まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
これまで30年以上もカジュアルな装いの王道であったジーンズコーデ。
ここ最近はデニムは、ドレスライクな方向へと大きな流行の波が移行した模様です。
それでもなお、普遍的な存在感は健在のリーバイス501。
特にかつてのUSA製の501が生まれ故郷の原産であることで、より熱視線を向けられるようです。
今回このアメリカ製501のあるワードローブに新たに、2本の今まで持っていなかった薄いブルー色を加えることにしました。

このような少し色のトーンの違う共に薄色のブルージーンズをワードローブに加えます。
とても楽しみなのですが、メンズのW28なのです。丈がどちらも長すぎますので、裾直しをせねばなりません。
私のようにネットのリサイクルショップで古着を購入した場合の裾直しは、自身でお直しするのがコスパが良いです。
ということで、こういった場合特に、ジーンズは古着で購入の機会も多数あるかと思いますので、自分で自宅での裾上げをご紹介したいと思います。
ネットのリサイクルショップや個人の出品者様がやってくれることもあるかもしれませんので、無料の場合、それが一番コスパは良いです。
ちなみには、私は過去にそのようにして古着デニムを販売させていただきました。
非常に長い場合と少しだけ短くしたい場合とで使い分ける裾上げの仕方2通り
今回行う2本のリーバイス501ジーンズの裾直しは、実は全く同じやり方ではございません。
違う点があるのです。

セピア色がかった方はもともとかなり長めなので、長めではきたいにしても、デフォルトのままでは、ひきずってみっともないので5cmカット(実際切るのは2cm)をします。
この5cmカットをするにあたって、股下を測ると自分の股下がある程度把握できますね。私もやってみました。

折り曲げた出来上がり線の裾の先端までを測ります。
股下の測り方ということで、今後も何かにお役立てくださるといいと思うのですが、まず、股部分のど真ん中が十文字になってハギになって出来上がっているのがズボン型です。
この十文字の交わったど真ん中1点から裾までのハギ目に沿ったまっすぐの長さが股下となります。
ちなみに、私の場合75cmですが、スラックスなどは75cmだと下に重みで垂れ下がり長すぎます。
よって、スラックスなどの重くストンと下に落ちるパンツの場合は股下73cmくらいに合わせます。
ジーンズは、生地が立つぐらいごわごわしているので、長めでクッションのようなしわを入れることもあります。
今回、そんなクッション入りの2cm程長め設定で股下を75cmに仕上げることにしました。
セピアがかった方は5cmカット、水色の方は3cmカットということになりました。

右:水色の方・・・3cmカット(三つ折り分を見込むと、実際は3-1.5x2=0cm)カット 。
※右の方は計算式に矛盾が出ます。まずは、三つ折りしてある裾の解体からスタートになります。
そして、折り目が付いている線を目印に、今先端になっているラインを1周カットすることになるのです。
そうしますと、この5cmと3cmで少しやり方に違う部分が出てきます。
5cmカットの方は、先端のデフォルトの三つ折り始末をほどかなくてもよい分量です。
それは、カットして、三つ折りを1.5cm幅で2度折るということをしてますので、もともとそれをしてある先端の1.5cmx2=3cmを最初から差し引いて少なくカットして帳尻を合わせればほどく手間が省けます。
5cmカットなので、5-1.5x2=2cmカットで出来上がりが合います。
この場合、裾先端から2cm部分を重ねてカットです。右と左はそれぞれ行った方が正確にできますので重ねるというのはあくまで片方の「わ」の事を指しています。

①裾から2cmで印をつけます。
②重ねて2cmの印通りにカット。
こんな感じであとは、縫い代1.5cmを2回折り曲げて、三つ折りして裾が5cmカットとして上がります。
もう1つの水色の方は、3cmの部分なので、三つ折り部分を、現在の状態で三つ折りされているところをほどいてからやらねばなりません。
ギリギリの先端をカットしたとしても、三つ折りの縫い目が残ってじゃまなので、結局ほどくと同じ作業が入ってきます。
それならば、「リッパー」でほどいてから先端から3cmの部分をカットすることで、セピアの方と同じ考え方になります。

②ほどいて伸ばした状態の先端から3cmを今度は1枚をぐるり1周してカット
(この場合は重ねるより、この方が正確にカットできます)。
写真のハサミの位置が写真の写り具合で紛らわしいですが、正しくは矢印の近くの線が当初の先端部分なので、そこをカットします。
あまり多くは語られていない、三つ折りしてミシンがけの時のコツx3点
ついにこの時が。。
2本とも1.5cmの縫い代を2回折る三つ折りをして、アイロンでしっかり折り目を付けて、ミシンで仕上げます。
この時に、少々コツがありますので是非。
<コツ①>:縫い始めと終わりは、返し縫いがありますから、返し縫いのやぼったい縫い目をなるべく隠すために、スタート時点を「内股部分」周辺にしています。
やりやすいのは、生地の薄い外側からですが、やはりずっと着用していくことを考えると視界に入りにくい内股側に返し縫いを隠した方が良いと思います。
いずれにしても、内股部分の折り伏せ縫いの重なったごわごわした硬い部分を通らねばなりませんから、最初の方で通っていくことになります。
つまり、ミシン縫いの一番の難関部分が最初にやってくるということです。
<コツ②>:折り伏せ縫いは本当に厚みがあり、固いので、縫う前に三つ折りした状態、もしくは、1つ折った状態でも、固まった状態をほぐすという意味で「金づち」でコンコンとつぶすということを行うと縫いが少しスムーズです。
また、後に貼ります動画も見てくださるといいのですが、適度な力で良いです。

絶大な効果があるというわけではありません。やはり、ジーンズの折り伏せ縫いはどんなものもごわついて固いものです。
ただ、この作業で少しましになるというものです。この「少しまし」ということが実は結構な効果だとも言えます。
少しでもミシンの通りが良くなった方が良いですから、私はデニムの裾直しの時にはいつも行っている作業です。
特にリーバイス501は生地が厚めの13.5oz程のデニムですからなおさらです。
<コツ③>:そして、最後もう1点ポイントがあって、難関を一番最初に持ってくるとはいえ、本当のスタート地点を一番固い部分にしてしまっては余計に大変です。
そうではなくて、少し手前の2cm程前からスタートします。
返し縫いは平らな部分でしておいて、ミシンの動力の勢いもつけて難関の山へ登っていくという流れをたどるのが良いのです。
なので、このスタートは難関の少し手前、というキーポイントをどうぞ。
糸は、できれば30番辺りは望みたいところですが、50番や60番でも可能です。
ちなみに、私の場合ですが、糸は30番。針はDB1の#16という一番頑丈なタイプです。
ミシンの針板(張り周辺の穴が開いた板)も#16を設置しています。
ところで、前述のコツ①-③の図解もご用紙致しました↓。

それにもかかわらず返し縫いもせねばなりませんから、難関のど真ん中を避け、
手前2cm辺りの平らな場所から返し縫してスタートします。
そして、金づちでつぶしたど真ん中に乗り上げててミシンのパワーを使って突破していきます。
パワーを使うからと言ってスピードを上げる必要はありません。
つまり、手前2cmというのは、助走のようなものです。


最初の設定はくれぐれも熟考の上。
その後思ったのは、股下73cm仕上げで良かったなあとの感想です。
理由は、パンプスにひっかかって気にするストレスが生まれたからです。
地面には付かないけれどパンプスにかぶることがストレスになったのです。
であるならば、最初からすっきりと短め仕上げで良かったなあと着用して分かったことでした。
このことも実際のし替えの長さの熟考の時のご参考になればと。
職業用ミシンと家庭用ミシンのパワーの違い
今回お直し作業をしましたミシンは、JUKI:シュプール:TL25です。
職業ミシンとしてはとても使いやすく、事業者様の多くが使用されるミシンです。
家庭用ミシンと見た目のサイズなどは何も変わりません。
ただ直線縫いのみということでロックも付いていないので、多くのご家庭では多機能付きな家庭用ミシンを選ばれることも多いのですが、直線縫いに特化したこのミシンのパワーは素晴らしいものです。
縫い目もブレが起こらないのでまっすぐで、ジーンズの裾上げなどには家庭用ミシンをしのぐものがあります。
1台お手元にご用意いただくとこんな風に有意義に使えます。
あとがき
デニムは、この2つのどちらかのやり方でカバーできます。
リーバイス501の味わい深いアイテムは、今は無き過去のものです。
こんな風に、過去の古着の貴重さというものは今後もっと高まると見ています。
そうしますと、自身の寸法に合わせた対応が厳密にされているお洋服が作られる新しい未来がある一方で、こうして、自分で納得できる寸法で自主リフォームし、古き良きお品を素敵に着用できる未来もあるのです。
