設置の順番は底ベルトが先、本体の容器の丈夫な底を補強する意味を主張するエコバッグの底ベルト【220】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

7種の生地で連続製作をしております「スーツに合うエコバッグ」。

今回は、一番最初の出来上がり品を部分的に改良をしたものになります。

改良部分は、スタイリッシュに支柱の幅を細めたことと底面に底ベルトを付けることです。

この底ベルトを付けることの深堀りがこの度ご紹介する場面になります。

一重仕立てで裏無しで軽量かつたためるアイテムでありながら、使用する際には強靭でありたい。。そのような強いメッセージをお伝えするにあたり、この底ベルトの存在が重要になっていきます。

底ベルトの役割と効果

命名の「底ベルト」。

「支柱」ともども何と呼べば良いか分からず、呼び名を考えてみた次第です(^_^;)。

支柱がある程度底面を覆うとはいえ、支柱をスタイリッシュに細めたこともあり、底部分にもう1つ安心感を入れ込みたいと思いました。

そこで考えた底部分を丈夫に支える機能が底ベルト。

縦に支柱を縫い付けた後に、十文字に底ベルトを縫い付ける方法で今回は行います。
片面の底ベルトが取り付け終わりました。もう1方の面も同じ位置に縫い付けます。
スーツに合うエコバッグ:ツートンVER完成・・・サイズ:縦38cmx横35cmxマチ13cm。

出来上がりはまずまずな様子ですが。。

実は、底面に関して2つ今後の課題が見つかりました。

今後の課題:①底部分の支柱同士の重なりのずれ(右側)②底ベルトを先に縫い付ける順番へ今後変更。

まず①に関してですが、やはり支柱同士がぴったり重なることがマストになりますね。

右側のずれは高級感を損ねます(反省)。

そして、カラーの交わりの観点からは、底の面がややうるさい感じになってしまいました。

底ベルトに関しては色を切り替えず、本体と同色で目立たなくなじませる方がすっきりと仕上がるかもしれません。

そして、②の順番も非常に重要であると気づきました。

エコバッグは食料品などをたっぷり入れて、「よいしょっ」と取っ手を持ち上げます。

その持ち上げる時の力のかかり具合を考えたときに、先に底面を底ベルトで丈夫くしておいての、最後の持ち上げだと思うのです。

そうすると、取り付けの順番が変わってきます。

まずは、底ベルトを最初に縫い付けて、取っ手無しの入れ物だけに対する底の補強的な意味でベルトの役割ができます。

そこへ、さらに全体を持ち上げるために支柱/取っ手の長いベルトが付くのだという見方が最も腑に落ちました。

今後、取り付けの順番は、底ベルト→支柱/取っ手がこの時に徹底されたのです。

あとがき

結構エコバッグはサイズが大きいので作業に時間がかかります。

一重仕立てながらも、縫い代の始末をすっきりとするところも悩みながら解決していくところです。

裏地付きでは隠れるから「甘えていた」縫い代問題が一重仕立てでは現実的な厳しい環境になるのです。

そうした意味でもこの一重仕立てを美しく完成させることは、生地を半分しか使わないから楽なのだとかいう考え方などとうに越えて、難易度は高めだと考えています。

ユーザーの行動のイメージをうんと膨らませた考案、会社帰りのスーツ姿にぴったりなエコバッグのモデルや素材を考える【216】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

1週間分の食料品の買い物を金曜日と決めています。

このmy買い物デーによく見かける風景というのが、多くの会社帰りの人々。

なぜ会社帰りか分かるのかというのが、きちんとしたスーツ姿の格好からそううかがえます。

さてこのたびは、よく見る場面の週末の買い物シーンにおいて、会社通勤の服装そのままにぴったりなエコバッグを考案してみようというアイデア。

とりあえずは、基本的な黒ベースのエコバッグをデザインしました。

たためるエコバッグにするには頑丈過ぎてはいけない学び

ここ最近、たためるエコバッグがいいという生のお声をお聞きしました。

ただ買い物目的にダイレクトにお店に向かう人は少ないのかもしれません。

多くの方が、どこかの帰り道に立ち寄ったり会社帰りだったりと、連続した場所移動のシーンを想像します。

スーパーで食料品を買う前の会社勤務のシーンというのがきちんとした服装であることから、エコバッグをそこに合わせた雰囲気のあるデザインや素材にすることで、洋服にもマッチするのだという想像。

ということで選択したのが、こちらの生地↓、基本的な黒ベースです。

使用生地:ドレープカーテン地、ポリエステル/100%、日本製。
うっすら入ったランダムなニードルストライプ。

もともとは、ボーダー柄なのですが、カーテン地が特殊なことも多く、生地を引っ張ると通常の横が伸びず縦が伸びるのです。

よって、重い物を入れる時の比重がかかる縦向きに伸びない硬い方でに製作することが望ましいう判断で、横向きに生地を使います。

接着芯を貼る必要性の有無について:生地がしっかりしていれば「貼らない」が正解の時もあります。

一応支柱だけには接着芯を貼って見たのですが、結果はひつようありませんでした。

むしろ本体とのバランスが悪く、支柱だけカチコチしているのが違和感があります。

スーツに合うエコバッグ:<サイズ>縦39cmx横35cmxマチ15cm。

完成です♪。

ただ、ごわついた支柱がたたみ切れず、結果中途半端に丈夫なものになってしまいました。

次回このことを改善していきたいと思います。

接着芯を貼らないで作ることがかえって、コンパクトですっきりしていて、それでも十分に丈夫な仕立てのエコバッグにできると判断しました。

エコバッグとメインバッグの境界線

普段メインバッグばかり作っているので、その感覚が捨てきれず、ついつい丈夫な存在感あるものを意識してしまったのです(^_^;)。

エコバッグと名の付く以上、丈夫さや存在感はこの場合は一番重要な点ではないのです。

むしろ、たためる柔軟性、コンパクトであること、野暮ったくないことなどが求められる点も重要です。

使う時と使わない時とでは、使わない時間の方が長いのがエコバッグ。

メインバッグはずっと中に物を入れて使われているので、使う時間がとても長いのです。

その違いをもっと考えるべきでした。

今回私が中途半端に作ったそこそこ丈夫なエコバッグは、メインバッグとエコバッグのはざまのような微妙な存在。

もっとエコバッグ寄りに寄せた方がこの場合は目的がはっきりして良いと思います。

取っ手や支柱は、確かに接着芯を貼ると、長い意味では傷みにくいこともあるのかもしれません。

しかし、接着芯を貼らずとも、幾重にも折り重なる仕様、そこへさらに4本のステッチが縦に入りますので、ここまでの仕立てがしてあるならば十分なのです。

エコバッグを何年も使うことが求められているのか、むしろ、煩わしさのない邪魔にならないものという点こそが一番に重要なのかもしれません。

あとがき

今回も学ぶことのあった製作でした。なかなか初めてでは完璧にはいかないものです。

裏無しバッグというのは、ある意味裏付きよりも難しいところがあります。

それは、縫い代の始末。

縫い代ゲジゲジのままでは、本当に気持ちが悪い私。。

よってその縫い代をきちんと隠したいと思うものです。

今回は、サイドは三つ折りで、マチと底は、ラッピングしました。

先程、エコバッグは、ふにゃんとしているもので良いのだというような内容を書きましたが、あくまでもそれは、見かけの雰囲気の事です。

仕立てとしては、エコバッグであってもきちんとした縫いや始末はメインバッグと同じように行います。

そこは、決して「いい加減」とは違う点ですね。

その中で、今回は生地が薄手だから支柱には接着芯を貼ろうと判断することがあるかもしれません。

非売品で無料なことも多いエコバッグですが、お値段いくらという以前に作りの良い良質なものを作りたいです。

これがビジネスとして成り立つのかどうかなどは先に考えることではありません。

とにかく良い物を製造していく心構えをまずはアウトプットしてまいります(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

6mm仕上げの丸底ラッピング成功のための材料はナイロン100%のバイヤス25mm幅にあり【204】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

楕円の形をしたデニムバッグの底のロック始末を更にラッピングで覆うというアイデアをこのたびアウトプット致します。

随分と試行錯誤してきた結果お伝えできるメソッドとなっております。

カジュアルなバッグ1つでも実はその作りはエレガントであるという、「エレガンス」がミックスされたお品物作りを目指しています。

このたびは、デニムというカジュアルな素材をドレスライクに寄せていくというゴールを目指すために美しいラッピングの出来上がりを目指していきます。

いくつかの幅の違いでラッピングのあれこれを過去10年にもわたり試行錯誤してまいりました結果、行き着いた1つの完成型のゴールである最も美しい「6mm仕上げ」のバージョンをここでお伝えしたいと思います。

厚みのある生地へのラッピングが難しいと感じるその理由

一重仕立てのデニムバッグ:パーツ全部にロックをかけてあります。ロック糸の色も馴染む色でさっぱりと。。

ラッピングもストレート部分なら比較的やりやすいです。

しかし、このようにカーブのあるデザインに加え、生地に厚みがある部分にラッピングをするとなると少々レベルが上がると感じます。

しかし、心配ご無用。

作業自体がやりやすいような幅、前準備があれば成功できる作業だと思います。

今回は厚手の14オンス相当のデニム生地が2枚重なった場合のラッピングです。

14ozは、一般的にはかれているジーンズ程度、この度のラッピング布の幅の25mmはこの厚みを1mm見込んだものです。

完成のイメージは、4mm巾程度でかけられたロック部分を更に隠してワンポイント的な装飾を込めたデニムとは異素材のナイロンラッピングにするというものです。

ラッピングは基本的には、出来上がり幅の4倍程度の幅のテープを用意する必要があります。

しかし、それはぺたんこの生地の場合の最も単純な考え方です。

ラッピングをしたい場合というのは、そもそも厚みがある状態になっていることが現実多いものです。

よって、見込んだ25mmというのは、出来上がりの6mmx4=24mmに厚みの1mmを加えた25mmだということになります。

よって、水平に見たときの1-2mmの生地の厚みを考慮せねば、最後のとじの部分で生地の分量が不足することになります。

生地によって厚みは様々。

ラッピングというものは、1mm違っただけでも裏面にずれが生じ、下の写真のようにテープの上にステッチが載らず、脱線しまくりの的外れな状態になってきます。

私はクセとして、このようになりがち、このようになりがちな人は結構多いかもしれません↓。

出来上がりの裏面の縫い目がまるでテープにのっていません。

すべて、テープ外の的外れな位置にステッチが出ていて、ラッピングの意味があるのかというほどの出来具合です。

ここから改善を試みていきました。

では、作業しながらラッピングが美しく仕上がるコツを研究した成果として次のようにポイントをまとめたいと思います。

6mm強仕上げのカーブのあるラッピングを上手く仕上げる「7つ」のポイント

では、ポイント箇所を中心にして出来上がりまでの流れをお伝えしたいと思います。

ポイント1)生地は45度のバイヤスで裁断

ポイント1)とにかくバイアス裁ちで行うことが基本。ナイロン/100%は伸びと縮みの両方融通性あり。

そもそも、テープの幅は25mm巾のバイアス裁ちです。

これがストレートでは柔軟性がなく、しわが寄ってしまうので、カーブ箇所を含む部分であれば、バイアスが必須。

ポイント2)縫い線の印の線をフルに直線で描く

これは、確実に1針1針を的確な寸法の位置に落としていくために、フルの直線である必要があります。

ポイント2)縫い線の印の線をフルに直線で描く。

ポイント3)アイロンで折り線を付けておく

折り線は必須、正しい位置を折り線が案内役として教えてくれます。

この折り線をアイロンであらかじめしっかり付けておくと、とても後半がやさしいものになります。

ポイント3)アイロンで折り線をしっかり付けておく。

最後の縫いとじの折り込みも5mmです。そして、ど真ん中に折り線をアイロンで入れます。

縫い始めの先端の横ラインをを1cm程内側へ折り曲げて、縫い代を隠しておきます。

この作業を下準備としてあらかじめやっておくわけです。

ポイント4)本体生地の縫い代とテープの右端をピタリと合わせる

写真では、右端がうまく映しておりませんで申し訳ございませんが、あそこがぴたりと合っている必要があります。

テープがはみ出したりまたその逆で中側に控えたりしていると、これが原因でラッピングが崩れますのでご注意下さいませ。

ポイント4)本体生地の縫い代とテープの右端をピタリと合わせる。

ポイント5)アイロンをかける時に伸ばし過ぎない

ぐるり1周地縫い後、アイロンをかけてくるりとテープを反対側に向けます。

この時に最初の折り線が目安になることも多いです。

アイロンをかける際には、目安を地縫いの線がぎりぎり隠れている状態で折るのがのぞましいというのが実体験からの結論です。

ポイント5)アイロンをかける時に伸ばし過ぎない。
地縫いステッチが隠れているぎりぎりでアイロンをかけ、ターンします。

ポイント6)縫いとじのステッチは、先端ぎりぎりでなく少し内側を縫う

ポイント6)縫いとじのステッチは、先端ぎりぎりでなく少し内側を縫う。

ラッピング布の際ではなく、1mm程右部分を縫うと下糸側のステッチがラッピング布から脱線しない結果になるようです。

ものすごくこの場面は繊細で「加減」とか「感覚」の世界。

裏面のテープにステッチが載ることを意識しながら行うのが良いです。

これでもうまくステッチが生地に乗らないようであれば、最初の5mmの箇所へのステッチ時にあえて、その線の1mm縫い代側(右)を縫うということをすると生地の配分が調整されるということがあります。

このことは、よくご紹介されていることと同じ内容になりますので、1つのヒントとしては有りだと思います。

ポイント7)最後の綴じの位置にもきちんとステッチをのせる

一度やり直しをした後の場面ですので、そのやり直しの原因が実はカーブのところでした。

カーブ部分は、自然にバイアステープが内側に引っ張られる傾向があります。

そうすると、裏側(最初に地縫いをした側)が地縫いの糸が見えるぐらい引っ張られて圧力がかかり、テープ幅が偏ります。

つまり細くなってしまってうことがあるのです。

そうすると結果、最後の縫いとじのステッチ糸が、テープ上に乗らないのです。

なので、テープの幅を均等にするよう、地縫いステッチが見えないぎりぎりの位置に待ち針を裏側から打ち、表側にも打つというダブルで行いました。

そして、目打ちを使ってゆっくりとステッチしていきます。

ポイント7)最後の綴じの位置にもきちんとステッチをのせる。

以上、7点が私が研究した成果から出てきたポイント箇所でした。

結構ポイントの数が多いです。

これらをすべて満たした時に完成すると言えますので、ラッピングは高度な技術の1つだと思います。

ただ、すべてを満たすことを考えると難しいようですが、美しく仕上げるための必須の当たり前の事項だと考えることもできます。

成功したラッピングの完成の表と裏の見栄え

底面側のラッピングの仕上がり:巾着袋の中を覗いた時に、この面が一番多く視界に入る部分です。

この面からラッピングの縫いとじをしました。

この面は、最後に縫い閉じた時の表側にあたり、どちらかというとより綺麗に見える方側です。

ということは、ターンする前の最初に地縫いする面というのは、底面でない反対側の側面パーツの部分を上糸側にして縫うという向きが良いということを導けます。

側面側のラッピングの出来上がり:視界には入らない部分ですが、見る人は見る隠れた部分。

ここも、今回のコツでテープにステッチがちゃんと乗っかりました。

表からは一見綺麗でも裏を返せば残念なことになっているのはどうなのでしょう。

お恥ずかしながらそんなやり方が今までのやり方だったのです。

しかし、今回は生まれ変わりたいと思いました。

視界に入りにくい箇所も、丁寧に美しく仕上げていくことの意味を感じています。

おさらい:図解でこのたびのラッピングの数値的なものを見てみる

少し画像が不足していますので、図解をしてみました↓。

出来上がり6mmのラッピング用型紙の解説:バイヤス裁ち、ナイロン/100%地使用の14ozデニム用の場合。

最初の型紙では25mm巾で裁断。四つ折り観音開きをまともにせずに、左右を5mmずつだけ縫い代でとります。

例えば、薄手の生地をラッピングするのであれば、ただの均等の四つ折りでアイロンだけで良いですが、デニムは明らかに厚みがあることが目に見えています。

よって、その分の生地が奪われるとあらかじめ考えなければラッピングは成功しません。

最初の左右の5mmずつは、本来25÷4=6.25mmという仕上げの6mmに近い数字を均等配分するイメージから片寄せたものです。

多くが真ん中の内陸部分で生地が奪われるわけですね。

こうした微妙なミリ単位が効果を出すということならば、当然使う素材も融通の利く、伸び縮みの弾力性あるナイロン/100%を使うことが成功しやすいことに導けます。

書き手:ピクチャレスク

あとがき

「長年の勘や職人的感覚」を養うにあたっても、まずは理論として得たことは、ラッピングの仕上げの幅は6mm程度がすべてにおいて、すっきりと美しいと思えるということです。

幅がたくさんあれば丈夫そうに見えますが、野暮った過ぎてスタイリッシュではありません。

今回は、デニムのブルーに相性の良いサンドベージュの色のラッピング布であったことも実はバッグの中をのぞいた時のコントラスト効果を考えた工夫です。

苦労するラッピングのその作業だけに心を奪われるのではなく、さらにそこを乗り越え、その苦労などまるで無かったかのうように何食わぬ顔をしておしゃれ度も見せていくこと。

その作り手の強靭な姿勢こそ本物の「粋:いき」を作っていくのではないかと思うのです(^-^)。

ミシン針が通らなければ縫いとじが実現できない、厚手生地で入口完全密封のファスナーリュックをどのような工夫で作ったか【203】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ最近ずっと手を付けれずにいた手持ち生地の厚地タイプが結構あることに目を向けてみました。

なぜ、手をなかなか付けれずにいるのか。。

それは厚地が重なる部分が多くて縫えない可能性があって尻込みしているのです。

そこを克服していこうというのが今回の企画です。

厚物に向いたバッグのデザインをセキュリティー性も伴ったものとして考えてみた

厚地というのは、壁にぶち当たる場面が決まって重なってミシンが縫えない時です。

これが起こらないような作りにすれば、ゴブラン、インテリア地などの厚い生地もバッグにしていけると思います。

結構残っている生地の中には素敵な厚地がたくさんあるので何とかここをクリアしていきたいと思っています。

そこで、1点考えたデザインが、半月型のリュックにもなるハンドバッグ。

小さい物ですが、マチを10cmとそこそこのボリュームにして、容積をできるだけ増やします。

そして、このように出来上がりました。ライムイエローの爽やかなバッグです↓。

ミニ半月型リュック:縦16cmx横27cmxマチ10cm。

ミニとは言え、横はそこそこありマチもボリューミーです。

長財布、スマホだけでなく、他の小物も入れていただけるかと思います。

スペイン製のインテリア地で厚手のごわっとした生地、綿/100%です。

イメージとしてはソファーに貼る生地としての使われ方を見込んだ素材。

背の部分:取り外し式のリュックのショルダー付き。長めでたらりと下がるリュックの背負い方も可能。
入口の口布の作り:どこにもすき間がありません。安心して、背負って出歩くことができます。

やはりリュック仕様となると入口が視界から遠ざかるので、不安も付きもの。

そこで、フルに密閉することを考えまして、口布を設置しました。。

内側の様子:ちりめん生地を使い、にぎやかなマルチボーダーが広がった内側になりました。

表地のライム色がこのボーダーの中の色に入っていることでマルチカラーのにぎやかさを落ち着かせてくれます。

入り口の口布の設置部分が重なりが多くなり、困難を極めました。

口布もハード薄芯を入れて立派な物に作り直したら、貫禄があってその方がよかったのです。

悩みどころですね。薄くは作りたいけれど、貫禄も出した方が良い物になるのです。

ここが非常にもどかしい。

もっと厚手になるともう入り口の口布縫い付けが対応できないのです。

ということで、今回はたまたま何とか縫えたけど、次回は違うデザインを考えていかねばなりません。

厚手生地にオールマイティーに対応できる万能デザインは本当にあるのか

なかなかいろいろ欲を出すと、難しいものです。

それにリュック仕様に必ずするということもデザインがなかなか見つからない1つの要因。

けれどここはゆずれません。リュック仕様は必ず入れたいのです。

例えば、入り口の密閉を裏地の柔らかい布で巾着のように絞るというデザインは1つの手かもしれません。

あとは、一重仕立て使いをして袋のようなバッグにするとか、けれどリュックにもなるよというもので。。などです。

あとがき

厚手の生地といっても、このたびのインテリア生地は比較的目が粗かったものになります。

それで何とか針が通って完成まで至りました。

生地の厚みだけを見ずにその織密度をじっくり見て、スカスカなのかぎゅうぎゅうなのかで縫っていけるものとそうでないものに分かれていく岐路もあるかと思います。

とにかくこのたびは良い研究になりましたし、オシャレに仕上げる一定の成果も出ました。

ファスナー使いの隙間の解消は製造業者としても悩みどころ。

ただ、完全密封には他の対策が及ぶことはありません。

製作者の創造をはるかに超える荒々しい使いっぷりの現実、実際にバッグが使われるシーンを事細かに想定した強化箇所【202】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、製作にゆがみによる失敗があった1点のミニリュックを頻繁に自分で実際に使っていく中で気づいた驚くべき実態をお知らせして、製作のヒントになればとお話させていただきます。

結論からは、ハンドメイドバッグの作り手が、自分で使ってみることというのは新しい発見があるということです。

製作はあくまで使う手前までの事でしかありません。

その後の事は使っていかないと浮かび上がってこない事象なのです。

必ずしも上品に取っ手を持ちながら入り口を開閉するわけではないバッグ使用場面の現実あれこれ

ずっと同じものを使っていくと慣れて、ついつい荒々しく乱暴になります。

新しい頃は気を使っていますのでそれほどでもないですが、だんだん馴染んで慣れてきた頃というのは、何かしらの重要なヒントがある時期であると思いました。

実際に使わせていただいているのは、このニット素材のミニリュックです。

横向きに長財布がぎりぎり入るような小さなもの。中側にポケット2個。トップには取っ手の調節機能付き。
このように角の位置が対角線上に並ばず、歪みが起きてボツとなりましたことで自分で使うことにしたもの。

しかも、白黒というのは、まさに普段着としてコーデしている黒コーデにマッチしまして、大変使いやすいです。

何も考えず、このリュックを持って外へ出れば、自然に黒白コーデが成り立つので気楽です。

黒のバッグに少し柄が入っているといった感じを求める女性の何人かに過去のバッグの販売でご縁がありました。

黒白系はネット写真ではなかなか映えにくいものの、実際には多くのお洋服に使える色味だと見ています。

さて、このリュックを使っていく中で、意外と乱暴で荒々しい使い方をしてしまっているというのが、具体的にどういった場面なのかをショット写真で数点ご紹介。

なかなか興味深いものですねぇ。

もしかしたら、同じようなことを皆が気づかず無意識にやっているのかもしれません。

では、無意識な荒々しい使い方「あるある」まいります。

①ファスナーで持ち上げてしまう・・・ファスナーを開閉すると同時に思わずファスナーを持ち上げてしまう。

無意識というのは怖いものです。

気が付いたらこのようなすごいことをしておりました。

ファスナー開閉時にリュックを宙に浮かせながらファスナーを持ち上げることも。。

この時に、ファスナーで全体の重さを支えていることになります。

そうすると、対策として浮かぶのは、ファスナー取り付け時の縫いを強固にすることです。

二重縫いはその対策としてはなかなか良かったかと思いますので、今後このまま実行していきます。

②フラップポケットのフラップを宙に浮かせた状態で持ち上げる・・・これは①のファスナーに似た使い方。

なんと乱暴な。。しかしながら、実際私も使う中でこれを普通にやっていました。

そう考えると、こういう場面も大変荒々しいですが、実際には考慮せねばなりません。

ということで、これまで行ってきたフラップポケットの蓋の縫い付けを、裏側に「当て芯」をして、更に二重縫いして取り付けていますことを今後も続行です。

③ショルダータブの強固な取り付けが求められる・・・ショルダータブは縫い付け時に3度縫い。

ここは、支えとなる部分なので、やはり、多重縫いにより強固な縫い付けが必須です。

④片方のショルダーだけで肩に背負うことがある・・・不安定な状態の時、物を取り出そうとする時です。

そうするとこの対策としては、タブを強固に取り付ける具合というのも、目標をこの片方の1つのタブだけで全体を支える場面があることの想定のもとでなければなりません。

あまり深くそこまでは考えが及んではいませんでしたが、あの小さいタブ自体、そしてその縫い付けの両方にパワーがないといけないということですね。

接着芯は必須。強固にするための接着芯であるという目的に貼ります。

そして、縫い付けも今まで通り3重縫いです。

タブの幅もあまり狭いものではなく、ある程度広めの方が丈夫です。糸で縫う部分が広い程強固です。

ブランド物の高級バッグでポンとスタイリッシュなタブが外れてしまった過去を思い出します。

小さい物だと侮るなかれ、小さなショルダータブこそ主役のような取り付け方をする必要があるのです。

⑤カンが傾く・・・そもそもこの角カンがまずいということで、Dカンに徹底し直し。

角カンは向きが変わりやすいので不向き。Dカンの方が安定して使えます。

⑥糸の始末がほつれてくる・・・これでも玉結び玉止めを一度はしっかりやっての結果です。更なる対策は↓。。

その後、現在では、この結び目を隠れたところに出して、強固にコマ結びしています。

この写真の時は、見える位置で結び目を出してしまっていたのもこんな風にぼそぼそと見える原因になってしまいました。

テトロン糸はつるりとしてほぐれやすいので特にこうなりがちです。

よって玉止めを隠す場所の見つけ方も重要になります。

ポイントとしては、溝となっている箇所を近隣で探し、そこへ針を使って糸を移動して玉止めを行うということをこれ以降の製作に徹底しています。

⑦ファスナーのつまみで持ち上げることがある・・・最初の①に類似ですが、つまみ部分を持ち上げるケース。

対策としては、つまみをただの飾りではなく、丈夫な素材で強固に取り付けることです。

以上7点ですが、使っていく中で見つかった荒々しい使い方の場面とその対策でした。

では、使っていく中でとても良いと感じたところはあったのでしょうか?

次にそれを1点お伝えしたいと思います↓。

使っていく中での角の擦れの有無で分かる生地の良し悪し

バッグの角っこは傷み具合を測るには必ず見る箇所だと思います。

今回の素材というのは、「スポーツメッシュ」というニット生地です。

混率は、ポリエステル/94%、ポリウレタン/6%、日本製。

この素材で作ったミニリュックの角を見てみると。。全く傷みが見られませんでした。

傷みが出ていないスポーツメッシュという生地。・・・過度の擦れは直すのが難しいので素材は重要です。

今回のこの生地は、こういった結果からは、擦れにくい生地であると言ってよいかと思います。

良質の定義も様々かもしれませんが、長く持てるということになると、擦れが全く起こっていないということが「良質な素材」の1つの目安になるのではないでしょうか。

摩擦に対して柔軟性がある丈夫な生地だと言えます。

スポーツ着目的に製造されたこの素材の一番の「売り」でしょう。

あとがき

このスポーツメッシュという生地は、ユニークで面白みがありますが、決して高価な生地ではありません。

コストが高い生地こそが良い生地だと表面的な判断はするべきではないことを、今回の検証からも実感しています。

もし、高額生地=良いということにしてしまうと、製造のお品が「生地頼み」の作りとなってしまい、その製造者であるハンドメイド作家の役割がありません。

生地というのはあくまで「材料」であり、「製品」として仕上がるその間の「製作」には多くの「自分の考え方」を込めて表現していくのであり、その「表現」こそが実は一番伝えたいものが詰まっている重要な部分なのです。

これを多くが忘れられ、かわいい生地や素敵な生地さえあれば、その作りや考え方を深く見ることに目を背けられている現実を感じます。

「心を込めて」とか「精魂こめて」などという言葉がありますが、あの言葉は確かな文言であると考えます。

黙って物1つ作って売れることだけでも1つのコミュニケーションであり、人同士の対話だということになります(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

ちょっとブレイクタイムにもハンドメイド、直線縫いしかできない職業用ミシンで「即興刺繍」トライしたうさぎさんがのんびりたたずむ風景画【200】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

少しリラックスした気分で、特に何かその先に目標があるわけでもないことを今回ミシンを使ってやってみました。

あまりそんな風に作業することがないので、時にはこんなことも良いのではと思いました、

それは、短い時間でやってみました刺繍です。

刺繍も奥が深いと思います。

ミシンなら、層を分厚くして、カチコチになるまでたくさんの糸を使って膨らんだ感じになるものが本来の刺繍とよばれるもの。

また、手縫いなら枠を張って、そこへ多重の糸でカラフルな色の組み合わせで針を刺していきます。

けれども今回は、いたってシンプルで「我流」です。

職業用ミシンで直線だけでシンプルに行う刺繍をしてみました。

刺繍のテクニックは持っていませんので、普段のミシン使いのみの技術そのままで行います。

刺繍のデザインは、うさぎさんのいる風景画を可愛らしく考えた

この際好きな場面を風景画にしていこう、そのように思いました。

特に下書きとか線を付けたりせず、突然浮かんだ風景そのままをミシン縫いで描いていきます。

ただし、やるからには綺麗な始末にします。

糸は、玉結び/玉止めの端っこ部分をすべてすっきりと裏側に隠します。

ではまずは、木からスタート。

木の幹。外側は茶色の糸、幹の部分はベージュ色。
木の葉の部分。アフロヘアーみたいにまあるく。
うさぎの顔。ぷっくりかわいいうさぎをイメージします。
うさぎがくつろいでいる様子を表現。
お花を刺繍します。
完成です。うさぎさんの目は黒糸なので目立ちませんが多重に1針目ずつの返し縫いで頑張りました(^_^;)。

まるで即興演奏のような「即興刺繍」を終えての感想

刺繍は、一流ブランドが行っても、どこかおぼこさが出るものです。

私の場合も思いっきり子供っぽくなりました。

風景画だからこうなりがちなのもありますけれど(^_^;)。

今までやってもみなかっとことをやり終えた不思議な気持ちがありました。

思ったより出来上がってしまうものだと。

ルールや縛りがないので自由だったからこそできたことだと思います。

ブレイクタイムに肩ひじ張らずにやった作業の中から何かを得たのかもしれません。

良い体験でした(^-^)。

一度やってみてください、完成すると何か特別な気持ちが味わえます。

あとがき

直線ミシンだと、線が細いので刺繍の立体感は出にくいですね、当然です。

けれど、普段の、カーブ縫い、角のステッチなどの訓練が活かされる場面でもありました。

いつもやっている作業や行動をふとした時に違った形で新しい何かを取り入れてみることでその後の元の作業の発展になるヒントが得られるかもしれません。

極端な例ではございましたが、新しいアイデアにお役に立てればと思います。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

装飾面よりも大切な事、ひらひらと人魚のように何段にも飾るフリルと、そこにどうしても必要だから設置されたシンプルなフリルとの機能面の違い【190】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

エレガントさを表現できるモチーフの1つに「フリル」があります。

今回、ある必要に迫られて、どうしてもフリルを付ける必要がある状況が出てきました。

このことをきっかけに、フリルにおける「装飾」と「機能」について考えてみました。

フリルは装飾性のあるモチーフなイメージが強いのですが、この度の発見は、「機能としてのフリル」だったところがポイントになります。

フリル使い引用の時のヒントになればと思います。

ハンドメイドバッグの製作手法の限界を感じた縁っこライン

ハンドメイドバッグをいろいろなデザインで展開していきたい場合、どうしてもある壁にぶち当たるような気がします。

それは物理的な無理です。

バッグは基本的には、表地と裏地の「袋同士の合体」です。

そのような典型的な作りがトートバッグとか巾着バッグに展開されることが多いです。

袋と袋をつなげて重ねて1つにする作りということですね。

ところが、もっといろいろなデザインを試みていきたい場合、ひっくり返しに無理が生じたり、綺麗に作れないことがあります。

特に立体的な形が少々複雑になったバッグは、大変おしゃれで魅力的なのだけれど、作るのが困難であったりするものです。

そうした中で、工業製品にとどまらず、布でも作れるためのある工夫をしました。

それが、組み立て式の作りをしたバッグです。

簡単にご説明しますと、トートバッグなどが、表地と裏地を別々で容器に作って最後に合体していた作業を根本的に変え、最初から表地と裏地をくっつけて板状のプレートパーツに作り最後に組み立てるのです。

この時点でひっくり返してあるので、縫い代がすべて隠されています。

よって、最後はそのまま端っこを頑丈に組み立てて縫いつなげるというやり方です。

この方法でこれまでいろんな過去に経験したことがないデザインが一応完成まで行くことができました。

バニティーとかケリーも作ってみたことがあります。

今後もこの組み立て式の作り方は取り入れていきたいとは思いました。

難しいデザインもこれが可能にしてくれるこのやり方は何か新たな道が開けたと思っていました。

ただしかし。。ここにもやはり壁がありました。

組み立て式の作りの壁

この組み立て式にも壁があります。

特に裏地を表地とかけ離れた色にする場合に目立つことですが、ひっくり返した隙間から裏地が見えてしまうのです。

これが、面白いととらえるか、裏地が見えてしまって縫い閉じられていないととらえるかなのです。

そして、カーブの部分などが、綺麗に組み立てるにはぴったりと重なることに限界を感じる時があるのです。

綺麗に重なるようには縫い付けますが、この重なりがいかにも手作り感が突出しているような気もします。

この写真の製作は、かなりうまくいった出来上がりの方なのですが、それでも後々もやもやしたものが残るものです。

よって、この製作手法にもある一種の壁と限界があるのだということを思い始めました。

そこで、考えました。この縁のラインを隠すことをしてみようではないかと。。

それがフリル使いです。

表地と裏地の真ん中にフリルを挟み込むと、ガラリと縁のラインの視線が変わるのではないかと考えました。

縁のハギ目カバーの役割をしながら、かわいく装飾してくれるフリルを付けた箇所

ということで、フリルを施したのですが、結局今回作った「おにぎり」というデザインの場合、その他のデザインの場合もほぼ全体の総フリルということになりました。

飾るフリルとは意味が違います。

必要な箇所すべてにフリルをするということをやった結果たくさんのフリルの付いた豪華に見えるデザインになっただけなのです。

こんな風に1mほどの長いフリルを2つつなげるくらいの量を1周分に用意。
そして、フリルを本体にミシンであらかじめ縫い付けしておきます。

ちなみに、おおよそフリルの生地の分量は、クシュクシュになるには3倍くらい使うので、1周x3倍分の長さの細長い生地が必要です。

今回の5mm巾がちょうどすっきりと品の良い幅のフリルに出来上がるかと思いました。

フリルの作業が増えたことで手間と時間はかかりますが、出来栄えに迫力が出ました。

以前と変わった縁のラインにご注目を。

フリルに視線が行くことと、そもそも問題の溝の部分がフリルで隠されました。

これこそが、「隠すという役割=機能」ということになりました。

「フリルリュック」:<サイズ>縦23cmx横31cmxマチ12cm。

完成した正面のハンドバッグとリュックの2WAYです。

このデザインががリュックになっているとは意外かもしれません。

けれども、リュックにもなることで、ぐんと使う場面が増えると見込めます。

リュックのショルダーはリムーバブル。ハンドバッグに使いたい時は外せます。

背の所にポケットも付けていますので、パスとか切符とかタオルなど、すぐに取り出したいものを入れておくには外側に1つポケットがあるとよいと、ここにお付けしました。

底面にもフリルが付いている徹底ぶり。ここにただの装飾ではないことも読み取れます。

あとがき

フリルが多い=エレガントなのかもしれませんが、そのつもりでフリルを付けていません。

あくまでもバッグのラインのどうしても美しさが実現しにくい部分を隠す役割として取り付けたところ、結果フリルにボリュームが出てエレガントになったということになります。

今回はたった1つの例。

これをいろんなアイテム、いろんなデザインに「アイデア」の1つとして引用していただけそうです。

今までのフリルに対する固定観念を見直す機会になるかもしれません。

「なぜ」の理由をそのデザインに落とし込んだ一例です(^-^)。

種類が豊富でないタオル地をいかにして1点物としてリュックを作り続けていけるのかのご提案【182】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在<タオルシリーズ>という製作を企画して種類の違うタオル地を集め同じデザインの簡易リュックを作っています。

そうして、素材の違いによる雰囲気の違いなどをお伝えしております。

タオル地はすべて同じの織り方一辺倒ではないことにまずは驚いています。

ループになった本来の日用品のタオルにそっくりなイメージのもの。

スタイリッシュに高級感ある毛並みのパイルカットがしてあるもの。

その違いで同じタオル地といっても展開があるところに注目しています。

そして、混率も綿/100%だけではなくポリエステル/100%もあり、このたび製作の生地も後者の部類になります。

タオルシリーズは今回がラスト、今までと違ったフリル付きフラップへのアレンジでご紹介していきます。

タオル地のイメージは「癒し」とか「心地よさ」であるところが特徴

タオル地は、以前にインスタグラムで反響のよい素材であることが分かっています。

「かわいい」といったお言葉をいただき、タオル地が「ふんわりとして心地よい癒しのイメージ」を抱かせてくれるみたいなのです。

1点だけあるデザインをタオル地で作ったことも以前にはあったのですが、それよりも、3点を連続で製作していくこのシリーズの面白さがあります。

一気に連続してタオル地を深堀りすることができたことは貴重でした。

タオル地というのは、普段見ている日用品の親しみある素材です。

この日用品のイメージが大きいタオル地をバッグにすること自体「切り口」が新しいのです。

リュックになった完成品から見たタオル地の雰囲気とおしゃれ感

<サイズ>縦27cmx横27cmxマチ10cm。
<表地:濃ピンク>パイルニット無地、綿/75%、ポリエステル/25%、日本製。
<裏地/リボンひも/フリル:黒>生地名不明、ポリエステル/100%、日本製。

タオル地の出来栄えは上々です。縫い目が中に沈み、ふんわり感がより出ています。

今回だけ、フラップを大きくしてみました。

そして、コントラストを黒で付け、ジャージ素材のニットのフリルを縁にあしらうということを初めてしてみました。

前の2点は6角形型の小さめサイズのフラップでしたのでこれでかなり印象が変わってきます。

フリルをただの飾りと考えてしまうと「流行」という軽いその場限りの装飾であり、価値が薄れます。

なぜフリルが必要なのかをお伝えできるほどの意味のあるフリルの引用の仕方の方が「永久的なデザイン」になると思っています。

今回の場合だとピンクの中に良い位置にコントラストを付け、黒コーデと合わせやすくしたという「働き」が出来ました。

そのほかには、フリルでフラップの縁のぼやけたラインをカバーするなど、「欠点を隠す」とか「縁を美しく強調する」などの働きがあると考えています。

タオル地のバッグはまだまだレア

「タオル地ありだな」、と思ったことの1つににバッグとしての素材のレア感があります。

親しみやすい日用品としてごろごろしているタオルですけれど、バッグとなるとレアなもの。

生地としてはあまり豊富にはないのが現状です。

夏用のサーファー用のヤシの木がプリントされたようなものなどを過去に見かけたことがあります。

この「ヤシの木」というキーワードは、季節が夏に限定された季節感を表現したもの。

実際私も、このタオルシリーズは、夏をきっかけに知ってもらいたかったので、夏とは縁のある素材です。

しかし、使っていく中での使い心地の良さに、いずれは季節感を無くして、いつでも使いたいようなバッグだと思ってもらうということが目標です。

あとがき

今後もタオル地には注目していきたいと思っています。

もっとさらにいろんな工夫をしながらとことんタオル地を引用してみたいのです。

キルトをかけてパイル特有の糸のほつれを軽減したり、素敵な裏地の組み合わせで同じ色でも多種の展開ができたりすることを見込んでいます。

素材が限られた中での工夫は良い成果を生むこともあり、タオル地という豊富でない素材ならではの縛りから何か新しいことを考えていけそうです。

新しいことは、「枯渇した」中から思いつくものみたいです(^-^)。

あのいつもの親しみある日用品がリュックになったら。。を実現したふんわりかわいいタオルリュック【178】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ数日<タオルシリーズ>としてタオルの素材に特化したリュックの製作をしています。

同じタオル素材とは言え、ちょっとした織り方、混率、色の違いから同じデザインながら少しテイストの違いを出していくというもの。

デザインは、「簡易リュック」。

【176】の記事でも触れたのですが、タオル地にこだわったバッグというのを製作し続けるというのもエッジが効いています。

無地のタオルのシンプルさを裏地に柄を配して華やかさのバランスを取るのも工夫の1つ。

このデザインには一番向いた素材だけを当てはめるというような拘りによって、製造者側のモットーとしている「軸」をお伝えすることができるのです。

そう思えたのも、バッグをご購入していただいた経験からのヒントであったり、インスタグラムでのアップ時のコメントであったりという、とてつもない人数の中からのごく一部のありがたく貴重なご意見やお客様があってのこと。

なので、これまでいろいろなデザインをいろいろな素材で製作してきた中で、そこから得た独自の製作らしいテイストに絞っていくタイミングの時なのかもしれません。

タオルがそのままリュックになる喜び、パイル地の気持ちよさと雰囲気

今回のパイル地のタオルはクリームベージュがメインです。

配色使いも同じパイル地で迷彩柄のような色のカーキグリーンミックスです。

左上から、反時計回りに、表地(タオル地)、配色(パイル地ニット)、裏地(楊柳)です。
<表地:ベージュ>ベビータオル、綿/100%、日本製。
<配色:カーキ>パイルニット、綿/100%、日本製。
<裏地:ベージュ>楊柳無地、綿/100%、日本製。

今回は、配色生地を入口フラップとショルダーに使うという配色使いをしました。

ショルダーは幾重にも折り込みをしますので、今回のパイルニットのカーキグリーンは、厚みが結構あるモフモフしたものになりました。

「簡易リュック」:表側。サイズ27cmx27cmxマチ10cm。
ショルダーの調節機能のないミドルレングスの簡易リュックです。
カーキが差し色になっていますね。

このカーキのように厚みがあって、扱いにくい生地をうまく中側にソフト厚芯も入れ込んで綺麗に仕上げるコツは自分なりに見出しております。

後で貼りますYouTubeを是非(^-^)。

あとがき

【176】の記事でもお話致しましたが、このデザインはもっと工夫する必要がありまして、

物をたくさん入れた時に重みでマジックテープ仕様の入り口タブが外れてしまう点です。

それでも大丈夫なようにと内側に巾着紐を設置してはいますが、まだまだ考慮が足りないということになりました。

別の生地で恐縮ですがこのたびの【178】の制作は、これと同じ仕様になっています。

しかし、もっと入口をしぼり切る工夫として、数年後の2023年には、ここからぐんと仕様を変えました↓。

こちらの方が口の閉まりは確かな頼れるものになります。

当記事も最初のアップが2020.08.10なのですが、そのまるっと3年後の2023.08.11現在リュックをナップサックに変えて巾着として絞る仕様に行き着いています。

よって、この記事の「簡易リュック」は発展前の初期型だと思って見てもらえると良いです。

簡易リュック型のまま行くなら、マジックテープではなく「ヒネリ錠」や「差し込み錠」もありますが、穴を開けたり布にカットを入れることに戸惑いを感じてきまして廃止しました。

現在は、特にそういった生地を傷つけるような金具を使わなくても、生地だけで工夫できることがあるというところで考案しています。

それは、「生地を大切に優しく使ってあげる」というサスティナブルの活動の一環となっているのです(^-^)。

タオル地を「夏」だけにとどまらず「オールシーズン」素材として解釈したふんわりリュック【176】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

いよいよお盆が迫ってまいりました。

お盆も過ぎると秋の入り口に。。夏はあっという間なのですね。

タオル地のリュックを夏をきっかけに持ち始めるというタイミングが1つ考えられます。

タオル地は、まずは夏のイメージ。

リュックのショルダーが皮膚に触れたときの心地よさを想像すると夏に快適な触り心地であることが想像できて、やはり最初に持ち始めるきっかけの季節というのは、夏なのかもしれません。

しかし、タオルもループタイプやパイルカットタイプなど種類が分かれていて面白みがありますし、あえて季節感を出さないことで意外なバッグになるかもしれません。

高級感あるタオル地のチョイス、「シャーリングタオル」という生地の利用

今回の生地はブルー色がかわいい「シャーリングタオル」という生地。

そして、裏地にはそのブルーと調和する小花柄プリントのガーゼ。

ふんわりした表地には、ふんわりした裏地を合わせます。

<左:表地>シャーリングタオル、綿/100%、日本製。<右:裏地>ガーゼプリント、綿/100%、日本製。

シャーリングタオルには斜めに筋が入っていまして、厚みがあって高級感もあります。

タオルという名前が付きながらタオルっぽくないところがスタイリッシュです。

合わせる裏地は柄物の方が奥行きが出て、楽しくなるようです。

表地の色が裏地のマルチカラーの柄の中に入っている合わせ方がポイント、柄全体の青味な感じにマッチして相性が良かった組み合わせでした。

出来上がりの角のふんわり感が魅力、すべてのバッグをタオル地で作っても良いというほどの素敵な素材だと気づかされる

思いのほか出来上がりが良かったです。

このシャーリングタオルという生地がとても素敵。

色違いの展開もあるので、すべての色試しても良いと思いました。

例えば赤色などは、このふんわりした色のおかげできつく感じないという印象です。

どの色でもやさしいふんわりしたバッグに出来上がるよう。

「簡易リュック」:<サイズ>縦27cmx横27cmxマチ10cm。
調整不可の固定ショルダーは丁寧なジグザグステッチ。
夏にノースリーブなどを着用の際には、きっとこのタオル地の一部が皮膚に触れることでしょう。
そして、中を覗けば素敵な小花柄の世界が広がります。中を開けた瞬間の「心地」が得られます。

このタオル地とリュックとの相性が、今回とてもマッチしていると感じました。

シンプルなデザインにめいっぱい広がるモフモフ感あるタオル地の良さが味わえるリュックです。

もしかしたら、タオル地ばかりにこだわったバッグの製作なんてのも思い切った拘りで面白いなどと考えた次第です。

表地のタオル地のカラー展開には限界がありますが、裏地は無限にあるという「半1点物」が実現できそうです。

あとがき

タール地は親しみやすいけれどもレア素材です。

あまり豊富ではなく、ほとんど無地しか見つかりません。

よってそういった生地は裏地の組み合わせとかデザインで面白みを付けていくということが良いと考えています。

ただ、このリュックの留め具のマジックテープは、後に廃止しています。

重い物を入れるとすぐに外れてしまうマジックテープの力は頼りにならないと分かってきました。

この入り口の留め具の工夫が今後の大きな課題です。