ご注文をいただいて製作するデニムトートバッグのデザインとサイズのシミュレーション、入れたい物をヒアリング【772】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

バッグもシーンに応じて、ファスナーだらけの頑丈な物がかえって開け閉めにストレスがかかることもあるものです。

簡単なトートバッグは、中の物をスムーズに取り出し出来る気軽さがメリット、セキュリティー性ガンガンのバッグとは対極にあるものです。

バッグも1点だけではなく複数を使い分けるということのヒントになり、対極同士が同じ持ち主に共存ということになります。

このたびご注文をいただいてバッグをお作りすることになりました。

この度は、前者のタイプであるトートバッグをデニムで製作していきます。

事前に入れたいアイテムをお聞きし、型紙の上に置いてシミュレーションしてみたのです。

実際に入れたい物をヒアリングし、型紙に置くシミュレーションの実施

トートバッグのマチ付きも、角張っているためにその鋭利な部分が傷みやすく、使用するうちに擦れていきます。

それが起こりにくいデザインなのが丸底バッグ。

角張っていないので、全体的に緩やかで他の物と触れにくいという点が角のあるタイプよりも長持ちの可能性を秘めます。

四角い底のトートバッグとの違いは、マチが底パーツにイコールで、別型紙(楕円)になるということです。

出来上がりが、縦25cmx横40cm(短い方)xマチ20cm。

この出来上りに合わせて、縫い代上下各1.5cmずつを見込み、型紙の側面パーツだけをまず作ります。

大まかなサイズ感はこのように測ってみました。ヒアリングのアイテムを実際に置いてみました。
あえて、型紙パーツを2枚用意して、実際に近い立体のシミュレーションもしました。

サイドの洗濯ばさみは、縫い代を1.5cmくらいずつつまんだイメージ。

少しふにゃふにゃしてやりにくいので壁に立てかけながら行いました。

こうして、底が無い状態でも、前面と後ろ面さえあれば、サイズ感を測ることができます。

最初の大まかなサイズ感とは違い本が横になり長財布も横たえる、これが実際の使い方に近いものになります。

この立体的なシュミレーションはなかなか現実的で具体的なものになりますので大切な場面です。

あとがき

寸法だけのイメージではなかなかつかみにくい具体性が見つかり、驚きました。

シミュレーションは大変具体的な作業みたい♪。

デニムと丸底バッグの相性が良いと思うのは、擦れやすくアタリが付きやすい素材だからこそ重なる部分がミニマムな丸底バッグは長い目で見たら正解。

四角い底をハギで作るトートバッグだとおそらく何年後かに特にその重なる箇所に集中的に擦れが起こると思います。

デニムの色落ちの味わいも、平均的な「擦れ」が起こる環境がまずあっての「味わい」だと考えますと、製造モデルの重要度があると思うのでした。

ミシンでステッチをかけている途中で下糸がなくなった時、美しく自然な糸目のつなげ方【771】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

