ハンドメイドの製作で「ステッチの省略」を決して惜しむべきではない、見えない底力として本来重要な箇所である【1050】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

少し前の【1047】の記事ではスピーディーに仕上げるコツをお伝えしました。

今度はその逆のようではあるけれども、スピーディーながらも、これはやるべきではないということを注意点として実体験からお伝えしたいと思います。

一番良くない考え方は、手間を省いて品物を不完全な仕上がりにしてしまうことです。

タブーというほどのこの行為が量産ではよくされていることに非常にがっかりしています。

そのようなお品物は本来広まるべきではないのに矛盾を感じる点ですので、是非ご一読くださればと思います。

スピーディーであっても綺麗に仕上がっていなければならないところが「技術」である

1つは超高速みたいに、急ぎ過ぎることです。

ミシンがけも車が高速道路を走る時のように周りの景色が散漫になりがちです。

そうしますと縫い目のきめ細やかさや正確さがそがれることがあります。

一定のスピーディーさもあるのだけれど、やはり根本には綺麗に仕上げることがベースにあります。

そして、もう1つ、丈夫になっているステッチの箇所の省略です。

ファストファッションに見られる構造の中には、いかにその過程の一部の省略の効果でスピードを上げるかというのがあるようです。

以前読ませていただいた「ファストファッション」という本の中に興味深いお話がありました。

「消費者のお手元に届いた安価な洋服のステッチがほろほろと外れてくることがあるが、そのお値段ならば仕方がないと思える、むしろ、このお値段ならこの縫製で十分である」という感想。

それほどに、その出来上がりに惑わされて当たり前になってしまっているのです。

いかに、ファストファッション態勢で製造されたお品が消費者に良いお品選びを妥協させてしまっているのかという闇のようなものを感じたものです。

本当にそれでよいのでしょうか。

本来お品はしっかりと作られるべきではないのかというところは重視している点です。

そして、その良いお品をご購入者様にもご披露してご理解いただきたいということです。

ということで、良い作りの一部になっているような部分を省略するべきではないというのが2点目になります。

あとがき

まずは、販売価格の前に、綺麗にしっかり作ることがなければ、長い目で見て将来の実りは無いのではないかと思っています。

一時的な盛り上がりとか流行に乗るなどというのは、長い年月から見ればほんの一瞬の光のようだと思います。

地道ではあるのですが、今までやってきたことを0に戻すなどということがないよう、すべての事が活かされるような希望があります。

丁寧な作りをベースに保ちながら、それでいて素早く完成できることこそ「技術力」なのです(^-^)。

かわいい巾着袋まで附随の自転車カバーをナイロン撥水生地で製作も、自転車に湿気が生まれてカバーの意味がなく廃止後台所クロスへ【1038】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2022年には随分様々なことがありまして、その1つに、「引っ越し」という一大イベントがありました。

そして、引っ越し後わずか1か月程度で、2002年からずっと乗り続けてきた自転車(折り畳み式の「ジャガー」製)が完全に壊れました。

内部が完全に機能が停止したとのこと、もう一歩も前に進まないまでの状態でした。

限界まで乗ったということでしょうが、まだまだ綺麗なのにとても残念。

折りたたみ自転車はスタイリッシュでコンパクトな良さがありましたが、実際は内部がしっかりしていないのも事実。

そこで、折りたたみ式ではない自転車を新品購入したことで、雨しのぎのカバーを自作することに。。

100均のカバーを乗り始めにすぐに購入していたのですが、生地が良質ではなく、すぐに穴が開いてしまい、もっと良い生地で自作することにしたのでした。

巻き薔薇付きの収納袋まで作った自転車カバーが自転車になかなか馴染まなかった、雨に濡れて生地が湿気を閉じ込めかえって自転車が錆びた(泣)

あえて全部写していませんが、端が始末してあるだけの平面的なクロスです。6か所に共布ひもが付き結べます。

自転車はパイプが多いですので、ひもを結んで固定できます。

一番前はかご部分までの大きさがないので、ハンドルくらいからスタート。

置き場所の上に屋根も一応ありますので、もともと自転車の最後尾あたりだけがが雨ざらしになる飛び出し方だったのでした。

よって特に後ろの方を完全に覆う形で意識したのです。

このカバーも自転車以外にも使えるようなマルチカバー、2mx1mくらいのものです。

まず、メインであるシートですが、4隅をすべて三つ折りステッチ。

なかなか地道な作業ですけれど、きちんと作っておくと後々気持ちが良いです。

そして観音開きで作った共布紐x6点をミシンで均等に縫い付けました。

もしかして、違う使い方への変更もあるかもしれないとこの時思っていました。

そして、ここからが、余分な生地の消化です。

余っている生地を細長いダブル巾着袋へ。。

収納用の共布巾着袋:巻き薔薇も飾って可愛く作ってみました。生地はダークブラウン。巻き薔薇が映えます。

生地は全部使い切りました、もともと余って在庫の生地でした。

ただの収納袋とはいえ、結構きちんと作りました。

全く違う使い方への変更、その後はテーブルクロスとして永久的なアイテムへ

ただ、その後なのですが、実際に雨に対して降り始めにカバーを設置する手間がありました。

そして、なんと、カバーをしていることによってかえって自転車のパイプの一部が雨水が同じところに滴ったのか、錆び始めます。

ここで、カバーをやめる決断をしました。

そして、綺麗にお洗濯。

その後は、室内の台所のレンジなどを置くテーブルクロスとして別の使い方へアレンジ。

結ぶための6点のひもは取り外しました。

後の使い方(テーブルクロス):この方がしっくりきました。食べるテーブルではありません。

何たることでしょう、使ってみないと分からないものです。

自転車カバーはその後は無し。

飛び出していた自転車の後部は屋根の下へ完全収納で解決。

自転車カバーなど必要なかったという結果になりました(^_^;)。

あとがき

最初の方で、一瞬「別の使い方があるかもしれない」と感じている瞬間を書きました。

結構この考え方は大切で、1つのものを長く使っていくには別の使い方もあることを見込んだ、最初の購入時の想像も重要なのです。

たまたまクロスだったのでもっと他にもアレンジの仕方が思いつきそうなものですが、この平面こそ、後の使い方変更への融通があったのでした。

形が特に個性的なものや特化した使い方のものは慎重に購入し、もしこの使い方をしなくなった場合を想定すると、心境の変化などがあった時に継続して使うコスパの良さが確保できると思います(^-^)。

100%の事をした結果の失敗であれば無駄ではない、チャレンジの失敗はいつかの実りへの必要な学びと宝として大切に保管する【1026】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび、「起業と倒産の失敗学:畑村洋太郎 著」を拝読。

実際にあった事実を元に、著者様の鋭い推測も加えて、分かりやすく、読みやすく伝えてくれた本です。

このたびは、この究極とも思えるタイトルにもある、「失敗」との向き合い方をお伝えできればと思います。

失敗したことを嘆くだけではなく、被った損や打ちのめされた気持ちと引き換えに得るものが必ずあるという捉え方をする「クセ」のようなものが培われればと思います。

全力であったなら嘆くことは決してない、「失敗」すべてはその後の「資産」である

よく、「失敗から学べ」などと言われています。

本の中に登場の会社は、ベンチャー企業様などが発展していこうとする過程でどこでつまづいてしまって、結果閉業となったかが分析されていました。

「相変わらず」ということは事業活動にはありえない、「変化をしていく必要がある」のが当然です。

その発展の過程で、ある見直しや判断が必ずあり、その誤りもしくは昔のままでよいというミスジャッジにより、衰退ということがあるようでした。

変化する必要性は分かっていても、その判断が合っているのか間違っているのかがなかなか見えにくいことであるという点が「裁量」「直観力」「商才」などといったところでしょうか。

そもそも、失敗することに対する「恐れ」や「プライド」はまず最初に捨てる態勢に無ければ何も始まらないかと。

あとがき

会社は、従業員を大勢抱えている点がまず個人規模とは大きく違い、自分だけではないことの難しさがあると思います。

大きく動くので歯車が回り出すと大きく利益を生み出すけれど、それを急ブレーキかけることも困難であるため、途中の判断が非常に大切であるということです。

「ワンマン」という言葉がありますが、これも他のメンバーの意見に耳を傾けないことでの失敗があったり、逆に、他のメンバーにまかせすぎて、実際の会社の実態をしっかり把握していなかったということも原因にある部分もあり「ワンマン的性質」も時には必要なのかもしれません。

登場していたどの会社も一時はとても良い調子でぐんぐん伸びている時期があったわけで、その時にこそ冷静に考えないといけないのかもしれません。

著者様は、その廃業に至った事例の1つ1つに、あえて、短い一言で原因を添えられていました。

そんなか綴り方にもユニークな特徴がある本でした。

大規模小規模にかかわらず、会社形態、個人規模にかかわらず思うことは、「奢り」は禁物であるということ。

伸びない時にこそ強い志を忘れず、伸びている時こそ謙虚に。。そのような調整が本当の「強さ」のようなものでしょうか。

ちょうどのタイミングで下糸がなくなったケース、玉止めの下糸がほんの1cm程度のわずかしかない場合の手先を使った結び方【1024】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ミシンによるハンドメイドライフが長くなりますと、時々このたびのような状況があるのではないかと思います。

最後の玉止めをしたいのだけれど、下糸がちょうど終了してしまい、ちょんと短くしか残っていない場合です。

特にボビンに巻いた下糸はその終了時がなかなか予測不可能なのです。

普通に上糸と下糸を両方動かすと指がそこまで細かい部分に対応しきれず、途中で挫折。。少しのコツがあるのです。

では、この場合の玉止めの最もやりやすい結び方をご紹介したいと思います。

下糸が足りないことがほとんどで起こる玉止めの分量不足の事態の打開策、手先を使い短い方は立てて長い方を根元に巻き付けるイメージ

縫った生地の裏面。分かりやすくカラー糸で。上糸の紫色は長く、下糸の黄色は1cmくらいしかない場合です。

Youtube動画もこの後貼りますが、ほとんど指に隠れて映りませんでしたので、ここでは言葉と写真で具体的にご説明します。

玉止めは左右均等に両手で行うことがほとんどですが、こういった場合は緊急事態と言えます。

そもそものやり方を見直さなければ不可能だったことでおそらく自然にどなたもここに行き着くのではないかと思うのです。

<具体的なやり方>

短い方の黄色は上に立てて、動かさないですしほとんど触れないです。

紫色を黄色の周りに囲むように輪を作って、紫色だけを黄色の糸の根元に結びつけるようなイメージです。

短い方の黄色の糸は立てたままで、指を使って長い方の紫の糸を黄色の糸の根本に巻き付けるイメージです。

最後結び目を固定する時だけ、黄色の短い方もしっかり引っ張ります。

片方の糸が短くても、もう片方が長ければ結べるということが証明できました。

通常の玉止めのように二度結びますが、二度目も同じようにやります。

短いことで力が及びにくいので、指の先の方や爪を使いながらぎゅっと結んで固定して下さいませ。

完成:短かった糸の困難を見事克服して玉止めが完了しました。

****************

このケースではなくて、途中で下糸が終了してしまったりなど縫っている途中のケースに関しては、これも別のやり方がございますので【123】の記事をどうぞご参照お願いします<m(__)m>。

あとがき

些細な事ではありますが、なかなか手芸の本には良いコンディションでできることしか書かれていません。

こういったハプニングは各々がやる中で経験していくことになるわけですが、それでも、事前に知っているのはよりお得です。

そんな裏技みたいなことも今後たくさんお伝えしていきたいと思います。

要するにうまく出来上がれば良いので、野を越え、山を越え、良きゴールにたどり着けるようなやり方であれば、邪道でもないのかもしれません(^-^)。

①安全性の重視②取り出しやすさの2つを同時に実現したバランスの良いポケット、「フラップ付きの比翼ポケット」はハイブリッド型のモデル【998】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2007年「ハンドメイドバッグ道」なるものへ足を踏み入れてからというもの、様々なデザインのバッグを製作してまいりました。

素敵な大花柄を画角に収めるよう上手に配置し、麻の素敵なトートバッグがオークションで¥10,000以上の高値を付ける「ヤフオク」様の出品者様の方が非常にうらやましく、未熟な腕前に肩を落としたものでした。

あれから15年、やっとここへ来て機能と装飾を追求し尽くし、そこそこバッグらしくなった「完成型」のような姿に製作できるようになたっと胸を張って言えるようになっています。

その機能と装飾を兼ねたパーツの1つ、「ポケット」はバッグの中では重要です。

これまで当たり前に機械的に製作してしまっていたその凝り固まった考え方を見直し、「本当に相応しいポケットの姿」を追求しました。

そして、今ここに行き着いた、かつての「フラップポケット」と「隠しポケット」の合体の形のポケットをご紹介したいと思います。

フラップポケットのメリットと隠しポケットのメリットを同時に活かした混合型のポケット「フラップ付き比翼ポケット」の誕生秘話

2007年スタート時点の初期の中の初期にもポケットは付けていまして、このような吊り下げ式ポケットでした↓。

吊り下げ式ポケット(ぶら下がり式ポケット):最初に勉強しました青色のバッグの作り方の「本」からの引用。

トップを縫い代に挟み込む縫い付け方です。

一重仕立てでここまでの容器を作れる素晴らしさに当初は感動したもので、一重仕立てのサブバッグと一重仕立てのファスナーポーチに共通に設置しておりました。

ただ、デメリットとしまして、背面の柄の向きが反対になりますし、バッグ自体も接着芯を貼る二重仕立てへの変更に伴いポケットも二重仕立てへと飛躍。

次に二重仕立てで作る「貼り付けポケット」というポケットを数年利用↓。

貼り付けポケット:あまりに安全性が無いために、もっと深みのある構造へここから見直します。

作りが単純割には、必ず柄を合わせなければならない苦労を伴います。

柄合わせの勉強を兼ねて1年くらい取り入れてきましたが、ここからさらに発展↓。

フラップポケット:貼り付けポケットにフラップを加える形ですが、四角いコの字ラインが決まって歪むのです。

歪み解消のために、コの字ラインは伸び止めテープが必要になり、意外と単純ではありませんでした。

そして、貼り付け型はどうも容積が狭く感じるのでした。

綺麗に出来上がらないものは見直すべきだという思いが高まりましたし、貼り付けポケットはピンと張り詰める物理的な動き、マチが無いのであまり多くは入れられません。

ファスナー付き隠しポケット:セキュリティー性が抜群の完全密封のポケットですが、開け閉めにストレス。

このポケットの機能は、安全性の面はダントツですが、ファスナーの開け閉めに煩わしさを感じ始めました。

そして、元々色が合わせにくい既製品のカラー展開が豊富ではなかったファスナーを廃止。

比翼ポケット:ファスナーの代わりに布で覆い比翼を設置。スーツのポケットのお仕立て「片玉縁」からの引用。

もう1種「両玉縁ポケット」と呼ばれる真ん中で割れたポケット、こちらもスーツのお仕立てからの引用で作ってみたことがありましたが、開いたまま閉じないおさまりの悪さがありました。

両玉縁風隠しポケット:口が閉じないのでほとんど初期の貼り付けと安全性が変わらない様子でした。

「片玉縁風」のもう1つの役割り、屋根のようなひさしのアシンメトリーさこそ内部を見えにくくする1役となることに気付いたのでした。

それからというもの、もっぱらこちらの「片玉縁風」モデルばかりを採用しています。

ただ、この比翼は、物を入れることで少し口が開くことがあり、ダメ押しのフラップをこの上に縫い付けることで、更なる安全性を追求した姿になりました↓。

内部に設置するポケットにしていますが、フラップでゆったりと覆われ内部が一見分からないことがまず安全。
フラップをオープンすることで比翼の入り口が表れます。フラップは比翼から2cm離れた丈夫に縫い付けます。
初期モデルの頃の貼り付けポケットよりも隠しポケットは奥へたっぷりと融通が利くゆとりのあるポケットです。

こうして、ポケットの種類別のそれぞれの「メリット」をピックアップして出来上がったハイブリッド型のポケット「フラップ付きの比翼ポケット」が完成したのでした。

あとがき

「頑丈にし過ぎることはかえってストレスである」という使う時の「気持ち」をよく考えたバランスをとった最終的なジャッジが大きかったです。

確かに、ファスナーが付いていることで安心ではあるのですが、スムーズな取り出しができることも非常に大切。

製作する時に、自分勝手な押し付けになりがちなところを、出来るだけフラットに、ユーザーの身になって考えた時に1つの答えが見えてくることがあります(^-^)。

難関箇所はどこまで行っても解決はしない、取っ手一続きの袋の急カーブの三つ折りをギャザーデザインのように受け入れてもらう最大限の努力【995】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

先日ある1つの「YouTube動画」を拝聴させていただきました<m(__)m>。

ドーム型のパーツのカーブ部分を三つ折りする場面の動画です。

難関箇所を綺麗に仕上げるための何かコツはないだろうかと困った挙句の研究の1つです、動画の管理人様、ありがとうございました<m(__)m>。

カーブを縫う時というのは、重なり合った部分がある場合にはやりにくく、綺麗にはなかなかできないもの。

それは、物理的にペタンコの平面では限界があるからとも言えます。

その動画では、ドームのように膨らんだカーブで、生地が余り過ぎる場合のいせ込みをミシンを使った均等配分でやるやり方でした。

困っているのはその逆の事象であり、へこんだ「カーブライン」となります。

これは逆にカーブ部分の生地が不足になるというところがこれも同じように難関と言えます。

不足のピンと張ってしまったカーブの生地をどう広げていくのか、どう調整していくのかを工夫してみた記録です。

製作しているのはあのスーパーで今や有料になった、「レジ袋」です。

急カーブをどうしても出さなければならなかった理由はビニールのレジ袋そっくりであることに拘ったから

こういった取っ手が本体と一続きになっているレジ袋などが該当。ここに急カーブが4つ登場します。

1箇所どころか4箇所とものなりますと、かなりこの部分の視覚的な影響は大きいのです。

4箇所共に、半径2.5cmの円の一部を使いました。

円の一部を利用したカーブが一番美しいわけですが、さすがに半径2.5cmは難易度が高いのです。

それでも半径5cmにしてしまうと、元のスーパーのあのビニール袋からイメージが大きく変わるためにこの難関を持ったまま続行したのでした。

難関と分かっていながらそれなりに仕上げる対策としてお伝えしますので、必ずしも良質で100%美しく仕上がるベースを持ってのものではないことをまずはご了解いただければと思います。

そもそもベースとしまして、カーブの部分に、「伸び止めテープ:バイヤス」を4箇所とも貼ります。

まず、一気に三つ折りしてしまわないやり方が良いです。

三つ折りは2度折るので、一度目で一回区切り、ステッチで固定するのです。

アイロンをかける場所は、カーブの箇所に関しては、手前の「わ」の部分である先端のみ。

奥の方の部分は浮かせておきます。

この時に、わずかではありますが、カーブの真ん中1か所だけをハサミでカットを入れると少し広がりますので、もしかしてカットは少しは入れた方が良いかも。

カット無しでやったものと比べるとやはり、カットを入れる効果も大きいようでした。

いわゆる折る場所の線付けだけのアイロンになります。

そして、そのカーブの折り線の際をミシンでステッチ。

返し縫いなどは無し、玉結び、玉止めはします。

2度目に折る時に、はるかに位置がはっきりしてきます。

さらに2度目も、一度目のように奥は浮かせて手前の「わ」のみアイロンをかけます。

そして、縫う時にしわを、内陸部のような内側の広い方へ流しながら縫うのです。

慌てずにゆっくり綺麗にやることを目標にして縫うということです。

そうすると少し見栄えが良くなります。

この最初の固定ステッチというのは、内側に隠れてしまう部分ですが、なかなか効き目があります。

二度目に縫う位置は、一度目の固定ステッチの上をなぞるように綺麗に重ねます。

おそらく、どう工夫しても半径2.5cmの縁の一部の急カーブでは、ギャザー風にはなってしまうかと思います。

そうは言っても、極力ギャザーも均等になり、縫い目を邪魔するタックは内陸部へ押しやるというところが縫いのテクニックになるかと思います。

とことん研究して、ここまでが限界でした。

あとがき

こうまでして、元のレジ袋のビニール袋に似せた価値に拘りたいのか、製作しやすいようにアレンジしてしまうのかの判断は一度はした方が良いです。

このモデルは今後は作っていくことはございません。

「難関」→「美しく出来上がらない」という過去に何度も何度も経験をしておりまして、苦労しても価値の無い物を作ってしまうことが非常におかしなことをしていると感じるからです。

そして、何よりも作りながらの「心地」が気が気ではない、そのような製造に対する気持ちもあります。

これは決して身勝手な考え方ではありませんでして、気持ちよく心を込めて作れたものこそ美し出来上がると同時に、その内部に気持ちが宿るのだと思うからです。

不思議なことを言っているようでスピリチュアル的に聞こえるかもしれませんが、実際に難関をそのまま分かっていながら完成させた品物とは最終的に決別しています。

在庫ですら置いておくことができないほど、製造者はその粗悪さが本当は分かっているはずなのです。

画郭に収める絵のように柄を配置したインテリア巾着袋、大柄の生地で製作するバッグの柄の配置の研究材料になれば。。【990】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

過去の生地在庫を一掃することを兼ね、比較的短い時間で完成する「インテリア収納袋」を連続製作しています。

このたびは、生地の柄が特殊、柄が均一ではない大花柄の場合に狭い面積にどの柄の部分をあてはめていくかを、実際に選択した結果どう出来上がったのかという姿で見ていただくことができます。

大花柄と小花柄とではその柄の大きさによって随分判断が変わってきます。

大花柄の方が悩むことが当然多くなります。

「お花」や「盆栽」の世界も、ある枠の中に「小宇宙」を創るという伝統文化であり、そんなあたりに通ずるところがあるかもしれませんので、巾着袋を作るという全く同じ行為ではなくても別で引用していただける点があるかもしれません。

そもそも「小」になってしまった理由と実際に採用した大花柄の部分

さて、前にも記事などでお話させていただきましたが、この度のインテリア収納袋の製作というのは、生地をめいっぱい使い、材料を余らせないというコンセプトがあります。

在庫ストックの生地をめいっぱい使うと生地巾によって「大・中・小・ミニ」に分かれていきます。

このたびは、「小」で製作しました。

片割れをインテリアマットに使ってしまった残りの生地だったというのが「小」になった経緯です。

「小」:<サイズ>縦22cmx横19/43cmxマチ15cm。面積が狭い「小」に花の薔薇の花をこのように配置。
巾着を絞った時の柄の出方:赤い薔薇は、地のカーキグレー色に綺麗に映えます。お花を斜め上に寄せた配置。
<表地:カーキグレー>:朱子織薔薇柄ジャガード、ポリエステル/100%、ドイツ製。

この写真の赤い薔薇の配置ですが、薔薇はその他ピンクもこの生地の一角に柄としてありました。

なんとかして、ピンクの薔薇も入れたいと思ったのすが、そうすると、こちらの赤い薔薇もとぎれてしまうようであったので断念。

結果こんな感じで、左側から薔薇が「こんにちは」と挨拶をしているかのような配置にしてみました。

反対面も全く同じ位置を採用していますので、全く同じ左側の位置にこうして薔薇柄が出ています、前後の別は無しです。

正面を向けて使う意識はあまりせずによく、お気軽にお使いいただけそうです。

<裏地>ポリエステル/レーヨン混、ポリエステル/90%、レーション/10%、日本製。
※お詫びと訂正:YOUTUBE動画内の3:00以降で、<表地>の薔薇柄を「日本製」と字幕に記載してしまいましたが、間違えておりまして、正しくは、「ドイツ製」でした<m(__)m>。

あとがき

大花は柄の位置を意識する/しないで見栄えが随分変わりますので、普段から柄合わせや柄の配置の意識はあった方が良いです。

小花柄とか、水玉柄などの均等な配列の柄がいかに易しい製作であるかとうこともよく分かります。

この配置は、「デザイン性」だけではなく、「機能性」としまして、ジャガードの柄の部分の厚みが傷みやすい角に来ていることでメリットなのかもしれません。

ここへこの柄を持ってきたいなどと裁断の時にじっくり時間をかけ、出来上がった時の柄の素敵な配置の成功を祈りたいと思います(^-^)。

大人っぽい巾着袋ってもっとたくさんあっていいんじゃない?世の中のカラフルな巾着袋と対極の黒ジャガードの美しさをお見せします【988】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

過去の生地在庫の消化期間としまして、「インテリア収納袋」を連続製作中です。

このたびは、もともと生地幅が110cmというシングル巾の日本製の生地を利用させていただき、取れるサイズは「小」がマックスでした。

「中」には少し及ばなかったということで、余りが出たことで、残りの生地も後日使っていきたいと思うほどの魅力的な生地。

真っ黒ですが非常に美しく、最後まで紺と迷いました。。というのは、紺が黒とのバイカラーになっていて、いやはやこちらも大変魅力的だったからです。

結果的には黒を選択、黒はその後完売していまして、黒人気はやはり安定のものだと感じました。

日本製のフクレジャガードはレア、同じデザインでもふんわりと出来上がった理由は「空気」にある

インテリア収納袋:巾着型「小」:<サイズ>縦22cmx横19/34cmxマチ15cm。

ころんとしてとてもかわいいです。

薔薇の柄が完璧なまでの美しさです。

日本製のきめ細やかさが感じる柄だと思います。

海外物は素敵で華やかですが、全体的にはやや粗いと感じますので、日本製の素材の良さは控え目で上品な点ではないでしょうか。

刺繍のような糸の集まりの柄が強度を高め、ハリコシを生み出します。

<表地:黒>フクレジャカード、ポリエステル/100%、日本製。

そして、同じ型紙で全く同じように作っても、他の生地で作るよりも「コロン」とする理由は、内部の「空気」の集まりにあると見ています。

「フクレ加工」や「風通加工」は内部に空気が入ることで膨らんでいますので、その一部がたくさん集まった繰り返しの加工は全体では大きなパワーを生むのだと思います。

<裏地:Lグレーx黒>シャンタンフロッキープリント、生地-ポリエステル/100%、柄-ナイロン/100%、日本製。

このフロッキーは、一度表地として製作した過去もありますが、このたびのように裏地に使った方がどちらかと言うと納得しています。

こちらもワンピースやお衣装の目的の服地ですので、衣装生地同士のコンビのようで相性が良かったです。

巾着袋は田舎っぽいと思われがちですが、この素材で作ったのなら、何らメインバッグとして持ち歩いても素敵です。

あとがき

加工生地はどうしても高額。

それでも、原価の事ばかり考えて小さなアイテムをたくさん作ろうなどとするよりも、1点の大きなサイズを作った方が高付加価値ではないかと感じました。

美しい柄が広く使われた壮大さも「価値」の1つです。

当ブログ記事は、最初の投稿の2022.05.17からおよそ2年後の2024.08.20にブログ記事の手直しの順番でまさに今この部分を追記しています。

2024年の今、この生地を振り返りますと、選択は大正解だったと思います。

後にここまでの素敵な生地を表地、裏地共に見ていません。

そして、反省点は、当時の行き当たりばったりさも良くなかったのですが、もっとたくさんの分量で調達し、原価を抑えるなどということを後回しにして、「素敵な物を作る」ことを一番にするべきだったと。

いろいろ巡り巡って、今2024年では、こうした考えに至っています。

とにかく「最高のことをする、今できる100%の素敵さを作る」ということが目標になりました。

こうしたファッション系というのは、非常に芸術品に似るところがあるのかもしれなく、お金を気にしなくなった時にこそ本当に良い物が出来るのかもしれないとさえ思うのです。

商業的な「儲け」の考え方が、本当に良い物を生み出すブレーキをかけているのではないかと。

「生地が足りない、それでも大きなバッグを作りたい」という願望を満たした、間にシックなレースを挟んだはぎ目の美しいフォロー【986】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

過去の在庫生地一掃を兼ねた、比較的短い日数で作ることができる「インテリア収納袋」の連続製作をしております。

これまで10点程製作してまいりまして、この度もその続きですが、少し問題が当初からありました。

それは「生地不足」。

大きなバッグを作るほどの生地が一続きには満たなかったのです。

ただ、幸いにも、同じ生地が生地屋様の最終在庫で見つかり、2枚をうまくつなげて大きなバッグを作ることを考えたのです。

このたびは、「ハギ目」というデメリットがかえって「デザイン性あふれた装飾」に価値が加わる程のメリットで補う場面をお伝えしたいと思います。

「ハギ」は必ずしもデメリットではない、間にレースを挟み込み装飾性あふれた素敵な「切替え」となる

インテリア収納袋(トート型「大」):<サイズ>縦35cmx横44/64cmxマチ20cm。

<表地:チャコールグレーxピンク>ブリスタージャガードニット、綿/42%、ポリエステル/25%、アクリル/18%、毛/5%、ポリウレタン/3%(混率の中に7%分が抜けていますが、この情報しかございません<m(__)m>)、日本製。

<裏地:黒>リブニット、ポリエステル/100%、日本製。

このお写真でお分かりになるかと思いますが、下の方がハギになっています。

そこへシンプルな薔薇のレースを挟み込むことで装飾しました。

レースは、メッシュタイプなので、見えない部分には丁寧に伸び止めテープを補強に貼っています。

パッと見ただけではもう内部のことは分かりません。

この「ハギ」になった両パーツが、同じ生地を切り替えてある点の不思議さは、「1繋ぎの生地不足」の事情があると理解してもらいたい点です。

最初からこのハギ目あるデザインをしたい意向ではなかったということです。

もともと生地屋様にストックが短い30cm程ずつしかなかったのですが、4枚入手できたことで、前面、後面共にハギにして大きなサイズを作ることができたのでした。

ハギ部分のある本体を繋げてトートバッグに作って行く時の美しく仕上がるためのポイント

①裁断場面:型紙のハギの位置を徹底して合わせて裁断。

②レースを埋め込む時:一段階ステップを踏み、仮止めをする意味のステッチを先に入れておきます。その後、本体を1.5cmの縫い代で地縫い。

③ハギの両サイドの固定:ハギ目の溝部分の左右1.5mm程度の位置もステッチで固定、下側に関しては、レースの挟み込みの付け根を縫い付け固定することになります。

④本体の前後の合わせ縫いの縫い始め位置:ハギの部分からスタート。上からではだんだんずれてしまうから最初にここにステッチの針を刺すのです。

レースのハギ目のそろい:まずます合格。何も考えずにやるとここに段差ができてしまうことがあります。

⑤ステッチ糸のカラーのなじませ:ハギの両サイドのステッチは目立たない方が良です。表地のカラーになじみ、ニットに縫うことでさらに埋まります。

その他、最後段階のバッグの入り口の縫い閉じに伸び止めテープを貼ったりなども重要でした。

縫い糸の種類に関しては、普通の織物と変わらないテトロン糸で大丈夫でした。

あとがき

ハギ目のある大きなバッグを作ってみて思うことは、ハギ目があっても、大きなサイズの方がやはり「価値」は高くなるのではないかと思います。

目的に応じでサイズにも違いがあるのは確かなのですが、レアなサイズ感のビッグサイズはそれほど豊富には作られていないかと。

この出回り個数の「隙間」をうまく攻めていくと、大きなサイズに特化したバッグのニーズをつかめるかもしれません(^-^)。

摩擦や動きの少ないインテリアシーンの入れ物として特化の巾着袋と日常使いの巾着リュック、「気持ちの面」での比較をした【984】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在連続製作中の「インテリア収納袋」の製作を進めて何点か完成したわけですが、ここで一度インテリアに特化したバッグと日常使いのバッグとの比較をしてみたいと思いました。

「このバッグはガンガン使っていくバッグにしよう」「このバッグは美しいままを継続するために室内でひっそりと使おう」の対比をお伝えしたいと思います。

自前のバッグにおいてもこんな使い分けがありますので、そのスタンスがハンドメイドにも現れているのではないかと気付いた面白い点です。

美しく繊細な素材で作ったインテリアバッグは、その静かな使い方で長持ちさせる

「インテリア収納袋」の複数製作:トート型と巾着型に分かれます。どれも美しい生地ばかり。

最初の調達時当時は、これらの美しい生地でリュックなどを作ろうと思ったのですが、実用的なアイテムは、イメージだけでもまず「強度」が必要です。

そういった意味では、これらの9点は、室内でその美しさを眺めながら、収納の機能だけを果たし、静かに置いている方が、何十年もこの先も同じ姿でいられるかと思います。

その対極の気持ちでガンガン毎日使っているのがこちら↓。

巾着袋からの着想で考案の「ダブルナップサック」:表地にダイヤキルトをかけたもの。ジョーゼット黒。
裏地:ほとんど毎日使っていましておよそ1年位が経過。どこも傷みもしませんが使用感は出ています。紺色です。

特に乱暴な扱いもないので良い状態ですが、表地は、いかにも服地のジョーゼットであるにもかかわらず、傷んでいません。

デニムや帆布だけが表地として相応しいのだというイメージの考え直しに、一石を投じることが出来そうです。

このことは、「保管に特化」と「使用に特化」を使い分けるヴィンテージバッグ集めのスタンスに似ています。

使うと決めたナップサックの方はちゃんと使う、保管と決めたインテリア収納袋は収納のみとはっきり分けることは、心の中がしっかりと整理整頓されているかのような気持ちになり、とても気持ちが良いのです。

あとがき

ハンドメイドバッグを作る製造側の視点から最後にお話しさせていただいて当記事を終わりたいと思います。

実体験で感じた「気持ち」と同じようなスタンスが説得力あるお勧めができるに決まっています。

日常に使うようなバッグは、丈夫に機能性を考えて長持ちできるように作る、一方で非常に美しい生地は脆いことも多く、インテリアに特化して傷みを回避し、長持ちできるようにと。。

いずれも「気持ちよく使い続けていけるバッグ」を目指したものであり、人間の「心地」を大切にしていくスタンスなのです(^-^)。