ジュエリーマニアはこうこだわる、その時だけの買取による現金化よりも他のジュエリーとの組み合わせで見つける新しい装いの価値【305】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ近年の地金価格は相も変わらず高騰したままのようです。

20年前くらいにとてもお得に購入した18金のネックレスなどは、この記事を書いている現在では、簡単には手の届かない高級品に変わってしまいました。

そこで、ややブームとなったのが、古き昔の昭和の時代の18金製のネックレスやブレスやリングなどを地金として質屋さんで現金化するという行動です。

ずっと使わない古いネックレスなど18金製やプラチナなどの価値ある物を眠らせておくだけなら、現金に交換し結構な金額のお小遣いにしようということで、喜んで質屋さんに駆け込むわけです。

今回は、そのように買取に手放してしまう貴金属に対して真逆ともいえる考え方、地金の価値だけでなく、商品そのものの価値でもって、今後もジュエリーの姿で持ち続けていくことの素晴らしさというものがあるということを書きたいと思います。

価値=お金ではデザインや意味が失われる残念さ

過去に、ネックレスのチェーンが細すぎて絡まることにうんざりし、換金するために質屋さんへ持っていったところ、予想外の値段がついたことに大変驚き短時間で現金が得られるすばらしさを実感しました。

何か高額な物やコトの目的が現れ、その資金作りとして、使わない眠っていた地金を現金化することは使い方によっては、大変上手く納得できるものではあります。

ただ、真珠が付いていたりとか、綺麗なマルチカラーの天然石の価値は買取にはほとんど重視されないとのことなのです。

たとえ、どんなゴージャスなお花の形が天然石で素敵に形づくられたモチーフであっても計算は、台の金属の部分だけとなります。

質屋様によっては、「デザイン性の価値」を盛り込まれる会社様も一定数ありますが、ほとんどが地金の部分だけに換金の価値を充当。

このことは、一見お金をもらえたようで、同時に、実は美しさとか素敵さなどの価値を自分が捨てたということになってしまうのです。

その点が非常に残念なことと思えてなりません。

写真のようななこんな感じのリングなどがこのケースにぴったりだと思います↓。

貴金属の岐路、質屋さんで現金か1点物のビンテージか
左:地金がK18WGの天然石マルチカラーフラワーダブルリング/右:地金がK18YGのあこや真珠ブーケリング。

これらは、華やかな様相をしていますが、これを地金のみの計算で価値を評価されてしまうことになります。

一方、地金のみでできているリングはどうなのかということです↓。

左:ツタの葉の透かし彫りが美しいK18YGリング/右:「グッチ」ブランドのK18YGロゴチェーンリング

ALL地金でできている形のリングでもこれらのデザイン性が、かなり商品の付加価値を上げていると思われるのです。

地金の考え方で行くと、こちらの地金だけのリングの方が持つ価値があることになってしまいます。

それはそれは味気ないジュエリーコレクションではないかと。。

こうした比較から、本当に価値あるジュエリーとは何なのかをじっくり考えたいものです。

あとがき

貴金属というのは、洋服や、靴やバッグと少し違い、消耗品というほどの劣化が無いです。

むしろ永久的であり、どんなに古いものでも、そのリアルタイムな地金の価値に相当するのです。

そういった貴金属の特性は素晴らしく、そうであるならば、良い物を購入することをお勧めしますし、昭和時代の貴金属は地金もたくさん使ってあり厚みがあるところが魅力です。

ただ、古いものだと明らかに分かってしまう「デザインのクセ」などがそのままの利用を躊躇させてしまいます。

そういったケースに関しては特に得意とするところです。

まずは、数ある中から良い意味でクセの無いデザイン選びすぐるというところも重要です。

そして、できるだけそのままの姿で装いによって新しい価値が生まれるような工夫をご提案して行ければと思っております。

それは、「本物志向のレンタルジュエリー」という事業を通して今後もやっていきたい追究です(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

1990年代のツイードジャケットを素敵に着崩したい、裏地に覆われた肩パッドを取り外し綺麗に閉じ抜け感を得た【144】

アイキャッチ画像144

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

1990年代初頭の古着のジャケット(正確には札付きの未使用品でした)。

ちょうど1986年-1991年あたりのおよそ5年間はかの伝説の「バブル期」に当たります。

肩パットが入った勇ましさが多くのジャケットのポイントになっていたことは周知の記憶です。

当ブログ記事は最初の投稿の2019.03.19からおよそ6年後の2025.05.26にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

現在2025年からはバブル時代のお洋服も35-40年前という大昔になってしまいました。

それでもお洋服は捨てなければ末永く残っていくものであり、「布」「生地」という素材の永続性を感じずにはいられません。

かえって、このような古いお洋服にこそ価値を見出し、新品のお洋服を廃止、古着ライフを続けて20年にもなります。

そのような古着好きがお伝えしたいのは、今の時代とのずれが反対に新鮮であることとその貴重さを大切にしていくスタイルです。

仕事も遊びも同じ比率でパワフルだったと言えるバブル時代の戦闘服の象徴「存在感ある肩パッド」を取り外し、新しい着方をご提案してまいります。

きちんとしたシーン用に作られた古着のツイードジャケット、肩パッドを外し抜け感を出して日常着として素敵に着崩したい

肩パッドを外すツイードショートジャケット:おそらく1990年代初頭のもの。古着ですが札が健在で未使用品。

そもそも、古着なのに未使用品が今だに存在する点にロマンがあり、同時にアパレルの闇を感じます。

そのような闇を明るい方向へ活かすのも、こうした新古品を手に取った者ができることです。

①裏地で覆われたハギ目の解体:肩パッドの十文字の線の取り出しやすい位置を最低限リッパーで解いていきます。
②肩パットの取り付けを外す:ほとんどが緩く1本取りで縫い付けてあるだけなのでほどきやすいです。
③肩パット取り出し:完全に肩パットを取り出し、残った余分な縫い糸なども同時に処分。
④「はしごまつり」直前:ほどいた部分を再び縫い閉じの準備。唇のように重ね合わせます。

「はしごまつり」のやり方は(実体験としては初めてでした)、下に貼りますYouTube動画内でじっくりご覧になれます。

2つに重なった片方をそのまま進行方向に少し進んだら反対側に刺して同じように少し進んで。。を交互に繰り返すと「はしごまつり」(コの字まつりとも言います)が出来ていきます。

