生機(きばた)は他国の可能性、「〇〇製」というヨーロッパの原産国自体がブランディングな「表示」に翻弄される生地の選び方への警笛【1333】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグの生地を購入する際に注目しているのは、「生地名」、「生地幅」、「混率」そして、「原産国」です。

原産国はいつも注目している点でして、私の場合はまず日本製がベース。

そして、イタリア製、フランス製、ドイツ製などがヨーロッパのおしゃれな生地なのだというブランディングもありこれまで取り扱ってみたことがあります。

特にイタリア製は、風通ジャガードという美しい凹凸感あるふくらみのマルチカラーのうっとりするような生地が豊富。

それもあって、日本製とイタリア製が中心で製作してきたのです。

ただ、その「イタリア製」が本当に生粋のイタリアで作られたものなのかというのがすべての生地に当てはまるわけではないのです。

最終的に仕上げた国が「原産国」として表示される事情

決まりでは、世界的に見た場合、原産国表示は、最終の完成をした国を表示することになるとなっています。

例えば、アジアで生機(きばた)が安く織られ、その後日本へ輸入して日本でプリントや整理をされて完成された原反は「日本製」となるのです。

その経緯を生地購入者が知ることはほとんどありません。

よって、原産国が日本製となっていれば、日本製の生地を購入したということになり、「日本製」というブランディングを謳えます。

特にイタリアはレザーがたくさん作られてきた国で、イタリア製のブーツだとか靴をよく見かけます。

しかし、それも元はイタリア産の原料ではないかもしれないということです。

なかなかのお手頃であったり、手が届く範囲というのはその可能性は高いです。

1m辺り¥1,000以下のお得な生地でヨーロッパの原産国が表示されているもの、日本製の原産国のものはおそらく生機はアジアかもしれません。

そんな見方をしてみると、原産国表示を重視したところで到底意味がありません。

かえって、逆の見方をすると良いかもしれません。

このお得な価格はおそらく生機が原産国と違うのであろうと。

そんなことから、やはり大切なのは、本当にその生地が良いのかどうかということを見る「目」ということになります。

原産国にこだわる必要がないという気持ちへの移り変わり

2018年初頭からスタートしたハンドメイドバッグの事業。

とにかく良い物なんだとお伝えしたいあまり、原産国にやたらこだわってきたと思います。

そこから、ここ2023年に来た5年後に思うこと↓。

何年もかけたハンドメイドバッグ作りの研究や学びからどの原産国の生地もある一定のレベルにあるとの判断。

どの国で作られた生地であっても良いじゃないかと思うようになってきました。

原産国の上述のような事情も、生地が何とか生き残って生産されて成り立っていくには。。ということの究極の工夫なのだと思います。

まともにヨーロッパで生機を作る体勢がもうない、価格も成り立たないような事情からアジア産のものをいったん輸入して自国のヨーロッパテイストを入れているのかもしれません。

そうであれば、原産国もそれほど重要ではないのかもしれないと思うようになってきます。

ここ最近は、レア生地だと思っていたフクレジャガードなども中国製で素敵な生地がありましたし、ゴブラン織りもほぼ日本製は消滅。

多くが中国製でいろんな楽しい柄の展開がありちゃんとした生地です。

ストレッチ素材に関しては韓国製や台湾製もちゃんとしています。

結局は、そういった「肩書」にとらわれないで、自分の目で見てのジャッジこそがそもそもの生地選びに相応しい見方なのではないかと思えて来ました。

あとがき

生地選びの時はとても夢中になる瞬間です。

フラットな見方が望ましく、本当にピンときた生地を見つけるには、変なブランディングは余計なのかもしれません。

じっくり見たり触れてみたりとそのままに受けた印象、その素直な感想で良いのではないか、かえって変な偏りをしていると本当に素敵な生地を逃しているのかもしれないのです。

日本製の生地の良さは、「緻密であり丁寧な織り」だと私は感じています。

これはヨーロッパの生地との比較で分かったことで、日本製だけにしぼらなかったからこそ分かったことです。

そして、生地だけを見た時と実際にバッグにした時の変化なども気づいたことがありました。

例えば、イタリア製の風通ジャガードは空気が入りほつれやすい生地の状態がその縁の縫い代をくるんで縫いこみバッグにしていくとふんわりとしながらちゃんと硬く縫い込まれて、とても素敵なフォルムになるのです。

生地だけの状態よりも縫って固定していくことでより迫力あるものになっていくことが分かりました。

生地もその状態とバッグになった状態では変化が起こるということです。

ということで、いろんなことが分かるのはやはりしばりなく、いろんな生地に手を付けてみることで、固定観念こそが一番よくないのかもしれませんね。

原産国にはとらわれないことです(^-^)。

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