バッグ製作の小さな型紙の7.5cmx5cm、2種類の全く別のバッグのパーツになる「折り方」の違い【751】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

リュックを製作中でございます。

複数のパーツから成り立つリュックなのですが、面白いことに、全く同じ縦7.5cmx横5cmの型紙が別々のパーツとして2種存在しているのです。

元は同じなのに、その違いを生むのは「折り方」です。

最終的に出来上がる姿は幅も縦の長さも違う別物。

このたびは、出来上がりの形状が違うことでの強度の違いや目的の違いなどをお話致します。

単純な長方形の型紙でも随分奥行きある製作ができるヒントとして見ていただければと思います。

作りが違う別物になった2種のタブは元が同じ型紙である、折り方で違うデザインになると同時に違う機能を目的としている

それぞれの出来上がりパーツの横に置いてあるのが型紙。2種が縦7.5cmx横5cmの全く同じ型紙。

1つは、入り口の留め具のDカン、ナスカンにそれぞれ1枚ずつ使う縦7.5cmx横5cmの型紙です。

三つ折りで真ん中に2列ステッチが走ります。

もう1つは、リボン紐の先カンとして使用するタブのようなもの。

こちらは、二つ折りを均等にしていった結果紐先をくるみ込む役割のパーツに出来上がります。

指にひっかかることで使いやすかったり、デザインも兼ねています。

こちらは、ステッチはボックス型の二度縫いです。

元の型紙は、こちらも縦7.5cmx横5cmなのです。

全く同じ型紙ですが、用途によって2種の別の型紙に分けております。

Dカンやナスカンタブに使う方は真ん中まで三つ折り(二度折ります)なので、ややしっかりしています。

それに比べてひも先のタブは、ひも先に縫い付けるミシンステッチのかけやすさも必要であり、ゆったりと平たい二つ折り(一度だけ折ります)の繰り返しで出来上がるもの。

バッグ自体の重みをすべて背負うほどの圧力がかかる方のDカンやナスカンタブには生地が多く重なる方の強度が強い方のタブということ。

反対に、ひも先の凸凹に対応できる柔軟さのための平たさは圧力はかからないけれども着実に美しく縫い付ける飾りも兼ね、ステッチのかけやすさを重視することになるのです。

こうして、目的に応じて同じパーツでも折り方が違うことで、「美しさと機能の両方の充実」を目指しているのです。

あとがき

ニュースでたまたま拝見した「売れたバッグ」というのがありました。

その取っ手はなんと、この度で言うDカンやナスカンのタブと同じ作り方でした。

picturesque(ピクチャレスク)では、取っ手は四つ折り観音開きで4重にしますので違う折り方です。

ただ、その製造者様の考え方を想像しますと、四つ折り観音開きはアシンメトリーであり、片方が「わ」で片方が「ハギ合わせ」というがたつきがあります。

そのちぐはぐが無い均等な折り方である両端から真ん中へ向かう三つ折りのやり方を選択され、ショルダーの出来上がりの左右の幅のバランスを重視されたのだと思います。

細かい所を見ると、そっくりでも実は製造者の重視する点によって作り方が随分違うものなのです。

柄の可愛さや表面の様子で隠れている場所ですが、じっくりと研究している方だと見る場所なのではないかと思います。

個性はデザインだけじゃない、サイズに特徴を入れていくビッグセルヴィッチデニムリュックの姿が見せてくれるもの【750】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび、とても大きなリュックのオーダーを近所の方から賜りました。

ほとんど勝手に詳細を進めてしまったのですが、そんな中でも忠実だった唯一の事が、「サイズ」でした。

ペットボトル2Lが横向きに5本くらい入る容量というのがかなり具体的でした。

そのようななリュックは山登りなどの特殊な分野のものしか見たことが無く、セルヴィッチデニムでビッグなサイズを作るところに希少価値が生まれました。

入れるものが決まっている場合は型紙を作りやすいのですが、ポケットにデザイン性も入れていったところがセルヴィッチデニムならではの製作になったのではないかと思います。

カジュアルなイメージのデニムなのに裏地を設置し、エレガントな解釈をしたところもご覧いただければと思います。

リュックでも取っ手を2個とも付けたことが使い方の可能性を広げた

ビッグリュック:サイズは縦57cmx横39.5cmxマチ17cm。パーツによってデニムのロットが違います。

背の部分のポケットはタオル入れなどにと設置。

フラップ付きで隠れながらも取り出しやすいです。

フラップは、セルヴィッチデニムの「赤耳」の部分をデザイン性を出してボーダー柄にパッチワークしたもの。

ロットが違うので生地の濃淡がありますことを味わいに。。

多くのパーツが残り生地をかき集め1つにまとめたものとなります。

そもそもデニムでリュックが珍しい中、思い切ったビッグサイズでさらに特徴を出します。

この写真の上の方の取っ手がリュックによくある1点ではなく2点である所に、ビッグリュックを手で持ち歩くシーンが持ちやすく引っ張る部分を均等な圧力にしてくれます。

大きなリュック程ちゃんとした2点の取っ手があることが良い効果となるようだと感じました。

裏地の素材は、同じ綿/100%でデニムと足並み揃えつつもエレガントさを忘れなかった先染めチェック

裏地はこのようなシックなチェック柄を使用しました。ジャケットやスラックスのイメージの柄です。

先染めは、高級感があります。

表地のカジュアルな綿の素材であるデニムに合わせて、綿/100%のチェックを選択。

なかなか厚みもあり、デニムとのバランスも良いです。

大人が持つデニムに相性の良いような無彩色なチェック柄、デニムだからとビビッドなカラーに走らない冷静さを「主張」したのです。

セルヴィッチデニム素材と共にいずれも日本製の生地です。

実はビジネス用のブリーフケースと同じモデルが基本

今までもずっとこのお仕立てでやってきていますが、こういったファスナーが付くタイプのバッグは、デザインすべてが、基本的には同じ作りです。

表地と裏地の縫い代をあらかじめ隠す「中表」でひっくり返し、プレートを「外表」で組み立てていく方法です。

レザーのブリーフケースに見られるような作りですが、布で作られることはほとんどないようです。

ブリーフケースを縦に伸ばしたのがこの度のリュックのデザイン。

反対に小さいものへもアレンジが可能ですし、マチを広げてボストンバッグにしても作りとしては全く同じです。

あとがき

セルヴィッチデニムリュックにはご使用の際の注意点があります。

ショルダー部分が、雨の降り始めや大雨の時であると、白いTシャツなどの洋服に色が移る場合があります。

天気の良くない日での利用を避けるか、ダークカラーの色のTシャツやお洋服をデニムと接するアウターに着ることをお勧めします。

天気の良い日は、白のTシャツなどにデニムが爽やかで◎。

ただ、場合によっては、汗で染色がにじむ可能性もあるので、いずれにしても白いお洋服にはお気を付けを。

これまでのアメカジ風なデニムの装い方の大きなくくりの流行がいったん終わったとうなことが囁かれました。

デニムにパンプスをはいたり、スラックスのような感覚でエレガントなトップスと合わせたりなど2015年くらいから、確かにエレガントなデニムのはき方を追求しています。

この度のリュックもどちらかというとエレガントにデニムを装いたい場合にはよくマッチするものになったのではないかと思います。

内部の裏地の選択は無限です。

花柄にしたり、別のチェックを選んだりなど可能性にあふれているところに楽しみがあります(^-^)。

ラベンダーのイメージを優先させた赤みは「染色」、本来グレーイッシュな天然色の翡翠の見極め【749】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

翡翠はグリーンのイメージが強いですが、もっと色の展開のあるストーンです。

このたびは、その多色展開の中の1つ、有名どころの「ラベンダー翡翠」のリングをご紹介したいと思います。

ラベンダーとは呼ぶものの、あのラベンダー程の赤みは本当は違います。

もっと抑えられた色のグレーイッシュなトーンが本当のラベンダー翡翠。

ほとんどが魅力的に赤みがかった色付け処理がされているのです。

ラベンダー翡翠を魅力的に見せるために、そして商品が売れるようにとのことでしょうが、自然なままの曖昧な姿こそ美しく本物であるという見方がこのたびのご紹介を通じてお伝えしたいことです。

もっと逆説的に品物を見るべき、「ここまでのぼんやりした冴えない色の姿こそ本物だ」と

「処理」ということが宝石にほどこされることが多々あります。

エメラルドが有名で、大きな割合でこの繊細な質を強く保つために割れ目などに樹脂を入れていくような処理がありまして、「含侵:がんしん」と呼ばれています。

ラベンダー翡翠というのは、本来わずかに色が付いているか付いていないかの微妙なカラーが本当のナチュラルな天然カラーであるようです。

今回のラベンダー翡翠のリングはその点ではなかなか正直です。

きれいすぎる赤みをおびた紫色はおそらく処理がほどこされ、簡単に言ってしまえば人工的に作った色ということになってしまいます。

それでも、カラー重視なのか、あくまで天然の色を尊重したお品を選んでいくのかということでいうと、後者の方がロマンチックではないですか。

この辺りは価値観もありますが、天然であることの価値というのは業界では高く評価されていて、その点が価格にも反映されているのです。

ラベンダー翡翠のリング:K18YG台の枠がデザイン性があります。大粒で優れたリングだと見ています。

この色目とても微妙です。

処理をすることで、よりはっきりとパープルであると目には映るのでしょうが、赤みがかった紫というのが人工的な色という解釈で良いかと思います。

微妙なよく分からないこの写真のような淡い藤色はなかなか正直な姿だと思います。

ただ、本当のことは分かりませんが、いかにも赤みをおびた処理になっていないことは無染色の可能性もあります。

どうしても商業的に寄り「売れるための色作り」をしてしまうもの。

曖昧でぼんやりした色こそ本来の正直な姿、そこが美しいと言えるのではないかと思うのです。

あとがき

他の例では、真珠のグレー色なども、鼠や鉄の色をしていれば間違いなく染色です。

本当の真珠のグレー色はそんなはっきりした色ではないからです。

しかも、いくつも均一に連に出来るような数が同時に揃わないというのが現実。

曖昧な色目こそが宝石が自然から生まれたものである証、色のパンチが無いことがかえって生粋の姿だという逆説的な見方は天然石を見る際には有効です(^-^)。

あるファッションデザイナーの映画、自分らしさに素直に向き合い大切にしていく人の最終決断【748】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

おそらく、ファッション関係のお仕事に何らかの形で携わっておられる多くの方がこの映画を興味深く観賞されたのではないでしょうか。

「マルジェラが語る“マルタン・マルジェラ”」を観てまいりました。

一切、メディアにお顔を見せられないということがミステリアスであると言われてきた「マルジェラ」様。

引退して10年以上が経過した現在もなお伝説のファッションデザイナーとして語られます。

この映画を観て考えました、なぜこのように人々に広く知れ渡り続けている人なのかということの本質を綴りたいと思います。

なぜまだまだ活躍が望まれるような時期に早期引退をすることになったのかということを感じ取った

年齢や健康のことではない引退であることはだれの目にもそう映ったと思います。

この辺りは、デザイナー様がゆくゆくは直面するようなことなのかもしれません。

名が知れていない間はがむしゃらにある地点を目指して自分らしく山を登って行けた。

知名度が上がるにつれて、大手とのタイアップなどのお声がかかり、専属的に安定的にお仕事ができたことが大変喜ばしい一方で、自由というものがいろんなしがらみによって奪われ、窮屈になっていくということです。

そんな中での限界とか行き詰まりを感じたのではなかろうか。

自分らしい自由なスタイルをもう一度すべてをリセットして取り戻すための引退であったと思えて仕方がありません。

引退後でもなお語り継がれる存在であり、広く人々を惹き付けた存在になった理由を考えた

1かつての駐車場や空き地を使ってのファッションショーという通常では考えられない場所が斬新であったりしたようですが、これが、自然の自分の思いだということ。

イメージの戦略などというものではなく、人物の性格をそのまま表したような場所。

自分の思いを実直に形にした結果がそういったきらびやかなファッションショーの舞台に違和感ある「マルジェラ」様ならではの心のままのスタイルであったことの表現。

高価なビジューや素材をあしらうドレスのようなものではなく、時々リメイクなども取り入れた日常的な庶民的な感覚から生まれた作品も我々に近い存在として感じるもの。

かねてから、現在のサステイナブル的な要素を取り入れていたという点なども、当時はかなり何歩か進んだものだったのでしょうが、今の時代にはまってきた、理解されてきたということなのかもしれません。

ここ近年の展示会でもこぞって人々が詰めかけたのも時代とのマッチを感じます。

あとがき

デザイナー・作曲家などのアーティストは、何年も先を予見するようなことを今、先陣を切る形で表現するという部分があります。

その当時理解されにくくても、後になって広く知れ渡ることも、亡くなった後にたくさん聞かれる音楽は多くの人が知るところ。

このたびの映画の主人公「マルタン・マルジェラ」様の存在も、知ったのがここ数年前のことです。

顔を世に出さずしても、作品の力が活躍して、メディアだらけの環境も相まって今後ももっと知れ渡っていくのではないかと思います。

「これは自分のスタイルとは違うのだ」という違和感をとても大切にされている方だという印象です。

自由な環境でのびのびと作品を作って行けることが本当の自分の幸せでもあることを最終的に見直し引退を決断されたのだと思います。

アーティストも随分儚いもの、商売付いてしまうととたんに縛られ退いてしまう方向に向かうことがあるなんて。。いやはや無常なことです。

ただ、間違いなくファンは知っているかと、儲けや商売よりも我々に作品を通じて常にメッセージを投げかけていたことを。。

まるとしかくのコンビのペンダントトップに同じ配列のリングを合わせた結果どういうことになったのか【747】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「本物志向のレンタルジュエリー」の事業者でございます。

3点の違うアイテムのジュエリーを1セットに組み合わせ、そのままお洋服に当てはめるだけという分かりやすさのあるラインナップを工夫してまいりました。

最終的に、ネックレス・ブレス・リングが1セットに完成するところが事業者としての役割の目指すところなのですが、そうもいかないことがあります。

このたびは、非常に難しいタイプのデザインのペンダントトップに合わせるリングを長い時間をかけて見つけた記録とその後を綴りたいと思います。

必ずしもハッピーエンドではないところに、組み合わせの難しさがあると見ていただければと思います。

サクランボのような幾何デザインに惹かれて。。

ツインペンダントトップ:K18YG。ストーンはシトリン。かの有名な方の眼鏡みたい(^-^)。

大ぶりですっきりとしたペンダントトップでしたので素敵だと思ったのです。

ただその後で大変苦労することになりました。

丸というモチーフも特徴があり、四角というモチーフも特徴がある、この2つが揃ったところが難しさを生んでいるように感じました。

バランスよく半分ずつになっているところこそ難関です。

結局、いずれの2つのモチーフ共に入っているというリングをじっくりと時間をかけて探しました。

ブレスは機会をのがし、入手できませんでしたので先にリングへ行こうと。。そしてペンダントトップと同じ配列のリングを入手↓。

丸モチーフと四角モチーフのリング:K18YG台。ガーネットxシトリンのハーフエタニティ―。

見つかるものです、ペンダントトップとリングを並べてみました↓。

トップとリングの相性は良いようで、新たなガーネットがリングに入っていることも単調さに面白みをくれます。

ただ、この後が続きませんでしたことと、このリングがやや華奢過ぎました。

それだけペンダントトップのボリュームがあることにバランスが及ばなかったのでした。

リングのその他の案としては、四角い大粒のリングも候補でした。

ペンダントトップに勝るボリュームの大粒が良いでしょう。

ブレスレットは一番最後にペンダントトップとリングの中間的良き橋渡しとして、丸の方のフォルムに注視したり、むしろ四角モチーフオンリーの連も考えられます。

ただ、この時はこの時点でもう廃止を決めておりまして、いわゆる「お手上げ」をしたのでした(^_^;)。

あとがき

このペンダントトップについて、今一度。

丸と四角の半分ずつのペンダントに込められた意味が何かあったのではないでしょうか。

例えば、「相容れなさ」です。

この、本来相容れない2つの形がバランスよく房として対等にぶら下がっていることで、作り手様が何かメッセージを込めたかもしれません。

例えば、「相容れない者同士が共存していることこそが世の中のバランスなのである」とか、「1つのチームになるためには、全く本来相性の無い者でも互いに譲り合い1つの事を成し遂げるのだ」などというもの。

そんなことを考えるようなメッセージをくれたアイテムだったことがそもそも出会ったことに意味があったと思っております(^-^)。

ボーダー柄(畝:うね)が入ったごわついた靴用のメッシュ素材、合わせた裏地は意外な大花柄ラメ入りだった【746】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

お洋服では抵抗ある、柄on柄。

バッグでは柄がペアになっても良いのではないかと思える無責任さ。。人間が直接纏わないからでしょうか。

柄同士も大丈夫なペアの一例として、このたびは、細いボーダーのような織柄が特徴のラメ素材を同じラメが入る大花柄とコンビニしてみた準備段階の記録です。

この場面で、内袋の巾着袋に黒無地を使っていきますので、複数素材の組み合わせをお楽しみくださいませ。

滅多に購入しない「原産国不明」の大花柄の生地が内部の世界を見る楽しみになった

これまで、「日本製」だの「イタリア製」だのにこだわってまいりましたが、だんだん、生地そのものの良さを原産国に関わらずフラットに見るようになってまいりました。

おそらく日本製ではないと思われる大花柄の生地を本体の方の裏地に選択しながら、このたびはパンプス用のごわついた素材の表地とのコンビでリュックに製作するということの第二弾。

番号が1つ前の投稿【745】では、ややネイビー寄りなメッシュ生地でリュックを完成致しました。

パンプス素材ということでは同じ仲間ですが、このたびは、ラメとボーダーが入り、前回の【745】とは随分違った雰囲気になると思います。

一番左がゴールド系のメッシュ生地。素材はおそらくナイロン/100%との情報をいただいております。日本製。

真ん中は輸入生地のプリント物、撥水加工がしてある綿/100%で原産国が不明、一番右は日本製のポリエステル/100%。生地名は不明、真っ黒でありながら、綾織りの斜めの織柄に高級感があります。

左がゴールドでキラキラしているので一番右は抑えた感じですが、ポリ無地はつるりと光るので、左2種のゴールド部分には相性が良いエレガントさがあります。

裏地を2種も必要なのは、元々ストック生地を使用するので、パーツ数の多い裏地に不足ができること、それを兼ね複数の生地で楽しい内部になればと思います。

あとがき

少し心配していますのは、表地のメッシュ素材の凸凹がミシンでちゃんと縫えるのかという点です。

結果はどうなるのか、必ず完成して後日の記事に綴りますので、お待ちくださいませ(^-^)。

メッシュパンプス用のごわついた素材で作った巾着リュック、本来の目的のアイテムではない物の製作にずらす新鮮さ【745】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

リュックが1点完成しましたのでご紹介したいと思います。

名前は「餅巾着」。

バッグにメッシュ素材は時々ありますが、大変ユニークで、元はパンプスに使われるごわついた素材、混率はナイロンです。

ごわついているからこその良さというものもありまして、なかなか面白いものになりました。

本来いかにもそれを作るための素材のイメージを良い意味で裏切るような意外なアイテムへの「ずらし」の面白さをどうぞこのたびの例から引用してみてくださいませ。

とても意外、メッシュ素材が縫い易かったことで綺麗に出来上がった喜び

メッシュ素材は、ごわついて一見縫いにくそうなイメージでしたが、これが意外に真逆の結果でした。

もしかしたらメッシュの厚みなども関係するのかもしれませんが、このたびのメッシュ素材の場合に関してはとても縫い易かったです。

折り目もきちんと付き、まっすぐに出来上がるのが特徴です。

生地の重なりもずれにくく、非常に作りやすかったのでした。

さすがに、ハード薄芯は必要ありませんでした。

十分にハリコシがもともとあるので、入れたところで変わらないのです。

接着芯はメッシュですので多少透けますが、この場合は黒色がマスト。

接着芯も思いのほか相性がよくピタッとくっついたのでした。

完成:「餅巾着:もちきんちゃく」。<サイズ>縦27cmx横27cmxマチ11cm。

右側にひょっこり出ているのは、入り口のリボン。

裏地の共布ひもの先に表地のタブで飾っています。

背の部分:ショルダーは調節可能。取り外してトートバッグオンリーでも使用可能。
中側の構造:巾着袋が丸ごと設置。空きの部分の多い巾着型のセキュリティー性の弱さをカバーします。

内袋の入り口の空きがやはり気になるところで、本来薄手の二重仕立てが良いのですが、生地の不足で一重仕立てで厚手を利用したことがここに表れました。

これも貴重な学びです。

ここで見えている幅広の共布ひもは、入り口用の巾着ひも。

内袋の巾着ひもとは別なのです。

内袋の巾着紐:こんな風にミシンで6mm巾の出来上がりの共布ひもへ作っていきました。
内袋の入り口:メイン口のリボンの中には、更に巾着の紐が現れます。6mm巾の既製品を使わない拘りです。

あとがき

すべての裏地パーツを共布で行うことによって、中の構造を一見分かりにくくし、セキュリティー性を高める効果もあります。

まるで昆虫が植物に擬態化して姿をくらますかのように。。

今回のメッシュ素材の類似素材があと2点ございます。

連続してメッシュ素材で同じモデルをお作りしていきますので、次はどんなメッシュの素材なのかをお楽しみにどうぞ(^-^)。

ロックミシンを使わず一重仕立ての巾着袋の縫い代を隠し込む最初の三つ折りステッチ【744】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグ製作歴15年以上が経過。

随分いろいろなバッグを作ってきたものです。

ほとんどが表地と裏地を合体させる裏地付きタイプですが、むしろここ最近になって一重仕立ての製作もするように。。

初製作の2007年頃は一重仕立てからのスタートだったわけですが、その時の縫い代は、既製品のパイピングテープを生地の色に合ったカラーで選択してどのバッグにも縫い付けていました。

あれこそ難易度もあり、ややコスパが悪いと後になって思います。

実は裏地付きよりも一重仕立ての方が縫い代始末に悩むことが多いものです。

むき出しの縫い代をいかにスタイリッシュに隠していくのかがポイントになるのです。

このたびは、縫い代に更なる附属品を使わず、本体生地そのままを三つ折りする方法で仕上げるやり方をお伝えしたいと思います。

雑貨作り、カバー作りなどに大いに利用できる方法の1つだと思います。

先に三つ折りをしておくことで、早めに縫い代を解決してしまう

マチ以外のすべての縫い代をあらかじめ1枚ずつで三つ折りをします。7.5mmずつ折ることが作業しやすく丈夫。

その後は、通常のように巾着袋を地縫いしていくのです↓

内側の完成:巾着袋が一重仕立てで縫い代がすっきり隠れたものになりました。

表から見てみますね。まだひもを通していないです。↓

マチ部分の縫い代はこのままで大丈夫。本体と裏地のマチと一緒に挟み込みますので、隠さなくて良いのです。

以上のように、先に三つ折りをしておくと、見通しが早いです。

しかし、地縫いの時に凹凸があり縫いにくいので、ずれやすいのがデメリット。

待ち針でしっかり押さえ、目打ちなども使用してガクンとずれないように縫うことが注意点です。

あとがき

結局このデザインは、本来の裏地x2枚と巾着袋の裏地は4枚ということで、裏地だけで合計6枚のパーツというものすごいパーツ数です。

そこそこ厚い生地なので、二重仕立てで作るところを一重にアレンジ。

薔薇の生地が一重分しかなかったからでした。

このたびアレンジの機会があって、「一重仕立てならどんなもんだったのだろう」ということがそのとろんとした出来上がりで分かった気がします。

結果は、厚みのおかげでそれなりに存在感はありましたが、口にすき間が出来ていることが厚みある生地は本来望ましくないと言えます。

口がしっかり閉まりながら、ツンと立つには内袋の巾着袋自体が薄手で二重仕立てが望ましいということになります。

「餅巾着:もちきんちゃく」というデザインなのですが、はるかに表地より裏地の用尺が大きいバッグです。

「裏地は附属的なもの」という考え方への挑戦状なのです(^-^)。

これがモットー、今日の仕事を終えるタイミングの時は明日への道筋が見えた時【743】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

経理部として勤務させていただきました過去の会社員時代のこと、数字の不一致が迷宮入りしていたことがありました。

そのことが解決、もしくは解決できなくても解決できるための手段の案が浮かんだ時点でやっと終了にするという区切りにしていたことがあります。

もちろん時間が長ければ良いというものでもありませし、はたから見たら、「自らブラック」みたいな仕事の仕方に映るかもしれません。

しかし、大切なのは、「気持ち」です。

やり遂げるまで終わらないほどの「熱」を持っていたことは確かなのです。

このたびは、長くも短くも、仕事の区切り目として、今日の仕事を終了できるタイミング例を綴りたいと思います。

明日への見通しなる「道筋」が見えた時がお仕事終了のタイミング、「モヤモヤ」だけはその日にはっきりとした見通しをまとめることで解決しておく

とことん咲き誇ったツツジの花。

以前、勤務先の経理のお仕事で、¥109というわずかな金額が合わず、なぜなのかの原因を突き止めるために時間をかけたことがあります。

その時は随分夜遅くなってしまいました。

その日は、とても印象に残っていますが、解決できずに時間がまずい域に達してやむなく切り上げました。

ただ、その切り上げ方も、その場での自分の考え方を心の中でまとめ、いくつかの食い違いの理解しやすい説明の仕方を考えてみました。

心の中では、お客様が入金金額を間違えられたものだったことで解決しているのですが、その間違えるには別の原因もあったからで、簡単に説明がしにくいものでした。

そんな苦いエピソードが経理の仕事の中で今でも印象に残る体験です。

とても重苦しい心持ちだったことを覚えています。

しかし、それでも、本をバンッと閉じるように仕事を終えるのではなくて、メモを残したり、明日その続きを再び考えてみることにつなげる今日の間にできることは尽くしました。

「今日できることを明日に延ばすな」は、はビジネスにおいても、よく聞くことでした。

次の日に問題をそのままで持ち越すことをしないということは大切だと思っておりますが、今日での全面解決はできない状況というこのエピソードのようなことも多いと思います。

ただ、明日へのわずかな何かしらの一歩が今日の内に行っておけることというのは必ずあります。

これがなぜ大切なのかというと、毎日の進歩や発展のためです。

事業は必ず前に進み、少しずつでも発展していくべきものだと思います。

そうしますと、今日は完全に解決できなくても、明日への何かの道筋をつけることができた時点で1日を閉めるというのが、明日、良いスタートを切れることにつながるのではないかと。

そうして、明日ならではの新しい状況や気持ちの中で前日からの件を再度引出し、再び解決の方向へ歩むのです。

この、「当日の内に見通しを立てるまでのことをしておく」というのがポイントとなる部分です。

誤差¥109のエピソードの結末、互いに相容れなかったお客様との見解に終止符を打つ

上述の誤差のエピソードのその後の結末ですが、退職させていただく際までずっと誤差のまま持ち越していました。

当方としては、「間違いなく合っている」ということを曲げずに誤差で通してきた期間がありました。

これが他の人からはとても分かりにくい実際に入金+消込をした本人しか分からない件、明細も莫大でした。

そして、タイミングは退職の時。

さすがに退職後もその数字を持ち越すことはまずく、解決のタイミングだと思ったのです。

そして、自己責任において特別な「端数調整」として計上して解決させていただき退職致しました。

「売掛金」はお客様が入金金額を間違えられたというのが私の解明でしたが、複雑すぎて、説明のしようがないようなことであることと、お客様がそれをゆずられませんでしたので、こちらで処理をして「折れた」という形をとったのでした。

ここで大切なのは、このストーリー、「こちらが折れた形での端数調整でしかなかった」ということです。

結局は最後の最後まで、自社が正解だったという記録を残したことに等しい作業なのでした。

金額がわずかでも、端数の域は越えていますので簡単に折れるのは本当はよくないのです。

同時にこのエピソードから思ったことは、「正直であることの素晴らしさ」でした。そして「身軽さ」も同時に。。

ごまかすことは最後までつきまとう変な苦しみを背負うだけです。

少し違っただけですぐに調整してしまうよりも、「違う」ことを明らかにし、原因を探ることをまめにした方が長い目で見て今後に繋がります。

そして、信じたことを最後まで貫き通す方法があるということ、折れたふりはする必要があったのですが、実際は決して折れることは無かったのです。

あとがき

「今日解決できなかったことは、明日への見通しを立てるまでしておく」こんな感じでまとめたいと思います。

経理事務に関する件だけではなく、事業全般に対してです。

それぞれの1日ずつがわずかであっても発展の毎日になると思うからこそ1日の終え方が重要だと思うのです。

これが1日ずつの大切さなのではないかと。

よくあるフレーズの「淡々とした毎日」などということは実はそんなことはないのかもしれません(^-^)。

バッグの取っ手の付け根タブの正八角形の向きが途中から分からなくなる、地の目の向きを裏側に印する方法で解決【742】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

織物の生地には、「地の目」というものがあります。

つまり縦の方向を指すものです。

生地の原反(げんたん)を見たことがある方はイメージが湧きやすいと思います。

生地屋様の店舗には原反ごと置いてありますので、ネット通販ではイメージしなかった現実を知ることができます。

両縁が「耳:みみ」と呼ばれ、人間をイメージした場合に天地の向きの縦に立つ人間の両端に耳が付いているイメージに重なります。

この縦向きというのは、実際に製作においても重要です。

というのも、生地によっては小さなパーツの地の目が違うことさえ、目に映る色の濃淡の違いが出来上がりが粗雑さに見えてしまうからです。

このたびは、裁断後にバラバラのパーツになった時に地の目の縦向きを把握し、縫い付け直前まで間違いのないまま続行できる対策をお伝えしたいと思います。

裁断直後に実行されることをお勧めします。

正方形・円形・多角形など向きが分かりにくいパーツの地の目の把握の対策は、裏面に書くチャコペンの矢印

「取っ手付け根カバー」というパーツ:正八角形でもないのですが、パッと見ただけでは向きを時々見失います。

この写真のような正八角形に近いパーツは縦と横の向きが混乱します。

そんな時手で横に引っ張ってみたり、縦に引っ張ってみたりして縦横の地の目を探ります。

硬い方が縦向きであることが9割型です。

例外が、カーテン地や外国産の生地です。

この話はさておき、硬めの縦向きと分かった時に、すぐに印を打ちます。その印がこちら。

周りの1cm縫い代線を邪魔しないよう、真ん中あたりにこのような縦向きを記した矢印を書きます。

アパレル業では型紙にこの矢印が使われまして、型紙における地の目の向きを表しています。

間違い防止とスムーズな作業への1つの貢献になると思います。

あとがき

待ち針を縦に打つことでも対策が出来るかもしれませんが、アイロンでの熱防止に外すことがあるかもしれないので(トップの部分が溶けます)、パーツに記載してしまうという発想です。

上述のように、生地にも意外に「向き」があることがあります。

プリント柄の柄の向きは当然ですが、無地であっても細かい毛並みが「並毛:なみげ」なのか「逆毛:さかげ」なのかという時に無視すると出来上がりに色の濃淡が目に映ることになるのです。

むしろ無地の生地こそこの知識を念頭にご注意下さいますと、せっかくの品物が美しく整然と出来上がることにつながると思います(^-^)。