お洋服に流行がある以上、その素材「服地」と呼ばれる生地にも流行はある、「モアレ」がバッグや雑貨にも向く理由のまとめ【666】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「ブーム」とか「流行」などといったキーワードがこれまでのファッションの根幹を支えてきたような気がします。

それがここ現在に至っては、流行中心のあまりに短か過ぎるサイクルが崩れつつあり、流行は無くても良いのではないかというような考えにまで至っております。

その材料である生地にも流行というものがあるのでしょうか。

あります、理由は流行のあるお洋服の材料だからということになります。

とはいえ、手作りの方ばかりが集まる生地屋さんにおいてはそれほど流行の波に乗りたい方は多くはないように解釈しております。。

というのも自作というところが流行のある量産品とは対極にある製作だからでしょうか。

そんな風に見ていた中で、珍しく複数の生地屋様の店頭でも生地の流行を見た気がしている素材が「モアレ」。

凹凸感があり、高級感もあるうねりの柄が入った「モアレ」の構造と、ジャガードとのコンビで実際に入手した生地の写真を見ていただきながら「モアレ」について深堀りしていきたいと思います。

「モアレ」とはどんな生地なのかを深堀りしました

そもそも名前の響きがエレガント♪。

見た目の木目調とも、ウエーブとも言える柄が素敵な生地です。

「転写」というプリント加工の1種なのですが、「モアレ」単独よりも、「ファイユ」や「グログラン」といった横畝(よこうね)の織りがベースの生地と一緒に組み合わせると素敵に柄が浮き出る効果もあるようで、実際に見たものはすべて横畝が入っているモアレでした。

モアレは、ここ数年急浮上したので新しい生地なのか。。と思いきや、いやいや昔からある定番とも言える生地だったのです。

手持ちでよくお世話になっている本、「洋服地の事典 -サンプル生地つき- :田中道一 著」を開きます。

学校の教科書のような、資料のような、実際に生地サンプルが丁寧に貼ってあることに大変驚く本。

昭和56年発行(1981年)の今から40年程も前の昭和の真っただ中の本です。

しかし、その内容は驚くほど定番です。

基本的な今でもずっと健在の生地達がぎっしりとリストアップされています。

もし、生地を1から学びたい時にもとてもベーシックであり、役に立つ本であると思い、時々開いて目を通すことをしています。

この昭和の本の中にも、ちゃんと「モアレ」が掲載。

「加工生地」というコーナーです。

少なくともこのころには生み出されていた生地であるわけです。

モアレのあの木目調のうねりは、もともと畝(うね)のあるピケのような生地をベースに後加工してできる柄になります。

生地はニットでなく織物がベースで行われます。

加工用のローラーには、横に走った線が彫刻してあり、加熱したローラーに畝の入った織物生地を通すことで、その線の段差による柄ができる、それがモアレだということです。

もともとモアレというのはフランス語。

「ローラー」とか「段差」というのがこの加工のポイントになります。

実際に出来ていく様子を見れていないのでイメージが湧きにくいですが、以前あれが、もともと織柄(ジャカード)だと思っていたので、そうではなくて、後加工のプリント柄だったのです。

後加工の種類には、他にプリーツとかフクレなどが思い浮かびますが、またこのモアレはそれらとは違った種類の後加工です。

モアレ織ではなく、モアレ加工という言い方が、実際の作業に相応しい呼び方になります。

流行っているような生地をハンドメイドバッグにあえて使わない方針

なかなかのへそ曲がりです。

少し流行っているような感じがするとそれには手を付けないという動きをしています。

ハンドメイドバッグにはモアレは一度もお作りしていないですが、モアレという名前ではなかったけど、これがそうかなと思う生地が1点のみ発見されました。

裏地に使おうとドットジャガードが気に入って、これにモアレ加工もしてあったという生地が見つかりました。

「モアレ」複合型の生地:ドットジャカードとのコンビなので複雑ですが、この木目柄はモアレだと思います。

ごめんなさい。映し方の向きが縦横反対です<m(__)m>。

生地名は、ジャカードテーブルクロス、綿/57%、ポリエステル/43%、日本製です。

モアレという言葉は使われおらず、ドットジャカードが主流みたいに名前が付けられていますね。

もともと畝の入ったベースにドットジャガードも入りモアレ加工もありと複合型で賑やかな生地だと見ることができます。

こちらの生地は、<はぎれ>のカテゴリーで投稿の【655】の記事で、「壁掛けメモホルダー」を製作しています。

「モアレ」は全体的に厚みのあるごわごわした素材感であることが多いです。

よって、カーテン・クッションカバー・バッグなど生地が丈夫な方が良いアイテムには向くことになりそう。

当初、バッグの裏地に使おうとしていたのですが、表地のニットに馴染まず、「壁掛けメモホルダー」に使おうとなった経緯がありました。

当生地で製作の「壁掛けメモホルダー」(【655】記事より)。

あとがき

このモアレという生地がなぜここ数年急浮上なのかきっかけがよく分かっていません。

ただ間違いなく、これまでよりも風格を表している生地のように見える1素材でしたのでこの度ご紹介致しました。

好むフクレ加工などはまだまだマイナーな存在。

今後の生地の発展の中で、後加工技術というのはもっといろいろ出てくるであろうとある書物で拝読。

しかし、アパレルのニーズが少ないとこういった生地もなかなか出番がないものです。

「モアレ」も昔からあったことはあった生地でしたので、まだ多くの人に知られていないトラディショナルな素敵な生地も他にも多く存在しています。

生地が好きで多く実際に取り扱うことも多い者ができることをこのたび発見。

昔からあるが、まだ多くの人には知られていなかったり、世代が大きく変わって、おばあちゃんはよく知っているけど、孫は初見だったりする魅力的な生地をお伝えすることを今後も続けてまいりたいと思います(^-^)。

10cm・5cm・2.5cmというきりの良い寸法を手早く型紙に表現、「アパレル専用型紙用紙」をハンドメイドバッグの型紙作りに利用【634】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

アパレル業界勤務において事務方は「原価表」を作成することがあります。

経理部とはまた違った、営業部署で「見積り」として初期に算出するものでした。

とにかく材料をすべて積み算することで原価を見積もることで、過去のデータも大いに活用しました。

その中で出てきた議論、「型紙は材料なのか」ということに対してなのですが、こう考えております↓。

「型紙は、1製品に必ず存在するもの、それなしでは製品を作ることができない。それなしでも製品を作ることができる「製品収納袋」が「消耗品費」という一般管理費の考え方に対しては、やはり「型紙」は「材料」なのではないか」という考え方を持っていました(20代の頃のお話)。

型紙はハサミや縫い針などの道具とは違うのだけれど、実際の製品にそのままの姿では登場しませんので特別な存在です。

こんな風に見解が分かれる型紙、ハンドメイドバッグにおいても大いに活躍しています。

その時に、バッグ専用として厚紙では作らず、お洋服と同じ、アパレル専用の型紙用紙を使用させていただいております。

このたびは、その型紙用紙がいかに効率的な寸法で示されているのかということと、その分かりやすさを大いに利用することの勧めを綴ってまいりたいと思います。

直線の多いバッグには向いている、1マスが5cm四方の型紙はオーソドックスなサイズ感に活かされる

「アパレル用型紙用紙」は、1マスが5cm四方。

10cm単位の単純なサイズで暗記できるほどの寸法の分かりやすさをいただけます。

そして、5cmの半分の2.5cmにも印が示され、2.5cmという数字もよく引用しています。

例えば、厚手の生地の三つ折りは、1cmずつだと縫い代が完全に隠しきれないことで、2.5cmの半分の1.25cmずつ折り曲げる三つ折りなどにも引用しています。

型紙は出来上がると、どのデザインのものかを示し、右下にシールを貼りながら、袋付きファイルへ収納。

表面には一度出来上がった完成品の写真を掲載し、イメージを分かりやすくします。

64穴ファイル用のフィルポケットタイプの袋の利用:型紙に関連付いた分かりやすい写真をピックアップ。

こんな風に収納して保管できるのも、用紙の適度な柔らかさのおかげです。

これでもかなりのアナログですが、生地で製造するものは今だに遥か昔と何ら変わっていないアナログな場面も多いのです。

何せミシンで手作業で縫っていくことこそハンドメイドなのですから。。

アパレル縫製工場様が実際に使っているという型紙用紙。特徴は茶のクラフト紙であること、柔らかさが中間的。

パッと見て見やすいとよく言われるグリーン色が線に使われているのが印象的。

この矢印の向きも非常に重要。

生地の地の目の縦向きにこの矢印を合わせて生地の縦横向きを型紙で把握しています。

この矢印もいろんな使い方があるので、商品自体の縦向きであったり、柄の方向だったりとバラエティに富んだ使い方ができると思います。

そして、このはっきりとした5cm四方のマス目。

ハンドメイドバッグも5cm単位での修正が多く見やすいです。

5cmくらいからの変更が目で見てすぐに変化が分かるサイズ感だと思います。

そして、さらにその半分の2.5cmに、ポッチが打たれています。

これも非常に使い勝手がよくて、きりの良い、22.5cmとか7.5cmなどで設定をして、鉛筆や定規を使わなくても良い型紙製作が可能です。

時に、多角形のデザインには、斜めにハサミを一度で印を目安にカットすれば、斜めの線であっても定規や鉛筆は不要です。

そして、カーブの時の円も、コンパスをこの用紙自体の目盛りに半径を合わせます。

サイズ変更などは、2.5cm単位で修正する方向にして、跡が残りやすく、記憶にも残りやすい修正をすることにしています。

よほどでなければ、ミリ単位などの調整はバッグにはそれほど無いです。

とはいえ、例外はあります。

細い紐用の共布パーツなどでは、ミリ単位で幅が違うと出来上りにも違和感が感じられ、1cm単位で区切ることをすることがありました。

用紙の幅に対する不満、以前あった細幅が廃版か!?、バッグの為の型紙用紙ではないと実感する場面

以前、この目盛りが入った型紙用紙の通常95cm巾の半分くらいの45cmというものをネットのお店で購入いたしました。

あれが、ハンドメイドバッグには非常に使いやすく、コンパクトサイズで良かったのですが、現在は見つけることが全くできていません。

上が95cm巾の現在使用のもの。中にマス目が印刷されています。下は45cm巾。

こういった型紙は良くなかったという例としましては、厚みがある下のようなものです↓。

お勧めしないタイプの型紙用紙:点線は2.5cmの部分。矢印や点が無いので使いにくかったです。
こうして比べると、確かに右の方が紙質は丈夫で厚手ですが、目盛りの分かりやすさは左がダントツです。

ところで、左のアパレル専用の紙質が中間的な柔らかさであることに理由があるよう。

布を裁断する際に融通が利くのがある程度柔らかさも求められるとのことからのものです。

あとがき

このタイプの型紙にしてから型紙製作にかかる時間が随分スピーディーになりましたし、綺麗に作れるようになったのが不思議。

型紙1つのことで、出来上がりにも影響していくことに驚きました。

それぐらい型紙が重要なアイテムであるということになります。

型紙に対して思うこと。

これ無しでは決して製品が出来上がることはないと考えると、目には映らないが、製品に溶け込むように存在している「デザイン」にイコールだという見方もできます(^-^)。

「夏素材」と呼ばれる生地のどんな構造が「涼しい触感」につながるのかを生地のアップと本からの学びで解説します【609】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ近年、夏という期間が非常に長くなったと感じます。

4月末-10月頭あたりまでの半年くらいは半袖姿ではないでしょうか。

それくらい全体では温暖ではあるものの、単純なものではなく、半袖の季節の中でも様々です。

半袖、タンクトップ、キャミと面積を狭くしていけば清涼感を感じるのかというと必ずしもそうではないようです。

お洋服の面積に限らず、素材自体の選び方の工夫もあるという見方をし、素材アップのお写真と本からの学びと共に夏らしい素材をご紹介してまいりたいと思います。

見かけも夏らしく、肌に清涼感を感じることが、「肌に触れる部分が一部に抑えられている」という構造によるところが共通になっています。

夏素材の名前と涼しくなるような作りや構造の深堀り

まず、いくつか夏素材でよく聞くものを挙げたいと思います。

1)楊柳

2)サッカー

3)リップル

4)ボイル

5)綿

上記から、有名どころを3つピックアップ致しました。

1)楊柳(ようりゅう):凹凸感でシボができています。山の部分が肌に当たらないので、肌に当たる部分が半分。

空洞部分が通気性をもたらすことも相まって、こうした凹凸感ある加工が涼しさを作ります。

2)サッカー:均等な凹凸感が役半分の肌に触れるイメージ。半分は影響が大きいです。見ているだけで涼しい柄。
3)リップル:こちらも同様。デザインが違うだけで同じことです。よくパジャマや浴衣に使われる夏素材の典型。

ところで、写真にはアップさせていただかなかったのですが、5)綿があれだけTシャツやブラウスに使われるほどの素材である理由です。

吸収が良く涼しく感じる理由がその細かい構造の中に答えがあるようなのです。

そこで、学びました、「服地の基本がわかるテキスタイル事典:閏間正雄(うるままさお)監修」からご教授いただいた、綿の構造というものを知りました。

5)綿の構造:綿を拡大した構造に答えがあるようです。このよじれは1)-4)と同じ凹凸感だったのです。

平ぺったくないのでべたつかないそもそもの作りをしているということです。

そして、綿の細かな繊維1つの真ん中に空洞がありますが、この穴が空気や水を吸う性質があり、日光に当てるとふんわりしたり、汗を吸収しやすかったりなどの現実的な効果を発揮するということのようです。

綿に関してはそもそもの糸単位の構造自体にその秘密があったという点では、1)-4)などより一層深い部分に答えがありました。

「綿」こそ、細かい繊維の単位での涼しさの答えがあったということに感動です。

あとがき

今回は、超基本的な昔ながらの素材を中心にピックアップしましたが、現代の技術により、生地メーカー様も、綿でなくてもその構造に似た構造を作るポリエステルとか、今までの固定観念を打ち破るような開発もあるようです。

素材にあるデメリットを克服するような方向でよりたくさんその素材が使われやすいようにと発展していることもよく耳にします。

確かに綿は生地としては傷みやすいので、傷みにくい様相の、変化がもともとないようなポリエステルなどが、綿のような吸収、通気性を追求したものになるとなかなか最強な素材となるでしょう。

ポリエステル/100%はアイロン要らずでとても好みです。

今後の素材の開発に期待を寄せたいです(^-^)。

デニム生地の12ozや14ozの区別にも有効、何の情報もなくても「はかり」と「計算式」による算出だけでオンスが分かる【603】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

先日、このようなことがありました。

セルヴィッチデニムの12オンスをなんと、14オンスと思いこんで間違えて購入してしまった出来事です。

このまさかの勘違いにより、12オンスと14オンスの見分けの仕方を深堀り研究することになりました。

そして、導き出した1つの算出方法がございます。

是非、「何も情報が無い中デニムのオンスを知る方法」として引用いただければと思います。

12オンスと14オンスの視覚的に見分ける違い、織り目の詰まりやカット部分のほつれの様子で多少の判別が可能

かの歴史的なジーンズ「リーバイス501」は13.5ozであったと言われています。

小数点以下までも分かるのは、計算による算出が可能であると見て良いと思います。

このたびは、12オンスと14オンスを比べて、ぱっと見だけでまずは分かる方法があるのかどうかから始まり、比較する2つが無い1種だけの場合も計算によりオンスの値を知ることができる方法を綴りたいと思います。

左側:14oz、右側:12oz:パッと見ただけでは違いが分からないこの2点、左側の方が目が詰まっています。

見た目で何とか判断を付けるとしたら、その目の詰まりもヒントの1つです。

目の詰まりというのは結局、たくさん糸がぎっしりと折り込まれている点で、重さへつながります。

オンスというのは質量のことで、一定の面積における重さの基準を表した単位です。

そうしますと同じ面積にぎっしりと詰まった方がオンスの値が大きくなるのです。

上の写真であると、サイドのほつれ具合の様子でもある程度参考になります。

左側の14オンスの方がぎっちりと折り込まれているのでほつれにくいのです。

簡単にほつれるということが「ゆるい」ということの証拠で、12オンスは糸がたくさん使われていない方なのだとの見方ができます。

もう1つの判別の仕方は、同じサイズのパーツを手で持った時のずっしり感。

12と14の2オンスの違いだけなのに、14オンスはずっしりと重さが感じられるのに対して、12は軽いなあと感じます。

一般的な洋服に作られるボトムアイテムであるジーンズでは、12-14オンスが一番多く使われていて、ジーンズなどに出来上がってしまうとなかなか判別は困難です。

そこで、冒頭のようにジーンズの王道モデルの、「リーバイス501」を基準に考えてみるというのもお勧めです。

501ジーンズは13.5オンスですので、あれほどのごわつき感がないデニム生地の場合は、14オンスよりも下回ったオンスであるという見方で、おおよそ計ることもできそうです。

ただ、古着の場合は質感も変わってきていますので、あくまで目安程度となります。

既存データ数値を有難く利用、正確な小数点以下までも分かるオンスの算出方法

さて、このたびの原反の状態の生地の入手経路の事情で、どうしても製造業者様ご本人でなければオンスが分からない状態で入手となったということがありました。

残布の特化品にて、元の情報が詳細ではないままの流通という事情、ただ間違いなく日本製です。

その場合に自分でオンスを導き出せる方法があると気づきました。

一番良いのは、購入したりした時にお店から情報をもらうのが良いですが、お店もオンスが分からないのだという究極な場合が時としてあります。

そういった八方塞がりの時がこの度に当たり、自分で算出した方法です。

既存情報は大いに利用させていただきまして、お世話になりたいと思います<m(__)m>。

作業順に番号で綴っていきます。

1)ある一定のサイズの正方形もしくは長方形のパーツにカットして準備をします。

このたびは、27.5cmx30cmのパーツを用意、重さは40gでした。

2)1yd=0.9144mなので1yd2=0.9144mx0.9144m≒0.84m2。

3)1yd2=1ozという既存情報より、1oz=0.84m2。

4)1ozは28.3g弱という既存情報により、1oz=0.84m2(1yd2)=28.3g。

5)実物の生地見本0.275mx0.3m=0.0825m2が40gだった。

6)実物の生地見本の分量だけのozを求め、40g÷28.3gx1oz=1.413ozと算出。

8)7)のこの小さな1.413ozという値は、実物の小さな面積のozなので、これを基準である0.84m2の場合のozに合わせていきます↓。

9)0.0825m2のみだと1.413ozだったが0.84m2と広い基準の面積だと何オンスになるのかという最後の式がこちら↓。

0.84m2÷0.0825m2x1.413oz≒14.3oz

はい、答えが出ました♪、約14オンスです。

この計算により、12オンスの方は12.4と値が出ました。

約12.5なので、12オンスのわりにはしっかりしたものであると見ることができます。

よって余計に惑わされてしまい、間違ったわけです(言い訳か(^_^;))。

あとは、同じパーツを重さで比べることがお店で反(たん)になっているとそれが簡単にできません。

よって反になっている状態というのは非常に分かりにくい状況であると言えますがこれが現実です。

しかし、これで、今後はいかなる場合でも、カットした実物生地さえあれば、オンスの情報がなくても分かることになります(^-^)。

あとがき

たった2オンスの違いと言えどもその差は歴然です。

それなのに、間違えて購入してなかなか気づかなかった難しさもあるということです。

14オンスの「ずっしり」という重みのこの「ずっしり」の言葉もかなりのヒントになるかと思います。

デニムを何かのご縁で扱う機会がございましたら、是非oz情報を知り、更なるポテンシャルを高める製作にお役立て下さいませ。

YouTubeの計算の導き方よりも当ブログの番号順の1)-9)の導き方の方がかみ砕いた方法なので、結果値は同じになるにしても、こちらの方が分かりやすいと思います。

セルヴィッチデニムは素晴らしい生地なのだと心底思える1つのきっかけになれば大変光栄でございます(^-^)。

かっこよさを追求した表面的な金属パーツ使いのバッグ、ほとんどの種類を試してきた者が決意した「長持ち」のための廃止【601】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

例えば、ハンドバッグのワンポイントになる開閉のヒネリ錠、これがあるからこそのかっこよさがあると言えます。

しかし、それも第一印象の表面的なものに過ぎず、ある日突然ネジがポロリと外れる日が来る可能性を孕みます。

金属パーツはそれほど当てにならない部分もあることを、数々の種類を実際に布バッグに打ち込んできたことで実感しています。

最終的には、縫い付けタイプの「Dカン」「ナスカン」「線コキ」以外の打ち込み式はすべて今後ハンドメイドバッグ製作で廃止の意向です。

本気で長持ちのバッグを作ろうとするなら、これらは使わないのが正解、カシメるだけのパワーがいかに頼りないものか

様々な金属パーツ:そもそもこれらは本革レザー用であり、生地には使用はだめだとパーツ屋さんは言われます。

アイレットカンは、丸くくり抜かれたところに金属のパーツを取り付けて、紐が通せるようにするスタイリッシュなパーツです。

ハトメは、リボンなどを通す時の穴、ヒネリ錠は、フラップバッグなどの蓋をとじる時の留め具など、今まで数々の打ち込みパーツにトライしてみてきました。

そうして、おおよそひと通りそういったパーツを使ってきて今、思うこと、それはその後の破損の懸念です。

例えば、ショルーダ―の折り返しの部分を両面ハトメと呼ばれるもので留めたとします。

もう1方はミシンで返し縫いを十分にして留めたとします。

果たしてその持ち具合は。。

手ごたえとしては、ミシン縫いの返し縫いの方が確実です。

ミシン縫いというのは、やった作業の分が腑に落ちるのです。

しかし、パーツの取り付けは、打ち込んだ「カシメのパワー」に委ねるところが大きく、手ごたえは全く感じられないので、その場で少し引っ張ってみて大丈夫かな。。程度の宛てにならない判断なのです。

その後使いながら、もしかしてポンと外れるなどの予想が少なからず残ります。

反対に、ミシンステッチ縫いで止めたものは、その後も絶対にそのようなことが起こらないと100%思えます。

この違いをずっと思ってきました。

今後の来るべき本格的なサスティナブルの時代も考えて、こういった作り手の方でわずかながらも残る不安がある部分を含むハンドメイドバッグを販売するべきではないということを本気で考えております。

そうして、今回、こういった穴をあけるパーツが必要なデザインは思い切って廃止する決意をしたのです。

あとがき

「サスティナブル意識」が高まる昨今、新しいものを製造する際には本当に根本から「長持ち」の事を考えて作ってあげるべきだと思うのです。

やはりずっと末永く使っていけるものが良いですから、何でもないところに穴をあけることさえ多少のためらいがあるのです。

そういうことを気持ちそのままに正直に従い、腑に落ちながら丁寧に作っていくハンドメイドバッグというのを改めてこの時点から始めていきたいと思います。

ここで言う「丁寧さ」というのは、製造をじっくり正確に行うというだけのことではなく、考え方からして「親切さ」が入り混じる事も含む「考え方そのもの」を指しているのです(^-^)。

皆がよく知る「黒無地の撥水加工生地」は1種類だけじゃない、4種の美しい織り目の違いを見ながら、普遍的な扱いの黒無地を深堀りした【354】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今後、バッグ製作に黒無地の撥水加工生地をたくさん使わせていただきたいと思っております。

特に「テリーヌ」というブリーフケース型は、ナイロンなどの撥水加工生地を必ずチョイスすることにしておりまして、表地には無地を、裏地には華やかな柄を使うとも決めています。

黒無地という生地で作られたバッグは「仏頂面」のような表情の薄い素材に映りがちでじっくり見られることがないのです。

ネットの写真のみで素材の表面の様子を判断することになるわけですが、なかなか分かりにくいものです。

やはりネット写真の商品は華々しい柄や色が分かりやすいものなのです。

とはいえ、現実的には、黒は一番融通の利く色として好まれ、所有されているのが現実だと思います。

このたびは、ネットではなかなか細かく織り目まで見ることがない黒無地の撥水加工生地を4種じっくりとアップにしてご紹介したいと思います。

そして、一見黒無地ののっぺりとした素材に映るものが、実はよく見ると生地の織り方に違いがあり、それぞれ大変美しいものであるということをお伝えしたいと思います。

一見同じようにしか映らない4種の黒無地の撥水加工生地、よく見ると「畝:うね」がありとても美しい様相をしていることに気づく

とりあえず4種の生地を並べてみました。

撥水加工生地4種:一番左からナイロンオックス、ナイロンワッシャー、綿ストライプ、ナイロンタッサー。

こうしてみてみるとそれほど違いが分かりませんね(^_^;)。

では、次に細かく1点1点に近寄って見てみましょう。

1)ナイロンオックス

これが一番王道でしょうか、撥水加工の黒い生地との一番最初の出会いがこのオックスでした。

オックスというのは「オックスフォード織」のことです。

オックスフォード大学の学生のシャツのようだということでその名が付き、まるで、ブッチャーという生地がお肉屋さん(butcher)のエプロンの素材の織り方と同じだから名付けられた経緯に似ています。

後程アップにした写真を撮影したのでご覧いただけますが、均一に四角いブツブツが入ったような柄です。

しかし、遠目で見たり普通の視線で見れば、プレーンな織り目といった感じに映ってしまい、今回ご紹介の4種の生地の中では一番平たく見えてしまうのです。

1)撥水加工ナイロンオックス:ナイロン/100%、日本製・・・四角いマスがレンガみたい。光沢も感じます。

2)ナイロンワッシャー

ナイロンワッシャーも結構有名で聞いたことがあるかもしれません。

ジャケットやコートなどにも使われることがある生地。

ワッシャーというのは、しわ加工のこと。

このしわ加工は、凹凸感ある表面の演出であり、この加工による厚みも感じられ風合いを良くしています。

オシャレ感が増します。

2)撥水スパンライクナイロンワッシャー:ナイロン/100%、日本製・・・縦じまとのコンビになっています。

少し複雑になりますが、ナイロンオックスのワッシャーというのもあります。

ワッシャー加工が入るのは、何もこの写真のようにストライプみたいに縦に線が走る織り方の生地がワッシャーというわけではないです。

いろんな織り方との組み合わせでワッシャー加工できるようで、複数の展開があるのです。

3)綿/100%の撥水加工生地

撥水加工はナイロン/100%ばかりではないです。

綿/100%とかポリエステル/100%にも撥水加工がされている生地があります。

過去に「雨の日シリーズ」という撥水加工の生地ばかりを集めて雨しのぎの比翼リュックを作ったブログ記事が綴られています。

その時に使用したモカグレーの生地は、綿/100%でありながらコーティングで撥水効果のある生地でした。

このリュックを作った時の生地名は、ストライプコーティング、綿/100%、日本製。モカグレー色でした。

織物事情が事細かに分かるわけではありませんが、こういった撥水加工にもできるような加工に差し障りのない程度の織柄というのが、均一感あるストライプだったりするのかもしれません。

3)防水・撥水コットン100%:綿/100%、日本製。・・・織り方を忠実に表した生地名ではないですが「ママ」引用。

過去に私が使用した先ほどの上の写真のモカグレー色のストライプに似て、こちらもストライプの織目が入っています。

この生地だけ4種の中で綿/100%なのですが、不思議なもので、撥水加工していない生地は、明らかにナイロン/100%と綿/100%の違いが判るのに、撥水加工がなされると似た感じになるということです。

かろうじて、端っこのカットの跡のほつれ具合で綿の糸だと分かります。

綿/100%の撥水加工の生地の端の様子・・・ほつれ具合からナイロンとの違いが分かり、綿っぽさが出ています。

ナイロンよりもガサガサッとする風合いです。

4)ナイロンタッサー

タッサーには、分かりやすい特徴があります。

生地の織り糸がボーダー柄みたいに走っていることがかなり分かりやすく表れていること。

4)撥水加工ナイロンタッサータイプ:ナイロン/100%、日本製・・・目の詰まったボーダー柄。

ここまで「畦:あぜ」がぎっしりなので当然全体としてしっかりとしていて程よい厚みがあります。

おそらく大勢の方が好まれるような人気の生地ではないでしょうか。

ナイロンタッサーは今まで出会ったことが無かったので、このたび非常に感激しています。

こうして見てみると、一見同じような黒の無地の撥水加工の生地といっても、ここまで違いがあるのだと分かります。

他にも、市松柄のような織り方のナイロン撥水生地も見かけたことがありますので、今回のこの4種以外にもまだまだあるのだと思います。

あとがき

あまりに巷に黒のナイロン撥水加工生地で作られているリュックがあふれているために、生地自体の素敵さに目を向けることを忘れているのではないでしょうか。

あそこまで大量生産され尽くしていると、黒の撥水加工生地が普遍的でつまらないものに思えてきてしまうのです。

必ずバッグのお店をのぞけば、どこかには置いてある「黒のナイロンバッグ」、これを見つけた暁には是非じっくりと生地を眺め、どんな織り方がされているかを見てみて下さいませ。

多くは「ナイロンオックス」ではないかと思うのですが、もしかしてこの度のご紹介の中にも出てこなかったような新しい発見があるかもしれません。

当たり前にあるものの美しさがいかに埋もれてしまっているかということ、それを見つけてあげて下さいませ(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

型紙がバラバラになってしまっても、どのデザインのどのパーツなのかが必ず分かる型紙シールの存在感【353】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ最近デザインのを固定して、「ブランディング」を打ち出せないかと考えます。

一見敷居が高いような言葉ですが、1点もしくは複数のラインナップをパッと見て、「ここの品物だ」分かるようなハンドメイドバッグにしていこうというもので、競争の中では当たり前のことです。

そうした中で、デザインをしぼって少数にしました。

型紙のパーツ1つ1つを大切にする為に、型紙の整理整頓を兼ね、型紙1枚ずつにシールを貼って、その内容を示していきました。

そこに記載されていることは、①デザイン名、②パーツ名、③材料ごとの枚数です。

では、そのシール中心に型紙収納をひっくるめた整理整頓の様子をどうぞ。

どの型紙にも右下に「内容シール」が貼られる整然さが良い物を作ることに繋がるかもしれないと実感

型紙をパッと見てどこのパーツかは分かります。

しかし、それでは不十分なのです。

先のことは分からないけれども、もし、人にこのことを伝えるとしたら。。を考えるべきだと常に思っています。

そうすると、まっさらのただのパーツでは事足りません。

そして、長い間使わないと記憶も薄れるものです。

よって、「内容シール」というものを考え、最低限を型紙に記します。

内容シールの印刷:「エーワン」ラベルシールの12マスの「#72312」というタイプの角丸のシール。

もともと宛名シールとして売られているものです。

内容シールの中身:一番上にバッグのデザインの名前、その下には一般的な名称、その下には該当パーツの名前。

一番下の田の字の4箇所は、表地、裏地、薄芯、ハード/ソフト芯などを記載する位置。

左上から時計回りに、表地、裏地、接着芯(薄芯と表現)、別芯(ハード薄芯など)と枠に記載する反物の材料の位置を決めています。

空欄ならば「その位置の材料は使わない」という意味で、数字はパーツの枚数。

基本的に、このラベルシール1枚をパーツの右下に貼りますが、小さなサイズの型紙のはラベルシールの端をカット。

ラベルシールをパーツに折り曲げたりして無理矢理貼ると、外枠の線の歪みの原因になりますので、必ず、型紙の枠内に収まる大きさに「シール自体をカットする」ということをします。

小さすぎる特殊なパーツに内容シールを貼る場合のカットの仕方

小さなパーツにシールを貼る場合:この2つは、左がショルダータブ、右が取っ手付け根タブです。
とても小さなパーツのシールは半分使い:シールがパーツ内に収まるよう、半分ずつ使います。

その他、特殊なシールの貼り方をする必要があるのが細長い巾着ひもパーツ。

縦の幅が足りない場合の細長いパーツの場合:こういう場合は、シールを縦に分割。仕方がないです。

さて、ここであることにお気づきでは?。なぜ右の端に貼っているのかです。

これにも理由があります。次はシール事態を貼る位置についてのお話です。

シールを「右下」に統一、パーツが見つけやすくなる

シールを貼る位置を右下と決めることで、その部分がたたんだ時も見えるようにたたむということになります。

パーツと言ってもいろいろなパーツがありますので、3つほどご紹介します。

角が削られたパーツの場合:削られた角はよけて、全体で右下の位置に貼ります。

型紙を2枚に折りたたんだ時に右下の方のこのシールが顔を見せているのがポイントです。

右下という位置が無い場合:シールの幅が型紙の幅に近いので、こういう場合は、右の真ん中です。

横長なので3つほどに折りたたみますが、この部分が顔を見せるようにたたみます。

右下がカーブになった場合:こういったカーブの場合も全体で右下の方になるような位置で良いです。

十文字に折りたたみますが、たたんだ状態で、この右下部分が顔を出すようにたたみます。

さて、ここで何かお気づきでしょうか。

方眼紙の矢印の向きがすべて下を向いていることにお気づきであればするどいです。

この矢印はいろんな意味で都合よく「必須条件」として使うことができます。

次にこの矢印の使い方、「どのような意味で使っているか」のご紹介です。

型紙用紙の矢印の向きの意味2つ、①地の目の向き②柄や毛並みの天地の向き

あくまで私が決めた矢印の使い方なので、用途によってはいろいろ考えられますので、その点は悪しからず。

矢印の向きが下向きが正位置:①「縦向き」を表す地の目の向き、②柄や毛並みの「天地の向き」。

例えば、誰が見ても向きが1つだけの柄があります。

このお花柄は、向きがあり、すべてが、お花が咲いているようなこの向きにジャカードが施されています。

そういった向きの決まった柄にもこの矢印は有効、必ず矢印の矢が地面側を向くということです。

また、こういった好みによって使い方の向きが分かれる柄も、使い手としては、ちぐはぐではなく統一したいですので、この矢印が活きるのです。

うろこのような柄。この向きが美しいと感じましたが、製作者様によっては、反対を好まれるかもしれない。

もともと生地に使用する向きは自由ですので、抽象的な柄とか幾何柄なども自分で決めた向きで製作できるという柔軟な柄とも言えます。

ファスナータブに話が戻りますが、もし、このファスナータブに貼るシールをを間違えて反対向きに貼ったらどうなるか。。です。

シールの貼り方が反対。まるでタブのカーブが下を向くような感じに思えてしまいます。

なぜこの写真があるかというと、実は間違えて反対に貼っていたからです。

タブのカーブは天地でいうと、天の方になるのが正解。

タブの向きは、カーブが天地の「天」の向きであることで、矢印がこの状態で下向きになっている型紙が正解。

それが分かっていたとしても、この間違った向きにシールが貼ってある、もしくは、矢印の向きが反対の状態のタブでバッグを製作した場合問題があります。

お花柄の向きが反対に出来上がったり、うろこ柄が自分が決めた向きではない反対向きに出来上がってしまい、パーツごとの柄の向きが天地が不統一になってしまうのです。

そんなバッグが美しいと言えるでしょうか、いいえ美しくはないでしょう。

整然と同じ向きに整えられている方がはるかに美しいのです。

柄は一部だから運よく分からないという結果になれたとしても、毛並みのあるようなファーなどは、見た目の毛並みの向きの違いとか、目に映る色も濃淡ができてしまいます。

こういったことが完成した時に起こるととても悲劇。

そうならないために、まずは土台の型紙をしっかりしたものに、緻密に作っておくことの大切さが分かります。

たかが紙にシールを貼っただけということでは決してないのです。

あとがき

今回は、型紙の整理整頓の風景と細かな工夫の箇所をご紹介しました。

やはり細かく気を付けたりするのもすべては良質なバッグを作るためです。

最後にこの「パターン用紙」をご紹介して締めくくりたいと思います。

この型紙用紙に出会ってからというもの、作業が大変スムーズになりました。

あまり定規を使わなくてよいため、実験とかシミュレーション的なこともスピーディーになりました。

まだ幅の狭いタイプが入手できた頃のもので幅50cmタイプですが、現在は1mくらいのものが基本的なアパレル向けパターン用紙となっているようです。

ハンドメイドバッグでは、断然50cmの狭い方が使いやすいのですが。。

これより大きなものを作る時は、つなげてのりで貼って使います。

この短いバージョンは、現在ではレアとなってしまいました。

以上、いろいろなことを書いてしまいましたが、目指すところは、「良質な商品」です。

すべては、きちんと整理整頓するところが基盤になるのではないかと思えて仕方がありません。

「整然」が「成功」につながりますよう(^-^)。

複雑な織り、マルチカラーが天然石のように美しいジャガード生地で作るバッグの裏地に選ぶラメ素材のカラー選び【292】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「本来、バッグなどに作るような生地ではない生地をあえて使った製作」をテーマに進めております。

このたびは、次なる生地ということで、マルチカラーが素敵なフクレジャガード生地をボストン型で作ってまいります。

この記事では、マルチカラーが美しい表地のご紹介と、その色とりどりの表地にどんな裏地を選んだのかという選択のご紹介を綴りたいと思います。

ずっと眺めていたいほどうっとりする美しい生地は、本来バッグ用ではない

<表地>ストレッチフクレジャカード、ポリエステル/85%、絹/12%、ナイロン/2%、ポリウレタン/1%、日本製。

アップにするとこんなにいろいろなカラフルな糸が織り込まれているのが分かります。

波打つような様相は、フクレという加工のせい。

ランダムなプリーツのようなしわを左右に寄せているような見栄えが特徴です。

角度を変えて違う写真も見てみましょう。

アップで見た感じ。

「フクレ」というわりには、やや控えめな凹凸感であるところに日本製の特徴を見ます。

特にフクレや風通の凹凸感ある生地が豊富なイタリア製においては、もっと極端に膨らみがありますので、こういった比較的しとやかなタイプは日本製ならではの魅力です。

遠目で見ると随分と渋い感じです。地がカーキグリーンというところもより美しいのです。

出会った瞬間即決でした。

非常に柔らかいし、バッグに果たして出来上がるだろうかというのも本当はいろいろ思うところはあるものの、第一の惹かれ具合を大切にしてみました。

そして、ボストン型のバッグを作ることに決意したのです。

表地のテイストが「エレガント」、裏地も歩調を合わせ、エレガントかつマルチカラーの中の1色を選ぶ

さて、この生地にどんな裏地を選んだのか、ということなのですが、候補がたくさんあって悩むことになりました。

ミックスカラーが複数の色が入っていてどんな色でも合ってくるとも言えるのです。

その候補の中からのベストチョイスは大変難しいものでした。

結果、決めたのがこちら。

<裏地:オレンジ>ラメツインクルサテン、ポリエステル/60%、ナイロン/40%、日本製。

茶色にも見えますが、実際は暗めのオレンジです。

生地の構造が、黒糸が織り込まれているので、暗くなるのですね。

この生地の色の展開はそこそこ当初ありました。

10種もの多色展開なのでした。

黄色もゴールド系で素敵だと思いましたが、在庫がなかったのでこの色に。

ちなみに黄色だと、過去に利用したことがありしてこんな感じの色でした。

また、今回チョイスのオレンジとは違った感じです。

色違いの黄色バージョン。オレンジよりもクセはこちらの方がないです。残念なことにお品切れ

もしかして、黄色が残っていたらこちらをチョイスしていたかもしれません。

地がカーキグリーンなので、相性というのは、黄色味のある方が良いかと思うので、赤とかピンク、ブルーなどは、違うかなと思いました。

単純な色相環で見てみますと、補色でなく類似色的なチョイスをしたということ。

グリーンには、オレンジや黄色は他の色よりはなじむような相性があると考えられます。

簡単な色相環図。

ピンクだと、グリーンと接触がない位置になるので、遠いので赤や紫の位置です。

そうすると互いに馴染まず、際立つ感じになります。

エレガントなイメージで行くならなじむようなとなり合わせの類似色だと判断したことになります。

表地と裏地の相性。

今回は、芯地の粗裁ちまでです。接着以降は次回になります。

赤色は接着芯。織芯タイプを使用しました。
こちらの裏地にはニット芯がマスト。理由はナイロンが40%も入っていて、織芯では気泡ができるから。

以前気泡が起こるミスを犯した経験から、ナイロンというものの糸の性質を知ったのです。

ナイロンは、熱を加えて、いったん伸びて、また、熱が冷めるときゅんと縮むみたいな弾力性なるものがあるかと思います。

よって、その動きに対応できるというのが、ニット芯の伸び縮み機能です。

織芯では、融通が利かず、ナイロン糸の微妙な動きに対応できないということだと思っています。

その苦い気泡の経験から、ナイロンが混率に多めに含まれているものには、必ずニット芯を使うようにしています。

実は、表地にも今回2%ほど入っていますが、この程度なら影響はないです。

あとがき

このマルチカラーフクレの生地でボストン型のリュックが出来上がる予定です。

こんな生地のリュック仕様のバッグなどあまり見かけないかもしれません。

本来は、ジャケットとかカットソーに洋服に使われる目的の素材なので、意外な物が出来上がりそうです。

どうぞお楽しみに(^-^)。

キラキラした生地の収納方法の注意、跡が付きやすいのでたたむことを避け棒に巻いての収納が良い【291】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

生地をカットしてもらって購入の場合必ずたたむという作業が起こります。

特にネット通販であれば、当然であり避けられないことなのですが、今回はこのたたんだ時のたたみじわ、折り目がなかなか簡単に消えるものではなく、収納の仕方、保管の仕方に工夫を要するデリケートな物であることのお話です。

たたんでほんの1時間程度で出来上がる折り目の怖さ

ここに購入後1時間程度の生地を広げています。

特に一番上のオレンジ色がラメが入った折り目の付きやすい生地であり、もうすでに十文字に折り目が入っています。

特にこういったラメのようなものが入った素材、デニム、ナイロン/100%などは折り目が付きやすく、一度付くと残ってしまいがちなのです。

アイロンでまっさらによみがえる生地もありますが、これを何年も置いておくと「焼け」による跡が付いてくる可能性もあるのです。

そこで、次のように棒に巻いて保管の方法をとりました。

こんな風に紙製の棒筒に巻いていきます。
そして、2か所ほどひもで結びます。
こういった棒は、店舗用品のお店とかネットなどにも売っていますし、生地屋さんでも頼めばいただけます。

どれだけ細かく折っても折り目が付かない生地、逆にすぐ跡が付いてしまう生地の比較

ニットによくあるのですが、どれだけ折っても跡が付かない生地も結構多くあります。

その他ふんわりした生地とかフクレ加工がしてある生地も大丈夫。

ここでは、その逆の「跡が付きやすい生地」を3点ピックアップしてご紹介します。

ナイロン/100%の生地:特に撥水加工などの加工がしてあると薄くても硬めであることが多く跡が付きやすい。
デニム生地:綿/100%もデニム以外でも線が付きやすいです。
デニムは「焼け」にも注意し、中表に巻きます。屋内においても入り込む日差しを避けることが大切です。
ラメの入った生地:見た感じキラキラしたものは、ラメ糸が使われているからです。メタル、レーヨンが該当。

あとがき

全部対応しきれず、たたんでしまってきたものもあります。

すべてを棒に巻いて保管という方法も根本からの収納の改善としては良いかもしれません。

そうすると、立てることで、重力に従いそこに生地がたまって皺が起きる可能性が生まれますので、某に巻いて寝かせる収納が一番優しいのですが、随分スペースを必要とします。

横に寝かせるまではできていませんが、底周辺をビニールひもで固定して下がらないようにするなどの工夫もできます。

どうぞ、せっかく見つけた大切な材料ですので、大切にしてあげてくださいませ(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

カーテン地/インテリア地の幅広生地にご注目あれ!ハンドメイドエコバッグの支えとなる支柱と取っ手の一つなぎの実現【218】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

番号が少し前の記事の【216】でエコバッグをスーツ姿のようなきちんとした格好に合うものに考案した素材とモデルで1点初製作致しました。

何しろ初製作だったので課題点はありましたが、1つ生地選びのヒントになるような重要なポイントがございました。

「どんな分野の生地で支柱の長いエコバッグが作りやすいのか」というお話を致します。

【216】で製作しましたサンプルの支柱部分に着目いただいて、これが実は逆U字に長い一繋ぎになっていることをご確認いただけたらと思います。

支柱(しちゅう)は、1つなぎが望ましい。→横裁断の方がコスパが良いので生地幅めいっぱいこのパーツに使用。

バッグの長さ40cmの左右合計の80cmに加えて取っ手の十分な長さを見るとさらに60-65cmプラス、縫い代も含めると合計140-150cm程の生地の長さが必要です。

そうなると生地幅が112cmのようなプリント物の多くは除外されていきます。

ハギ目を入れねばこのモデルが作れないということに。。

長い支柱パーツを一繋ぎで裁断する場合のマーキング

支柱(しちゅう)と私は呼んでいますが、正式な名称がどうも分からず。

もともとメンズのブリーフケースのデザインに多く見られたものだったのでその辺りを探っているのですが、情報は入手出来ていません(^_^;)。

ところで、この支柱はとても長く、写真でもご覧いただけます通り逆Uの字に一続きなのです。

とても長い生地が必要なパーツなのです。

これを狭い生地の幅の110cmとか120cmで横向きに裁断しようとすると継ぎ目を作らざるを得ません。

現在の仕様では継ぎ目がどうしても目に映るので、やはり一続きであることをとりあえず優先。

そうすると幅広の生地の横幅をめいいっぱい利用するということに至ったわけです。

もちろん縦向きに必要な分量存分にとることもできますが、生地の使い方が非常に効率が悪く、量産でない1点物志向で作りたい場合は不向き。

支柱を本来の縦向きに裁断したらどのくらいもったいないのかをマーキングで示してみます。

1)支柱横向き(現行の並べ方):140cm幅以上の生地なら効率的に利用できます。・・・用尺1m以下。

柄が入るジャガードやプリントの場合、どうしても横向きの長い支柱に現れる柄は横向きに出てしまうことがデメリットです。

それでも気にならない、むしろそれでよいケースなのかは、柄の種類や趣味嗜好も関わってきますね。

無地であれば、断然上記の裁断の仕方をお勧めしたいのです。

しかし、現実のところ人気生地はプリント物だと見ています。

一度多くの方が好んでおられると想像する110cm幅程度しか生地幅が無いプリント物のマーキングもシュミレーションしてみました↓。

1)支柱縦向き(シングル幅用):110cm幅程度の綿プリント生地は生地が大きく余ります・・・用尺1.9m。

支柱が縦向きに裁断できるものの、スペースがもったいないですね。

では、そのもったいなさの改善を兼ね、プチ量産ということで、2点同じ品物を製作すると仮定したマーキングをやってみました↓。

3)支柱縦向き(シングル幅用/量産用):隙間は解消されていますが・・・用尺2.4m。

2)で生地を多く余らせることをするくらいなら。。と3)に至る考え方は、「量産品を製造するビジネス」的な考え方。

エコバッグが大量生産され、間違っても1点物のエコバッグがあまり作られない理由をここに見通すことができます。

ここで私の考えをまとめたいと思います↓。

個人やプチ事業者が「同じ物を複数作る」というのは、ある程度その品物の価値が決まってきます。

行く末はビジネス色が入り込んだ量産品の考え方です。

大手企業の大量品に対して、2点作ったところで到底勝ち目はなく、その点で負けが決まります。

勝ち負けではないとは言え、実際はネット上に写真が同時に並ぶのは、競争以外に何でしょうか。

ということはですっ!、1点だけ作った方がそのバッグの価値は高いです。

ここに、本当の意味の品物の価値がただ金銭的な材料配分だけで決まるのかというところを本気で考えるヒントがあると見ています。

長い支柱が必要なエコバッグに選んだ幅広生地x7選のご紹介

では、今回エコバッグを1)の1点物志向で作ろうと集めた7点生地をご紹介したいと思います。

今後これらの生地で実際にエコバッグを作っていきますが、最初の生地選びというのも貴重な場面。

どうぞこの機会にその美しさをご覧くださいね。

「スーツに合うエコバッグ」というコンセプトなので、そんなイメージの生地です。

①カーテン地:生地名不明、ポリエステル/100%、日本製。モカグレー色。・・・ブツブツの凹凸感が特徴。
②カーテン地:ドレープカーテン地、ポリエステル/100%、ベルギー製。黒。・・・裏面は、シルバーグレー。
②カーテン地:2級遮光ドレープカーテン地、ポリエステル/100%、日本製。黒。湾曲したストライプとツヤ。
④インテリアカバー地:コットンヘリンボン、綿/100%、日本製。もともと布団のカバーなどに向けられた生地。
⑤カーテン地:生地名不明、ポリエステル/100%、日本製。白。レースカーテン地、薔薇ジャカードが美しい。
⑥カーテン地:生地名不明。ポリエステル/100%、日本製。かわいいボタニカル花柄の無彩色ジャカードです。
⑤カーテン地:生地名不明、ポリエステル/100%、日本製。抑えめな朱色。ピンドット柄はジャカード。

以上、7点の新着生地のご紹介でした。

今後完成したバッグの様子を1点ずつ記事投稿してまいりますので、どうぞお楽しみに(^-^)。

あとがき

さて、こんな風に、生地幅としては一般的ではないインテリア地の分野を中心になんとか幅広の140cm以上の生地を探してとりあえずエコバッグを一繋ぎの支柱で作っていきます。

ただ、ここでまだ未解決の事があります。

ゆくゆく、こうしたエコバッグは、「自作の文化」というのを広げたい夢があり、その場合好みの生地を自分で探すことになります。

多くの方が、好きなプリント柄のシングル幅と呼ばれる、綿/100%のブロード辺りで選ばれると思うのです。

実際に生地屋さんでもこの110cm程度の幅の生地が大半です。

その事実をもっと今後追求していきます。

実は、当ブログも、最初の投稿である2020年9月19日から年月を経た、現在2023年11月30日に記事投稿の「リライト」として、過去の1つ1つの投稿の記事を手直ししている最中です。

3年もの月日が経過した今、やはりいろいろ製作や考え方にも大きく変化がありまして、現在は、「どんな生地でも作ることができる仕様」へこのエコバッグをモデルチェンジしています。

それが、こちら↓。

一繋ぎの支柱を3等分し、ハギ目をタブで隠しながら縫い付けるモデルへ変更
:ハギ目は強靭に二重縫い。かえってタブがポイントになりかっこよくなりました。

このようにモデルチェンジをして、ほぼどんな生地の幅のものでも対応できる作りになりました。

もう、カーテン地やインテリア地の分野だけの幅広生地に特化しなくてもよくなったのです。

このようにエコバッグの作りが発展できたのも、この時の2020年の最初のマーキングのシュミレーションの考案やカーテン地だけを探す視野の狭さの不満をちゃんとくみとれたからです。

この時の引っ掛かりを素直に、「このままでは広まらないのではないか」ということに目を背けませんでした。

その結果今までの凝り固まった考え方を捨て、新しい考え方を持つことができました。

「継ぎ目を作ることは2流である」という固定観念がどうしても2020年当時は捨てきれませんでした。

が、果たして本当にそうだったのか。。

実はこうも考えられるのです、「継ぎ目をどうしても作らねばならない理由があった」ということ。

これこそが、あれこれトライしてみた結果行き着いた「哲学」だったと思います。

それが最も自然な経緯であり偽りのない事実を物語るということになります。

このことをちゃんとご説明して、一繋ぎと変わらぬ強度を追求してあれば、何も問題はないと。

むしろ、この作りが生まれるまでのあれこれの工夫のストーリーが出来上がったということになります(^-^)。