ハンドメイドバッグの附属品、無くてはならない存在のものだけを選択していく使い方【34】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、私がお作りしているハンドメイドバッグの副資材とも呼ばれる材料である附属品にスポットを当てたいと思います。

附属品は、メインのものではないけれど、バッグの機能を担当する役割として非常に重要です。

裏地・芯地・縫い糸に関しては、それぞれ別の記事でアップさせていただいておりますので、このたびは、それ以外の附属品になります。

ファスナー

ファスナーは、バッグにとって、警備のような役割です。

ファスナーが1本付いているだけでもバッグに付加価値が生まれます。

ファスナー・・・すべてYKKです。確かな作りといった感じで、まずは壊れることはないです。

ファスナーは、すべて50cm以上の長いものです。

ファスナーの注意点は、意外に早い段階で必要なアイテムなので、すぐに使えるように前もってキープしていることが望ましいです。

ということは、生地があるので、その色目に合わせて、無関係な色を選ばずに、的を得た色でストックはある程度は可能です。

マジックテープ

ここ数年の中で、マグネットボタンは磁気があるので、カードなどの磁気を壊すことが自身のブランドバッグで実際にありました。

よって、マグネットボタンは100%安心な留め具ではないと私としては結論づけました。

実際に私は、ブランドバッグのマグネットボタンでATMのキャッシュカードも通帳も、クレジットカードまで一度ずつ壊した過去があります。

ネットの情報では、バッグのお店の店員さんは、磁気は強い物ではないということをおっしゃるそうですが、それはやや苦しい説明だと思います。

実際にはカードなどが片っ端から壊れることが起こっているからです。

それに、マグネットボタンを一切避けるようになってから、カードや通帳の磁気が壊れたことは一度もないです。

よって、バッグを作る私自身も、当然ながら、マグネットボタンに代わるアイテムとして、マジックテープを使うようにしています。

マジックテープ・・・意外に100円ショップのseriaのものが色が豊富で質も良いと感じています。マジックテープなら、良質なものが100均でも見つかります。

革ひも

革ひも・・・ファスナーのつまみに利用しています。ファスナーのつまみの穴に通すので、幅は、3-4mm程度にとどめています。表地の色とマッチすれば、こんなビビッドなカラーもおしゃれです。

ショルダーカン

ショルダーカン:左-タブを通して使います。 右-線コキと呼ばれています。扱く(こく)という字が該当します。ベルトの調整の時にここが関係します。

ブランドネーム

ブランドネーム:織ネームと呼ばれ、刺繍のように文字やロゴを糸で織り込み、土台が綾織りとか朱子織のような織物になっているところからの織という言い方のようです。

自作のバッグを製作するときに必ず、こういった織ネームを縫い付けることで、製作者名を名乗るような意味もあるのかな。

アイレットカン/ハトメカン

2019年に入ってから、新型として、巾着バッグをよく作っていますので、それには、8セットのハトメカンを取り付けます。

まず穴をあけてから、2つのパーツをセットしてかしめるので、2段階の作業をふみます。

かしめるというこの聞きなれない言葉ですが、工業の部品パーツなどの業種の仕事ではよく使われるようで、圧力を加えて、2つのパーツを密着させて固定させることです。

私が使うのは、片面ハトメというものなので、突出した真ん中に穴が8mmほど空いたパーツとねじのワッシャーみたいなこれも真ん中に8mmほどの穴のあいたパーツの合体です。

左:穴開けポンチと水平のゴム台(ゴムといってもすごく固いです) 右:2つのパーツのセットと打ち込み具です

穴開けは、金づちでコンコンとたたくので、少し大工さんのような作業です。

打ち込みは、たまたまこういう器具がありましたが、アルミ素材専用のようで、ゴールド色だと地がアルミではないので話が変わります。この器具では不可能です。

ループエンド

ループエンドのloopは輪とか円形構造を指すようですが、ひもやロープの先端に取り付けて使うことが通常です。

このループエンド1つで、バッグがとてもかわいくオシャレになりますので、結構なポイント箇所です。

ループエンド:ネット通販では左側が多いですが、私のお気に入りは右側です。
スズラン型で、ラインがまあるくてフェミニンです。シルバー色もあります。(アイリス社製)

底板

底板:ベルポーレンというプラスチックの板で、ぐにゃッと曲がるけれども割れたりしない強度もある優れものです。これ以外使ったことがないです。

底板は結構大切だと思います。

これが入るので縫いにくい場合もあり、工夫も必要ではあるのですが、底が沈むバッグのみっともなさは悲しいと思っている人が多いようです。

底板は、生地で覆いスタイリッシュに製作するのが良いと思います。

表から見える場合は断然生地でくるむタイプが高級感あるバッグになります。

内蔵して表からは見えない場合は、角を丸くカットしてそのまま使うのですが、この角をカットすることも生地に突き出して生地を破らないなどの対策になります。

伸び止めテープ

伸び止めテープ:平(ストレート)とバイアスがあります。
バイアスはカーブに使用する必要がある場合は使用しますが、バッグでは、平の方も出番は多いです。
例えば、片玉縁風ポケットの比翼部分に貼っています。

