縦25cmx横30cmの特殊サイズ、1つの低反発クッションなのにカバーが複数にマトリョーシカのような構造の理由【628】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび縦25cmx横30cmのスツールの座面に敷いていた低反発クッションがペタンコになりました。

長時間座るための厚みのある思い切ったものを作りたいというのがきっかけで、低反発クッションカバーを製作。

特殊なサイズですので、低反発ウレタンをカットしてまずは25cmx30cmくらいにしたところからのスタートです。

カバーの作り方は比翼タイプの【1343】【1348】で作り方などを解説させていただきました。

このたびは、その発展バージョンのようなもので、元々4cmの厚みのウレタンを8cm使いに二重に重ねていく構造をどう製作したのかを見どころにご覧くださいませ。

独自の解釈:なぜウレタン4cmを重ねて8cmのままメインカバーに入れなかったのか

まず、ウレタン自体の内袋もウレタンカットと共に調整のカットを入れます。
4cmのウレタンを2点購入していまして、それぞれに色違いでカバーを作りました。

内袋もあったのにここまでわざわざそれぞれのカバーを作ったことが余分ですが、別々に使う時の対応のためにやってみたのです。

以前に製作の失敗作のカバーを利用:カーブの椅子に四角が沿わなかったことでボツになった正方形をカット。
メインカバーの完成:既製品をカットして縫い閉じるので迅速に完成。中にカバーに覆われた2点が内蔵。

まるで、マトリョーシカみたいな構造です。

ウレタンに内袋があるのですから、いきなりこのメインカバーに入れても差し支えないと思います。

完成:立派な厚みのカバーが完成。低反発は沈みますので、8cmでちょうど良いくらい。
使い方:元の薔薇柄のクッションカバーに紐が付いていたのでそれを利用してこんな使い方。

あとがき

最終的に使い方は、更なるアレンジにより、元のペタンコのウレタンの紐を利用しました。

随分といろいろ重なったクッションになっていきましたが、独自のアレンジです。

なかなか他の方には伝わりにくい独自の製作ではありますが、この中の無駄の部分は省いていただいて、適切だと思う製作に引用いただければよいです。

 なかなかピッタリのウレタンカバーは売ってないもので、カットして使うことになるケースもあるかと思います。

カットの際には、フォルムをきちんと作るようにウレタンにボールペンなどで線を引き(サイドの厚みの部分も線を引く)、大きめの深いハサミで前・後・サイドの角度すべてにストレートに切り込むという丁寧な裁断もお勧めしたいです(^-^)。

「コスチュームジュエリー展」で拝見した多数の模造品、ヨーロッパとアメリカとのデザインの違いに表れる気質や文化【626】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

巡回型の「コスチュームジュエリー展」に足を運んできました。

場所は美術館。

「コスチュームジュエリー展」:2024.04.26-2024.06.30愛知県美術館(愛知芸術文化センター10F)にて開催。

そもそもコスチュームジュエリー展が美術館で開催というところにもうすでにコスチュームジュエリーに対する扱いが見て取れます。

ジュエリーを「芸術品」なるものとしてとらえているということになります。

ファッション小物とは一線を画すようなそのコスチュームジュエリーが生まれたのは、「ポール・ポワレ」という男性が先駆者と言われています。

その後同じ考え方の、ドレスのコルセットを解放した自由な服装への提案をコンセプトにした「ガブリエル・シャネル」様の影響は大きいです。

ライバルであったような存在の「エルザ・スキャパレッリ」、そして「クリスチャン・ディオール」もコスチュームジュエリーを多くの人に広めていった功労があったということです。

このたびは、実際に現物を拝見したことに伴い、展示会内でも説明のあった「ヨーロッパとアメリカのデザインの違い」に焦点を当てた切り口でコスチュームジュエリーについて綴りたいと思います。

工業製品であるコスチュームジュエリーはある意味自由自在、にもかかわらずヨーロッパがお花や葉っぱのモチーフに固執した理由

これも趣味嗜好が関係してくることだと思うのですが、植物などを美しくかたどったジュエリーのデザイン一辺倒のヨーロッパに対して、アメリカ生まれのコスチュームジュエリーは虫とか新しい分野のモチーフをどんどん取り入れていきました。

その違いが文化や気質の違いとして作品に表れていました。

カジュアル過ぎるアメリカのモチーフよりも、クラシックさを曲げないお花や葉っぱなどのモチーフをずっと作り続けるヨーロッパの作品が好きです。

それはお洋服のテイストにも現れて「エレガント」ベースだからです。

この違いは本当に対極にあるテイストであり、元はヨーロッパからの発信をアメリカは独自のアレンジでもって表現していったということが言えると思います。

伝統に固執するヨーロッパの良さももちろんあり、変化を楽しむアメリカの良さも大いにあると思うのです。

あとがき

YouTubeの中でお話させていただきました切り口と当ブログ記事の切り口が違いますので、両方見ていただけると2倍の情報になります。

コスチュームジュエリーに対してはとても有難いジュエリーだと利用させていただいております。

何せ、活動的な場面で高級ジュエリーはハラハラドキドキせねばならないことでその本来の目的が十分に楽しめなくなってしまうかもしれないからです。

例えば遠方へのお出かけにはそれにふさわしいジュエリーとしては、コスチュームジュエリーの出番があると思っておりまして、「気軽さ」があります。

もし、破損したり失くしたりしても代わりが利くというのも「工業製品」のメリットです。

ただ実際はコスチュームジュエリーさえも1点物のような物を選んでいるので、大切にしていくということになります。

コスチュームジュエリーが偽物だということは見た目で重々承知のもと。

分かっていてイミテーションパールや模造トルコ石のジュエリーを装うことに対して、肩の力が抜けて付けられる良さがあるのです。

それでも、こんな工夫も考えました↓。

大ぶりなコスチュームジュエリーをあえて小ぶりで集めること。

小さいということが、遠目で見て「本物かもしれない」というまやかしを起こします。

「偽物」なのに「本物」に見えるというアイデアを自らのアウトプットとしてお伝えしたいと思います(^-^)。

座椅子カバー2種①フルカバー(脚無し用)②ハーフカバー(脚付き用)を3年越しの生地のロット違いを組み合わせた製作【1398】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

実家で母が座椅子を購入とのこと、拝見すると、なかなか立派なものでした。

張りの生地はツイードと帆布の間くらいの厚み生地。

イメージとしては、長く使っていく場合そのままでは、生地が擦れたり破れたりするのではないかというもの。

そして、カバーを作ることを提案し製作することになりました。

その座椅子は、木製の脚(あし)がネジ式で設置してあり、取り外し可能。

脚付きの使用と脚無しの使用が使い分けられるものでした。

このたびは、その両方に合わせ、カバーを2種作る方法を選択。

1つのカバーで2タイプを兼ねるとカバーに脚の部分の穴が必要で、遠方に住みながらの製作では穴の位置が正確ではなく、かえって2種のカバーを作った方が良いと判断したのでした。

座椅子を出来る限り末永く持つためのカバー、必ず何年後にはカバー無しよりも大きく効果が出ていくと思いますので、座椅子購入の最初に検討することとして、是非ご参考にどうぞ。

手持ちの在庫生地のラストを飾ると同時に、不足は生地屋様で同じもののロット違いを追加購入

使用生地(カーキグリーンとカーキブラウン):コットンヘリンボンバック地、綿/100%、日本製。

2年前の反で購入のカーキグリーンのが手持ちで最終でした。

右のカーキブラウンは当時には購入しておらず、まだ2年前のストックが売り場にあったというミラクルで追加購入ができました。

座椅子も面積が大きいので手持ちだけでは不足を、現在でもまだ生地屋様に同じものがあった奇跡。

反が違い随分ロットが違いますが、組み合わせたバイカラー仕様が可能だとひらめきます。

そして、不足分のみを最低限に追加購入し、この度の製作に利用させていただきました。

縫い代はすべて2.5cmで1.25cmずつの三つ折りステッチ。一重仕立ては先にすべて縫い代を隠してから合体。
バイカラーの様子:半分がグリーン系、半分が茶系と整然とした配置になるよう途中でハギ目も作りました。
2種のカバーの内①フルカバーの方には座椅子を包み込むためのマジックテープを片方のみに横配列に3箇所で設置。
マチの縫い代の始末のみパイピング:ラッピングとも呼んでいますが、マチのみ縫い代を共布でカバーします。

①フルカバー②ハーフカバーの完成をふりかえりました

無事に完成しました。

フルカバーは、布団カバーなどと同じ作りなので、上述のマジックテープの入り口が特徴意外はお写真を省略です<m(__)m>。

写せたらよかったのですが、現在の使用が脚有りのハーフタイプ用ですので、時間がなく写せませんでした。

ハーフカバーに関しては特徴があり、現在の脚取り付け状態に合致して写すことができましたのでこちらを中心にご紹介します↓。

②ハーフカバーの全体:上から写しました。背面はかぶせていまして。座面は敷いているといった機能。
②ハーフカバーの背面(サイド):はこうしてマチがつくってありまして、かぶせています。
②ハーフカバーの背面(後ろ面):50cm分だけなので少し足りなかったです。生地在庫がもう限界でした。
②ハーフカバーの座面:背にはカバーがかぶり、座面はシートになっている切替の部分が少し不自然です(^_^;)。

寸法の割り出し方:小さくて入らないことを防ぐための5cmの追加の実際の効果

シミュレーション:型紙は作っていませんが、メモ書きはあると良いです。座椅子の実寸は120x65x18cm。

<縦>の9はマチ18cmの半分、3というのはハギ目を作り延長した分のハギ目の縫い代両側合計の3cm、少し足りませんが余分の5cmのプラスに吸収されたと思います。

2.5というのは、三つ折りの縫い代の始末1.25cmx2=2.5cmのことです。

最後に足した5は5cmの余分を縦も横も見積もったという意味。

カバーに余裕がないと本体の生地と擦れたりして傷めますので、ゆとり寄りに仕上げるために5cmを見たのです。

当初ゆとりがあり過ぎたら行おうとしていたピンタックも辞めました。

5cmの余分の見積もりはまずまずの効果を出したと思います。

とろみの生地ではないところがこの度の綿/100%の比較的厚手の生地の良さ。

よく座面にもなじみずれることがすくなくうまくフィットしました。

あとがき

このたび製作の座椅子カバーも決して小さい雑貨品ではありません。

面積の大きなものを作る際には、出来るだけものさしを使わない方法が楽でスムーズ。

ヘリンボン織の織柄がストライプなので、その柄に忠実に裁つことを目安に随分スムーズでした。

もっと大きな寝布団カバーやこたつ布団カバーならば、なおさらです。

そうしますと、もし手作りで柄or無地に迷う場合は、せめてジャガードにすると柄が目安になり助かることが多いです。

カーテンも同じことだと思います。

初めての場合は何か必ず課題が残ってしまう完成になることが仕方がないわけですが、その分その教訓や課題の解決の糸口は都度製作後すぐにお伝えすることができます。

綺麗な完成だけをお伝えしても現実的ではありませんので、むしろこうした課題の残った完成品から得られる情報こそが重要。

是非、製作にこのたびのアウトプットを活かしていただければと思います。

素敵な完成を祈っております(^-^)。

アメリカ文学から紐解く、「差別」「否定」が一家代々に渡る悪い連鎖を生み出す程の心の奥底に潜む「劣等感」を持ったきっかけは何なのか【1397】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

以前の【366】のブログ記事では、「アメリカ文学入門:諏訪部浩一 責任編集」を一読、その中からすぐに読みたい1冊が決まっていました。

そして、その後読み始めた、たまたま長編であり難解であると知った「アブサロム、アブサロム!:ウィリアム・フォークナー 著」をこの度拝読。

以前も綴りましたように、アメリカ文学はその結末が必ずしもハッピーエンドではない、むしろ悲劇的であるということの象徴的なストーリーでした。

そのキーワードの1つに、「ironic:アイロニック:皮肉」があるのだと。

このたびの長編は、(確かに噂通り)複雑で分かりにくかったのですが、覚悟を決めた上で読み進め、親切な最初の人物紹介の掲載も随分役立ちました。

時折、「えーとこの人はどんな立場の人だっけ?」などとページを戻りながら読んでいきました。

不思議なもので、数行は到底途切れることが無い文章の読みにくさがあるにもかかわらず、息つく暇も無いほど物語へ吸い込まれるように、そしてむさぼるように読んでいくことになりました。

気が付けばページが進んでいるというまるで魔法のような「しかけ」を感じます。

このたびは、読み終わって考える、人種間の「差別」「否定」の根源はどこにあるのか。。の深堀りの記録です。

一人の人間の「魂の傷付き」がこうも世代を超えて一家の終焉に至る程の根強い「悪」をもたらしたことの罪深さを暴き出したように思えました。

正確な答えは著者様以外分かるものではありません。

とはいえ、こうした文学作品も1つの問題提起ととらえると自分なりの感じ方を持っても良いと思うのです。

1つその答えを見つけたような気がします。

一家の悲劇の始まりのキーパーソン、「トマス・サトペン」の幼少時代のトラウマ

この記載の前に、「ウィキペディア」を拝読。

この物語についての一定の正しい要約が掲載されていました。

サクッと物語を一読だけでは到底分かることはないこの登場人物多数の難解な物語です。

とはいえ、最初から最後までで何度も出てきたエピソードが非常にキーポイントに値する部分だと誰もが分かると思います。

「サトペン100マイル領地」と呼ばれる豪邸を作った初代の持ち主、「トマス・サトペン」は、幼少の頃、後にトラウマとなるような差別を受けました。

お遣いで訪問したお宅の黒人に、表玄関から通してもらえなかったのです。

「裏口へまわれ」という黒人による指示。

これが後の根深い「差別」の連鎖を生んでいきます。

私達の浅いイメージを覆すのが、「サトペン」が白人であったということ。

白人が黒人によってこうした差別的屈辱行為を受けたエピソードです。

私たちがイメージにあるのは、黒人が白人によって差別を受けるというものでしょう。

実はそうではなく、どんな民族も民族同士の間でこういったことがあったということなのです。

アメリカ社会の奥ではかなり複雑な人間模様が入り組み、一筋縄というものでは決してない点がとても重要です。

幼少時代に粘着してしまったトラウマが「サトペン」のその後の一生に付きまといます。

「差別」をされた者が行ったことは、同じく人を「差別」するという連鎖の悲劇でした。

そして、最初の妻に黒人の血が入っていることを後で知ったことで、「黒人への否定」が民事訴訟や離縁という形で表れます。

そうして、「考え方」が一家代々に渡り遺伝のように引き継がれ、心の奥底に浸み込んで悲劇を生む結果になってゆきます。

思えば、幼少の頃に受けたトラウマの時の近所の黒人も「差別」や「偏見」を持った考え方が完全に心に根付いていた人物だったかと。

「サトペン」に「裏口へまわれ」とまるで呼吸するように自然に発してしまった言葉だったと思われます。

たった一度「差別」に出くわしただけのわずかな瞬間でさえも、その後の根深い悲劇を生み出す恐ろしさを見た気がします。

そして、血縁関係や結婚などの縁により、長年に渡り悪いしきたりが一家のすべてに伝播していく様子を決して単純ではなく入り組んだ複雑さを孕む象徴のように、長く難解な文章でまざまざと綴っているのです。

あとがき

「差別」と「自負」は対極のような位置にあり、常に敵対しているものだと思います。

なぜ、「差別」があるのかというところは、「劣等感」の表れではないかと見ています。

本当は平等を求めているからこそ、「劣等感」という感情が湧いてきて、「そんなのおかしいよ」と伝えているのです。

それなのに、その後の方向を見間違い、されたことと同じことを別の人間に対してやってしまうのが人間。。

これが負の連鎖ともいうべき、「差別」の広がりの正にその分岐点だと思います。

では差別する側の人間に存在してしまった「劣等感」はなぜ生まれてしまったのか。。

それが、冒頭でつづりました、「魂レベルでの過去の傷付き」だと思います。

物理的な傷はやがて癒えていくのですが、「魂」が傷付くことを治すことがいかに容易な事ではないかということです。

『人間は、決して「魂」に傷を負ってはいけない、また人の「魂」に決して傷を負わせてはいけないということをすべての人種を越えた人間一人一人が考えるべきなのだ』という強い助言と戒めをある一家の崩壊の顛末とともにその根深さと恐ろしさを伝えたメッセージなのではないかと思います。

クッションカバーと同じ構造、遠出にも持参できるミニ寝布団をおしゃれに包み込むダマスク柄カバーの作り方【1395】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「ダマスク柄」は、日本製の伝統生地でいうところの「小紋柄」と同じタイプの柄です。

柄のモチーフがエタニティーに繰り返されます。

生地幅や反の終わりに柄がやっと区切られるという配置です。

良質な生地では、「ダマスク柄」の縦横共に正確な配置を利用し、ものさし要らずの裁断が可能。

実際に製作するにあたって、大きな布団カバーなどにはとても有難い柄なのです。

実は、このたび利用させていただきました「STOF:ストフ」社様の生地はメインには、「こたつカバー」を作りました。

購入生地屋様は、「大塚屋」様です。

その残りを有効活用するためにその他のカバーに利用を考案。

本来順番が「こたつカバー」が先ですが、季節もずれてしまっておりますので、先にお昼寝用にも利用できそうな「ミニ寝布団カバー」のご紹介をさせていただきます。

「こたつカバー」は非常に大きくファスナーの設置もありハギ目もありますので、やや仕様が複雑。

それに比べて、生地だけで作れるこの度の「ミニ寝布団カバー」は、大人・子供・動物に及ぶまでユーザーのポテンシャルも幅広いので是非ご一読どうぞ(^-^)。

2枚の段差を中表に縫い合わせる入れ口が比翼タイプの「ミニ寝布団カバー」のとても簡単な製作手順

まず、大まかにシミュレーションです。

生地に差が付いた2枚を用意:ダマスク柄の同じヶ所を底部分で合わせ美しい柄の重なりに仕立てます。

最初にやることは、2枚共上辺を9mmの伸び止めテープ(平)を貼り、その巾で三つ折りステッチです。

中表に長い方を20cm折り下側に。短い方は上です。ひっくり返し後の重なりは逆転し正しくなります。

待ち針でまずは、長い方の20cm折った箇所だけ固定しておいて、次に短い方を重ねて更に待ち針りするのが正確です。

トップの「わ」以外をコの字型に縫い代から5-7mmを一周ステッチ。
中表の時の5-7mmのステッチのイメージ:上側が底に当たります。角はちゃんと5-7mmをキープしながら。
コの字に縫い終わった次にすることは、角を3/4程度の切込みを斜めに入れること。

この切込みの意味は、この後のひっくり返しの時の角の出方が出来るだけ尖るように邪魔な縫い代の融通を利かせるためです。

先程の5-7mmのコの字ステッチ線に沿ってアイロンで折り目を付け、ひっくり返します。

ここでさらにアイロンで整え、端から2本のステッチをそれぞれコの字型に入れていきます。

この2本のステッチでもって内側の先ほどの5-7mmの縫い代が完全にカバーされます。

いわゆる「袋縫い」です。

2列のステッチを入れた状態:端っこがペタンとなった様子が遠目ながらうかがえます。
二本ステッチの出来上がり:1本ずつかけますが、最初に端から2mm程度、次に間3-4mm程度空けた箇所へ。

いかに幅を統一するかは技術であり、美しさのために追求する箇所だと思います。

角の部分もステッチが並行になっていることを追求することが良質さへの歩み寄りとなります。
最初に20cmの重なりを見た大小の差がここに表れます。長い方を先に折って下にしたことで表では上に。

実は、一度失敗していまして、先に短い方を下にしていた中表のまま途中までやっていました(^_^;)。

結構間違えがちなので、この点はご注意を。

完成(裏面):縦130cmx横65cm。
表面:適度なゆとりのあるカバーです。ものさしをほとんど使わずこのダマスク柄だけを頼りに作れます。

あとがき

このたびのような、20cmの重なりは、正方形でも同じ20cmで製作しますので、定番の数字として引用いただけます。

この構造を利用しますと、いろんなことに応用ができると思います。

例えば、ポケットもそうです。

比翼付きはこぼれにくくセキュリティー性が高まります。

ファスナーやマジックテープの留め具が無い場合にはこうした利用の仕方を小物製作でも可能ということです。

ティッシュケースが良い例でこの構造と同じだということに気づかれると思います。

ティッシュケースは重なりはさすがに20cmとはいきませんのが、ティッシュケースのようなわずかな重なり部分も寸法を変えることでポテンシャルが高まります(^-^)。

エレガントなデニムパンツとして装う、ハイブランド古着ジーンズを引用した夏のさわやかデニムコーデ3セット【1394】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

大きなデニムの流行としましては、長い間カジュアルコーデの象徴的な存在であったデニムのはき方が、オーバーサイズの流行も相まって、ワイドになったり、スラックス風なモデルになったりしてエレガントなテイストを提案してきているようです。

いったいどなたがもともと提案してきているのでしょうか。

それは、ファッションの先端を行く少数のおしゃれアイコン様達であったり、ハイブランド様の数々の「確かな勘」が束になった1つのものだったりするのではないでしょうか。

そんな情報を見てか、その波にぷかぷか浮かんでいるのか、確かにカジュアル色のある「リーバイス501」を現在では1本も持ち合わせておりません。

その代わり、古着ライフの中で特にお世話になっている「アルマーニ」様のデニムなど、「ハイブランドデニム」に注目するようになりました。

このたびは、3セットのいずれにもイタリアのハイブランドデニムが入るコーデをご紹介、これからの暖かい/暑い季節に向けたご提案としてこの記事を綴りたいと思います。

ベルトやパンプスやバッグも登場する全体的なコーデとなりますので、「ストリートファッション」として目に映る装いとして眺めてくださいませ。

どちらかというと落ちたブルージーンズがおしゃれ度が高いと感じる、イタリアブランドデニムを交えた3セットの全体コーデのご紹介

登場するジーンズはどれもミドル以下:アップに寄った写真のデニムはどうしても薄く映ります。

実際は②はもっと濃いですし、①③はもう少し色があります。

①③の違いはなかなか感じられにくいですが、①がブルー寄りで③はグレーイッシュという微妙な違いが実際はあります。

①ブルー(水色):時々グレーも入れ込みながら水玉の爽やかさをバッグの白で強調。「アルマーニジーンズ」。
②インディゴ(ミドル):難しめのミドル落ちをビビッドカラーでまとめます。「フェンデイ」。
③ブルー(グレーイッシュ):バッグは黒、パンプスはグレーに黒の柄。「エンポリオアルマーニ」。

このたびは、出会っているジーンズの一部を引用しましたが、ブラックジーンズやノンウォッシュのネイビーもカラーの差別化となります。

あとがき

この度の3選では、靴がどれもパンプスでした。

エレガントにデニムをはく分かりやすいポイントとして、「パンプス」はキーワードです。

その他のバッグなども影響していろんな小物による表現の結果として「瀟洒:しょうしゃ」であると感じるのだと思います。

「粋:いき」「瀟洒:しょうしゃ」「エレガント」が互いに交わり合うはっきりとしない定義の部分はあるにしても、こうしたテイストは、これまでの「カジュアル」にイコールのようなデニムのイメージを大きく変えるテイストであることは間違いないと思います。

もし、今までの自分に変化をもたらしたいと思う際には、一度、自分の人生をも写す鏡のような存在のお洋服の見直しと共に、デニムのテイストもこのたびご紹介のように変えてみてはいかがでしょうか。

もしかして、お洋服から人生が変わっていくこともあるかもしれません。

ちなみに、これまでで一番変化を大きく感じているこの2024年3月末にワードローブのラインナップを随分大きく見直しました。

それほどまでに、お洋服と人生との関係があると実感。

かつては、1点ずつのお洋服に思い入れなど感じなかったのですが、現在は1点ずつのアイテムを真剣に選び、今後も大切にしていきたいような「愛着」のようなものを持つように。。

古着集めの集大成のようなものになった気がしております。

今後できることは、コーデのいろんな姿を存分にお伝えしていくことであると思っています。

また今後もブログ記事にも綴ってまいりたいと思います(^-^)。

ワンピースの共布ストールが要らない、同じ細長パーツが共通で利用しやすいバッグの取っ手にものさし無しで利用できるアイデア【368】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

古着ワンピースによく附随の「共布ストール」。

お揃いで素敵ではあるのですが、ネック部分にはジュエリーを付けたたいし、ウエスト部分に使うには本革ベルトを使いたいしということで出番がありません。

そこで、このたびは、必要が無かったり、一部にキズがある古着の共布ストールの細長さをうまく利用してバッグの取っ手に利用するというアイデアをご紹介したいと思います。

ストールに柄が入っていたりすることで、無地の本体に対してのおしゃれなアクセントにもなったりすることができます。

丁寧に解体した後、半分ずつに使用すると型紙や定規は必要ない

共布ストールのイメージ:出来上がり品ですので「著作権」を考慮しましてイメージ写真のみです。

このたびは、アイデアのみのご提案ですので、実際にはこのストールは現在はそのままです。

イメージとして想像しやすいように元のストールの状態を写させていただきました<m(__)m>。

すごく美しい柄です。

そのままストールとして使うのが望ましいと思うのですが、共布ストールはやや「昭和的な装い」を彷彿とさせます。

新しい装い方を見つける本体のワンピースの活かし方を考えました時に、「ストールは使わない」を選択。

そして、ハンドメイドバッグ取っ手としてコントラストを利かせた使い方を考案。

こんな黒無地バッグの取っ手に活かすことが出来たらとても素敵です。

作業としましては、ストールを一度解体。

ちょうど「わ」になっていることも多いのでまずそこでカット。

その後取っ手の幅に見合う更なる折った真ん中をカットしながら2パーツ細長い長さを取っていくのです。

取っ手に作る際の折り込み作業で、穴が開いたりキズのある個所を隠したり、避けたりします。

第二章:バッグの取っ手以外の共布ストールの活用法

上述でバッグの取っ手にとご紹介しておきながら、実は、実際の利用の仕方は別のものです。

では、後で貼りますYouTube動画の中にも出てこない、「第二章」としまして、当ブログ記事のみで、実際に行ったリメイクをご紹介したいと思います。

当ブログ記事を綴っております現時点では、まだ作業の途中ではありますが、ストールの「著作権」の考慮のため、こちらもアイデアと映しても良いキルト用の材料部分のみでご紹介致します<m(__)m>。

実は、フルにこの美しいストールの面積を使いまして、「本ケース」を作ることにしました。

読書の最中の本をきちんと保管して持ち歩くためのケースです。

ダイヤキルトをかけてふんわりとした大きなポーチのような物を作ります。

ストールを解体したフル利用の半分ずつを表地と裏地に共通に使用。こちらはキルト芯代わりのハード薄芯。

3cm四方の細かめのダイヤキルトを作図。

これとおなじシートをもう1枚作図して、表地も裏地もダイヤキルト地とするのです。

随分手間をかけた製作になります。

では、続きまして、ブックケースの蓋のカーブのフラップ部の作図場面に映ります。

カーブを美しく描くためにコンパスを利用、円の一部を利用した自然なカーブです。

まず短い方の辺を二つに折ります。ものさしは使いません。
さらにもう1つ真ん中で折ります。
折った線を印代わりに使います。
先端が直角二等辺三角形になるように折り目の直線に片方が重なるように折ります。
もう片方のサイドも同じように折ります。
折った三角形の2辺と同じ半径にコンパスを広げます。
三角形の頂点に針を置き、広げた半径で円の一部を作図。
円の一部が美しく緩やかに描かれました。
カーブをハサミでカット。
切り落とした余分のハード薄芯の破片。
カーブが両端に出来上がり。実はこのハード薄芯自体が型紙になった瞬間です。

この後は、実際の生地にこの型紙代わりのハード薄芯を当てて、生地の方も片方カーブに裁断。

この時点ではすでに生地には接着芯が貼ってあります。

それをもう1つの方のパーツも行います。

この後は、生地に実際にダイヤキルトを掛けまして、その後、縫い代1-1.5cmの中表で真っすぐの方の線を空き口として2枚を縫い合わせひっくり返すのです。

最後に空き口のストレートラインを縫い閉じ、1枚のプレートに仕上げます。

その後、三つ折り仕立てに縫い付けられた裏地付きのカーブの蓋のあるケースに出来上がります。

本を入れるのですから結構なサイズになるマチ無しポーチです。

入り口には、マジックテープを縫い付けることにします。

本が、表地も裏地もキルトで守られます。

読書ライフにはとても役立つポーチが素敵な柄で出来上がると思います。

あとがき

本来、古着をそのままの姿で「リユース」できれば一番良いことです。

しかし、そんな綺麗事にはなかなかいかないのが現状で、古い物の中には古さを匂わせる「テイスト」があるものなのです。

それは仕方がないことで、やはり新しい形にアレンジしたりリメイクしたくなるのはとても自然な心理なのではないでしょうか。

ただ、「著作権」があるので、商業的な利用の仕方の壁があり、個人としてのアレンジにとどまるのが現状です。

それでもリメイクのことをお伝えしようとここ数年やっているのがこうしたアイデアの伝達となります。

一人一人がある程度のリメイク技術を磨いていくことだと思っております。

プロフェッサーと言えるほどの腕は持っておらず、10年以上製作してきたハンドメイドバッグ製作を通じた技術にとどまっているのです。

どうぞ、このたびの記事の捉え方を「共有」としてとらえていただき、横に並びながらお互いに昔の素敵なアイテムをアレンジして活かすアイデアと共に、「ハンドメイド文化」なるものを育てていこうではありませんか(^-^)。

5種もの生地をコーデしながら旅行にも使えそうな内袋付きのバッグを作る、ポケット2個の最も効果的かつオシャレ度が高い配置決め【1392】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在「共有型のハンドメイドバッグ」という事業においては、「有料コンテンツ」を製作中です。

時間がかかってしまっていますが、いずれ完成し、お届けできるようにしてまいります。

まるで「カメ」さんのようですが、なかなかの難易度高めです。

とはいえ、完璧を求めなければ一度は完成した過去がありましたが、その後納得できず撤退。

そして、もっとご利用しやすいものへと試行錯誤しております。

ところで、コンテンツには、「切餅」というデザインがまず最初に引用されます。

「切餅」:その様相通り角ばったスタイリッシュなエコバッグ。これで一重仕立てです。

作りやすい1生地だけで始められるところから作っていこうとしたものです。

まるでメインバッグみたいです。

ここが「いかにもエコバッグ」との差別化として様々な使い方ができるようにと考えました手の込んだ作りのエコバッグです。

そして、この度は、この一重仕立てに裏地を加えたり、ポケットを加えたりしながら、内容を増幅していきます。

巷では「デラックス」などと頭に付けられたネーミングになることも多いような発展型のデザイン。

「切餅デラックス」と名付けてみます(^_^;)。

上の写真では、1種の生地のみが材料でしたが、このたびの「切餅デラックス」は、5種類の生地を使います。

まだ完成には至っておりませんので、この度のポイントを「ポケットの望ましい位置」に置いて、記事を綴ってまいりたいと思います。

裁断・接着芯貼りが完了したたくさんのパーツの中のポケット2個の存在、どこに配置するのかを①セキュリティー性②おしゃれ度の2つのポイントで考える

本体とポケットパーツ:その他の細かいパーツがまだ別にあります。

手前に左右に並んでいるのがポケットパーツです。

お洋服のスーツの「片玉縁」という比翼みたいなデザインを取り入れ、蓋にカーブがかったフラップを縫い付けた2デザイン混合型のポケットです。

袋は内部に隠れてしまいますので、「パッチポケット」に対しては、「隠しポケット」というようなタイプになります。

ファスナーは使いません。

さて、左の黒の「ナイロンオックスはっ水加工」という生地と右の「ブリスタージャガードニット」という迷彩柄のニットのポケットをどの面に取り付けるかの考案です。

裁断したバックの本体パーツ4種は、

・迷彩柄:本体表側

・チャコールグレー:本体中側

・黒ニット:内袋外側

・ベージュ:内袋中側

です。

後で貼りますYouTube動画の中では、迷彩柄のポケットをチャコールグレーに、黒ナイロン生地のポケットをベージュに取り付けるとお話致しましたが、その後1日経過の現在では変わりました。

その2つの位置はチェンジです、理由は、「オシャレ度の追求」から考え直した結果です。

・迷彩柄:本体表側

・チャコールグレー:本体中側(黒ナイロンのポケットを設置)

・黒ニット:内袋外側

・ベージュ:内袋中側(迷彩柄のポケットを設置)

比較(ベージュに対して合うポケットはどちら):迷彩柄の方がオシャレ度が高いです。黒は極端過ぎ。
比較(チャコールに合うポケットはどちら):迷彩柄はグレーには浮き、浮くということは安全性が弱いと判断。

本体の裏地という位置は入り口からのぞけますので、このような浮く生地は目立ちます。

ふさわしいのは、なじむ同じダーク系の黒のナイロンというところに行き着きました。

ということで、ちゃんとした理由をもってポケット設置の位置が決まりました。

迷彩柄のポケットは、内袋の中に設置なので一番セキュリティー性が高いとする場所。

最も大切なものを入れる場所と決めることができます。

あとがき

あれこれ考えながらのポケットの位置決め、非常に楽しい時間でした。

中には、2020年12月購入の生地も含まれまして、約3年後にやっと使うということになった生地もあります(チャコールグレーと黒ニットが該当)。

最後に5種の生地の詳細をご紹介したいと思います。

①黒ナイロン:各パーツ・・・ナイロンオックスはっ水加工、ナイロン/100%、日本製。

②迷彩柄:本体表側・・・ブリスタージャガードニット、綿/62%、ポリエステル/38%、日本製。

③チャコールグレー:本体中側(黒ナイロンのポケットを設置)・・・ウールコットンふくれジャガード、毛/64%、綿/36%、日本製。

④黒ニット:内袋外側・・・TR綾ニット、ポリエステル/65%、レーヨン/35%、日本製。

⑤ベージュ:内袋中側(迷彩柄のポケットを設置)・・・ドレープカーテン地、ポリエステル/100%、日本製。

①②④は生地屋様は「大塚屋」様です、③④はネットの「ニット生地屋((株)江戸ッ子)」様です。

ニットもバッグに取り入れると素敵だと思うことになったのも両生地屋様の素敵な生地のおかげ。

ニットの方が好みのフクレジャガードは多いのです。

別名「ブリスター」とも呼ばれる「ふくれ/フクレ」加工は凹凸感があり魅力的な生地です。

世の中のバッグは全体的には「扁平」だと思います。

個人の製作ができることは、まだまだレアなこうした凹凸感ある生地も取り入れて雰囲気の良いおしゃれなバッグを作ること。

製作の技術に関しては、お洋服の手法で作っておられる方には到底かないません。

そんな中で独自の技術として、「コーデ/組み合わせ」を大変得意としております。

その得意分野を切り口としながら今後もバッグの製作をご提案してまいります(^-^)。

インテリアに溶け込む整然たるビッグバッグ、これまで集めてきた30年前のブランドバッグが4点入るたっぷり容量は、コレクター向け【1386】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ最近連続で製作の大容量バッグ。

それぞれが全く同じではなく、生地が違い、サイズが違います。

ゴブラン織りではごわつかないようマチ無しデザインに落とし込み、それでも使わない時にたためるような融通性も入れますので、「収納袋」に徹したものです。

旅行のビッグバッグになるかというとお車で比較的持ち運びの時間が短ければ可能かもしれませんがあまりお勧めできません。

旅行用には重い物を持ち上げるための機能を持ったデザインとして「支柱」を取り付けるからです。

インテリアならではの柄が遮られないめいっぱいの面積を見せていくのです。

取っ手を挟み込む仕様で作ることの「価値」をこのたびの大容量バッグの製作で感じていただければと思います。

2019-1020もののストック生地をめいっぱい活かした75cm巾のビッグトートバッグ

今回はパッチワークというよりも「はぎデザイン」のようなスタイルで行きます。

生地は余らずにほとんど消化していきます。

上段(薔薇柄黒):ビエラフロッキーという生地。下段(ボックス柄黒):シルク混ドビーという生地。

薔薇柄のビエラフロッキーは、ポリエステル/70%、レーヨン/30%、日本製。

無地ライクなボックス柄は、キュプラ/56%、シルク/20%、アセテート/18%、ナイロン/6%、日本製です。

高級生地なのでひかえめに小さなバッグ用にと2019年に購入だった薔薇柄、今まで使う機会を失っていたのです。

このたびは、ラストの生地というような2019-2021年に購入した一連の中で、最後まで残った生地の代表のような黒ベース同士を組み合わせました。

まずは、どちらにも接着芯を貼りました。

そして、切替を作り、片方の薔薇の生地の最大限の幅に合わせたのがこの状態で横105cmでした。

ここまでビッグなサイズは過去にも経験がありませんでした。

裏面:しっかりとした表面にするための10cmのダイヤキルトがけ。内陸部の待ち針が固定・しわ防止です。

作図は、ボールペンです。

ここまでビッグだと全体に待ち針を打てませんので、縫う順番の周辺を一列ずつ細かく待ち針を留めていくやり方をしました。

ここに当てた「キルト芯」代わりの生地は「ナイロンタフタ」という生地。

以前に生地をキルト芯のように当ててみた過去のバッグ作りから、可能であること、ごわつきが比較的少なくできることから思い切ってビッグなサイズでもやってみました。

しかし、キルトはダイヤが大きめでなければ手間がかかり過ぎますので10cm。

それでも、針目は通常の3mmでなじむようにやっていきます。

キルト完成の表面の様子。最初にハギ目をつなげた後キルトをかけているのでダイヤ柄はとぎれません。

その後、こんなことをしています↓。

右端のような外側を粗い針目の6mm固定ステッチをALL一周かけます。

この後の作業で生地が折れたりしにくいように固定していますので、仮止め程度のものです。

粗い針目の意味は、比較的早く作業ができることともう1つ、同じ3mmだと皺が寄ってしまう可能性があるからです。

粗い方が融通が利きます。

マチの部分も縫い代の内側の影響のない数ミリのところを同じように固定。

完成の縦50cmx横75cmxマチ25cmのサイズの効果は、横に入れるバッグがゆったりと並ぶこと

「バッグストック袋」完成:<サイズ>縦50cmx横75cmxマチ25cm。・・・取っ手も付いています。

取っ手もちゃんと付けましたが、取っ手だけは古着のワンピースに附随の「ロングタイ」の使わないのを利用しています。

よってお写真の枠からは除外させていただきました。

どうなんでしょうね。。

その古着は綺麗な状態のあまり着用されていないものだったのですが、オーダーメイド品であり、ブランドネームなども付いていないのです。

けれども、どなたかが作っていただいたわけですので、自明の「著作権」に対する「侵害」を考慮しまして、一部古着のリメイクを取り込む際にはこうして解説だけにとどめています。

そうしてでもリメイク品が活かせることを何とかこの先もお伝えしていきたいと思います。

さて、この横が75cmといのは、マチの部分入れずしてこのサイズ。

非常にビッグです。

写真では、4点のブランドバッグが保存袋に入った状態で4点収納してあるのです。

横にはゆったりと2点が並びました。

今までの横のサイズは50cmとか60cmでしたので、この75cmが今まで作ったものからの見直しと発展で思い切ったサイズを実現してみました。

おおむね成功です。

側面から見た様子:ピンタックをスタイリッシュに入れていますのでルーズな印象は解消。マチ25cmの姿です。

「バッグというものはこういうサイズであるべきなのだ」という固定観念でしばられていたら製作することはできなかったと思います。

とても良い経験でした。

あとがき

パッチワークやはぎデザインは、ここ最近連続していますが、ストックの生地を消費して生地在庫を失くす目的があります。

もし、最初から大きなバッグを作るならば、元の原反で十分この度のサイズのものもひとつなぎで作れます。

この製作からお伝えしたいことは、「そうなるしかどうしようもなかった結果のハギ目」であるということです。

なぜそんな風に苦労してハギ目だらけのバッグを作ったのかの答えが生地のストックを失くしていくというところにまずは焦点を当てたからなのでした。

柄は本来描かれた生地を大きく広げた状態が一番美しいに決まっています。

それが出来ない場合にどうしようかともったいない生地の使い道に悩む際にお役に立てる方法が、「パッチワーク」と「ハギ」をスタイリッシュに仕上げていくことです。

スタイリッシュに出来上がれば、「つぎはぎもの」などとは決して映らないと思います。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

全く違うアイテムを解体して作るクッションカバーからの仕立て直し、ビッグバッグ作りの為のパッチワークで面積を広げるアイデア【1384】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

世の中ではここ近年注目されていますアパレル産業の課題、その構造というのは、キーワードに「大量生産」があります。

これによって利潤を追求する形態というのが物があふれている昨今で限界を迎えています。

以前勤務していたそういった事業の一部のお仕事をさせていただく中で、大量生産も思い切った数の大量生産ではない限りうまくいきません。

では同じ品物を多数作ることの魅力は。。と考えた時に、だんだん1点物に価値を求めるようになっていきました。

そうして、ハンドメイドバッグも1点物で製作。

ただ、1点だけであっても多種を作れば、これも大量生産の問題と同じことが起きます。

そこで、現在は、活動の方向を変えていこうとしているところです。

もう新しい材料を購入して製造することを極力控えています。

それよりも、これまでの身の回りの物を見渡して、リフレッシュするように作り直しや仕立て直しが可能なものをご提案していこうとしております。

その他、一から新品生地で製作するにしても、古着を解体して製作するケースであってもいずれにもご利用できるような「作り方ノウハウ」のご提案。

これも、きちんとコンテンツにまとめてご提供していくことをやり始めています。

これこそが長い間ハンドメイドバッグを作ってきた者ができることなのではないかと。

ただ、ごめんなさい、なかなかこれが良い形でコンテンツとしてまだ販売できていないのですが、いずれ完成しいくつものバッグが自作できるようなノウハウをお伝えしつくしていきたいと思っております。

このたびは、元はクッションカバーだったゴブラン織り生地の薔薇柄の4点で別の物を作ります。

新築の家の中に合うインテリアを考え、別のクッションカバーを形を変えて作るために低反発ウレタンだけが無くなり、カバーだけが余りました。

かれこれ15年くらいのクッションカバーだったにもかかわらず、あまり出番も無かったゴブラン織りの薔薇柄。

とても綺麗な状態のままであり、この柄がまた大花で素敵です。

これを解体して、必要としている収納用の大容量のバッグを作ろうと思います。

保存袋に入れたブランドバッグをまとめて収納するためのバッグinバッグの製作です。

パッチワークの1パーツの程好い面積と柄の向きの統一

パッチワークといってもカジュアルよりもエレガントに仕上がるようにと思っています。

薔薇柄のお部屋にはエレガントな雰囲気で仕上げたいのです。

よって、整然とした作りの1つとして、パッチワークで柄がとぎれてはいても向きはきちんと決めました。

1パーツは縦12.5cmx横17.5cmです。柄の向きを天地にそった向きに揃えます。
まずは大きなシートを2枚作りました。
1.5cmの縫い代で横に細長く繋げたら、都度アイロンで両割りし、まずは縦に溝の両端にステッチ。
裏面はこのようになっています。横長に繋げた次に、縦に繋げていき、その溝もステッチしていくのです。

果てしない作業ですが、いつかは完了します。

こうした地道な作業の果ては美しいパッチワークシートが出来上がります。

これが通常の生地にあたるものと考えて良いです。

足りない部分の取っ手を別生地でとる

取っ手はもう生地が無いので、別生地。ちりめんのでこぼこ感がゴブランになぜか合いました。

もともとはぎれでお買い得に購入したちりめん生地(1.25mで¥360というようなお値段でした)のベージュがいよいよこれでラストです。

今までバッグの裏地などに使ってきましたが、ようやくここで完了。

今思うことは、随分使い切るのに年数がかかっていることです。

1m以上の生地は1点のバッグの製作にはかなり多めだということが分かります。

この取っ手には、接着芯も貼りましたし、これも在庫がラストの「ソフト厚芯」も入れ込みました。

そして定番の4本ステッチで固定して立派な取っ手になり、ゴブランの生地にレベルが合っていきます。

出来上がりサイズは、縦50cmx横60cmxマチ無し。
この上の部分がもう1列あるとバッグのバランスが良いということで、別生地で継ぎ足しをすることを考えます。

今回、パッチワークは4段分しか生地がありませんでした。

50cmの出来上りにはさらにもう1段必要。

そこで、てっぺんの1列をパッチワークせずに、あるブランド様の古着のベルベットのタイトスカートを解体してリメイクとして利用。

タイトスカートなので、使える部分ぎりぎり消化できました。

ただ、「著作権の侵害の考慮」により、トップを写すことを控えさせていただきます<m(__)m>。

斜線の部分にベルベットの黒のラメドットを追加。3cmのダイヤキルトをかけゴブランに厚みをそろえました。

すごく素敵になりお見せしたいのはやまやまなのですが。。

こうして、足りない部分をお洋服の古着でまかなうというアイデアは、初めて取り入れたことです。

マチ無しでも、厚みのある生地は程度自然に膨らむ

サイドの様子:ゴブラン程の厚みのある生地の場合こうして自然にマチができます。
最低でも7cm程度は膨らんでいます。
柄を壊さないためには、せっかくの広々と出ている柄をマチで遮るべきではないとの判断です。
底は「わ」になっているので、こんなごわごわ生地でも比較的角は出やすいです。

底は柄の向きがそれぞれ整った2面をつなげて、パッチワークと同じように溝の両端をステッチして最終的に1面にして「わ」として作っていきました。

柄の向きがもともと1枚の生地だけで作る時には片面が反対向きになるのに、パッチワークの場合は両面とも正位置に出来るのです。

ブランドバッグを収納している時の様子:サイズ縦50cmx横60cmxマチ無し。ふんわり感が出ています。

こうして、中に目的のブランドバッグを収納したところで、インテリアとしての「容器」のような存在になったのでした。

あとがき

実は、もう1点マチ無しで同じサイズで作りたいと思っています。

今度は黒無地に凹凸感ある織柄が格子状に入った生地。

生地自体はそれほど厚みは無いので、「ハード薄芯」を貼り、キルトをかけてゴブラン織りみたいなボリュームを出そうとしています。

このたび、表地だけを映していますが、裏地は、ここ最近裏地に使用し続けているヘリンボン生地です。

カーキ色でいろんな表地に融通の利くカラーです。

こちらはもともと表地として考えてきたものですが、ここぞというこうした厚みのある生地に対しては裏地になることもあるのだという例です。

生地名が「バック地」でしたので「back:裏」用と解釈できます。

表地にも裏地にも使える優れた生地で、厚みはそれほどないのにハリコシが抜群にあるというものです。

次に作る予定のバッグにもこのヘリンボンを裏地に使うつもりです(^-^)。