パイルニットとプレーンなポプリンがコンビの縫い合わせ、ポプリン側から縫った成功は薄手側から縫う秘訣を紐解いた【281】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

少し前の記事【279】の投稿では、カシメるタイプのスナップボタンを打ち込み設置する場面の動画と共に、その脆さ・危うさを体感したことを実直に綴らせていただきました。

この製作をきっかけにスナップボタン含む打ち込みタイプをハンドメイドバッグ製作では全面廃止を決断。

ここまでは、せっかく作ってきたので、そうした決意が生まれたという意味があった製作として、完成をもって締めくくるというのがこのたびの【281】投稿になります。

元々スナップボタンにせざるを経なかった理由があり、素材がタオルみたいなパイル地であったこと。

厚みあるパイル地に対して裏地はプレーンなタイプという極端な差は、ミニポーチの蓋の周囲のステッチにも影響がありました。

厚みある生地と薄手の生地のコンビの時には薄手生地側から縫うことが確かであるという感触をこのたび得たのでした。

厚みある方が決まってはみ出す表地と裏地コンビ、ミニポーチのフラップの外枠ステッチは薄手の裏地側から縫うことで成功した

表生地のパイル側からステッチした失敗:凸パーツもひっかかることで歪みました。縫い位置の把握が困難。
裏地側からのステッチの成功:断然正確で綺麗です。留め具もスムーズに避けることができました。
コスメケース3点セット完成(パイル地グリーンミックス):一番上から時計回りに、縦6cmx横8cmxマチ2cm、縦3.5cmx横15cmxマチ無し、縦5cmx横7.5cmxマチ無し。
使用生地:表地-パイルニット、綿/100%、日本製。裏地-エステルポプリン、ポリエステル/100%、日本製。

裏地の不足を、同じ生地の少し色が違うライトオリーブで補填、その他2点は濃オリーブです。

表地のミックスカラーは、こうした裏地選びの幅広さに活かされました。

あとがき

1種の生地なのに複数の顔を持つようなミックス生地。

メイン製作のバッグでは無地ライクでもありながらお洋服との組み合わせの融通があるのです。

このたびのパイル地ミックスのはぎれは、過去のメイン製作は【47】でミニリュックを作った時の表地に使用したものでした。

一度だけのメイン製作では使い切れない「切り落とし」。

これをいかに拾い上げ価値ある小さなアイテムを作れるのか。。今後も必ず裁断によって出るはぎれに触れながら工夫してまいりたいと思います(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

実際に打ち込んだ者の物理的な不安定さの触感と気持ちの不安、生地に打ち込むスナップボタンの廃止を決意した瞬間【279】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

かつてアパレル勤務時代に取り扱いのあった「ドットボタン」。

パーツが①頭②ゲンコ③バネ④ホソの4種で1セット、2種のコマが工具として附随したものでした。

おそらくダウンジャケットに付いているホックボタンが該当、多くの方が一度は着用経験のある馴染みあるあのアウターに使われていたボタンです。

ハンドメイドバッグ用の類似品を見ると、上のドットボタンとは少し違うのだな。。と思いました。

ツメパーツが2つ入る4セットである点が上の①-④のどれにも同類ではないのです。

ツメの位置を生地越しに確かめながら「生地にツメを差す」という肯定があるのです。

こうした打ち込み式のパーツは、ハンドメイドバッグ活動で大半の種類を実体験済み。

その感想としては、どれも随分不完全なものなのだというもの。

このたびの【279】では打ち込む作業だけの過程を、後の投稿の【281】ではミニポーチが完成する回として、この時期を境界線としてその後打ち込み式の完全廃止を決めました。

この「廃止」するほどの決定の意味をこのたびしっかりとお伝えできればと思います。

見かけのかっこよさ、量産品でも使われているという表面的な市場調査による浅い判断に懸念、「最終的には良質な製作にはならないであろう」と見通した理由などを綴りたいと思います。