最初と最後は、前の糸との継ぎ目ですので、工夫して玉止めを作ったり、返し縫いも取り入れて頑丈にすると良いと思います。

⑤「はしごまつり」の完成:決して上手とは言えませんが、初めての「はしごまつり」に感動です。
以前との比較:黒い方は、「はしごまつり」の技術を存じ上げず、適当に糸が見えるまま縫い閉じをしていました。

明らかに「はしごまつり」の方が美しく奥ゆかしいやり方で上品なのです。

裏地とは言え、視界に入れることができる部分だと考えるとやはり綺麗に始末したいものです。

肩パッド取り外し後:あれ?それほど変わっていないのでは。。というのもライン自体は同じだからです。
肩パッド入りと肩パッド無しの比較:余分な厚みは解消され、やや抜け感が出たと感じますことは一定の効果。
更なる抜け感の表現:パステルカラーのジャケットに馴染むライトブルーデニムパンツが相性が良いです。
YouTube動画の7:00(7分ちょうどあたり)から数分がちょうどこの「はしごまつり」をしている部分に該当。

あとがき

こうして何度か肩パッドの取り外しのリフォームを体験したのですが、このたびも含め、元のアームホールの形や角度など、デザイン自体を変えていないので劇的変化というわけにはいきません。

とはいえ、ジャケットの堅苦しさと言いますか、肩パッドを取り外すだけのリフォームで着用シーンの可能性が広がるということが見込めます。

こうして考えますと、古着を着こなすことのベースには、しっかりと自らの方向性や意志表示を持っていなければなりません。

ファッションの勉強になるのは、むしろ古着です。

かつての流行の変遷や歴史、作りの良さは古き良き時代を見ることで学べることが多いと考えます。

現在の新品のお洋服には全く魅力を感じなくなり、お洋服自体を主体にする生活とは無縁になってきた近年。

こうしたお洋服に対する変化は人生の変化と並行していたように思えまして、やはりお洋服との接し方というのはある一人の人生の物語なのではないかと思えてやみません(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

バブリーな全14個もの金ボタンを総取替えし、黒ボタンでコーデの巾が広がった黒白ギンガムジャケット【304】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今までもブログ内で幾度かお話させていただきましたが、洋服はすべて古着を着ています。

現在の一律的な類似だらけのデザインより、80年代辺りのようなデザイナーズブランドのテイストが色濃く出ているような少ない数しか出回らなかった魅力的な洋服が古着の中にはたくさん見つかるからです。

このたび「ESCADA(エスカーダ)」様(ドイツブランド)の、ウールジャケットを入手しましたところ、少し気になるところがありました。

肩パットがやや強調されすぎている、ボタンがゴールドでややバブル感が感じられボタンも少し浮き気味、余計な背のチェーンがゴールドで付いている、この3点。

今回この3点同時リフォームを自ら行いました中で、ボタンの交換の部分のみにスポットを当てた記事になります。

ボタンを交換するだけで劇的な変化、年代が色濃く出たゴールドボタンよりも普遍的な時代性を感じない同色ボタンの選択

たかがボタンとはいえ、このジャケット、実はボタンが全部で14個も付いているデザイン。

全14個ものボタンを総取替えし、劇的に変化したジャケット
ゴールドのボタンがゴージャスなジャケット:「ESCADAエスカーダ」製。黒白ギンガムチェック、毛/100%。

やや80年代-90年代前半のような感じがしますね。

このままでも、回帰的に着るというのも悪くはないのですが、「流行」というものは「新しい装いを入れ込んだらせん状の繰り返し」がベースにあり、古着も新しいテイストを入れていくことでかっこよくなると思っております。

そこで、このままゴールドボタンのジャケットをそのまま着るのではなく、今あるボタンを外し、ボタンの総入れ替えです。

ボタンは、黒色のプレーンなもの、元のゴールドとは真逆の雰囲気です。

全14個ものボタンを総取替えし、劇的に変化したジャケット
交換する黒いプレーンなボタン:ツヤがあるタイプの四つ穴。ボタンストックから探しました。

新しくボタンを購入するのではなく、過去に着なくなったコートやジャケットのボタンを外しておいて、何かに後々使えるようにボタンをストックしていたものからの使用です。

14個は相当な数、なかなかこの数はそろわないものなのですが、だからこそ、今までのマメなストックが活きることになりました。

ボタンのストックケースなどを持っていると、使える時がありますのでお勧めしたいです↓。

全14個ものボタンを総取替えし、劇的に変化したジャケット
ボタンケース:ある程度サイズ別にケースを分けています。

その後、またボタンが増えたら、同じ種類をチャック袋に入れる保管法も後に取り入れるようになりました↓。

収納の仕方:チャック袋のミニを利用します。同じボタンをまとめて使いやすく保管します。
全14個ものボタンを総取替えし、劇的に変化したジャケット
リッパーを使って根本の糸だけを切ってボタンを取り外します。

まずボタンをすべて取り外します。

生地に穴をあけてしまわないように気を付けます。

はさみは、こういうところで使うと刃がだめになった経験から、「リッパー」を使うことをクセにすると良いとお勧めしたいです。

無理矢理引っ張るのではなく、リッパーの刃を滑らせて負担の無い小さな力で取り外すことができます。

そして、今度は14個をすべて新しくボタンを取り付け直します。

前立て部分がベルベット生地に切り替えられている部分で、良いのか悪いのか、まるっとボタンの形アタリが付いていまして、そこへ同じように当てればよかい点が分かりやすかったです(^_^;)。

全14個ものボタンを総取替えし、劇的に変化したジャケット
ボタンを取り付けます。

実はこの14個のボタンは元はすべて同じサイズというデザインではなかったのです。

袖の部分左右合計8個はひと回り小さめでした。

そんなうまい具合に手持ちのボタンが対応しきれず、袖の部分の8個にボタンホールが存在しなかったことで、同じサイズで飾れば問題ないとなり、同じサイズのボタンを1種だけ共通でで対応できたというわけです。

バランスも同じサイズによることで崩れるということも感じませんでした。

ということで、ボタンを交換しただけで劇的に変化したジャケット雰囲気の新しい姿です↓。

全14個ものボタンを総取替えし、劇的に変化したジャケット
リフォーム完成。ボタンをすべて付け替え終わりました。

以前よりしっとりと落ち着きました。

ゴールドのボタンの時より、ギンガムチェックの柄がより主役になります。

もう一度並べて比べてみましょう。

左:ボタン交換前 右ボタン交換後。

違いが顕著ですね。1色がなくなってシンプルになったとも言えます。

「粋:いき」という言葉がありますが、「すっきりとした整然さ」ということからは、より右側が「粋になった」と見ることができます。

決して華やであることが粋なのではありません。

誤解を招きやすいのですが、「粋:いき」のテイストはもっと違った意味であり、きちんと整っているようなさっぱりしたイメージを指すのです。

お魚などの活発な「活き」と音が同じなので、意外と勘違いしやすいテイストです。

黒ボタンへ変わったことで実現しやすくなったデニムコーデ

では、このリフォーム後のジャケットでしたかったコーデを実現していきます。

全14個ものボタンを総取替えし、劇的に変化したジャケット
インディゴブルーデニムパンツとのコーデ。

まず、このような色のデニム。

もともと、このジャケットはタイトスカート付きのセットアップスーツです。

いかにもお出かけ風なジャケットに、デニムでカジュアルなボトムを同時に装うという上下のギャップが面白いのです。

そして、このままデニムパンツの色を変えます↓。

全14個ものボタンを総取替えし、劇的に変化したジャケット
ブラックデニムパンツとのコーデ。

黒のデニムパンツもすっきりとして良いでしょう。

使われている色がとても絞られていることこそが粋です。

全14個ものボタンを総取替えし、劇的に変化したジャケット
ブルーデニムパンツとのコーデ。

そして、最後はこのブルーデニムパンツ。

この3本のデニムの中では、このブルーが一番カジュアルでくだけていますので、ジャケットとの組み合わせの意外性があります。

この場合、さらに、小物、例えばショルダーバッグをデニムと同じカジュアルな感じのテイストものにするのか、エレガントなハンドバッグにするのかでさらにコーデのテイストがいかようにも分かれていくのです。

あとがき

ボタン交換するだけで随分とお洋服が「自由」を手に入れました。

ゴールドボタンは、今度は交換後の出番の機会を待ちながらストックしておきます。

この度のジャケットには合わせなかったけど、別のアイテムには合わせていくかもしれないからです。

そして、アウターの金ボタンが必要な時の出番を待つのです。

全てのお洋服アイテムに関して、ゴールドボタン=バブリーということではありませんので、ワンピースなどの別アイテムには見合うこともあるのです。

このように「シャッフル」ともいうべきボタンの交換をしていくことで新しくボタンを購入する必要がなくなるのです。

せっかくお得に得た古着ですので、その後のメンテナンスや維持に余計な費用がかからない方が長い目で見たお得感が実現できることになるのです(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

磁気がカードに影響しその機能を狂わせた、デジタル時代のバッグ製造にマグネットボタンを使用するべきではない【161】

アイキャッチ画像161

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ナイロンという優れた機能の布をバッグに落とし込んだハイブランド「プラダ」様。

独自開発の高級感ある特別なナイロン素材は、本革レザーに匹敵するほどの市民権を得た言ってよいでしょう。

その後のナイロン素材がバッグに定番化した大きな流れへの貢献度があったのではないかと考えます。

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.03.17からおよそ6年後の2025.06.12にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

かれこれ20年に及ぶ古着スタイルの中、過去のニッチモデルのブランドバッグも同時に収集してまいりましたことで、ある問題が起きるようになりました。

それは、デジタル時代にバッグ内に携帯するクレジットカード・交通系ICカードなどの「磁気」を持つアイテムの存在。

ある時期に、通帳・キャッシュカード・クレジットカードが連続で機能不全になったこの事実の原因が、強力な磁力のバッグのマグネットボタンにあると解いたのです。

これ以降、マグネットボタン付きの古物バッグを選ばないという選択をするようになります。

ただ、元々持っていたマグネット開閉のバッグもあったわけで、このたびはマグネットボタンをマジックテープへ自主交換するというアイデアをご提示したいと思います。

マジックテープならば、安心して今後も問題なくデジタルな時代に持つ良き古物として更に末永くバッグを持ち続けていけるでしょう。

古いブランドバッグを購入する際の注意、デジタル時代にバッグ内部にあるカードの磁気を狂わすマグネットボタンからの回避

もうすでに一度マジックテープへの交換を同じブランドの別モデルで行ったことがありました↓。

過去に完了した留め具交換:元はチェーンショルダーバッグ。比較的困難無く仕上げることができたケース。
このたびのマグネットボタン交換のモデル:1997年頃に購入のトートバッグ。中綴じ仕様があり上よりも困難。
既存のマグネットボタンの設置の様子
元の留め具(マグネットボタン):これを一度すべて外していかねばなりません。少し範囲広がる解体あり。
マグネットボタンの取り外しのきっかけ部分:ステッチで一番近い箇所を起点にほどいて裏側に迫ります。
マグネットボタンの取り外し過程(左上から右下へ):ある程度でほどくのは終了しマグネットボタン外しへ。

実は、この部分がかなり大変で、簡単には取り外せないような構造でした。

そもそもマグネットボタンの足が放射線状であり、特注のようなもの。

鋼の板をマイナスドライバーで起こして、更にペンチでつぶして外す下準備。

引き続いて、根っこを生地から引っこ抜いたのですが、どうしても生地を破らざるを得なかったのです。

専用マグネットボタンの構造:左側はデザイン性はありますが一般的なダブル爪と同じ作り。右が特に特殊。
亀裂が入った生地部分の補修:この後マジックテープで覆われますが、馴染む黒糸で刺繍のようにカバー。
マジックテープ付け:オス・メスの位置はトートバッグなのでどちらでも良いと重視せず。
ファスナーが付いた方のマジックテープの設置完了:ファスナー付け部分もほどいていたので、縫い閉じして完了。
ファスナーが付いていない方の縫い閉じ-元は中表に始末の仕様だったことでその再現が出来ず部分的に「外表ステッチ」で解決
ファスナーが無い方のマジックテープの設置完了:赤枠のように元は「中表」だった通りの再現ができず「外表」。
両サイドのマジックテープの設置による縫い閉じ方の違い:上述のように元の構造が違うので別の縫い閉じ方。

マジックテープがいずれも歪んで付いてしまい、技術不足でした(^_^;)。

マジックテープ開閉のイメージ:その後付け位置をまっすぐにやり直しました。非常に心地良さを感じるように。
変更前と変更後の比較:どちらも内部のことなので表からは分かりませんが、持ち主本人の心地の違いは大きい。

あとがき

ますますデジタル時代が加速の今後です。

古着好きでバッグも中古品を探す際には、こうした細かな留め具の箇所をチェックしていただきたいと思います。

それでもそのバッグがどうしても欲しい場合には、このたび自主リフォームをしたよりもリフォーム業者様の方が腕が格段に上です。

リフォーム料金の事を思えば、その前にマグネットボタンではない留め具の類似品と比較検討したバッグ購入という点こそ大切。

とにかく、悪い影響をもたらすバッグが存在していること自体が解決せねばならないこと。

このことは、バッグ作りを今後していく方にもまずはお伝えしたいことだったのでした。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

あらかじめ「中表」に完成のプレート2枚を「外表」で縫い合わせた分かりやすい構造の薔薇柄のペンケース【11】

アイキャッチ画像11

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

高級なお洋服などは、特に柄をきちんと縦横共合わせて縫製されています。

そういった製作スタイルこそが、贅沢品・高級品の証であったこれまで。

贅沢品は極端な姿ですが、そもそも「裁断」という作業が入る縫製では、どれも材料の生地の多くがもったいない余り方をしている現実があると思うのです。

このたびは、もったいなく余った面積のはぎれの活かし方例としまして、表地も裏地も同じ生地を使用しながらペンケースの製作風景をご紹介したいと思います。

量産品で作られる「中表袋」を作るやり方とは全く違う、板状のパーツの合体の手法が斬新だと感じていただけるのではないかと思います。

はぎれからも立派な小物が製作できる可能性、「中表」のパーツを引き続き「外表」で組み立てるペンケースで証明

このたび利用させていただきました薔薇柄の場合は、ある一定のまとまり(「ピッチ」と呼びます)でひたすら繰り返されています。

「一番大きな薔薇の花が2個隣り合わせの部分」が1枚のはぎれの中で2回登場していますので、まずは半分ずつに分けられると考えました。

ダークなカーキグリーンベースの薔薇柄:縦37cmx横22cm。【10】の投稿のクッションカバー作りの残布。

この柄はお花や葉っぱの向きはあえて方向性が無いようにプリントされていますので、向きは気にしなくて良いということになります。

カットする前の1繋ぎの状態で接着芯を粗裁ちします。
粗裁ちした接着芯の余分をカット、アイロンで貼り、4等分にカット。ものさしを使わず折り線で気軽に続行。
縦37cmx横22cmを4パーツに切り分け。表地2枚と裏地2枚。真ん中2枚が華やかなので表地へ。

さらに、表地の方のパーツ2枚のみにハード薄芯を貼ることにしました↓。

ボンドでハード薄芯を貼り、端から1.5cmに印を付けます。後の反省としては縫い代は1cmで十分であること。

上側の口を開けておいて、コの字型に縫い、アイロンで割って、ひっくり返します。

ファスナーの先端には別布の切れ端(ぼやけた花柄)を見つけ、上下左右を折り込みカバーを縫い付けました。
ファスナーに本体の左右を取り付けていきました。この姿は、正に「外表」の仕立て方です。
「外表」組み立て式の作り方ではファスナーはむき出し。内側にファスナーが丸見えですので綺麗に始末します。

最後に表側から本体2パーツの縁2mm程度をピッタリ縫い合わせまして、2度縫いで強固に仕上げます。

完成したペンケース。<サイズ>縦6cmx横19cmxマチ無し。
お気に入りの「パーカー」社のボールペン。お好みで側面の色が多色展開のすべては黒インクのモデル。
ボールペン4本の他シャープペン4本も投入。合計8本入れることができたのは、マチ無しでもなかなかの容量です。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.03.16からおよそ6年後の2025.01.11にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

6年前の当時の作りを見て思うことは、まだまだ美しく作る技術が未熟であったと感じます。

すべてが粗野であり、革ひも先が結んだだけの粗さ・二重線の重なりの曖昧さ・重なりのずれ・ファスナーがむき出しにもかかわらず縫い付けが1本のみであるなど、課題の多い出来上がり。

これらは、その後の「外表組み立て式」を作る中で美しく見える工夫をしていく試行錯誤に繋がりました。

それでもそれなりにすっきりと出来上がったことは、こうした作り方も1つのアイデアなのではないかという点です。

その後に製作した様々な作りのペンシルポーチ:一番上から時計回りに「中表袋型」「外表半月型」「外表水平型」。

こうして、その後にも大いに活躍したのが、このたびの作り方と同じ「外表」のスタイルです。

新しい可能性として、一度引用してみてくださいませ、大きいバッグでは、より立体的な「バニティ」や「ボストン」にも挑戦しやすい作り方だと思います(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

似て非なる色の黒と濃紺、古着販売業者自らがカラーの区別をしっかりと見極め古着ユーザーの信用を保ちたい【147】

アイキャッチ画像147

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

古着の黒と濃紺の違い、ハンドメイドバッグの生地の黒と濃紺の違いなど数多くの黒と濃紺の区別の場面を経験。

驚くほどの色間違いのケースが多発、本来正しく情報を伝えるべき販売者側が見極めを間違っていると思われる例によく遭遇します。

このたびは、ネット情報を信じて購入の古着ジャケットが極めて黒に近い濃紺であった例が引き合いです。

濃紺さえも黒と区別する黒好きの拘りと共に、難しいと思われる映りが似ている色同士の区別の着眼点をお伝えしてまいりたいと思います。

商品を仕入れて売る中間的立場の販売業者の責務、情報を惜しむことなく正確に伝えるということは後の信用の獲得へ

黒と濃紺の違い(左が黒で右が濃紺):並べると違いは分かりますが、別々に見ることのケースの方が多い現実。

古着は、新品よりも格段に情報量が下がるもの。

そんな環境の中では、まずは古着の販売者がミニマムながらも正確な情報を持ち、最大限にユーザーに伝えていくことが重要であると考えます。

これまでの黒と濃紺の誤購入の例は、私だけでも10件に及びます。

その理由の1つに、ネット購入スタイルになったことで、実物を正確に自らの目で確かめることができないことがあります。

大の黒好きな私は、濃紺と黒の見極めはどちらかというと得意分野であるはず。

それでも、ネット写真に附随した説明の記載の「黒」というワードを信じ購入してしまったのです。

ただ、もうここまで頻発した現在においては、「黒」と謳われていても写真に僅かに紺色のような一面が感じられた場合は、問い合わせをするか購入を検討しないという徹底ぶりとなりました。

