黒と茶のボーダーパッチワークバッグ3点、車のシートベルトのツヤと整然さを活かしベクトルは瀟洒な方向へ【127】

アイキャッチ画像127

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

日常的な素材のシートベルト、車通勤の方の場合、毎日触れている素材であることも。。

まさにこのシートベルトそのものを素材として、このたびバッグを3点同時製作しました。

当然ながら幅はせいぜい5cm程度、こちらをボーダー状にパッチワークに繋げてシートにするという作業が入ります。

この製作で、様々な金属パーツの材料にお世話になったり、自ら共布で作ったパーツもあり、3点それぞれの特有な「機能」が見どころとなりました。

黒1点と茶2点のシートベルトバッグ製作、イメージに浮かびやすい面積の広い生地以外の材料の可能性をお届けできればと思います。

ごついイメージのシートベルト材、並べてパッチワークボーダーバッグ3点に仕立てたその姿はどれもエレガント

表地(左が黒右が茶):シートベルト、ナイロン/100%、日本製。「トーキョービニール」様にて購入。
3点のバッグの内訳:左(上)の黒は内1点をトートバッグで製作。右(下)の茶はリュックと書類バッグ。

シートベルトにも織り方の違いがあり、表情の違いがあることを知りました。

裏地(左から①トート②リュック③書類の順):①濃ピンク:ラメツインクルサテン、ポリエステル/60%、ナイロン/40%、日本製。②オレンジ:①と同じ生地の色違い。③茶:レザーエンボス、ポリエステル/100%、日本製。
パッチワークシート作り(裁断):幅は違いますが、5cm巾の型紙を作りまして、長さ通り正確にカットします。
黒のパッチワークステッチ:通常の布よりもある意味簡単、接着芯も無し、片方の端のみを縫っていくだけ。
茶色のパッチワークステッチ:黒の方は印付けをしましたが、茶のこちらは織り線を引用し印無しでステッチ。
黒の方のパッチワークシートの完成:ツヤが集結することで非常にエレガントに。右下は裏面の姿。

こうして見てみますと、1ステッチのみでつながったベルト同士は、少し頼りないという印象を始終感じてしまいました。

マチのカット:①トートと②リュックは本体をくり抜いてマチを作るやり方なので左右をこのようにカット。

決して絡み合った織り目構造ではないことが窺え、凝縮している姿こそが強度、亀裂などが入ってしまうと脆いのではないかという奥に隠れた事情を感じることができました。

①の取っ手の縫い付け:表地と裏地の間にベルトそのままを平たいまま挟み込みします。
③の立体型ポケット(マジックテープ式):初の試みでありまして、取り外し式の「ポーチポケット」です。
「ポーチポケット」の設置:底に接触するような位置にマジックテープで設置。重くなっても底に支えられ安定。
入口の留め具のデザイン:①②③すべての入り口留め具の比較をしていただけます。
取っ手の持ちやすさのための部分折り:よく既製品で見られるスタイルです。①②③すべて共通です。
金属パーツ:③のDカンタブ(左)。②のショルダーのベルト調節機能(下)・ひも通し用片面ハトメ(右上)。

「片面ハトメ」の横の裏地のオレンジパーツは「共布ストッパー」です。

美しいフクレ織り:生地名には「フクレ」というワードは使われていませんが、この加工の仲間だと思います。

この美しい立体的なキルトのような加工は、ポケットによりハリコシを出して美しいものにしてくれました。

ということは。。ハンドメイドキルトをかけることで、よりスタイリッシュに仕上がると見込めるのです。

完成の3点(横にオープン):③のみ姿は変わりませんが残り①②は形状が変わります。
完成の3点(クローズ):「どこんじょパッチワーク」と名付け、その緻密な手間の意気込みをネーミングに表現。
①トートバッグ(黒シートベルトパッチワークボーダー):<サイズ>縦29cmx横33cmxマチ18cm。
②リュック(茶シートベルトパッチワークボーダー):<サイズ>縦34cmx横33cmxマチ18cm。
③書類バッグ(茶シートベルトパッチワークボーダー):<サイズ>縦33cmx横41cmxマチ7cm。

あとがき

さて、この3点大変美しく完成することができたように感じますが。。

実はコスパは非常に悪いものでした。

もともとここまでシートベルトをたくさん使った企画というのが、「困った状態」であったことでした。

ですから、原価云々よりもせっかくの材料を惜しみなく使うという点だけに焦点を当てた選択をしたのでした。

今後のアパレル業では、こうした原価に伴う利益の拘りを捨てることも一部必要なのかもしれません。

そうなると儲け主義だけではとても成り立たない、本当に心からここに携わりたい人だけがやがて残っていくと考えます。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

美しい和柄のバッグ4点、デザイン違いのポケットに附属品を付けない取り出しやすさと安全性のバランス【122】

アイキャッチ画像122

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグ製作をある1括りずつで同時進行の<○○シリーズ>として企画。

このたびは、<和柄シリーズ>で豪華ラインナップの4点同時完成です。

どうぞ、華やかな美しい和柄の表面のみならず、ポケットやフリルに込めた哲学的な意味にもご注目いただければと思います。

<和柄シリーズ>美しい和柄のバッグ4点、装飾には必ず奥にある目的をもった「機能」が隠れている奥深い製作へ

表地(左から順に):①和風エンボスプリント、綿/100%、日本製、黒xピンクマルチ。②広幅コットンプリント(ブロードと予想)、綿/100%、日本製、オレンジ系マルチ。③和柄プリント(ブッチャーかクラッシュと予想)、綿/100%、日本製、茶x赤マルチ。
裏地(左から順に):②ラメツインクルサテン、ポリエステル/60%、ナイロン/40%、日本製、イエローゴールド。③シャンタン、ポリエステル/100%、日本製、ベージュ。①エステルポプリン、ポリエステル/100%、日本製、黒。
両玉縁風ポケット:桜柄の裏地のポケットに引用。入り口の比翼が上下半分ずつのダブル仕立て。
片玉縁風ポケット(ラッピング布の始末):動画内での「向こう布」という呼び名は伝わりにくく取りやめました。
片玉縁風ポケット(比翼に貼る伸び止めテープ):細い方は入り口の下側、太い二列貼りはメインの比翼部分。
片玉縁風ポケット(袋の合体):「わ」のままでは物理的に困難なので上下2パーツに分かれます。
片玉縁風ポケット(袋を枠へ縫い付け):まずは、枠の下側からスタートします。完成の裏面は右上のようにな姿。
片玉縁風ポケットの完成:内側が「中表」のまま出来上がっているので、のぞいた時には内部が表なのです。

両玉縁風の方は、さらっとお伝えしただけでしたが、ほぼ同じ考え方で、枠に当てはめる時に2つの比翼を上下均等にのぞかせる設置をするという違いのみ。

片玉縁風ポケット:後にこのポケットは永続的に引用していくデザインとなっていきました。
両玉縁風ポケット:どうしても口の開きが解消されなかったことから、その後はこのデザインの引用を取り辞め。
貼り付けポケット(カーブタイプ):フラップ・袋共に「中表」をひっくり返しでカーブラインが美しく出ます。

生地に枠を作る際にキルトの糸をカットすることにためらうようなケースには、貼り付けポケットの方が有効な場合があります。

隠すためのフリル作り:元は装飾目的ではありません。ファスナーサイドの重なりの汚さの解決方法の1つです。
ファスナーサイドのフリルの完成:何を隠しているのかということなど読み取られることはないのが残念。

どうでしょう、世のバッグのフリルがそのような目的を持つ意味で使われているのかどうか。。多くは見かけの装飾ではないでしょうか。

半月型バッグの方のショルダー:調節機能は無し、サイドに挟み込んで縫い付け固定しました。
ピンタックをしていないトートバッグ:こちらはあえてピンタックをせずに大柄の壮大さを活かします。
トートバッグ(桜柄:ピンタック無し)完成:<サイズ>縦27cmx横34/45cmxマチ15cm。
トートバッグ(菊柄:ピンタックあり)完成:<サイズ>縦27cmx横34cmxマチ15cm。
半月型ショルダーバッグ(菊柄):<サイズ>縦21cmx横23/33cmxマチ7cm。
半月型ショルダーバッグ(椿柄):<サイズ>縦21cmx横23/33cmxマチ7cm。
<和柄シリーズ>の4点:それぞれの和柄の素敵さがシンプルなデザインによって引き立ちました。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.05.10からおよそ5年後の2025.05.04にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

2025年ではこうした柄物はどれだけ高級生地であっても「裏地」に利用するスタンスです。

この5年で、それだけユーザー様目線を考慮するようになったのです(無地の方がお洋服に断然合わせやすく出番が多い)。

柄を表に演出の2020年のスタイルは製作者の自信の無さとエゴが交じり合っていたと振り返ります。

とはいえ、実際の使い勝手として本当にファスナーやマジックテープが必要なのかという安全性とのバランスを考慮したことや、フリルを装飾ではなく「隠す」という機能がきっかけで引用したことは良き歩みでした(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

柄が生き生きと表れるシンプルリュック、製作者の凝ったデザインを示したい我欲を捨てたことが功を奏した【120】

アイキャッチ画像120

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

バッグ製作をある1つの括りにまとめて<○○シリーズ>として続行中、このたびは、<ネイティブ柄シリーズ>です。

幾何柄調のネイティブ柄は、お洋服とのコーデの際にフローラルなどよりもむしろ解釈の幅が広く親しみやすい柄なのではないかと考えます。

一口にネイティブ柄と言っても様々、このたび3点の簡易リュックを同時完成し、それぞれのネイティブ柄の美しさをお伝えできればと思います。

そして、元の素材の生地の美しさを存分に見せるには、極めてシンプルなデザインへの落とし込みが良いのではないかということの検証も兼ねたいと思います。

<ネイティブ柄シリーズ>エコバッグの延長のようなリュックこそかえって美しいネイティブ柄生地を存分に引き立てる

表地:左から順に。ジャカード、綿/100%、日本製、紺。ネパールプリント、綿/100%、ネパール製、赤。ジャカード、綿/55%、ポリエステル/45%、日本製、紺xグリーンxオレンジマルチカラー。
裏地(上は組み合わせる表地):左から。生地名不明(おそらくバーズアイ)、ポリエステル/100%、日本製、紺。生地名不明(ニット)、ポリエステル/100%、日本製、黒。
表地の裁断:この柄は所謂ダマスク柄/小紋柄というような部類になるかと。ネイティブ柄というのは私の解釈。

この裁断の時に、ゆとりの分量があったこの生地はハギ目の柄が左右対称になるよう意識しました。

それだけ意識するだけでも出来上がりのサイド面や底面の段差が解消され、非常に美しく仕上がります。

この生地に対する評価:特に高額な生地ではなかったのですが非常に美しい優れたセンスを感じる生地。

こういった、所謂「掘り出し物」のような生地に出会うと、「高級生地」「ブランド生地」などという括りはかえって本当に優れた生地を逃すことであり、どの生地もフラットに見るべきであると思えてきます。

生地の特徴:正確な事はまだ不明ですが、この写真の上下が「耳」。しかし柄の向きはこちらが正しく、縦伸び。
生地ズーム:写真の下は確かに「耳」の始末がされているのですが、柄はこの横向きが正位置のようなのです。

草花(「唐花:からはな」という空想上の花柄らしいです)の映える天地の向きがこの向きなのです。

ということは、一般的な日本製の生地とは違う点であり、柄に合わせてあえて横向き裁断をする決断を検討する生地です。

さて、このたびお伝えしたいポイント箇所は、縫い込み式の「ショルダーのV字固定」の仕方3種の比較です。

3点共違うやり方をしましたので、比較結果が分かりやすく出ました。

ショルダーの固定方法①(正ダイヤ):ショルダーの先端をV字直角に重ね、正ダイヤ型にステッチ。
ショルダーの固定方法②(横長ボックス):横長の長方形の形で固定。この方法がかなり安定感を感じました。
ショルダーの固定方法③(縦線のみ):確かに返し縫いはしていますが、安定感は不足していると感じました。

表に響くようなステッチを見せたくない場合にこうしたひかえめなステッチを採用されてしまうことも多いかと思います。

しかし、この3種の①-③のステッチ方法の比較では、②の横長長方形ボックス型が一番しっかり固定されたと感じたのが実際のところ。

<ネイティブ柄シリーズ>のリュック3点:<サイズ>縦27cmx横22cmxマチ10cm。右のみ縦が少し短い。

生地不足により、一番右は縦がわずかに短くなりました。

リュック使用の姿:すっきりとした見た目ですが、やはり入り口の隙間は課題が残ります。

あとがき

「ネイティブ柄」とどれも呼びながら、随分柄の違った雰囲気の3点を集めた点も、当シリーズの工夫です。

同じデザインで同類の分野の柄なのに、バラエティー豊かにそれぞれが1点物になるという点は常に目指すべきところであり、個人のハンドメイド製作が量産品に最も差別化できる点だと考えます(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

「コロナ禍」初期に通用したマスク、余ったハンドメイドバッグ用生地の綿/100%デニムライクを活用の友人が卸先【118】

アイキャッチ画像118

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

まさかのマスク作り。

ハンドメイドでマスクを作っている方に対して、「器用だなあ、マメだなあ」と思っていたこれまで。

まさか自分が作ることになるとはこれっぽっちも思っていませんでした。

2020年初頭に、これまで経験したことが無い流行病「コロナ」が到来、私も含めてこれまでの花粉対策のマスクの数枚程度のストックに緊張感と不安が走りました。

そして、並行してティッシュやトイレットペーパーも、不安からの大量備蓄により入手困難になっていくのでした。

そのような一変した日常の中、友人からの声掛けで、マスク作りをすることになったのでした。

マスクの表面はデニムライクを追加購入し、内側(裏地)には、もう1つの天然素材の「麻」の柔らかいニットを共通でチョイス。

こうしたコンビでネット上のご提供いただいた型紙を利用させていただきながらマスク作りを始めたのでした。

コロナ禍の早い時期に製作に着手することで、4-6月の3か月間に渡ったデニムライクのマスク作りと友人への卸売り

表地(ネイビー):ジャカード、綿/100%、日本製。裏地(オフ):麻テレコニット、麻/100%、日本製。
マスクの型紙:ネット上から有難く無料ダウンロードで入手。マスク不測の初期モデルで長方形に近いフォルム。
裁断:鼻と顎の角度の違いから上下向きもあり、左右の向きもありますので、2枚を左右対称に裁断。
糸の色選び:表地のネイビーにはブルーグレーカラーを、裏地のオフにはオフを選択。バッグ作りのままの30番。
縫い合わせ:マスクの真ん中のハギ目の縫い代は1cm。表地・裏地それぞれで「中表」で縫い合わせ。
縫い合わせ:先ほどの縫い代1cmの印に沿ってステッチ。その後は縫い代を細かくカットしアイロンで両割り↓。
表地と裏地の合体:「中表」で上下の縫い代1cmでステッチして、ひっくり返します。
ひっくり返し後の作業:上下を端から2mmで固定ステッチ。左右1.5cmずつの三つ折りステッチでゴムホールに。
ゴム通し:ヘアピンや細かめのひも通しを使い、2-4mmの幅のゴムを通ししっかり結びます。ゴムは27cm程度。
「おしゃれマスク」完成:適当にマスクのネーミングを決めました。裁断時の幾何柄の左右対称が美しく配置。
情報の伝達:お品物を世に出す以上情報は不可欠。シールに素材の混率や日本製であることを記載しました。
量産品の梱包:個別に衛生的にビニールに入れたマスクを更にまとめて納品用の紙袋へ投入。持参型納品です。
卸売先への納品の瞬間:納品先は、過去の勤務先の同期の「VERACE:ベラーチェ」様。ありがとうございました。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.04.10からおよそ5年後の2025.04.30にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

当時、@¥800/点というお値段が何とか通ったのも、早期の着手があったからです。

今思えばほんの一瞬のマスク製作期間、いち早く行動に移す素早い提案してくれた友人はアンテナが鋭いと尊敬。

一方で、もっとチャリティー的な@¥400/点くらいのお値段であるべきであったとも振り返ります。

そして、6月くらいには、本格的に大手が量産品としてマスク製造に着手、「アベノマスク」も政府から配布していただきました。

私たちの出番はもう終わったと感じた6月の終盤。

駆け巡るような短い期間だったと今では思いますが、「流行」に似た動きを実体験できたことが貴重でした。

「もうここで潮時だ」と感じた6月末、その後も少し続けてしまったことでマスク用の生地在庫だけが残っていったのです。

「辞め時の見極め・早期撤退」というのは、ある意味前向きなジャッジなのです。

もう1つブログ記事で、その後にマスクを製作した記録が【167】です。

もうマスクは多くの方へ十分に行き渡ったと思われる時期の2020年7月でしたが、こちらは生地を送付していただいたオーダー品でしたので、背景が少し違います。

とはいえ、あれからはもうマスクを製作することが無く、溢れた量産品の中から購入しています。

「いざ」という時にハンドメイドのノウハウが役に立つということが非常に素晴らしい収穫でした(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

本革レザーで作られるフラップバッグを和風生地三つ折りタイプで製作、ヒネリ錠がワンポイントでスタイリッシュ【117】

アイキャッチ画像117

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.04.06からおよそ5年後の2025.04.29にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

当記事は、2020年に立てた目標の「フラップ付きのハンドバッグをショルダー付きで作る」というものの実践です。

所謂、ハイブランドのトリクルダウン型のようなタイプであり、あこがれから生まれた気持ちがありました。

まだまだハンドメイドバッグ製作の中では研究製作の1つであったと2025年から見るとそのように振り返ります。

ただ、2020年当時の精一杯の製作であったことは確かであり、完成までに至ったことで、記録に残したいと思いました。

立体感があるハンドバッグタイプは、「外表」で組み立てていくやり方をすると、思い描いたイメージを現実にしやすいです。

あまりのいろいろな作業に、思わずポケットを付け忘れるというハプニングもありましたが、フォローとしてポーチも作りましたそんなドタバタ劇を是非ご覧くださいませ。

三つ折り組み立てのヒネリ錠付きのフラップバッグをマチ付きで製作、側面のマチパーツは「外表」で縫い付けた

使用生地(表地・裏地共通):生地名不明(おそらくブロード)、綿/100%、日本製。パープル地の鶴の和柄です。
型紙作りのベースのサイズ感:三つ折りに組み立てるための縦の長さを縫い代込みで50cmに設定。
フラップの先端にカーブを付ける:雰囲気良く、ゆるやかなカーブを自作コンパスで円の一部を利用します。

よじれているタイプのビニールひもの先にシャープペンを結び付け、文鎮や机の脚に括りつけて固定、ビッグな円の一部を利用するのです。

描いた緩やかなカーブ:すみません。クリップの赤線が下手ですが、美しい緩やかなカーブが実際には描けました。
出来上がった先端のライン:縦向きにしましたが、このようなわずかな角度の緩やかさです。
ヒネリ錠の設置:本体に切り込みを入れて底へ設置するタイプ。ネジ式がスタイリッシュで美しいと思います。
ヒネリ錠の1セット分の設置完了:左上の「枠」の方はネジ式で本体側に、右下の「ヒネリパーツ」は蓋側に。
三つ折りのシミュレーション:このサイドの自然な空間にマチパーツを当てはめて合体していきます。
本体パーツと側面マチパーツの合体:「外表」で縫い合わせ。元々パーツは「中表」で縫い代を解決済。
ヒネリ錠の「ヒネリパーツ」の位置:何分初めてですので位置は予測で決めましたが、この位置はかなり重要。
フラップバッグ(鶴の和柄のパープル)完成:<サイズ>縦16cmx横27cmxマチ6cm。
フラップバッグの背面:歪みがあるとここに現れますので、難易度の高いデザインだと実感しました。

柄の向きをフラップに合わせると背面の柄が逆になってしまう、背面に柄を合わせると正面の柄が逆になってしまうというジレンマ。

無地を選択したり、向きの無い柄を選択しておくことは、余計な意識が必要ありません。

付け忘れたポケットのフォローのポーチ:マチ無しポーチを残布で製作。更にポーチ内にポケット付き。

実は、このポーチ内の「ぶら下がり式ポケット」こそ、1つ前の投稿の【116】で作ったものだったのでした。

バッグとポーチのサイズ感:ポーチの中にもポケットがあるので、お部屋を充実させるフォローとなりました。

あとがき

2025年の製作では、こうしたヒネリ錠が要となるバッグの製作は廃止、「縫い」の強靭さを信じる製作に特化しています。

ヒネリ錠は確かに見かけのかっこよさ・スタイリッシュさは、かつては憧れてきた存在でした。

類似品の「差し込み錠」も同じことで、いつ外れるかわからない曖昧さがぬぐい切れませんでした。

そして、その他の課題も複数あり、例えば、地面にしっかりと立たない底のラインの曖昧さも解決するべき点です。

バッグは下げて歩くだけではない、お出かけ先でしっとりとチェアーの上に安定的に置くシーンもあることを想定すべきなのです。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

経理部の外回り業務で使用した自作品からの機能が詰まる、現実をを商業品へ発展させたビジネスナイロンバッグ【115】

アイキャッチ画像115

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

かつて洋服の輸入業の会社員時代は経理部として勤務させていただきました<m(__)m>。

お仕事の1つに銀行様の外為書類手続きのための訪問のお仕事が2時間程ありました。

所謂「外回り」のお仕事の1つです。

この時に、厚み5-10cm程度にまで及ぶたくさんのA4書類を持ち歩くためのバッグが必須。

ある程度慣れてくると、「ニーズ」のようなものが生まれました。

2000-2010年辺りまでは、まだまだ主流はトートバッグ、ビジネスっぽさもありながら雨をもしのげる素材の既製品がなかなか見つかりませんでした。

トートバッグでは書類が倒れてしまい、おさまりがとても追いつきません。

そこで、ハンドメイド活動をし始めた頃から自作を始めたのでした。

外回りの本人が自作するのですから、直球にその希望の機能を盛り込みました。

あれから10年近くが経過、会社退職後の現在ですが、その体験はエピソードとして残ることに。。

このたびは、ハンドメイドバッグ製作の括りを<ビジネスシリーズ>としました。

堅いビジネスシーンに新しい息吹のようなものを吹き込めればと思います。

<ビジネスシリーズ>外回り用のナイロンブリーフケース・ノート型パソコン入れにもなるキルトをかけたビジネスクラッチ

では、簡単に途中の製作風景もお伝えしながら完成に至る様子をお届けしたいと思います。

ブリーフケース1点とクラッチバッグ3点です。

使用生地(ブリーフケース):表地(ベージュ)-ナイロンオックスはっ水加工、ナイロン/100%、日本製。裏地(イエロー系小花柄)-コーティングプリント目止め加工、ナイロン/100%、日本製。
使用生地(クラッチバッグ:薔薇柄):表地(赤系)-キャンバスフラワー、ポリエステル/100%、日本製。裏地(ベージュ)-シャンタン、ポリエステル/100%、日本製。
使用生地(クラッチバッグ:トロピカル柄):表地(グリーン系マルチ)、ガーゼプリント、ポリエステル/100%、日本製。裏地(グリーンまだら柄)、ジャカード、ポリエステル/100%、日本製。
使用生地(クラッチバッグ:黒):表地(黒)-ダブルラッセル、ポリエステル/100%、日本製。裏地(グレードット柄)-生地名不明、ポリエステル/100%、日本製。
ブリーフケースの支柱ベルト:4本ステッチの強靭さ。底の縫い代は内蔵のソフト厚芯を抜きラインを整えます。
ブリーフケースのファスナーポケットとメインファスナー付け:バッグ全体で3本のファスナーを使用。

特に内部のファスナーは開閉のストレスよりも、「印鑑」などを入れるため、セキュリティー性の方を重視。

クラッチバッグ(トロピカル柄)の正ダイヤキルト:5cm巾のキルト。本体はハード薄芯、ポケットはキルト芯。
クラッチバッグ(トロピカル柄)の表地と裏地の合体:中表にしてひっくり返し縫い閉じ、三つ折りで仕上げ。
クラッチバッグ(黒)のボックスキルト:こちらはキルトの向きを変え、5cm四方のボックスキルトに。
ブリーフケースの完成:<サイズ>縦28cmx横36cmxマチ10cm。

後の複数のリピート製作があり、裏地を写真に掲載して差別化しています。

ナイロンオックスはっ水加工生地のベージュといったら、ほぼこれになるというほど豊富ではないのです。

ビジネスクラッチ完成(薔薇柄):<サイズ>縦縦26cmx横36cmxマチ無し。キルトは無しです。
ビジネスクラッチ完成(トロピカル柄):<サイズ>縦縦26cmx横36cmxマチ無し。5cmダイヤキルト。
ビジネスクラッチの後ろ面:すべて共通でこの姿です。ただ、キルトが全体にかかっていると後ろも見応えあり。
ビジネスクラッチ完成(黒):<サイズ>縦26cmx横36cmxマチ無し。5cmボックスキルト。
<ビジネスシリーズ>の4点:新しいビジネスシーンの世界観。硬いシーンでは裏地のみ華やかにしています。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.04.01からおよそ5年後の2025.04.27にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

どんどんデジタルに集約されていく流れと共に、書類のA4という枠を基準にしたこうした四角いバッグも懐かしいものになる時が来るのかもしれません。

とはいえ、そうなったとしても、「かつては書類を入れていたバッグだった」という歴史とエピソードはいつまでも残っていくのでしょう。

建築物にもこれまで引用されてきた四角く安定したフォルム、この「造形美」は今後も不滅のものなのでは(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

本格セルヴィッチデニムの一重仕立てを切り抜けたエコバッグ2タイプ、甲乙無し同等仕上げのレジ袋型と紙袋型【112】

アイキャッチ画像112

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2020.07.01からいよいよ「レジ袋の有料化」が始まります。

その画期的な変化を前に、ハンドメイドバッグ製作者としまして、「レジ袋に代わる存在」に注目しました。

自分一人のみで結論付けず、世の中の流れをお仕事仲間の目線も得ながら、2つのタイプを考案したのです。

ポイントとしては、これまでのレジ袋の気軽さを受け継いだような存在でありたいと一重仕立てに作った2種であること。

一重仕立ては、縫い代の解決に悩むことがあり、その点は裏地付きよりも大変な部分です。

このたび、セルヴィッチデニムの14ozという本格派デニムでのサンプル製作で、一重仕立てならではの良さに迫ることが出来ればと思います。

2種のエコバッグを「レジ袋型」と「紙袋型」で試作、本格派セルヴィッチデニムによって芽生えたメインバッグの可能性

早速ながら完成したタイプの違う2種のエコバッグをご覧下さいませ↓。

セルヴィッチデニム14ozのエコバッグ2種:両方共本体が37cm四方くらい。左は「レジ袋型」で右は「紙袋型」。

この写真の出来上りではやや正方形気味なフォルム、後にサイズを縦のみ5cm程追加して縦長フォルムへ変更することに決めました。

「レジ袋型」の方の入り口タブ:マジックテープを設置して荷物のこんもりとした山を覆う役割を考えました。
様々な端っこの始末:左は内部の三つ折りステッチ。右上は最終のピンタックステッチ。下は取っ手を広げた所。
「レジ袋型」の取っ手:元はスーパーのポリ製の既製品に倣い縫い代のある布製ならではのアレンジ込み。
「紙袋型」の取っ手:取っ手の付け根を変六角形のタブでカバーしながらスタイリッシュに。フラップは台形。

これら2種は全く違った作りであり別デザインであることで2種が同時に存在する意味があると考えました。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.03.27からおよそ5年後の2025.04.24にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

その後は、「レジ袋型」を「B to B」的な卸販売業へ、「紙袋型」は取っ手の部分を「支柱型」へ大きく改良してフラップを除外しながらサンプルが本製作に活かされました。

更に2023年以降は、「レジ袋型」は2020年当時の卸売り先様のデザインへと譲渡、「紙袋型」は当「共有型のハンドメイドバッグ」の共有デザインへとそのデザインの存在も分かれていきました。

その後、ユニークな実験をしておりまして、「紙袋型」のサンプルの方を1年間雨の日も風の日も実際のお買い物に使っていったそのデニムの様相の変化を綴った記録を後の【463】のブログに投稿しています。

まるで、ジーンズをはいて色落ちさせていくようなかつての流行を、バッグでやってみました記録、よろしければ、【463】にこの後お立ち寄りいただければと思います。

この体験は、一重仕立てのバッグの縫い代の隠し方などのヒントがたくさん詰まり、後の一重仕立ての製作の良き引出しとなりました(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

どんな薔薇柄なのかまで特化、華やかさを抑え気味に静寂の世界観を示した3タイプの青薔薇バッグ【110】

アイキャッチ画像110

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグをある1つの括りで、<○○シリーズ>と題して連続製作中。

このたびは、<青薔薇シリーズ>です、<薔薇シリーズ>や<青花シリーズ>よりももっと踏み込んだ拘りを入れたシリーズであることを「青薔薇」というワードで表現。

薔薇柄自体は比較的豊富ですが、青というカラーになるとかなりニッチな存在となると思います。

それぞれ特有の「青の薔薇」であるという3点のバッグをどうぞご覧くださいませ。

<青薔薇シリーズ>ニッチな青薔薇のバッグ3点が集まる世界観、トート・ドーム・巾着の違いで一層高まる個性

使用生地(左から右へ①②③):上下は表地と裏地のコンビで並び、全6種の生地を使用。生地詳細は下にて↓。
生地のズーム:少し風合いがクリアになるかと思います。毛羽や畝(うね)など凹凸感にあふれます。

では、ポイント箇所をピックアップしながら途中の過程をご紹介してまいります。

まずは、①の楕円底トートバッグから↓。

楕円底バッグの最も重要な部分:楕円底設置は本体側から縫い寄りがちなタックをを内(左側)へ追いやります。

この当時、私もまだ未熟でしたが、楕円底の周囲と側面の直線の長さがぴったりである型紙をまずは作るべきです。

完成した楕円底:楕円底のカーブは緩やかなコンパスの半径10cm程度が作業しやすく見栄えも良いです。
取っ手ホールの片面ハトメ:3点共に共通のパーツです。裏地と共布の取っ手は後日本革レザーの紺色へ変更。

続いて、③のドーム型バッグを先に↓。

最後まで課題が残る底のライン:真っすぐのラインの型紙では出来上がりが反ってしまうので、カーブラインへ。
ドーム型のファスナー取り付け完了:難易度が高い作業。ファスナー2本を使いましたが、両開き1本がお勧め。
複数の金属パーツ:片面ハトメ・Dカン・ナスカン・両面カシメ。すべての箇所を同じゴールドで統一。

続いて、②の巾着です↓。

片面ハトメの設置(左上からジグザグに):こちらは銀色で統一。穴開け後の生地の残りを補助的にカットから。

元は、穴はポンチ+金づちでくり抜いてありますが、不発も多く、より繊維質な生地に対して行うことの限界です(本来レザー用のパーツなのです)。

片面ハトメのシルバーの方のみアルミ製で、プライヤーが附随品としてありましたので金づちによる打ち込みがありません。

穴に表面から「凸」パーツを裏面へ向かって差しまして、裏面には、ワッシャーをわずかに膨らんだ方が見えるようセットしてプライヤーでカシメます。

巾着ホール8個の設置完了:ホールの位置は上から3cm程の位置、とはいえ、内部のポケットに接触しないよう。
<青薔薇シリーズ>の3点のバッグ完成:丸底バッグから順にサイズは大・中・小となります。
①丸底バッグ:<サイズ>縦32cmx横38/48cmxマチ18cm。両サイドの巾着ひもを結ぶと四角フォルムに。
②巾着バッグ:<サイズ>縦22cmx横22/29cmxマチ10cm。縫製の難易度はこの3つの中では一番易しい。
③ドーム型バッグ:<サイズ>縦17cmx横21/25cmxマチ12.5cm。底の始末がこれで限界、少し汚いです。
お洋服とのコーデ例:すべてのバッグにお洋服を考えてみました。「赤味」を入れないことが粋になると考えます。

あとがき

こうして究極なまでにカラーや柄を特化したことでじっくりとその良さを探すきっかけになりました。

たくさんのネットに溢れた写真の中では、赤やピンク系が華やかで目立つ存在。

カラー展開では片隅に配置されがちな紺色を主役に据えたことは大変有意義でした。

紺の持つ淑やかさ、1つの静寂の表現として、新しい引き出しができました(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

マルチカラーの和花で旅の気分が高揚、ふらりと気の向くままの一泊旅行用のエレガントな大容量ボストンバッグ【109】

アイキャッチ画像109

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

緑が増え、空気が気持ちの良い季節。。ふらりと旅に出たい気持ちの赴くままに旅をすることも素敵です。

最低限の荷物だけをササッと詰め込み、行動の一歩を踏み出すことを重視します。

そんな時に、気持ちの上での「身軽」な、布製のボストンバッグをご提案したいと思います。

作り方の特徴として、あらかじめ「中表」にひっくり返し縫い代を解決したプレートを「外表」で組み立てるという分かり易い構造のクラシックなデザインのボストンバッグです。

ゴロゴロのキャリーを引く重き心構えは不要、お出かけの一歩を踏み出しやすい布製マルチ和花ボストンバッグ

表地・裏地共通:生地名不明(ブロードに類似)、綿/100%、日本製。同じ生地2色を表地(左)と裏地(右)に。
生地のズーム:菊の花の輪郭すべてがゴールドで囲まれていることが、カジュアルになりがちな綿をエレガントに。
パーツの全面に貼ったハード薄芯:接着芯に+α。ボストンバッグは圧力がかかりますので丈夫く仕上げます。
失敗のフォロー:ポケット袋の生地不足でファスナー枠も小さくする必要があったのに修正し忘れで両端が余るミス。ここにスタイリッシュにタブを設置して埋め合わせ。
ポケットの裏面:通常は両端の縫い代は1.5cmですが、7mm程度におさえ袋の容量を確保。
取っ手の付け根のフォロー:付け根はどうしても隠したい場所。隠すという機能と装飾を兼ねたフリルの設置。

取っ手を作る際に、いつもの作り方の中にフリルの挟み込みを投入しました。

ヒラヒラし過ぎず、あくまでもひかえめなフリルがかえって粋です。

ポケット2種:ファスナー構造とフラップ構造を両面に1つずつ設置。右下は、フラップポケットの裏面の当て芯。
ポケット設置後の本体:組み立て直前の状態はペタンコで、スーツ収納袋みたいです。右下は真ん中のハギ目始末。
マチ布と本体の合体(外表):最終局面です。「外表」でぐるり1周を二重ステッチで頑強に仕上げていきます。
1泊用ボストンバッグショルダー付き(菊のマルチカラー)完成:<サイズ>縦34cmx横45cmxマチ18cm。

ショルダーは既製品の茶色ですが、既製品は色の展開が乏しいです。

共布なら、このマルチフラワーの中の明るい色を取って自作するところでした。

その他の角度x4方向:左上から時計回りに、サイド斜め、てっぺん、後ろ面、サイド正面。

後ろ面に付けた長いファスナーは、A4のクリアファイルごと入ります。

お洋服とのコーデ例:ボルドーのジャケットとミドル落ちのデニムパンツは。マルチフラワーに馴染みます。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.02.29からおよそ5年後の2025.04.21にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

この時のフリル設置の一番のきっかけは、「装飾」ではなく、「どうしても美しまとまらない先端ラインを隠すこと」という「機能」の部分であったという点にご注目を。

ラインが美しく出来上がらないのは、どれだけ綺麗さを長年試みても不可能であったことであり、角張ったラインの難点なのです。

よって、その汚いラインを隠すことを考えたフリルであったわけです。

決してヒラヒラと開いたフリルである必要は無く、隠れればそれで事足りるというミニマムさを持ち合わせたフリルであることにも機能重視のスタンスが現れます。

ここで大切なことは、「意味のある装飾」というワード、余計なものを一切そぎ落としたデザインの中にそれでも現れる装飾というのは、実は理由付きの「機能を持った装飾」であるということ。

この考え方は、やがて「機能美」というものを生み出してゆくのです(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

好みのキャラクターは商業利用不可、既製品をお求めの場合の王道柄の小花とヒッコリーストライプの入園バッグ【107】

アイキャッチ画像107

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.02.17からおよそ5年後の2025.04.19にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

過去に一度だけ、「入園バッグセット」を企画したことがありました。

この体験で自らも巾着袋の裏地付きの作り方をしっかりと細部まで確立できたことが非常に有意義でした。

女児用・男児用とそれぞれ分けて製作しました記録をこのたび綴りたいと思います。

<入園シリーズ>数年間の通園を無事に達成できますことを願いながら。。小花柄とストライプの2セットの入園バッグ

入園バッグは、①通園サブバッグ②上履き入れ③着替え入れ④お弁当袋⑤コップ袋と、この5アイテムが一般的のようです。

おそらく、入園先からサイズまで指定された書類をいただくのだと思います。

作る側から見ますと、大きく2種のデザインに分かれます。

①と②はトートバッグ型、③-⑤は巾着袋というデザインの違いです。

ということで、作業的に効率よく行っていくには、③-⑤は同時進行が良いです。

デザイン・生地や糸の色も同じであれば、同時に縫っていった方が効率が高まるからです。

使用生地(女児用):表地(白地xピンク小花柄)-小花ブロードプリント、綿/100%、日本製。裏地(サーモンピンク)-T/C無地、ポリエステル/65%、綿/35%、日本製。
使用生地(男児用):表地(黒x白ストライプ)-ストレッチストライプ、ポリエステル/100%、日本製。裏地(黒)-エステルポプリン、ポリエステル/100%、日本製。
コップ入れの型紙:巾着型はこのサイズ違いのようなフォルムで共通。接着芯全面貼り、巾着ひもも生地で製作。

右下は、「マチ」を作った写真です。

裁断後の取り掛かり:左上の写真は裁断後。右下の写真は、上から6cmからの始まりで縫い合わせの手前。
巾着袋の「コの字」ステッチ:縫い代1.5cmの半分の7.5mmをコの字が通る場所を越えたところまで三つ折り。

後の見直しにより、ステッチの位置は三つ折りの真ん中ではなく、端っこをステッチすることでヒラヒラしないことを徹底。

巾着ホール内の縫い代始末:非常に緻密ではあるのですが、内部もひもとの接触で傷みますので折り込むことに。
巾着ホール内の縫い代始末の完成:後の見直しでは、わざわざ幾重にも重ねず、1ステッチで固定する方法へ変更。
巾着ひもホールの底辺のステッチ:表面からかけました。上から4.5cmくらいがちょうどコの字の横ライン。

コの字の横ラインに重ねるようにすっきりとものさしで確認しながらゆっくりと進めていきます。

巾着袋の完成:裏地の無地を共布ひもにも利用するとコントラスト効果が美しく味わいが高まります。
メインバッグのパッチワーク仕立て:生地の分量が不足し、ボーダー状にハギ目を作ることにしました。
装飾的なフリル:単調なボーダーパッチワークの1か所にフリルを挟み込みアクセントになりました。
ストライプの方のバイヤスキルト:単調なボーダーに装飾性を伴う固定の役割りの意味でかけた中綿キルト。
中綿キルトがけ:まずは裏面のキルト地にハード薄芯を重ねて作図。直角二等辺三角形の角から幅3cm並行移動。
その他のアイテム:左は靴入れ。右はお弁当袋。こちらの柄も裏地と共布ひもの黒が良きコントラスト効果。
入園バッグ完成(小花柄:女児用):優し気な雰囲気に出来上がりました。サイズは、すぐ下のクリップにて↓。
入園バッグ類の各アイテムの出来上がりサイズ(女児・男児共通):5アイテムのサイズ感の違いをご覧下さい。
入園バッグ完成(ストライプ柄:男児用):その他ギンガムチェックなど黒白柄には黒無地は瀟洒な組み合わせ。

あとがき

さて、その後なのですが、この2セットの製作品は両方共ご購入いただきました。

まるごと受け入れてもらえる有難さを作り手側としては感じました。

本来なら好きな柄で持ちたいところを、様々な事情があるのだと思います、こうしたものをお作りして、既製品を求められる方のためにお役に立てることができると思います。

さて、お値段事情ですが、当方の希望する販売価格とは全く関係ない所で言うと、ご購入者様のニーズは¥3,000代を相場として希望されているようです。

¥3,000代ならたくさんの中から注目いただける値段の目安だと感じました。

商業付いて原価を意識してしまうと到底成り立たないと思いました。

では、いい加減に作るのか。。ということに関しては作る限り良質さをとことん追求したものを作るスタイルは決して変わりません。

困った方に心から寄り添う気持ちで挑まねば、決してできない製作だと思います。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク