<パッチワーク企画⑪:最終>小さな集まりが大きな価値を生むことがある、裁断という作業のデメリットのカバーはパッチワークの一番の強味【1209】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2022年末と2023年初頭をまたいだ<パッチワーク企画>がこのたびをもって終わりました。

4点のナップサックを多種の色や柄のパッチワークシートで作ってまいりました。

1点ずつは過去の投稿でご紹介済ですが、このたびは総まとめとしまして、全部を一望してみます。

そして、これまでやってきたこの活動から、最も重要な学びをお伝えしていく回にしたいと思います。

パッチワークバッグの新しい可能性、「メイン面」はどれも強いアクセント、残りの面は程良き中間的な調整役というバラエティー

では、ここからは、ひたすら同じ角度から見た4点の違いを見てみることにします。

まずは、「メイン面」と決めた、人に見に映りやすい背負った場合の正面の部分からです。

メイン面:それぞれの出来上がりのパッチワークシートの中ではアクセントある強い印象の面を配置しました。
表面で背中に接する部分:左下だけは、こちらをメインでも良かったかも。大半がメインに比べてぼやけます。
内側のポケット面:このポケット面は内側では、背中から遠い方の面にあたります。ポケット自体が差し色です。
サイド面やてっぺん:置いている際などにはこんな風に映りますので、人の目に映ると考えるとこの風景も重要。

ポケット面の写真の中で、1つ吊り下げ式のポケットである右下は、ポケット付け忘れにより考案した後付け可能な「ポーチポケット」になりました。

ミスや失敗からも新たなるデザインが生まれたというユニークエピソード付きです。

困って行きどまりの時に考えた案というのは、後から振り返れば思い出に残るものです。

こういったパッチワークの継ぎ接ぎだらけの状態というのは、強度は強いものではないので、ステッチで固定するなどの工夫が重要です。

その分手間が非常にかかるものになりますが、「必要手間」ということになります。

そんなことから、最初から生地をわざわざ細かく刻んだファッション的な意味でのパッチワークバッグを製作するというのはかえって意味が薄れ、表面的なお品物になってしまいます。

というのも、どうしても余ってしまったという経緯こそが「はぎれ」であり、こうしてたくさんの種類の柄が何年もかけたストックの寄せ集めであるところにこそ価値が出るということだからです。

はぎれの寄せ集めであることで、一度は過去に何かを製作した時の思い出や苦労などのストーリーが集まったものでもありますので製作には余計力が入りました。

最初から細かく刻んでしまった生地というのは、その時点では価値は1枚の面積の広い生地に対しては劣ると考えます。

特に柄の場合は、つながって広々とした面積である方が細かくカットされたぶつ切りよりも美しいに決まっているのです。

むしろ1枚の面積の広い生地にキルトをかけた仕様の方が、「強度を高めるためだ」という意味が入るのです。

ただ、柄がとぎれてしまうことのフォローも、パッチワークの配置を同類を並べることでトライしてみたのがこのたび引用の「連続配置」のやり方。

キルトの方も製作してきたこれまでとの比較で、パッチワークとキルトの違いを実感しました。

見かけは、キルトもパッチワークもステッチがほどこされた点では類似のように見えますが、もう少し奥深い点では別物でした。

あとがき

<パッチワーク企画>ご覧いただきましてありがとうございました。

はぎれという材料で作ったものは、イメージとしてはB級品の扱いを受けることがありました。

しかし、「なぜはぎれが生まれてしまったのか」というところをしっかりと説明できることが、反対にはぎれの価値を生み出すヒントではないでしょうか。

ここにアパレルの奥深さがありまして、「裁断」なくしては美しい立体感が表現できないことがあります。

ですから、はぎれが生まれてしまうことは仕方がないことなのです。

それでも、そのはぎれを有効に使う手段として「パッチワーク」を様々な切り口で美しく仕上げることがこの度のチャレンジでした。

今までパッチワークであまりされていなかったことは何だったのか。。を考えた時に、1つ出した答えは、「ぼやけの解消」でした。

複数の面の中の1面のみを同じ種類で並べたことは、これまであまりパッチワークでは行われていないことだったのです。

まだまだ掘り起こし切れていないパッチワークの価値、製作活動でどうしても余ってしまうはぎれを利用しながら、是非見つけていこうではありませんか(^-^)。

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