金属アレルギー対策に重点を置くあまり迫力の無くなったパールネックレスを再びフラワーデザインのシルバークラスプに戻した経緯【539】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

シルバークラスプは真珠の証(あかし)みたいな意味があるパーツだと思います。

時には華やかで、クラスプ自体にデザイン性があって集めている人に出会ったこともあります。

シルバークラスプも「SILVER」の刻印があり、これは925が付いていなくてもシルバー925である証ということで本来は良いです。

シルバー925は、925ともSILVERとも、SV925とも刻印されてどれも同一。

金属アレルギーは、特に銀がよく影響があるようで、銀に対して一番首のネックレスに対して反応しているみたいです。

よって、925の銀製は本当はタブーなのです。

それでもジュエリーを身に付けたいと、過去にある工夫をすることに決めたことがあります。

留め具をステンレスに変えるということをしたのです。

ただ、ステンレス製ではなかなかクラスプ型にはならず、ほとんど存在していませんでして、ダルマ板と引き輪になったのです。

あのカチャッとはめ込むクラスプの作用の場合、弾力性のある柔らかい地金でないといけないのです。

そうしてシルバー925がダントツの柔軟性を持つということで必ず真珠にはシルバークラスプが留め具に使われます。

当然ながら、ハードなステンレスの登場する余地がありません。

ダルマ板と引き輪がステンレス、つぶし玉だけきちんとつぶれるシルバー925で作っていたという素材不ぞろいの状態が今回のリフォームの「before」になります。

これの「after」の行方をどうぞ一緒に追っていきましょう。

ダルマ板と引き輪がお花のシルバークラスプへ変わるその変身ぶり

このように、ダルマ板と引き輪で留まっています。チェーン状なので特にこれでも問題はないですが、少し平凡。
素材は不ぞろいで、左右の端のつぶし玉のみ925、真ん中の引き輪とダルマ板はステンレス。素材が不統一です。
そして、このように二重花のシルバークラスプに付け替え。細かい小さなパーツもすべてシルバー925製。
ペンダントトップには素敵な編み込みのスクエアモチーフを。長さは50cm程のミドル。

ところで、このペンダントトップのバチカン用にしている丸カンはステンレスのままでいきます。

理由は、色の変色がないので、このままの方が見栄えが良いという理由です。

シルバー925はどうしても変色します。

また、このような細くて強靭なのはステンレスならではの丸カンなのです。

クラスプは、ロジウムメッキと呼ばれるホワイトゴールドにほどこされるメッキと同じものが塗られています。

これが、シルバークラスプの場合なかなかはがれません。

使う頻度が真珠なので多くはないこともあるのですが、もしかして、厚みのあるメッキになっているのかも。。

どうでしょうかね。このことが詳しく分かりませんが、今までシルバークラスプが変色してどうこうなったお品も見たことがないですので、よほど水に当たったりして毎日使うようなお品でない限り簡単にははがれてこないと思います。

よってロジウムメッキのおかげでシルバーに対して直接肌が当たらなくしてくれているこのクラスプの護衛は金アレの者にとってはありがたい存在です。

あとがき

シルバークラスプの方がお品がぐんと高級感が出ると思います。

留め具のほんのわずかな箇所なのに、こんなにも大きな存在なのです。

金属アレルギー対策もしたいのですが、本来の美しい姿が変わってしまったことを再び改良したというこの心理は紛れもなく実直な感想だったのです。

工夫としては、首に直接触れないためにタートルの時の専用にするとか、暑い夏は避けるということがあるかと思います。

金属アレルギー用にすべてをステンレスにしてしまってはジュエリーの見た目の迫力や美しさも半減。

なんとか支障のない取り入れ方を今後も考えていきたいと思います。

ゴム通しのパワーストーンブレスとの差別化、多面カットの宝石質な天然石と本物18金の留め具で作ったブレスのレベル【538】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

以前【530】の記事でご紹介致しましたが、ロングネックレスをマルチカラーの天然石でお作りしました。

こんなロングネックレスを作りました。数種類の多面カットの珠をつなげてマルチカラーになりました。

このたびは、そのネックレスに合うように、ほぼお揃いのような感じで作ってみます。

ネックレス程種類や色が豊富ではなくややシンプルになります。

ブレスレットは短いので、ネックレスよりも違和感を何か感じて省いたりした天然石もあるからです。

3種の天然石で完成したブレスレットのアクセントストーンの配置

今回登場は、レモンクォーツの8mm珠、グリーンアメジストの8mm珠、フローライトの8mm珠の3種です。

K18YG留め具のマルチカラーブレス。フローライトのグリーンが目立ちアクセントに。。

当初プレナイトというメロングリーンの濁った石も入れていたのですが、どうも違和感があり除外。

全部使うということよりも雰囲気を優先し除外することがあります。

そして、グリーンアメジストの透明感あるグリーン、レモンクォーツの透明感あるイエローです。

フローライトの数が少ないので、2回に1度の登場のステーション配置。

結果、上のような出来上がりになりました。

「32面カット」は多面カットの中では特に美しいと感じたカットです。

倍の64面、その倍の128面となるにつれてラインが緩やかに球形に近くなっていきます。

でこぼこ感を程よく残した32面カットは大変注目のカットです。

この中でフローライトだけが64面カット、残りの2種のグリーンアメジストとレモンクォーツは32面カットです。

3点セット:ここへリングも加えました。行き場の難しいカナリートルマリンがよく合います。

シトリンリングは除外した方が良さそうです。

こうして見ると浮いてしまっています。

シトリンはやはりオレンジに寄った色なのだということをここで実感します。

組み合わせはこうして全体を俯瞰して見るのが外出時に人からの見方にイコールで映ります。

その1点だけ素敵でも全体の映りが良くなければ意味がありません。

ジュエリー同士の組み合わせが非常に大切であるということです。

あとがき

よくきらめいて宝石っぽさが出ているこのたびのストーン。

3種類そろえば立派なマルチカラーです。

グリーン寄りのマルチカラーに出来上がったこのブレスもネックレスと同様で留め具をイエローゴールドで本物志向にしていきました。

パワーストーンをゴムで繋げたバングルタイプとの差別化は、数の少ない18金の留め具パーツを使った細部に高級感を出している点です(^-^)。

オレンジメノウ(カーネリアン)の18金枠のペンダントトップに合わせるブレスレットをあれこれイメージし行き着いた1つのアイデア【537】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

メノウという天然石は、仏教用語にもある、「七宝」と呼ばれる七つの宝の内の一つとの言い伝えがあります。

そうしたことからも和風の石というようなイメージがありますが、外国では、agate(アゲート)と呼ばれていて、カタカナの「メノウ」は漢字の「瑪瑙」の読みとなります。

別の記事【527】では、瑪瑙(メノウ)の漢字が馬の脳の事からの語源でそのうねりの柄が似ていることから名付けられた名前であることをご紹介しました。

今回、実際にメノウのペンダントトップをご紹介致しまして、これに合うブレスレットを考えてみたいと思います。

クセのあるオレンジ色のオレンジメノウ(カーネリアン)の難易度を下げるマルチカラーへの着目

瑪瑙(メノウ)の大粒ペンダントトップ:K18YG台。周りの透かしがあることでとてもエレガント。

オレンジメノウは、別名「カーネリアン」という素敵な呼び名がついています。

色は、朱色とオレンジの間くらいでオレンジの濃いめですが光に当たるとやはりオレンジのようなライトカラーに映ります。

このことがその後の他ジュエリーとの組み合わせを難しくさせてしまいます。

オレンジ色は実は難しく、鼈甲や琥珀でも同じ悩みが出てきます。

結局あれらも同じ素材をお揃いでセットにすることで無難に落ち着く方法となることが多いです。

しかし、こちらは、イエローゴールド枠があることで、もう少し攻めた考え方ができるかもしれません。

結果としては、このままペンダントトップで終わってしまったこちらなのですが、透かしの地金のイエローゴールドブレスレットと地金リングを合わせるイメージも浮かんでいました。

メノウが使われたリングも、ブレスも簡単には見つけることができません。

そういった場合、ペンダントを主役として、ブレス、リングは地金だけのものにするというアイデアがあります。

ただ、あまりにも長い間ペンダントトップのまま持ちすぎて、結局当「本物志向のレンタルジュエリー」のラインナップには並びませんでしたこのたびのペンダントトップでした。

ただ、ブレスの案は1つ考え付きました。

こんな組み合わせを考えるのですが、濁ったストーンと透明感あるストーンとの違いがちぐはぐです。

楕円系を合わせるという形のバランスは非常にすっきりしたものになるでしょう。

ということでここまでです。

自由にオーダーメイドできるのなら、右のブレスの1パーツずつをにごりのあるペンダントのようなストーンでできている楕円形のブレスのマルチカラーです。

あえて、オレンジ1色ではなくマルチカラーであるというところがリングも決めやすくなっていくと思います。

あとがき

少し余談なのですが、メノウと似た見かけの石にアベンチュリンという天然石があります。

似ているだけあって、もともと水晶であることが同じなのですが、違いは、結晶の大きさ。

メノウは細かく、アベンチュリンは粗いという違いのようです。

何が結晶を作っているのかというと、「二酸化珪素」という物質(成分)がベース。

以前、アベンチュリンのグリーンの天然石がアゲートと同時期にそっくりだなあと思って見ていたことがありましたが、そっくりではあっても、違う名前になっているので、不思議だったのですが、構造もそのようなところが違っていたわけですね。

オレンジよりも赤いストーンの方が人気が高いのは差し色としての入れやすさなのかもしれません。

レモンクォーツやグリーンアメジストも混じるグリーン系、自主仕立てのマルチカラーロングネックレスの留め具は18金【530】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

あれは、2015年頃のこと。

天然石の問屋さんで連のストーンを購入し、つなげてネックレスやブレスに仕立てることをたくさんやってきました。

このたび、それまではあまりやっていなかった種類の違うストーンを組み合わせたマルチカラーのロングネックレスを作ってみました。

5種の天然石から作るグリーンxイエロー系のマルチカラーネックレス95cmの留め具はK18YG

当然綺麗なうっとりするようなものを目指します。

マルチカラーは「〇〇系」というように色が偏っている方がお洋服に合わせやすいと思っております。

レインボーのようなマルチカラーは明るく快活なイメージで好感は持てますが、色がどれが主役か分かりにくくなかなかコーデをしぼれないのが悩みとなります。

その点色が偏ったタイプは全体コーデが決めやすいという分かりやすさがあるのです。

左上から、レモンクォーツ、グリーンアメジスト、プレナイト、フローライト、マスカットジェイド。

せっかく用意したのですが、検討の末、濁りが多く他と同じ多面カットではないことで除外。

こちらのモスコバイトも不採用。赤みのある色はどうも汚かった。ただこれ自体はベリーのようで美しいです。

そして、追加投入の中に思わぬ良きスパイスが。。

思わぬ良きスパイスとなりました。

この「少しだけ」という量がポイントになったみたいです。

写真の右下にひっそりと映る、フローライトに混じるアメジスト。これは採用です。
ロングネックレス完成:95cm仕上がり。特に凝ったこともしておらず、決まった並べ方を繰り返しました。

レモンクォーツは存在感があって数もあったので、2個連続で入れ込みました。

95cmともなると撮影がなかなか難しいもの。どうしてもショート丈のように一部を映すしかしょうがないです。

出来上がりは、グリーンxイエロー系のマルチカラーのネックレスになりました。

留め具は、K18YGの大きいものを使いました。

結構重さもあり、バランス的には留め具は大きめのサイズが向いています。

あとがき

今回使ったテグス(釣り糸)は、「4番」という太めのもの。

天然石の穴が大きめだったことが良かったですし、安心です。

1色だけが一連になったプリンセスレングスよりも、ロングでマルチカラーの方が気軽に付けることができる一面があります。

ショート丈はどうしてもフォーマルの雰囲気が出てしまいますので、それとは違う味わいが生まれました(^-^)。

テグス・ライスパールコンビの自作ペンダント収納の心得、曲げずにそのままゆったりと寝かせるうねり防止策【529】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ近年1粒が整ってきた技術の進歩が顕著な「ライスパール」。

この「ライスパール」を「材料」として購入し、自作したハート型のライスパールペンダントをご紹介したいと思います。

ロングチェーンの段差3連モデルに関しては、以前の記事の【519】で綴った通りそちらも自作しています。

ただ、やはり後の収納に課題が残りました。

パール全般において穴が小さく、糸では極細の糸になってしまうのです。

そうすると釣り糸/テグスを考えるのですが、これがクセが付きやすくライスパールが重みが足りないので負けてしまいテグスのクセの通りにうねるわけです。

このたびの「チョーカー」というレングスは、その課題を解消したものです。

ロングはやめてミニマムなショートで作るというアイデアです。

ショートだとそのままジュエリーボックスの引き出しにまるごと広げて収納が可能です。

着用のラインが綺麗なUの字になるためのライスパールペンダントチェーンは36cmのチョーカー丈

あまり何も考えずに、自ら作ったボリュームたっぷりなな3連チェーンのライスパールチェーンをハート形の編み込みトップに通していた過去がありました。

しかしミドル丈62cm程度であったことから、収納に幾重にもたたむうちにクセが付いてしまいました。

その時は、テグスがクセが付きやすいことさえ意識しておりませんでした。

まずは、ミドルレングスのままそのついてしまったうねりの跡を直してもらうために、釣り糸(ナイロン製)を繊維の方の糸に変えてもらい、しなやかなおさまりにしてもらう依頼を致しました。

ところが、リフォーム依頼のお店の方からの返答では、糸だと穴が小さくて細い糸になるからすぐちぎれてしまうと。

「これはいけない!」、糸は簡単にちぎれてほしくはありません。

通常パールには小さい穴しか空いていないものです。大きな穴が開けられないということだと思います。

よって、通す糸にしても最大限にするものの、結果的に極細になってしまうみたいで、よく切れる事件が起こります。

今回は、丈夫さを最優先、そして長さのの変更をしました。

ミドルだからうねりが起こるわけだからチョーカーにしようと。。

リフォーム屋さんも同意してくれましてチョーカータイプの36cmというショート丈にしていただいたのです。

チョーカーのハート編み込みペンダント:36cmなので首に沿い、ネックラインへの視線が集まります。

うねりはルーズな印象です。

せっかくのフォーマル性があるパールなのに、ルーズになってしまってはとてもかっこ悪いです。

たとえ、長いままで収納をする工夫として、壁にかけるなどにしても、他と一緒に宝石箱に入れることができないし、ほこりも被るし、いちいちクセの事を気にする日々を送らねばなりません。

気に掛けるこは相当なストレスになる場合が多く、気にしなくてよいお品に変えてしまおうというものでした。

あとがき

チョーカーは、首にフィットしますので、万が一うねってしまっても、首にフィットしてうねりが分からないという予防にもなります。

これでうねることが気になるのであれば、もう打つ手はないですので、共素材であるライスパールチェーンをやめるなどするわけですが、おそらく大丈夫なだと見ています。

どうしてもライスパールだらけのペンダントを実現したかったのです。

こうして、たった唯一の方法であったとしても、思うゴールが実現できたことを喜んでおります。

こんな感じでいろんな淡水真珠の種類を1つに寄せてこだわってみるアレンジの「考え方」を別のケースへも落とし込みいただいてやってみて下さいませ(^-^)。

あこやと見間違うほど真ん丸、クラスプ替えによるラウンド淡水真珠の編み込みブレスのレベルアップ【528】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2011年-2015年くらいまでが特に真珠コレクションを活発にしておりました。

その中で、近年の淡水真珠の整った粒揃いに感動したものです。

技術が高まり、ヴィンテージ物のライスパールに見られるような形のいびつさが解消。

ラウンドと呼ばれる球形においては、あこや真珠との違いがすぐには分からないほどなのです。

ネックレス、ブレスレット、リングのアイテムをそれぞれセットに組み合わせながら、真珠の種類や形の違いでセットを組むことが楽しくてたまりませんでした。

このたびは、そうして集めてきた真珠のレベルをもっと上げたいということで、気になっていたクラスプをメッキからシルバークラスプへリフォームしていただいた記録です。

クラスプ(留め具)の交換をするために専門リフォーム店にお願いし、自分では到底編み込みも、クラスプ替えもできないのでプロにおまかせする選択をしました。

クラスプのレベルアップ、「刻印無し」から「刻印有り」へ

リフォームに依頼する前にそのままの写真を撮るのを忘れてしまい、残った留め具だけをを撮影しましたがすみません<m(__)m>。

こんな感じの素材がメッキのクラスプが最初付いていました。

シルバーでもなく、真ん中の黄色いストーンがシトリンであるわけでもないもの。

「せっかくの素敵な編み込みなのになぜメッキクラスプなんだろう」と常に不満が積もっていました。

メッキ性のクラスプ(交換前):せっかく天然の淡水真珠にメッキを付けてしまうことへの違和感から。
メッキクラスプの裏面:メッキの場合は無刻印。シルバークラスプは「SILVER」が入ります。

シルバー925とか、スターリングシルバーというのは、純銀が75%、残り25%は他の素材の割金(わりがね)と呼ばれる素材で成り立つ合金(ごうきん)です。

それでも天然素材の925として認められたものなのです。

刻印のないものは、おそらく割金の部分が多かったり、メッキであると判断されます。

リフォーム後の姿

自らが手配の花の透かしのシルバークラスプ(「genuine」様だったと思います)で宝石店へリフォーム依頼。
留め具のみを交換という手法:別のリフォーム屋さんから「ハンダゴテ」を利用すると聞いたことがあります。

結構粒が大きくて、こうして、巾広に編み込んであることがエレガントです。

編み込みタイプはあまりネットでも販売されていないので貴重だと感じ継続してレベルを上げるには。。とクラスプの交換を思いついたのでした。

ラウンドと呼ばれる淡水真珠をじっくりとご覧くださいませ。

とてもかわいいですね。

あこやに比べるといびつな球形をしていることが分かりますが、こんなに真ん丸な淡水真珠はかつては無かったのです。

そもそもあこやでこの編み込みを作ることがあまりされないと思います。

それは、良質なあこや真珠は、威厳とかしきたりにより、一繋ぎのショートネックレスという王道デザインに当てられてしまうからです。

淡水真珠ならではのデザインですが、あこやでもヴィンテージ物ではベビーパールでございますので、無いわけではありません。

あとがき

シルバークラスプがなぜシルバーでないといけないかというのには、ちゃんと理由があります。

高級にしたいからと、K18YGとかK18WGを付けるのは判断がまずく、もっと違う理由があるのです。

シルバーは柔軟性が一番優れていると考えられてクラスプに選ばれた地金なのです。

留め具の伝統的なカチャッとはめるタイプは、バネがシルバー925の柔軟性を利用したものになります。

あの心地よい、完全に留まったと確認できる音が聞けることが確かな機能の働きの証(あかし)。

メッキでは、最初はそこそこでも、いずれ機能がダメになり、硬すぎて曖昧だったりします。

それは、たとえ、高級な素材のK18YG、K18WGであっても同じことなのです。

よってシルバー925でなければならないのです。

パワーストーン流行時代に集めたくり抜きバングルやくり抜きリングに多く登場していた「瑪瑙(めのう):アゲート」の多色展開【527】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

あれは何年前のことでしょうか。

2010年-2015年くらいですかね、パワーストーンが流行した時代がありました。

そのブームに巻き込まれ、一緒にグルグルと回転しながら自分でもパワーストーンネックレスなどを作っていたほどの熱狂ぶりでした。

流行というのはいずれ降下する時が来るようで、現在では、鉱物好き界隈ではマニア向けとして、もしくはコレクターの方が楽しんでいる様子です。

みんなが、ゴムに通した珠のバングルを腕に付けている時代はとうに昔のことなのです。

今回は、その時代に記録して残してあったお写真と共に、「瑪瑙(メノウ):アゲート」というストーンについて、いろんな切り口からメノウというストーンを見てまいりたいと思います。

メノウらしい縞模様が漢字の語源

英語では「agate:アゲート」と呼ばれ、「メノウ」というカタカナ語は、漢字の「瑪瑙(めのう)」を読んだ呼び方です。

この瑪瑙という漢字は、馬の脳みそのことだそうで。。

馬の脳の断面の模様と、天然石の模様が似ているからですかね、少々グロい発想です。

以前、ハンドメイドバッグの生地裁断の際に、文鎮として習字用の細長の瑪瑙を使用していた時に、やはり白いうねりの層が見られるのが特徴でした。

どうカットしても、必ずある部分に「うねり」が入るという特徴がメノウらしさです。

赤やグリーンのマルチカラーになったり、黒やグレーのコンビだったりでツルツルの手触りも心地よい物品でした。

ただ、道具として使うには割れやすく欠けてしまいました。

そのような「割れ物」であるのも天然石の特徴なのです。

パワーストーン流行時代に集めたカラフルなメノウのコレクションをどうぞ↓。

すべてメノウ:バングルのオレンジは別名カーネリアン。下の指輪のくり抜きは多面カットが美しいです。

バングルほどの面積があるとメノウらしい渦が入りますね。

下段のリングはもしかしてこの写真のものでも染色がしてあるかもしれませんが、均一感に欠けています。

この不統一なところが味わいだと思って楽しんでおりました。

現在のこのタイプはその時代からもう10年以上経過していて、同じようなモデルであっても、どれもが「処理」が施され、こんな曖昧なカラーはほとんどありません。

もっとはっきりしたおもちゃみたいなものになってしまっています。

そう考えると、パワーストーン流行時代の比較的初期の頃の曖昧なカラーの方が天然色に近い、もしくは天然そのものの色であるものもあったかもしれません。

翡翠と並び瑪瑙も日本で採掘されたストーンである

「糸魚川翡翠」が有名ですが、東北の方ではかつて「瑪瑙」も採掘されていた過去がありました。

なかなか日本で天然石が発掘されることがなくなってきているようですが、それだからこそ、ヴィンテージ品のような昔の品物の中でメノウが登場した際には注目したいと思います。

瑪瑙の強靭さは水晶などに勝る

瑪瑙は時々、お皿などにも作られることがあったよう。

くり抜きリングなどもたくさんあるのは、ああいった、くり抜いたり削るという圧力を加えてもそれに耐えうる強靭性(きょうじんせい)というものがあるからです。

割れ物とは言え、その中ではそこそこ強い石なのです。

一方、水晶は割れやすいので、強靭性は瑪瑙に劣っています。

あとがき

パワーストーンも結局は、後に、工業製品らしく均一的なものになっていってしまいました。

そうすると普遍性が高まり、ニッチ好きなコレクターは興味が薄れます。

スタート時の「本物志向のレンタルジュエリー」のラインナップにはシルバーのセットのラインとしてパワーストーンも多く取り入れていたのですが、ALL廃止を決めまして、現在は18金とプラチナだけの貴金属へと変わっていきました。

ただ、おもちゃさながらのコスチュームジュエリーに比べたらもったいないような天然の姿を残すメノウのくり抜きタイプ。

コスチュームジュエリーでは子供っぽいなと思われれば、こうしたアイテムに一度目を向けてみて下さいませ(^-^)。

宝石に「インクルージョン(内包物)」が入ったままの「もやもや」ペンダントトップが「処理」をほどこされた「まっさら」に勝る時【526】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

宝石になる前の鉱物(こうぶつ)の時には、まだまだ未完成というようなインクルージョンが残ったりしているのを、その後の「処理」というもので、宝石に完成していくのが一般的なことのようです。

今回は、この「処理」については、以前宝石売り場で目にした、但し書きのこの言葉に心当たりがあり、もう少し踏み込んで考えてみたいと思いました。

宝石の「処理」は均一化された完璧な状態を目指す「商品」としての価値

宝石と呼ばれるものは、多くが綺麗な宝石らしい様相になるために「処理」が施さることが多いです。

例えば、綺麗なダイヤモンドの中にゴマ粒みたいな黒っぽい点が見えたら、がっかりするというのも一理あります。

そう考えると、処理というものが、必要な作業と言わざるを得ないですし、意味のない処理をわざわざしないということです。

ただその処理によって、本当に価値があるのか、それとも何もしない方が自然のままの姿で価値があったのかもしれないということは、価値観が分かれることがあります。

過去に、インクルージョンの入ったとても綺麗なペンダント購入の際に、このインクルージョンこそ天然の証(あかし)であるというお話を店員さんから聞いた時に、非常に納得しました。

その時は、このお品が処理を施していなくて本当に良かったと思ったものです。

「自然のままの姿こそが価値がある」という考え方をすると、インクルージョンが残った方が本来は価値が上がると思うのです。

インクルージョンが入ったクォーツのペンダント:真ん中あたりがもやもやしていますね、これです。

この品物と同時期くらいに類似のペンダントトップがありましたが、「処理」の言葉が記載されていました。

モヤモヤをはっきりしない不統一なものであるという未完成品と考えると、むしろ「処理」が施された均一感こそ完成品であるという考え方にもとづいたもの。

もし、上の写真のペンダントトップも処理されていたらこのグリーンだったかどうかは分かりません。

そうすると、どんどん元の原石からかけ離れてしまうところに鉱物時代の姿が失われ価値が薄れると思います。

このペンダントトップに関しては、インクルを活かした方がお品として良いと判断されての結果だと言えます。

ダイヤモンドだと許されないインクルージョンも、カラーストーンならではということなのかもしれません。

処理する/処理しないを判別するには一番相応しい判断をされるべきです。

下に貼りますYouTubeの中では、実際の処理の具体的な種類を本からの学びでアップさせていただきました。

処理の目的は、「色」の統一感の美しさを完璧にするためのものであることがほとんどです。

あとがき

最後に1つ注意としてお伝えしたいことがございます。

ダイヤモンドにグリーンなどの色を付けたお品が結構な金額で「マルチカラーダイヤモンド」などと称して売られているのを見ました。

ダイヤモンドに関しては、少し深い読みが必要です。

ぱっと見の可愛さや綺麗さで高額なジュエリーを即決してはなりません。

お値段はとりあえずよけておいて、まずは「色が付いていない」ということこそが一番価値があるということです。

そこには以下のような「裏読み」があるのです↓。

無色透明へ綺麗な色をわざわざ付けるという処理は、透明の姿が質が悪いことを隠すためという裏の理由を読み取ることできます。

透明の延長の、少し濁ったシャンパンカラーのブラウンダイヤ辺りまでは自然の状態の延長の範囲内とも見ることができますが、ブラックダイヤモンドまでの真っ黒は大方処理がなされてあの黒色になっているようです。

ブラックダイヤの処理なしなどはまだら過ぎて品物にならないのでしょう。

そうして、いっそのこと全部を黒く染めてしまうのです。

その他の、とても希少なブルーやピンクのダイヤモンドの非常に高額なお品でない限り、にぎやかにブルー色がたくさん使われたりしているのは、完全に「処理済み」のお品だと判断してよいかと思います。

ダイヤモンドは、それでも結構な額ですので、「金額が高額だから生粋の天然ものであろう」というような安易な判断には警笛を鳴らしたいと思います。

お気を付け下さいませね(^-^)。

自然界の3つの大きなくくり「動物」「植物」「鉱物」の1つがジュエリーに出来上がっていく驚きの事実【525】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ジュエリーとして身に着ける宝石は、もともと、自然界の中で鉱物として採れた石が原料です。

この「鉱物:こうぶつ」というのは、なかなか普段使わない言葉ですが、地球規模で大きく括られた自然界の1つの項目であることが意外です。

現在読ませていただいております、「鉱物・宝石の科学事典:日本鉱物科学会・宝石学会著」からの学びです。

たかが石ころ、されど。。ということになります。

このたびは、この地球規模でくくられた3つの「物」について上述の本を一読した私の思うところをまとめたいと思います。

今自分がこの地球に立っていることのありがたみを知る

「動物」というのは、「成長し動く物」。「植物」というのは「成長するが動かないもの」。

そして「鉱物」というのが「成長しないもの、変化しないもの」として3つ目に続くのです。

確かに、物(ぶつ)であるのに、性質の違う3つの大きな別々の物なのです。

そう考えると、「物言わぬ石」なる「鉱物」がとても貴重な物だと思えます。

私達が同じ時代には決して生きることがあり得なかった恐竜と共に過ごしてきたかもしれないストーン達。

地球の歴史には、鉱物は欠かせない存在なのです。

その3つの中では一番融通性のある「動物」である私達。

成長もできるし、自由に動くこともできるのです。

そうしたありがたいくくりに生まれてきたことをまず有難く受け止めるべきなのです。

あとがき

鉱物に並ぶ、成長しない物である「人工物」が多すぎて、鉱物の存在感が目立つものではないようです。

せっかくの鉱物から始まる宝石も、あまりにその加工品としての姿にスポットライトが当たり過ぎています。

しかし、そうなるまでの過程を知ると、宝石と呼ばれるストーン、「半貴石」と呼ばれる二流のような扱いを受ける天然石との差なんてあるべきではないと思うのです。

そういったことが固定観念となり、大事な部分である地球の奇跡として生まれた鉱物の存在がおろそかになってしまうのです。

ジュエリーがお好きであればできれば、是非、その成り立ちについてもよく知り、その上で本当に好きなストーンを見つけることをお勧めしたいです。

そうすると、もしかして、今までの固定観念が取り払われ、好みも変化したり、本当に心から惹かれる天然石に引き寄せられると思うのです(^-^)。

何という難易度であろう、来る日も来る日もその組み合わせを考え直したボールチェーンと台形モチーフのジュエリー【581】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「本物志向のレンタルジュエリー」という事業をさせていただいております。

3アイテムのジュエリーが1セットにすでに組み合わされていて、そのままお洋服に合わせられます。

その組み合わせ担当が、私でございましてここに一番熱を入れているわけでございます。

その後の考え方の変化や気になるところは改良をしています。

このたび、非常に難易度の高いアイテムがございまして、その改良の変遷と同時に興味深くご覧くださいませ。

どれだけ考えてもしばらく浮かばなかった難易度の高いボールチェーンと台形のコンビのジュエリーのセットの行き着いた先

考えに考えたあげく、「台形」というモチーフと「ボールチェーン」というモチーフを共通するポイントとして入れ込みました。

本当は、もっと前の案がありますが、写真が保存しておらず、後で貼りますYouTubeが初期の案です。

そもそもチェーンのみのデザインネックレスとして組み合わせているところがスタートでした。

その後、ペンダントトップが加わります↓。

前案:2021年春くらいの案です。ツイストされたボールチェーンネックレスとブレスが類似。

さらには、ペンダントトップの台形とリングのフラワーの花びらの形が同じ台形という細かい共通点です。

細かいとはいえ、これらがそろっていることの効果は非常に大きいと感じました。

〇ネックレス:ボールチェーンモチーフのK18YG製とK18PG製のコンビの43cm。トップは縦1.6cmの1ct。
〇ブレスレット:K18YGの ボールチェーンをパイプ仕立てに編み込んだ太口ブレス。
〇リング:K18YG台の四つ花のダブルリング。サファイアのマルチカラー3色とアメジストとダイヤ、13号。

その後、まだ納得できず、このように変えていきました↓。

チェーンがボールチェーンのツイストではなくなりましたが、こちらもボールチェーンです。

じゃあ、あのボールチェーンとブレスのボールチェーンはどこへ行ったのか。。

ボールチェーン同士は一緒に移動。やはり相性が良かった。四角いモチーフとボールチェーンという合体が意外。

最後まで離れ離れにならなかったのが、「台形モチーフ」のトップとリングでした。

あんな偶然の形のそろいはめったに起こりません(^_^;)。

あとがき

変遷がめまぐるしくて大変恐縮です<m(__)m>。

そうはいっても、それだけ腑に落ちないとすぐに改良しているということなのです。

そうして、少しずつでも「ベストな組み合わせ」を目指して階段を上ります。

上述の中では触れませんでしたが、改良前も改良後もチェーンネックレスの先にペンダントトップをさらに付けている点です。

これもかなり踏み込んでおりまして、元々チェーンとして作られたものではなく、「デザインネックレス」だったもののアレンジなのです。

ジュエリーがシンプルで、そのままある状態だけをイメージしがちですが、実はちょっとしたアレンジで様変わりすることもあります。

そうすると奥行きができ、コーデの幅も広がるというものです。

そんなところもすべてアウトプットしてまいりたいと思います(^-^)。