パーツメーカー様の言葉「ヒネリ錠はレザーに使うものであり、布には向いていない」がその通りである理由とそれでも布に利用する術はあるのか【263】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグにあれこれ金属製のパーツを取り付けることでバッグがもっともらしくなります。

元々布が本革レザーの迫力に対する劣等感のようなものを覆すべく、附属品に力を入れる製作です。

しかし、よく考えると、それは附属品頼みの製作に陥る可能性もあり、ちゃんと自主製作の軸を残したいものです。

ある貴重なお言葉をパーツメーカー様からいただき、当記事に盛り込ませていただきたいと思います。

ハンドメイドバッグ作りの多くが「布」で行われることも多く、素材としては一番入手しやすくバラエティーにも富んでいます。

ただ、ほとんどのバッグパーツの附属品をトライしてみた結果すごく意外な結論に行き着きました。

このたびは、「ヒネリ錠」というパーツを引き合いに、パーツについて綴ってまいりたいと思います。

デニム生地に裏地を付けたクラッチタイプのバッグに取り付けたヒネリ錠の苦々しいエピソードから得たこと

セルヴィッチデニム生地で2点同じデザインを製作しました。クラッチバッグです。

裏地の種類、金具のヒネリ錠の色を変えるという点で雰囲気を変えてみました。

2点同時製作をスムーズに行う方法というのは、過去にも経験があるので、いくつか思い浮かびます。

・糸の色を可能であれば同じにする

・同じ作業を続けて行っていく

こんな辺りが当たり前と言えばそうですが、作業効率が良くて、早く仕上がります。

<裏地>左:先染コットン(紺x黄)、綿/100%、日本製、右:広幅先染サッカー(トリコロールカラー)。

ぱっと濃紺のデニムの蓋を開けたときにこれらの柄が内側で広がっているのです。

楽しい気持ちになりそうです♪。

ところで、同時進行の糸の色は、裏地側に関しては、白をチョイスの共通に致しました。。

表地に対する糸は、デザインも兼ねて金茶の30番糸で共通です。

ヒネリ錠の穴をまだ取り付けていない状態:ここへヒネリ錠の穴部分を取り付けるワンポイント効果が大。

ヒネリ錠は機能だけでなく一気にクラッチバッグを華やかにするデザイン性もあるのだと感じます。

ヒネリ錠1式(いぶしゴールド):その他、ゴールド・シルバーがあり。ネジを穴へ埋め込み突き出して固定。

ネジをプラスドライバーのミニを使って留めるタイプでしっかり固定してくれます。

とはいっても「生地にしっかり穴が開けば。。」の条件があります。

ある程度のパッキンのような補強の芯地が中に詰め込まれていないと安定感が無く、動きがあることで、中の生地の切れ目が見えてしまうような事態になりかねません。

本来こういった錠(じょう)タイプのパーツや、その他ドットボタン系統、カシメなどはすべて本革レザー向きのパーツとして作られたものだとのこと。

そのようにおっしゃっていたのは、紛れもないパーツメーカー様。

それなのにいかに巷では生地にこういったパーツが多く使われていることか。。

生地は繊維がレザーより緩くひっかかって穴が開きにくいのです。

そういう事情なので当然穴へネジが通ることも困難なのです。

本革レザーはきゅっと引き締まっていて、そもそも穴あけに向いた構造なのです。

何度やってもうまくできたと思えなかったヒネリ錠、このたびをもって使用を最後に致しました。

そして、もう1つ悪い傾向を見つけてしまいます。

それは、ヒネリ錠の「枠:わく」の方のパーツの時に開ける長方形の穴。

これをポンチで開けたり、ハサミで補助したりしたわけですが、切りっぱなしの状態でこの枠をはめ込むと、力がかかった時に生地が移動し枠から縫い代がはみ出すことがあります。

そこまでして、穴を開ける必要があったのか。。

その点を非常に何度も考えに考えました。

<サイズ>縦22cmx横29cmxマチ無し。
内側の様子。確かにヒネリ錠は素敵なアクセントではあるのですが。。

それでも、生地に対してヒネリ錠を使用したい場合のご提案、不織布による玉縁で縫い代を隠す方法

とてもこの先このヒネリ錠を生地に対して使っていく気持ちにはなれませんでした。

生地を引き裂いて、それが見えてしまうなんてことがとても乱暴なことに思えたからです。

「優しい製作、優しい取り扱い」という点とはかけ離れたものなのではないかと考えるように。。

ただ、それでもどうしてもこのヒネリ錠を付けたいならば、このような案が後に浮かびました。

もしご参考になればと思います↓。

ポンチやカッターやハサミでくりぬいた長方形の穴に対して、まずは不織布芯を表面から当て、玉縁仕様。

少し場所が狭いので、拡大します。

グレーが不織布芯です。

赤線のY字:玉縁ポケットを作る過程と一緒。切り込みをY字に入れ、表から裏へと不織布をひっくり返します。
こうして裏側に不織布が移動し、くり抜いた生地の縁がすべて四角くラッピングされました。

この後の始末は当然ヒネリ錠の内側に見えないように隠れるよう不織布をカットします。

そして、ミシンステッチで押さえてまずは固定してしまってはどうでしょうか。

そうしたことで見えないヒネリ錠枠の内側では安心の状態が保たれると見ています。

ただ、ここからが自らが行き詰まったところ(汗)。

このやり方も、さらにここへネジ用の穴を開けなければならないのです。

不織布にぜんまいが貫通するような位置でなければいけないでしょうから、せっかく玉縁を作っても、またその玉縁周辺のラッピングにゼンマイの穴を開けなければならなくなります。

ということで、この度の写真のような「ネジ式」のヒネリ錠はどの道生地には向かないのです。

そこで、ここでご提案しておきますのが、「ツメ式」です。

これなら、せっかく作業した玉縁を傷めることなく内部に収納できます。

ツメ式は、比較的優しい留め具なので生地を傷めずにただはめてツメを倒して固定するだけだということです。

そうしますと、あとは、気を付けるのが、玉縁の布の始末ということになります。

ヒネリ錠からはみ出さないのが無理があるなら、裏側でスタイリッシュにはみ出した縫い代を始末してデザインっぽくするなどの工夫が見込めます。

あとがき

「ヒネリ錠」と同類の「差し込み錠」も同じことですが、差し込み錠はネジだけなので穴だけ空けるにとどまります。

ただ、片面ハトメ、ホックなどもすべてにおいて、生地にメスを入れるということをしますので、本当にそれをするべき理由があるのかどうかまでとことん考えるべきです。

「長持ち」をモットーとしておりますので、そう考えると「飾るために生地を傷める」ことへの抵抗感が非常にあるのです。

どうでしょう、パーツについて今一度考えてみて下さいませ。

ヒネリ錠をどうしても使わなければいけない「理由」です。

この「理由」に関しては、製作におけるすべての工程に入れ込むべきことであり、その集まりが成果となって「良質さ」とか「粋」を作っていくと思っております(^-^)。

バッグから取り出すその様子がエレガント、毎日がドラマチックで物語のようなシーンでありますようにとご用意した小物ケース【262】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドのミニポーチを製作、作った品物そのものに対してではなく、その後のご利用シーンを常に想定するべきであると思います。

そうしたことで、製造に入れ込むメッセージのようなものが増してゆくのです。

このたびは、どんな生地でも作ることが可能なミニミニポーチなのですが、とびっきり春の草原のボタニカルな風景を演出するような3点を製作致しました。

ミニサイズながら大きなサイズのバッグと変わらぬ手の込んだ仕立て

例えば、新しい音楽のメロディーを聴いて、「このミュージシャンの曲なのでは?」と分かったり、歌声だけを聴いて歌い手が予想できたりということがよくあります。

この例のように、商品をパッと見て、「あっ、これは〇〇社製だ」と一目見ただけでで分かってもらえることは大きな目標です。

生地の選定、デザインの特徴、雰囲気すべてにおいて特徴あるものとして伝わったらとても嬉しいものです。

ここで、小さなこういったポーチのようなケースの特徴あるお仕立ての工夫をご紹介します。

1)バッグに使用する接着芯と何ら変わらぬ芯地を全面に貼る

ハンドメイドバッグと何ら変わりのない同じことをします。

芯地の種類ももちろん同じで、小さいものだからといって種類を変えたりはせず、そのまま大きなものが小さくなっただけのような仕立てをしています。

1)バッグに使用する接着芯と何ら変わらぬ芯地を全面に貼る。

2)マジックテープの補強に裏側にハード芯を当てる

こちらも1)と同様、ハンドメイドバッグと同じ手法です。

ハード芯は、ハード厚芯とハード薄芯の間のようなふんわりしていて硬くはないけれど、厚みは1mmほどあるような芯地を利用。

よく使う開閉の時のマジックテープ部分の補強に影の力として役立ってもらいます。

考えてみると、小さいからといってこの仕立てをしないということが反対に「なぜ?」と疑問に感じます。

2)マジックテープの補強に裏側にハード芯を当てる。

3)裏地を取り付けるお仕立て

ハンドメイドバッグの作りと同じように、表地と裏地を合体する形なので、裏地もきちんと取り付けます。

裏地があることにより、更に特別な芯地を入れずとも、ふんわりとしたものになります。

3)裏地を取り付けたお仕立て。

はぎれですので、表地と同じ生地でやむなく作ることもあり、全く別生地であることもありますので、バッグで作った時の組み合わせと違う裏地になるところも1点物志向が貫けます。

今回の場合は同じ表地です。

裏地が付くことでぐんと高級感が増しますし、仕立てもひと手間かけた手の込んだものになります。

長い目で見たら、この方が断然良いと考えます。

以上の主に3点が仕立ての特徴です。

完成した3点が実際に使われるイメージをしてみる

一番上から時計回りに、ファンデーションケース(サイズ:縦6cmx横8cmxマチ2cm)、ペンシルケース(サイズ:縦3.5cmx横15cmxマチ無し)、シャドウケース(サイズ:縦5cmx横7.5cmxマチ無し)

とりあえず、「コスメケース3点セット」という名目なのですが、使い道は自由。

ボールペンを細長いケースに入れても良し、キャンディや鍵を入れても良いのです。

ただ、特に日本人の性質として、与えられたその使い道に忠実という傾向があるようで、入れ物の使い方に対しては受動的なのです。

蚤の市などでよく、「何を入れる物ですか」と聞いてしまうところ、以前販売したレンタルボックスでお世話になった時にも「入れる目的が思い浮かばない」などのフィードバックをいただきました。

しかし、こんな風にも考えられるのです。

「何にも縛られず自由に自分だけの使い道ができるケース」であると。

あとがき

「はぎれ」に対しては、こんな選択をしています↓。

はぎれなのだから手間暇かけずにさっと作るものなのか、大きなバッグを作った時と何なら変わらぬ同等の物に作るのかといったこと。

結局、後者を選びました。

バッグそのままの仕様で作ることがかえって自然であると。

出来上がるとじっくり眺める時間をとっています。

小さなものでも何かぐっとくるような感動がある品物を作った方が作った甲斐があるのです。

人生という「舞台」で、人間のさまざまな行動やちょっとした動きやしぐさは、すべて「演出」だと考えます。

1つ1つが素敵でエレガントなムーブメントでありたいものです。

バッグの中から、ボタニカルなミニポーチを取り出す「その人」が舞台の主人公なのです(^-^)。

まだまだ捨てないで!、早めに気づくと長い目で見たコスパが高まるフェイスタオルの両サイドの擦り切れにブランケットステッチをするリフォーム【260】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「タオルを擦り切れるまで使う」ということがいけないことなのでしょうか。

1点の品物を大切に使うことは決して悪いことではないはず。

ただ、擦り切れた状態で使い続けるから印象が良くないわけです。

気づいたらただちに処置をし、擦り切れの進行具合を遅らせるコスパの高め方があります。

このたびは、そろそろほつれてきたというような状態で擦り切れが目に付き始めたタオルをリフォームにより「まだここからである」とまで思うような状態にしていきます。

リフォームを決めたこの時点でタオルは10年程使用してきた状態にあります。

これでもかなり十分ではあるのですが、ハイブランドの良質なものだと20年は楽勝なのです。

ハイブランド以外でもブランド名が入っていたようなものは一定の良質さが当初はあったはず。

このたびのリフォーム例によって1点ずつの品物をちゃんと愛でながら、大切に物を使っていく文化が広まればと願っています。

前案(失敗):別布ラッピングは綺麗にできず断念

サイドがこのように結構擦り切れたフェイスタオル(「カルバンクライン」様のもの)。
まず浮かんだ縁の別布ラッピング。しかし、ラッピング布の幅不足による継ぎ足しが綺麗にできず断念。
一見良さそうですが、ラッピングの縫い目がゆがみ、綺麗ではないです。ほどいてふり出しに戻します。

後案:ブランケットステッチをを手縫い、今後のほつれ防止もするお直し

ということで、違う案が、手縫いによるブランケットステッチでした。

こんな風に白糸の二本取りで1cm巾くらいのブランケットステッチ。

ラッピングよりもごわつかず、自然なのが良い所。

ステッチ前のツンツンと突き出した擦れの糸をカバーする役割もあるので、この効果はあるようです。

あとがき

毎日使っているものは、じっくり見ることがなく粗雑な扱いをしていることも多々あるかと思います。

そして、気が付いたら急にほつれ出したような印象で目に映るわけですが、着々とそのほころびは見えないところで進行していたと言えます。

いかに早く気づいて対策するかということはとても重要です。

日用品だからこそ、そもそも最初に「安かろう、悪かろう」は決して買わないことです。

後の経年のその後の姿を考えれば、早くダメになるのは「安物」です。

その場だけの安さに飛びついて、長い目で見たコスパを考えていない購入をした結果です。

洗濯物を取り込む際にもパチンと引っ張るのではなく、そっと取り込むなどその瞬間ごとの丁寧な接し方も傷みが起こらないことにつながると思います。

是非、今一度日用品に対して感謝をし、愛でながらかわいがっていく使い方をしてあげてくださいませ(^-^)。

職業用ミシンで何とか縫えた美しい花柄の厚手インテリア生地のリュック、ボツになった理由は口の隙間の危うさ【259】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「ペールカラー」とも呼ばれ近年「癒しのカラー」としてインテリアに積極的に取り入れられている「中間色」というのは本当に綺麗です。

落ち着いていて、柔らかい雰囲気たっぷりなのです。

今回は、まさに中間的な色だというような色のピンクの表地と裏地を濃淡で組み合わせた場合の厚手生地でハンドメイドリュックを製作。

トートバッグのその先に少し機能を加えたデザインです。

裏地なのに極厚を選んでしまっても最低限の重なりを意識すれば大丈夫

通常裏地は薄手です。

表地をチョイスした後に附属品としてチョイスしていくもの。

けれども、裏地にもデザイン性やおしゃれ感を取り入れたいというスタンスでこれまで裏地には特に工夫を重ねて製作してまいりました。

今回の表地は非常に難しい色でした。ピンクと言っても青みがかったものではなく、サーモンピンクのようなオレンジみが入っているのです。

茶色寄りだという見方もできます。

左:表地-インテリアファブリック、ポリエステル/100%、ベルギー製。
右:パイルカーテン地、ポリエステル/100%、ベルギー製。

表地のインテリアファブリックは、薔薇の柄が浮き出た凹凸感が非常に美しいと思います。

毛羽だった生地は毛並みがありますので、見る向きにより色が濃淡に分かれます。

この向きから見た時に薔薇の柄が濃く映るその色と裏地がぴったり相性良くマッチしました。

どうしてもこれを裏地として使いたいと思ったのです。

そうすると表地の厚みと裏地の厚みが重なり、ミシンの針が通るのかという心配をしながらの製作でした。

こんなに厚みがあるものを裏地にしました。これ以外ベストマッチな裏地が見つからなかったからです。

今回は、このような厚い裏地をどうのように工夫して縫っていったかということを見ていただきたいと思います。

そして、最終的には、限界の部分もあらわになりましたので、貴重な体験として記録にしっかりと残したいと思います。

接着芯:接着芯のみ使います。選んだ接着芯はごわっとした硬めのタイプ。

これ以上、ハードな芯地は貼りません。

サイドのリボンひもが別生地である事情は、本来は裏地のところを厚みのある裏地を避けたからです。

同じような手触りの感じが似たスエードプリントというポリエステル/100%、日本製の薔薇柄プリント生地で取り付けました。

片玉縁風のポケット:いつもと同じように。ただ、入り口の伸び止めテープは省略。接着芯が貼ってあれば十分。
フラップポケット:上の片玉縁風の反対側に付ける貼り付けポケット。フラップに表地を使用。
取っ手の取り付け:取っ手は、間に挟み込む方法では到底難しく、縫い付け。

ここ最近取り入れ始めた先端に「変六角形」のタブを取り付ける方法がとてもしっくり来ています。

この変六角形は、縫い代が見えたままの先端を隠すと同時にバッグの顔のようにも見える大切な部分でデザイン性を表していくという2つの役割があります。

取っ手の中の作り:今回のような厚手は、取っ手にも接着芯のみというのが正解。
底板:底板は、1.5mm厚のベルポーレンという割れないプラスチック底板です。これをこの瞬間に内蔵。
入り口の留め具:リボンひもで、に口の開きをこのようにDカンとナスカンで口を閉めました。

ただ、リュックとしては、この入り口の絞り具合に限界がありました。

この入り口の隙間だらけのせいで結局リュックの機能としては不合格ということになってしまいました。

トートバッグの領域を越え、リュックとしても十分使える物にはなれなかったのです。

タブの縫い付け:タブは、単独でまずタブの重なりを縫い付けておくのが作業しやすいです。

以上、せっかく厚手の生地に挑んだわけですが、これ以上口を閉じるにはまだまだ機能が不足で、不安が残るデザインとなったため、廃止の方向です。

入り口の隙間をどう解消していけばよいのかの1つのアイデア、タブを設置し巾着として絞り切る機能

<餅巾着:ピンク薔薇ジャカードVER>縦27cmx横27cmxマチ11cm。

トートバッグ使いはそれほど問題がありませんがリュックデザインに使うととたんに不安が高まります。

それは、視界から遠ざかる背中に移動するからです。

<餅巾着の内側リボンをしぼった時のデザイン>ショルダーの長さは、ナスカンも含めて91cm。

この状態で背負うと中身が丸見えと言うほど背中で口が開いてしまいます。

この数年後に考えたのが、タブを複数設置した巾着ホールを作り、そこへひもを通してしぼる機能です。

そうすると、別で取り付けたショルダーが不要になり、全然別のモデルに変わってしまいました。

取っ手はこの後案のアイデアでは付けることができないのです。

というのも、付けると巾着によりタックの影響を受けてラインが崩れるのです。

ということで、取っ手をあきらめざるを得ませんでした。

ナップサック型:口をしぼるひもとショルダーが兼用になっていることが無駄がないと考案のデザイン。

このデザインはこれで完成型です。

よって、前案のトート型の取っ手付きはリュックにはならないまま廃版ということになりました。

あとがき

ということで、結局は、今回の取っ手付きのトートバッグにもなるリュックというデザインは実現不可能として廃止です。

とはいえ、たくさん学びがありこの段階は非常に貴重でした。

こうして、「本当に必要な機能なのか」の精査をしながらのモデルチェンジです。

ただ、取っ手はあるとありがたいことも多いのでなくなるということは価値が減るのは確かです。

最後の一切れまではぎれを使える可能性、小さなはぎれで作ったパッチワークシートで作るミニポーチ【258】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

布地で何かを作った後に余る「はぎれ」。

大きめで余ればポーチぐらいは作れるかも。。と思われるかもしれません。

しかし、面積の小さなはぎれでもつなぎ合わせるということをすれば、「無限」が実現できます。

とは言え、もともとメインに使った残りですので、その無限は、小さなアイテムの範囲内の無限ということになりますが。。

このたびは、柄が素敵な数種類のはぎれを小さな面積でありながらつなげてパッチワークシートに作り実際にミニポーチを完成した様子をお届けしたいと思います。

【175】の続きの作業、以前に仕立てたパッチワークシートを使ったミニポーチ

【175】の記事の投稿では、こうしてパッチワークシートを仕立てたところで終わっています。

今回は、その続き、「その後パッチワークシートはどうなったのか?」ということをお伝えすることになります。

【175】の投稿で作ってあった4種のパッチワークシート。表地と裏地とで2シートずつあります。

入れる目的としては厚みのあるファンデーションケースというデザインの四角いマチ付きです。

ハギ目がたくさんありますので影響がそれほどなかったマチ付きの四角デザインを採用致しました。

パッチワークのブロックのハギ目の出方の違い

パッチワークシートを見ていただくと分かりますが、椿柄だけが3ブロックです。

残りの桜柄と菊柄は2ブロック。

この違いが出来上がりの正面から見た感じに違いを生みます。

今回一番厚い赤い生地では作っておりませんのであしからず。。

縦7cmx横8cmxマチ2cmの3点のファンデーションケース。

パッチワークが2ブロックの左2点に対して、一番右は3ブロックの為、ハギ目の位置が違います。

椿柄だけ結構余分を切り落としていまして、すべて同じサイズのポーチにしたのです。

マジックテープは生地の柄の色に合わせてバリエーションの少ない色目の中からなんとか探しました。

マジックテープ、ファスナーなどの既製品は色数が非常に少ないのが悩みです。

アパレルの量産の製造では、ファスナーが多く使われますが、勤務の時代はほとんどこだわりの「染めファスナー」でしたので、生地にばっちり色が合っていたものです。

大量生産ならではのコスト事情から、思い描く通りの染め色が実現できていた時代のことです。

マルチカラーに合わせる糸の色の難しさ

ここまでカラフルなマルチカラーの糸をどうするか、これはとても難しい点です。

パッチワークシートを作った【175】の時も本来丈夫にしたくて、はぎめの両サイドにステッチを入れたかったのですが、あまりに糸の色がなじまず、結局「ステッチを入れない」という結論をとりました。

作る商品が小さい物なので重さの比重がかからず問題ないであろうとの判断。

しかし、商品を作るための地縫いは必要な今回です。

さて、糸の色をどうしても選ばねばなりません。

この糸の色が大変難しい点でした。

一番左側の糸の色の選択が比較的易しかった理由に、背景がなかったということがあります。

一番左は、お花がぎっしりで背景が無いのです。

よって、お花の中から一番なじんで目立たない糸の色を選んでいきました。

右2点は、しっかり背景の色があります。

真ん中が黒、右が焦げ茶で、いずれも強い色に該当します。

そういった強い色の背景の場合、マルチカラーで他の綺麗な色が入っていると、背景の色に合わせていては糸の目が柄に浮いてしまって綺麗ではないのです。

まるで虫が行列を作っているかのように見えてしまいます。

そうして、非常にあいまいなカラーの糸の選択にたどり着いたのです。

黒地の桜柄には、カーキグレーのような黒とはかけ離れた薄めの色の糸を、焦げ茶地の椿柄には、モカベージュとか黄土色のような茶色とはかなりかけ離れた薄目の色の糸を選んだのでした。

いずれも薄い方向の色がなじむようなのが、他のカラフルな色との調和であろうかと思います。

よく、糸の色の選び方で「少し濃いめ」ということがさかんに言われていますが、それは単色の場合に限ってということではないでしょうか。

マルチカラーにはてんでその定義が当てはまりません。

すべての色に対してそこそこ合う色をまんべんなく見なければならないところがマルチカラーにおける糸のカラー選びのポイントです。

せっかく柄が暗い色に対して美しく映えているのですから、縫い糸でそれをぶち壊すことがとても残念なので、ここは注意を注ぐ部分だと思います。

ファンデーションケース以外のミニポーチの使い方を考える

ファンデ―ションケースという使う目的を特定した理由:日本人の使う目的に対して受動的な性質を考慮した為。

以前にどこかの記事でも書いたかと思うのですが、日本人というのは、蚤の市などで、何に使う物なのかという決められた使い方を聞きがちだそうです。

フランス人にしてみればそれは、驚くようなことらしいのです。

1つの物をいろいろな個性的な使いまわしが自分流に出来ることの方が自由で縛られずに千差万別で素敵なことなのです。

ということで、一応目的設定にファンデーションケースという名前を付けましたが、果たして、ここにすべてのファンデーションケースが入るのでしょうか。

いやいや、ここ最近のファンデーションケースは鏡とリフィルが横並びの長方形のぺたんこです。

この形は私が以前使用の二層式のタイプのファンデーションケースをイメージしたもの。

すべてに対応するものではありません。

そうなるとファンデーションケース以外の入れ物になったって良いわけです。

独自の使い方を反対にフィードバックいただければとても嬉しいです。

あとがき

このたびの、つなげてパッチワークにしてまでも小さなポーチを作る価値を極端なケースで考えると納得できます。

高級な生地のはぎれが余ったケースです。

さすがにもったいないと思うでしょう。

しかし、どの生地も現在レベルが上り、日本製はもちろん、外国の生地でもしっかりと作ってあるものも多いです。

どの生地も余ったらもったいないと思うべきなのではないかと。

なかなかリピート生産の少ない多品種小ロット製造の生地ですので、その出会いを大切に、心配ならちょっと多めにストックしておくことも工夫の1つ。

結果余った場合にはこの度のような活用法があるということを是非思い出してみてくださいませ(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

両端が擦り切れたフェイスタオルをここで捨てない、引き続き使用しコスパアップをはかる三つ折りステッチ【257】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ最近連続で2本のフェイスタオルの端が擦り切れて破れたような事態に。。

年数のある一定の経過時にまとめて起こることのようです。

家電製品でも10年程をめどに連続はよくあるのですが、タオルもそうだったようで。。

その破れたタオルは、百貨店のワゴンから選んだノーブランドものだったと記憶しています。

ノーブランドと呼んでしまっていますが、どこかのメーカー様が製造された品物なので正式にはこちらもブランド物であったという言い方も正解です。

まずここで、百貨店取り扱い品=超良質でもないことを知ります。

理由は、他のブランドの同じフェイスタオルがここまで傷んでおらずまだまだ使用できる状態であることも比較しているからです。

傷みの場所が縁であるケースの補修のアイデア:三つ折りステッチ

今回のフェイスタオルは、短い辺の両縁がゾコゾコに擦り切れている状態でした。

短い辺の方の両縁が擦り切れているタオル:サイドの長い部分は大丈夫。

破れているというのは縁が擦り切れているという状態で、それほど重症ではないです。

三つ折りをして、デフォルトの長さからわずかに短くなりますが、気にならない程度だと思います。

まだ何とかなるこのタイミングでお直しをしていきました。

まず、タオルは洗濯でぐにゅっとゆがんでいたりするのでアイロンで正規の形に整えるところがスタート。

後の作業がスムーズになります。

三つ折り:アイロンでタオル全体の歪みを整えておきます。そして1cmずつの三つ折り。
糸は美しくなじむ色がのぞましい:ベリー色になじむ色が見つかりました。
上糸にボビンを使う方法:やや邪道ではあるかと思われるかもしれませんが、一応回転します。

100均のカラー糸を2個のボビンに巻きつけてあったのがちょうど見つかりました。

同じ糸のボビン2個をそれぞれ上糸と下糸で使います。

100均の紙製やプラ製のコーンは、ここへ設置しても糸が上手く動いていきませんでした。

ボビンの方がはるかに働いてくれるようです。

三つ折りステッチ:最初と最後は返し縫い。玉止めは縁の溝に上手く隠します。
ここに玉止めを隠していますね。タオルといえども、きちんとした作業をします。
見違え得るようにすっきりと気持ちよく仕上がりました♪。

ものの1分です。短い時間ですぐできますのでお勧めです。

糸がなじんで心地良いです。

あとがき

もし、今回のお直しをせずにタオルを買い替えていたとすると、コスパは下がります。

ここで、お直ししたことで、引き続き今後もまだまだ使えるものに生まれ変わりました。

そうすると今後コスパがどんどん上がっていきます。

こんな風に、使い手の判断1つでコスパは上下します。

製造者様が丈夫く工夫して作ってくださったとしても劣化や擦れ、破れ、傷みは免れません。

そこを利用者の気持ち1つでどうにでも変わっていくところからは、「バトンタッチ」が行われたということ。

こういった日用品、当たり前のよく使うものこそ、長く丈夫く使っていきたいです。

そもそも、10年足らずでこのように擦り切れるタオルは超良質とは言い難いです。

根本的には、最初のタオル選びからちゃんとしたいのですが、今まで持っていたものに関しては仕方がない部分がありました。

よって、このようにこの度はお直しをするに至りました。

冒頭で、2本のタオルが同時に傷んでいたということを書きました。

実は、もう1本のタオルがむしろこちらよりも重症なのです。

それは、また後日の記事でお伝えしたいと思います。

番号は【260】になります。もう1本のタオルに対しては誰もが知る有名ブランド。

それなのにこちらよりもはるかに傷みが大きい点もブランドの名を冠しながらのその結果を興味深く見てもらえればと思います。

重なりをミニマムにおさえたデザインがマスト、本格的なゴブラン織で作るバッグに相応しいデザインの考案【255】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

悪いクセなのですが、ついつい厚みのある生地同士を重ねてしまうこと。

重なる部分は力の支えとなる部分ですので大切なので、思わず丈夫く作ろうとしてしまうのです。

職業用ミシンもパワーには限界があります。

職業用ミシンを悩ませるのが、ゴブラン織り、デニム、帆布、ツイードなどです。

ゴブラン織りも、ゴブラン風ということであれば余裕なこともありますが、折り曲げるのも力が必要な本格的なゴブラン織りは、多重でバッグを作るには限界があります。

されど、この厚みこそが本物のゴブラン織の証でもあります。

このたび、ミルフィーユ状に重なる部分ができてしまったゴブラン生地で製作のミニボストンバッグの失敗例を見ながら、ゴブラン織り生地に対する職業ミシンの限界を知り、「ゴブラン織生地で製作可能なデザインとは?」をテーマに答えを出してみたいと思います。

厚くなり過ぎぬように工夫したハード薄芯の省略

通常、接着芯を全パーツに貼り、本体や口布、側面などのしっかりとしたいパーツには更に、ハード薄芯を貼ってハンドメイドバッグを作っています。

しかし、今回は特別。ハード薄芯は省略して貼らないことにしました。

ハード薄芯まで貼らなくてもゴブラン織ならば風合いには影響はありません。

その代わり、接着芯はベースなので貼りました。ハード薄芯を貼らない分少しごわついたタイプの接着芯です。

なんとか全部針が通ると良いのに。。と思いながらの製作で、かなり緊張の場面がありました(^_^;)。

白いごわっとした立派な接着芯:生地みたいに見えますが、織物タイプの接着芯です。

影響の少ない厚みが控えめな裏地を選択

<表地:ピンク>インテリアゴブラン、ポリエステル/50%、綿/50%、スペイン製。
<裏地:クリームベージュ>シャンタン、ポリエステル/100%、日本製。

大花柄が迫力あるピンク地の表地です。

表地がかなり厚みある生地ですので、重ねる時に厚みが増し過ぎないよう、裏地は控え目の厚さで選びました。

そのかわり、丈夫さがありエレガントな雰囲気の織りのシャンタンです。

取っ手付け根部分をスタイリッシュにデザイン性のあるタブ付きへ改良

当然ながら取っ手を本体に挟み込む仕様では、縫えないことになりそうだと本体へあらかじめ縫い付ける方法をとりました。

以前にミニボストン型の取っ手で大きな課題だったのが、取っ手の付け根部分の不格好さです。

以前の製作品:サッカー生地で製作のミニボストン。取っ手の縫い付けの付け根が美しくありませんでした。

取っ手の付け根部分は綺麗に始末しても以前は結局この出来にしかなりませんでした。

長いことこんな風に縫い付けてきましたが、この部分はバッグの顔のような部分だと改めて思い直し、ここを美しく見えるように工夫。

取っ手の先端を六角形のパーツの中に隠しこむというデザインへの変更です。

変形六角形のパーツの追加:取っ手の付け根をこの中に隠しこみます。見違えるほどの飛躍的効果でした。

付け根タブのデザインはいろいろアレンジできます。

取っ手の先端をしまい込むことで取っ手と本体がうまくなじむ効果が得られました。

同時に、取っ手の先端は、バッグの顔のような部分なのだという重要な学びがありました。

ミルフィーユの重なりが糸飛びを起こし不完全で終了

何とか無理矢理完成してしまいましたが、試作品に過ぎませんでした。

とても残念ですが、失敗です。

接着芯以外は貼らないという工夫、裏地を厚すぎないものに工夫と工夫したつもりでしたが、結果はそれでも縫えませんでした。

とは言え一応完成させたことで、限界部分をここでお見せすることができます。

ミニボストンバッグ:<サイズ>縦18cmx横28cmxマチ9cm。もとは3箇所のDカンでリュック仕様。

一見何事もないかのように見えますが、底の縫い合わせ部分が作業の行きどまりを決定付けました。

行きどまり部分拡大:底の重なりの真ん中周辺で糸が数センチにわたって大きく飛んでいるのが分かります。

ここまでの糸飛びは、穴が開いているのと何ら変わらないのです。

バッグの底の縫いが不完全な「失敗作」となりました。

接着芯を含むここまでのミルフィーユのような生地の重なりが本格的なゴブラン織りでは不可能だということです。

ミシンの針、ミシン全体のパワーがゴブラン織りの頑強さに負けた瞬間でした。

取っ手の取り付けは一応成功しています。

ゴブラン織り生地を問題なく縫える裏地付きデザインの考案

極力重なる部分を失くす仕様の1つ、裏地付きで口を閉じないトートバッグ型です。

柄をめいっぱい美しく示す面積の大きなシンプルなデザインの考案:裏地付きでも重なりは最低限です。

こうした余計なヒダや動きの無い寸胴なタイプのバッグがかえってゴブラン織りの作業を可能にします。

裏地で覆われている高級感もありますので、裏無しはやはりカジュアル。

裏地は付けたいのです。

あとがき

もともとゴブラン織りの生地は椅子に貼ったり、カバーにしたりと一重仕立ての使い方を目的にした織物だと思います。

それをバッグに作るという点がそもそも「チャレンジ」になります。

インテリアの中で面積を広く柄をめいっぱい大きく使える使い方がまず1つはその良さを活かすベストな使い方だと思います。

あとは縫える工夫をすればバッグに引用も可能なわけです。

1つ注意点は、縫えない部分を出さないために作業を省略することを避けたいこと。

例えば、厚みがあるから縁をロックだけの始末のヒラヒラで。。などはあまりにゴブラン織りの良さが台無しです。

せっかくの良き材料をしっかりと受け止めて相応しく、それ以上に価値を出せる製作をしたいものです(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

何十年も使用のコスパの良いブランドバスタオルのロゴ刺繍周りに穴、さらに長く使い続けるためのスタイリッシュな当て布大作戦【254】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

たかが日用品、されど。。最初は他の類似アイテムよりも高価だったブランドバスタオルが、使い続けて10年以上でその結果が現れてくるものです。

贈答品の中でも得にかつての「ライセンス物」のブランドバスタオルが好み、なかなか良質なのです。

これまで「ロベルタ」「イヴ・サンローラン」「MCM」「フェンディ」の古い贈答品を使わせていただいてまいりました。

そして、引っ越し後の追加購入の際に再び選んだベスト1が「MCM」と「フェンディ」です。

これらはその渋さと飽きの無さが圧倒的です。

購入時のその時の値段の比較だけではなく、その後の「持ち」というものを考えること、いわゆる「コスパ」を意識。

ただ、こういった作りの良いブランドタオルにもあるデメリットがあり、そこから傷みが起こっていました。

「本当の丈夫さとは?」ということがいかに奥の深いことなのかを考えます。

ロゴ刺繍の周囲が硬い刺繍部分との差で穴が開くという現象から「強度の極端な違いをコンビにするべきではない」ということを学ぶ

「ぺカン柄」が楽しくて豪華な「フェンディ」様のバスタオルをリフォームしてまいります。

もともと「ペカン柄」というのは、ペカンというナッツ類の豆の様相です。

そういった自然の植物からのヒントで柄を出した「フェンディ」様のひらめきがこのストライプ柄の所以とのこと。

濃い黒のロゴ刺繍が印象的な「フェンディ」様のバスタオル・・・10年以上使用。1週間に2度ほどの割合で使用。
ロゴ周辺の破れ:、ロゴのEとNの間の三角のように破れた部分があります。

もともと刺繍が頑丈なために、硬い刺繍の英文字の部分とタオルのやわらかい1枚仕立てとのギャップでタオル地が負けてこうなることがよくあります。

ロゴが入っていることこそ素敵でインパクトがあるのですが、こういう結果になったことが残念。

ここから学べることは、どんなケースにおいても、強度の違いが極端な2種の組み合わせは相容れないということでしょう。

カラーがなじむ別布でその裏面をプレートのように補強する方法

このたび、このように破れた結果を見て行っていますが、途中でもっとひどくなる予想が見込まれた時に予防策としても有効の方法です。

型紙作り:ロゴ全部が縫い代を折っても覆いかぶさるようなサイズの型紙をご用意。縦7.5cmx横10cm。
馴染む色の生地を用意:今回のバスタオルの場合は、黒が用意しやすいです。
接着芯を貼る。
縫い代をアイロンで折る(1.5cmでやりましたが、1cmの方がごわつかないと思いました)。
今回、2枚仕立てのプレートにしました。
2面を張り合わせたプレートをまず作ります。
本体の裏側へ設置:タオルの裏側から元あるステッチ線をボックス状にステッチ。
完成:表には黒い囲い込みのステッチが出ますが、そこそこなじんでいます。
裏側はすっきりと綺麗に仕上がりました。

このたび、私は2枚仕立てでやりましたが、1枚だけでもこのような見え方でできます。

あとがき

コスパというのはとても大切。

結局は、その購入のそのままのお値段だけでは説明がつかないことが出てきます。

長く持つほど、高額品が、本当に相当の価値であったかの答えが出ることもあります。

ただのブランドの価値しか示していなかったのか、中身そのものも価値が入れ込んであるのかというところが、こういった経年の姿でありありと分かることもあります。

10年でとうにボロボロで捨ててしまったバスタオルに比べればこの度ご紹介のブランドバスタオルは断然優れています。

ただ、ブランドロゴが立派過ぎてこのようなリフォームが必要になったことも「課題」です。

このロゴ刺繍が立派でかっこよさを醸し出していると考えると、それなら目立たない弱い刺繍で良かったのかと考えると、なんとも難しいところです。

何十年もの先を想定することの「難しさ」や「意味」を考える1つの貴重な姿です。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

位置が分かりにくい難関箇所だがメリットは多い、分離した蓋の縫い付けが得意になるためのコツ【253】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドマーケットの野外イベントなどに出店の際、小さなアイテムはお土産などに喜ばれると見込めそうです。

小さいアイテムなので持ち帰りに負担が無く、ネットの写真ではそのサイズ感も分かりにくいところを現物でじっくり手に取って見てもらえるところもメリットです。

いろいろな生地でバッグを作った残布を使って、バッグの仕立てをそのままのただサイズだけが小さくなった裏地付きのミニミニポーチを製作しています。

バッグの時と表地裏地のコンビが違うことも当然あり、また新たな雰囲気が生まれ新鮮です。

このたびは、インディゴブルーのギンガムチェック。

ギンガムチェックは中国製が圧倒的に多い中、あえて日本製をチョイス。

綿/97%、ポリウレタン/3%の先染めチェックです。

こちらの生地で、メインバッグの時には組み合わせなかったコントラストが効いたピンク色を裏地に仕立てていきます。

分離した蓋(フラップ)の取り付けの難しさは間に挟み込むことで見にくい点にある

小さいアイテムのフラップは狭い場所の真ん中にフラップを正確に縫い付ける難しさがあります。

間に蓋が入ることで縫い付けるステッチの位置が前後(裏地面と表地面)でずれることがよく起きるのです。

ステッチを均等な位置に貫通させたいのですが、何しろ3次元のものを二次元の面で縫うので、口をめいっぱい広げてもとにかく見通しがどうしても狭いのです。

あれこれ動かしているうちにずれていくことも多いのが悩みのこのフラップの取り付け場面にポイントを置いて見ていきます。

まず、表地と裏地を重ね、サイドのハギ目同士を待ち針。
間に蓋を挟み込んだ後、表地と裏地が同じ高さにあるのかを確かめるために待ち針を横に刺してみます。

そして同じ位置に裏側にも針が刺さっていれば、高さが合っています。

そんな調べ方をするために待ち針を「調べる道具」として使うのです。

待ち針は付けたままステッチへ。そして、ミシンの針が近づいたら直前で待ち針をそっと抜きます。
蓋の箇所のみ二周目突入して終了。
両端にたらりと残る糸はきちんと溝に隠しこんで玉止めします。
内側を見ながら縫うのでこちらは良いのですが。。
視界にはなかった外面の縫い位置:とりあえず合格ラインです。

事前に待ち針で位置を確かめるという1つの作業が結果の明暗を分けているとも言えます。

3点完成:一番上から時計回りに、ファンデーションケース(サイズ:縦6cmx横8cmxマチ2cm)、ペンシルケース(サイズ:縦3.5cmx横15cmxマチ無)、シャドウケース(サイズ:縦5cmx横7.5cmxマチ無)

まるでデニムのインディゴブルーのような世界観♪、とても感じの良い優しいブルーです。

ネイビーの同じギンガムよりもカラーが特殊で、差別化として「よくある柄はレアカラーを選択」ということを思いながら選んだ生地。

もとは、こんなバッグを作った際の残布だったのでした↓。

ミニショルダーバッグ:当HPの中に「製作品アーカイブ」というコーナーがあり展示してあります。

あとがき

ファンデーションケース、ペンシルケース、シャドウケースの3点の中では、特にシャドウケースが一番ミニサイズで、小さいものを縫える限界ギリギリのサイズだと感じました。

思い切った小ささにぴったりに対応できる小さめのシャドウケースと5mlの香水入れがまずはちょうど良い無駄な隙間の無いサイズで見つかっています。

究極、一番良いのは、自分のコスメグッズの専用ケースを自分で製作できることです。

こうしたミニサイズのケースの作り方ノウハウも今後ハンドメイド文化としてじっくりお伝えしていきたいと思います。

今後の未来に向けて、職業ミシンを1台お持ちになることを是非お勧めしたいです(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

無駄がない再利用製作のご提案、バッグの失敗部分の裏地をそのデザイン丸ごと使ったポケット付き巾着袋の製作【252】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

この1つ前の番号【250】では、表地が厚みのあるツイード生地、裏地を極薄のジャケットの裏地のような素材のコンビでバッグを製作した失敗がありました。

ミックスツイードのリュックを作ろうとして失敗したのですが、その時に裏地をボツにしています。

しかし、片玉縁風のポケット、そして、フラップポケットととなかなか充実のポケットを持つ共布リボンひも付きのその裏地は、役に立ちそうなのです。

そこで、同じ裏地の生地がまだたくさん残っていたので、それを追加し、旅行などに大きなバッグの中で入れ物として利用できるお洒落なドット柄の袋として完成しました。

裏地の素材の特徴の極薄はの良さは「かさばらない」こと

普段使う裏地とは違ったものだったのがそもそも【250】での失敗の原因の1つにもなっています。

あまりにも薄手なのです。

しかし、とてもツヤがあって美しい生地でもあります。

スクエアなジャガードがすごく粋で、カーキグレーというような中間色もおしゃれ。

ジャガードなので、表と裏が同じ柄の色違いのように利用もできます。

使用生地:生地名不明(スクエアドットジャカード)、ポリエステル/100%、日本製。

左の薄い色が失敗したハンドメイドバッグの裏地の再利用。

右の濃い色の面を使って同生地の残りを追加。

ジャガードはこのように同じ生地を両面使いできることがあるので、アイデアも広がります。

旅行の大きなバッグの中にかさばらずに使える、裏地素材で作る「着替え入れ」の考案

濃い方の面のカーキグレーに、接着芯を貼りトートバッグみたいに本体を地縫いします。
マチも同じサイズで作ります。
取っ手:丈夫にする為にジグザグステッチを入れました。
裏地がもう出来上がっている状態なので、とても楽ちん。縫い合わせて、出来上がり。

ここに見えているポケットは、元のデザインに設置していた内側の片玉縁風のポケット。

ふんわりな軽い袋みたいなバッグが完成。

着替え入れ、温泉用、タオルストックなど、軽い衣類などを入れる入れ物として活躍してくれそうです。

後でよく見てみると、ポケットを外側に持ってきたい場合リバーシブル使いも可能です。

使わない時は畳んで収納できる点も融通があります。

あとがき

失敗したけれど、ボツ裏地をこのように活かせました。

普段は裏地として当たり前に考えられている極薄素材。

それを表に出して使った珍しい例とも言えます。

極薄にも極薄の魅力があり、用途があることを知りました(^-^)。