あとがき

この部分は、かなり後になって書いている部分です。

こうしていろいろな附属をそのデザインのバッグの製作には必要であるからというきっかけでいろいろ使ってまいりました。

その中で、後になって辞めたものも多いです。

とても驚かれるかもしれませんが、なんと織ネームを2022年で在庫がなくなり次第使用をやめています。

やめることは、ある意味、新しく使い始めること以上に深いですしとても重要なポイントになっています。

附属品もいろいろ飾ると華やかであるという考え方を見直し、絶対に無くてはならない箇所にだけ使っていくということを常に意識すると意外と多くは必要がないことに気づきます。

ハンドメイドバッグ製作用に集めたゴブランやジャガードなど多数の生地コレクション【33】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

生地を選ぶひと時はハンドメイドバッグ製作者にとっては至福(^-^)。

同時にちゃんと針が通るのかなどの注意も必要ですが、生地自体にピンと来たことを一番において、そのように製作を対応させていくといった感じです。

そうしますと、時折難しめの生地を選んでしまうこともあります(^_^;)。

そんな風に、とにかく生地の素敵さでまずはチョイスしたその製作前の生地段階コレクションを今回はご紹介したいと思います。

「マルチカラー」、「ジャガード」がキーワードで見つけた結果になっていた

どの生地もすべて生地屋さんで目で見て購入の生地なのですが、まるでネット検索で、キーワードを入れてヒットした生地を探したような結果になったコレクションである所が面白いかもしれません。

見事にその分野が偏っています(^_^;)。

ゴブラン織り:綿/100%、トルコ製

こちらは、絨毯(じゅうたん)の国トルコ製の生地。

魚のうろこのような配列が美しい腹です。向きはこの方向がピンと来ましたが、使い方は自由。

グリーンに対する対象色気味なモカ色がコントラストを聞かせてくれています。

中間色が落ち着きが合ってゆったりとした印象です。

厚みがあり硬めなので、ミシンの針の件をよく考えたデザインにせねばなりません。

そうしますと、トートバッグ系が限界かと。つまり2枚までの重なり以上は縫えないかもしれないような厚手です。

ゴブラン織り:ポリエステル/55%、綿/45%、スペイン製。

こちらは、花柄がぎっしりの鮮やかなマルチカラー。

スペイン製のインテリア素材もお洒落なものが見つかります。柄がエキゾチックです。

ゴブラン織りの典型的なバラ柄に関しては、ここでは登場しません。

最近は中国製がほとんどです。かつては日本製で見られたような柄がそのまま中国製として現在作られているイメージです。

日本製のゴブランはほぼ見かけません。

ジャガード:ポリエステル/100%、イタリア製

ラメがかった雰囲気がゴージャスです。

全体に糸がラメ糸を多く使って作られているのが縁の切り端で分かります。

着物にも合うようなバッグができそうな感じがしました。和柄にも通ずるところがあります。

ジャガード:綿/100%、日本製

薄いデニムのような素材のこちら。

私はお見せでの2019年の購入でしたが、当時ネットでこの生地の色違いを見ました。

私が調達している生地と同じものをネットの写真で見かけることがたまにあります。

これはブルー系ですが、ブラック系で同じ柄で巾着バッグを作ってありました。

ジャガード:綿/55%、ナイロン/45%、イタリア製

こんな色目も爽やかです。

黄色とエメラルドグリーンのコントラストが非常に美しい大花柄です。

ジャガード:ビスコース/70%、ポリエステル/30%、イタリア製

こちらは、シンプルな色使いの黒xゴールドの薔薇柄です。

ゴールドの部分が黒と50%ずつです。

アクセサリーで華やかにするのに加えて、このゴールドの部分がお洋服のトータルコーデのアクセントになりそう。

風通ジャガード:ポリエステル/75%、絹/22%、ナイロン/11%
(全体で100にならないため、生地屋さんの記載間違いだと思われます)、イタリア製

このブルーと黄色の色目を見て、ゴッホの夜のカフェテラスを思い浮かべてしまいました。

そして、天然石のラピスラズリも。ラピスの石の中に混じるゴールドの点々、あれは鉱石のパイライトという天然石です。

その昔鉱山の発掘業者がよく金と間違えたことがエピソードとしてあるみたいです。

ちりめんジャガード:ポリエステル/100%、日本製

いつも生地はお店で実際にじっくり見て買うのですが、ヤフオクで購入のちりめん生地。

グレー地に薔薇柄が2色展開され、ワイン色は特にグレー地に映えます。

paper printed:ポリエステル/100%、日本製

ワンピースになるような生地。ボタニカルなデイジーの花々がとてもエレガントです。

スエードプリント:ポリエステル/100%、日本製

スエードという呼び名が付けてありますが、あくまで、ネーミング。実際は、スエード風ということです。

私が思うに、元来の生地の織り方は、ピーチではないかと思います。

桃の皮のような少しけば立った表面がそんな気がします。

つむぎシルクプリント:絹/100%、日本製(YOUTUBE動画の中でイタリア製と言ってしまいました<m(__)m>。実際は日本製が正しいです<m(__)m>。)

