タオルみたいなパイル地とプレーンなポプリンとの縫い合わせコンビのステッチをどちら側からかけると綺麗に仕上がるか【281】

まえがき

こんにちは。picturesqueです。

少し前の記事【279】で、ドットボタン(スナップボタンのかしめるタイプ)を取り付ける場面の内容をお伝えしました。

その後引き続きミシンで縫いながら、ミニポーチの3点の完成までに至る場面がこのたびです。

今回は、パイル地の厚みのあるふんわりした生地を表地に、裏地には反対のプレーンな比較的薄手のポプリン生地とを組み合わせました。

このことで、重なった部分のステッチの位置が把握しにくく、困難な場面が出てきました。

そこから、実体験で得た失敗と学びから、そういった厚みの違う生地同士の縫い合わせのステッチをかける相応しい面について解説してまいりたいと思います。

厚くてはみ出した生地の方側から縫った場合の失敗

厚手の生地と薄での生地をコンビニした縫い合わせは、厚手の生地が数ミリはみ出します。

これを最初厚手の生地側を天に(上糸側)に縫ってしまいました。

パイル地を上にポプリンを下という向きで外回りのステッチをかけた失敗:非常に歪みました。

このドットボタンの凸面が下向きになったことの不安定さの影響もありますが、縫う位置があまり分からなかったということも原因。

そして、ポプリン側から縫うということにやり直しました。

裏地側を上糸側になるような面で縫った場合、このように成功。ドットボタンも何も邪魔になりませんでした。
下糸側だった表面はどうなっているのかと見てみると、問題ないようです。
別のデザインのフラップでも同じようにこちら側から縫いました。とても綺麗に仕上がります。

ということで、縫う面の向きをどちらにするかということが、こういった生地の厚みとか風合いに差がある場合に検討してから縫うということです。

基本的に、裏地付きのバッグでは、裏地の方が薄手であることが大半なので、トートバッグの口の縫いとじを裏地側を上にして行っていたことが思い出されます。

小さなものでも、そのように生地に厚みの差がある場合同じように考えると良いということになります。

一番上から時計回りに、ファンデーションケース(サイズ:縦6cmx横8cmxマチ2cm)、ペンシルケース(サイズ:縦3.5cmx横15cmxマチ無し)、シャドウケース(サイズ:縦5cmx横7.5cmxマチ無し)。
<表地>パイルニット、綿/100%、日本製。<裏地>エステルポプリン、ポリエステル/100%、日本製。

お気づきでしょうか。

エステルポプリンが非常に多色展開の定番生地でありまして、左上の四角いケースの裏地だけライムグリーン、残りがオリーブグリーンという違いがあります。

これくらい色のトーンの違いだと表地に対しては共通に使えるというところがその他の製作に引用していただける点だと思います。

例えば、裏地の全くおなじものが不足の場合、色を変えても違和感がないことがあるということです。

あとがき

はぎれを使った製作というのは学ぶことがたくさん出てくるものです。

というのも、限られた面積がまず挙げられ、そもそも作る品物のサイズが限定的なのです。

その縛られた中の条件付きからいかにより良い物を作っていくかは、「完全自由」とは違った「訓練」のようなものがあると思っています。

はぎれの製作によっての新しい学びが、メイン生地での製作にうまく引用出来たり取り入れたりできると、生地が余ったことのロスの解消に加えた+αの価値が生まれることがあります。

良い製作のサイクルが出来上がることを切に願います(^-^)。

実際に打ち込んだ者だからこそ真実を伝えたい、「生地」に打ち込むスナップボタンに安心したことなど一度も無く反永久的な機能であることを【279】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

本格的なドットボタンというのは、パーツが、「①頭②ゲンコ③バネ④ホソ」の4種から成り立ち、2種のコマによって取り付けるセットパーツのことというのが、アパレル勤務時代の時に取り扱いのあったものでした。

重衣料の「コート」などに取り付けられるものです。

おそらくなじみの深いアイテムだとダウンジャケットについているホック釦が該当するかと思います。

ハンドメイドバッグに使用のドットボタンというのは、それより少しパーツの種類の違うツメが2つ入る4セットの「スナップボタンのかしめるタイプ」というやつです。

これが、なかなか腑に落ちるところが見つからない作業だったのです。

時々ツメの位置を見失い、ずれたところにコンコンと金づちをたたいてしまい、出来上がりが不完全なものですぐに外れてやり直し。

その場でやり直しになるような分かりやすい不完全具合ならまだよいですが、不完全なままある程度取り付けることができてしまったらどうでしょう。

使っていく時に、早い段階で外れるというようなことが起きるかと思うととても気がかりで夜も眠れません。

本来ドットボタンに相応しい素材は「本革レザー」に限る

アパレル業などの返品の中にドットボタン外れなどが多いのを見かけると、ドットボタンを取り付けること自体がそういった可能性を生むものになるということが否めません。

出来るだけ、そういったお直しの必要性のない末永い商品にしていきたいので、これを使うのはよほどの必要性に迫られた時しか行わないと決めていました。

その必要性のある場合というのが今回だったのでした。

実際に、パーツメーカー様からも貴重な言葉をお聞きしています。

パーツは基本的に、「革専用である、生地には向かない」と。

美しいループがある生地だからこそ、マジックテープが使えないためにドットボタンを使用するしかないということになりました。

マジックテープでは、ループに引っかかり、生地を傷めてしまうからです。

右側(カーキグリーン系ミックスカラー):パイルニット、綿/100%、日本製。

当然これにマジックテープは残酷過ぎます。

よって、ドットボタンということなのですが、ドットボタンも開け閉めの時に、力が加わりますので、間にハード薄芯を1枚かませて頑強な取り付けにする工夫をすることになりました。

裏地生地のエステルポプリンという無地の生地には、凸の部分を、そして、本体のパイルニットのミックスの生地にはへこみの部分を取り付けました。

3セットなので合計6箇所取り付けということになります。

YouTube動画内では、実際に打ち込みの場面を写しました↓。

あとがき

3点とも取り付け完了のドットボタン(スナップボタンのかしめるタイプ)

丈夫であるということと、見た目のかっこよさのバランスを判断しなければならない時が製造には必ずあると思います。

かっこよくしたいばかりに、永久的でもないいずれ外れてくるかもしれない可能性のあるこういったパーツをやすやすと使うのかということです。

どれだけかっこよくてもスタイリッシュでも、「長持ち」を優先させるスタイルで行くことをこの辺りから決断し始めます。

とはいえ、トライした記録としてはお伝えするには十分だったと思います。

最後に、打ち込んだ時の率直な気持ちを書きたいと思います。

「これが完全に打ち込んだ手ごたえだ」としっかり感じたことなど一度もありません。

「なんとなく」が最後まで付きまとうはっきりしない感覚。

それでも出来上がってしまっていることへの「恐怖」を感じたのが正直なところでした。

この「気持ち」や「手ごたえ」の部分、とても貴重な感覚だと思います。

是非ご参考にしていただければと思いますし、製作者としての「方針」のような物を持つ際に思い出していただけるとありがたいです。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

ハンドメイドで作るポケットやポーチの「わ」のアイロン二つ折りがずれないよう固定する「待ち針」は杭(くい)の役割【277】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび、ピンクのサテンの水玉柄でコスメケース3点セットを作りました。

今回の生地は少し扱いにくい生地。

分類では衣装の生地のまとまりの中からのチョイスです。

つるりとしたよく滑る生地で、こういったものが時に扱いにくい場合があり、今回はまさにそれに当たりました。

アイロンで折り目を付ける作業において、変な方向へずれないよう工夫した点をご紹介したいと思います。

「わ」の2つ折りを正確にアイロンがけするコツの「待ち針」の役割

使用生地:ドットプリント、ポリエステル/100%、日本製。Lの字になっている残布で表地も裏地も使用。

表地裏地ともに同じ生地で3点のミニポーチ作りでは、これだけ使い切るぐらいの分量生地が必要です。

とはいえ、はぎれであることは間違いがないので、多めに余ったケースの1種の生地使いというバージョンです。

ちなみに縦横の向きは、写真で見る横線の一番上が生地の耳に当たるような横向きで撮影しております。

つるりとしてピンク色がとてもかわいい生地なのですが、何しろとても扱いにくかったです。

アイロンをかける時もまともにはかけられません。

アイロンの先の方で少しずつというかけ方でなければクシャッとなってしまうのです。

そういう生地も中にはあるということですし、衣装用のコーナーの生地ですので、「ツヤ」にポイントをおかれ、手縫いが実際多いかもしれません。

しかし、これを選んだことでかえってレアな使い方ということになるのです。

扱いにくい生地も多少苦労しながら、それと引き換えに分かる生地の性質なども大変良き学びです。

今回、こうした扱いにくい生地で「わ」を二つ折りする時に、いかに正確に折ることができるかということのコツになる点を見つけました。

やりがちなのは、そのままアイロンをそそくさとかけてしまおうとすること。

ちょっと待った!、ここで、ポイントがあります↓。

実際の場面がしっかり撮影できなかったので、紙でシュミレーションしました<m(__)m>。

このように、二つ折りを「わ」のところにアイロンをかける前に、まずは待ち針を確実に留めます。

ここでやっと「わ」の中心の位置が決定されるという考え方です。

待ち針無しだと、必ずずれが起きてアイロンを結局かけ直したり、「わ」の中心線が曖昧になってしまいます。

この、待ち針で留めた後に、アイロンをかけるという待ち針留めの存在があるということがポイントでした。

そのまま目で見てアイロンしてしまいがちですよね。

けれどもこのぴたっと正確に合わせるための待ち針の存在が結構なものなのです。

形が綺麗に出来上がる秘訣の1つとして綴らせていただきました。

完成:一番上から時計回りに、ファンデーションケース(サイズ:縦6cmx横8cmxマチ2cm)、ペンシルケース(サイズ:縦3.5cmx横15cmxマチ無し)、シャドウケース(サイズ:縦5cmx横7.5cmxマチ無し)。
内側もしっかり裏地が貼られています。
後ろ姿はこんな感じです。

縫いにくいといっても出来上がりは他の素材の時と同じように出来上がらねばなりません。

せっかくのかわいいピンク色の水玉ですので、「かわいさ」と並行して「良質さ」があることがとても大切になります。

あとがき

今回の最初の残布の状態の写真が分かりやすかったかと思いますが、処分するにはもったいないなと思うような分量の生地で製作するアイテムの3点セットです。

大きなバッグ製作だけではきっちり使い切るということが難しい部分もあります。

そうすると少しゆとりを持って生地を調達するので当然残布が最後に発生します。

メインバッグの失敗のフォローとして予備の生地として控えながら、その後に残った残布となってこういった小さいものが出来上がる順番がとても自然であり、望ましい使い方だと思います(^-^)。

アイロンカバーすら汚さない、接着芯貼りの際の全面のクッキングシートの利用から生まれる「丁寧に作られた良質な品物」【276】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

小さなポーチをサイズ感を変えて主に3種製作しています。

どれもはぎれで作れる面積です。

ただ、サイズが小さいから、はぎれの利用だからといって何ら大きなハンドメイドバッグと作りが変わらない点が大きな「売り」の部分。

最終的には、「良い物を作る」というゴールを目指す製作になります。

良い物を目指すことで、そこに費やした時間の1秒ずつさえ意味が生まれます。

いい加減なその場限りの製作では大変時間を無駄に使う作業だと言えるのです。

そんな良質な品物を作るための1つのご紹介として、道具を綺麗に使うということをこのたびはご覧いただこうと思います。

接着芯貼りのアイロン台の場面になります。

小さいものの製作に取り入れる接着芯の粗裁ち方法

今回のような小さなパーツが数多くあるものは、接着芯について工夫できる部分があります。

よく芯貼りに使用を推奨されているクッキングシート。

これをアイロン台のすぐ上に敷くという方法です。

すぐ下の写真のようにアイロン台の上にパーツを置いて、粗裁ちした接着芯を載せてアイロンで熱を加えると、接着しない関係ない外回りの部分がアイロン台の布シートの上にべったりくっついてしまって、ベロベロとはがさねばなりません。

直接アイロン台の上で粗裁ちをした芯地接着:はがす作業の手間、はがした時の力による歪みが起こります。

そこで、新たなるこのような物を台所から持ってきます。

クッキングシートです。

耐熱でつるりと滑りが良いのでくっつくということとは無縁。

これをアイロン台のすぐ上に一番最初に敷くのです。

このようにクッキングシートをB5程度のサイズ分用意。そして、アイロン台のすぐ上に置きます。
クッキングシートの上に生地をふせ置きアイロンします。
そうすると、するっと生地にやさしくはがせます。作業もスムーズです。
コスメケース3点セットピンク小花柄VER:一番上から時計回りに、ファンデーションケース(サイズ:縦6cmx横8cmxマチ2cm)、ペンシルケース(サイズ:縦3.5cmx横15cmxマチ無し)、シャドウケース(サイズ:縦5cmx横7.5cmxマチ無し)
生地(表地、裏地共通):コーティングプリント目止め加工、ナイロン/100%、日本製。

目止め加工とはいわゆる撥水の種類の1つです。

ちなみに、もう1種の色違いの展開というのは、【266】の記事でご紹介した暖色系のイエローです。

これらが色違いだったのです。色違いで購入はあまりしないのですが特別。2色だけの展開でした。

ハリコシがとてもある生地で、たまたま色違いでも求めるとこうして2色しかないという希少なものだったりするのです。

ナイロンの撥水でここまでの華やかな生地の日本製はなかなか見つけることができません。

とても貴重な生地だったと言えます。

あとがき

このたびの、クッキングシートは、後にもっと大きな面積に対応するようにアイロン台の長さ分用意し、更に、汚れる方の面を決めて置くということをするようになりました。

そうすることで、せっかく敷いたクッキングシートの汚れた面が決してアイロン台のカバーに映らないようにするためです。

アイロンカバーもできるだけ綺麗なままで長く使いたいですものね。

そうしたクッキングシート使いも、この小物作りが本格的に使い始めたきっかけでした。

何でもない生地を華やかにしてしまう不思議なパワー、無地にミシンで縦に縫い付ける巻き薔薇の大きな効果【275】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

かれこれハンドメイドバッグを作り続けて、10年以上が経過しています。

最初の頃は、何か目立つものをとマーク的なものを考えました。

その時に、花柄のプリント物ばかりをポーチやエコバッグのような袋にしていたこともあり、相性が良さそうな「巻き薔薇」を飾りにワンポイントとして取り付けていました。

今でも、例えば、トイレットペーパーホルダーなどが無地の何でもないものであっても巻き薔薇1つで華やかになるといった効果を大いに利用させていただいております。

このたびは、この巻き薔薇を無地に縫い付けたワンポイントのある小さなポーチをパイル地で作っていきます。

先程のお話のトイレットペーパーホルダーもパイルのものに付けていたこともありましたので、雰囲気が似ているかもしれません。

とにかく雑貨全般にわたり引用できる飾りの方法だと思っていただければと思います。

巻き薔薇は、ミシンで縫い付けるのが丈夫

巻き薔薇の作りは、1本の繊細なテープから形作られています。

最初と最後の留めの部分がどうしても甘いものです。

ただの飾りならば問題ないのかもしれませんが、普段使う日用品に飾るとなればやはり丈夫な縫い付けにしたいものです。

巻き薔薇は、手で縫い付けがちですがあれだと実はもろいです。

もっとたくさんの面をミシンで返し縫いで縫い付けるのが良いようですので、縦に往復縫いをすることが常です。

薔薇をつぶしてしまうのではないかと心配しがちですが、思ったよりバラはつぶれません。
糸を薔薇と同じ色のなじむ色であることを心がけると良いです。行って帰ってきます。糸の始末は裏で玉止めを。

タオル生地には不向きなマジックテープの代わりにドット釦を利用

タオル生地はとても繊細。

今回も特に繊細なループのつくりになったもので、ベビータオル無地という名前の生地です。パイルがとても美しいほんわかした心地よい生地です。

パイルが美しいベビータオル無地という名前の生地。綿/100%、日本製。クリームベージュが優し気です。

このような繊細な生地には、マジックテープは不向き。

以前にリュックを作ったときにタオル地でもマジックテープ開閉のフラップ仕様にはしましたが、特にこの小さくてよく開け閉めするものはマジックテープのオスのとげとげしさが生地を傷めます。

よって、今回はドットボタンの開閉としました。

ドットボタンだからといっても注意は必要で、力が加わる硬いパーツなので、しっかり取り付けねばなりません。

表からは分かりませんが、中にハード薄芯を1枚かませて補強しています。

途中、いろいろ失敗の末取り付けが完成したドットボタンです。ちょっと苦手な作業です(^_^;)。

この作りの場合、ドットボタンの「頭」にあたるツルツルの部分が内側に隠れます。

そこが紛らわしく、最初あれを表側に見せていました(^_^;)。

ドットボタンの見え方は、お品によっていろいろです。

シャツの時などは、頭の部分は表に見えるように、最終的な出来上がりに打ち抜きます。

今回の場合は、薔薇の飾りとバッティングしてしまうので、中に隠すことが必要だったのが、少し紛らわしく、間違えてしまったわけでした。

巻き薔薇縦2個の効果が強いアクセントになる結果

コスメケース3点セット:上から時計回りに、ファンデーションケース(サイズ:縦6cmx横8cmxマチ2cm)、ペンシルケース(サイズ:縦3.5cmx横15cmxマチ無し)、シャドウケース(サイズ:縦5cmx横7.5cmxマチ無し)

タオル地とても優し気で、ふんわりしていて感触も良いです。

巻き薔薇のチョイスは、形はだいたいどれも同じなので、色を工夫すると映えます。

今回のように、薄いパステルカラーなどには、反対色の濃い色の薔薇、逆に暗めの生地の色には、赤やピンクなどの明るい華やかなバラの色をチョイスすると良さそうです。

冒頭にお話させていただきましたように、当初ハンドメイドバッグを作り始めたころは、今回のような茶色ではなく、ピンクとか赤の明るい薔薇の色が多かったです。

巻き薔薇の魅力は、たとえ1個だけでもアクセントやポイントになることです。

無地に使うととても効果的ですが、花柄に使っても馴染んだり際立ったりと相性は良いです。

あとがき

これ3個作るのにも時間は結構かかっています。

一応バッグと同じような工程の作りで、裏地付ですし、全面芯なので、芯貼りの工程も含みます。

ただ、小さいのでその分一瞬だったりする場面があり、大きい物よりは早い部分も大いにあります。

小さいアイテムでも丁寧に大きなサイズのバッグと同じ仕様で作るというところが出来上がりに現れます。

追求するところはどんなサイズのものであっても、「良質さ、良い作り」ということです。

厚地インテリア生地の残布はミニポーチさえ作れない、ただの2枚重ねの高級はぎれスマホトレイのパソコン横の佇み【267】

アイキャッチ画像267

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

厚手のインテリア生地の大花ジャガード柄で製作したリュック、製作記録は以前の【259】でご紹介しました。

このたびは、この時の表地の残布の厚手インテリア生地があまりに素敵で、はぎれの最後のわずかなパーツも使い切りたいとアイデアを考案。

そして、厚手生地こそ相性が良いのではないかと敷物を製作。

残布の面積を惜しみなく使った楕円型は、スマホトレイにはうってつけでした。

同じく厚手の無地とのコントラストを美しく効かせながら、表面と裏面を【259】の表地と裏地の組み合わせと同じコンビで製作したのです。

高級生地の残布を使い切ることでコスパを高めて締めくくれればと思う、美しい大花柄はインテリア映えのスマホトレイに活かされた

表地(柄):インテリアファブリック、ポリエステル/100%、ベルギー製。裏地(無地):パイルカーテン地、ポリエステル/100%、ベルギー製。

表地のピンクの大花柄の光の当たり方による映りの濃淡は毛並みの特性、裏地のペールピンク柄の落ち着きがうまく全体をまとめます。

トレイの型紙のサイズ:縦15cmx横17.5cmの長方形の縁を半径10cmの円の一部で形作った楕円型です。
裁断:左上は表地の裏面が映っています、右下は裏地の表面が映っています。
2枚の面だけで完成するポテンシャル:様々な小物に引用できそうです。
「中表」の製作:縫い代は1cm、空き口は5cm。ひっくり返す前にラインを出しやすいための縫い代カット。
スマホトレイ完成:短い製作時間でした。面積が許せばOA機器の設置の脚シートでデスクのキズ防止になります。

このたびのフォルムは極めて円形に近い楕円、ここにひっくり返し後のラインの難しさがありました。

もしこの状態でラインをより綺麗に出したい場合は、横長の楕円にし、ストレートラインを部分的に作ることですかね。

残布めいっぱいが結果的に円形に近くなったという必然、今回は不可能なことでしたが。。

実際の使用場面:スマホをじかに置くのとでは気持ちが違いました。インテリアの一部になっています。

あとがき

楕円はラインにやや難易度があると思いますが、四角も縁の尖りが上手く出ないのが厚地の悩みです。

そんなところから、対策としてフリルを挟み込むこともアイデアとしてはあると思います。

ただフリルを挟み込むだけよりも、ラインの綺麗さを追求し切れないことの解決としてのフリルなら、奥深い意味が眠る素敵な製作になるのではないかと。

こうしたはぎれ製作からも、今後のメイン製作へのヒントになることがあります。

どんな単純な製作でも得るものがあれば無駄とは言えません。

メイン製作があれば必ず生まれる残布、今後もはぎれ製作も必ず行いたいと思っております(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

ハンドメイドバッグ用生地のメイン製作後のわずかな残布、ミニポーチの変わらぬ立派な作りに「喜び」をもたらしたい【262】

アイキャッチ画像262

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグ活動の中で、裁断によってどうしても出来る切り落とし。

この残布は「はぎれ」として小さな入れ物の製作に活用することにしています。

限られた面積という厳しい条件、もしかして巷では「ミニミニポーチ」という存在なのかもしれません。

そこにも価値を入れるために「専用ケース」という役割を伴う「コスメケース3点セット」として、3点それぞれが違ったフォルムで用途が広がるよう工夫。

「コスメケース」はあくまでも仮名称、ユーザー様の自由な使い道の選択があるのです。

このたびは、ここまで幾種類かのはぎれで製作してまいりました「コスメケース3点セット」の作りの良さを、このたびの新たなはぎれ製作と共に掘り起こしお伝えする回です。

出来上りには決して見える箇所ではないと思いますが、触って比べれば歴然、小さいのに丈夫で逞しく生き生きとしたポーチなのだと喜んでいただけることを願いながらの完成です。

①接着芯全面貼り②マジックテープ裏の当て芯③裏地付き、3つの逞しさを備えたミニミニポーチはメインバッグと同じ構造

①接着芯全面貼り:小さいパーツでも丁寧に接着芯を貼り、作りをメインバッグと同じくしています。
マジックテープの裏の当て芯:実はただマジックテープを縫い付けるのみならず裏側に補強があるのです。
③裏地付き:このたびは表地も裏地も同じ生地、paperprinted(生地名)、ポリエステル/100%、日本製。

過去の投稿の【91】でナップサックを初めて製作した時のメイン製作のはぎれとなります。

ワンピースやブラウスに仕立てられる服地の中の服地と見られ、バッグにすること自体がレアケース。

やはりメイン製作時も同じように裏地が見つからず表地のこの生地を共通で採用していました。

コスメケース3点セット(ライトグリーン花柄):<サイズ(左上から順に)>縦6cmx横8cmxマチ2cm/縦3.5cmx横15cmxマチ無し/縦5cmx横7.5cmxマチ無し
3点をオープン:接着芯によるハリコシや裏地付きにより、マチ無しでも膨らんで立体的に仕上がった姿です。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.11.03からおよそ5年後の2025.09.22にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

こうして、小さいケースの製作でもメイン製作と平等に見るようになりました。

これは過去の拙い製作からの教訓です。

はぎれ製作だからと手を緩めてしまい、追求を途中で諦めてしまったりして、出来上がったものはどれもいびつでした。

「全く価値がない!」と危機感すら覚えるほどのものだったのです。

技術のみならず伝え方も上手くは無かったと言えますが、上手く伝達できないことも元々誇れる作りをしていなからです。

このたびのような見えない部分の構造などは、何らかの形でユーザー様へ最終的に伝わることが大切、製作に込めた「思い」は無駄にしてはならないと思うのです。

くれぐれも念を押したいのは、「労力」ではなく「思い」の方であるということ、「労力」の方は何食わぬ涼しい表情で、いとも簡単に作り上げたかのような誤解を招いても大したことはないのです。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

極小の残布を拾い上げたハギ目だらけのミニポーチに価値はあるのか、廃棄か製造かに迷い製造を選んだ回【258】

アイキャッチ画像258

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

以前の投稿【175】で、細かく刻まれた状態のはぎれを寄せ集め、パッチワークシートを作って保管しておりました↓。

【175】投稿のはぎれのパッチワークシート:ずっと保管中のこちらをこのたび利用。左下は厚地過ぎて不採用。

メインバッグ製作は、椿柄は【122】で半月型ショルダーバッグを、桜柄は同じく【122】でマチ付きピンタック無しトートバッグを、菊柄は同じく【122】でマチ付きピンタックありトートバッグを、赤のキャンパス地ボタニカル柄は【122】でリュックを製作した残布です。

ここから左下のキャンパス地を除外、残り3種で3点のマチ付きミニポーチを同時製作しました。

ここまで細かいパッチワークは、出来上がりがつぎはぎだらけ。

ハギ目の両サイドに決まって入れているステッチは、このたびは省略の方がすっきりすると判断。

通常なら、「コスメケース3点セット」となり、それぞれ1点ずつが違うデザインのところを、「ファンデーションケース」というマチ付きの四角型で3点共通に作りました。

トートバッグのマチの切り落とし残布を寄せ集めて製作したミニポーチ、柄がぶつ切りの価値の低下が無意味な製作になる可能性

使用生地:椿柄-和柄プリント、綿/100%、日本製。菊柄-広幅コットンプリント、綿/100%、日本製。桜柄-和柄エンボスプリント、綿/100%、日本製。真ん中のグリーン(蓋に使用)は、ジャカード、ポリエステル/100%、日本製。

生地名がやや曖昧、椿柄は「ブッチャー」のような織り、菊柄はブロードのような織りです。

元は9マス分あったパッチワークシートの余分のカット:正方形の状態の上下を均等にカット。

ポーチを仕立てるための表地と裏地のパッチワークシートのサイズが、調整のカットによって定まりました。

マジックテープの縫い付け:やや見にくいのですが、赤いマジックテープを蓋パーツの1枚に縫い付けている場面。
マチ付きミニポーチx3点の完成(和柄):<サイズ:3点共通>縦7cmx横8cmxマチ2cm。
マジックテープとハギ目の配分:マジックテープは馴染む色を選択、ハギ目は均等配分で右のみ配置違い。

左2点はハギ目を中心に持ってきた位置、右1点は真ん中に1マスがまるごと出るように配置。

この違いは、元の残布の分量の違い、左2つのパーツが6マスに対して右の椿柄だけは9マスだったからです。

やはり、面積が多かった右がわずかにスタイリッシュに映るということなのかもしれません。

面積の大きい方が価値が生まれやすいということの例です。

内部の様子:それぞれ裏地付きですので、裏地付きのトートバッグのミニチュア版のような立派さです。

あとがき

こうして、ハギ目だらけのミニポーチを作った感想ですが、正直手間は感じませんでした。

ただ、元ある壮大な柄がぶつ切りになるデメリットがありました。

こうした製作はもったいない生地を集めて利用できたということにはなるのですが、ポーチ自体の価値はかなり落ちるようでした。

ただちゃんとした入れ物にはなってくれたという点では無価値とまでは思いません。

価値が少なそうな見込みなら、「作らない」という選択肢も検討し、廃棄が良い場合もあるのかもしれません。

価値の少ない物を製造すること自体「サステナブル」ではないからです。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

小さな残布までを有効活用できる蓋分離型ミニポーチ、誰でも困難な蓋の縫い付けが少しばかり得意になるためのコツ【253】

アイキャッチ画像253

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

比較的細かなはぎれで作るコスメケース3点セットを時々製作しています。

なぜコスメケースなのかは、目的のイメージが湧きやすいサイズ感の表現ということと、小さい面積しか余っていない究極の状況にも価値が生み出されることの証明です。

そんなミニポーチの製作の中でも、比較的残布の面積が広かったものと、小さい面積しかなかったものとで大きく違うのが、ポーチの蓋です。

本体と一繋ぎなのか分離しているのかで作り方も違い、当然ながら一繋ぎは作りやすいのです。

このたびは、ポイントを蓋の挟み込み方に置きまして、誰が作っても難関である蓋の付け根の部分のステッチが前後で均等配分になるコツを探ってみました。

かなり我流なのですが、細かいパーツでは印さえ打っていられない状況の中で、待ち針を使う策を考えてみました。

わずかながらも、綺麗に作ることができる方向に向かえることを願いながら、その記録を綴りたいと思います。

難関の蓋(フラップ)別付けの正確な位置の把握、待ち針がミニポーチの背面に貫通した位置の正しさで把握する方法はどうか?

<使用生地>:表地・裏地共通(左)先染チェック、綿/97%、ポリウレタン/3%、日本製。一部の裏地(右)エステルポプリン、ポリエステル/100%、日本製。

裏地のピンク色は表地と同じブルーのチェック裏地が不足する際の補填に一部のみ使用。

ブルーのギンガムチェック生地は、【80】でミニ四角ショルダーバッグの表地として使用、右のピンクは、【150】のキューブ型ハンドバッグ3wayの裏地に使用しました。

本体の「中表」縫い:接着芯全面貼り、メインバッグと同じように作っていきます。
難関の場面:早速ここに飛びますが、3点同じやり方で蓋を別付けで挟み込んで縫い付けていくやり方です。
蓋を綺麗に縫い付ける策(我流):右下のように待ち針を縫う側から差して突き出る場所を確認して把握。

均等な位置でなければ背面(表)が偏っているということで調整します。

出来上がった蓋の縫い付け結果:当然縫う側のピンクの方は見ていますからまずまずですが、問題は背面。

背面のみを意識するあまり、サイドが幅が広くなってしまっていました(^_^;)。

その他のポーチのステッチ位置:完璧とは言えません、何度も練習する必要があります。

生地が足りるならば、蓋が分離したデザインを避けるというジャッジも必要です。

どうしても残布の面積が足りない時だけという条件を付けておくと良いと思います。

コスメケース3点セット完成(ブルーギンガムチェック):<サイズ>一番上から時計回りに、縦6cmx横8cmxマチ2cm、縦3.5cmx横15cmxマチ無し、縦5cmx横7.5cmxマチ無し。

あとがき

製作側の思い通りではない制限のある状況で行う作業は、がんじがらめではありますが、そこから突破するためのアイデアを模索する訓練のようなもの。

メインバッグの製作では悩まなかった箇所の悩みは、良き体験であると考えると良いと思います。

ただ、綺麗にできない「難関」を伴う製作をわざわざしないのは、難関が汚さや未熟な姿を生むからです。

特に技術が優れていろいろ作れるという名誉を得たいものですが、まずはシンプルでノーマルなデザインを美しく丁寧に仕立てるということの方が大切だと考えます。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

ポロシャツのかのこ地がミニポーチになる新鮮さ、王道黒白ボーダーに足並み揃う裏地は先染め縦縞の横向き使い【247】

アイキャッチ画像247

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「ポロシャツ」の定義は、「襟付きであること」「主にニット製であること」「胸元ボタンがあること」など本来広範囲のお洋服アイテム。

しかし、多くの方はあの「かのこ」というぶつぶつの凹凸感ある素材こそがポロシャツらしいと考えているのではないでしょうか。

そんな現実を鑑み、そこにユニークなヒントを得ます。

多くのイメージとのギャップで、ポロシャツ以外を作ること、そんな発想から過去に半月型ボディーバッグを製作、投稿は【106】が該当です。

このたびは、その時のはぎれを利用したミニポーチ3点セット作りです。

サイズ感が分かり易いよう、「コスメケース3点セット」と名付けています。

これまでも何度か製作してまいりました同じデザインの3点。

このたびならではのポイントは、表地のかのこボーダー生地に対する裏地の選び方になります。

黒白ボーダーなのだから、黒無地が合うのはまず1つのアイデアとしては良いと思います。

ところが実際は黒がはぎれでこの時はなく、違う切り口から選んでみた裏地、是非はぎれ製作のアイデアの引き出しにいかがでしょうか。

ストライプは向きを変えればボーダー柄になる、柄の向きを変えることで相性良き表地と裏地になったカノコボーダーのポーチ

<表地:黒x白>カノコボーダーニット、ポリエステエル/55%、綿/45%、日本製。<裏地:グレーxオフ>生地名不明、綿/100%、日本製。

元は、先染めストライプ生地だった裏地、向きを表地と同じボーダーにそろえることでポーチが整います。

3点の裁断:すべてのカノコボーダーパーツにボーダー向きで裏地がまかなえました。まずここに喜びます。
マジックテープの設置:一番最初の過程で1枚仕立てで行います。
多角形の蓋とカーブの蓋との作り方の違い:多角形は鋭利に角を出す「外表」、カーブは逆で「中表」で。
「中表」のカーブの蓋のひっくり返し後のステッチ:この固定はぐらつきを抑え安定感が出ますし長持ちに。
ペンシルポーチのひっくり返しの場面:「わ」に裁断してあることで四角の角が鋭利に出ます。
ファンデーションケースのマチ:印を打たず、二等辺三角形の底辺のヒラヒラ部分周辺を縫うという目印。
ペンシルケースの蓋の縫い付け:広い横幅のこちらは比較的作業が簡単。蓋部分は二重縫い。
シャドウケースの蓋の縫い付け:3点の中で一番小さいサイズなのでやや難易度は高めながら十分可能です。
コスメケース3点セットの完成(カノコボーダー地):<サイズ:左上から時計回りに>縦6cmx横8cmxマチ2cm/縦3.5cmx横15cmxマチ無し/サイズ:縦5cmx横7.5cmxマチ無し
3点の後ろ面:だいたいまっすぐにどれも蓋が設置できました。表地と裏地の間に挟み込むやり方です。
ふたを開けた様子の3点(上段)とサイドから見た膨らみ(下段):マチ付きではない右2点にも膨らみが出ます。

あとがき

表地に関しては、ポロシャツを解体したのではなく、原反の生地からのカットで生地屋様で新品購入したことをお伝えしておきます。

このような生地も見つかるものなのです(「大塚屋」様にて購入)。

裏地の生地は、投稿の【244】で古着ジーンズの「スレキ:ポケット袋」を新たに作るというリフォームを行った時の残布、元はワゴンのはぎれコーナーで見つけた生地です。

まさかこのような組み合わせをするとは当初は計画にはなかったこと、ここがはぎれ製作の面白いところ。

本製作のバッグの時の表地と裏地の組み合わせとは違う2案のようなもの、この組み合わせの無限の可能性を感じる感覚が非常に楽しいのです。

ストライプ柄は使う方向を変え、ボーダー向きに使うということもできるということです。

その他、市松ジャガードも向きを変えればダイヤ柄になり、幾何柄の生地とのコンビに組み合わせやすくなるなど、向きを変えて使うだけで可能性が広がるのです(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク