トートバッグの伝統的な取っ手の固定の四角とバツのコンビのステッチ、一繋ぎで二重縫いの縫い順【1256】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

こんなデザインのステッチをいろんな布バッグでご覧になったことがあるかと思います。

ほとんどが1本ステッチなのですが、それでも、この形そのものが物理的な力のかかり具合をうまく利用した丈夫なステッチのデザインになっています。

ただの1本線とは違う角度を変えて均等に固定されたものです。

今回は、1つ前の完成品の「温泉バッグ」でこのデザインを引用させていただきました。

当然ながら、良い物を作って行きたいスタンスの製作では、1本だけのステッチが重い物を入れたバッグを支えるということのパワーの弱さを何らかの形でフォローしていきたいわけです。

ということで、このデザインに二重ステッチをすることに決めました。

さらに、この向きではなく、90度向きを変えました。

ダイヤキルトの形にリンクしたダイヤ型の向きのタブの二重ステッチのやり方

1つ前の【1255】の投稿で完成したバッグの取っ手の付け根部分。

馴染んでいて2重ステッチということが分かりにくいですが、下の4本ステッチに比べて太いですね。

しっかりと重ねるとこうして20番のようなデニム用の糸レベルの丈夫な二重ステッチが美しく出来上がります。

では、紙とマジックでシュミレーションした写真と共にそのステッチの順番をお伝えしたいと思います。

①は1度目のステッチ、②は二度目のステッチです。:てっぺんから時計回りに進んでいきます。

まず、一番てっぺんのV印から時計回りにスタートしました。

斜め下へ降りて一番下へ、そして斜め左上へ上りてっぺんへ戻ります。

次に二周目にそのまま途切れずに入っていきます。斜め下へ降りて、一度目の上をきちんとなぞります。

そして、下へ行きまして、斜め左上へ登ります。

と、ここでいったん動きを止めます。くれぐれも針はそのまま刺さったままです。

そして、最後の1本を残して、向きを変え、右へ行きます。

そして、そのまま戻ってきます。

次に、そこから、最後に残していた最初の位置へ戻る線をステッチ。

そして、今度は、一番最後の縦の線を下へ行き上へ戻ります。

これですべての辺が二重縫いになったのでした。

最後の糸は返し縫などはせず、裏で玉止めをして固定します。

これは、よく見る90度傾きを戻した正方形でも同じことです。

マジックを見てみると、①の黒色は十文字には存在しません。

内側の十文字は、二周目のタイミングでのみ行うステッチという見方ができます。

YOUTUBE内では、このシュミレーションがおさめてあります。

これを暗記して、お役立て下さいませ(^-^)。

あとがき

今回は、キルトの向きにリンクする目的でダイヤ型にしましたが、おそらく、正向きの正方形の方が、機能としてはバランスよく固定されるかと思いました。

ただ、せっかくのキルトの柄に歩調を合わせてみたことで一度はやってみたいデザインだと思ったのです。

こういった、一繋ぎで縫っていけるという工夫は、糸のコスパが高まります。

一度区切って縫いを止めてしまうことが、いかにロスが多くなるかということです。

それは、ミシンを止めることで、縫っていない最後に余る分がバカにならない長さであるからです。

あまりに短くても玉止めがしにくいので止めるとなったらきちんとやりたい部分です。

しかし、縫いが一繋ぎでできるということだけを工夫のテーマにすることで、材料である糸を末永くコスパ良く使う工夫ができます。(^-^)。

とりあえず手元においておく融通の利く接着芯は織芯かニット芯かの答え【1112】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

毎回、ハンドメイドバッグ作りには接着芯を使っています。

接着芯は生地自体の風合いにハリコシを加えてくれて、出来上がりのバッグ自体が丈夫で長持ちです。

接着芯には、織芯、ニット芯、不織布芯とあるのですが、これまでの経験から、不織布芯は他の2つの芯よりもちょっと劣るなあと感じていましてかなり初期の製作の頃からやめています。

アイロンの熱に対応できなかった不織布芯もあり、とても使いにくかったことがあり、すべてがそういった質のお品ではないかもしれませんが、やはり、布のような仕立てになった織芯やニット芯の「布帛:ふはく」タイプがお勧めです。

その2つの織とニットでも結構違いがあり、今回は、この2種で比べてみたいと思います。

とりあえず基本的に持っておくなら。。。

結論は、ニット芯です。

ニット芯は伸び縮みの融通が利き、ニット全般に加えて、織物の生地の一部であるナイロン/100%とか、ナイロンの割合が混率の中で40%を占めているだけでもこちらを使用するべき。

これに織芯を接着しようとすると気泡ができることが過去に経験済みです。

とても驚きますよね。

ナイロン/100%の撥水生地に織芯を貼っていた時に、どんどん皺が増えて、何が起こったんだろうと最初思っていましたが、原因は弾力性に優れたナイロン糸の性質にあります。

おそらく、その気泡の起こった原因の解明としては、まずアイロンの熱で表地のナイロ生地が熱で無理矢理延ばされます。

ところが弾力性がゴムのようにあるわけで、熱が加え終わったとたん縮んで元に戻ろうとします。

その時に、接着芯が織芯の場合接着芯の方が固定されたままですから、相性が悪くなり、ナイロン混の生地だけが伸びたり縮んだりして動き、織芯がそのままであることの隙間に気泡ができるというものだと思います。

その状態のひどさといったらありません。完全に製作としてはそこでアウトになりました。

よって、ナイロンの弾力性に歩調を合わせる相性の良い性質のニット芯が正解なのです。

ここで学べることは、織物生地に対してもニット芯を使う必要が必須のナイロン混の生地が存在するということ。

そうしますと、とりあえず、ニット芯を持っていたら、すべてに対応できるということです。

ニット芯を貼ったことで、どうこう悪い方向へ行ってしまうような織物生地無かったです。

反対に、織芯を貼ったことで悪い方向へ行ってしまう織物生地が、ナイロン混や、ナイロン/100%なのです。

そうしますと、どちらか1つに絞って持っておくならば、ニット芯が正解です。

じゃあ、織芯なんて出番はないのではないか。。。

これがそんなことはないのです。

織芯ならではの良さ、ハリコシはニット芯よりも感じられる

今まで接着芯も結構いろんなお品を使わせていただきました。

その中でとっても感激したような織芯がありました。

まるで生地みたいなしっかりと折り糸が見えていて、ごわっとした接着芯です。

これを織物の表地に接着すると見事に風合いがしっかりしてきます。

バッグ作りには最適だと思いました。

少ししか入手できなかったので、どちらかというとそういうタイプの接着芯はレアだと思います。

ニット芯では、このごわつきの良さが出ず、しなやかに仕上がってしまいますので、ハリコシを強調したい時などには織芯は向いているのです。

そうしますと、時には使い分けをするということがそれぞれに適した出来栄えになるかと思うのです。

あとがき

今回のお話が、ハンドメイドバッグ作りにお役に立てることがあればと思います。

そもそも接着芯自体は表に見えるものではありませんが、接着芯を貼って、さらに折り曲げてステッチを何本か走らせたようなバッグの取っ手は、ツンとしっかりと立ち、接着芯を基盤にして、その他の作業も相まって強固なお品になっていくのです。

長い目でみて、接着芯を貼ったか貼っていないかのお品を比べてみるとふんにゃりとしてしまってよれているのか、いつまでもしっかりした状態を保てるのかの大きな差が感じられるみたいです。

接着+ステッチというコンビは、伸び止めテープでも同じことです。

ただ貼るだけでは洗濯などで糊がはがれてくることもあり、ステッチの縫い付けもかなりの策なのです。

ぱっと見の最初の段階ではこんなことは分からないことですが、それを長い目で見ていくのかその時だけ通っていけばよいのか、後の信頼度とか信用ということを考えると今は人目につかなくとも、やはり影ではひっそりとやっていきたいことなのです(^-^)。

ミシンの糸目がまっすぐに綺麗に出るための集中と、左右の横ぶれの動きを完全シャットアウトの意識【614】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

久々のハンドメイドバッグ教室です。

間は空きましたが、カテゴリーに固めてありますので、ハンドメイドを綺麗に仕上げていく目標を設定した際には是非ご参考くださると何かしら使えそうな手法などがあるかもしれません。

教室といっても生徒さんを集め、複数の中である一定の時間で行う教室というのは、もう頭には浮かびません。

それぞれ、空いている時間帯が人によって違いますし、私自身がある決まった日の決まった時間にというのがとてもつらいことなんです。

そうでなくて、好きな時に、学べるとてもシンプルな教室というのをやってみているわけです。

縫い目をまっすぐに縫うということは大変奥深い、意識する点が1つあるんです

では、今回のコツというものを1つ。

単純なのですが、三つ折りなどのステッチの場面です。

綺麗にまっすぐということを意識したいものです。

この綺麗に、まっすぐというのは、何かふんわりしたことで、しっかりとね、、なんて思いながらやった結果、左のように、あっち向いたりこっち向いたりのステッチの向きになることがあります。

縫いやすい生地であるとなおさらなのですが、油断して、このように縫い目がまっすぐでない出来上がりになることがあります。

かなり厳しいジャッジをしているので、これでも一応合格をもらえるのかもしれません。

しかし、特に真ん中あたりが、糸目がぶれていますので、びしっと真っ直ぐに走った線ではないです。

ミシンも慣れというものが怖いもので、ミシンの扱い方を覚えると体が勝手に動いて、何となく、ただただ生地を向こう側へ送ってしまうんです。

けれどもその結果がこうですので、もっと別のちゃんとした意識が必要です。

それが、「横にぶれない意識」となります。

あのゆがみは横にブレがあった証拠と言えます。

横にぶれないようには、生地をしっかりと押さえ、集中して、糸目をじっと見ながら1針1針丁寧に打ち込むということです。

まだ、上の生地は易しい方。

デニムとか綾の折り目がしっかり入ったような生地は、その生地の折り目に動きが奪われ、ガタゴトと左右にふれがちです。

これをしっかり押さえ、前後の動きに集中するこということと、針が突き刺さっていく様子をしっかり目で確認しながらの1目1目にするということです。

このことを実際に体感していただけると、きっと縫い目がその後変わってくると思います。

まっすぐに縫うという単純な言葉ですが。とても奥が深いことでした。

あとがき

この凹凸感の生地の折り目に負けず、まっすぐに縫えた状態。

これは、なかなか意識出来て上手くまっすぐになった縫い線です。

ここまでぶつぶつの凹凸感ある織り目に翻弄されがちなところをいかにまっすぐにというのが挑戦ですが、そうして綺麗に出来上がったものはやはり美しいものでした。

レンタルジュエリーは、当HPで受け付け致しております。

ハンドメイドバッグは、ヤフオクとcreemaで販売中です。

是非お立ち寄りどうぞ(^-^)。

容積が分かりやすい、きちんとした印象、高級感、3拍子ぞろいのハンドメイドバッグの価値を生み出すピンタック仕立てのやり方【236】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグを作っている事業をしています。

日々の製作の中でデザイン、機能、作り方の中に入れ込むものの1つに「価値」があります。

これは、今後もとても大切なことになるだろうと思っています。

価値を感じるということは、なかなか目に見えることではないですが、作る側の私の時点では、価値を込めるにあたって、間違いなく目で見て物理的に作業しているんです。

今回は、その1つになるような作業、ピンタック仕立ての綺麗なやり方をご紹介したいと思います。

ピンタック仕立てをするタイミング

一重仕立てのバッグの場合は、一番最後でも良いかと思います。

しかし、だいたいの場合バッグは、裏地付きの2重仕立てであることが多いです。

最近珍しく一重仕立てが登場しているのは、エコバッグのレジ袋替わりのもので、たためるように、コンパクトにということで一重仕立てがありますが、こちらの方が私が作る中では特殊な場合です。

なので、今回のお話を裏地付きの場合を考慮した注意点でお伝えしますね。

まず、ピンタック仕立ては、上述の一重の場合は最後で良いというところが同じ考え方です。

けれども、裏地付きで2重になった状態で表側からピンタックをつまむと、重なって厚みが増し、ずれることになります。作業しにくいということは綺麗にはできません。

よって、表地、裏地がそれぞれ別の状態の時に行っておきます。さらに詳しくは、表地と裏地を合体して縫い付ける直前に行う。最後の方なんだけど、合体する前にはやっておかねばならない、こんな考え方です。

そして、もう1点、入り口の縫い代を縫う、縫わないにかかわらず、折り目を付けた状態でピンタックを作業するというそういうタイミングです。

ピンタックをする前にこの状態にしておく・・・最終的に必ず入り口はとじますので、今の時点でここにステッチを入れるのかどうかは関係なしに、この状態にしておいて、ピンタックつまみをする必要があります。そうでないとピンタック後ではごわついてしまい綺麗にできないです。
マチが10cmなので、サイドのハギ目を中心として、5cmずつに均等折り、アイロンをかけます。ものさしで測りながらが良いです。一番下はマチの部分のとがりがありますので、このとがりをフルにきちんと出した状態で、一番上の点と、真ん中の点あたりの2か所を実際にものさしで測りながらアイロンします。ここは印が付けられない部分ですので、都度の測る作業は大切になってきます。
こんな風に4箇所ともアイロンで折り線を入れ、とぎっとぎにしておきます。
ステッチは、こんな向きで上側からスタートがやりやすいかと思います。
縫い終わりはこのハギ目の線まできちんと行います。とがった先端までということですね。そして、最後返し縫で糸を長めに残します。次の作業で玉止めがあるので、糸をプチっとここで切らないのが、綺麗な見栄えになるコツです。ツンツンとした糸の切り目は意外に目立ちますので、糸を短くツンツン残さないやり方で隠していくんです。
こんな感じでステッチをかけ終わりました。糸は最初も最後も長めに残してあります。極端な場合、短めしか残らなくて、針の長さより短い長さしか残らないハプニングが起きても大丈夫。そのやり方は、また、違う記事でご紹介しますね。おおざっぱにここでお伝えしておくと、針を中に単独で刺してから短い糸を通すという方法で可能です。
では、ここから玉止めを隠す作業のショットが続きます。まず、縫い始めであるバッグの上部分です。こちらは上が開いているので、内側に隠す方法をとります。糸が2本外側に出ているので、針に通して、1本ずつ内側の同じ地点へ貫通させます。
もう1本の糸も同じ位置の内側のへこんだところへ貫通。なぜ2本同時にやらないのか。2本が位置が離れているので、変なステッチが新たに入ってしまって汚くなるからなんです。つまり、入り口は互いに違う地点から同じ出口へという通し方になります。
2本共糸が通ったら、コマ結びを2回します。
そして、プチっと糸をまとめてカット。
こんな感じで埋まるように隠れます。
では、次に縫い終わりの底の糸の方を隠していきます。こちらは、内側へ貫通させるのが至難の業で、何度かトライしていますが、一度もうまく貫通したことがなく、決まって変な無関係のとんでもない位置へ貫通してしまうので、発想を変えました。この場面だけで解決するのです。ここにハギ目の溝がありますね。あの下へ目立たないように隠すのです。
もちろん、前者の入り口のやり方と違って完全には隠れきれません。しかし、もとあった糸の位置よりも裏方的な位置には移動しましたので、目立たぬ位置に移動して、隠すことが出来そうな場所を周辺で探すということなんです。
溝の中に少し隠れています。少し目には入ってきますが、変な位置に貫通してしまうよりもこの方がすっきりとします。

以上、ピンタックのコツの部分をお伝えしました。

あとがき

今回<ハンドメイドバッグ教室>の項目でYOUTUBE動画ございます。

よろしければご視聴是非(^-^)。

ありがとうございました。

ピンタックがあるとないとの差というのはかなりのものです。下の写真を見比べてみてください。

左:ピンタック無し 右:ピンタックあり

こんな風にピンタックの有り無しでうんと印象が変わります。

その効果の感じ方はいろいろあるのかもしれません。

ピンタックの良さは、ラインが分かりやすいとか、きちんとした印象が得たい場合には効果のある仕立てのようです。

柄のつながりはピンタックがない方が感じられたりするので、趣味嗜好いろいろではあるかと思いますので、ピンタック無しの方もこれはこれで価値があるのだと思います。

では、終わります。

ありがとうございました。

picturesque(ピクチャレスク)

ハンドメイドバッグは、ヤフオク、creemaで販売中です。

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マチ付きバッグの視線が集まる場所、底の十文字の美しさ【184】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

以前に、シャネルのキルティングがかかったバッグについて、柄合わせの徹底さから、びしっと整ったものを作っていく「姿勢」というものがとても素晴らしいというお話をブログの記事の中でさせていただいたことがあります。

あのキルトの柄のつながりを見て、チェックやストライプ、ボーダーのバッグを作る時に柄合わせを意識するようになりました。

見た方もとても気持ちがいい、柄がぴたりと合っていることの美しさとその裏にはそこに込められた熱意も見られます。

今回は、<ハンドメイドバッグ教室>でマチ付きバッグのマチの綺麗な出し方をご紹介しました。

マチの十文字をびっしりと綺麗に出すコツ

マチは、長方形で縫っておいて、つまんで、ハサミでカットという方法もあります。

ハサミでカットしてはいけないような裏無しの場合は仕方がありませんが、間違いなく、マチ付きのバッグの型紙は、最初から角を削った形で用意し、裁断しておいた方が綺麗にできます。

このようにマチ部分を最初から削った型紙で裁断したやり方の方がマチが綺麗に作りやすいです。

それは、目に映りやすい位置にマチの重なりの十文字が来るので、整えやすい状況にまずはあるというのが、その理由。

そして、その環境が上手く整えられた状況で、マチを作りますが、その時に、マチの先端周辺だけを見るのではなく、奥3cm程入った部分までのハギ目の線のつながりを見るのです。

こんな風に3cmほど奥までハギ目部分の線を見ながら十文字を合わせるということをします。上の方だけを表面的に見ているよりもはるかにぴったり合ってきます。
そして、十文字にぴったり合った位置を指で固定し、真ん中のハギ目に待ち針を打ちます。決して動かしてはいけません。固定した位置を確実にキープします。
左右もそのままぴたりと合った状態で待ち針を留めます。

コツを実行した結果のマチの出来具合

やることはやったということで、マチを縫った後、ひっくり返します。

とりあえず、合格ライン。十文字が綺麗に出ているハギ目は美しく、気持ちが良いです。これ1つでも良い仕事ができた証(あかし)と言えるのではないかと思います。

あとがき

良い仕事ができたことが分かる商品はやはり価値が上がります。

マチの十文字もいわゆる柄のようなもの。

シャネルバッグが徹底して柄を合わせてあるように、左右1つずつのシンプルなものではあるけれど、マチの十文字柄も同様のこと。

ここは重点を置きたい場所です。

YOUTUBE動画ございます。よろしければ、ご視聴どうぞ。

マチ部分は、パッとバッグを見た時に、視線のいく場所の1つであるかと思います。

びしっと綺麗な十文字というのは、なかなか難しいけれど、このコツを取り入れたら、何か1つステップアップできるのではないかと思います。

終わり。

私がお作りしております、ハンドメイドバッグを一覧でご覧になってみてくださいね。

ヤフオクとcreemaで販売中でございます。

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バッグ作りで培う、表地がドレスなのかカジュアルなのかにテイストを合わせる粋(いき)な裏地選び【131】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、布製ハンドメイドバッグを作るにあたって、材料手配の場面のお話です。

出来上がりに大きく影響すると思われる、裏地のチョイスについてです。

以前、生地屋さんで列を作って並んでいた時の事。

たまにあることのですが、私が持っている生地が反(たん)の最終であり、これっきりという生地でした。

生地在庫の最終を購入ということで、商品のラスト1点と同じような感じです。

その時に、後ろに並んでいらっしゃった女性に声をかけられました。

「それは何に使うの?」と。「バッグの裏地」と答えたところ、「裏地にはもったいない、裏地なんてもっと安物の生地でよい」とのこと。

おそらく、その生地がほしかったのに最後なくなってしまったので名残惜しかったという心理もあったかもしれません。

あとあと、その女性の言葉は大変いろいろな意味で考え深いものがありました。

裏地に対して、裏側に潜むアイテムだから、どうせ目立たないのだから良質な華やかな生地を選んでも意味がないという価値観のように感じられました。

私の場合価値観が真逆でした。

裏地こそ隠れている部分にひっそりおしゃれをすることで、高付加価値を出したいという気持ちを持っています。

そんなエピソードが、ますます表地以外のパーツにも注視するようになったきっかけになったのです。

けれど、その女性の意見もその後取り入れた部分もあります。その生地は結果、表地に使ったのでした(^_^;)。

表地と裏地が同じで、後々ショルダーバッグにもできるカンの付いたポーチを作り、見事ヤフオクでご購入いただきました。

何かしら、人の意見というものはたとえ価値観の違う人でも良い部分があります。

他の人も良いと思った生地は、また、さらなる他の人も良いと思う可能性の高さを感じました。

大変興味深いエピソードでした。

カジュアルとエレガントの違いの感じ方

さて、今回の裏地のチョイスにあたって、まず、表地を見比べてみます。

カジュアル感ある生地とエレガントな生地です。

しっかり理解していただくために、あえて、いかにも誰が見てもくだけているカジュアル感のある生地では意味がないので、少し難しいレベルでチョイスしてみました。

同じステージで見比べるため左右ともツイード生地です。
左:リントンツイード、混率不明、イギリス製。
右:ファンシーツイード、ポリエステル/100%、ドイツ製。

左の色は濃グレー。ツイードではトップクラスのメーカー、「リントン」社様のファンシーツイードなので、リントンツイードという呼び方をしています。

右も同じファンシーツイードですが、こちらはドイツ製。

申し訳ないことに、左のリントンの方の混率が分かっていません。

混率が不明なのは少し残念なのですが、リントンの生地をいろいろ見させていただいて、主に、綿や毛の天然素材が多いのではないかということを予想しました。

その他は、レーヨンやナイロンなどが少しずつミックスされています。

ということで、私の独自判断ですが、この濃グレーは毛がおそらく50%以上入った秋冬的な混率のリントンツイードだとみています。

右側の白地は、ドイツ製で、こちらはリントンのように有名ではないですが、メーカー様のタグが生地屋さんの反には付いていました。

ひかえてこなかったので、メーカー名は分からないですが、こちらもリントンツイードと良い勝負をしています。

私が思うに、かなりレベルは高いツイードだと思います、高価でしたし。。

そして、カラフルにいろいろな色の糸を織り交ぜています。

さて、この2点を比べて、どちらがカジュアル、どちらがエレガントか、というのは言うまでもなく分かりますね。

左のリントンはカジュアルテイスト。右のドイツ製はエレガントテイスト。

まずは、これを感じ取るというところが裏地チョイスへの第一歩と考えます。

特にカジュアル、エレガントの違いで見なければならないとは思いませんが、結局洋服にしても、素材にしても一番比較しやすいのが、カジュアルなのか、エレガントなのかということだと思っています。

もう少し、リントンがカジュアルであると感じるその理由、右の白地がエレガントであると感じるその理由を言葉で表してみましょうか。

リントンのグレーは、何かざっくりした感じがあります。糸の混率が上述のように、毛とか綿が大部分で、天然素材を多く使うというところが、カジュアル感ある素材の糸なのだと思います。

天然素材で作られたお洋服の綿/100%Tシャツなどがカジュアルであることが分かりやすい例です。

チェックのネルシャツなども同様です。

そうすると、洋服でいう天然素材が大部分でできている物体はカジュアルに出来上がるものです。

ツヤのあるようなレーヨン、ナイロン、ポリエステルは使われているとしても少量でしょう。

そんな感じでこのリントンもカジュアルな素材なんだなあというとらえ方を私はしました。

毛の割合が多いと思われるリントンツイード。
ぱさっとしていてざっくりと織り込まれたようなカジュアルな雰囲気になっています。
このカジュアルな雰囲気のもとは、素材である糸の混率にあると私は考えます。

一方、白地のファンシーツイードを見てみます。

ドイツ製のファンシーツイード生地は、ポリエステル/100%という混率。
白地の白部分もつるりとしていて、宝石みたいなカラーの部分にもツヤがあります。
この糸の集まりが全体の生地の雰囲気ををエレガントに見せているのだと思います。

ということで、同じファンシーツイードなのに、左右でここまで対極的な違いの素材なんだということです。

ただ、ここで加えておきたいのが、この2点を比べるとリントンツイードはカジュアルでしたが、比べる相手が違うとまた違ってきますので、この2点を比べたというのが、私の取り扱い生地の中でのお話ということです。

それは、どういうことかというと、別のエレガントな生地と今回のこの白地の方のファンシーツイードを比べたときに、こちらがカジュアルに映ることも比べる相手によってはあるということ。

そもそもツイード自体が大きくは、カジュアルテイストなんだと思います。

あのエレガントなシャネルブランドの洋服にも初代デザイナーの「ココ・シャネル」様の時代からリントンツイードを取り入れていたとのことです。

シャネルブランドだからエレガントに見えているというまたこの魔法のようなしかけがあるのかもしれません。

カジュアルという言葉以外の表現として、メンズっぽいということ当てはまるかもしれません。

シャネルは、男性の洋服のアイテムや軍服アイテムから女性用に初めて取り入れた素材が多くあるようです。

ツイードというものも、もともと男性のジャケットという男物の代名詞的な存在であったアイテムを女性用に取り込んだという点が斬新であるという点で評価されてきたと言われています。

ツイードそのものがもともと男性特有の洋服の素材だったのですね。

ですから、今回ご紹介の2点の表地は、作るバッグの形がおのずと相性の良いデザイン、向くデザインというのも絞り込めるような分かりやすい違いであるとも言えます。

リントンツイードは四角っぽいバッグ、ドイツ製の方はカーブのあるデザインもきっと似合うでしょう。

裏地選びの秘訣

さて、いよいよ裏地をチョイスしていきます。

先程上述で感じたテイストの違いを大切にしながら、マッチした裏地を選んでいきます。

このマッチという部分も価値観の違いがあるので、あえて、違うテイストの。。と思う場合は当てはまらないですが、私の方針では、マッチする同じテイストでそろえてすっきりとシンプルに見せたいという思いがあるので前者で行きます。

まずは、リントンツイードの濃グレーの方から。

リントンツイード用の裏地:エステルポプリン、ポリエステル/100%、、日本製。

リントンツイードのツヤのなさにマッチするべく、ツヤのない裏地をあえて選びます。

裏地というものは、どれもツヤがあるものが多いです。そのような固定概念を超えて、表地用の中からもどんどん探していくのです。

そして、見つかったのが、この「ポプリン」という織り目の生地。

全くツヤが無いとは言いませんが、他になかなか見つからず、しかも色の展開が豊富にある素材がこのポプリンでした。

表地が濃グレーで暗めなので、中側を開けた感じにするべくパステルカラーを選択。

ブルーとピンクのコンビでツートンカラーに遊び心を混ぜた裏地にするイメージで2カラーのチョイスです。

なぜ、ピンクとブルーなの?という疑問を持たれたでしょう。

それは、表地の濃グレーをよく見ると、間にわずかに、このパステル系のブルーやピンクの糸が見られます。

それをおおげさにとらえて、拡大したかのように分かりやすく裏地の色に選んでみたわけです。

では、次に、右側のドイツ製のファンシーツイードの裏地行ってみます。

ドイツ製のファンシーツイード用の裏地(パープル)
:ラメツインクルサテン、ポリエステル/60%、ナイロン/40%、日本製。

リントン生地とは反対で、ツヤが大いにある素材ですので、裏地もツヤのあるエレガントな感じの裏地にします。

そして、やや厚手のツイードにナイロン/40%も入った作りあがったときに厚みがある素材をチョイス。

この裏地は過去に何度も扱ってきました。

色は10種ほどの展開があり、たいてい、どんな色味の生地にも10種から当てはめることができます。

この生地、とても優れているのが、厚手であること。ナイロンというのはごわっとして厚みを出す出来栄えになるようで、重ねて縫ったりするとボンと膨らみが増します。

なのでか細いものより、厚みの増すこのラメツインクルサテンはツイードに使ったらよく合うと考えています。

もともとは、衣装、ドレスなどに仕立て上げてふんわり厚みも出した立体感あるスカートなどを作る目的の生地のようです。

あとがき

ということで、今回、裏地選びの秘訣を、同じファンシーツイードでお伝えしました。

あくまで私の価値観でのお話ですので、共感してくだされば似た考え方なのでしょうし、違うとらえ方ももちろんあると思います。

ただ、私の目指すべきゴールが「粋:いき」にあります。

垢抜けたすっきり感などを重視することになりますので、表地に合う裏地ということで「なじむ」とか「歩調が合う」ということを重視します。

違和感あることが面白い、という考え方もあるでしょうね。でもそれは何かすっきりしなくてモヤモヤしてしまうので分かりやすい感じ方ができる組み合わせ方であるということです。

バッグをまるごと支えるからこそ丈夫に取り付けやすく作るべきショルダータブ【126】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

以前、イタリア製の某ブランドバッグをとても気に入って持っていました。

かれこれ25年前くらいのこと。

ショルダー付きのドーム型バッグでした。

おにぎり:picturesque作。長財布が横向きに入るサイズ感のミニバッグ。

この写真のようなタイプの形のものでした。

入り口がぱっかりとたくさん開くので中身が見やすいものでした。

「高島屋」様で購入のもので大変気に入っていて、たまに使う感じにしていたのですが、ある日プチっとショルダータブ外れたのです。

私のバッグもタブの取り付け位置は斜めに対角線の位置ですよね、これと同じような位置に付いていたのですが。。

しかし、タブが本革1枚仕立てでした。

おそらく、今思えば、縫いこみやすいように革を漉いて薄くしてある作りだと思われます。

縫いこみが甘いのか、中身を入れ過ぎたのか経年により、レザーが避けてある日ポンと外れました。

とてもあっけなく、茫然としてしまったことを覚えています。

結局同じブランド様の最寄りである別の店舗のお店で何とかお直してもらえましたが、おそらく取り付け方は同じ手法でしょう。

ブランドバッグは、見た目の綺麗さも重視でしょうから、スマートな形に見えるように弱くなっている部分があると見ました。

というこんな苦いエピソードがあったのでした。

タブが外れた苦い経験から活かせること

このことから自分が製作するバッグに活かせるとしたら、同じように外れてしまうような丈夫でない取り付け方を決してしないということでしょう。

ということで、ショルダータブの作り方をご紹介します。

タブ自体も丈夫なのだけれど、取り付けも丈夫にする、それには取り付けやすくなくてはならないという連鎖で、「縫い付けやすいショルダータブ」がテーマです。

完成したショルダータブ:15mmのDカンに取り付けて、付け根部分を仮縫いしておきます。
そして、バッグの表地と裏地の間にそこそこ深めに挟み込みます。
ある程度深めに挟み込んだ方が長い目で見たら丈夫だと考えられます。

ショルダータブは、結局のところバッグ全体の重さを支えます。

それが外れてしまうようでは話になりません。

また、ここでお伝えしたいことは、何も硬くするばかりでもいけないという点。

過去にショルダータブを硬く分厚く作りすぎて本体に縫い付けられなかったことがあったからです。

よって、革を漉いて取り付けやすくするのももっともなことではあるのです。

ただ、その加減です。

取り付けやすい程度の厚みでありながら、同時に頑丈な取り付けでなければいけない、ここを今回追求したのです。

欲張りですが、2つのことを同時に満たす工夫をしたということになります。

後になって、お客様にお直しをするお手間をかけさせないように作りたいということです。

作り方は動画内で解説致しました↓。

あとがき

スタイリッシュに仕上げることを優先した丈夫でないショルダータブの取り付け方。

これがいかにユーザーの身になっていない製作側都合のお品であるかという見方ができます。

ショルダーなどは気休めなもので、常に使用するものではないという腕にかけるハンドバッグ主体の持ち方の優先ということもあったかもしれません。

そして、本革が厚みがあり過ぎると縫えないという製造の限界という事情もあるのでしょう。

特に本革レザーではこういったことが過去のお品に多く見られます。

そうしますと、布で作る製作者がそういった本革レザーのブランド品に抜きんでることができる点としてこうした細かなパーツの丈夫さの追求があると言えます。

硬すぎても結びにくく、柔らかすぎても長持ちしない、しなやかさと丈夫さの詰まった感触の巾着リボン作り【125】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

バッグに巾着ひもが付くタイプとして2デザインを思い浮かべました。

1つは、巾着バッグ(巾着袋とも呼びます)そのもの。

先にダブルストッパーが取り付けられってぎゅって引っ張って閉じるデザインもよく見られます。

そして、もう1つは、バッグのサイドに巾着ひもを縫い込んで、蝶々結びをして閉じるタイプ。

いずれも、紐がいろいろ変形しながらの動きの多いパーツとなります。

ということは、動く中でよじれたりなどしながらでも丈夫に保つ工夫が必要ということが見えてきます。

そして、同時に、結んだり引っ張ったりしやすい柔軟性も必要で、柔らかさも必要です。

一見相反するような2つのことを同時に実現可能なのか。

それには、ちゃんと「しなやか」という言葉のとらえ方、「丈夫」という言葉のとらえ方をしっかりと咀嚼(そしゃく)せねばなりません。

「しなやか」は弱さや薄さではないこと、「丈夫」は硬さや厚さではないこと

さて、「しなやか」と「丈夫」を両方満たす共布ひもに挑んでみました。

まず、「しなやか」という点が製作のどこに現れているのかということ、「丈夫」という点が製作のどこに現れているのかということがはっきりしています。

しなやかであるということは弱く薄いことではないのです。

丈夫であるということはごわごわして厚みがあることではないということです。

どの場面、どの箇所に丈夫さやしなやかさを表す施しをしたのか、それをお伝えしたいと思います。

「丈夫さ」はここで生まれているという点①:接着芯を貼ること

共布ひもは縦が長く横が5cm巾で作りました。
このような長ーいパーツでもきちんと接着芯を貼るのがまずは鉄則。

大鉄則として、このような長い共布ひものパーツにも接着芯を貼るということです。

以前、接着芯を貼らないで巾着バッグの紐を作ったことがありますが、とてもふにゃふにゃなものでした。

ふにゃふにゃが好みということもありますので、その場合構いませんが、ただ言えることは、丈夫さがこの接着芯1つで変わるということです。

接着芯は、風合いにおける「張りやコシ」を出してくれます。

こういった細い、重ねてミシンでステッチするような作りのパーツでは、補強の意味が強くなります。

中側で折られてミルフィーユの一部となった芯地が補強役として働いてくれるのです。

決して分厚い芯地でなくても、薄い芯地で良いのです。

「丈夫さ」はここで生まれているという点②:しっかりと目の揃ったステッチ

アイロンで折り目を付けた後、外側1周をずーっと縫っていき、元の位置に戻って終了。

ぐるり1周を端から1.5mm程度の位置にステッチします。
完成して、結んでみます。リボンがいい具合でしっかりしている様子が分かります。

ステッチはぐるり1周のみ。超薄手の生地の場合、更に真ん中に2本ステッチを加え、全体で4本ステッチにすることもアイデアとしては有ります。

しかし、このような薄いワンピースやブラウス用の生地でさえも外枠ぐるり1周だけのステッチで程よく丈夫に出来上がります。

出来上がりでは、蝶々に結ぶと蝶々の羽の部分の輪が非常に生き生きしているのが分かりますね。

だからといって決してごわついてはおらず結びやすいのです。。

これで、今回の「しなやかで丈夫」が実現できたのです。

まとめますと、①接着芯に加え、②ステッチで固定の2つのコンビのハイブリッド仕様が目標である「しなやかで丈夫」を実現したと言えます。

どちらか片方だけは成り立たない、2つのコンビというところが何か別の仕様にもアイデアとしては引用できる考え方ですね。

「共布ひも」が完成したと同時に「しなやかで丈夫」も完成したというところが裏に隠された意味です。

あとがき

今回のように、今後も、1点1点のパーツに裏の意味をちゃんと入れ込んでいきたいと思っています。

お品が理解されて受け入れられるのは、こういうことの追求の集まりに寄るところが大きいのではなかろうかと思うのです。

これを、「哲学を入れ込んだ」と呼ぶのではないでしょうか。

美しいミシンの縫い目の実現のために。。縫い始めと縫い終わりの糸を隠す仕上げ方【124】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

<HMB教室>カテゴリーであるこちらで、ハンドメイドバッグ教室の内容をお届けします。

この教室は無料のYOUTUBEとブログの中だけの教室です。

私の目標としましては限られる人数のリアルの教室の代わりに、ネット上で何かしらの技術やコツを共有することがリアルの教室では難しい大人数に広く行き渡ればという願いを込めています。

ということで、当ブログのカテゴリーの<HMB教室>でそういったコツや技術の内容を集めていますので、ちょくちょくお立ち寄りどうぞ(^-^)。

さて、何をミシンで作るにも必ず出てくる縫い始めと縫い終わり。

これが返し縫いで糸をブチっと切っても良い時と良くない時を私は分けて考えます。

今回は、後者の方の手間をかけていきたい時の、綺麗な仕上がりになる糸の始末をお伝えします。

裏に結び目を隠す手間をかける場所とブチっと糸を切っても良い場所の区別

大きくは、こう分けています。

裏に糸の最後の玉止めを隠す必要のある時というのは、表にむき出しの箇所です。

例えば、サイドに縫い付ける形で取り付けるタイプのショルダータブなどはその例。

サイドに縫い付けのショルダータブ:糸をプチッと切らずに、結び目をタブの溝などに隠しています。

バニティバッグの場合ショルダーはサイドに縫い付ける仕様が一番使いやすくバランスが良いと思います。

この時に、今回ご紹介します糸の縫い始めや縫い終わりの部分を隠すやり方が使えます。

また、必要が無い時というのは、取っ手やリボンをトートバッグの表地と裏地の間に挟み込んで縫い付ける時などです。

内側に隠れてしまい、視界には全く入らない場合が糸をブチッと切ってしまって良いケースだという考え方です。

この後に貼ります動画は、ブチッと切らない手間をかけて綺麗に仕上げるケースの場合の糸の隠し方を細かい世界観で研究した記録をYOUTUBE動画にまとめています。

2つのケースがありまして、1つは縫い始めと縫い終わりが同じ位置に来るような、ぐるり1周などのステッチの場合です。

もう1つは直線で縫い始めと縫い終わりが別の位置になるケースです。

あとがき

確かにこの作業は、少々手間がかかるものです。

この積み重ねが時間をかけた作業となることに影響はしますが、バッグは綺麗に仕上がります。

スピードか丁寧さかどちらに重点を置くかですが、迷わず後者です。

まずは良質な物をきちんと作っていくことをベースに置いています。

大手様のコストをカットする大量の格安商品とは反対のことをしていかねば、個人では、到底お品が受け入れられないと思い意識し始めたことです。

綺麗に作ることに対して、このような手間をかけ力を注ぐのは意味のある時間の使い方であると判断した結果でもあります。

ハンドメイドバッグ教室では、「綺麗な作り方」という視点でお伝えしますので、手間をかける場面は結構あります。

この考え方が長い目で見て、その場には目に見えない「信用」とか「信頼」を獲得することへの実現へつながっていきます(^-^)。

あくまでピンチの時だけ、途中で糸が途切れた時に縫い目を自然に継続する方法【123】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ミシン縫い作業は上糸と下糸のコンビネーション。

下糸はミシンの構造に沿い、ボビンという小さな巻きパーツに巻いて設置します。

このボビンがなかなかのミニサイズなのです。

ミニサイズであるがゆえに、一度に負けるm数が限られます。

私の見積もりでは、30番のテトロンで25m周辺。

1点のハンドメイドバッグを作るにあたり、必ず途中で下糸の交換が起きます。

しかも、その交換時期は突然訪れます。たとえ縫い途中の場所であってもです。

そんな時に、少し残念な気持ちになりながらも、予想不可能であるい仕方が無い現実に納得しながらボビンに糸を巻くところから再開していきます。。

さて、その縫い目はどうするのか。。。

いろいろその場面を経験する中で、前の段階に遡って糸をほどくことをせずに、その場所周辺から再開できる方法を見つけました。

しかし、不自然なつなぎ目は意味がありません。

今回は、ミシンの縫い目の美しさを追及する対策として、糸の途切れ目が表からは分からないようなつなげ方をご紹介します。

糸がバッグから飛び出していないお品にするための玉結びと玉止めを裏側に隠す徹底

糸が途中でぶちっと途切れるのはそこがほつれの原因になったり、見た目が粗い縫製に感じたりで決して良質とは言えません。

かつてハンドメイドバッグを作り始めの頃は、返し縫いで縫い付けてしまえば丈夫になったのだから良いと思っていました。

今は、随分と視野の狭い見方だったと思えます。

いろんな箇所でそれを行うと、ぱっと見の糸のツンツンした飛び出しが複数になり、目に付くものです。

その後、目の前にあるお品をもっと俯瞰して見るようになったようです。

ここ数年は、良いお品を作るという前提のもと、糸の縫い目は表には出ないことを徹底しています。

が、そのようにな意識をしていても、糸が途中で途切れるというハプニングがどうしても起こってしまうことがあります。

<糸が途中で途切れてしまうケースの例>

・下糸がなくなった時

・厚手の生地を縫っていて不意に脱線してしまった時

・間違えて押さえを上げてしまった時、

・糸がどこかしらに絡まり、やむなく途中で切って対処した時

こんなことがたまに起こります。

どれも起こってしまうことは仕方がないことです。

そうした時に、対処できる方法、そしてその後もその続きから再開できて、糸の縫い目が表から見て、何の問題もなく自然につながる方法があります。

最初からほどいて縫い直すことも、実はリスクを伴うことがあります。

薄手の生地とか、ミシン穴の跡が目立つ場合などです。

途中で切れた、もしくは切らざるをえなかった糸。

まずは、このたらりと長く余っている糸は切らずにそのままです。

後で結ぶ時に数センチ必要ですので。

続きは連続ショットでご紹介します↓。

まず裏側に出ている上糸を進行歩行と反対向きにやさしく引っ張ります。
表面にある下糸がこちら(裏面)にリングのように浮かび上がります。
それをリッパーで糸を切らないように易しく手前へひっぱり出します。
そうすると糸の先端を含めた向こう側の糸がこちらに集まりますので、
これを2度結んで固定して糸を切ります。途中ながら、玉止めのような役割です。
そうすると表から見ると縫い目が途切れてはいますが、糸の先端が反対側に収納されたのが分かります。
次にここからつながるようにミシンをかけますが、先端の穴そのものは避けて、そのすぐ隣からが良いかと。
そこにミシンの針を刺して、返し縫いせずにスタートします。「この返し縫いせずに」がとても大切。
そして、最後は端っこなので返し縫して完了。途中からのスタートの部分も綺麗に始末します。
その始末の方法というのおが、先ほどと同じ要領で表にある糸をこちらへ誘導。
易しくやらねば、2つ3つ針目が一気にほどけるといけないので、慎重に。
そして、2度結んで玉止め完了。
表から見ると、どこで途切れたのかさえ分からなくなりました。成功です(^-^)。

なかなか写真では省かれてしまうシーンがどうしてもあるので、必要とあらば、YOUTUBE動画でもご確認してみてくださいね↓。

ところで、この作業は言うまでもなく頻繁に行うものではありません。

あくまで、どうしようもない状況の時です。表には見えなくとも、一気に縫えることが一番綺麗です。

さらにやばい状況、糸が短くてすぐに玉止めできない場合や縫い終わった後で途中を一部だけ縫い直したい場合にはどうするのか

そして、発展バージョンとして、糸の長さが足りない状況、プチっと切れたハプニングの時に糸が短くてその場所ではとても玉止めできそうもない場合は、数センチ余分にほどきます。

1目1目慎重に裏側から糸を引っ張って結べる長さになるまでまずほどきます。

また、別の状況としては、縫い目が途中部分のみ外れている場合、本来は最初からやり直すのがいいのですが、そうもいかない場合です。

真ん中でまず糸を切っておいて両サイドを数センチずつ左右にほどいて同じことを行います。

とにかく表の糸目を見て確認しながらなのですが、場合によっては、針に糸を通して、裏面へ送ったりなども時々取り入れています。

ただ、これが可能な場合というのは、裏地を貼る場合など、結び目が隠れることができる場合に絞った方がよさそうです。

こうしたハプニングのピンチの際には、すっきりと綺麗に見える出来上がりにするには?を考えてのやむを得ない判断です。

決して頻繁に行うものではないです。

あとがき

細部まで行き届いた仕立てというのは地味な箇所なようですが、美しいものです。

今回は、<HMB教室>からお送りしました。

ハンドメイドバッグを綺麗に作る方法やコツをお伝えしています。良質なお品というのはどういうものなのかという研究を私も共有しながら一緒に行ってまいります。

このカテにノウハウが集まっていますので、よろしければ今後も<HMB教室>へお立ち寄りどうぞ(^-^)。