こちらも落ち着いた色ではあるのですけれど、大変美しいです。小花柄がたくさんある中で、こういう色使いは粋です。

地が黒ではっきりとしていて、中間的な控え目な花柄の色が魅力です。

サッカープリント:綿/100%、日本製

なじみ深い典型的な昔からある薔薇柄。夏ならではの素材とも言われているサッカー。

あのスポーツのサッカーとは全く別物です。

スポーツのサッカーは、SOCCERだと思うのですが、正式なサッカーの英語は、football。

話がそれましたが、生地のサッカー。英語だとSUCKERという文字です。

日本語でしじら織という織り方が通っている物と同じです。

生地の構造が縦の糸の収縮率の違いで同時に織り込まれ、柄ができるようなイメージです。

ぽこぽこと膨らんで凹凸ができることから、夏のパジャマが、肌に当たる部分が凹凸にな

ることで、全部べったりと肌に触れないという機能から涼しい素材だとされています。

私は、季節感なくこのサッカーも使いたいというこで、黒地を選びましたが、生地の出回る季節は夏に限定されているみたいですね。

黒地にモカ茶色の薔薇柄がシックです。

バティック:綿/100%、タイ製。

こちらはバティックという名前の生地。その染め方の手法がそのままネーミングになっているようです。

インドネシアなどの東南アジアでさかんなろうけつ染めの手法で作られたプリントです。

ろうを縁取り、染色液を塗りつけます。

東南アジアならではのように見えますが、日本でも作られています。

エスパンディーニットプリント:ポリエステル/100%、日本製

地がニットであることが特徴です。

リバーティーの柄のような小花柄ですけど、それとも異なる雰囲気がニットならではです。

思い切った鮮やかな色使いが華やかで綺麗です。

パイルニット:綿/100%、日本製

まるでタオルですね。タオルも綿/100%ですので、タオル地なんて呼んでもよさそうです。

この色なにかを思い浮かべませんか。

ミックスカラーが非常に綺麗ですが、まるで迷彩柄を思わせぶりな感じがとても魅力です。

合繊無地:ポリエステル/100%、日本製

キャメルベージュ色で、綾の織柄が美しいのが特徴です。名前に無地と付けてあるので、この綾柄は織り目であり柄ではないということです。

インテリアジャガード(フィーユ):ポリエステル/100%、日本製

こちらは、一目惚れというような感じの生地です。葉っぱが密な美しいジャガードです。

木の実は少しありますが、花が描かれていなくて、草木にスポットを当てられています。

クリスティーヌ:ポリエステル/60%、メタル/40%、日本製

ちょっと驚きですね。ゴールド色の生地ってあるんです。

衣装用として作られた生地のようですが、混率のメタルって??と思いますよね。

別名ラメだということですが、上に粉をまぶしているわけではなく、メタル糸という糸を使って織り込まれているのだと思います。

ポリエステルは、ポリエステル糸で織られたものをそう呼ぶように、メタルもメタル糸で織られたものをそう呼んでいるというイメージで。

ジャガード:ポリエステル/100%、日本製・・・あまりの使い勝手の良さと色の展開が豊富なことでこんなに幾種類も調達しています

この柄の名前を私としては、まだら柄と勝手に名付けました。ジャガードとだけの名前が多くて、どんなジャガードなのかまでを記録しておかないと整理整頓が分かりにくいからです(^_^;)。

生地屋さんは、ジャガードと最低限しか表記されないようです。

ジャガードプリント:ポリエステル/100%、日本製

こちらも、先ほどの草木柄のグリーン色と同じようにお花が描かれていないです。

草木のみの美しさもあるものです。

グリーンとオレンジが交わった部分が非常に美しいものになっていますね。

プリントとジャガードとのコンビなのですが、どこがジャガードかというと、写真にわずかに写る、水玉模様のような部分です。

このうっすらとした水玉はその漢字の読みの通りに、水滴を表現しているのではないでしょうか。いかにもロマンチックな生地です。

フクレジャガード:綿/97%、ポリウレタン/3%

私自身が黒ののっぺりとした素材があまりに魅力的と思わないので、このように凹凸が表現されたものを黒無地として選びました。

ただのまっさらな黒に比べて、フクレ加工がされているこちらは、黒を素敵に見せてくれます。

さらに続いて、黒です。

塩縮プリント:綿/100%、日本製

塩縮加工というのは、糸の繊維に部分的に凹凸ある、しぼを出すように液体に浸して加工する方法の名前。

ボーダー柄のような配置になったところが、ボーダー柄の表地にマッチしそうだと思いました。

こちらも無地のまっさらな黒よりも楽しいものになりそうです。

生地の原産国により違いはあるのか

今回ご紹介した生地の原産国は、イタリア製と日本製が大半です。

たまに、同じヨーロッパ付近のスペイン、フランス、トルコがあります。

中国製とか韓国製もぱっと見は素敵な柄は多いですが、なんとなく織り方が粗めな感じがすることが多いです。台湾製もそうです。

今後変わっていくかもしれませんが、今のところ、繊細な日本製の生地に対してそれ以上の違ったすごさがある生地はイタリア製暗いですね。

日本製は、やはり織り方が緻密です。どの生地も平均してしっかりとした作りであると思います。

あとがき

縫いやすさを追及するとなると、やはり綿だと思います。

ただ、綿は、空気に長いこと触れていくと、焼けることがありますので長期保管が向きません。

たたんだTシャツやデニムパンツなどがそのたたみ目のところで焼けているのをご覧になったことがありますよね。

なので、そういう影響の少なめの素材となると綿/100%は避けることになります。

1点物のハンドメイドバッグを作り続ける製作者の持ち合わせ糸の収納風景【32】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

私が布製のバッグに使っている糸は30番です。

スパン糸とテトロン糸に分かれますが、テトロン糸の方が多く持ち合わせています。

というのも。。。

スパン糸のカジュアルな雰囲気が綿/100%にマッチするみたいな考え方からすると、テトロン糸の出番が多いのは、ツヤの多いポリエステル/100%の生地の採用が多いからです。

収納はある程度色別に分けていまして、前半では、糸の収納例として現在の収納の仕方をご紹介します。

そして、後半では、ある1つの生地に対して、なじむ糸は見かけのイメージと実際は違ったものになることがある不思議という内容になります。

縫い糸の色決めやコレクションのご参考になればと思います(^-^)。

糸の収納の仕方を箱詰めでしている例

収納はパンダンの大きな箱に、4部屋の紙袋で仕切り大きく色別にしています。

大きなパンダンボックスに中に紙袋を切って、外側に一度折り曲げて丈夫くし、小部屋を作って収納しています。一番右の外に飛び出しているのは、入りきらなくて上に置いています。

では、一番左の小部屋から順に見ていきます。

こちらには、ビビッドなはっきりした色を集めています。

それほど頻繁に出番はありませんが、必要な時に慌てないように一応持っているといった感じです。

常にカラーが豊富であると、すぐに使いたい時にゆったりとした心持ちでいられます。

パープルが似たような色が多いですが、調達する時に、1コーンずつではないのです。

とても大まかにまとめて使いたいカラーが豊富に入っているまとまりを調達してきているものなのです。

その時には使わない色も混じってくるということの積み重ねでいつの間にかこの量になっています。

微妙な違いですが、全く同じ色番号のものはあまりなく、少しずつ違っています。

一番左の小部屋:どれも1度は出番が出てくることをとりあえず調達の時点では想定しています。

次は、左から2番目の小部屋です。

左から2番目の小部屋:主に黒と紺ですが、行き場のないブルーを紺からのつながりで2色入れています。

左側の袋入りとそのすぐ隣りの縦向きまでが黒です。そして紺が3本。

一番下の横向きのものは、黒に一見見えますが、濃紺です。

糸のホールに紺と記載がありまして、黒に限りなく近い濃紺なんですね。

一番右の方は、ブルーで、ブルーグレーとも違い、ビビッドな1つ目の量が増えすぎることもあり、そこへ入れるのは断念して、紺からのつながりでここへ入れています。

次は、3番目の部屋です。

3番目の小部屋:全体に茶系ですが、この中ではパープルみたいなベリー色が入っているし、
グレーのような色も入っています。
ところが、パープルの中では浮くしグレーの中では茶色く見えるということで、
ここにこのように行き場のない中間色として集まりました。

茶色も最近はあまり出番はないですが、ファスナーの色が茶色の時に少し使います。

パープルの中だと浮いてしまう、真ん中周辺のベリー色、グレーの中では茶色く見えてしまう左右のサイドのあたりのモカグレー色は共に出番が多数あります。

こういったことから、中間色のなじみやすさ、使いやすさを感じています。

あいまいなどっちつかずのような色というのは、その色だけ見るとはっきりしておらず理解しがたいですが、生地に馴染んでいくことを想定し、実際に使った色というのは意外にもこのような色だったりするのです。

そして、4番目のの小部屋です。

4番目の小部屋:全体として白っぽいという色の集まりでこうなっています。ブルー系は、ミシンで縫うと
この見かけよりももっと色が薄く白っぽいので、オフ系という感じでここに入れています。  

ここは、ベージュが多いですが、白っぽい地のものが生地ではとても多いので、ここから選ぶことが多いです。

よって、薄いブルーのような色は紺のある2番目の部屋ではなく、こちらにあえて入れているのです。

ここのカラーの仲間に入れていることで、より良い選択を逃すことを避けています。

では、最後に飛び出している小部屋です。

外に飛び出している小部屋:こちらはグレー系です。グレーはよく使います。
あいまいな色なので、出番が多いです。

典型的なねずみ色のグレーもここで、チャコールグレーのような濃い目もここです。

グリーングレーなども出番が多く、グレーの色の展開の豊富さがとても役立ちます。

本当に生地になじむ色が意外な色であることの実験

ここで実験をしています。

一番なじむ糸の色を探す実験:こちらは淡いベージュ色のカーテン地の生地です。これに合う糸を探してみます

淡い色のベージュということで、小部屋の4の中から探すのがよいでしょう。

さて、この中では、どの色なんだろうという部分が少し奥深くなってきますね。

そこで、候補を2色ピックアップしました。

候補の2色:左側は、グリーンがかったのベージュ、右側は、黄色がかったベージュ。

イメージとしては、右側の黄色がかったベージュが合うような気がしていましたが、左側も意外に合うのではと予想してみました。

そしたら、どうでしょう。

上側が、前の写真でグリーンがかった方、下側が、前の写真での黄色がかった方です。
なんとなく、下の方が少し浮いていませんか。
ここで私は、上のグリーンがかったベージュの方がベストだと判断しました。

意外なことに、クールカラーがぴったりとなじんだようです。これは、見た目ではしっかりと分からなかったことです。

ただ、ウォームカラーが全然的外れだとは思いません。もし、このクールカラーの糸がなかった場合は、迷わずウォームカラーを選択したと思います。

たまたま、いろいろなベージュの糸があったからこそ、こうやって、選択し、最もなじむ色が得られたということです。

ミシンで縫って、生地の中に糸が埋まると、色の見え方が変わるのかもしれないですが、現実的なこととして、糸はバッグに作られた時そのまま永遠であることです。

ということは、糸が埋まっている時の見え方が一番大切だということなのです。

糸の色の選択は重要です。

では、昔私が糸の色の選択が甘かった経験があった証拠みたいなお品を見ていただきます。

昔、あまり深く考えずに、紺系の柄だから紺色の糸で縫った自分使いのバッグがとても糸の色が浮いているのを見つけました。

糸の色の選択1つで随分出来栄えが変わるものだと分かりますね。

あまりに糸の色が濃すぎると柄をつぶし、美しくありません。
この場合もっと薄い色の糸を選ぶべきでした。

あとがき

今回は、糸全50本ほどの使い分けや収納をご覧いただきました。

表地と裏地が存在するようなバッグの場合、表地と裏地が全く違う色の生地であったりすることもコントラストの効く美しい効果がある時があります。

そういった場合に、まめなようですが、それぞれの生地に対して糸のカラーを選び、上糸と下糸さえ違う色になる時も重ね縫いの場合は出てくるのです。

これを私は当たり前に行っています。そんなスタンスで製作したハンドメイドバッグの出来上がりというのは、シンプルですっきりとしたものになります。

糸1つでここまで美しさが違うのであれば、苦労を買ってでもしたいのです(^-^)。

ここからは、後に付け加えた記事の部分になります↓。

その後の考案で、今回ご紹介の収納の仕方を変えました。コンパクトにまとまって良いのですが、糸を抜き出す時に、テトロン糸は特に巻きが外れるのです。

その後の収納例は、後のブログの【132】の記事で一度糸を1コーンずつビニール袋に入れ始め、その後、【972】の記事では、ビニール袋収納を継続しながらヴィンテージ箪笥(たんす)の中に収納の現在に至ります。

箪笥の引き出しに入れている糸:無彩色系。
こちらはカラーもの。

ゴージャスなクシュクシュジャガード生地でどんなデザインのバッグを作るのが一番相応しいかの研究【31】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

以前にも巾着バッグは別の素材で2度ほどご紹介しています。よろしければ、【15】【20】の同デザインとも比較してお立ち寄りいただければと思います。

今回は、過去の【15】【20】から少し改良した点があります。

巾着バッグのデメリットの口が完全には閉まらないセキュリティー性の弱さをカバーするべく取り付けた内側のルーフ機能をもう少しシンプルにしたことが1つです。

もう1つの改良は、本体の縦の長さを5cm長くしてハトメ穴を打つ場所を広く確保したことです。

ブロンズの凹凸感ある花柄がゴージャスな生地とそれに合わせた裏地

今回の表生地は、イタリア生地です。

裏地は、カーテン地を使いました。

ともに花柄ジャガードですが、花の形が互いにマッチするということで、意外なカーテンの下側に付けるあの薄い透けた素材を裏地にしたという点が特徴です。

左:表地(ブロンズ):ジャカード、ポリエステル/49%、綿/34%、ナイロン/17%、イタリア製 。
右:裏地(ベージュ):ミラーレースカーテン地、ポリエステル/100%、日本製。

表生地はブロンズ、ベージュ、ゴールドという茶系のマルチカラー。

フクレのうねりが非常に美しく花柄が立体的に浮かび上がっています。

こうして、柄同士であっても、柄の形をよく見て同じ調子になっていることで一緒にコンビにして使うことも多いです。

表地のようなぷっくりと膨らみを入れてあるフクレ加工については、日本製ではなかなかここまで立体的な生地を見ることがありません。

イタリア製ならではのような気がしています。

私が見る範囲内ではありますが、日本製のフクレ加工もあるにはあるのですが、はそれほど大胆な凹凸はなく控えめに感じます。

ただ、イタリア製に比べてきめの細やかさが感じられますので、それぞれの良さがあるのでしょう。

裏地のミラーレースカーテン地についてですが、表地に利用も面白いと感じながら、今回は裏地に使いました。

意外と丈夫ですので、透明感を出したい場合、例えば季節感を夏で出す場合に表地使いも楽しいかもしれませんね。

共布ストッパーの作り方

今回は、巾着袋なのでアイレットカンでのハトメ穴開け作業があります。

これにひもを通して、共布ストッパーを作って取り付け、先っぽにループエンドを取り付ける過程をご紹介します。

アイレットカンの穴開け等の作業は、別の機会にしっかり撮影などして、分かりやすくお伝えしますね。

まず、共布ストッパーの裁断後の様子からスタートです。

共布ストッパー用パーツ:縦5cmx横12.5cm(裏地には接着芯とハード薄芯を貼ります)
1:真ん中で折り、短い方の上下を1.5cmの縫い代で内側へくるみ込みます。折った真ん中の線に向かって三つ折りを左右ともします
2:折った中心から左右2mm程度をミシンでステッチします。
3:さらに真ん中で折り、その折り線へむかって左右とも三つ折りし、再びミシンで中心から2mm程度をステッチします。
表側から見ると、真ん中に2連ステッチが浮かび上がます。

