステッチによる解決【185】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

毎日活躍の場がある日用品の1つ「バスタオル」。

「良質なものを長く使う」ことをテーマとし、これまで贈答品のリサイクル品のような背景のロゴ入りを使わせていただいてまいりました。

ただ、あまりのロゴ刺繍の頑丈さにはいささか問題があるのではないかと、バスタオルを長年使っていく中で感じることもありました。

このたびは、高級感と引き換えのような刺繍ロゴの極端な硬さが、かえってタオル地を傷め経年の使用やお洗濯の圧力などで、刺繍周りに穴が開くケースに対応しました。

穴を塞ぎ、馴染むように補修するアイデアです。

穴が開いたくらいでは全体の傷みがまだまだ、もったいないと感じる場合に是非このたびの補修のやり方をご引用いただければと思います。

原因は密で硬めの良質なロゴ刺繍、本体のパイル地との相性を把握することから始めたバスタオルロゴ周りの穴塞ぎ

まずは、比較的問題のない、このたびの穴が開いたバスタオルよりももっと以前から長年使用していた経年30年以上の写真をご覧いただきたいと思います↓。

元祖とも言えるロゴデザインの「MCM」様のバスタオル:こちらの場合は、ワッペンが柔らかめ。問題無し。

ただ、経年で右下の擦り切れはなかなかのもの。

いったんこのバスタオルの使用をある時期にやめ、その後の新しいバスタオルが同じくらいの傷みになるまでと現在は使わずに保管し経年の調整をしています。

それほどまでに、古いお品物への愛着と価値を持っているのです。

このたびの穴の発生は、ワッペンではないロゴ刺繍に原因があると思うのです↓。

比較的後口リリースの同じ「MCM」様のバスタオル:よく見ますと、ロゴの周りが刺繍の硬さに負けています。
穴のズーム:たまたま2か所が目立ちますが、文字の周りすべてが同じような環境にあるかと。

この状態になるまでに10年も経過していないところが非常にもどかしいのです。

だって、先ほどの30年の経年のものよりも擦り切れなど起きていないまだまだの状態である大半部分なのですから。

とりあえず、このたびは、現在目に見えて「穴あき」とみなした、左右の穴を補修してまいります。

接着芯:同色ピッタリは無いので、近い黄色の織芯を選択、スタイリッシュにカットして4枚仕立てで使用。

重ねたら、アイロン接着をします。

左右の目立つ穴を接着芯で塞いだ様子:四角よりもこのような多角形の方が、角がヒラヒラせずにまとまります。
ミシンステッチ:縁から、縦に動きながらも左右へずれていきます。向きを変え、十文字の方向で覆ったら終了。
ステッチの完成:ステッチを重ね過ぎると結局は元のロゴ刺繍と同じことですので、隙間がある内にストップ。

ステッチの糸はうまく見つけられずに少し茶色寄りになってしまいましたが、後からもっとオレンジ寄りな馴染む糸が手持ちの引き出しのなから見つかりました(^_^;)。

あとがき

そもそも購入時にこうしたロゴ刺繍が硬いものは選択しないということも大切な学びでした。

キッチン・インテリア用品の数々は、10年以上使用は当たり前だと考えております。

ただ、家電はどうしても壊れてしまったらそこでストップなのが何とももどかしいですが、普段の使い方をできるだけ丁寧に優しく扱います。

得意・不得意分野があるため、もしかして家電製品を補修して直してしまうノウハウをお持ちの方もいらっしゃるのかもしれません。

一方で、こうした繊維品の補修には多少ノウハウがある私がお伝えできることはこのたびのようなことでした。

バスタオルを補修したその跡が残る姿が不格好なのか、それとも味わい深く今後も愛着を持って使い続けたいのかの価値観は分かれるかもしれません。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

デニムとスレキのコンビの古着ジーンズの部分的強度差問題、ボロボロになったスレキポケット袋を新品布でお作りした【244】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ブルージーンズ、特に501がその代表格であり、アメリカらしさを感じます。

ブルーと呼ぶには、かなりはき込んだ古着でなければ白っぽく色落ちしないのです。

どうでしょう、ゆうに30年くらいははかれたものだというのが平均値ではないかと。。

このたび、表からのぱっと見が素敵なブルーに味わい深く色落ちした501に出会いましたが、その裏側を見てびっくり。

ポケットのスレキがボロボロで、すでにどうしようもないポケット袋の状態を苦肉の策として、ポケット機能を失いながら見た目の体裁だけを整えられているものだったのです。

まずは、購入時にこの情報が無かったことに対して不満が生まれました。

ポケットというのは、非常に重要なお部屋、これが無いに等しいのが、この現物の「ダミー」の姿だったのです。

入手の古着の501:本来スレキはもっと面積が広く使われます。破れて苦肉の策でリフォームされています。

そのようながっかり感をバネに、少しばかりミシンが得意な者が、後付け的に別布でポケットを追加した記録です。

ポケットが無いなんて、お部屋が無いみたい。。1点のお品はポケットも正常に伴っての1品なのだということを実感していただけると思います。

スレキが強靭なデニムに劣る経年の姿が残念さを生む、今後の新しいジーンズに求めるポケット布とデニムとの強度の差の解消

ストライプのスレキ風生地を追加:リベットは外していないです。左右とも2枚仕立ての袋構造。

古いスレキを間に挟み込みながら新しいポケット袋を縫い付け。

表からポケットを覗いた時の写真を残しておらず、申し訳ないです<m(__)m>。

特に上手にできたわけではありませんが、ポケット袋の機能が復活、再びポケットが存在するジーンズに戻ったのです。

おそらく、リフォーム技術のある方は、この2枚でもどのように作業したかをひも解くことができるはず、ご参考にどうぞ。

ただ、こんなことも言えまして、前回のどこかの誰かが行われた「ダミー」のポケットの姿のリフォームの跡があったおかげで、今回の作業が可能でした。

あとがき

「リーバイス501」はアメリカ人が生み出した過去の労働着。

ここまでおしゃれ着として長くはかれるなどとは、考案者さえも予想することはなかったのでしょう。

この先のジーンズ製造では、こうした何十年も後に分かったもったいなさ・惜しさ・残念さを新しい生地の組み合わせでフォローすることができるのではないかと。

表地のデニム生地が強靭ならば、それに伴い通常のポケット袋よりも強靭な生地をポケット袋に選ぶという「バランス」が大切。

こうした進化が、何十年も先の「まだまだはける古着」という素晴らしい価値に繋がると思います。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

ボタンがぽろぽろと外れてしまうニットのストレスを解消、伸びたボタンホールを狭く塞ぐミシンステッチのやり方【306】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

好きなブランド1つにこだわった古着ライフを送っております。

そのブランドは、「アルマーニ」様。

ラインが美しく、素材のこだわりと無彩色なカラーが古着同士でも組み合わせ易いです。

このたび、金茶色の素敵なカットソーを購入。

その後左右に少し引っ張っただけなのに、くるみボタンがぽろぽろと外れていきました。

一般的な古着レベルのじ「状態」というものでした。

カットソーやカーディガンで起こりがちな、ボタンホールの伸びによる穴の開きを塞ぐリフォーム

カーディガン(巾着):「エンポリオアルマーニ」製。ボトムの黒に合わせたお部屋着として活用します。

基本的にルームウェアのようにお部屋の中での着用となるので、伸びる融通も利いてほしいのでニットということで選択したものです。

実際のこちらの素材は、トリアセテート/64%、ポリエステル/28%、ポリウレタン/8%です。

トリアセテートという素材が思ったより暖かいというかそこそこ保温性があるようなところが意外です。

十分真冬もお部屋着で着用できます。

と、素材感の方は良かったのですが、デザインがちょっと気にかかっていました。

前開きであるという点です。

基本古着は1点物であるがゆえ仕方がないことです。

よほどの量産品でなければ、全く同じものは簡単には見つけられないのです。

その上このカットソーは、「アルマーニ」ブランドの中では初めて見るアイテムでした。

金茶の色もお洒落であるし、このうねりのような高級感ある折り目の表面もかなり惹かれましたので購入したのです。

ところが、届いた矢先のこと、少し触っただけで前ボタンがポロポロっと外れたわけです。

ボタン自体はきちんと付けてありますが、ボタンホールから外れるという意味です。

ものすごくボタンホールが開いてしまい、ボタンが留め具の役割をもはや果たしていないのです。

このことがきっかけで、考えた末ボタンホールを小さく狭めることを考案。

そして、自分だけでなく、もしかして同じような状況の方にもお伝えできるかとこのように記事に投稿したわけです。

古着購入時のボタンホールはとても緩いものでした。

上からも下からもボタンホールが緩く、軽く前立てを引っ張るだけでボタンが外れる様子。

そこで、原因のボタンホールの横幅をを狭くすれば効果が出るのではないかという仮説のもと、思い切ったホールの両端の詰めをミシンで行いました。

ボタンホールの両端を数ミリずつミシン3mm巾で行ったり来たりの返し縫いをして、ボタンホールを塞ぎます。
ボタンホールを狭める作業の図解:写真1枚ではイメージがわきにくいので図に書いてみました。

こんな風に縦に開いてしまったのはニットの伸びのせいなのでどうしようもないので、サイドの隙間を埋める形でミシンで縦に行ったり来たりしながら横にずれていく動きをとるステッチを入れます。

そうして、ホールの横幅を「適切な幅に」狭くしていきます。

結構思い切って幅を狭めても、このニットの伸びは相当なものでボタンは余裕で閉められました。

むしろ、控え目にやり過ぎると、せっかくミシンをかけた意味がないくらい当初の状態と変化が出ないものです。

実は、この時も全8か所の内2か所ほどもう追加ステッチをしたということがありました。

そして、ミシンをかけた後の糸始末は、きちんと結んで玉止め始末するのが良いかと思います。

左:穴が大き目の針に糸を2本まとめて通し裏側へ針を通します。右:裏で片手で2本ずつで糸を持ち2回結びます。

2回目は糸が切れない程度の力を込めてギュギュっと結び、ほつれてしまわぬようにしっかり固定します。

このような地味な作業を1つ1つのホールについて行い、すべて完了したら出来上がりです。

リフォーム完成:圧力がかかってもボタンが外れず、「また外れてしまうかも」というストレスが解消。

あとがき

リフォーム自体は、いたって単純なものです。

しかし明らかにリフォーム前と後ではこういった洋服にも価値がプラスされると実感。

機能などの面というのは、使っていく中でじわじわと良し悪しを感じるものです。

もし、このままリフォームしなければ、ボタンがすぐ外れてしまうというたった1つの原因でもはや着用しない価値のない洋服になっていたことでしょう。

その後、季節がめぐる頃、この金茶色のカットソーとベロアのゴムパンツを実際に着用する季節に着用し始めました(^-^)。

picturesque

良質な古着タイトスカートの素晴らしきポテンシャル、タックやダーツが豊富なSサイズが「馴染む延長布ベルト」でLサイズへ【207】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

古着ライフも15年くらいになると思います。

ワードローブ内のすべてが古着ばかり、拘りは新品に同等の未使用感のものを見つけることです。

ただ、一方で悩みもありまして、1点物であるがゆえサイズが合わないこともあるのです。

このたびは、1点のハイブランドライセンス物のタイトスカートの小さなウエストサイズを自主リフォームで大きなウエストへ広げていきました。

普通体型であり、骨組みも割と頑丈な者がSサイズとは本来無縁。

しかし、古着探しは素敵な1点物の発見の旅、サイズの垣根など取っ払わないと良き発見の可能性を失います、見慣れぬSサイズも視野に入れていくことになるのです。

豊富なタックやダーツが細やかに作られた構造のおかげ、Sサイズの60cmのウエストがLサイズの70cmになった嬉しい瞬間

このたびのウエストサイズアップの成功は、何といっても元の構造に助けられたと言っても良いと思います。

まず最初に元のSサイズの時の姿をじっくり見てみます↓。

全体像:ヒッコリーストライプの裏付きタイトスカート(黒x白)。「クリスチャンディオール(プレタポルテ)」様。

タイトスカートのSサイズはラインが非常に美しくなっています。

そのラインを出しているのがタックやダーツ、美しいヒップラインの凹凸感も作ってくれているのです↓。

豊富なタックやダーツ:前面にタックが4箇所、後ろ面にも左右均等に振り分けダーツが4箇所ありました。

Sの割にヒップが88cmあったということも功を奏します、これだけ豊富なダーツやタックをつまむにはある程度広々とした幅が必要だったという必然ですね。

裏地にも同様に設置のタックやダーツ:表地と同じ分量減らしていくことでサイズの馴染みを継続します。

バランスよく、豊富なタックやダーツを少しずつ減らしていくのが元のデザインらしさが崩れにくいかと。

1つまみで1.5cm分減らすということは、対称折り構造のダーツでは倍の3cm分が1か所において広げられると考えます。

後ろ面に関しては、お尻の一番高い位置に近いダーツを残し脇に近い方の左右を完全撤廃ということにしました。

ところで、当ブログ記事は、最初の投稿の2019.06.18からおよそ6年後の2025.07.28にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

元々、必死の作業であり、わずかな画像しか残っていなかったことで、途中のダーツをほどく過程や、減らしてつまみ直して縫い直しなどの場面が残っておらず申し訳なかったです<m(__)m>。

ウエストを大幅に広げた不足布の対策:類似の「ヘアライン」生地が見た中で一番馴染みましたので採用。
延長布の継ぎ足し:元のベルト芯を取りやめハード薄芯を新たに入れ込み。延長部は1cmの縫い代で両割り。

ウエストが最終的に70cmとなりまして完成しました↓。

延長布含むW70cm仕上げ(L相当)の出来上がり:ウエストの継ぎ足し部分はかなり馴染んでいます。

あとがき

やや素人めいて強引なリフォームではあったのですが、ウエスト60cmのSサイズがウエスト70cmのLサイズになった決定的瞬間でした。

ただ、やはり元のSサイズの時のシェイプされたラインは美しいです。

そもそも大切なことを忘れてはならないと思うのです。

身体を健康に鍛える毎日のエクササイズ、ウエストのリフォームが無い方が本来はフォルムの一番の美しさがあるということもお忘れなく(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

邪気を広げぬようゴミ箱には蓋が必要、万能な100均の「吸着マット」を利用した取っ手付き蓋作りのDIY記録【194】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「トイレ専用のスリッパを着用した方が良い」「寝床の向きは壁に垂直がベスト」など日常のインテリア配置に対して、「風水的」なネット情報を参考にさせていただくことがあります。

そんな風にして得た1つの「ゴミ箱というものは不必要で捨てられたものの集まり、「邪気」が集まっているから、邪気が蔓延しないよう蓋が必須である」との情報に共感。

ゴミ箱の内部には、決して心地の良くない雰囲気のようなものが立ち込めている様子を自分でも確認しています。

このたびは、そういった情報をキャッチし、早速ながらゴミ箱すべてに蓋を検討していきました。

元々蓋が付いたゴミ箱(ダッシュボックス):気が利いたお品物で、左は「パンダン」素材、右は「ダイソー」様。

ただ、既製品では、蓋付きのゴミ箱は少ないものであり、大半が蓋無しの実状でした。

蓋無しのゴミ箱:左は「蓋付き」と称されながらも上は開いているのです。右は本来のゴミ箱ではないもの。
このたび利用させていただく「吸着マット」:「ダイソー」「セリア」様両方で購入できます。日本製なのです。

このたびの作業は、ほつれない「吸着マット」で気軽に完成していくことができるやり方です。

既製品では蓋付きのゴミ箱は希少、手持ちの蓋無しに100均の「吸着マット」で蓋を追加した「邪気」の封じ込め

作図:ゴミ箱の入り口を当ててその直径以上の大きさで作図。ボールぺンやマジックがしっかり書けるかと。

この時に25mm幅の取っ手も細長く準備します。

シミュレーション:蓋のサイズが良いかの確認。2枚を吸着マットの性質を利用して「外表」同士でくっつけ。
ミシンで縫い付け:先に取っ手自体を2枚仕立てでステッチ固定し、次に蓋に設置していく順番。蓋の外枠も固定。
蓋の完成:優しい素材感で出来上がりました。片方の半月型が特殊でしたが、特に困難はありませんでした。
蓋無しと蓋付きの比較:左から右へ改良したのがこのたびの作業になります。
その他の蓋のアレンジ例:コルク製の鍋敷きを利用・別のフィルマットを利用・鍋蓋をそのまま利用など複数。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.06.02からおよそ6年後の2025.07.15にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

随分年月が経った今も変わらず蓋付きのゴミ箱スタイルは続行しています。

ただ、インテリア映えとしては、このたびのようなマットの利用は少し田舎っぽく、どこか手作り感が出過ぎた点は引っ掛かるところ。

ゴミ箱を蓋付きで製造していただければ一番良いのですが。。

「蓋をする」という行為は、このように「悪いものを閉じ込め封印する」といったようなこと。

ところが、封印されていたはずの「人間が織りなす悪事」はここ近年どんどん放たれ外に飛び出し皆が知るところとなっています。

同じ「マイナス」なのに、このように行き着く場所が真逆であることが非常に興味深く、それぞれ本当の望ましい場所へと移動しているのかもしれません。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

着用者の股下データさえあれば試着の必要無し、股下+縫い代3cmの法則によるデニムパンツ裾上げ【142】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

これまでたくさん触れて収集し着用してきた古着ジーンズ。

リーバイス501こそデニムパンツの王道であるといった長い時代が続きました。

古着のリーバイス501の色違い:いずれもインディゴですが、トーンの違いで収集の価値がありました。

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.05.21からおよそ6年後の2025.05.24にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

その後2020年辺りからは、大きなカジュアルデニムの流れに変化が現れます。

実際現在2025年のピクチャレスクのワードローブでは、デニムをジャケットと合わせたエレガントなはき方に特化。

とはいえ、これらも古着であることは変わりないので、長さが合っていない場合によく裾上げをしています。

このたびは、こうした古着ライフにおいて、デニムにとどまらずすべてのパンツに引用できる「股下データ」を元に試着せずに行える裾上げをご紹介したいと思います。

1.5cmの縫い代を二度折る三つ折りによるデニムパンツの裾上げ、着用者の股下データ+3cmでカットの定番メソッド

自分の股下の把握の仕方の1つとして、実際にはいているお洋服のパンツ類の股下を測る方法があります。

私の場合は75cm。

ここで注意点ですが、デニムというのが、はいたときの物理的な現象で、クッションができて、本来の股下より2cm程上にふんわり浮くということが分かっています。

よって、自分の股下の把握は、持ち合わせのパンツの中でも同じデニムの方が良いと思います。

裾上げ前の試着:かかとから5cm程度余分。パンプス用に長めにする発想は実体験からはかなり不便でした。
対象のデニムパンツを平らなところに置く:まずこのようにペタンと寝かせ、実物の股下数値を確認します。
デニムの股下の測り方:股の継ぎ目同士の十文字の正方形のど真ん中が始点、裾先が終点です。約80cm。

股下75cmに対して80cmは5cm程余分。

ここでカットする分量を計算、80cm-(75cm+3cm)=2cm。

計算式の中の3cmというのは、1.5cmの幅の三つ折り(2度折る)という意味の1.5cmx2のことです。

どんな股下でもこの部分は共通に3cmです(後で貼りますYouTubeでは間違って1.5cmx3と解説してしまい大変申し訳ございませんでした<m(__)m>)。

2cmのカットは三つ折りをほどかずにそのままスパンとカットできるぎりぎりの長さだったようです↓。

印付けとカット:裾から2cmに印を付け、「わ」になった状態のまま重ねてカットしました。
三つ折りの下準備:動画内ではアイロン無しで解説しましたが、ここも印をしてアイロンをした方がより良いかと。
縫い始め内股部分の金づち:樹脂づちや木づちでも行われる「つぶし」。平たくなり縫いがスムーズです。

縫い始めの場所は、縫い目の最後との重なりが隠れる内股から行うのが望ましいと考えます。

早速最初から難関の「折り伏せ縫い」があるのがデニムパンツに共通の作りなのです。

少し手前の平坦なところ(折り伏せ縫いの中心からは2cmくらい手前)からスタートし、勢い(スピードという意味ではなくパワーのような意味)を付けて難関を通り抜けていきます。

裾上げ完成:縫い始めと終わりの重なりが折り伏せ縫いの隣に来ていますが、他人目線からは内股に隠れます。
裾上げ後の試着:股下75cm仕上がり。すっきりとした裾周辺の様子になっています。
横や後ろ姿:地面からは確実に離れて上に上がった様子がうかがえます。

あとがき

以前行ったことがある、USED品サイトへの出品(「ヤフオク」や「メルカリ」)において、デニムパンツを手放す際に、裾上げをサービスしてご購入いただいたことがありました。

もしかしたら、長さがマッチせず他を検討するところを、お直しをしてもらえるなら購入しようと踏み切って下さるかもしれません。

ただ、「サービス:¥0(無料)」でなければなかなか受け入れられないと思いますが。。難しいものですね。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク