地球上にある5,000種類以上の「鉱物」はそれぞれの成分の違いで10種に分類されるというマクロな見方【547】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

天然石が、宝石のペンダント、ブレスレット、リングになってしまうと、もはやその後はファッション的な装いの世界が重視されがちです。

けれども、その1つ1つのお品になる前の鉱物の姿では、ある区別が成分によって大きくグループに分かれていたのです。

このたびは、そのグループに分類する成分中心の鉱物の分類ということを、本「鉱物の博物学-地球をつくる鉱物たち-:松原聰/宮脇律郎/門馬綱一 著」から学びました。

到底すべてを把握することなど困難な多種の鉱物が大きく括られるということは地球を理解するうえでも重要なヒントになるかもしれないのです。

宝石がお好きであれば、その源の原材料である鉱物の中のその宝石の存在を俯瞰して見ることで、「なぜそのストーンに惹かれたのか」の謎さえも解明できるきっかけになるかもしれません。

鉱物の成分から見た分類の10種類を学ぶ

まず、【543】の時にお作りしました表を今一度見ます。

この表の中で、<成分>のところにご注目。ジェダイトとネフライトは同じなのです。

その一種の細かい部分が少し違うようなのですが、到底私がわかるものではありません。

天然石の源である「鉱物」には成分の違いにより分類があります。

5,000種を上回る鉱物が少ない数の分類で分けられることは、多数を俯瞰して見る上で非常にありがたいことだと思いました。

ほとんど有名なストーンしか記載させていただいておりませんが、〇〇鉱物という名前になっているのです。

下から2段目に、ジェダイト、ネフライトが共に属する「ケイ酸塩鉱物」という名前で、リストアップがあります。

それ以上の細かな分類がないので、やはりいずれも同じような成分であると言えます。

ちなみに、ダイヤモンドは一番上。

ダイヤモンドの場合は、主成分が単一の元素である鉱物。

「鉱物の博物学-地球をつくる鉱物たち-:松原聰/宮脇律郎/門馬綱一 著」 によりますと、「翡翠が属する、「珪酸塩鉱物」は、結晶構造の基本的要素として、ケイ素(Si)を中心とした正四面多体の各頂点に酸素(O)を配したSiO4四面体を持つことが特徴。」とあります。

成分を学校の化学の授業のように、記号で示していくのですね。

ところで、この有名なお話は伝説としてジュエリー界隈ではよくピックアップがあります。

「ある国で、王冠の天然石がルビーと思っていたら実はスピネルだった」というお話です。

同じ鉱物の分類に属していることがまずは類似の原因です。

そう考えると、ジェダイトとネフライトも簡単に違いが分かるものではないということです。

あとがき

どちらとも天然の良質な翡翠であるにもかかわらずその違いが分かりにくい「ジェダイト」と「ネフライト」の違いの区別を調べる中でこうした鉱物全体の成分の別という見方をするきっかけをいただきました。

宝石は「人の叡智」によってお店で並ぶ美しい姿になっている部分が大きく、それ以前の「鉱物」の姿というものにスポットがなかなか当たりにくいです。

そうはいっても、その美しさの本当の源は地球から顔を出したその天然の姿のおかげであることからのスタートであることは間違いないです。

その後、人間のアイデアが盛り込まれ、より美しく手を加えられるわけであり、神秘的な姿である最初の川上の段階も大切にしたいと思います。

ジュエリーを新しく手にした際には是非そのストーンのルーツや起源の様子をイメージしながらネットでググったり、図鑑でカラー写真を目で見て現物と見比べるなど少し調べものをされることをお勧めしたいと思います。

きっとお手持ちのジュエリーに対する向き合い方も変わってくると思います(^-^)。

モース硬度は硬さの度合いでありストーン自体の強靭性とは別物、硬くても割れることがあることを心する【546】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

こちらは【546】の記事ですが、少し前の【543】の記事で、翡翠(ジェイド)の硬玉(ジェダイト)と軟玉(ネフライト)の見分けが簡単ではないということを書きました。

そのことにも関連する今回の話題は「モース硬度」。

このモース硬度の違いでジェダイト(硬玉翡翠:こうぎょくひすい)なのかネフライト(軟玉翡翠:なんぎょくひすい)なのかを見分ける判断材料とするようです。

ジェダイトとネフライトのモース硬度を見てみると、その違いもそれほど大きなものではないことから、判別の難しさがあるのだと改めて感じます。

ジェダイトとネフライトの区別はこの度の記事ではポイントではございませんので、鉱物全般においてのモース硬度という見方で見てまいりたいと思います。

「鉱物の博物学:松原聰/宮脇律郎/門馬綱一 著」からの学びとなります。

ありがとうございます。

モース硬度は10段階、数が大きいダイヤモンドは最高レベル

この、2種のジェダイトとネフライトの違いの中で、下から2段目にモース硬度というのがあります。

記事の【543】の時の表です。

あえて数字は載せていないのですが、ジェダイトはネフライトよりやや値が大きいということなのです。

そして、このたびの表は、こちらをご覧いただきます。

1-10までのモース硬度:ほとんど中間を省略致しました。キズの付き具合の事ばかりがずらりと並びます。

ジェダイトとネフライトは、モース硬度は6-7の間。

その間のわずかな違いを見るということになりますので、この図からいかに狭い範囲内でその差を調べることになるかがうかがえます。

硬度と強靭性は同じではないという見方、翡翠はダイヤモンドに勝る強靭性を持つのだ

前述のように、モース硬度のダントツ1位はダイヤモンド。

しかし、「強靭さ」でいうと、ダイヤモンドよりも翡翠が勝るのです。

「強さ」というざっくりとした見方であると、モース硬度も1つの材料であるということです。

モース硬度だけで全体の強さを測るというのもやや偏った見方なのです。

あとがき

モース硬度は、あくまで硬さであって、いろんな衝撃に耐えうる強靭性とは別物です。

そのものの硬さということになります。

強靭性でいうと、翡翠が1位になるようで、強い石は?などと聞かれると、翡翠が正解になるのかもしれません。

ダイヤモンドは硬さはあるけれど、ある割れやすい面に当たると、時折翡翠よりも簡単に砕かれるようですので、この硬度という言葉を慎重に使わねばなりません。

このたびの「モース硬度」、是非宝石ご購入の際の店員様との会話の中に盛り込んでみて下さいませ(^-^)。

古き良きヴィンテージ物の珊瑚のジュエリーを選ぶにあたって、まずは珊瑚とは何者なのかを知る【545】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ近年珊瑚は希少。

今後の新しいジュエリーに珊瑚が使われることすらなくなっていくと思っております。

もしかして伝説になるかもしれない珊瑚については、ヴィンテージ物ジュエリーの中では時々見つけることがあります。

そこで、珊瑚について、どんな「天然物」なのかということを今回はご紹介したいと思います。

あえて「天然物」と記し、「天然石」という呼び方をしなかった理由も併せて分かっていただけることになります。

珊瑚はストーンではないのです。

「動物」という意外、「植物」のようでもあり「鉱物」のようでもある特殊な珊瑚の存在

珊瑚は「刺胞動物(しほうどうぶつ)」の一種となっていまして、クラゲ、イソギンチャクなどが同じ部類の仲間です。

突起状のパーツが特徴です。

あの突起は人間でいう目や耳や味などの感触を得る大事なパーツなのです。

炭酸カルシウムを含む「霰石(あられいし)」というものでできた骨格を形成し、木の枝のようになって珊瑚になっていく。

この「霰石(あられいし)」というのは、「アラゴナイト」と呼ばれる「炭酸塩鉱物」というものの一種。

そうすると、珊瑚は鉱物のような性質も一部基盤に持っているということで、その上木の幹のように枝を広げた植物のようでもあるようなミックスされた特殊な「生き物」だと思えます。

天然石は通常鉱物にイコールなのですが、珊瑚はその点特殊なのです。

海の生物なので、鉱物とはもとは違う部類のはずなのですが、鉱物の性質も感じられるという不思議。

以前記事でご紹介したことがあったのですが、地球上には3つの物があるということ。

「動物」「植物」「鉱物」の3つです。

いかに「鉱物」の存在がたいそうなものであるのかということをお伝えしました。

このたびの珊瑚は、どれともとれるような、ミックスされたような感じがするものの、一応は、「刺胞動物」ということなので「動物」に分類さるのです。

けれども、宝石になっている事実があるわけでして、天然シェル(貝)、天然樹脂の琥珀や鼈甲などと同じように別格な存在であると言えます。

宝石になっていく珊瑚というのは、海の中ではこちらもさらに別格のようで、「貴重サンゴ」という呼ばれ方をしているようです。

深海に存在し、「造形珊瑚」と呼ばれる白い珊瑚とも違う種類とのこと。

珊瑚のどれもが宝石になれるわけではないところに、宝石の定義としての「希少さ」を思い浮かべることができるのです。

あとがき

あまり身近で見るものではないイメージが湧きにくい素材です。

海に潜るダイバー様達はおそらく海でゆらりとゆれる珊瑚を目にされたことがあるのでしょう。

とにかく、赤色もピンク色もどちらにしても希少価値はあるみたいです。

珊瑚を自然界の中での位置付けのような視点でこのたびは見てみました。

もうこの先珊瑚のジュエリーが簡単に手に届くものではないことが予想できます。

ヴィンテージ物の中からより良質な珊瑚を見つけていくその見方などをもっと研究して良き差し色の赤い色の珊瑚などを取り入れてみたいと思います(^-^)。

手作りの淡水真珠のスクエア編み込みトップが素敵、同じ淡水真珠チェーンに通したペンダントから展開するあこやへの挑戦状【583】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ近年の淡水真珠はヴィンテージ物の淡水真珠と違い形が整ってきています。

技術の改良の成果だと見られます。

淡水真珠の連物をつなげてネックレスやブレスを作って収集していた2010年代前半のこと。

淡水真珠の親しみやすさにとても好感を持つようになっていきました。

確かにあこや真珠は真ん丸で形が整っていますが、あちらも人工的な手を加えた結果のラウンドフォルムなのです。

その技術の中身の労力やレベルに対する評価に依るところがあこやの価値を高めていることも大きいのではないかと思えます。

ということで、このたびは、かつては「あこや」にこだわって多くのあこや真珠コーデを楽しんできたこともあるにもかかわらず、淡水真珠がここまで素敵になるのだというすごさをご紹介したいと思います。

きっかけは、ある天然石売り場でした。

店員さんが編み込んで作っておられたスクエアモチーフをペンダントトップへアレンジ

とてもうらやましいような技術の「編み込み」。

1連に繋げることしか技術を持っていませんが、立体的に造形できる技術がある方は製作の幅も広がります。

天然石売り場で店員さんがスクエアの編み込みの淡水真珠モチーフを作っておられました↓。

〇ネックれレス:淡水真珠のトップは20mmx20mm。50cm。シルバークラスプ。バチカンはステンレス製。

隙間へステンレス製の丸カン(正式には、二重リングをカットして一重にしたもの)を通します。

ステンレス製のメリットは、シルバー925よりもうんと線径が細くても丈夫な点。

よって、狭いすき間にも無理なく入り込めるのです。

せっかく店員さんが作ったトップをこうしてアレンジできました。

淡水真珠は淡水真珠同士組み合わせていきました。

そして、ペンダント、編み込みブレス、リング(これだけはあこや)と組み合わせたセットが出来上がりました。

3点セット:ブレスも淡水の編み込みです。リングはシルバー925のあこや。イギリス製のセミオーダーメイド品。

希少価値があこやよりはるかに劣ると見られている淡水真珠ならではの贅沢な密集具合。

編み込みしてたくさん集まる「白の世界」は大変エレガントです。

〇ブレスレット:淡水パール6mm程度のラウンド型。巾20mm程。デイジーのシルバークラスプ。

ブレスレットもただ一連でつなげたよりもはるかに豪華です。

こちらも編み込みの技術によって素敵に作られた幅広ブレスです。

クラスプの素材がメッキのちゃんとしたものではなかった当初、1点の品物の細部にわたるレベルアップをするために、リフォーム屋様へ正式なシルバークラスプへ付け替えを依頼。

とても良い品物になりました。

〇リング:シルバー925台の3粒の4mm程度のあこや真珠が深めに埋め込まれたイギリスの老舗メーカ製。16号。

私は、このデザインを見て非常に感動致しました。

まるで大切な巣の中で卵を包み込むように守るようなイメージで大切に3個のあこやが埋め込まれているデザインに対してです。

突出していない分、破損やキズも付きにくくなっているのです。

あとがき

真珠は、一番好きな天然石というほどのアイテムでした。

天然石という呼び方は正確ではなく、真珠はストーンではない海の生物の「貝」なので特別な存在です。

それでも数々の宝石と肩を並べてきた過去があったのですが、実際のレンタルジュエリー事業では全く手ごたえがありませんでした。

そうして、2023年をもって真珠を完全廃止と決めました。

あの希少で高価な「南洋真珠」も廃止です。

そうして、「宝石+地金」だけのレンタルジュエリーへと大きく変わりました。

これで良いと思っております。

すべてがユーザー様のフィードバックから感じ取ったことですので、間違いないと思います。

ただ、そうして多くの人が見放していく「真珠」に対して、反対に高まる希少価値がまた新たに生まれると思います。

高価だとか採取しにくいといった希少価値ではなく「ニッチ」な価値としてです。

ここから私がお伝えしていけることは、ただ1つの手持ちの真珠ジュエリーの装い方の新しい発見をこうして投稿でお伝えしていくことですね(^-^)。

ビッグハートに夢託す、ライスパールでもこんなにエレガントになる淡水真珠中心の3点セットコーデ【567】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ近年の淡水真珠の目覚ましい技術力アップにより、かつてのヴィンテージライスパールでは考えられないような整然とした粒ぞろいが実現されています。

ライスパールは淡水真珠に属し、あこやよりもどちらかというと普遍的な種類だというイメージがあるかもしれません。

いやいや、ライスパールこそ親しみやすさと高級感の良きバランスを作る素晴らしい真珠であることをこの度お伝えしたいと思います。

これがライスパールでできているのかと目を疑うような美しいハート型ペンダントとその仲間たち

確かに宝石として考えると、あこやのレベルに淡水真珠が及ぶことがないという風潮ではあるのですが、もっとフラットに見てみると、お好みにより十分淡水真珠も美しく整っていると思えます。

3点セット:リングのみベビーあこや、それ以外はすべてライスパール。
〇ペンダント:ハートのサイズは、縦25mmx横30mm。チョーカータイプの36cm。

このチョーカータイプにしてある理由がありまして、軽いライスパールが中身のテグス(釣り糸)に負けて保存時にたたんだ際にウエーブのクセが付いてしまうことの解消策です。

これが36cmという首にフィットのチョーカーであることによって、ウエーブが付いてしまったとしても支障がないのが首にフィットするサイズ感なのです。

そうしてまで工夫をあれこれ考えて、ライスパールの多重チェーンを実現しました。

ヴィンテージ物でよく見られる多重ライスパールネックレスはペンダントトップは付いていませんし、昭和のライスパールは年代的に技術発展前のいびつな形、そしてつなげてあるのは切れやすい糸です。

ただ糸であることで融通があり、テグスのような跡が付く問題は無いのですが、いつ何時切れてバラバラとパールが地面に落ちるかわからないリスクを背負います。

そういった心配がないような仕立てに作った新しい形がビッグハートペンダントでした。

〇ブレスレット:3連ブレス。チェーンとライスパールの珠が同類。薔薇の彫りのシルバークラスプ。
〇リング:K14WG台のベビーあこや真珠4mm珠が5つの一連リング。サイズは13号。

特にご年齢関係なく、かわいく装えるセットです。

何でもない無地ワンピースであってもこのセットをポンと当てはめれば、立派なお出かけの装いに生まれ変われます。

これが白い真珠のすごみです。

あとがき

その後の事ですが、当「本物志向のレンタルジュエリー」のラインナップからは、真珠が全面廃止になったのが2023年のこと。

真珠自体がお手入れが困難なことで消耗してしまうアイテムだという18金やプラチナとの優劣が起きる理由から思い切ってすべて廃止しました。

地金+あこやの組み合わせのジュエリータイプもとにかく真珠が使われているものは廃止です。

ただ、真珠自体は、個人的に好む素材でして、レンタルジュエリーとしてはほとんど受け入れられなかった真珠を自分使いでご利用させていただきながら、その着用例などを発信しようと使わせていただいております。

ジュエリーが、「宝石+地金」であるということを改めて実感したのも、こうした連物の1つである真珠ジュエリーに18金などの高級地金が使われていないところにあると思います。

この事業者好みと実際のお客様からの手ごたえのギャップも同時に実感しております。

事業者は自分の好みだけでラインナップを作るということの限界です。

当初集めていたコレクションそのままからのスタートですので、より現実的にこのことを感じています。

まず最初にドロップアウトしたのが、シルバー925だけのセットでした。

その次に連物だけのセットです。

たとえ留め具が18金であっても、金属の割合が少ない連物は受け入れられませんでした。

とは言え、こういったことが改良のきっかけであり発展するためのフィードバックだったと思っております。

そうして、2023年に「宝石+地金=ジュエリー」が完全に実現されました。

今後は、更に1点ずつのボリュームを見直しレベルアップをはかっていく、地金と宝石だけでできたものが勢揃いのラインナップになります。

「本物志向のレンタルジュエリー」どうぞよろしくお願いします(^-^)。

翡翠のあの特徴あるグリーン色は元は無色、どんな物質が入るとあの色になるのか【544】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

かつて幼少の頃、おばあちゃんが指にはめていたグリーンの指輪。

楕円形のエレガントな形をしていた記憶、おそらく「翡翠」であったと思います。

昭和時代には年配の女性は翡翠を愛で、装飾品として実際に身に付けていたことがあったのです。

現在翡翠の存在は、どちらかというとお洋服に溶け込むような日常使いではなく、ヴィンテージ品として箪笥の奥で先祖の形見とか、遺留品として眠ったままであることも多いでしょう。

真ん丸の珠をつなげたネックレスや18金の枠に覆われたリングがイメージしやすい王道の翡翠。

このイメージのグリーンの実際のカラーの作られ方についてこのたびは深堀り致しました。

このグリーン色、葉っぱのような色をしていますが、全く無関係で、鉱物に色が付いていく自然界では、カラーの正体は「物質」「不純物」であることがほとんどなのです。

では、そのグリーン色の本当の正体をお伝えしたいと思います。

翡翠の色のマルチカラー展開は混じる「成分」の違いにあり

翡翠のグリーン色の正体は「鉄など」です。グレーではなくグリーンというのが興味深いです。

結論を先にお伝えしますと、あのグリーン色は「鉄など」が正体です。

もともと、翡翠は「ヒスイ輝石(きせき)」という鉱物で、無色透明。

どのような天然石も生粋のオリジナルというのは無色透明であることが多いです。

そこへ、結晶化していく途中の段階で、「鉄」などが含まれることによるグリーン色だとのことです。

他の色では、ラベンダー翡翠と呼ばれるあの藤色は、「チタン」が入ります。

青色の翡翠もあります。

黒い翡翠は、「石墨(せきぼく)」という物質を多く含み、褐色や赤は「酸化鉄」がしみこむことで色が決まっていくのです。

翡翠のマルチカラーも自然の中での鉱物と他の物質との出会いが決めた「偶然と必然の入り混じり」の出来事だと言えます。

あとがき

翡翠がグリーンのイメージがありますのも、「鉄など」がしみこむ機会が多いということでしょう。

ところで、人気のパープルカラーが特徴の「ラベンダー翡翠」。

藤色といってもグレーに近いため、ある品物の中には発色を高めエレガントに寄せるために赤紫に色を変化させる「処理」なるものを施していることが多々あるようです。

色が付けてあってより良い雰囲気の赤紫になっているお品があるみたいなので、決してその美しさだけに騙されるのはよく注意せねばなりません。

参考の為、そうではない「無処理」の藤色のリングをここでアップしておきますので、ラベンダー翡翠を見極めるご参考にどうぞ↓。

ラベンダー翡翠:藤色の域を超えることが無いのが無着色の特徴。ものすごく曖昧ですがこれが正解です。

赤みにギリギリのところで寄らずに藤色をキープしています。

角度によってはグレーにも見えるのです。

これがラベンダー翡翠の良い物を見分ける私からのコツになります。

他のストーンでもこの考え方は引用できまして、「曖昧過ぎる」というところに「本来のカラー」というところがつながってくることが多いです。

「処理」を施した色というのは、「はっきり」しているからです。

やはり、知識が得られると良質な品物の中に混じるごまかされた品物を見抜くための引き出しになります。

鉱物の歴史が大きく変わることは無いので、昔の本や図鑑でもカラーの写真でその色の様子をよく記憶に残しておくことをお勧めしたいです。

何か違和感を感じた時の「あれ?」という感覚、これが大事です(^-^)。

ジェダイト(レア)とネフライト(普遍的)の違いなど見た目で分かるわけが無い、だからこそ理論だけ覗いてみたらほとんど同じだった【543】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

翡翠は英語でjade(ジェイド)。

この言葉だけでは実は曖昧。

翡翠には2種あり、ジェダイト(硬玉翡翠:こうぎょくひすい)とネフライト(軟玉翡翠:なんぎょくひすい)に分かれています。

今回は、この2種の違いをどう見分けるのかというのがテーマです。

見分け方などというのはかなり専門の世界であり、それでも難しいようなのでなんとか分かりやすい違いの部分を私が学んだことからお伝えしようと致しました。

ただ結果的には、ほぼ同じという結末に。。

これは今後の課題かもしれません。

翡翠の2種を見分ける方法があるのかということです。

とりあえず、学んだ理論の部分をお伝えしたいと思いました。

成分の違いではなかなか理解が難しいのはほぼ同一だから

当初は、成分が随分違うのかと想像したのですが、調べてみるとどうやらもとは大きなくくりでは同じような成分のです。

ただ、掘り下げると、細かくは違いのある成分のようですが、それが見た目に現れるかというとそんなことはないようです。

この表の中で、珪酸塩鉱物の一種というのが共通した成分です。

けれどもそこから更にどの一種なのかがどうも違うようですが、結局よく分かりませんでした。

よって、別の違いを見ていくのが良いかと違いをリストアップ致しました。

違うと言われている以上、鉱物名は違うものであることは確かなのです。

これがいわゆる上の成分の細かな違いとやや連動していると思います。

そして、硬さの尺度であるモース硬度というもの。

これが、ジェダイトの方がやや値が大きいようです。

ただ、この2種を比べるとということで、その差はそんなに大きなものではないと見ました。

とても似ているのですね。

最後に、劈開面についてです。

劈開面というのは、本来割れ物のような石では必ず存在するもので、劈開面ができる理由としては、原子の結合部分の弱い部分が劈開面になるようです。

その角度が違うということみたいです。

割れてもいない2つを劈開面で分かるのかというのも現実的ではないです。

あとがき

結局、成分などで大きな違いが分かりにくいので、他の点の調べが重要になってくる見分けが難しい2種なのではないかと考えます。

ただ明らかにジェダイトとネフライトでは希少性の違いがあり、ジェダイトの方が高級なので、本来はその違いが天と地の差程あるべきだと思うのですが。。

美しく感じればこだわる必要はないのではないかと思います。

話は別の翡翠と類似のものへ移ります。

ネフライトの中の和田玉(ほーたんぎょく)というものが希少だと言われています。

産地は、中国とロシアの間の地域の新疆ウィグルあたりとのこと。

とてもロマンある地域。昔の世界史で出てくる「匈奴:きょうど」のあたりかな。。

そう考えると翡翠の仲間を、優劣付けるものなのかということさえ疑問なのですが。。

豊富なフラワーリングの「顔」の解釈、トリプルフラワーリングを見つめて出した1つの解答【542】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

フラワーが3つ連なり、マルチカラー。

ウキウキするほどの可愛さです。

ジュエリーデザインも良く、お花の形もキュンとくるような良いラインなのです。

このたびは、このトリプルフラワーがマルチカラーになったリングをご紹介したいと思います。

そして、最終的なその行方を一緒に追っていただけますでしょうか。

いろいろな変遷を経てある1つのジャッジをしています。

どうぞ興味深くご覧くださいませ。

豊富なお花リングもそれぞれ違う顔がある

K18YGの3つのお花リング:デザインのかわいらしさがあります。

お花は、カラーの色が花びらになることが多いです。

石のカットの仕方で花びらの形が決まる小花のデザインが最も多く、それでもちょっとしたカットの形の違いで随分と印象が変わるものです。

このお品の場合はまあるくほんわかした印象で、そのカットのラインがかわいさ、整然とした感じをうまく作ってくれています。

ただ、その後他ジュエリーとの組み合わせに迷走。

一度こんな風にオレンジの中に入れ込んでみました↓。

最初の案の3点セット(リングは2個):オレンジだけの中へマルチを入れてみました。
次の案の3点セット:その後の方向性の変化で地金入りのジュエリーらしさ溢れる組み合わせへ変更。

結局、このトリプルフラワー、1アイテムだけの場合の迫力が中間的でしかありませんでした。

とてもかわいく、個人で集めている範囲内だと十分でしたが、当「本物志向のレンタルジュエリー」のラインナップからは廃止となったのです。

もし、もっとボリュームがあったら、リング1個だけで、台と同じK18YGのネックレス、ブレスを地金だけで組み合わせる案を考えたでしょう。

そしてリングがこの中で浮き立つ主役的存在にしていたかもしれません。

という、最終的にはなんと「やめた」という結果でした。

あとがき

他にもこのタイプは類似品があり、1色だけのトリプルもありますし、別のカラーのマルチカラーもあるようです。

ただこの度の場合、なかなか相性の良いストーンでは見つからず、何かの1色の中へ飛び込むような形に行き着いて一度組み合わせをやっと考えたのでした。

それでも何か浮いた感じで撤退。。

ここがフラワーの難しいところです。

一癖あるので主役にならなければいけないことが多いのです。

そうしますと、ボリュームがあるという特徴など何かしら際立つものが欲しかったのです。

あれこれ考えましたが、不思議、1つだけ見ているとうっとりするほどの可愛さなのにセットで考えるとうまくいかなかったのです。

とはいえこれも貴重な体験です。

サイズをお直ししていただいてまで、元は小さかった8号を13号までにご無理を言ったリングです。

ジュエリーの良い所はその後どなたか気に入ってくださった方の手に渡ることになるかと思います。

価値観はそれぞれ、良き持ち主の所へ行かれますよう(^-^)。

ジルコンはジルコニアのような人工石?いいえ、生粋の天然石でジルコニアとは別物です【541】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

私もこれまで、疑問を持っていました「ジルコン」という石。

名前が、「ジルコニア:キュービックジルコニア:CZ」と似ているので、天然石にこだわるあまり、遠目で見ている程度でした。

それは、名前の類似からくる固定観念だったようなのです。

このたび、「鉱物・宝石のすべてが分かる本:下林典正/石橋隆 著」という本を読ませていただいておりまして、そこからの学びとなります。

ジルコンというストーンはむしろ価値ある生粋の天然素材なのです。

ジルコンはれっきとした天然石でありジルコニアとは関係が無い別物である

ジルコンとジルコニアの名前を並べてしまうのはいったんやめて、まずジルコンだけにスポットを当ててみます。

ジルコンという名前がまぎらわしいなら、「天然石z」とでもしましょう。

ジルコンは、英語表記で、「zircon」。

他の天然石でもあるように、やはりどんな宝石も天然と合成が存在するものです。

天然があれば、どうしても合成も作られる機会があるということですね。

ジルコンも何も他の天然石と変わらず、天然と合成が存在しますが、合成品もかなり多いということで、余計に天然のイメージが薄れているのかと考えます。

ジルコンの本当の天然というのは、「ホワイトジルコン」と呼んで無色透明。

そこへ、他の不純物のわずかな混じりにより、褐色、赤、グリーンなどと不純物の種類の違いで色が分かれていくといった経路をたどります。

まるで以前にブログでも投稿の「コランダム」が「ルビー」や「サファイア」に枝分かれしていくのと同じです。

合成サファイア、合成ルビーなどがあるのと同じで、ジルコンも合成ジルコンというのも存在するだけです。

その合成ジルコンがジルコニアと決してイコールではないということもここでお伝えします。

ジルコンの成分とジルコニアの成分の比較

これでジルコンという天然石が本物と呼ぶにちゃんとふさわしい石であることが分かってきました。

ここで、もう少し詳しく成分について書きたいと思います。

ジルコンの成分は、「ケイ酸ジルコニウム」です。

この難しめなケイ酸というのが、ケイ素、酸素、水素の化合物の総称。

では、ケイ素(漢字では珪素と書きます)って何なのか。

ケイ素は、意外にも地中に酸素の次に多く存在するもので、別名「シリコン」。元素記号は「Si」。

ケイ素は鉱物には、主成分として含まれることが多く、人間に関しても細胞の中のミネラルの中の成分で、骨、血管、皮膚などにも存在する重要な成分とのことなんです。

そんなケイ素が含まれた、酸素、水素との合体のケイ酸でできているということなんです。

では、末尾のジルコニウムとは。。

これは、元素記号が「zr」であらわされる銀白色の金属。

ということで、ケイ酸+ジルコニウムの合体したものががジルコンとなるということ。

ちなみに、ジルコンを化学式で表すと、「sizrO4」。

末尾のO4のOは酸素の原子記号。(ゼロではなくアルファベットのオーですので)。

4が付くと、O4で「四酸素:しさんそ」と呼び、何やら、酸素でも細かく性質の違うものが一緒になっているらしいのです。

このあたりで、とりあえず、深堀りはストップ。またの機会です(^_^;)。

単純に構造を一言でご説明が難しいほどの複雑な作りなのですね。

では、最後にキュービックジルコニアも見てみます。

キュービックジルコニアの化学式というのもあり「zrO2」です。

ジルコンと比べるとsiが入っていないですね。そして、末尾の酸素の部分の数字が違うようです。

キュービックジルコニア:CZは、ジルコニウムの酸化物、二酸化ジルコニウムの事。

酸化物というのは、酸素と他の元素とが合体した化合物。

酸素は他の元素と合体しやすく、ほとんどすべての物質と化合物になり得るとのこと。

このような合体をさせる点が自然現象ではなくて、工業的に手を加えるという点が天然ではない、「人工物」であるということだという解釈です。

あとがき

キュービックジルコニアは根本的な点で天然の素材ではない、作られた工業製品であると言ってよいです。

そうするともう冒頭のそっくりな紛らわしいイメージも払拭されてすっきりできたのではないかと思います(^-^)。

そう考えると、ダイヤモンドとCZの見分けがなかなか難しい点から、人工物を作り出す人間の工業技術のレベルの高さがうかがえますね。

天然にこだわる場合は、是非このキュービックジルコニアは除外することにご注意を。

ジュエリーの良し悪しの判断のためにはまず「宝石の定義」を知る、そこからが自分の解釈の始まりだ【540】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、図鑑のような素敵な本からの学びによる「宝石の定義」を今度は私にいったん通って濾過された「美しいジュエリーの定義」を自らの言葉でお伝えしたいと思います。

学ばせていただきました本、「鉱物・宝石の科学事典:日本鉱物化学会編集/宝石学会撮影協力」が大変面白くありがたい知識として受け取りたいと思います。

今後宝石を見極める際に大いに役に立つ貴重な本、写真も大きくて美しくより真実味の感じられ、どうも人気の本のようでした。

綺麗なだけでは曖昧だが、意外に定義に含まれた驚き

「宝石」と呼ぶにふさわしい定義は3つです。

①美しい

②永久性・・・長く使っていても壊れたり変色しない=耐久性あり

③希少性

です。

①は少し曖昧で、それぞれ独自の解釈があるものの、どんなものを美しいと言えるのかという点ではこの本のご一読で確かめていただけます。

ダイヤモンドがダントツである理由はそれぞれの項目どれもが突き抜けているからだという見方がまずできます。

美しいジュエリーの定義には希少価値の無いとされる普遍的なストーンも可能性があるという解釈

さてさて、この本を一読させていただき、いよいよ私の解釈となります。

本が書かれているのは「宝石」に関してです。

今度は宝石+地金のコンビの「ジュエリー」というのものについて考えていきたいと思います。

「本物志向のレンタルジュエリー」というレンタル事業をさせていただいておりまして、大いに金属の部分の美しさも重視しております。

美しく、永久的で希少性もあるこの「希少」というところに着目したいと思います。

ストーン自体はその採掘データなどからもうすでにレアストーンなのか普遍的なストーンなのかが分かっています。

普遍的なストーンではシトリンやアメジストは有名です。

誰でも知るよく見かけるストーンです。

ただ、これらも「美しいジュエリー」には十分成り得るものなのです。

ストーン自体の素材の他に、そのカットの美しさとか珍しい形、あっと目を見張るような大粒であったりする点にこそ希少さがあります。

よって、よく見るストーンであってもその中に誇れる部分があれば美しいのです。

地金だけでできたものも、ジュエリーですので更に見つける幅が広くなります。

あとがき

今後貴金属やジュエリーを見る機会がございましたら、それを見て何かを感じ取ってみて下さいませ。

もし、高額なジュエリーを購入したりオーダーメイドで製作してもらうような高額なコストがかかる際にもこのたびの内容を一度思い出してみて下さいませ。

見かけが華やかでもすぐに壊れそうなイメージが浮かんでくるような作りでは「失格」なのです。