「本来ドットボタンに相応しい素材はレザー」という教えに深く頷く、何とかその場で布にカシメることができたその後の寿命の短さ

アパレル業などのお洋服の返品の中に「ドットボタン外れ」などが多いのを勤務時代に多く見かけました。

このことは、ドットボタンを取り付けること自体が不完全な作業であるということの証拠です。

実際に、パーツメーカー様からも貴重な言葉をお聞きしています。

「パーツは基本的に革専用である、生地には向かない」と。

アパレル品の返品をくらった商品もすべて布製、本来相応しくないことをそもそもしているのです。

このたびは、布製であってもマジックテープでは生地を傷めてしまうパイル地に苦肉の策として「カシメるタイプのスナップボタン」を打ち込みました。

使用生地:表地(カーキグリーンミックス)-パイルニット、綿/100%、日本製。裏地(オリーブグリーン濃淡2種)-エステルポプリン、ポリエステル/100%、日本製。
スナップボタン用の工具とパーツ:金づちも必要です。白い円柱は打ち台、その右隣りは打ち具。

針付きの透かしパーツは、凸(とつ)パーツと凹(へこ)みパーツに共通に使用、ミニポーチ3点分なので、ここに映っていない凹みパーツ2個を加えると全部で12パーツを使用ということです。

赤い✕印は、私のこれまでの勘違いミス、打ち込みにクッション性のあるダンボールなど決して敷いてはならないのが正解なのです。

打ち込みは常に平らで硬い面で行うべき作業、非常にお恥ずかしながらも、もしかして同じようなことを汚れないシートとして使うアイデアとして閃いた方へ、制止するためのアウトプットです(^_^;)。

生地越しに針内部の円形の位置を探る作業:非常に原始的な作業、厚みあるパイル地ではなかなか困難でした。

そもそも針が刺さらねば不完全な打ち込みになってしまうという生地に対する条件がもうここで生まれてしまっているのでした。

この条件の存在も後の廃止の理由の1つになります。

製作の自由を束縛し抑制する「条件」、私が大切にしている「自由」を奪うものなのです。

打ち具の向き:円形の部分はパーツに当て、ポールのてっぺんを金づちでたたくので、ポール自体が擦り減り変形。
打ち込み完了のパーツ:打つ場面などは写すことができなく申し訳ないです。これで一応成功。右上の白は当て芯。
ミニポーチ3点分のスナップボタンの設置完了:こうして【281】のミニポーチの完成に繋がっていきます。

あとがき

世の中矛盾だらけなのだと息苦しく感じた実態。。いつ外れ破損するか分からない永続の保証無き留め具を製品に取り付けている姿です。

この確かな危うさの体感は、「すべての打ち込みパーツを廃止」にまで至る貴重な瞬間でした。

日付でいう当投稿の2020.11.20が「廃止」を決めた瞬間だったということになります。

その後、それでも使い続けたわずかな金属パーツは、「Dカン・線コキ・ナスカン」のみ。

これらは何の不安定さも無い、別の固定の仕方なのです。

Dカンタブをミシンで丈夫に縫い付けるその糸の返し縫いの強靭さに勝るものは無いという判断は、その後金属パーツを極力使わないミニマムなバッグの製作へと繋がっていったのでした。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

すべりやすい生地のずれ問題を解決、「わ」による袋パーツの二つ折りアイロンの際の杭(くい)のような待ち針の役割【277】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

はぎれ製作の中では、かなり細かな残布も拾い上げることができる「コスメケース3点セット」。

1つずつが違ったデザインの小さなケースは、仮名称として入れる物のイメージやサイズ感が分かり易いようにと名付けた呼び名です。

このたびは、一癖ある濃ピンクのドットプリント生地の残布を使用。

メイン製作は、投稿の【246】でバニティーバッグを作った時の裏地で使用したもの。

元は衣装のコーナーの生地ですのでツヤがあります。

ポップで華やかなのですが、その反面落ち着きあるテイストに寄せたいとも思っていました。

「落ち着き」はやがて経年の「飽きの無さ」に繋がるものだとよく考えることがあるのです。

Lの字に細長い切り落とし生地からの3点のミニポーチ製作、滑りやすい生地のアイロンの二つ折りを待ち針固定でずれ防止になった

使用生地(表地・裏地共通):ドットプリント、ポリエステル/100%、日本製。このL字をすべて拾い上げます。
四角フォルムを作る「わ」の二つ折り:特にツルツル滑る生地はこの瞬間のアイロンがけがずれやすいのが悩み。
紙によるシミュレーション:アイロンを当てる場面での固定の役割として待ち針が非常に有効的でした。
マジックテープ付け:カラー展開が少ない既製品でもかろうじて馴染む色を選択すると瀟洒に寄ることができます。
コスメケース3点セット(濃ピンクサテン水玉):<サイズ>左上から時計回りに、縦6cmx横8cmxマチ2cm、縦3.5cmx横15cmxマチ無し、縦5cmx横7.5cmxマチ無し。
蓋を開けた3点:マジックテープが同色で馴染むことでこの映りが非常にすっきりとしたものになります。
後ろ面の3点:すべてのカジュアルをエレガントに寄せることはハンドメイドバッグ活動含む事業の大きなテーマ。

あとがき

「コスメケース3点セット」も何度目かのリピート製作です。

ただ、使用生地はその都度変わり、どれもが1点物というスタイルははぎれ製作においても貫いています。

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.11.18からおよそ5年後の2025.10.07にブログ記事の「手直しの順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

2025年ではこの3デザインを一度リセット、サイズ違いの5種類の「三つ折りマチ無しポーチ」に特化しました↓。

三つ折りポーチ:サイズは5つで生地はすべて1点物の表地・裏地コンビ。巷の非売品よりもハイレベル。

はぎれ製作の三つ折りポーチは、これから(2025年10月末予定)開設していく「WhatsApp:ワッツアップ」内の「プレゼント企画」に掲載しようと決意。

はぎれが出た分プレゼント企画がコンスタントに開催されるという楽しみが生まれようとしています。

製作をするたびに出るはぎれ、はぎれを拾い上げ小さなケースを作るたびにお楽しみ(「プレゼント企画」)が増えるという1つのサイクルが誕生しようとしています(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

ナイロン/100%ではレアな小花柄のミニポーチは接着芯全面貼り、アイロンカバーすら汚さないクッキングシートの功績【276】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

バッグを作る際の裁断の過程がある以上、どうしても生まれてしまう切り落とし。

この部分は、残布としてはぎれ製作をしてそのもったいなさを埋め、限られた環境の中でも価値を付ける研究のようなことに充てています。

このたびは、小花柄が可愛らしいナイロン/100%の撥水生地のはぎれで「コスメケース3点セットを製作。

メインバッグの製作は、【172】のナイロン/100%のビジネスバッグの裏地に使用。

そして、色違いのもう1つの暖色系(黄色xオレンジのマルチカラー小花柄)の方は【266】にて同じ3点セットをはぎれ製作として投稿しました。

色違いなので、すでに【266】でナイロン/100%生地の小さい物品の製作の感触は得ています。

「何て作りやすいのだろう」という体感は、ナイロン/100%の硬さにありました。

薄くても硬くて丈夫なナイロン/100%生地の柄物はレア、ましてや小花柄となるともっと希少。

滅多に選ばない色違い2色展開を両方入手したケースでした。

このたびは主に2点をお伝えします。

1つは、ナイロンのごわつきによる硬さあってこその良さは全面接着芯貼りも大いに貢献している点。

もう1つは、ポーチの入り口ラインをまっすぐに出すためのその後の見直したやり方をお伝えします。

ナイロン/100%の小花柄の残布が立派な1製品になる、接着芯の粗裁ちはクッキングシートと共にアイロン台カバーを汚さない

使用生地(表地・裏地共通):コーティングプリント目止め加工、ナイロン/100%、日本製。寒色系小花柄です。
接着芯の粗裁ちと接着:下からアイロン台カバー・伏せた生地・糊が下向きの接着芯・クッキングシートの順。

クッキングシートを一番上に置いて直接アイロンと接する面という考え方がむしろよく解説されているようです。

しかし、実際にはしっかり接着できなかった実体験から、クッキングシートはアイロン台カバーのすぐ上に敷くという考え方を持ちました。

クッキングシートはツルツル滑る油のような膜があり、はがす時に優しくスムーズであり生地の地の目が歪みませんので優しい取り扱いができるのです。

その後、余分な接着芯を型紙通りに切り落とすことで接着と裁断の同時進行が完了していきます。

マジックテープの当て芯:ポーチは開閉回数も多く力のかかるこの部分は補強します。ステッチは二度縫い。
返し口を兼ねたトップの真っすぐライン:まだこの時は「後折り」の方法で行っていました。

実は、下に貼りますYouTubeにおいても入り口の真っすぐラインを「後折り」でアイロンを慎重にかけていくご紹介をしたのですが、その後考え方を改めています。

当ブログ記事は、当初の投稿の2020.11.17からおよそ5年後の2025.10.06にブログ記事の「手直し」の順番でタイトルから見直し綴り直しをしています。

2025年では当たり前になっているやり方ですが、上の左上のような縫い代1cmを折ることは、「一番最初にやっておく」という「先折り」の方法です。

この方法こそ現実的に入り口の横ラインをまっすぐに整えてくれるやり方。

ただ、メイン製作のバッグにおいては、かえって「後折り」の方がサイドの部分の重なりが抑えられて良いこともありますのでケースバイケース。

こうしたミニポーチだからこそ、厚みが増しても影響がないというサイドの部分の事情をクリアしているのです。

蓋の設置:とにかく作りやすいごわついたナイロン/100%は、この難しい局面もクリアしやすかったです。
コスメケース3点セット(ナイロン撥水寒色系小花柄):<サイズ>左上から時計回りに縦6cmx横8cmxマチ2cm、縦3.5cmx横15cmxマチ無し、縦5cmx横7.5cmxマチ無し
蓋をオープン:弾力性あるナイロン生地は、マチがある左のみならず、マチ無しの他の2点も膨らんでいます。

あとがき

「製作」ということをする以上、残布を使ったものでも何らメイン製作と変わらぬ丁寧さを貫いた方が良いと思います。

時間に「種類」はありませんので、どのように時間をかけても使った時間は同じなのです。

手間をかける余分な時間は、やがてその後の大きな「違い」を生むと信じてやみません。

目の前にとどまらず、未来の見通しや眺めを持つことは重要、この貴重な有難い無事に完成していく製作ができたことは、後の効果や影響を大きく生むものでありたいからです(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク

日用品のタオルと全く同じパイル地がエレガントなミニポーチになる時。。すべてのカジュアルはエレガントになれる【275】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2007年から始めたハンドメイドバッグ活動、当初の頃のミニポーチが今でも現存の事実。

製作者自らが体感する、飽きの無さや永続的な存在の研究の1つみたいなものです↓。

2007年製の細長ポーチ:縦2.5cmのレアサイズはハンドメイドならでは。巻き薔薇は焦茶の美しきコントラスト。

ハンドメイドバッグ活動当初の2007年頃の特徴のワンポイント巻き薔薇の存在が象徴的です。

実のところ今でも巻き薔薇は時々引用する装飾、仏頂面の渋い生地でもこれ1つでエレガントに映る不思議さが魅力です。

このたびは日常的なタオル地と同じベージュ色のパイル地の残布で、コスメケース3点セットを製作。

ここには、縦2列の茶色の巻き薔薇をベージュのパイル地にコントラスト効果を交えながら縫い付けました。

通常留め具をマジックテープにしているのですが、パイル地はマジックテープによる傷みが懸念され、ドットボタン(「スナップボタン」と呼ばれています)を打ち込み特別仕様としてみました。

表情無きプレーンな残布も隅々まで使い切る良きフォローになる巻き薔薇、パイル地のカジュアル感すらエレガントに変えてくれる

使用生地(表地・裏地共通):ベビータオル無地、綿/100%、日本製。優しいクリームベージュ色です。
巻き薔薇2個の縫い付け:2個を縦にくっつけて並べ(左上)、目打ちで押さえながら(中)2個まとめて返し縫い。

縫い糸は薔薇の色に近い同色で馴染むように、最後の糸は裏に返しすっきりと玉止め。

裏面に「ハード薄芯1枚」で当て芯もしてあります。

ドットボタンによる開閉:打ち込み式で複数パーツ1セットから成る通称「スナップボタン」を設置。
スナップボタンが付いた状態:パイル地はマジックテープとは相性が良くないと、特別にこの方法を選択。

ただ、開閉のたびに生地に圧力がかかり、苦肉の策と思っていただければと思います。

本当はマジックテープの方が生地には負担が無いにもかかわらず、パイル地や毛羽だった生地には違った傷め方をしてしまうパラドックスがあるのです。

背面の3点:蓋は内部に入れ込んで縫い付けの方法、こちらは背の表に縫い付けるよりも難易度があります。

難易度があってもはぎれ製作では余分に生地が無いため、この方法で行わざるを得ないのです。

コスメケース3点セット(ベージュタオル地):<サイズ>上から時計回りに、縦6cmx横8cmxマチ2cm、縦3.5cmx横15cmxマチ無し、縦5cmx横7.5cmxマチ無し

あとがき

パイル地は和やかで優しい雰囲気、バッグにすることで肌との接触の心地良さをユーザー様に感じていただける1つの素晴らしい素材だと思います。

ただ、ほつれやすさ・傷みやすさは否めません。

バッグを日常使いではなく特別使いとして保管しながら大切に使う方法もあると思います。

また、このたびのミニポーチも同じこと。

長期間にわたって、滅多に出し入れしない保管に向き、工夫次第で末永く使うことができると思います。

このたびの、ベビータオルという生地のメイン製作はリュックでして、過去の【178】の投稿が該当します。

この和やかで優しいタオル地が教えてくれたことは、「心地を伝えるもの」という製品の有り方です(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

厚地インテリア生地の残布はミニポーチさえ作れない、ただの2枚重ねの高級はぎれスマホトレイのパソコン横の佇み【267】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

厚手のインテリア生地の大花ジャガード柄で製作したリュック、製作記録は以前の【259】でご紹介しました。

このたびは、この時の表地の残布の厚手インテリア生地があまりに素敵で、はぎれの最後のわずかなパーツも使い切りたいとアイデアを考案。

そして、厚手生地こそ相性が良いのではないかと敷物を製作。

残布の面積を惜しみなく使った楕円型は、スマホトレイにはうってつけでした。

同じく厚手の無地とのコントラストを美しく効かせながら、表面と裏面を【259】の表地と裏地の組み合わせと同じコンビで製作したのです。

高級生地の残布を使い切ることでコスパを高めて締めくくれればと思う、美しい大花柄はインテリア映えのスマホトレイに活かされた

表地(柄):インテリアファブリック、ポリエステル/100%、ベルギー製。裏地(無地):パイルカーテン地、ポリエステル/100%、ベルギー製。

表地のピンクの大花柄の光の当たり方による映りの濃淡は毛並みの特性、裏地のペールピンク柄の落ち着きがうまく全体をまとめます。

トレイの型紙のサイズ:縦15cmx横17.5cmの長方形の縁を半径10cmの円の一部で形作った楕円型です。
裁断:左上は表地の裏面が映っています、右下は裏地の表面が映っています。
2枚の面だけで完成するポテンシャル:様々な小物に引用できそうです。
「中表」の製作:縫い代は1cm、空き口は5cm。ひっくり返す前にラインを出しやすいための縫い代カット。
スマホトレイ完成:短い製作時間でした。面積が許せばOA機器の設置の脚シートでデスクのキズ防止になります。

このたびのフォルムは極めて円形に近い楕円、ここにひっくり返し後のラインの難しさがありました。

もしこの状態でラインをより綺麗に出したい場合は、横長の楕円にし、ストレートラインを部分的に作ることですかね。

残布めいっぱいが結果的に円形に近くなったという必然、今回は不可能なことでしたが。。

実際の使用場面:スマホをじかに置くのとでは気持ちが違いました。インテリアの一部になっています。

あとがき

楕円はラインにやや難易度があると思いますが、四角も縁の尖りが上手く出ないのが厚地の悩みです。

そんなところから、対策としてフリルを挟み込むこともアイデアとしてはあると思います。

ただフリルを挟み込むだけよりも、ラインの綺麗さを追求し切れないことの解決としてのフリルなら、奥深い意味が眠る素敵な製作になるのではないかと。

こうしたはぎれ製作からも、今後のメイン製作へのヒントになることがあります。

どんな単純な製作でも得るものがあれば無駄とは言えません。

メイン製作があれば必ず生まれる残布、今後もはぎれ製作も必ず行いたいと思っております(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

ハンドメイドバッグ用生地のメイン製作後のわずかな残布、ミニポーチの変わらぬ立派な作りに「喜び」をもたらしたい【262】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグ活動の中で、裁断によってどうしても出来る切り落とし。

この残布は「はぎれ」として小さな入れ物の製作に活用することにしています。

限られた面積という厳しい条件、もしかして巷では「ミニミニポーチ」という存在なのかもしれません。

そこにも価値を入れるために「専用ケース」という役割を伴う「コスメケース3点セット」として、3点それぞれが違ったフォルムで用途が広がるよう工夫。

「コスメケース」はあくまでも仮名称、ユーザー様の自由な使い道の選択があるのです。

このたびは、ここまで幾種類かのはぎれで製作してまいりました「コスメケース3点セット」の作りの良さを、このたびの新たなはぎれ製作と共に掘り起こしお伝えする回です。

出来上りには決して見える箇所ではないと思いますが、触って比べれば歴然、小さいのに丈夫で逞しく生き生きとしたポーチなのだと喜んでいただけることを願いながらの完成です。

①接着芯全面貼り②マジックテープ裏の当て芯③裏地付き、3つの逞しさを備えたミニミニポーチはメインバッグと同じ構造

①接着芯全面貼り:小さいパーツでも丁寧に接着芯を貼り、作りをメインバッグと同じくしています。
マジックテープの裏の当て芯:実はただマジックテープを縫い付けるのみならず裏側に補強があるのです。
③裏地付き:このたびは表地も裏地も同じ生地、paperprinted(生地名)、ポリエステル/100%、日本製。

過去の投稿の【91】でナップサックを初めて製作した時のメイン製作のはぎれとなります。

ワンピースやブラウスに仕立てられる服地の中の服地と見られ、バッグにすること自体がレアケース。

やはりメイン製作時も同じように裏地が見つからず表地のこの生地を共通で採用していました。

コスメケース3点セット(ライトグリーン花柄):<サイズ(左上から順に)>縦6cmx横8cmxマチ2cm/縦3.5cmx横15cmxマチ無し/縦5cmx横7.5cmxマチ無し
3点をオープン:接着芯によるハリコシや裏地付きにより、マチ無しでも膨らんで立体的に仕上がった姿です。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.11.03からおよそ5年後の2025.09.22にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

こうして、小さいケースの製作でもメイン製作と平等に見るようになりました。

これは過去の拙い製作からの教訓です。

はぎれ製作だからと手を緩めてしまい、追求を途中で諦めてしまったりして、出来上がったものはどれもいびつでした。

「全く価値がない!」と危機感すら覚えるほどのものだったのです。

技術のみならず伝え方も上手くは無かったと言えますが、上手く伝達できないことも元々誇れる作りをしていなからです。

このたびのような見えない部分の構造などは、何らかの形でユーザー様へ最終的に伝わることが大切、製作に込めた「思い」は無駄にしてはならないと思うのです。

くれぐれも念を押したいのは、「労力」ではなく「思い」の方であるということ、「労力」の方は何食わぬ涼しい表情で、いとも簡単に作り上げたかのような誤解を招いても大したことはないのです。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

極小の残布を拾い上げたハギ目だらけのミニポーチに価値はあるのか、廃棄か製造かに迷い製造を選んだ回【258】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

以前の投稿【175】で、細かく刻まれた状態のはぎれを寄せ集め、パッチワークシートを作って保管しておりました↓。

【175】投稿のはぎれのパッチワークシート:ずっと保管中のこちらをこのたび利用。左下は厚地過ぎて不採用。

メインバッグ製作は、椿柄は【122】で半月型ショルダーバッグを、桜柄は同じく【122】でマチ付きピンタック無しトートバッグを、菊柄は同じく【122】でマチ付きピンタックありトートバッグを、赤のキャンパス地ボタニカル柄は【122】でリュックを製作した残布です。

ここから左下のキャンパス地を除外、残り3種で3点のマチ付きミニポーチを同時製作しました。

ここまで細かいパッチワークは、出来上がりがつぎはぎだらけ。

ハギ目の両サイドに決まって入れているステッチは、このたびは省略の方がすっきりすると判断。

通常なら、「コスメケース3点セット」となり、それぞれ1点ずつが違うデザインのところを、「ファンデーションケース」というマチ付きの四角型で3点共通に作りました。

トートバッグのマチの切り落とし残布を寄せ集めて製作したミニポーチ、柄がぶつ切りの価値の低下が無意味な製作になる可能性

使用生地:椿柄-和柄プリント、綿/100%、日本製。菊柄-広幅コットンプリント、綿/100%、日本製。桜柄-和柄エンボスプリント、綿/100%、日本製。真ん中のグリーン(蓋に使用)は、ジャカード、ポリエステル/100%、日本製。

生地名がやや曖昧、椿柄は「ブッチャー」のような織り、菊柄はブロードのような織りです。

元は9マス分あったパッチワークシートの余分のカット:正方形の状態の上下を均等にカット。

ポーチを仕立てるための表地と裏地のパッチワークシートのサイズが、調整のカットによって定まりました。

マジックテープの縫い付け:やや見にくいのですが、赤いマジックテープを蓋パーツの1枚に縫い付けている場面。
マチ付きミニポーチx3点の完成(和柄):<サイズ:3点共通>縦7cmx横8cmxマチ2cm。
マジックテープとハギ目の配分:マジックテープは馴染む色を選択、ハギ目は均等配分で右のみ配置違い。

左2点はハギ目を中心に持ってきた位置、右1点は真ん中に1マスがまるごと出るように配置。

この違いは、元の残布の分量の違い、左2つのパーツが6マスに対して右の椿柄だけは9マスだったからです。

やはり、面積が多かった右がわずかにスタイリッシュに映るということなのかもしれません。

面積の大きい方が価値が生まれやすいということの例です。

内部の様子:それぞれ裏地付きですので、裏地付きのトートバッグのミニチュア版のような立派さです。

あとがき

こうして、ハギ目だらけのミニポーチを作った感想ですが、正直手間は感じませんでした。

ただ、元ある壮大な柄がぶつ切りになるデメリットがありました。

こうした製作はもったいない生地を集めて利用できたということにはなるのですが、ポーチ自体の価値はかなり落ちるようでした。

ただちゃんとした入れ物にはなってくれたという点では無価値とまでは思いません。

価値が少なそうな見込みなら、「作らない」という選択肢も検討し、廃棄が良い場合もあるのかもしれません。

価値の少ない物を製造すること自体「サステナブル」ではないからです。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

小さな残布までを有効活用できる蓋分離型ミニポーチ、誰でも困難な蓋の縫い付けが少しばかり得意になるためのコツ【253】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

比較的細かなはぎれで作るコスメケース3点セットを時々製作しています。

なぜコスメケースなのかは、目的のイメージが湧きやすいサイズ感の表現ということと、小さい面積しか余っていない究極の状況にも価値が生み出されることの証明です。

そんなミニポーチの製作の中でも、比較的残布の面積が広かったものと、小さい面積しかなかったものとで大きく違うのが、ポーチの蓋です。

本体と一繋ぎなのか分離しているのかで作り方も違い、当然ながら一繋ぎは作りやすいのです。

このたびは、ポイントを蓋の挟み込み方に置きまして、誰が作っても難関である蓋の付け根の部分のステッチが前後で均等配分になるコツを探ってみました。

かなり我流なのですが、細かいパーツでは印さえ打っていられない状況の中で、待ち針を使う策を考えてみました。

わずかながらも、綺麗に作ることができる方向に向かえることを願いながら、その記録を綴りたいと思います。

難関の蓋(フラップ)別付けの正確な位置の把握、待ち針がミニポーチの背面に貫通した位置の正しさで把握する方法はどうか?

<使用生地>:表地・裏地共通(左)先染チェック、綿/97%、ポリウレタン/3%、日本製。一部の裏地(右)エステルポプリン、ポリエステル/100%、日本製。

裏地のピンク色は表地と同じブルーのチェック裏地が不足する際の補填に一部のみ使用。

ブルーのギンガムチェック生地は、【80】でミニ四角ショルダーバッグの表地として使用、右のピンクは、【150】のキューブ型ハンドバッグ3wayの裏地に使用しました。

本体の「中表」縫い:接着芯全面貼り、メインバッグと同じように作っていきます。
難関の場面:早速ここに飛びますが、3点同じやり方で蓋を別付けで挟み込んで縫い付けていくやり方です。
蓋を綺麗に縫い付ける策(我流):右下のように待ち針を縫う側から差して突き出る場所を確認して把握。

均等な位置でなければ背面(表)が偏っているということで調整します。

出来上がった蓋の縫い付け結果:当然縫う側のピンクの方は見ていますからまずまずですが、問題は背面。

背面のみを意識するあまり、サイドが幅が広くなってしまっていました(^_^;)。

その他のポーチのステッチ位置:完璧とは言えません、何度も練習する必要があります。

生地が足りるならば、蓋が分離したデザインを避けるというジャッジも必要です。

どうしても残布の面積が足りない時だけという条件を付けておくと良いと思います。

コスメケース3点セット完成(ブルーギンガムチェック):<サイズ>一番上から時計回りに、縦6cmx横8cmxマチ2cm、縦3.5cmx横15cmxマチ無し、縦5cmx横7.5cmxマチ無し。

あとがき

製作側の思い通りではない制限のある状況で行う作業は、がんじがらめではありますが、そこから突破するためのアイデアを模索する訓練のようなもの。

メインバッグの製作では悩まなかった箇所の悩みは、良き体験であると考えると良いと思います。

ただ、綺麗にできない「難関」を伴う製作をわざわざしないのは、難関が汚さや未熟な姿を生むからです。

特に技術が優れていろいろ作れるという名誉を得たいものですが、まずはシンプルでノーマルなデザインを美しく丁寧に仕立てるということの方が大切だと考えます。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

ポロシャツのかのこ地がミニポーチになる新鮮さ、王道黒白ボーダーに足並み揃う裏地は先染め縦縞の横向き使い【247】

アイキャッチ画像247

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「ポロシャツ」の定義は、「襟付きであること」「主にニット製であること」「胸元ボタンがあること」など本来広範囲のお洋服アイテム。

しかし、多くの方はあの「かのこ」というぶつぶつの凹凸感ある素材こそがポロシャツらしいと考えているのではないでしょうか。

そんな現実を鑑み、そこにユニークなヒントを得ます。

多くのイメージとのギャップで、ポロシャツ以外を作ること、そんな発想から過去に半月型ボディーバッグを製作、投稿は【106】が該当です。

このたびは、その時のはぎれを利用したミニポーチ3点セット作りです。

サイズ感が分かり易いよう、「コスメケース3点セット」と名付けています。

これまでも何度か製作してまいりました同じデザインの3点。

このたびならではのポイントは、表地のかのこボーダー生地に対する裏地の選び方になります。

黒白ボーダーなのだから、黒無地が合うのはまず1つのアイデアとしては良いと思います。

ところが実際は黒がはぎれでこの時はなく、違う切り口から選んでみた裏地、是非はぎれ製作のアイデアの引き出しにいかがでしょうか。

ストライプは向きを変えればボーダー柄になる、柄の向きを変えることで相性良き表地と裏地になったカノコボーダーのポーチ

<表地:黒x白>カノコボーダーニット、ポリエステエル/55%、綿/45%、日本製。<裏地:グレーxオフ>生地名不明、綿/100%、日本製。

元は、先染めストライプ生地だった裏地、向きを表地と同じボーダーにそろえることでポーチが整います。

3点の裁断:すべてのカノコボーダーパーツにボーダー向きで裏地がまかなえました。まずここに喜びます。
マジックテープの設置:一番最初の過程で1枚仕立てで行います。
多角形の蓋とカーブの蓋との作り方の違い:多角形は鋭利に角を出す「外表」、カーブは逆で「中表」で。
「中表」のカーブの蓋のひっくり返し後のステッチ:この固定はぐらつきを抑え安定感が出ますし長持ちに。
ペンシルポーチのひっくり返しの場面:「わ」に裁断してあることで四角の角が鋭利に出ます。
ファンデーションケースのマチ:印を打たず、二等辺三角形の底辺のヒラヒラ部分周辺を縫うという目印。
ペンシルケースの蓋の縫い付け:広い横幅のこちらは比較的作業が簡単。蓋部分は二重縫い。
シャドウケースの蓋の縫い付け:3点の中で一番小さいサイズなのでやや難易度は高めながら十分可能です。
コスメケース3点セットの完成(カノコボーダー地):<サイズ:左上から時計回りに>縦6cmx横8cmxマチ2cm/縦3.5cmx横15cmxマチ無し/サイズ:縦5cmx横7.5cmxマチ無し
3点の後ろ面:だいたいまっすぐにどれも蓋が設置できました。表地と裏地の間に挟み込むやり方です。
ふたを開けた様子の3点(上段)とサイドから見た膨らみ(下段):マチ付きではない右2点にも膨らみが出ます。

あとがき

表地に関しては、ポロシャツを解体したのではなく、原反の生地からのカットで生地屋様で新品購入したことをお伝えしておきます。

このような生地も見つかるものなのです(「大塚屋」様にて購入)。

裏地の生地は、投稿の【244】で古着ジーンズの「スレキ:ポケット袋」を新たに作るというリフォームを行った時の残布、元はワゴンのはぎれコーナーで見つけた生地です。

まさかこのような組み合わせをするとは当初は計画にはなかったこと、ここがはぎれ製作の面白いところ。

本製作のバッグの時の表地と裏地の組み合わせとは違う2案のようなもの、この組み合わせの無限の可能性を感じる感覚が非常に楽しいのです。

ストライプ柄は使う方向を変え、ボーダー向きに使うということもできるということです。

その他、市松ジャガードも向きを変えればダイヤ柄になり、幾何柄の生地とのコンビに組み合わせやすくなるなど、向きを変えて使うだけで可能性が広がるのです(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク