イタリア製の暖色系マルチカラー大花柄ジャガード生地のウエストポーチへの引用【35】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

この記事アップの時期は、夏の終盤。

スーパーでは、ちらほらみかんを見かけることが。。

みかんは、どっしりと座ったような、安定感のあるフォルムをしています。

今回は、この安定感に魅力を感じ、みかん型をしたウエストポ―チをみかんのイメージをおしゃれに出していくことで作ってみたいと思いました。

名付けて、「みかんウエストポーチ」です。

ウエストポーチの良さとサイズの限度

自転車に乗って、そこそこ遠距離を移動しているのかなと思うような人を見かけます。

バッグを自転車のかごに入れずに、身に着けています。

ボディーバッグのように背中に背負ったり、慎重に、視界の範囲内にと、前側で胸あたりに本体を持ってきたボディーバッグの着用の仕方だったり、腰に結構な大きさのバッグを巻いたり。。。

とにかく、両手がふさがった自転車に乗っているようなシーンでの着用はボディーにフィットする仕様であることが求められます。

そういうシーンでは、ウエストポーチも活躍できる1つのアイテムです。

ただ、あまり大きいサイズでは使いにくいというもので、その容積は決して多くはとれません。

かえって使いにくいものになっても意味がありません。

みかんらしい緩やかな楕円カーブには円の一部を利用

みかんウエストポーチの型紙:本体縦20cmx横30cmほどの横楕円形を中心として、
ポケットや、ぐるり1周のマチの長いパーツ、ウエストベルトなどが加わります。
このように、表地と裏地を貼り合わせて、ぐるり1周縫い、空き口を残して、ひっくり返します。
アイロンで整えて、空き口を縫い閉めるのを含めて、ぐるり外1周ステッチをかけます。
1枚のプレートが出来上がったと思っていただけると良いです。
ファスナーを切り抜き型から顔を出すように取り付ける方法をとりましたので、
裏地をラッピング布と兼ねた仕様で、ボックス型のくり抜きを作っています。

はい。ここまでが前編となります。

次回の後半では、ファスナーを取り付けるところからスタートして、最後組み立てて完成まで行きます。

あとがき

生地が暖色系であったことで、みかんそのままのオレンジの無地ではなくて、花柄をみかんにしていくことの遊び心みたいなことを考えてみた案です。

みかんだけでなく、他の果物、動物などでも応用ができそうな案であり、このたびはその一例みたいなものです。

ゴージャスなクシュクシュジャガード生地でどんなデザインのバッグを作るのが一番相応しいかの研究【31】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

以前にも巾着バッグは別の素材で2度ほどご紹介しています。よろしければ、【15】【20】の同デザインとも比較してお立ち寄りいただければと思います。

今回は、過去の【15】【20】から少し改良した点があります。

巾着バッグのデメリットの口が完全には閉まらないセキュリティー性の弱さをカバーするべく取り付けた内側のルーフ機能をもう少しシンプルにしたことが1つです。

もう1つの改良は、本体の縦の長さを5cm長くしてハトメ穴を打つ場所を広く確保したことです。

ブロンズの凹凸感ある花柄がゴージャスな生地とそれに合わせた裏地

今回の表生地は、イタリア生地です。

裏地は、カーテン地を使いました。

ともに花柄ジャガードですが、花の形が互いにマッチするということで、意外なカーテンの下側に付けるあの薄い透けた素材を裏地にしたという点が特徴です。

左:表地(ブロンズ):ジャカード、ポリエステル/49%、綿/34%、ナイロン/17%、イタリア製 。
右:裏地(ベージュ):ミラーレースカーテン地、ポリエステル/100%、日本製。

表生地はブロンズ、ベージュ、ゴールドという茶系のマルチカラー。

フクレのうねりが非常に美しく花柄が立体的に浮かび上がっています。

こうして、柄同士であっても、柄の形をよく見て同じ調子になっていることで一緒にコンビにして使うことも多いです。

表地のようなぷっくりと膨らみを入れてあるフクレ加工については、日本製ではなかなかここまで立体的な生地を見ることがありません。

イタリア製ならではのような気がしています。

私が見る範囲内ではありますが、日本製のフクレ加工もあるにはあるのですが、はそれほど大胆な凹凸はなく控えめに感じます。

ただ、イタリア製に比べてきめの細やかさが感じられますので、それぞれの良さがあるのでしょう。

裏地のミラーレースカーテン地についてですが、表地に利用も面白いと感じながら、今回は裏地に使いました。

意外と丈夫ですので、透明感を出したい場合、例えば季節感を夏で出す場合に表地使いも楽しいかもしれませんね。

共布ストッパーの作り方

今回は、巾着袋なのでアイレットカンでのハトメ穴開け作業があります。

これにひもを通して、共布ストッパーを作って取り付け、先っぽにループエンドを取り付ける過程をご紹介します。

アイレットカンの穴開け等の作業は、別の機会にしっかり撮影などして、分かりやすくお伝えしますね。

まず、共布ストッパーの裁断後の様子からスタートです。

共布ストッパー用パーツ:縦5cmx横12.5cm(裏地には接着芯とハード薄芯を貼ります)
1:真ん中で折り、短い方の上下を1.5cmの縫い代で内側へくるみ込みます。折った真ん中の線に向かって三つ折りを左右ともします
2:折った中心から左右2mm程度をミシンでステッチします。
3:さらに真ん中で折り、その折り線へむかって左右とも三つ折りし、再びミシンで中心から2mm程度をステッチします。
表側から見ると、真ん中に2連ステッチが浮かび上がます。

そうして、この出来上がったストッパーの穴にロ―プの共布を通します。

ストッパーを共布ロープに取り付けました。:ロープは型紙で幅3.5cm、ストッパーは型紙で幅12.5cm。

続いて、ここへループエンドを付けます。かわいいゴールドのすずらん型。

この丸みをおびた形はちょっと珍しいです。

「アイリス」様という大手パーツメーカーさんの商品。

ぷっくりふくらんだスズラン型のループエンド(アイリス様のお品):こちらのシルバーカラーもあります。

まずそのまま通してその後、通したままロープの先を二つ折りにしてミシンを2-3度返し縫してかけて、ストップさせ、ロープ先も筒の中に隠します。

こんな風に蝶々結びもできます(^-^)。

完成しました。10枚の写真です。

<サイズ>:縦28cmx横30cmxマチ7cm。

縦を5cm長くしたことで、バッグ全体が以前の、【15】【20】より大きいことがはっきりします。

【15】の時の巾着バッグ。
【20】の時の巾着バッグ。

この生地でこのデザインはマッチしていたのか

ここで最後に、生地とデザインのマッチのお話です。

何か腑に落ちない感じでした。

どうしても感じてしまうのは、このゴージャスな生地にして、デザインがカジュアル過ぎるということです。

もっとしっとりとしたエレガントなバッグに出来そうだという心残りが否めませんでした。

ゴージャスな生地だけどカジュアルなデザインで作るというギャップも面白いのですが。。。

あとは、マチの小ささを感じています。

マチが7cmに出来上がりましたが、この倍くらいの15cmは思い切って付けた方がどっしりと座り迫力が出て、この生地に相応しくなると思いました。

今回の製作だと、床においても座らないのです。

マチの工夫も今後の課題です。何分控え目過ぎるのだと思います。

もっと思い切ったのびのびとした製作をせねばと(^_^;)。

あとがき

イタリア生地のジャガード素晴らしいですね。

もっと素敵にできたのにと心残りなのがなんかもったいないことをしているようです。

ちゃんと素材のレベルに対してその作りを追いついていきたいものです。

2019年は、その前の年に考えていた、高級な素材の特に自身が注目の凹凸感あるフクレ加工の生地で作って行くということを実行ていっている最中なのです。

まだまだフクレジャガードなどの素材を使わせていただく製作が続きます。

もうこれ以上美しくは作れないという極限まで素敵さを高められたらと思うと、この度の製作では全く花咲かなかったということになります。

広くゆったりと見渡せるA4横型、メインにもなるサブバッグに出来上がるためのノウハウ【29】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

サブバッグと呼ばれるバッグが本当に2番手バッグで終わるのか。。。

価値観によってはメインバッグにもなるかもしれません。

私は、結構あのサブバッグのラフな形がとても好きです。

いつの時代も流行を気にせずに自然なスタイルで使えるただのシンプルな入れ物のような様相がかえって、自然で使いやすいのです。

トート型の自由で開放的な作りは、セキュリティー性には欠ける部分もあります。

しかし、どこに自分が一番重きを置くかというところでは、私は、ストレスのない開閉であったり使い心地であったりという、「使い勝手」を重視しています。

そんな自分自身の価値観も組み込みながら、せっかくの広い面積に美しくお花が咲く風景のように映るデザインでサブバッグをお作りしたいと思いました。

サーモンピンクxベージュの優しさにあふれた柄の

今回の花柄、こちらです。

<表地/裏地共通:サーモンピンク花柄>:PAPER PRINTEDという名前の生地、ポリエステル/100%、日本製。

まず、この色、大変落ち着いていて上品ですね。エレガントな雰囲気です。

サーモンピンク地にグレージュ系のコントラストが素敵素敵です。

薄手の生地ではあるのですが、目が詰まっていますので、表地使いもありと判断。

裏地の色は別生地だとあまりにコーデが難しく、ギブアップ。同じ生地で作りました。

おそらく、この素材はもとは、ワンピースなどに向く服地だと思います。

それをバッグに作るという点が面白いのです。

初の両玉縁風ポケットにトライ

今回のデザインは大変シンプルで、ポケットも1個のみです。

ただ、このポケット、今回私としては初めて作ったデザインのポケットです。

作業順を1-8までの写真で追っていってみて下さいませ。

バッグ用の玉縁ポケットの手順(あくまで、今回初めてで、見よう見まねで取り組んでみたもので、引き続き良い作り方は研究中です)

まず、ハード薄芯を裏地の裏面に当て、そこに長方形のポケット口の出来上がりの枠をシャープペンなどで書きます。

ラッピング布パーツを裏地の表面に裏返し(つまりは中表)に置いて、描いた枠線を後で包みこめるように均等な配分の位置、つまり枠がど真ん中に来るように置いて待ち針を打ちます。

そして、先ほど書いた線の上をなぞるようにボックス型にミシンをかけます。

この時返し縫いは最小限が綺麗です。私は、返し縫い無しで、玉止めをしっかりするということにしています。

そして、1のように真ん中にハサミを入れ、縁約7mm程度はYの字に角に向かってハサミを入れます。

そして、玉縁(たまぶち)を意味する、ラッピングという作業で、ラッピング布のある表面側から、裏面側に返して、アイロンをかけ、ボックスの縁から1mmほどをステッチで固定。

それが、2、3の写真の出来上がり写真にあたります。

4のように左側の延長布(短い方)と、右側のポケットの袋布(長い方)をそれぞれ三つ折りステッチして固定した後、5のように、裏地の裏面にポケットパーツ2つの裏面を向けて(中裏)、ボックスの穴の半分ずつ均等に、待ち針で取り付けます。

6がその状態を表側から改めて待ち針を打ち直した場面です。ここで、真ん中から見え方が均等かどうかをチェックしながら整える待ち針です。

そして、先ほどボックスの外1mmのところにステッチをかけたその上をなぞるように再び裏面にミシンを走らせます。

そうするとポケットの延長布と袋が本体に取り付けられたということで、最後に延長布と袋を縫いつなぎ、脇も縫いつなげます。

7,8は完成の状態です。

なぜに、このような変なこと(玉縁)をやるのか。。

これは、先人の知恵だと思うんです。

真ん中を切ってハサミを入れたその切り口を、布でくるみこんで、切り口がほつれるリスクを食い止める、この役割と、見た目の美しいデザインを兼ね備えた、昔の人の知恵が受け継がれている手法だと思います。

最初にこのラッピング方法を考えた人は、すごいとつくづく思います。ほぼ発明のレベルでしょう。

私は、スーツによくあるポケットの手法を玉縁の部分だけ学ばせていただきました。

そのほかに関しては全く作り方も分からず、独自の作り方で今回のように出来上がりました。

スーツ専門の職人様からはもしかして突っ込みが入るかもしれませんが。。。

独学だけで来た者が洋服道には行けませんでした。仕方がないのです。

完成レビュー

サブバッグが完成した状態を10枚の写真でご用意いたしました。

<サイズは>:縦27cmx横34cmxマチ14cm。

デザインとしては、シンプルでとても単純です。

A4横のサイズというのは、超定番サイズだと考えます。

このサイズ感が大きすぎないさっぱりした持ちやすいアイテムになればと思います。

このA4などという呼び名ですが、ペーパレス化が進む将来では、消滅していく可能性もあります。

もう書類を入れるという観念がなくなると、このサイズ感である必要もないのかな。

しかし、この書類入れの機能というものがいずれ遥か昔の紙使用時代のなごりだなんて言われるようになった未来が来たとしても、その意味は歴史とともに必要があってのサイズだったということが刻まれることでしょう。

あとがき

サブバッグなんだけど、メインバッグにもなってしまうような活躍のバッグになればと思います。

私自身がそうであるように、多くの方達も、こうした単純なバッグの良さを感じ、使い勝手に魅力を感じていただくことがあるかもしれません。

余計な飾りが無い所が、垢抜け(あかぬけ)していてい魅力的だという価値観もあるのです(^-^)。

波打ち、うねりを解消するファスナーの取り付け方【28】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

バッグのファスナーというのは、玄関のようなもの。

整ってスッキリしている状態がやはりグッドです。

今回は、ファスナーがものすごく波打って出来上がってしまったバッグについて、リフォームのような作業をしながら、その波打ちを解消していきたいと思います。

そもそもファスナーが波打つ場合とそうでない場合の違いは?

どんな場合でも大きく波打つというわけではないです。

大きな1つの原因として、ファスナーに縫い付けられる生地があります。

ファスナー自体は大きくはそれほど伸び縮みするものでは本来ないと思います。

ただ、ファスナーに縫い付ける生地があまりにも伸びる生地だったり、洗濯によって生地が縮み、そのパワーでファスナーも一緒に動くという物理現象があったりします。

今回の私の例では、前者の、生地がよく伸びる生地であることが原因となります。

ニットだから伸び、織物はそれほど伸びないというのが一般的な考え方ではあります。

今回は、しかしながら、ニットではなく織物なんですね。じゃあなぜ。。。

フクレジャガード素材で作ったミニボックス型ショルダーバッグ:ポリエステル/100%
・・・メインファスナーが特に大きく波打ってしまっています。
驚くほどファスナーがうねっている口布:これは気持ちの良い物ではありませんね。
ファスナーも開閉しにくそうです(*_*)。

織物ではあるのですが、フクレジャガードという名前が付いていて、ぷっくりと膨らんだ立体的に見せる加工がしてあります。

当然ながら、ぺったんこの平らな生地からつまんで、膨らませる分の余分な生地が膨らみになりますから、その余分なスペースが結局ゆとりであり、伸びるといった現象になって現れることになります。

なので、ある意味、目のしっかり詰まった固く編んであるニットよりも伸び率が大きいかもしれません。

このブログ記事のちょうど1つ前の【27】の記事では、同じミニボックス型ショルダーバッグが完成した記録を掲載しました。

その時の紺系のマルチカラーの変わりボーダー柄はニット生地だったのですが、この問題が起こっていません。

ということで、フクレなどの加工物は織物であってもニット以上に伸びる生地のゆとりが多く、注意が必要だということです。

一筋縄ではいかなかった波打ち解消の作業

まず、とりあえず、ファスナーを取り外さねばなりません。

今回の場合お直しが可能な物理的状態にありました。

よって、ファスナーに縫い付けてある口布部分のみを糸を切って取り外します。

口布の部分の、ファスナーが縫い付けてある箇所のみ、リッパーで慎重にほつきます。

このデザインだからできることであり、また、このデザインだからこそ、波打ちが目立つとも言えます。

そして、ファスナーが綺麗に取り外せたら、伸び止めテープを貼るという対策をしました。

伸び止めテープは本当は黒の方が良かったですね。いや、たとえ黒であっても飛び出さないようにわずかな隙間に隠さねばなりません。

よって、9mm巾の伸び止めテープを縦に、半分にカットして、4.5mmにして使います。

伸び止めテープ9mm巾を半分に縦にカットして、4.5mm巾で使用します。
もともと細い幅のテープを使用した方が当然綺麗です。

これで、表から見えることがなく、中に隠せるかと思います。

そして、アイロンで、生地側に飛び出さないように気を付けて接着します。

伸び止めテープを口布の裏側に接着します。

そして、ミシンでファスナーに縫い付けます。

その出来上がりが、こちら。

伸び止めテープを1枚仕立てで貼った状態:残念なことに、それほど貼っていない状態と変わっていませんでした。

あれれ?。

あまり変わり映えがしませんね。とんだオチでした。

結果的に、伸び止めテープを1枚仕立てで通常のようなやり方では、通用しなかったのです。

分かりやすく、ビフォーアフターで比べてみますね。

左:伸び止めテープを全く貼っていない状態 右:伸び止めテープを1枚仕立てで貼った状態
・・・それほど変化がなく、波打ちが解消されているとはとても言いがたい状態ですね。

ということで、いったんエラーということになります。

そこで、次の対策として、伸び止めテープを重ねて貼ることにしました。ただ、2枚だとあまり変化がなく、またやり直しになるかもしれない手間もあり、思い切って3枚重ねです。

その結果がこちらです。

伸び止めテープを3枚仕立てで貼った状態・・・・かなりすっきりしましたね。波打ちがかなり解消されています。

分かりやすく1枚仕立ての状態と並べますね。

左:伸び止めテープを1枚仕立てで貼った状態 右:伸び止めテープを3枚仕立てで貼った状態

だいぶ、良い状態に進んだようです。最初と比べれば、劇的ですね。

上:伸び止めテープを全く貼っていない状態 下:伸び止めテープを3枚仕立てで貼った状態

次は、段階ごとの移り変わりも見てみましょう。

とりあえず、解消はできたということです。

ただ、完璧に波打ちがなくなったとは決して言えません。あくまで解消の領域内であり、完全に成功ということではないのです。

これが厳しい現実です。

完璧に波打ち/うねりは無くせるのかどうか

ところで、完璧に波打やうねりは皆無にできるのでしょうか。

これは、おそらく、不可能だと私は結論付けました。

ただ、劇的に解消はできるという検証結果がこのたびのリフォームで出ました。

ニットの生地とか、伸びるような生地を使う宿命として、この現象はどうしても起きてしまう仕方がないことです。

が、今回これほど劇的に解消できたのは、良かったことです。

あとがき

今一度最後の方の検証結果の所を振り返りますが、今回のうねりの解消で、完全には「うねり」現象は、完全にはぬぐい切れないものだということを結論付けました。

それなのに、このバッグを作って行くの?ということになります。

ということで、最終的な結論は、「こういった完全が実現できないようなデザインは作るべきではない」というものです。

私は大切なことを忘れていました。

一度考えたので作り続けていかなければいけないのだという固定観念。

これは間違いで、自分が腑に落ちない状態にしか出来上がらないものを製作するのかというそもそもの最初の時点の判断を、「製作しない」というジャッジにするということもできるのです。

まあ、そこまでということであれば、少なくとも、今回のフクレジャガードはファスナーと組み合わせるべきではなかった、ファスナー仕様の無いバッグのデザインに製作するべきであったと言えます。

これこそがこのたびの最も重要なポイントです。

どんなお品でも綺麗に出来上がることができないものはそもそも作らない、ということで、「切り捨て」の大切さがあります。

切り捨てるなんて冷たいようですが、悪いお品を商業利用することこそが一番冷たいことなのです。

ニット生地をそのまま織物生地と同様にバッグに製作して何か問題があったかどうか【27】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびは、ニット素材でピンと来た生地に出会い、バッグに製作していきました。

特にニットになったからと言って、糸を変えるわけでもなく、いつもの布帛(織物)と同じように製作していきました。

今回は、そんなニット生地でバッグが製作可能なのかどうか、何か特別なことをする必要があったのかなどをポイントとしてご紹介したいと思います。

マルチカラーが美しいニットジャガード生地

イメージとは裏腹に、ニットは、意外と作りやすい生地もあるようです。

見た目の雰囲気がぐんと柔らかい印象になります。

織物だけに留まらないことで、また1つ展開が広がります。

表地(ブルー系マルチカラー):ニットジャガード、ポリエステル/60%、綿/30%、アクリル/10%、日本製。

ニットは、両端の耳の部分がくるりんとロールすることがよくあり、その部分は扱いが難しいです。

このロールした隅っこの部分は最初から裁断を避けました。

どうしても使いたい時は、アイロンで伸ばしてから芯地を貼って固定することをすれば使えるようです。

裏地も同じようなテイストを保った方が統一感が美しいであろうかと、同じくニット生地で。

裏地(薄グレー):スポーツメッシュ、ナイロン/96%、ポリウレタン/4%、日本製。

とても面白い生地です。

ニットの良さは、作業の途中で布の端がぼろぼろほつれてこないことです。

ゴミが出にくいといいますか、素材がきちんと固まって安定しているといった感じです。

バッグにピンタックつまみステッチを入れることの効果

このたびの製作過程におけるポイントの1つとして、ピンタックつまみをしてボックス型をシャープにはっきりと表現したという点があります。

これは、元の素材にかかわらず、良しあしが自身の作業にかかわってきます。

が、決して難しいものではありません。

ピンタックつまみのやり方:底のマチ厚くってある状態の最終で行います(左)。
ものさしで幅を均一に測りながらアイロンでマチと同幅に折り目を付けます(右)。

折り目を付けたら、その折り目の端から2mm程度をミシンでステッチします。

この作業をサイド4か所と底部分前後で、合計6か所行います。

そうすると、かっちりとしたスクエアなラインができました。まるで紙袋のようです(^-^)。

ピンタックつまみにより出来上がったスクエアなボックスライン:かなり美しいものになります。

整っていて素敵なボックスラインができあがりました。

一方裏地も同様ですが、裏地で視界には入りにくくとも、同じようにピンタックつまみをしてサイズを合わせます。

ピンタックをしないとサイズが4箇所分の口の1周の長さが2mmx4=8mmずれるので、しわが寄ったりして綺麗にできないです。

ピンタックが飛び出る向きが裏地の場合見えない部分に飛び出し、バッグを覗いた時はへこんだ部分が視界に入ってくるということになります。

裏地にもピンタックつまみステッチをほどこします。
この向きで行うので、ピンタックのステッチは裏側にミシンをかけることになります。

こうして、凹凸がうまくピンタックの箇所で表地と裏地とで合体してバッグを安定へと導きます。

完成品を見て厳しく自分で評価した記録

では、完成したということで、10枚の写真をご覧くださいませ。

<サイズ>:縦19cmx横30cmxマチ60cm。
<ショルダーのサイズ>:幅1.2cmx長さ63/123cm。

糸はテトロン糸を使用しましたが、スパン糸でも問題ないと思いますし、ニットであることの違和感は感じない生地でした。

生地によっては影響ある場合もありますし、接着芯をニットでなじませて、表地も裏地もニット素材で合わせたこともスムーズに縫える工夫かもしれません。

それで、全体を通して思った私自身の辛口な感想です。

バッグが小さくて柄が生き生きと出ないので、大きなバッグを作ってみることで最初に見た生地の迫力とか感動をもっと削がれずに感じてもらえるかもしれないと。

あとは、口布ファスナーがカジュアル過ぎます。

ここ辺りで、この口布のファスナーの仕様を卒業だと感じた瞬間がありました。

結構見た目がエレガントな生地に対して、ファスナーの仕様がやや粗い感じが否めませんでした。

ピンタックに関してはその効果が出ていて今後も別のバッグにも取り入れていく程腑に落ちました。

あとがき

やはり、このデザインは平凡です。そして、粗い入り口の作りです。

きちんと縫っても、そもそもデザインがまずいと感じています。

しっかりと縫っても、ファスナーの両端付近の空きが気になり、カジュアル過ぎて、機能としてもめいっぱい口が開かないという欠点が見られます。

そろそろ、この入り口の仕様に限界を感じています。

自分使いを越えた商業利用には到底ありふれたものの領域を超えることが無いと厳しく判断。

まだまだ長い道のりです(^_^;)。

ジャガード生地特有の表裏両面使いは効果的なのか何かデメリットはあったのか【26】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

薔薇の花柄がもともと私自身が好みであることの延長で薔薇柄ジャガード生地を多く採用してまいりました。

最近は、デイジーの花柄にも目を向け始めました。

薔薇の花柄のエレガントさ比べ、デイジーはかわいらしさや親しみやすさがあるみたい。

今回は、この新しく目を向けたデイジー柄でバニティーショルダーバッグを製作しました。

ジャガード生地の表面と裏面を1つのバッグで使い分ける材料のフル使い

ジャガードと呼ばれる生地は、基本表面と裏面が同じ柄となります。

ただ、面白いのが、全く同じではない点です。色違いで表面と裏面の2種が使えるという2倍の喜びを得ることがあります。

今回が、まさにこれ。表面と裏面が結構違う色で出ている点がユニークです。

じっくり見ても不思議なもので、表側の色のそのまま反対側がこの色?という意外性があります。

例えば、表面では一番濃いモカみたいな色の裏は、薄グレー色です。

この場合薄い、と濃いが表裏で真逆になっているようです。面白いですね。

<表地/裏地共通>:ジャガード、ポリエステル/70%、レーヨン/30%、イタリア製。

ぎっしりと咲き誇ったデイジーの花。

表面の赤xブロンズx薄グレーが本来の表面、下のサーモンピンク中心にモカなどの色が混じった色目の方が本来の裏面になります。

裏面は何となくセピア色の風景と言った感じですね。

極端な話、どちらが表として使っても様(さま)になるというのがジャガードのメリットです。

生地の厚みは中肉でやわらかめです。

生地の選定においての注意点

私自身が気を付けていることとして、バニティー型は、素材を中肉以下にしなければならないという必須事項です。

なぜなら、重なる部分が分厚くなる部分がミシンが通らなければならないからです。

バニティー型で生地が一番重なる箇所:この指の右側の縦のラインが一上から下まで、かなり分厚くなります

ここは、さらにファスナーの縫い代隠しを兼ねて正方形のネックというパーツをここに縫い付けることになります。

ネックパーツを縫い付けている場面:このネックもいろいろなパーツが重なり厚みがさらに増します。
ずっと右に移動した裾の先端は、さらに各々のパーツの縫い代分も重なりますので、余計に分厚いです。

そうしますと、最初からの生地の選定をこのような場面になった時に、ミシンの針が通ることが可能かどうかということを想定できていなければならないのです。

ましてや、同じ生地を表地にも裏地にも使用していく今回はさらに特別で、中肉ながらぎりぎりの厚みです。

バニティ型は薄すぎると、へにゃっとして弱々しくなるとあまり高級な感じになりませんから、生地のある程度の厚みはポイントですので、薄すぎてもいけないのです。

ジャガード生地の裏面を裏地で使用という案のメリットとデメリット

さて、裏地に表生地を使ってしまうというジャガードの場合に有効な案だと思った今回の製作ですが、実はデメリットがあったことを知りました。

ポケットの付け場所は、バニティーは少ないです。

とにかく後側は重なる部分なので、ポケットを最初に付けておくことは物理的に不可能です。

そうするとおのずと、正面の外か中に取り付けることになるのですが、正面の外というのは、柄が一番素敵に見える場所なので、そのままさら地にしておきたいものです。

そうすると外にポケットは付けられない、ということになって、必然的に、中側の前だけになります。

サイドの部分はバッグの形が楕円型となるから、面積が狭い部分にあたります。ですから、物がたっぷり入るような機能的なポケットにはなりません。

ということで、二重ポケットを前面に取り付け、とりあえずポケットの充実ということに至った案だったのですが、この結果このように少し表にひびいています。

ファスナーの下の辺りに裏に付いているポケットの姿がぽっこりと浮いているのが分かります。

この原因は、重なった部分が厚みがありすぎるということです。

表生地と同生地の厚みで裏地も使用する場合、こういうことになる部分があるかもしれないので注意せねばなりません。

ポケットを複数付けたいということに注視し過ぎた結果でもありますね。

ポケットの袋も表生地で行いましたので、せめて袋だけでもを薄めの違う素材を使用するべきだったかもしれません。

一般的には、裏地は表地よりもかなり薄手になっている理由の1つがこういったことになって実感した次第です。

ということで、ジャガードの両面を使用することのデメリットとして、裏地ならではの薄さが効果的である部分が分厚くなってしまうというものでした。

完成品の閲覧会

では、10枚の写真をどうぞ。

<サイズ>:縦17cmx横27cmxマチ12cm。
<ショルダーのサイズ>:幅1.2cmx長さ67/120cm。・・・一番短くて67cmなので、
ハンドバッグのようにご利用いただくこともできるかと思います。

あとがき

もう一度この写真をご覧いただきたいと思います。

このお品、そこそこ綺麗にはできたのですが、最終的にはボツになりました。

上述のポケットのアタリもそうですが、取っ手の部分を見ていただきたいのです。

取っ手の取り付けがしっかりしたものではないと感じますね。

ふんわりとてっぺんが浮いてしまいました。

ここを後に工夫していきます。いまのままでは、てっぺんが使っていくうちに変形しやすいものになってしまいます。

カーブは円の一部を使うのが一番美しいと気づき始めたバッグ製作【25】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

1980年代から流行を問わず、ずっと好きなデザインのバッグがあります。

ず思わずじっくり見てしまう緩やかなカーブがとてもエレガント↓。

ウンガロ様のミニ型押し本革バッグ・・・オレンジ茶が素敵です。

口が大きく開くために、とても中が見やすい点もこのデザインならでは。

こうして長い間このデザインのファンであった自分が今度は実際に布を材料として、こんなタイプのバッグ作ってみようと挑んだこのたびです。

結構難易度は高いようです。ファスナーがカーブを描きながら縫い付けるという点が難関でしょう。

伸び止めテープ(平)を隠しポケットのファスナーに貼る

ここ最近、ファスナーのうねりの解消目的で伸び止めテープを貼っています。

この時のファスナーというのは、隠しポケットのファスナーのことです。

メインファスナーのことではありません。

伸び止めテープ:ストレートタイプ(隠しポケットのファスナー用)・・・うねりのないようにまっすぐなラインに固定する目的で使います。
隠しポケットの袋の部分をファスナーにミシンで縫い付ける直前:ややこしいのですが、生地の裏面を表として特別に使いました。理由は、ポケットの袋布パーツを裏地ではなく表地でふんわりと作ろうということで、手を入れた時に指に引っ掛かりやすそうな表面をあえて避け、つるりとした裏面が手に触れるようにしたというのが理由。
上側:伸び止めテープをアイロンで貼った状態 下側:この後同じようにここにはみ出ないように気を付けて貼ります
伸び止めテープを使った場合の隠しポケットの見栄え:貼らないよりもはるかにスッキリとまっすぐな線です。
左:伸び止めテープを貼っていない状態 右:伸び止めテープを貼った状態
カーブの形が綺麗ではありませんし、カーブしたのラインがうねっています。
ここは一番の難関。
伸び止めテープは見えてしまうので貼れていませんが、ハイブランドバッグを以前に見る機会があり、
ここに当て芯のような厚紙が縫い付けてありました。
美しい大花柄ですね。
ファスナーのつまみは本革。
ファスナーを2本使用しましたが、ダブルファスナー1本のみが断然綺麗だと気づきました。
<裏地:グレー>:ジャカード、ポリエステル/100%、日本製。
そこが狭いです。もっとマチを広くとるべきでした。

あとがき

今一度最初のウンガロ様のバッグのカーブのラインを見てみます。

入り口のカーブが円に近いです。この緩やかさが、作りやすさ、美しさにつながるようです。
私の今回のデザインだとカーブが細かくて、きつすぎて綺麗に縫えないのです。
縫いやすいデザインということも、一見製造者の都合のように感じますが、
立派な美しく仕上げる対策であるということで良いと思いました。

もうこのデザインはとりあえず、一度ここでこれっきりということになりました。

せっかくの可愛い生地にデザインが追い付かないレベル。

ここで勉強をして、いつかこのタイプのデザインをうまく作りたいと思っています。

とにかく2次元的なミシンでは難しいですが、不可能ではないです。

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こんなに美しい形状記憶生地をフランス製で発見、メッセンジャーバッグが出来上がるまで【24】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

メッセンジャーバッグと聞きますとカジュアルな帆布などで作られたバッグをイメージされますね。

そのイメージとのギャップを楽しんでもらうようなエレガントな柄に出会いました。

果たして、エレガントな柄がカジュアルなイメージのメッセンジャータイプのデザインにどのくらい影響するのか。。。

そんな見方をしてみて下さいませ。

以前に製作した同型で、その同型というのがブログでは【13】が該当です。

【13】の投稿の時にご紹介のメッセンジャー型のショルダーの幅:2.5cmというカジュアルな巾でしたが、
今回は、その半分以下の1.2cm程に細高し、華奢にすることでエレガントさを出してみます。
強度はしっかりと作ります。

【13】の投稿では、ぷっくり膨らんだ凹凸感があるイタリア製のフクレジャガード生地でしたが、今回は凹凸感は特にありません。

仕様に1点変更した箇所がございまして、ショルダーの幅を華奢な1.2cmほどに狭めました。

前のフクレジャガードの時は、2.5cmもありましたので、ややごつめでカジュアル。この違いも今回の見どころになります。

使用生地の形状記憶生地の効果など

今回は、表生地が淡い色目、裏地が濃いめのはっきりとした色目というギャップが面白い組み合わせにしています。

左:表地(ブルー):タフタプリント、ポリエステル/100%、フランス製。 
右:裏地(濃紺):トリアセシルキーニットプリント、トリアセテート/75%、ポリエステ/25%、日本製。

表は、タフタプリントという名前の生地です。つるりとした素材で、大花が美しくぼんやりと咲いている柄が美しいです。

形状記憶素材なので、形キープに優れ、ブラウスなどに利用されるところをあえてバッグに使います。

形状記憶素材は、以前にモノクロのツイードバッグ製作経験がありましたが、アイロンの線が付きやすく、とても作りやすいです。

一方裏地なのですが、はっきりとした濃いめのべース色。黒に見えますが、なんと濃紺です。

トリコットのような感じの編み方でトリアセシルキーニットプリントという名前。

表地との組み合わせは意外かと思われるかもしれませんが、花の形の相性が良さそうでした。

コントラストの効いた濃ピンクのフラワーの色も映えて美しいですね。

裏地は、開けたときのその広がりの美しさが楽しみになりますので、1つ付加価値になります。

裏地だからと質の悪い生地を選ぶという考え方はしていません。裏地は、むしろ内側の世界観を作る重要な素材ではないでしょうか。

スポット・ザ・製作:口布部分

今回のスポットは、製作過程の部分の中で、口布(くちぬの)というバッグの入り口の部分のパーツです。

(1)まずは、2枚の同じ口布パーツを縫い代1.5cmを付け、中側にキャラメルのように包みこみます。

こういった直線パーツに関しては、そのままの向きで縫い代を中に折り込む作り方をよく採用しています。

左:薄芯+ハード薄芯を貼った左右用の2枚のパーツを1.5cm縫い代で4包み込み、
真ん中で折って2重仕立てにして、コの字型にミシンをかけます。
コの字型にミシンをかけた口布パーツ:上の何もミシンをかけていない箇所はこの後でファスナー上にミシンで縫い付ける際にステッチがかかります。

(2)ファスナータブをファスナーに取り付けます。

ファスナータブの作り方:縦10cmx横7.5cmの縦長長方形の型紙の裏に接着芯を貼り、①-④の手順でくるみ、ミシンで縫い留めます。ファスナーの務歯部分の真ん中は数回返し縫いで頑丈にします。

今までは、タブ布はもっと華奢でしたが、華奢だとぎりぎり過ぎて、ずれやすく、縫い目が落ちやすいので安定して縫い付けられるよう大きくしました。

そして、ファスナーをカットしたりして、長さが決まったら、ファスナーの最後尾にもタブを付けます。

(3)ファスナーに口布を縫い付けます。

二重線にするので、片サイドで2回ずつです。

口布完成:左が表、右が裏です。

(4)裏地へファスナー付き口布の両端を縫い付けます。

今回は、裏地と表地を合わせる時に同時に縫うやり方で行いましたが、一番最後の表地と裏地が一緒になった後で一番最後に縫い付けることもあります。

では、ここで口布の製作過程を終わります。

ミニメッセンジャーバッグの仕上がり

写真を10枚ご覧くださいませ。

<サイズ>:縦17cmx横19cmxマチ6cm。

長財布がゆったりと入り、ポケットには、スマホが横向きにゆったりと入ります。

形状記憶素材ならではのしっかり感が見られます。

改善点:フラップの根本部分は、外側に出ていた方が美しい

前回の時には、フラップは外側に縫い付けていたのに、今回は挟み込みの縫い付け方をしてみました。

結果は、フラップは外側に縫い付けた前回の方が、大きく包み込むような様相になり、ゆったりと出来上がったようでした。

変えなくてよかったですね(^_^;)。

あとがき

今回のフランス製の形状記憶生地もこれがまた高級です。

せっかく高級生地なので、柄ができるだけめいっぱい出るように製作できるとコスパが良いですね。

それを考えると、このフラップ付きのデザイン、柄がフラップで隠れることがデメリットだと分かります。

結局、布で作るものは、巾着タイプのドレープがかる感じが美しかったりするのかも。。

まだまだ製作は続いていきます。。。

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生地の表裏は自分で決める、ファンシーツイード生地の控えめな裏面を使った製作例【23】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ツイード素材は不動の人気の様子です。

秋冬なイメージがあるかもしれませんが、よく混率を見ると毛やアクリルが入っているものばかりでもなく、季節感のないオールシーズンOKな生地もあるようです。

ツイードの良い所は、柄のようで、無地のような程好い華やかさがある点。

さて、今回は、このツイードがマルチカラーになっているファンシーツイードで、「1泊旅行用の、大きすぎもせず小さすぎもしないバッグ」というご依頼を製作した記録です。

今回使用の表地と裏地

本来の表地はこちらですが。。。今回は、裏面を使用しましたのでその様相が少し違った味わいです↓
裏面使いの表地(チャコールグレー地にパステル系のマルチカラー):ファンシー、ポリエステル/35%、ビスコース/31%、アクリル/16%、綿/9%、ナイロン/9%、イタリア製。

混率がポリエステル/35%、ビスコース/31%、アクリル/16%、綿/9%、ナイロン/9%とやや込み入っていますが、わずかな割合のナイロンなんかも、地のチャコールグレーの部分にちゃんと感じられ、いい感じの張りが出ているようです。

チャコールグレーと目には映りますが、実際の糸は黒なのかもしれないです。

地の素材のツヤなどから、薄めに映るので、ぱっと見たときに真っ黒でなく濃い目のグレー。

ワントーン黒より落ちているので、雰囲気がやわらかいです。この混率の中には毛は入っていないので、ツイードといっても季節感は感じません。

次は裏地です。

裏地(チャコールグレー):アムンゼン、ポリエステル/100%、日本製・・・肉厚です。石のようにブツブツの柄が出ていて高級感のある素材がアムンゼンの特徴です。黒ではなく、チャコールグレー色であるところが今回の組み合わせに相応しいと判断。

今まで私がよく使ってきた生地アムンゼンです。このチャコールグレー色は、まっ黒より優し気であることで組み合わせがしやすく、よく裏地に使ってきました。

もともと多く調達してあった反物です。

隠しポケットに盛り込んだ独自の工夫とは

まず、私ならではの作りの、隠しポケットの製作手順をご紹介します。

①ポケットの入り口になる、ボックス型の穴を作ります。

薄芯を貼ったラッピング布を中表に置いて、
本体の裏側にハード薄芯に線を引いたボックス型にステッチを1周かけ、
真ん中をY字にハサミでカットします。
・・・よくある玉縁の手法です。このやり方はこれしかないと思います。

ラッピング布を中表に当てる点がポイントです。

そうして、ラッピング布を表側から先ほどのハサミカットの切り口をくるみこむように表側からくるっと裏側へひっくり返します。

その場面はこんな感じです↓。

ラッピング布を中側へひっくり返している場面です。

そうして、アイロンできっちりと折り込んで余分すぎる端をカットして整え、ミシンステッチでボックス1周を固定した状態がこちら↓。

郵便ポストみたいになりました。ここで第一段階は終わります。

ここで記載してはいないのですが、この後に、切り込んだYの字によってできた三角の部分を裏から、ハード薄芯ごと固定するステッチをかけると固定の機能ができます。

この見えない部分の固定は、力がかかるファスナー部分にとって後々、長持ちの丈夫さの秘訣になるかと思います。

②ファスナーにポケットの袋を取り付けます。この段階でpicturesque流の工夫をしている箇所が出てきます。

巾の狭い方の延長布(左)と、幅の広い方の袋(右)をファスナーの裏側が表のような向きで三つ折りステッチした後残り2本のステッチで取り付けます。(結果3本ステッチが美しくなる)

この写真の左側の数センチの短めのパーツを私は、延長布と呼んでいます。

なぜ、この延長布をわざわざ1パーツとして作っているかです。

それは、ラッピング布=袋が1つで2つ兼ねられると思うわけですが、この上の写真のようにファスナーの隅っこが隠れることはありません。

ポケットをのぞき見た時に、入り口付近が視界にはいります。そして、手を入れたときの感触がファスナーの端のピラピラしたところに当たります。

場合によっては不快感を得てしまうかもしれませんし、見た目もすっきりとはしていませんでした。

ということで、持っていた某ハイブランドのナイロントートバッグの作りを見てみました。

すると、ポケットの入り口から中をのぞいても、ファスナーの裏側や端っこなどは見えませんでした。

これぞ、一流の始末だと思いました。

どうしたら、このブランドのように作れるのかを研究しまして(あくまでも参考で自分の中に落とし込んでいます)、結果このように延長布を使うということにしました。

ハギ目ができることが否めませんが、このハギ目を底に合わせていくこともできます。

私の場合は、底にハギ目を持って行かず、ポケット入り口の手前の目立たない深さに当てたことには理由があります。

③ファスナーと袋が一体化したこの状態を本体に取り付けます。

左:初めてここでファスナーの表が本当に表を向きます、右:このようにファスナーをのぞかせて、ボックス状にステッチをかけて本体と合体です。

次は裏側でポケットの袋を縦横とも閉じる作業をして完成します。

左:1.5cmの部分に印をつけ、地縫いを2度します 右:地縫い後アイロンで割ります
左右とも端から1.5cmに印を付け、二度縫いします。これでポケットの袋が丈夫ク完全に閉じられ、完成です。

これで完成となります。

左:完成した隠しポケットの裏側・・・もう、これを最後にここを見ることはないです。閉じられてバッグの内側に入ってしまう部分ですので、貴重な写真です。写真には写しきれなかった裏面にはハギ目があります。
右:完成した隠しポケットの表側・・・ファスナーを開けると中に袋が広がり、ポケットの機能になっています。

では完成した隠しポケットを外から覗きます。

隠しポケットを覗いた様子:通常は奥の壁がまずは目に入りますので、手前の視覚に入りにくい所の位置に、
延長布を袋とつないだハギ目を持ってくるように作りました。

現在の私のやり方では、延長布は出来上がるとこのような位置にハギ目が来るのです。

上述のように、このハギ目をポケットの底部分にすることも理論的です。

型紙の調整によって延長布が「手前袋布」というような名前に変わるかもしれません(^_^;)。

ただ、気を付けねばならないのは、袋の2枚は全くの半分ずつの面積ではないということから、微妙に違う面積のそっくりな2つのパーツができてしまい、紛らわしく、どっちがどっちだか分かりにくいです。

間違えやすいとも言えまして、目につくような位置につなぎ目がかえってできてしまう失敗作になるかもしれません。

完成したバッグ閲覧会

では、完成した1泊トートバッグです。

<サイズ>:縦25cmx横34/40cmxマチ13cm。

裏面生地を使用したバッグが完成です。柄の出方が控え目でシックです。

無地のようで柄のようなツイード生地はとても魅力的ですね(^-^)。

あとがき

今回のバッグは、オーダーメイド品でした。

まだ残りの生地がございますので、次回は、本来の表地を表面として使用していこうと思っています。

文章のこの部分を後から更新しておりまして、その後の3年後くらいのずっと先の番号の、【1052】で、「インテリア収納袋:中」という巾着袋を製作したということで、この生地の使用を終えました。

よろしければ、【1052】の記事にもお立ち寄りどうぞ(^-^)。

このファンシーという生地は、もう二度と同じ生地を生地屋さんで目にすることがありませんでした。

生地は本当に幻とでもいうようなその場限りの反が多く、ピンと来た時に保管しておくことも決して意味のないことではないです。

1年ごとの上書きのような製造の仕方みたいで、その年には姿があったけれど翌年にはみられないという何とも儚い材料です。

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ファスナー付きの頭の部分と本体を合体させる時のステッチがうまくいかないハンドメイドリュック【22】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ最近は、リュックも作り始めています。

【17】の製作では、華やかなマルチカラーの薔薇柄を素材に使用しました。

このたびは、その逆で渋めのブロンズ茶と黒のコンビの素材でお作りしました。

高級なイタリア製生地です。

渋めの色でもラメ入りの華やかさがイタリア製らしい

黒と茶というと、フェンディ様を思い浮かべます。

こんな風に思い浮かべることこそが、ブランディングカラーになっていることだと言えますね。

FENDI様のズッカ柄やぺカン柄は決まって、黒x茶のツートンカラーでとても渋いものです。

黒と茶という重く暗い色同士をコンビで使うということはある意味「強さ」を表しているという見方もできます。

このラメと豪華なバラ柄のジャガードの影響で、ダークカラーが華やかになっているこというこのセンス♪。

<表地:黒xブロンズ茶>:ジャカードプリント、ビスコース/70%、ナイロン/20%、ポリエステル/10%、イタリア製。

商品の詳細

<サイズ>:縦23cmx横27cmxマチ6cm。・・・取っ手の幅は2cm。ショルダーの幅は1.3cmくらい。
<裏地:黒>スポーツメッシュ、。ナイロン94%、ポリウレタン/6%、日本製。・・・とってもユニークな生地です。穴が開いている構造で、さらりとしています。

このデザインを今後も継続していくのかどうかについて

コンパクトなサイズで背負い心地はグッドです。

このサイズ感とか、縦横の比率などもグッドで今後に活かしていければと思います。

ただ、問題はデザイン。

このデザインは、頭の部分であるファスナーが付いた半月型と本体であるマチ付きの容器を合体させる作りで、その合体部分が難関です。

ファスナーにも当たってしまいますし、ブラインドされた見にくい部分を重ねることで、なかなかぴったり正しい位置に合うかというとそうはいきません。

しばらくこのデザインでもう少し製作していくかもしれませんが、このデザインの継続がすでに永久ではないことをここで感じています。

この微妙な気持ちがとても大切。

やはり作りにくいものは良いお品にはならないと思います。

あとがき

今回のようなこの茶x黒のミニリュックのコーデを考えてみました。

この場合、地味な色合いですが、柄がゴージャスで、十分にアクセントになっているリュックだと思います。

黒1色コーデにもこのリュックが映えますし、茶色の無地のワンピースなどにも合ってくるかと思います。

ワンピースにリュックを合わせてしまえるのもこのエレガント柄ならではです(^-^)。

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