誤購入の濃紺水玉ジャケット:後に濃紺と判明。黒好きとしては黒白水玉こそが粋であり紺はパンチに欠けます。

黒白水玉のジャケットこそが粋であるとワクワクしたその気持ちが、届いた濃紺の事実に打ち砕かれた瞬間でした。

では、ぱっと見黒に見える濃紺ジャケットがなぜ濃紺だと確信するに至ったのかの見極め箇所を具体的にお伝えしていきます↓。

縫い糸の色が濃紺:特に古き良き昔のお洋服では、生地に沿った忠実な色合わせで糸の色も選ばれているのです。
接着芯の色が紺:これは分かり易かったです。裏地付きでは裏地の色で判断できますが、裏無しでも芯地で可能。
裏ボタンの色が紺:良いお仕立てのお洋服では手間をかけて表地の生地カラーに別注染めがされることも。
表ボタンのカラー:実は元々付いていたボタンは付け替えてこんな茶のようにも映るボタンへ変更しています。

元のボタンはゴールドとのコンビの黒っぽいボタンで紺の面影は有りませんでした。

濃紺を手にしてしまったが着用していく場合、ボタンの色をあえて黒寄りに選び直すという手もあります。

ただ、紺は紺であり、やはり黒とはパンチがかけ離れるものだと黒好きはどうしても感じるのでした。

お品物を右から左へ流しているだけの古着販売業者様がいらっしゃるとしたら、是非その姿勢を見直していただきたいと思います。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.03.14からおよそ6年後の2025.05.29にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

このたびの記事の「手直し」で、この内容自体をユーザー様に向けていたこれまでから、古着販売業者様へ向けたものに変更。

なぜなら、ユーザー様の間違いの原因が販売業者様の情報の薄さにあると判断するからです。

これまでの黒として購入の濃紺ウールロングコートや、黒とのことで購入の濃紺のレース生地はすべて販売者の「悪気の無い勘違いのミス」によるものでした。

しかし、悪気はないとはいえ、色を見分ける力を培う努力をしていない怠慢さはあると思います。

お仕事というのは人の身になるものであり、誤情報を伝えることに対して呑気なその姿勢こそ事業者として見直すべきです。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク


木製の良質なスツールの座面の保護と座り心地の追求、薔薇柄低反発クッション製作と経年のウレタン替え【10】

アイキャッチ画像10

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

天井の高い賃貸のお部屋、慎重158.5cmにとっては届かない部分が多々ありました。

この天井の高さこそが住み心地の良さでもあったわけですが、例えばクローゼットの上の広い棚などの出し入れには、椅子が必要でした↓。

2015年頃購入のスツール:座面が木製、脚が金属です。しっかりした作りであり、記憶では¥6,400程の価格。

このたびは、ここに低反発クッションカバーを製作した2019年、そしてその5年後の姿も含む現実的な様子を含めて低反発クッションの有限性もお伝えできればと思います。

当ブログ記事は、最初の2019.03.15からおよそ5年半後の2025.01.10にブログ記事の「手直し」の順番で当記事を綴り直しています。

2025年現在もこの椅子は継続使用中なのですが、低反発クッションはもう新調しております。

ウレタンが経年でペタンこになり、元の厚みに戻らないところまで行き着いてしまいました。

後に貼りますYouTube動画は当時の2019.03.15のままですので、動画は最初に製作した2019年のままであることをどうぞご了承いただければと思います<m(__)m>。

低反発クッションのウレタン2枚重ねで四角で製作、椅子カバーもインテリアの一部なのだと教えてくれた薔薇柄

生地に選びましたのが、中間くらいの厚みの「ツイル」という丈夫な織り方の生地です。

ダークなカーキグリーン地に、バラの花がぎっしりとつまった好みのクラシックな薔薇柄は、このたぐいの柄一辺倒で集めたインテリアによく馴染みました↓。

使用生地:生地名不明、綿/100%、原産国不明。縦37cmx横92cm、カーキグリーンベース。美しい柄です。

この生地を存分に使用し、クッションカバーと固定用共布ひもを4本を製作。

中に入れ込む低反発クッション用のウレタンシート、40cmx40cm。これを半分にカットし二枚重ねで投入。
このウレタンの厚みは2cm、座面は縦22cmx横31cm、2枚重ねて厚みが4cmのクッションになる見込み。

できるだけ簡単に製作したく、型紙などの作成は無し。

①生地を真っ二つにカット:出来上がりの縦22cmX32cmに対して、縦横それぞれ+15cmずつのゆとり。

余計な材料は徹底的に省くこの度のケース、ファスナーは使いません。

最終的には縫い閉じて仕上げてしまいます。

よって、最後に空き口を縫う時にミシン目が4cmの厚みに引っ張られて、物理的に落ちてしまわぬよう、結構なゆとりが必要なのです。

②生地を中表に、返し口の1辺以外の3辺を、端より3cmで縫い合わせステッチ。
③この直後、3cmある縫い代を1cmくらいずつラッピングを兼ねた三つ折りステッチ。
空き口の1辺を残し、3辺の縫い代始末と縫いとじ完了。
④三つ折りを3方とも行ったら、ひっくり返して、1か所だけ残ったてっぺんぐるり1週を三つ折りステッチ。

ここですべての縫い代が隠されましたが、まだ返し口は開いたままです。

⑤ウレタンを2枚重ねて、カバーの中に入口をきちんと合わせてミシンで縫い閉じます。

この時が、ウレタンの厚みで、縫いにくいので、最初の15cmのゆとりが効力を発揮していました。

⑥余った生地で幅8cmのリボンテープを裁断、観音開き折理をしてステッチ後十文字の位置4箇所に縫い付け。

以上で完成です。

完成:リボンテープの長さは、左右は55cm、上下は45cmと椅子の座り面の差10cmを付けました。
横から見た様子:出来上がり2cm幅の共布ひもが立派です。

さて、ここまでが、2019年当時の完成の状態でしたが、その後の様子はここから↓。

【1379】という番号の投稿で製作過程の詳細を綴らせていただいたのですが、2023年に四角い座面を楕円形に仕立て直しをしたのです↓。

全解体後楕円型に仕立て直した2023.12.31の投稿は【1379】にてご覧いただけます。型紙から作りました。

その後、楕円の座面で完成した後は使用頻度が高まりまして、こんな風になっている現在↓。

見事なぺたんこぶりです。ウレタン2cmx2枚の合計4cmであっても、5年後にはここまでぺたんこに。。

最終的には、別のクッションを新調し、上に載せる使い方をしています2025年現在↓。

2025年現在:このジャガードのカバー製作は【628】の記事で投稿。5cmのウレタンを2枚重ねの10cmの厚み。

これでも座ると沈みますので、最初から10cmくらいで作ると良いのかもしれません。

あとがき

さて、グリーンの薔薇の物語はまだまだ続きがあるのです。

是非【1428】という記事で、その行く末をご覧になって下さいませ(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

毎日利用する寝具だからこそ気になる点は解消したい、空きっぱなしの枕カバーの入り口にファスナーを後付けする簡単リフォーム【243】

かんたんリフォーム:枕カバーにファスナーを後付け

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

寝具もインテリアの1つ。

眠るための機能とその配置の様子がお部屋の一部の大きな面積を占めるベッド周りのインテリアなです。

このたびは、この寝具の中の枕カバーをすっきりと見栄えの良いインテリアにしていくというリフォームをしました記録です。

かんたんリフォーム:枕カバーにファスナーを後付け
口が開きっ放しな枕カバー:中身が入れ込みやすく、いろんなサイズに柔軟なカバーだとも見えますが。。

もう中身のサイズは決まっていますので、当分交換することはありません。

そうした中で空きっぱなしのダブついた入り口が気になりました。

そこで後付けで入り口にファスナーを取り付けていきます。

最も単純なアイデアで簡単にファスナーを枕カバーに取り付けます

ファスナー取り付けというのは、基本的に縫製の途中段階で行う作業ばかりです。

しかし、今回その常識を打ち破りすでにもう出来上がっている枕カバーに取り付けることをやってみました。

後付けであっても美しく自然に仕上がるように。。

まず、ファスナーを取り付ける前に、ファスナータブを作って取り付けるという作業を入れ込みます。

ファスナー取り付けを簡単に行う分、見栄えがスタイリッシュになるよう少し手間を入れるというような意味です。

ファスナータブの製作手順:7.5cm四方の正方形の生地を1-3の順に折り包み込んで縫い留めます。

1-真ん中に向かって縦折り、2-真ん中に向かって横折り、3-真ん中を折る。

特に、枕に合わせてカバーをカットすることはしません。

そのままの長さを活かします。

かんたんリフォーム:枕カバーにファスナーを後付け
両端にタブを取り付け:インテリア物なので、単純に1か所だけ縫い留め。ただし二重縫い。

このように別生地を縦7.5cmx横7.5cmにカットして、裏に接着芯を貼り、くるみ込んでタブを作るわけです。

そして、下準備が整ったら本体にファスナーを取り付けます。

後付けである条件というのがここで出てきます。

どうしても、最先端からは物理的にうまく縫えないので、ファスナーの先端から8cmほどの位置から、終わりも8cm手前で終了という部分的な縫い付け方となります。

一般的なミシンは平面思考をせねばなりませんので仕方がありません。

かんたんリフォーム:枕カバーにファスナーを後付け
ファスナー取り付け出来上がり:このようにファスナーの端が少し飛び出ていますが、内側に引っ込みます。

縁の8cmの隙間があるので、このファスナー先端部分がやぼったければ、先端を中へ入れ込むことができます。

以上出来上がりまでのリフォームの過程でした。

縫い目の表面への出方

最初の状態で片方だけステッチが入っていて、そのステッチに重ねるような位置に数センチ内側に入った場所に取り付けました。

ここで少し見えている横ステッチは既製品にかけてあったステッチ。これに重ねてステッチ。

反対側はステッチが入っていないので、こちらと均等の位置にステッチして縫い付けました。

表側から見た様子(ステッチがもともと有る方):元のステッチに重なります。
表側から見た様子(ステッチがもともと無い方):ファスナー縫い付けの縫い目だけが出ます。

空きっぱなしは何か落ち着きませんでしたので入り口が塞がって良かったです。

同じ状況の人がいらっしゃれば、ぜひご参照どうぞ。

発展的な別案でファスナーの両端の隙間を解消する

このたびは1枚仕立てですが、発展的な案としましては、内袋をもう1つ別生地で用意。

枕のこの茶色のジャガードに相性が良い生地がかっこいいですね。

その生地にあらかじめファスナーを付けて置き、元の袋の口へ縫い付け合体するという方法です。

この方法であれば、最初と最後のファスナーの縫い付けの隙間問題は起こりません。

フルにファスナーを縫い付けることができます。

ただ、このファスナーの前もっての付け方も隙間が少しはできてしまうこともありますので、完全密閉ということであれば、作業がどんどん凝ったものになってしまいます。

そのような凝ったことをどうせするならと、ファスナー無しの方法で完全密閉されるご提案。

それは、玉縁式という方法。

下の場合は「両玉縁」タイプですが、片玉縁だと比翼みたいにアシンメトリーにカバーされます。

別案の入り口の様子:ファスナーを使わない玉縁式の別布の設置。

一重仕立てにこの立派な「バッグ用のファスナー」を付けてしまったのでややバランスが気になることでこの案を思いつきました。

入り口にこだわると随分立派な枕カバーにはなりますが、クッションが入った時の形をしっかりキープしてくれるようなものにはなるかと思います。

あとがき

今回のようなインテリアカバーになるものなどは、構造が単純ですので、自主リフォームがしやすいです。

その中では、ファスナー付けはもしかして難しい方になるのかもしれませんが、寝具などは毎日の利用アイテムなので一番の「心地良さ」が欲しいものです。

リフォームということ自体、そのゴールは「心地良さ」という心理状態であることが望ましいです。

そのことが、今後長く1つのお品を大切にしたいと思うことにも発展し、同時にコスパも良くなっていきます。

長く使えるほどコスパが上がるわけですので、そこにフォローするような役割のリフォームが一役担うわけです(^-^)。

picturesque

流行の無いデザインの選択+丁寧なお手入れ、年代物の本革レザーバッグが今後も流行に左右されない「安定の持ち」を実現できる可能性【241】

擦れの修理で思う、新品の格安バッグよりも中古の高級バッグが価値あり

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

かつて、バブルと呼ばれる時代の頃ですかね、一世を風靡したようなハイブランドバッグがたくさんありました。

現在は、誰もが同じモデルに対して魅力を感じ持つという風潮はあまり感じません。

それぞれが個々の持ちたいバッグが平たく多品種小ロットで広がっているかと思います。

ハイブランドではなくても、その素材の良さや形のすっきり感を気軽に入手できるのが中古バッグです。

このたび、できるだけ流行を感じない古くささも感じないようなバッグを1点入手。

かなり何十年も前のお品ではあるかと思われる、ショルダ―すらついていない真っ黒のハンドバッグを見つけました。

これに手を加え磨きをかけて素敵に持てるエレガントバッグへとブラッシュアップしていきたいと思います。

古いバッグの気になる擦れやキズの箇所に同色で補色をする方法

バッグに、メーカー名が彫られていたのですが、経年で消えていて結局分かりませんでした。

ファスナーがYKKなどからの判断で、必ずしもとは言えませんが日本製であろうと思います。

とても丁寧に作られていて形がすっきりしています。

リザードの型押しの色は黒です。

擦れの修理で思う、新品の格安バッグよりも中古の高級バッグが価値あり
黒のリザード型押しの本革バッグ:ブランド名不明、サイズ:縦20cmx横31cm。

ゴールドの留め具がワンポイントの形がすっきりとしたハンドバッグ。

こうしたバッグをきちんとしたスーツに装うのではなく、抜け感を出したカジュアルに寄せた方向へバランスをとるとお洒落になります。

最初に一目見てそんなイメージが浮かび、ワクワクしていました。

では、サイドや角の擦れが見受けられるこのバッグに黒で補色をしたいと思います。

擦れの修理で思う、新品の格安バッグよりも中古の高級バッグが価値あり
補色をしたいと思った箇所:こうした古い物の本革レザーは良質なものも多くポテンシャルを秘めます。

写真がぼやけていてすみません。この角や底の縁が擦れているのが分かります。

気づかない内にダメージを受けていたのですね。

バッグが擦れる場面をアップしてみました。

【バッグが擦れる場面】

・外出・帰宅時の玄関のドアや壁

・満員電車やバスなどの人や物との接触

・床にバッグを置いた時

・自転車のかごの出し入れ・・・案外このケースが一番多そう。

まず最初に、バッグの汚れを確認して綺麗にする作業が必要。

このバッグはとても綺麗になっていましたが、一応お湯でよく絞ったタオルハンカチなどでひと通り拭いてあげました。

擦れの修理で思う、新品の格安バッグよりも中古の高級バッグが価値あり
補修に使用のクリーム(黒):「サフィール:レノベーティングカラークリーム」という有名なクリーム。

この黒いクリームを擦れた箇所に少量ずつ塗って、薄くのばしやわらかい布でやさしくこすってなじませます。

擦れの修理で思う、新品の格安バッグよりも中古の高級バッグが価値あり
手袋は「ダイソー」様のお品。 やわらかい布は、ブランドバッグの保管袋のはぎれ。

こんなふうに、手袋をして手に塗料が付くのを防ぎます。

塗料を塗りのばす時には、このふかふかした、ブランドバッグの保存袋だった不織布のはぎれを切って使っています。

そして、補色できたら次に今回行ったことがあります。

実は、前から気にはなっていたのですが、この塗料事態はツヤがあるものの、塗った後のバッグがどうもツヤが出ていないのです。

あくまで、補色作用のみに作られた塗料ということなのかも。。

擦れの修理で思う、新品の格安バッグよりも中古の高級バッグが価値あり
手の指のすぐ上の箇所のツヤのなさ:このクリームだけではツヤ出しまでは無理。

ということで、次に、私が自己判断でした作業をご紹介したいと思います。

擦れの修理で思う、新品の格安バッグよりも中古の高級バッグが価値あり
靴用の艶出し保革保革リキッド:「KNIGHT:コロンブス社製」のムショクという透明色。

こちらの商品は、本来靴専用です。

もちろん、この黒色バージョンも持っています。

しかし、「コロンブス」様のサイトでは靴用で「バッグには不可」となっています。

理由は、色移りがあるので洋服に付く可能性があるからだそうです。

私も、このことは今回初めて知りましたが、今までも靴にしか使用していませんでした。

ただ、ムショクの色であれば、少し使ってしまおうと試みたのが今回です。

確かにバッグは黒ですが、黒色を使わずにあえてムショク透明を使いツヤのない部分に塗りました。

結果は概ね成功です。

擦れの修理で思う、新品の格安バッグよりも中古の高級バッグが価値あり
靴用のツヤ出し液体クリームのムショクを塗布した後の複数の角部分の様子。

見づらいので4箇所中3箇所撮影してみました、多少ツヤが出たのが分かります。

そして、今一度全体をじーっとチェック。

すると、おやおや白い壁の塗料が付いたのか、点々に白くついたものが見られます。

クリームで落ち切らなかったのか見逃したのか。。

そこで、油性のマジックの細い方で、ちょんちょんと補色しました。マジックは、あくまでちょんちょんと小さめに使うのが目立たないです。

大きく塗りつぶすのは素材も変化してしまうので決して良くないと思います。

擦れの修理で思う、新品の格安バッグよりも中古の高級バッグが価値あり
油性のマジックでちょんちょんと色を補色します。

全体がぴかぴかになりました。

擦れの修理で思う、新品の格安バッグよりも中古の高級バッグが価値あり
補色完成:新古品みたいな綺麗さ。これなら今後新しい気持ちで使っていけそう♪。

あまり、中古感とは感じられませんね。

元の良質さが活きているのだと思います。

シンプルで流行が無かったからこそ、何十年も経過していると思われる現在も持持つ気持ちになったのだと思います。

何も新品を選ばなくてもこれで十分であり、自分でお手入れすることに対してそれほどためらいを感じなくても良いのが中古品の「気さくさ」です。

あとがき

古いものでも、しっかり作ってあったり、ある程度の高級な素材のバッグであれば、まだまだ今後も気持ちよく使っていけるバッグになる可能性があるということに大変感動しました。

その時だけの使い捨ての廉価なバッグよりも、同じ値段、もしくはそれ以下のはるかに安い値段の古き良きお品を見つければ、もうこれは大変有意義なことです。

あともう1つ、古いハイブランドバッグに関しては、内張りの劣化でリフォームに苦労します。

そうした長く使えるものではない状態になるものを新品で何十万円ものお値段を付けるということへはかなり不満があります。

それでもお直しをして劣化を取り除き今後こそは一生物にするのだと思うようなバッグだけはリフォーム屋さんへお願いすることもあります。

それを考えると特にハイブランドではないこの度のような本革レザーバッグには、決してそんなことが起こっていないことも事実。

ハイブランドに目を向ける人々の評価の観点にはほとほと呆れます。

こうした目立たないけれどもちゃんと作ってあるバッグにも一度目を向けてみて下さいませ。

その時に、長い年月を見越した配慮が感じられるユーザーを思いやった「気持ち」が感じられると思います。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク


<仕立て直し>デフォルトのビニール素材の寿命は短い、その後の永続的なミシンカバーを薔薇柄で自作【9】

アイキャッチ画像9

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ミシンを大切にしていこうと必ず作業後にカバーをかけてきました。

デフォルトはビニール製の白、ミシンは「JUKI」社製の「シュプール:TL25」というモデルです↓。

デフォルトのカバーは、ビニール製の工業的なタイプ。かぶせたり外したりなどの摩擦によりいずれ消耗と劣化。

そのうちある部分から亀裂が入り破れ始めましたのは、ミシン購入後7年後くらいのことでした。

このたびは、これまでのデフォルトデザインを布製で引き継ぐような「ボックス型の蓋」デザインで製作。

使った材料生地の大容量バッグ(自作)そのものが、逆さにミシンにかぶせるとカバーみたいだったのでした。

とはいえここはリフレッシュ、バッグそのままのフォルムを活かすということはせず、全解体し一からミシンカバーに作り直すという作業を決めたのでした。

元の大容量バッグ:逆さにするとちょうどミシンカバーになる適正なサイズと見て、自作品のリメイクを決定。

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.02.26からおよそ6年後の2024.01.09に過去のブログ記事の「手直し」の順番でタイトルから見直し綴り直しをしています。

仕立て直し後も過去の未熟な部分を持った製作なので、随分野暮ったいこともしてしまっておりますが、それも当時の精一杯のアイデアと技術ということで、悪しからず(^_^;)。

インテリア使いの大容量トートバッグを逆さにしたイメージで仕立て直しをした「TL25」用ミシンカバー

ここで、製作の作業のおおまかな手順をお知らせしたいと思います。

①元のトートバッグ解体

②型紙作り

③裁断+芯貼り

④取っ手部分くりぬき

⑤組み立て

⑥表地と裏地の縫い合わせ

以上です。

この中での、一番のネックは、④の取っ手くり抜きの位置の把握の難しさでした。

①元のトートバッグ解体:縫い目をすべて解体。このダークなカラーは裏地の焦げ茶です。
②型紙作り:3パーツ。1つパーツが映っていませんが、取っ手のくり抜きの比翼布のパーツもあります。

上のカーブは、半径10cmの円の一部を利用した緩やかなラインです。

<側面の型紙のサイズ>縦37.5cmx横50cm、<マチ布の型紙のサイズ>縦22.5cmx横58.5cmを3枚用意し1枚にハギ合わせ。

③裁断+芯貼りは画像を省略<m(__)m>。

④取っ手部分くりぬき:作図は、3cmx12cmのボックス。融通性ある4cmx15cmくらいが良かったかも。

取っ手はミシンのど真ん中ではなく右寄り、ひっくり返すことで位置が反転することもご注意下さいまして、作図としては出来りが反対の位置になるイメージを持って行うことを忘れずに。。

くり抜き作業は表地と裏地は別々でそれぞれ行います。最後にくり抜き穴をピタリと合わせて縫い合わせ。
収納時の取っ手がしまわれている時のカバーをこう表現。取っ手が飛び出すのは運ぶ時だけだからです。

「TL25」の場合ではありますが、くり抜きの位置は、「表から見た時」にど真ん中から右に1cm/ど真ん中より1cm下の位置にくり抜き穴の左端が来る位置が一番ぴったりであると解きました。

⑤組み立て作業:まだ表地のみの作業の段階です、組み立てて表地用のカバーを立体的に縫い合わせ。
裏地も表地と全く同じようにくり抜きを作りました。裏地は枠のくり抜きのみで良いです。
⑥表地と裏地の縫い合わせ:裏地は接着芯のみ。表地と合体時には、取っ手くり抜き部分は手まつり。
表地と裏地が完全に合体しました。完成です。
こんな風に取っ手を持ち上げる時にはここから飛び出します。
完成のてっぺんの姿:縦線のど真ん中から1cm横/横線のど真ん中から1cm下がくり抜きの左端になるよう。

この位置の把握は完成後に解いたことなので、この写真の完成ではかなり右にずれておりまして、1cmどころか3cmくらい右に寄っていますが、良しとしてしまいました。

なぜ3cmなのかは、ひっくり返すと位置が真逆になるということを考慮せずにやったことが原因だと思います(ハハハ(^_^;))。

インテリアとして見たミシンカバーの存在感、柄がクラシックで周りのインテリアにカラーが調和。

あとがき

苦戦しながらなんとか仕上げた元はバッグからのリメイクのミシンカバーの2019年製でしたが、実はあまりの野暮ったさにその後廃止。。そして、こんな姿に変身↓。

インテリアクロスを1枚上から覆っただけのミシンカバー、前後を覆います。全体を覆う蓋タイプはやめました。

その後、ますますミシンを使う機会も増え、こうした簡易型がスムーズでストレスが無いというところに行き着いた現在です。

相変わらず変わらないのは、クラシックな薔薇の柄だったのでした(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク