個性はデザインだけじゃない、サイズに特徴を入れていくビッグセルヴィッチデニムリュックの姿が見せてくれるもの【750】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび、とても大きなリュックのオーダーを近所の方から賜りました。

ほとんど勝手に詳細を進めてしまったのですが、そんな中でも忠実だった唯一の事が、「サイズ」でした。

ペットボトル2Lが横向きに5本くらい入る容量というのがかなり具体的でした。

そのようななリュックは山登りなどの特殊な分野のものしか見たことが無く、セルヴィッチデニムでビッグなサイズを作るところに希少価値が生まれました。

入れるものが決まっている場合は型紙を作りやすいのですが、ポケットにデザイン性も入れていったところがセルヴィッチデニムならではの製作になったのではないかと思います。

カジュアルなイメージのデニムなのに裏地を設置し、エレガントな解釈をしたところもご覧いただければと思います。

リュックでも取っ手を2個とも付けたことが使い方の可能性を広げた

ビッグリュック:サイズは縦57cmx横39.5cmxマチ17cm。パーツによってデニムのロットが違います。

背の部分のポケットはタオル入れなどにと設置。

フラップ付きで隠れながらも取り出しやすいです。

フラップは、セルヴィッチデニムの「赤耳」の部分をデザイン性を出してボーダー柄にパッチワークしたもの。

ロットが違うので生地の濃淡がありますことを味わいに。。

多くのパーツが残り生地をかき集め1つにまとめたものとなります。

そもそもデニムでリュックが珍しい中、思い切ったビッグサイズでさらに特徴を出します。

この写真の上の方の取っ手がリュックによくある1点ではなく2点である所に、ビッグリュックを手で持ち歩くシーンが持ちやすく引っ張る部分を均等な圧力にしてくれます。

大きなリュック程ちゃんとした2点の取っ手があることが良い効果となるようだと感じました。

裏地の素材は、同じ綿/100%でデニムと足並み揃えつつもエレガントさを忘れなかった先染めチェック

裏地はこのようなシックなチェック柄を使用しました。ジャケットやスラックスのイメージの柄です。

先染めは、高級感があります。

表地のカジュアルな綿の素材であるデニムに合わせて、綿/100%のチェックを選択。

なかなか厚みもあり、デニムとのバランスも良いです。

大人が持つデニムに相性の良いような無彩色なチェック柄、デニムだからとビビッドなカラーに走らない冷静さを「主張」したのです。

セルヴィッチデニム素材と共にいずれも日本製の生地です。

実はビジネス用のブリーフケースと同じモデルが基本

今までもずっとこのお仕立てでやってきていますが、こういったファスナーが付くタイプのバッグは、デザインすべてが、基本的には同じ作りです。

表地と裏地の縫い代をあらかじめ隠す「中表」でひっくり返し、プレートを「外表」で組み立てていく方法です。

レザーのブリーフケースに見られるような作りですが、布で作られることはほとんどないようです。

ブリーフケースを縦に伸ばしたのがこの度のリュックのデザイン。

反対に小さいものへもアレンジが可能ですし、マチを広げてボストンバッグにしても作りとしては全く同じです。

あとがき

セルヴィッチデニムリュックにはご使用の際の注意点があります。

ショルダー部分が、雨の降り始めや大雨の時であると、白いTシャツなどの洋服に色が移る場合があります。

天気の良くない日での利用を避けるか、ダークカラーの色のTシャツやお洋服をデニムと接するアウターに着ることをお勧めします。

天気の良い日は、白のTシャツなどにデニムが爽やかで◎。

ただ、場合によっては、汗で染色がにじむ可能性もあるので、いずれにしても白いお洋服にはお気を付けを。

これまでのアメカジ風なデニムの装い方の大きなくくりの流行がいったん終わったとうなことが囁かれました。

デニムにパンプスをはいたり、スラックスのような感覚でエレガントなトップスと合わせたりなど2015年くらいから、確かにエレガントなデニムのはき方を追求しています。

この度のリュックもどちらかというとエレガントにデニムを装いたい場合にはよくマッチするものになったのではないかと思います。

内部の裏地の選択は無限です。

花柄にしたり、別のチェックを選んだりなど可能性にあふれているところに楽しみがあります(^-^)。

メッシュパンプス用のごわついた素材で作った巾着リュック、本来の目的のアイテムではない物の製作にずらす新鮮さ【745】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

リュックが1点完成しましたのでご紹介したいと思います。

名前は「餅巾着」。

バッグにメッシュ素材は時々ありますが、大変ユニークで、元はパンプスに使われるごわついた素材、混率はナイロンです。

ごわついているからこその良さというものもありまして、なかなか面白いものになりました。

本来いかにもそれを作るための素材のイメージを良い意味で裏切るような意外なアイテムへの「ずらし」の面白さをどうぞこのたびの例から引用してみてくださいませ。

とても意外、メッシュ素材が縫い易かったことで綺麗に出来上がった喜び

メッシュ素材は、ごわついて一見縫いにくそうなイメージでしたが、これが意外に真逆の結果でした。

もしかしたらメッシュの厚みなども関係するのかもしれませんが、このたびのメッシュ素材の場合に関してはとても縫い易かったです。

折り目もきちんと付き、まっすぐに出来上がるのが特徴です。

生地の重なりもずれにくく、非常に作りやすかったのでした。

さすがに、ハード薄芯は必要ありませんでした。

十分にハリコシがもともとあるので、入れたところで変わらないのです。

接着芯はメッシュですので多少透けますが、この場合は黒色がマスト。

接着芯も思いのほか相性がよくピタッとくっついたのでした。

完成:「餅巾着:もちきんちゃく」。<サイズ>縦27cmx横27cmxマチ11cm。

右側にひょっこり出ているのは、入り口のリボン。

裏地の共布ひもの先に表地のタブで飾っています。

背の部分:ショルダーは調節可能。取り外してトートバッグオンリーでも使用可能。
中側の構造:巾着袋が丸ごと設置。空きの部分の多い巾着型のセキュリティー性の弱さをカバーします。

内袋の入り口の空きがやはり気になるところで、本来薄手の二重仕立てが良いのですが、生地の不足で一重仕立てで厚手を利用したことがここに表れました。

これも貴重な学びです。

ここで見えている幅広の共布ひもは、入り口用の巾着ひも。

内袋の巾着ひもとは別なのです。

内袋の巾着紐:こんな風にミシンで6mm巾の出来上がりの共布ひもへ作っていきました。
内袋の入り口:メイン口のリボンの中には、更に巾着の紐が現れます。6mm巾の既製品を使わない拘りです。

あとがき

すべての裏地パーツを共布で行うことによって、中の構造を一見分かりにくくし、セキュリティー性を高める効果もあります。

まるで昆虫が植物に擬態化して姿をくらますかのように。。

今回のメッシュ素材の類似素材があと2点ございます。

連続してメッシュ素材で同じモデルをお作りしていきますので、次はどんなメッシュの素材なのかをお楽しみにどうぞ(^-^)。

ロックミシンを使わず一重仕立ての巾着袋の縫い代を隠し込む最初の三つ折りステッチ【744】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグ製作歴15年以上が経過。

随分いろいろなバッグを作ってきたものです。

ほとんどが表地と裏地を合体させる裏地付きタイプですが、むしろここ最近になって一重仕立ての製作もするように。。

初製作の2007年頃は一重仕立てからのスタートだったわけですが、その時の縫い代は、既製品のパイピングテープを生地の色に合ったカラーで選択してどのバッグにも縫い付けていました。

あれこそ難易度もあり、ややコスパが悪いと後になって思います。

実は裏地付きよりも一重仕立ての方が縫い代始末に悩むことが多いものです。

むき出しの縫い代をいかにスタイリッシュに隠していくのかがポイントになるのです。

このたびは、縫い代に更なる附属品を使わず、本体生地そのままを三つ折りする方法で仕上げるやり方をお伝えしたいと思います。

雑貨作り、カバー作りなどに大いに利用できる方法の1つだと思います。

先に三つ折りをしておくことで、早めに縫い代を解決してしまう

マチ以外のすべての縫い代をあらかじめ1枚ずつで三つ折りをします。7.5mmずつ折ることが作業しやすく丈夫。

その後は、通常のように巾着袋を地縫いしていくのです↓

内側の完成:巾着袋が一重仕立てで縫い代がすっきり隠れたものになりました。

表から見てみますね。まだひもを通していないです。↓

マチ部分の縫い代はこのままで大丈夫。本体と裏地のマチと一緒に挟み込みますので、隠さなくて良いのです。

以上のように、先に三つ折りをしておくと、見通しが早いです。

しかし、地縫いの時に凹凸があり縫いにくいので、ずれやすいのがデメリット。

待ち針でしっかり押さえ、目打ちなども使用してガクンとずれないように縫うことが注意点です。

あとがき

結局このデザインは、本来の裏地x2枚と巾着袋の裏地は4枚ということで、裏地だけで合計6枚のパーツというものすごいパーツ数です。

そこそこ厚い生地なので、二重仕立てで作るところを一重にアレンジ。

薔薇の生地が一重分しかなかったからでした。

このたびアレンジの機会があって、「一重仕立てならどんなもんだったのだろう」ということがそのとろんとした出来上がりで分かった気がします。

結果は、厚みのおかげでそれなりに存在感はありましたが、口にすき間が出来ていることが厚みある生地は本来望ましくないと言えます。

口がしっかり閉まりながら、ツンと立つには内袋の巾着袋自体が薄手で二重仕立てが望ましいということになります。

「餅巾着:もちきんちゃく」というデザインなのですが、はるかに表地より裏地の用尺が大きいバッグです。

「裏地は附属的なもの」という考え方への挑戦状なのです(^-^)。

バッグの取っ手の付け根タブの正八角形の向きが途中から分からなくなる、地の目の向きを裏側に印する方法で解決【742】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

織物の生地には、「地の目」というものがあります。

つまり縦の方向を指すものです。

生地の原反(げんたん)を見たことがある方はイメージが湧きやすいと思います。

生地屋様の店舗には原反ごと置いてありますので、ネット通販ではイメージしなかった現実を知ることができます。

両縁が「耳:みみ」と呼ばれ、人間をイメージした場合に天地の向きの縦に立つ人間の両端に耳が付いているイメージに重なります。

この縦向きというのは、実際に製作においても重要です。

というのも、生地によっては小さなパーツの地の目が違うことさえ、目に映る色の濃淡の違いが出来上がりが粗雑さに見えてしまうからです。

このたびは、裁断後にバラバラのパーツになった時に地の目の縦向きを把握し、縫い付け直前まで間違いのないまま続行できる対策をお伝えしたいと思います。

裁断直後に実行されることをお勧めします。

正方形・円形・多角形など向きが分かりにくいパーツの地の目の把握の対策は、裏面に書くチャコペンの矢印

「取っ手付け根カバー」というパーツ:正八角形でもないのですが、パッと見ただけでは向きを時々見失います。

この写真のような正八角形に近いパーツは縦と横の向きが混乱します。

そんな時手で横に引っ張ってみたり、縦に引っ張ってみたりして縦横の地の目を探ります。

硬い方が縦向きであることが9割型です。

例外が、カーテン地や外国産の生地です。

この話はさておき、硬めの縦向きと分かった時に、すぐに印を打ちます。その印がこちら。

周りの1cm縫い代線を邪魔しないよう、真ん中あたりにこのような縦向きを記した矢印を書きます。

アパレル業では型紙にこの矢印が使われまして、型紙における地の目の向きを表しています。

間違い防止とスムーズな作業への1つの貢献になると思います。

あとがき

待ち針を縦に打つことでも対策が出来るかもしれませんが、アイロンでの熱防止に外すことがあるかもしれないので(トップの部分が溶けます)、パーツに記載してしまうという発想です。

上述のように、生地にも意外に「向き」があることがあります。

プリント柄の柄の向きは当然ですが、無地であっても細かい毛並みが「並毛:なみげ」なのか「逆毛:さかげ」なのかという時に無視すると出来上がりに色の濃淡が目に映ることになるのです。

むしろ無地の生地こそこの知識を念頭にご注意下さいますと、せっかくの品物が美しく整然と出来上がることにつながると思います(^-^)。

ハンドメイドバッグの未完成品の収納、傷みや汚れ防止とむさくるしくないインテリア映えの大判スカーフの活用【735】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

じっくりと時間をかけるハンドメイドバッグの製作では、1日で完成することがありません。

非常にもどかしいところですが、途中で切り上げ後日再スタートとなります。

進捗度が高まりますと、バッグも立体的になっていきますので、保管の仕方を工夫するようになります。

そのような途中の「未完成品」を収納する方法として、品物を傷めずふんわりと包み込むような保管の仕方を考えました。

それは、風呂敷代わりに使う大判スカーフです。

大判スカーフは、生地をのストックにも利用しています。

このたびは、そのようなふんわり包み込むように収納した「風景」のような見方で、インテリアの一部としてご覧くださいませ。

大判ながら丈夫で薄手のスカーフが風呂敷よりもグッド

半完成品であるのに細かくたたむのはやはり望ましくありません。

できるだけ大きく広げたまま収納できるには、大きなスペースのとれる大判のスカーフがよいです。

90cm四方周辺は寸法があった方が良いかと思います。

素材がガサガサしたものはつぶれ気味なのでツルツルタイプのシルクやポリエステルがグッド。

そうしますと和風の風呂敷などはあまり向いていませんので、生地自体の畳んでストックの方へ回した方がよろしいかと。

ふんわりと包み込み、未完成品を一番上に置くのが良いです。

スカーフと聞くと、シルク/100%のイメージがありますが、収納の場合はむしろ、シルクよりもポリエステルの方がしわが寄りにくく、厚みがあり丈夫。

装いのアイテムではないので、機能性重視です。

それでも、好きな柄を選びインテリア映えに至り、私の場合であれば薔薇が心地が良いのです。

何気ないようで収納は意外とインテリアの一部だと

むさくるしくごちゃごちゃ置くよりも、整理整頓をびっしりとすることで、現在のストックの把握もしやすくなるのです。

あとがき

小花のカラフルなスカーフは、入手時の面白いエピソードがありまして、同じお品を同時期に別々で4点入手しています。

古着屋様、ネットなどでほぼ同時期に同じものを集めました。それくらい魅力的な柄と使い心地です。

「ジュン」ブランドのものでした。

これだけたくさんあったということは福袋向けだったものでしょうか。。

想像するのも面白いですが、とにかくマルチカラーが非常に感じが良く明るい気持ちになれることが確かです。

整然とした「風景」はその中で作業する製作や技術に幾分か影響するのではないかとさえ思えてくるのでした(^-^)。

人の心に響くような品物には必ず「真心」が入る、取っ手の4本ステッチの等間隔を「美しく並びますように」と願う心【732】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

世界中に知れ渡る伝統ある「ハイブランド」様、いかに数々の研究や技術を高める努力の日々の繰り返しであるかを知り、大変刺激を受けております。

そのレベルはともかく、表面的な「模倣」や「コピー」ではなく、そういった「姿勢」についてもっと学ぶべきなのではないかと。

その「名声」や「ブランド価値」のみに甘んじていては企業存続にかかわると、いつ座を奪われるかも分からない熾烈な他の伝統あるライバルとの競争の最中(さなか)にあるのが「ハイブランド」様の実態なのです。

そのこだわりの徹底ぶり、とことんというほどまでの研究が当たり前であるというような姿勢こそ真似をするべきではないのでしょうか。

このたびは、見る者を「あっ」と言わせるほどの美しい仕立ての根底にあるものは、「良い物をお届けしたい」という「気持ち」なのだということを綴りたいと思いました。

一目見て、「あっ」と言わせるような美しさのある部分を目指す箇所:4連ステッチに込める思い

バッグの取っ手や支柱に使う4連ステッチの技術:いかに等間隔に針目を美しく仕上げるかがポイント。

この4連ステッチの取っ手は、かなり初期のころから取り入れています。

一番最初の芯地も何も入れないペライチな袋物だったころからの発展として、まずは接着芯である薄芯を全面に貼り、中にもソフト厚芯などを入れて取っ手の貫禄や持ち心地を高めるものになっていきました。

そのステッチの綺麗さ1つとってみても、まずは幅が均等であることの美しさ、美しいためには適切な糸調子であるべきで、いくつかの細かな徹底した追求の末に技術が生まれると思います。

写真のようになったのはごく最近の事で、かつては、幅が不統一、縫い線も脱線してしまうこともありました。

縫う場面以前のアイロンがけの折り線付けの段階での徹底も綺麗な仕上げには大いに関連してきます。

そういった流れ作業ではあるけれども細かな作業の集まりが1つの技術となって結果美しくきらりと光る独自の特徴にまで行けるかと思います。

そして、4連である理由も、その幅では一番綺麗に映るのが4本であると感じたことからそうしています。

3本だと1本少ないので、作業が進むなど、そういった考えを横に置いてでも追求したい本数だったのが4本でした。

結局は、当方の都合だけでは考えなかったという点です。

徹底的とか、拘りとか口では言いますが、実際にどこまでの追求であるのかどうかは出来上がりがその答えを教えてくれるというとでも言いましょうか。

その辺りは、こちらの製造側以上に、お品を選ぶ購入者様側の目というのが鋭いもので、ちゃんと手間をかけてあるものかどうかは 結構見抜かれます。

とても厳しい目をお客様は持っていらっしゃるのです。

¥5,000以上のお品を販売しようとすると、すでにそういった点が物を言います。

¥3,000台は、格安の量産のお品でかわいいのが多くあるので、そこを超えていかねばなりません。

ステッチをするときに、心の中にその整然とした佇まいのステッチを見て、うっとりと眺め微笑むユーザー様の姿をイメージするのです。

あとがき

ということで、このたびは、技術を高める例として、長年お作りしてきました取っ手・支柱のステッチを例にとってみました。

とは言え、この4連もすべて線を引かずして等間隔にしていくわけなので、プロと呼ぶにはまだまだといったことを思う時があります。

偏って幅が均一でないこともしばしばあるのです。

難しい部分である箇所こそ技術の見せ所、そういう点を特に訓練と研究で磨いてゆくことに注視したいものです。

「やりにくいヶ所を綺麗にできる技術」を高める根底には、「良い物をお届けしたい」他者様へ与える「give」の気持ちが入っています(^-^)。

チェーンはUラインやサークルラインだけじゃない、PT850製Y字ネックレスのマニッシュなテイストへの一目惚れ【722】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ネックレスがカーブを描いたあのイメージだけだと思ったら、いやいやそんなことはありません。

このたびは、Y字と呼ばれる素敵なラインの多重ネックレスをプラチナ素材でご紹介したいと思います。

「タイ」みたいな存在に「マニッシュ」な装いをイメージしました。

当「本物志向のレンタルジュエリー」のラインナップに入っていきます。

Y字ネックレスをどのように解釈していくのか、是非美しい真っすぐラインを活かしたい

Y字ネックレスというのは、メンズ分野では一時期流行がありました。

天然石ブームの2010年代に、クロスチャームを先に吊り下げた小粒の天然石のY字ネックレス。

某「ミュージシャン」様にあこがれてメンズ分野で沸いている様子でした。

一時期メンズ向けにシルバー925ベースでハンドメイド製作し、2015年辺りに販売。

実際に音楽活動をしている方を含め、複数の方にご購入いただいたことがあります。

そのコメントの中で、ステージで利用するとおっしゃってくださいました。

ギターを弾きながら、リズムに合わせてネックレスがゆらゆら踊る姿を想像して「にんまり♪」とした記憶があります。

このマニッシュな感じのY字ネックレスをかっこよく、エレガントに装える本格派ジュエリーのPT850製でご紹介したいと思います↓。

Y字ネックレス:PT850製。まずは、Y字フォルムを見ていただきます。こんな風に遠目からは目に映ります。
チェーン1本は2mm厚。なかなかのボリューム。長さは先端で72cm。Y字路の地点までは60cmです。

この松の木の幹のようなチェーンが柄のように素敵な雰囲気を出してくれています。

3点セット(前案):真っすぐな線を3点でリンク。ブレスはPT850。リングはK18WG台にガーネットとヘマタイト。

↑これで前案です。前案は2022年の事、ここから2024年にはセットが二手へ別れていきました。

その後、ブレスとリングはペアで別のネックレスのところへ移動します↓。

この方がまとまりがより徹底されたと思っております。ネックレスはPT850。

では、当のY字ネックレスはどうなったのかです↓。

3点セット(新案):ネックレスの「二重」モチーフを3点共リンクを意識した3点セット。

あとがき

パンツルックだけに限らず、このY字のV部分との重なりを意識したV字の襟のお洋服にかっこよく馴染みます。

これほどに一目惚れのアイテムでしたが、無論、私がこれを付けて楽しむお出かけなどはございません。

レンタルのお客様が付けていただく専用のアイテムなのです。

それでもこうした組み合わせが完成しただけで、随分心が躍りました、事業者の役割とはそういったものです(^-^)。

一重仕立てで作るデニム・帆布・ゴブランに有効、ロックミシンの始末を袋の内側で視界から隠す方法【716】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

縫い代の始末は、裏返しの袋物にとってはいろいろ工夫する機会が多いものです。

かつて、某一流ブランドポーチの縫い代が何も始末をしていなくてそのままであったことに、とても納得できず、そのままひっくり返して、出来上がりのまま家庭用ロックミシンをかけたことがあります。

危うくて危うくて、使うにあたって安心できない不安定な心持ちになるようなお仕立てだったのでした。

それなのに「ロゴ」のかわいさ、いわゆる「ブランディング」の力がものすごいもので、手放さなかったのです。

量産品ということでああいった作りのお品を入れ込んでいるのか、それでも納得できるものではありませんでした。

それを手を加えてリフォームすることを拒むなどということをもし主張されたならば、本当に矛盾です。

そのポーチは仕事用のペンシルケースに使っていまして、毎日使っていますので、そのロックの効果は非常に大きいのです。

リフォームをしなければとっくにパンクしているところでした。

縫い代も5mm弱といった際どいもの、そのようなきわどい縫い代で作ることはありません。

ロックのおかげで購入後約20年程になるところですが、現在も良好でお気に入りのペンケースです。

そんな感じで、縫い代始末にはうるさい者が、そういった体験からの教訓を、ハンドメイド製作に反面教師で活かすということもしています。

今回は、ロック始末をするだけではなく、さらにそこから発展的に、視界に映る美しさを追求したお仕立てを「セルヴィッチデニム」の例でご紹介したいと思います。

セルヴィッチデニムは、一重仕立てで製作することも多く、その他帆布の厚みがある号数のものやゴブラン織り生地などにも同様に引用していただけます。

巾着袋が一重仕立ての場合のサイドの縫い代の始末のロックミシンの隠し方

一重仕立ての巾着袋を作る途中では必ず縫い代の始末の悩みが出てきます。

裏地付きというのがいかに製作しやすく、縫い代が隠しやすいものかを実感するのが一重仕立てで製作の時です。

こういった一重仕立ての分厚い生地で作る場合に縫い代が丸見えなのです。

そこで、あらかじめ最初から四角いパーツの四方にロックミシンをかけてあります。

それでも、袋の中をのぞいた時にロックミシンが丸見えでは、高級感が半減。

その先の、一歩も二歩も踏み出した積極的なお仕立てがございます。

両端部分の拡大写真:地縫いの後両割れ15mmの半分7.5mmをアイロンで半分に折り、真ん中にステッチ。

その真ん中がおよそロックミシンの幅の右端に当たるので見た目が綺麗。

この後再びアイロンで両割れのクセを付けると落ち着きます。

そして、袋の中をのぞいた時に下のような見かけになります。↓

整然とした縫い代始末:視界には、ロックミシンはめったに映りません。裏側に隠れているからです。

このロックミシン隠し効果は、摩擦によるほつれの防止という機能とデザイン性あるコントラスト効果の美しさの両方です。

あとがき

今回のようなこのロック始末の仕立て1つにしても、「美学」がそっと入れ込んであるのです。

こんな風にして様々なヶ所、様々な品物に、「技術」とか「哲学」を入れていこうと日々思案しながらの製作になります。

一度、そんな目で細かいヶ所を見ていただくと、「一流ブランド」として現在も君臨の「ハイブランド」様達がなぜあのような座をキープできているのか、なぜ継続して広く人々に注目されているのかということの裏にある驚くような研究と努力が理解できるかもしれません。

「ハイブランド」様から感じた良質なお仕立ての姿勢を参考にしながらの研究の成果です。

真似をしたり、コピーしたりということがいかに表面的で実りのないものかということ。

そこに目を向けるよりも、もっと本当の奥にある「精神」や「姿勢」の部分に注目して、「ハイブランド」様の優れたところから学ぶべきなのです。

本当に必要な時だけの利用がミニマムで哲学的、一重仕立てでどうしても縫い代が隠しきれなかった時こそロックミシンの出番【707】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

この1つ前の記事【706】では、ロックミシンの針の交換の時のポイントをご紹介しました。

何しろ針の交換だけに時間をかけてしまい、スムーズに行えるコツをお伝えしたかったからです。

苦い経験こそ、こうしてブログ記事に綴ることで、ご参考になる方がスムーズに行えることに役立てばそれでよいのです。

このたびは、ロックミシンの用途にスポットを当てたいと思います。

むやみにロックミシンをかけるのも糸をたくさん使ってしまいます。

無駄な使い方はせず、本当に必要な時だけの最低限の利用をお勧めしたいと思っています。

ロックミシンを使って最も効果と意味があるのは、どうしても使う必要があった究極の事態に助けてもらった時である

ロックミシンはできるだけ使わない方がミシンをいちいち交換する必要が無くて時間がかからないのですが、それでも必要な時というのがあります。

大きくまとめるとそれは、「一重仕立ての時」ということになります。

裏地付きのハンドメイドバッグでは、ロックミシンは全く必要としません。

一重仕立てですが、ロックミシンは一切使わず縫い代を完全に隠す方法でここまで出来上がるエコバッグ。

ロックミシンに頼らなくても、これくらい↑のバッグは一重仕立てで製作が可能です。

著作権フリーと謳うハンドメイドバッグデザインの中に、一重仕立てのエコバッグ「切餅:きりもち」というのがあります。

こデザインでさえも、ロックを一切せずに、三つ折りと縁のパイピングで仕上げる工夫をして現在に至ります。

では、どのような時に実際にロック始末を利用したのかをお伝えしてまいります↓。

セルヴィッチデニム生地のポケット:貼り付けポケットなどの一重仕立ての時にロックが必要でした。
1折りだけしてこのまま縫い付け、更に内側にもう1本縫い線を入れることでロック始末さえも隠れます。

上の写真は生地がカーテン地でしたので、なんとか三つ折りや共布パイピングが可能な範囲でした。

セルヴィッチデニムともなると三つ折りや共布パイピングが困難、もしくは不可能なのです。

このポケットもロック始末無しでも一応可能。

ヴィンテージジーンズのポケット内に手を入れるとゲジゲジしている様子が感じられます。

あれポケットパーツにはロックミシンが欠けられていない証拠です。

、補強という点も考えると、見えなくなる部分ではありますが、ロック始末をした方が断然良いと判断。

当然上品で丁寧なお仕立てになっていくことができます。

パンツのサイドのラインをテーパード風に削った時のリフォームのケースにももちろんロックミシンを利用。

このような感じで、一重仕立て、主にお洋服に関してはロックミシンがけは、必須作業になってきます。

さらに発展バージョンの使い方がこちら、ロック始末自体を隠して、擦れによるほつれ防止やスタイリッシュな見栄えを実現できます↓。

後の【716】の記事で詳しく解説しますが、両割れの縁にあらかじめロックを。そして、半分の位置にステッチ。
内部の様子:完全に裏側にロックが隠されました。擦れの傷み防止とエレガントな内部の2つの効果。

この半分の位置にステッチの意味は、ロック部分を裏側へ隠すための固定です。

本体には縫い付けてしまわないのですが裏側へ隠れるだけで随分整然とした印象になるのです。

よろしければ、【716】にもお立ち寄りどうぞ(^-^)。

あとがき

むやみやたらにロックミシンを使うのも手間をかけすぎて作業がはかどりません。

必要最低限で良いかと思います。

その必要最低限が、どうしても必要な時ということになります。

その「どうしてもロックミシンが必要だった」という紛れもない事実が大切。

そうしてかけられたロックミシンはむやみに書けられたロックミシンとは全くの別物となるのです(^-^)。

最も単純だと言われているロックミシンでも注意しなければならない「針交換」の際に気を付けたいことのまとめ【706】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ロックミシンを時々使うことがありまして、このたび、その途中で針が折れました。

ロックミシンにはそれほど慣れていなく、入手も2020年が初でした。

中古品を「メルカリ」様で大特価でお譲りいただきまして、それ以来お世話になっているのは、「JUKI社」製の「MO522」という機種です。

針の交換に結構時間がかかってしまい、そのことからの針交換がスムーズにできるポイントを早速アウトプットします。

困ったケースのヒントや、どんぴしゃ同じケースにお役に立てれば幸いでございます。

何分不慣れでして、戸惑いながらの作業でした。

ポイント3点は①緩めるネジ②針の向き③試し縫いのチェック

今回針交換をしたロックミシン:「JUKI」社製「MO522」機種。2020年に中古品で購入致しました。

複雑なロックミシンの中では、極めて単純で分かりやすいとされているモデルのようです。

メカにはとても弱いので有難いのですが、ロックミシンは基本的には複雑なものなのです。

では、針交換の部分にスポットライトを当てた写真に移りますね。

この指の位置に針が設置。針を外す時に、指のすぐ上のマイナスネジと、左サイドのプラスネジを緩めます。

折れても、残りの部分が本体にまだ設置した状態なので、それを外します。

針を外すのは、手前のマイナスドライバーのネジ、同じ場所に設置されている糸通し(指で触っているパーツ)を外すのは左サイドのプラスドライバーのネジです。

これらは完全に外さずとも、緩めるだけで交換できます。

手前のマイナスネジは緩め足りないと針が奥まで行かないのでそこは注意です。

次に針の向きです。

専用の針を必ず選ばないと故障の原因。この場合は「HAx1」という針(家庭用)の14番針です。

間違えて、工業用の「DBx1」をはめようとされないようご注意を。

針の裏側はペタンコ。このペタンコが設置する時に奥向き(前後の後ろ側の方)が正しい位置です。

針を見ると裏側がペタンコなので、比較的分かりやすいです。

このペタンコを奥側へ向けて設置するのです。

ストレート縫い専用の職業用ミシン「シュプール:TL25」モデルなどは、溝が右側という向きだったりするので、その違いはご承知いただかねばなりません。

針を設置する前にプラスネジをゆるめた糸通しが少し邪魔なので、ぶらぶらしているのを奥の方へ移動して追いやることができます。

そして、針を先ほどの向きで設置して、マイナスネジを絞めます。

きちんと針を奥まで埋め込みます。

。。とここが取説にも書かれているポイント。

そして、マイナスネジを絞め、プラスネジを絞めます。

ここで手こずったのが、針が折れた時などに、はずみで糸が本来の穴に正しく通っていなかったりしていたのに気づかず、試し縫いをしてみたらループがちっとも出来上がりませんでした。

具体的には、機種が書いてあるカバーの中の糸通しが変な位置に通っていたということでした。

糸がループを作らなければロックになっていきません。

些細なことですが、多大な影響を及ぼしてしまいますので、ロックミシンは繊細なのです。

そして、直して再び試し縫い。綺麗な糸ループができましたので正常です。

こんな感じで、ロックミシンは少しのはずみで糸が外れやすかったり変なところに引っかかったりするもののようです。

ロックミシンはストレートミシンと違って、布を当てずとも空縫いで試し縫いができます。

よって、こんな感じで「試し縫いの前に糸の通りを目で確認」の必要性という学びが得られました。

ぱっと見だけで進めてしまうと、意外にも糸が変な通り方に物理的に変わってしまっているなどということもあるものなのです。

あとがき

以前に「家庭用ミシン」に付いている拡充機能の中のバラエティー豊かなステッチの中にロック始末が含まれていました。

それに比べると、ロック始末専用のミシンはとても縫い目が整って美しいものです。

布をフルに糸が覆う感じになります。

続きます次回の記事【707】では、ロックミシンを実際に使ったハンドメイド製作の記録のご紹介をした記事を投稿致します。

「セルヴィッチデニム」という厚みのあるデニムを使用していますので、一重仕立てで風合い重視で製作するようなケースにロックミシンが有効なのです。

合わせてそちらの記事もよろしければどうぞ。

ロックミシンの役割を感じ取り、効果的な使い方ができるようアウトプットしてまいります(^-^)。