まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
悪いクセなのですが、ついつい厚みのある生地同士を重ねてしまうこと。
重なる部分は力の支えとなる部分ですので大切なので、思わず丈夫く作ろうとしてしまうのです。
職業用ミシンもパワーには限界があります。
職業用ミシンを悩ませるのが、ゴブラン織り、デニム、帆布、ツイードなどです。
ゴブラン織りも、ゴブラン風ということであれば余裕なこともありますが、折り曲げるのも力が必要な本格的なゴブラン織りは、多重でバッグを作るには限界があります。
されど、この厚みこそが本物のゴブラン織の証でもあります。
このたび、ミルフィーユ状に重なる部分ができてしまったゴブラン生地で製作のミニボストンバッグの失敗例を見ながら、ゴブラン織り生地に対する職業ミシンの限界を知り、「ゴブラン織生地で製作可能なデザインとは?」をテーマに答えを出してみたいと思います。
厚くなり過ぎぬように工夫したハード薄芯の省略
通常、接着芯を全パーツに貼り、本体や口布、側面などのしっかりとしたいパーツには更に、ハード薄芯を貼ってハンドメイドバッグを作っています。
しかし、今回は特別。ハード薄芯は省略して貼らないことにしました。
ハード薄芯まで貼らなくてもゴブラン織ならば風合いには影響はありません。
その代わり、接着芯はベースなので貼りました。ハード薄芯を貼らない分少しごわついたタイプの接着芯です。
なんとか全部針が通ると良いのに。。と思いながらの製作で、かなり緊張の場面がありました(^_^;)。
影響の少ない厚みが控えめな裏地を選択
大花柄が迫力あるピンク地の表地です。
表地がかなり厚みある生地ですので、重ねる時に厚みが増し過ぎないよう、裏地は控え目の厚さで選びました。
そのかわり、丈夫さがありエレガントな雰囲気の織りのシャンタンです。
取っ手付け根部分をスタイリッシュにデザイン性のあるタブ付きへ改良
当然ながら取っ手を本体に挟み込む仕様では、縫えないことになりそうだと本体へあらかじめ縫い付ける方法をとりました。
以前にミニボストン型の取っ手で大きな課題だったのが、取っ手の付け根部分の不格好さです。
取っ手の付け根部分は綺麗に始末しても以前は結局この出来にしかなりませんでした。
長いことこんな風に縫い付けてきましたが、この部分はバッグの顔のような部分だと改めて思い直し、ここを美しく見えるように工夫。
取っ手の先端を六角形のパーツの中に隠しこむというデザインへの変更です。
付け根タブのデザインはいろいろアレンジできます。
取っ手の先端をしまい込むことで取っ手と本体がうまくなじむ効果が得られました。
同時に、取っ手の先端は、バッグの顔のような部分なのだという重要な学びがありました。
ミルフィーユの重なりが糸飛びを起こし不完全で終了
何とか無理矢理完成してしまいましたが、試作品に過ぎませんでした。
とても残念ですが、失敗です。
接着芯以外は貼らないという工夫、裏地を厚すぎないものに工夫と工夫したつもりでしたが、結果はそれでも縫えませんでした。
とは言え一応完成させたことで、限界部分をここでお見せすることができます。
一見何事もないかのように見えますが、底の縫い合わせ部分が作業の行きどまりを決定付けました。
ここまでの糸飛びは、穴が開いているのと何ら変わらないのです。
バッグの底の縫いが不完全な「失敗作」となりました。
接着芯を含むここまでのミルフィーユのような生地の重なりが本格的なゴブラン織りでは不可能だということです。
ミシンの針、ミシン全体のパワーがゴブラン織りの頑強さに負けた瞬間でした。
ゴブラン織り生地を問題なく縫える裏地付きデザインの考案
極力重なる部分を失くす仕様の1つ、裏地付きで口を閉じないトートバッグ型です。
こうした余計なヒダや動きの無い寸胴なタイプのバッグがかえってゴブラン織りの作業を可能にします。
裏地で覆われている高級感もありますので、裏無しはやはりカジュアル。
裏地は付けたいのです。
あとがき
もともとゴブラン織りの生地は椅子に貼ったり、カバーにしたりと一重仕立ての使い方を目的にした織物だと思います。
それをバッグに作るという点がそもそも「チャレンジ」になります。
インテリアの中で面積を広く柄をめいっぱい大きく使える使い方がまず1つはその良さを活かすベストな使い方だと思います。
あとは縫える工夫をすればバッグに引用も可能なわけです。
1つ注意点は、縫えない部分を出さないために作業を省略することを避けたいこと。
例えば、厚みがあるから縁をロックだけの始末のヒラヒラで。。などはあまりにゴブラン織りの良さが台無しです。
せっかくの良き材料をしっかりと受け止めて相応しく、それ以上に価値を出せる製作をしたいものです(^-^)。