おそらく誰でもミシンを使えば必ず出くわすであろう場面、縫っている途中で下糸が終了してしまう時があります。

こういった時に、上手くつなげる方法はないものであろうか。。

このたび、途中でステッチが途切れた際に美しい縫い目を自然に継続できる方法をご紹介したいと思います。

そのまま糸を放置するのはほつれの原因になる、きちんと隠し丁寧な仕立てを最後まで貫く姿勢

こんな風にボックス状に長いショルダーなどをステッチしている最中で下糸がなくなりました。

途切れた場所の右側は、「わ」なので、結構致命的な箇所。

その時に、糸を針で通せるくらいの長さが確保できるまでほつきます。

そして、一針のみ手縫いで進んだ、その針が内部に入ったまま左側のハギ目の溝の中心から糸を引っ張り出すのです。

引っ張り出した瞬間が上の写真になりますして、その位置で玉止めして溝へ納めます。

実際は内側で糸が宙ぶらりんに横たわりますが、後で、真ん中に縫い付けられるステッチの2本線で固定されるという見込みです。

そうして、こんな感じでショルダーを完成していきます。

ただ、このやり方、仕方がないとはいえやや跡が分かるものになります。

よって、もう少し計画的にこのことが起こりにくい状況を作ります↓。

下糸のボビンにフルに糸を巻いた状態でボビンを複数用意。一気に縫えるよう下準備をして行う方法。

そうはいっても、途中のボビンももったいないので使いたい、材料の糸のコスパを良くしたいものです。

別の箇所で、溝などに隠せる部分のあるパーツのところに残ったボビンンの下糸を使えば、消費できる可能性はあります。

途中で自然に糸目をつなぐもっとじっくりとやり方をご説明した記事がございまして、【123】の記事です。

あとがき

長い長い支柱などを製作する際には、下糸のボビンがどこまで持つのかは、なかなか読みにくいことです。

時間をかけないのは、②のボビンの複数の準備だと思います。

ちなみに、ものすごく長い支柱と取っ手のコンビのベルトの場合では、ボビンが1個でも事足りぬ場合があるかもしれません。

そんな時には、①の手法が嫌が応でも必要になってきますので、その際にはこの度のやり方を思い出してみてくださいませ。

先にハギ目の方からスタートしますので、糸が無くなるのは、「わ」の方で起こることも多いです。

ベルトだけではなく、他のケースにご利用できるやり方で、リフォームの際などにも大いにご利用いただけるやり方だと思います。

ただ、頻繁に途切れることは決してよくないと思いますので、出来る限り一続きの縫いで仕上げることがベースです(^-^)。

糸が絡みがちな端っこの折り返し部分、セルヴィッチデニム生地の返し縫いステッチをすっきりと仕上げるウラワザを発見【770】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

デニムはただでさえ糸調子が困難、別記事で糸調子に特化した話題で記事を綴らせていただいております。

糸調子に関しましては、記事タイトルの頭に<糸調子>を付けていますので、もしご興味があれば、後でブログ目次の「検索機能」で検索してみてくださいませ<m(__)m>。

このたびは、同じセルヴィッチデニムに関しての悩みやよく完成品で売っているものでさえも、ミシンの糸目の絡まりが最後の返し縫いの際に起きているようです。

これがすっきりとなると、デニムもドレスライクに寄せることができる重要なポイントだということで研究した結果、なかなか単純な方法で効果が出ましたのでご紹介したいと思います。

極端に分厚い生地を取り扱ったからこその有難い発見

現在商品の「エプロン」を製作中でございまして、セルヴィッチデニム11ozを三つ折りして、更にその三つ折り同士が端っこでは重なるという場面があります。

このいわば「難関」と呼ばれる箇所に関して、どうしても悩む点がありました。

返し縫いの糸目が綺麗ではなく、糸がたくさん絡まることです。

端の糸の絡まり:このような部分ができてしまうと、せっかく他のステッチの部分が美しくても台無しです。

ということで、ここを解決していきたく、いろいろ考えました。

そして、1つのある方法を発見したのです。とても単純です↓。

最初の返し縫いの場面:三つ折り同士が重なる難関が早くも登場。

まず、3針ほどまっすぐそのまま進みます。

通常この後、返し縫レバーを押しながらバックしますよね。。ちょっと待った!。

バックをしない返し縫い:そして、縫う対象物をひっくり返して、再度まっすぐ縫うということをします。

通常の返し縫いは、対象物はそのままの向きで、そのままバックして戻っていくやり方ですが、そうではなく、バックをせず、方向転換して、同じ向きで縫うという言い方が分かりやすいでしょうか。

そうした結果下のように(にっこり(^-^))。。

2大変美しい糸目ですね。変な糸の絡まりが全く起こりませんでした。

これは行けるぞ!と。この方法1つありなのではないでしょうか。

なかなか納得のいく結果が得られましたのも、究極に分厚いデニム生地の取り扱いの機会があったからこその、本当に感謝です。

綺麗に仕上がることが、作っていても大変気持ちが良いです。

あとがき

特にデニムや帆布のような分厚い素材は、縫い始めと縫い終わりの糸の絡みが起こりやすいです。

解決方法が見つからず、仕方がないものであるかのようにお店にも並んでしまっているようです。

原因がはっきりわかりませんが、おそらく、押さえ金が水平ではなく、斜めに傾くことが原因で、ストレート向きの場合の傾きよりも、傾斜が激しいことが糸が絡まる原因なのだと予想しました。

こちら側に傾いている斜めの場合は絡まりが起こらないから、対象物をひっくり返して同じ方向に縫えば、成功したということだったと判断しました。

これは、本などには書いていないようなこと、大変貴重でした。

対象物をひっくり返す手間など、汚く仕上がってしまうことに比べれば、どうってことありません、苦労を買ってでもしたいことです(^-^)。

<マチ>トートバッグのマチの計算、型紙作成の際にマチだけ縫い代を含めないのが正解な理由を、赤線を使いながら図解しました【769】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

以前に、トートバッグの型紙を作る際の寸法の中で、縫い代をどう含めていくのかを解説した、【137】と【138】の記事がございます。

このたびの【769】はその2記事とも大いに関連し、重複する部分もありますが、この理解こそが今後胸を張ってトートバッグを製作して行けることにつながると考え、まとめのような形で再アップをさせていただいたものです。

マチ付きトートバッグを今後作っていきたい、それを販売もしていきたいなどの前進を目指されるのであれば、是非この時点で根本的な構造のカラクリを知っておかれることをお勧めしたいと思います。

ただ、「こういうものだ」と公式に当てはめるよりも、はるかに「哲学的」なバッグを作ることへの発展の基盤となると思います(^-^)。

型紙を作る直前の計算式

慣れてしまえば、暗算をして型紙もすらすらと作れるようになるかと思います。

最初はじっくり時間をかけて理解して、一度は腑に落ちていただきたいと思います。

ということで、マチ付きのトートバッグの型紙寸法の計算の場面を例としてご紹介します。

赤いマジックは出来上がりの寸法。黒いマジックは、そう出来上がるための型紙の寸法の積み算です。

まずとにかく手順から解説を始めてまいります。

縦から行きます。まずはそのまま実寸を置きます。

次に、上下の縫い代を同じ寸法の1.5cmずつ上下の分を足します。

上が大きく縫い代をとるようなことはしておりませんので、上下が同じです。

そして、最後に、マチの出来上がりの半分だけを加えます。

半分であることの理由は、バッグの構造が前面と後ろ面の2つのパーツを合体させるものなので、型紙としては半分になるのです。

これを間違えてマチそのままの寸法にしてしまった経験がありましたが、出来上がりが40cmというおそろしく大きなマチが出来上がってしまいますので間違いですからね。

次に横です。

横も同じように、出来上がりの35cmをまず置きます。

そして、次に、両サイドに縫い代が必要なので、1.5cmを2度足します。

最後にマチですが、横の場合は縦と違ってマチが両サイドに存在しますので、2度足す必要があります。

ただ、あくまでも、半分の構造の分だけなので、2度足すとはいっても、半分の10cmずつを2度足すというものです。

そして、底の左右のマチを型紙から切り抜きます。

マチは、長方形で描いた縦横の値の、38cmx58cmの型紙の端っこの下側をこちらも、半分である10cmで正方形にくり抜きます。

マチには、なぜ縫い代を含めていないのが正解なのかの証明

型紙:出来上がりの20cmの半分の10cmという単純な半分で正解。

ここで疑問が1つあるのではないでしょうか。

マチには縫い代を足さなくてよいの?ということです。

こう思ってしまう理由は、マチが立体的に出来上がる構造の物理的な不思議が1つあるからなんです。

実際の製作の場面でマチをつまむと、ぺこんとマチが台形のような形に変わります。

実際にステッチをかけるのは、その台形のトップではなくて、縫い代1.5cmの内陸部です、

そうすると、台形は、底辺が横に余分に突き出していますよね。

この突き出しの分量が、縫い代の1.5cmに等しいのです。

この「等しい」という事実は、過去の【138】の記事で検証記録を綴らせていただきました。

これは物理的な法則とでもいう現象なのか、縫い代が1cmの場合であれば、1cm突き出します。

この台形は、「等脚台形:とうきゃくだいけい」と呼ばれる台形のようで、もしかして物理的な関係があるかもしれなく一応このワードを載せておきます。

また、実際にマチを折る時に真垂直に折っているところも物理的なヒントだと思いますが、まだその見方からは解説出来ておりません。

ただ、あくまで実験でマジックで紙に書いてやってみたことですので、この先もっと「なぜ縫い代の分が垂直に折ると横に高さの1.5cm分ちょうどがはみ出すのか」の論理が深く分かれば追記したいと思います<m(__)m>。

つまり、実寸で計算しておけば、自然に縫い代が含まれているということも言えますし、そもそもマチ部分は、縫い代とは無関係な内側に出来上がるものであるから、すでに、縦横で含めてある縫い代で事足りるということなのです。

この台形の上辺は、型紙の10cmから見ると、継ぎ目の縫い代で1.5cmずつ前面後面のパーツともにとられ、短くなり、10-1.5=8.5cmずつの2パーツで合計17cmしかありません。

しかしです、縫う部分というのは実際は、その1.5cm縫い代をとった下辺(上図では赤い点線)。

そこは、物理的な構造上、縫い代を1.5cm足した長い辺の長さになっているではありませんか。

それが上の17cmに突き出した1.5cmずつを両面分の3cmを足した20cmであるということが事の解明です。

この垂直に折って形作るマチの場合、台形の底辺は縦の長さ1.5cm分上の辺より長くなるようなのです。

どうしても、頭で想像すると、台形の上辺を想像してしまうのですが、実際に縫う場所=実際のマチの出来上がりがその1.5cm下の辺であることがなかなか想像しにくいのです。

この図解で想像だけのイメージと実際の構造が随分違ったものであることに驚いたものです。

ただ、この解説でもまだまだ不足だと思っております。

もっとうまくご説明できるよう今後も考えていきます。

あとがき

このマチの件は奥が深過ぎたかもしれません。

大変多くの人が悩んでおられるようで、腑に落ちていないのだと思います。

どうか、この記事が少しでもヒントになればと思います。

多くの方が腑に落ちない点は、このマチの寸法のカラクリだと思います。

ご協力できる可能な限りを尽くしたいと思います(^-^)。

伸び縮みがそれほど影響のないコンパクトなリュックだからこその自由度、生地本来のボーダー向きをトライプで使用【768】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびから、また新しい製作に入りますが、シリーズとしては「メッシュシリーズ」の一番最終になります。

次からは素材のグループも変わっていきますので、今回がメッシュな雰囲気の素材としては在庫がラスト。

メッシュという素材のイメージは夏が浮かびがちですが、1シーズンだけのイメージではなく、オールシーズンのイメージを出していければ。。というご提案もあります。

素材の季節感のイメージを打ち破り、メッシュをもっと身近な素材にご提案したいと思います。

本来の地の目の向きを無視、柄を中心に考えた、ストライプ使いの2種の生地を含む計4種の全体の構成

リュック「餅巾着」を製作する4種の生地:左上から時計回りに、表地、裏地、巾着袋の外側、巾着袋の内側。

下の方に後ほど貼りますYouTube動画内では、巾着袋の外側と中側とをどちらにするか迷っているというところまでお話致しましたが、その後当ブログ記事を綴るにあたり1日経過しました。

そして、このブログを書きながら思ったのです。。

以前、消費者様のバッグに対するいろんなご意見を集めたサイトをネットで拝見したことがありました。

「発言小町」様だったと思います、とても参考になる「なるほど♪」なご意見の密集でした。

その中で、「内側をのぞいた時に、色が鮮やかだと中の物が見やすい」というご意見がありました。

その考え方を有難く受け止め、さらに中の物を探る時の質感の心地良さ・滑りの良さが加わる、左下のパープルのサテンの方を内側に決定。

右のシャンタンの黒は、裏面であればつるりとはしていますが、シャンタンの裏面の生地は引っ掛かりもあり、傷みやすいので、やはり同じつるりとした質感であれば、パープルの方がなめらかで丈夫でした。

では、1種ずつ生地をクローズアップです↓。

<表地>:メッシュ生地ストライプ、混率不明(おそらくナイロン/100%とのこと)、日本製。

少し前の製作で、同じ生地でボーダーの向きで、すでに「餅巾着」をお作りしています。

その生地がまだ余っていますので、今度は向きを変えてストライプ向きで作っていくということをします。

前回は、下のような向きのボーダーで完成しています↓。

少し前に完成した時の向き:ボーダーの向き。

向きを変えるだけでも随分違った感じになると思います。

その決めた向きに合わせて裏地もリンク。

<裏地>シャンブレージャガード、ポリエステル/87%、レーヨン/10%、ナイロン/3%、日本製。

マルチカラーがとっても美しく、ラメも素敵です。

衣装のような分類の生地になりますが、それを今回バッグの裏地にということです。

この柄も本来耳からいうと、地の目はボーダー向きです。

しかし、表地のストライプ柄にリンクして、ストライプ向きに使おうと決めたのでした。

次は巾着袋の生地に移ります↓。

<巾着袋の内側>:ラメツインクルサテン、ポリエステル/60%、ナイロン/40%、日本製。

この紫色は、裏地のマルチカラーの中に見られる1色に関連付けました。

巾着袋をパッと開けたときの内側にこの美しいパープル色が広がる空間を想像します。

黒よりも随分中身が見やすいというのが、上述のご意見の反映です。

<巾着袋の外側>:シャンタン、ポリエステル/100%、日本製。

こういった4種で「メッシュシリーズ」の最後の製作を進めてまいります。

今回は、ここまで。材料の生地のご紹介でした。

あとがき

1点物のようなものを作る時に、生地の余分があれば、向きを変えて違う雰囲気にすれば、全く同じではないものが出来上がるのだという検証も今回は兼ねています。

出来上がった時に、向きの違うボーダー向きとストライプ向きとを比べてみるのも楽しみです。

どうしても1点物を好むところがありまして、同じ物を複数というのがとても苦しくて苦手です。

いろんなデザインを作るバラエティーではなくても、1点のデザインを追求しながら色や柄などの素材を変えるバラエティーという意味もあるのです(^-^)。

どこかで見たことのある身近な素材、スニーカーみたいなスポーツ生地で作った内部が意外に瀟洒な黒無地のリュック【767】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

1点リュックが完成しました。

最後の仕上げ直前に、留め具パーツの色をシルバー色からゴールド色に変更したことで、パーツ不足にて、購入に走る際にあることに気づきます。

エスカレーター内の前の女性二人の背中にはリュックが。。

数年前に想像していた、「今後はリュックだらけになっていく光景」がいよいよ現実のものになっていたのです。

健康志向もあり、リュックは均等に力が両肩に配分されてバランスが良いのです。

そして何より楽ちん。おそらくショルダーを上回る定番アイテムになると思います。

某有名ブランド様の量産品バッグでして、ナイロン製で一部本革レザーの切り替えがあり、なかなか高級感も出ているお品。

いつの間にかそのブランド様も、商品のモデルチェンジなどで、リュック型を大量に作っていると知りました。

たとえ、有名ブランド様でも負けてはいられません。

当方ならではの技術でもって今回1点のリュックを作り上げました。

では、完成をご覧いただきたいと思います。

素材がとにかくユニーク、スポーツシーンでよく見かけるパンチングメッシュ素材をエレガントに落とし込んだリュックの完成

「餅巾着」:<サイズ>縦27cmx横27cmxマチ11cm。黒無地がとりあえず一番使いやすい人気カラー。

素材がユニーク、スニーカーの一部・ユニフォーム・ブルゾンの内側に使われているのを見たことがありました。

主役に使うという思い切った案でしたが、裏地が花柄というのも意外。

メッシュのスポーティーなイメージを新しく解釈してみたのです↓。

<表地:黒>ストレッチメッシュ、ポリエステル/100%、日本製。裏地はナイロン撥水加工のシャカシャカ生地。

全体が黒ベースの所へ裏地の一部を柄で選択する案はいろいろ引用できそうです。

内部の機能に関しては、申し分のないものになってきたと思います。

ただ、入り口のフラップが小さく、この近辺の製作の「餅巾着」すべてのフラップを後に大きいパーツに取り換えるリフォームを行いましたその後の動きがあります↓。

隙間がめいっぱいおおわれるフラップへ取り換えたのがこちら。取っ手の間をくぐり抜ける可能な最大限の幅。

あとがき

こんなにいろんな種類のメッシュを取り扱えてとても有難いです。

もともとの趣味として、集める事がとっても好きで一括りにするということをよくしてまいりました。

そんな性質を今度は自らのアウトプットで活かしています。

「メッシュシリーズ」は次回の素材でラストです。

そのラストの製作も、途中から変更のフラップを大きくしたもので完成ということになります。

やり直しの利く限りやり直した方が良い場合もあり、「隙間が気にかかる」とフィードバックをいただいたお客様にはとても感謝しております<m(__)m>。

四角い貼り付けポケットの角が歪まないために貼った伸び止めテープ、ステッチが交わる必要がある【766】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

隠しポケットと貼り付けポケットとでは、前者の方が大部分が内部に隠されますので、見かけが何となく奥ゆかしいです。

一方貼り付けポケットは存在感があることがメリットで、ぺタンと貼った時のコの字がまっすぐでなければ粗く感じてしまう難しさもあるポケットだということに気づいたのも後から取り入れた隠しポケットあっての気づきでした。

もともと貼り付けポケットからのスタートだったのですが、こうして隠しポケットと両方を同時にバッグに設置することを並行してやってきた結果、貼り付けポケットの方が難易度が高いのだと思うようになりました。

目に映る美しいコの字ラインをまっすぐに縫えるためには、歪みを解消せねばなりません。

このたびは、真っすぐラインを作るための伸び止めテープの使用例をご紹介したいと思います。

同じケースのみにとどまらず、いろんな場所に効果的に使えるケースを是非考案してみてくださいませ。

ナイロン100%素材は弾力性が強いという理由で、伸び止めテープのバイヤスをストレートな部分に貼りました、正解でした

伸び止めテープというのは、その名の通り、伸びないように固定する働きが主にありまして、既存の説明などでは、洋服の襟ぐり、袖ぐりなどのカーブの部分にバイヤスを使うなどの例が多く見られます。

「伸びないように」→「変形しないように」という意味で使っていきます。

まっすぐなストレートなラインにバイヤスの方を貼る理由は、貼る生地がナイロン/100%だから。

ストレートとバイヤスの質の違いは、その柔軟性。

カーブなどの内輪と外輪があるかのような箇所では、伸び縮みに優れたバイヤスカットをしてあるテープが融通が利き、そのラインに沿ってくれるのです。

ストレートは、まっすぐの縦や横にびしっと硬く風合いを仕上げてくれる効果があります。

動きのある場所でもないストレートラインのポケットなのですが、接着をすることが伴うため、生地のナイロン/100%の弾力性に合うようにという意味でバイヤスを使ったところが特殊なケースなのかもしれません。

黒衣のが9mmの伸び止めテープバイヤスの黒色です。もっとステッチが真ん中に乗ると良いですが。。

そもそも、この接着芯をこのナイロン/100%の生地に貼る時にも、ニット芯を貼っています。

ここへ織芯を貼ってしまうと弾力性のあるナイロン/100%の生地がアイロンの熱によっていったんきゅーっと激しく縮み、その後熱の冷めによって再び戻ろうとするような動きからか、気泡と皺のオンパレードになってしまいます。

この接着芯の経験から、伸び止めテープも一部使いの接着芯と同じではないかと考えたのです。

市販では、ニットの伸び止めテープもあるようですが、伸び止めテープのバイヤスを選択で大丈夫のようでした。

巾9mmのバイヤステープ:表にひっくり返した時の端っこに位置するように使ってみました。

伸び止めテープはどこかに縫い目で固定されているのが鉄則。

その意味では一応乗ってはいますが、もっと貼るべき位置をずらすべきだと反省しております。

縫う位置を想定した位置にピンポイントでステッチが乗るように前もって貼る位置を決めるべきなのです。

この写真のポケットの底の部分には、この写真の現在では縫い線がまだないですが、後にひっくり返した後に、縫い付けのステッチがのります。

良い位置になるには、1本だけを折り目を対称にしてまたぐように貼るのが出来上がりが2重の伸び止めテープが重なったところへのステッチということでもっと効果が出るかもしれません。

とにかく、伸び止めテープの「接着+ステッチ」のコンビというのは、「はがれ防止」と「固定」の意味があると思いました。

特に、長方形の角の部分にご注目を。美しく直角が出ました。これが伸び止めテープの効果です。
裏側はこんな感じ。当て芯もしています。その縫い線のラインが裏から見てもすっきりと直角です。

当て芯だけではここまで綺麗なコの字にならなかった、伸び止めテープのおかげが大きいと思います。

とても素晴らしい附属品です。

こういった裏の場所というのは、バッグが出来上がってしまうと見ることがありませんので貴重です。

あとがき

この、貼り付けポケットはいずれ隠しポケットとのコンビで、混合型1種だけに変えていくことを考えました。

そうすれば、伸び止めテープの出番も必要なく、フラップ付きの隠しポケットという姿になります↓。

貼り付けポケット廃止後のポケット:フラップのみ活かし、隠しポケットとの混合型で1デザインのみで行きます。

ただ、このたびの、伸び止めテープを貼った効果は忘れません。

ちなみに、隠しポケットの比翼(写真では黒の横長のパーツ)に伸び止めテープのストレートを貼ります。

別の機会にも思い出して引用できる時が多々ある伸び止めテープの存在、どうぞ覚えていてくださいませ(^-^)。

普段着がジャージスタイル、お出かけ着はギャップあるロングワンピースをジャージと同じモノトーンでそろえた【765】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

個人事業主として、おうち事業を2018年からのスタートで継続しています。

そんな公の場にあまり顔を出さない個人事業主である者の服装というのも、会社に勤めていたころに比べて劇的変化を遂げました。

誰でもそうなると思うのですが、あえて締め付けの強い洋服ではなく、動きやすいニットへの変化が大きくあります。

スウェットかジャージかどちらかというとジャージが素材的に傷みが起こりにくいので、コスパが良いと好んでおります。

そんなジャージスタイルはそのままお出かけも不可能ではありません(実際にこのままお出かけしております)。

そうしますと、本格的なお出かけ着というのがミニマムでよいのです。

ただ、この思いも、元々洋服好きのファッション業界勤務の者ですので、今の思いということになりますので、都度気持ちの変化と共にそのお出かけ着の数は変化する可能性があります。

実は、現在2024.06.10にブログ記事の手直しをしておりまして、当時綴りましたこの記事2021.10.16の順番になりました。

およそ3年程の月日が流れた現在は、ジャージスタイルは変わらず継続中ですが、お出かけ着の数がとても多いです。

よって、現在は現在の数でご紹介します記事を別で綴りますので、今回に関しては、最もミニマムなケースとして、長いシーズンに渡って着用が可能な素材や工夫を入れた点をポイントとしてこのたびの記事をご一読くださればと思います。

ミニマムなワンピースたった2点、曖昧な季節に対応のジャケットも添えて、長い期間お出かけ着として着用可能を実現

ロングワンピース2点:一番後ろのウールのループジャケットのおかげでカバーできる季節の範囲が広くなります。

たったこれだけです、しかもワンピースなのでアイテム数が最低限。

ハンガーの数が少なく、クローゼット内もすっきりと隙間が確保できます。

嬉しいミラクルの一場面:たまたまワンピース裾のプリーツデザインが同じもの。同じような年代なのかも。。

全部ではなく、一部のみに入るプリーツがクラシックな雰囲気を出してくれています。

シフォンの薔薇柄とグレンチェックでいずれも柄物で、共通で黒のループジャケットに合います。

これらは、古着です。

ある程度時代やどんな製造元なのかを探るには、ブランドネームを見てみることがよくあります↓。

シフォンの薔薇柄のワンピースのブランドネームはこんな感じ。手掛かりは有りませんが、素敵です。
グレンチェックのブランドネームはこんな感じ。こういった間にカラーのラインの無いグレンチェックが好み。
ジャケットのブランドネーム。イタリア製です。汗染みがありますが、古着では当たり前、気にしません。

オールシーズンとは言いませんが、「春・秋・晩秋・梅春・冬の入り口」はカバーできるこれら。

長い間着用できそうです。

たった2点のワンピースでもちゃんとこだわることができます。

共通に「モノトーンカラー」でそろえたこと、「ロングワンピース」に特化したこと。

そして、上述のようにたまたまの偶然によって、「同じようなデザイン(裾がプリーツ)」が集まったことなどが「拘り」と感じられる要素です。

あとがき

お食事会・飲み会・コンサート・お買い物など、せっかくなので、素敵に装い輝いていただきたいと思います。

数が多ければ素敵ということでは決してないということが随分浸透してきていると思います。

「丁寧な選び方」ということをすれば少ない数でも「豊富」なイメージの不思議もあるのがファッション。

基本「オタク」的存在を好んでおりますので、そういった者ならではの役割として、今後もこういった「コーデ」のご提案をブログ記事に綴ってまいりたいと思います(^-^)。

ナイロン/100%、もしくは、ナイロン混の生地に貼る接着芯はニット芯がマストである理由をご説明致します【764】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在、新たなメッシュ素材の「スポーツメッシュ」を材料にリュックの製作に取り掛かりました。

その中で早速ながら、これは是非お伝えしたいという件が出てまいりまして、ここで記事アップとなります。

それは、選ぶ接着芯についてです。

ナイロン/100%の裏地用の生地に接着芯を貼る場面、ニット芯がマストなのです。

なぜマストなのかということを過去の失敗エピソードを交えながら大切な事項として綴りたいと思います。

ナイロン素材に貼る接着芯を間違えた過去の失敗の経験からのナイロン=ニット芯を意識する注意喚起

過去に、ナイロン/100%のバッグの製作途中で織芯を貼ってしまったことがありました。

ナイロン/100%生地が織物生地だから接着芯も織芯を貼るといった判断でした。

実は、このことが大きな「タブー」なことであると後から気づくことになりました。

左はニット芯、右が織芯。確かに織芯はビシッとする良さがあります。

もっとアップの写真を見てみま↓。

右が織芯。左はニット芯です。右の織芯は、柔軟性の面では、伸び縮みがないのが特徴だったのです。

この融通のない織芯を弾力性のあるナイロン/100%に貼った結果かがこのような姿でした↓。

気泡がたくさんできました。ナイロン/100%自体の織り糸のナイロン糸が伸び縮みに富んだ弾力性が原因。

特にストレッチとかゴムとか伸びると分かっている素材と同様に、ナイロン/100%の織物の生地がイコールの性質を持っていたことを知ったのでした。

これがとても意外で、あまり知られていないことではないかと。

ということで、この後ニット芯に張り替えて、見違えるツルリとした滑らかな姿に変わり解決。

アイロンの熱とナイロンの弾力の伸び縮みの関係がとても大きいのです。

ナイロンの素材にアイロンを当てると、もちろんニット芯であってもきゅっと縮みます。そして、その後もまだ動きがありまして、熱が冷めると今度は戻るということで気泡が出来上がると見ています。

そうすると、伸びの方と縮みの方の両方において、ナイロンが忙しい動きをするということだと解釈しました。

茶色のニット芯にアイロン接着中:ナイロン生地が熱によって伸び縮みしていることにニット芯が追従します。

写真1枚のショットではなかなか分かりづらいですが、アイロンの先端周辺が縮んでいる様子です(後で貼りますYouTube動画がよく分かると思います)。

気を付けたい、ナイロン40%程度混入の生地でもニット芯がマスト

以前に、ナイロンが一部混率に入っている素材でも同じことが起きました。

ナイロン/100%よりはましですが、とても見栄えは美しいものではなく、気泡が起きる失敗の芯貼りの結果でした。

ということで、ナイロン/40%が入っているような割合でさえ同じことが起こるということも同時にお伝えしておきたいと思います。

こういったことが起こらぬように、わずかな混率であっても、ニット芯をお使いいただくと安全。

結局ニット芯というのは、そういったことも総合して、すべての素材に対応しやすいので、ニット芯だけを持っていればよいとも言えます。

ただ、織芯が好きで、あのびしっとしたパキパキ感は織芯ならではであり、ニット芯はしっとりと柔らかく仕上がってしまうのです。

よって2種類持ち備えて、使い分けをしているわけです。

あとがき

芯地1つでもなかなか奥が深いことがあり、実際に失敗が無いとなかなか分からないことでした。

この記事をご覧いただけた方は、同じような道をたどる必要は無く、この内容を注意喚起として活かしていただければよいのです。

この先、「ナイロン」と名の付く生地や混率に随分ナイロンが入っているような生地には是非お気を付け下さいませ。

そして、素敵なナイロンバッグなりポーチなりが出来がることを応援したいと思います(^-^)。

スポーツユニフォームのパンチング素材、対極のエレガントテイストなリュック製作に挑む入り口の生地の組み合わせ【763】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在いろんなメッシュ素材でリュックを製作をしております。

そんな<メッシュシリーズ>においてこのたび4点目の製作に入ります。

メッシュと一口に言ってもいろんな面白い素材があることを同じデザインのリュックに落とし込み分かりやすくお伝えし、新しい素材の性質などを学ばせていただいております。

このたびは、どこかで見たことがあるようなパンチングの素材を表地に利用して、全4種の生地を組み合わせた黒ベースの製作をしてまいります。

まだ、最初の段階ですのでリュックの形にはなっていませんが、なぜその4種を組み合わせたのかの理由や、表地であっても裏地であってもレベルの差を付けることなくフラットに考えて選ぶスタンスを見ていただければと思います。

ユニフォームやスニーカーで親しみがある素材のパンチング生地がリュックになる、その一方で裏地は花柄という意外

今回も4種の生地を使います。左上が表地。時計回りに、裏地・巾着袋の外側・巾着袋の内側です。

このシリーズでは、全体の面積が大きくなるため、生地が意外にたくさん必要です。

もともと調達が少しずつですので、足りない分を複数の種類の組み合わせでストックから選ぶので結果4種もの生地になっています。

分量では、だいたい生地ストックは過去に調達の0.5mずつが一番多く、コンパクトなリュックを作ることに対して、x4の2mを要するということになります。

この用尺の増加は、やはり内蔵巾着袋が二重仕立てであるというところも影響が大きいのです。

<表地:黒>ストレッチメッシュ、ポリエステル/100%、日本製。

パンチング素材、どこかで見かけた生地です。

ユニフォームとかスニーカーの一部に使われているメッシュに同じです。

スポーツのシーンでの使われ方がイメージとしては強いですが、意外な使い方で個性を演出、これをリュックにするということをしてまいります。

残る3種は裏地と巾着袋、内貼りの裏地は花柄ということに決めました。

<裏地:内貼り用>ナイロンタフタプリント撥水加工、ナイロン/100%、日本製。

実際にはメッシュではないのですが、メッシュ柄に描かれていてユニークなプリントは表地のメッシュにリンクします。

花柄のマルチカラーの色も中間的で綺麗、ベースが黒で、これまた表地を始め他の生地との良き橋渡しとなります。

リュックの中を開けたときに、この花柄が目に入るので、内張りも重要なポジションです。

左-<巾着袋:内側:黒>ラメツインクルサテン、ポリエステル/60%、ナイロン/40%、日本製。
右-<巾着袋:外側:黒>スポーツメッシュ、ポリエステル/100%、日本製。

今回二重仕立ての巾着袋は織物(左)とニット(右)を組み合わせます。

内側は滑りが良い方が使いやすいと、つるりとしたサテン地を内蔵巾着袋の内側に、表地の黒メッシュとまるで兄弟のようなパンチングのニットを内蔵巾着袋の外側に配置することに決めました。

同じポリエステル/100%のパンチングでも、ここまで違いがあるのです。

もう少しズームアップして大きい方の表地メッシュと小さい方の巾着袋の内側のメッシュ生地を見比べます↓。

表地のメイン生地に比べて穴が小さく細やかな作りの右。手触りも少しざらざらしています。
全4種のコーデのイメージ。

余計な色を入れず、黒ベースでそろえました。

きっと使う回数の多いリュックになれるのではと見ています。

あとがき

複数の生地があるとどれがメインか一見分からないところが、どの生地もフラットに見ているということになります。

柄物を表地にしてきた製作をメインにしてきた過去では、テイストが偏り過ぎたということがありました。

といういことで内側に柄物があることはある程度の許容になると、内張りに充当したのでした。

この4種の生地で作ったリュック「餅巾着」の完成の投稿記事は、【767】です(^-^)。