そうして、この出来上がったストッパーの穴にロ―プの共布を通します。

ストッパーを共布ロープに取り付けました。:ロープは型紙で幅3.5cm、ストッパーは型紙で幅12.5cm。

続いて、ここへループエンドを付けます。かわいいゴールドのすずらん型。

この丸みをおびた形はちょっと珍しいです。

「アイリス」様という大手パーツメーカーさんの商品。

ぷっくりふくらんだスズラン型のループエンド(アイリス様のお品):こちらのシルバーカラーもあります。

まずそのまま通してその後、通したままロープの先を二つ折りにしてミシンを2-3度返し縫してかけて、ストップさせ、ロープ先も筒の中に隠します。

こんな風に蝶々結びもできます(^-^)。

完成しました。10枚の写真です。

<サイズ>:縦28cmx横30cmxマチ7cm。

縦を5cm長くしたことで、バッグ全体が以前の、【15】【20】より大きいことがはっきりします。

【15】の時の巾着バッグ。
【20】の時の巾着バッグ。

この生地でこのデザインはマッチしていたのか

ここで最後に、生地とデザインのマッチのお話です。

何か腑に落ちない感じでした。

どうしても感じてしまうのは、このゴージャスな生地にして、デザインがカジュアル過ぎるということです。

もっとしっとりとしたエレガントなバッグに出来そうだという心残りが否めませんでした。

ゴージャスな生地だけどカジュアルなデザインで作るというギャップも面白いのですが。。。

あとは、マチの小ささを感じています。

マチが7cmに出来上がりましたが、この倍くらいの15cmは思い切って付けた方がどっしりと座り迫力が出て、この生地に相応しくなると思いました。

今回の製作だと、床においても座らないのです。

マチの工夫も今後の課題です。何分控え目過ぎるのだと思います。

もっと思い切ったのびのびとした製作をせねばと(^_^;)。

あとがき

イタリア生地のジャガード素晴らしいですね。

もっと素敵にできたのにと心残りなのがなんかもったいないことをしているようです。

ちゃんと素材のレベルに対してその作りを追いついていきたいものです。

2019年は、その前の年に考えていた、高級な素材の特に自身が注目の凹凸感あるフクレ加工の生地で作って行くということを実行ていっている最中なのです。

まだまだフクレジャガードなどの素材を使わせていただく製作が続きます。

もうこれ以上美しくは作れないという極限まで素敵さを高められたらと思うと、この度の製作では全く花咲かなかったということになります。

布製ハンドメイバッグ製作に合う芯地の定番チョイス3種【30】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

私が、記事でよく、「接着芯を貼ります」、「ソフト厚芯を入れます」、「ハード薄芯をボンドで貼ります」などを製作過程の一部として書いています。

これらは、すべて芯地ですが、どれもそれぞれその性質が大きく違うのです。

今回の記事は、私がお作りしているハンドメイドバッグの芯地の種類3種とその使い分けをどんな風にどんな場所に使い分けているのかを書きたいと思います。

私がバッグ製作に使用している主な芯地3種:左上から、ハード薄芯、接着芯、ソフト厚芯

接着芯(せっちゃくしん)

接着芯(せっちゃくしん):とにかく全パーツに貼っています。薄いのにしっかりした作りの布帛:ふはくを選びます。対する不織布というタイプはこの接着芯では使用しません。理由は悪いお品が含まれ、アイロンに弱いというあり得ないことが過去の経験としてありました。こういった織芯とかニット芯はきちんとしたもので、どれを使っても間違いがありませんでした。こちらは織ってあり、生地状なので織芯(おりじん)と呼んでいます。接着糊(せっちゃくのり)がついているので、接着芯(せっちゃくしん)なのです。これがニットの場合は、ニット芯と呼んでいますが、織芯とニット芯の使い分けの記事も別で書いていますので今回はここまでです。

この接着芯は、基本の芯地としています。

バッグの材料の生地を裁断すると、すべてのパーツに貼るものです。

糊が付いていて、アイロンでくっつきます。

効果としては、生地の風合いが非常に良くなり、シャキッとするというか、生地にハリとコシが出ます。

ハード薄芯(うすじん)/ハード厚芯(あつじん)

先ほどの接着芯は、全部のパーツに貼るものでした。

ハード薄芯は、名前の通り、ハード(硬め)です。

つまり、しっかりとさせたい部分に貼ります。

ハード薄芯は、織芯ではなく不織布です。

先程の接着芯では使わない不織布とは厚みが変わりますので、この辺りの不織布はちゃんとしたものになります。

アイロンにも大丈夫です。

不織布のハードはツンツンとした硬さがあり、これを内蔵することで、良い効果を出します。

左:ハード薄芯・・・本体やファスナーの口布、側面などに貼っています。
ハード厚芯という類似もあるので、比較の呼び名にしていますが、
薄い方の左側(ハード薄芯)でも十分バッグの風合いに貢献してくれます。
右:ハード厚芯・・・以前はトートバッグでこれを使っていましたが、
なにせ重くて、本体に貼ることには向かないと思いました。
現在は、取っ手などの当て芯などにだけ、このハード厚芯を細かく使用しています。

ハード薄芯は、本体には決まって貼ってきました。

もちろんベースに薄芯が貼ってある状態に加えてということです。

本体の前面後面の両方と、ファスナーの口布とか、側面パーツなどの大きなパーツに貼ります。

隠しポケットの当て芯にもこれをカットして使用しています。

ハード薄芯は、ハード厚芯に比べて、大幅に軽くて、バランスがとれています。

軽くて効果も出るとても良い性質を持っています。

一方ハード厚芯は、効果は絶大に出るけれど重くなりがちな点がせっかく布ならではの軽く持てるというメリットを阻害してしまいます。

ハード薄芯は前述のように、不織布の部類なので、接着糊がついていません。

よって、貼る時は、縫い代の部分にボンドを使います。

ここで、1つ私のエピソードなのですが、こんなにいろいろ使い分けずに、ハード接着芯が1つだけあれば最強じゃないかと思われるかもしれません。

以前に結構高級なハードな織物の生地みたいな接着芯を使っていたことがありましたが、お品が良いわりに重くてごわつきます。

そして、融通があまり効かなくて縫いにくく、綺麗に作れませんでした。

接着も相当な温度が必要で、大作業のわりに効果が出にくいのでもう使っていません。

これに比較すると、不織布のハードというのは、柔軟性があり布製のハンドメイドバッグ作りには向いているとの結論に至っています。

糊が付いていることが必ずしもすべてにおいて便利なわけではないということですね。

糊が付くとそれだけ高級品になりますので、そこまでの高価な材料を使った良き出来上りにはならなかったという結果が過去の経験です。

ハード薄芯を貼った効果:ビシッとした感じというのがこの様相のことです。気持ちが良いですね。

ソフト厚芯(あつじん)

これは、グレー色のふんわりしたものです。フェルト布に似ていますが、フェルト布に比べてやはりソフトとは言え、ツンとしています。

このソフトなのだけれどツンとしている感こそが重要な気がします。

ソフト厚芯(あつじん):バッグの取っ手にのみ使用しています。1mm弱の厚みですが、重くはなくて、
ふんわりとクッションが効いていいます。
折って取っ手に入れてミシンで縫い付けるとぷっくりと膨らんだ様相になり
持ち心地も心地よいふんわり感です。

このソフト厚芯は、バッグの取っ手にのみ使います。

アイロンで折って、薄芯をすでに貼ってあるパーツに挟み込むだけです。糊は必要ありません。

ソフト厚芯を入れ込むと、取っ手が素敵になります。

ふんわりとしていながらもスッと立ちます。

貫禄のあるお品が出来上がるための良き材料の1つであると言えます。

取っ手にソフト厚芯を入れた効果:しっかりと山のように取っ手が立ちますし、ぷっくり感が出ています。

あとがき

今回は、私が現在バッグ製作に使ってきた3種の芯地の使い分けや効果をご紹介致しました。

それぞれの役割がどれも重要であり、複数の使い分けは一見複雑なようですが自然とこういった複数使いに至っただけです。

金銭をかけたものが高級にできあがるかというとそうではないことが、途中でご紹介しましたハードなタイプの接着芯の取り扱いをやめたエピソードで分かります。

このことから、「材料」ということで考える、表地の高級さのことも同じことが言えるのではないかと考えます。

よほど特徴ある素敵な生地がたまたま高価であったことは結果に過ぎません。

しかし、実際に値段の高い高生地でハンドメイドバッグを作ることで完成品が必ず高級感が出るとは限らないのです。

「生地が高級であること」と「高級感があること」ということを天秤にかけています。

これは今後も研究していく大切なことです。

とにかく、どのような生地であってもその作りは平等であるこれまでのスタイルで製作していきます。

そんな中で、上述の2つの天秤の答えが見つかるかもしれません(^-^)。

「ファッションには興味ない」も立派な「スタイル」、その考え方こそが「スタイル」の正体なのである【227】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、「スタイル」という言葉がテーマです。

スタイルと聞くとちょっとあいまいな言葉に感じます。

あの人は、スタイルがよい、形式、音楽の系統、独自のスタイルなど。

すべてのスタイルを一言で言いかえれば、「型」とか「タイプ」とも言えましょうか。

今回は、この「スタイル」というものが、誰にも実は自明にあるものであり、正直に自然と表れてしまうものだというお話になります。

考えてみれば、やや恐ろしいことであり、「ファッションに全く無頓着で興味が無い」という方もそのような考え方が自然と装いに現れてしまうという点に逃避すらできないものだということなのです。

派手とか目立つことは表面的、「スタイル」の正体は「考え方」とも言える

AさんBさんの洋服の嗜好を例に挙げて、「スタイル」の意味をお伝えしてます。

まずは、モノトーン嗜好のAさん、無彩色のワードローブです。

無彩色嗜好のワードローブを持つAさん(仮定)・・・無彩色なスタイル。

カラーレスなのでおしゃれじゃないと言い切れないところがポイントです。

ここまではっきりとモノトーンで行くのだという意志は、「スタイル」の表れです。

ある意味、意思表示をうまくしているのだと見ることができます。

華やかな色使いの洋服を好むBさんのワードローブ(仮定)・・・華やかな色遣いのスタイル。

さて、こちらは、先ほどとは真逆の色を好むマルチカラー好きな人のバージョン。

こちらもその明るい色の好みがはっきりと主張されている点で、「スタイル」がうまく示されているのです。

そう考えると、ただ派手なパーツやアイテムの見せびらかしの中に、実は拘りが感じられないことも多いのです。

趣味嗜好が整った形で分かりやすく表れるようなラインナップであれば、ぱっと見の派手さや地味さや色の種類など無関係なのではないでしょうか。

大切なのは、その奥にある「考え方や主張」なのだと思います。

あとがき

「スタイル」は、個性も含み他の人とも同じ当たり前な平凡な部分も含んだ総合のものだと考えます。

だから、目立つものだけをアップするとか、突出したものだけを披露するだけでは、逆に「スタイル」が伝わっていないのかもしれません。

どんなに平凡であろうと、それこそが「スタイル」であり、自身のありのままとかそのままをちゃんと表現できていることが一番重要な点だと思います。

「衣服」というのは、決して表面的に着飾るものではなく、「自己主張」の1つだと考えると、元来の「衣・食・住」の「衣」の存在感を今一度見直したいものです。

広くゆったりと見渡せるA4横型、メインにもなるサブバッグに出来上がるためのノウハウ【29】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

サブバッグと呼ばれるバッグが本当に2番手バッグで終わるのか。。。

価値観によってはメインバッグにもなるかもしれません。

私は、結構あのサブバッグのラフな形がとても好きです。

いつの時代も流行を気にせずに自然なスタイルで使えるただのシンプルな入れ物のような様相がかえって、自然で使いやすいのです。

トート型の自由で開放的な作りは、セキュリティー性には欠ける部分もあります。

しかし、どこに自分が一番重きを置くかというところでは、私は、ストレスのない開閉であったり使い心地であったりという、「使い勝手」を重視しています。

そんな自分自身の価値観も組み込みながら、せっかくの広い面積に美しくお花が咲く風景のように映るデザインでサブバッグをお作りしたいと思いました。

サーモンピンクxベージュの優しさにあふれた柄の

今回の花柄、こちらです。

<表地/裏地共通:サーモンピンク花柄>:PAPER PRINTEDという名前の生地、ポリエステル/100%、日本製。

まず、この色、大変落ち着いていて上品ですね。エレガントな雰囲気です。

サーモンピンク地にグレージュ系のコントラストが素敵素敵です。

薄手の生地ではあるのですが、目が詰まっていますので、表地使いもありと判断。

裏地の色は別生地だとあまりにコーデが難しく、ギブアップ。同じ生地で作りました。

おそらく、この素材はもとは、ワンピースなどに向く服地だと思います。

それをバッグに作るという点が面白いのです。

初の両玉縁風ポケットにトライ

今回のデザインは大変シンプルで、ポケットも1個のみです。

ただ、このポケット、今回私としては初めて作ったデザインのポケットです。

作業順を1-8までの写真で追っていってみて下さいませ。

バッグ用の玉縁ポケットの手順(あくまで、今回初めてで、見よう見まねで取り組んでみたもので、引き続き良い作り方は研究中です)

まず、ハード薄芯を裏地の裏面に当て、そこに長方形のポケット口の出来上がりの枠をシャープペンなどで書きます。

ラッピング布パーツを裏地の表面に裏返し(つまりは中表)に置いて、描いた枠線を後で包みこめるように均等な配分の位置、つまり枠がど真ん中に来るように置いて待ち針を打ちます。

そして、先ほど書いた線の上をなぞるようにボックス型にミシンをかけます。

この時返し縫いは最小限が綺麗です。私は、返し縫い無しで、玉止めをしっかりするということにしています。

そして、1のように真ん中にハサミを入れ、縁約7mm程度はYの字に角に向かってハサミを入れます。

そして、玉縁(たまぶち)を意味する、ラッピングという作業で、ラッピング布のある表面側から、裏面側に返して、アイロンをかけ、ボックスの縁から1mmほどをステッチで固定。

それが、2、3の写真の出来上がり写真にあたります。

4のように左側の延長布(短い方)と、右側のポケットの袋布(長い方)をそれぞれ三つ折りステッチして固定した後、5のように、裏地の裏面にポケットパーツ2つの裏面を向けて(中裏)、ボックスの穴の半分ずつ均等に、待ち針で取り付けます。

6がその状態を表側から改めて待ち針を打ち直した場面です。ここで、真ん中から見え方が均等かどうかをチェックしながら整える待ち針です。

そして、先ほどボックスの外1mmのところにステッチをかけたその上をなぞるように再び裏面にミシンを走らせます。

そうするとポケットの延長布と袋が本体に取り付けられたということで、最後に延長布と袋を縫いつなぎ、脇も縫いつなげます。

7,8は完成の状態です。

なぜに、このような変なこと(玉縁)をやるのか。。

これは、先人の知恵だと思うんです。

真ん中を切ってハサミを入れたその切り口を、布でくるみこんで、切り口がほつれるリスクを食い止める、この役割と、見た目の美しいデザインを兼ね備えた、昔の人の知恵が受け継がれている手法だと思います。

最初にこのラッピング方法を考えた人は、すごいとつくづく思います。ほぼ発明のレベルでしょう。

私は、スーツによくあるポケットの手法を玉縁の部分だけ学ばせていただきました。

そのほかに関しては全く作り方も分からず、独自の作り方で今回のように出来上がりました。

スーツ専門の職人様からはもしかして突っ込みが入るかもしれませんが。。。

独学だけで来た者が洋服道には行けませんでした。仕方がないのです。

完成レビュー

サブバッグが完成した状態を10枚の写真でご用意いたしました。

<サイズは>:縦27cmx横34cmxマチ14cm。

デザインとしては、シンプルでとても単純です。

A4横のサイズというのは、超定番サイズだと考えます。

このサイズ感が大きすぎないさっぱりした持ちやすいアイテムになればと思います。

このA4などという呼び名ですが、ペーパレス化が進む将来では、消滅していく可能性もあります。

もう書類を入れるという観念がなくなると、このサイズ感である必要もないのかな。

しかし、この書類入れの機能というものがいずれ遥か昔の紙使用時代のなごりだなんて言われるようになった未来が来たとしても、その意味は歴史とともに必要があってのサイズだったということが刻まれることでしょう。

あとがき

サブバッグなんだけど、メインバッグにもなってしまうような活躍のバッグになればと思います。

私自身がそうであるように、多くの方達も、こうした単純なバッグの良さを感じ、使い勝手に魅力を感じていただくことがあるかもしれません。

余計な飾りが無い所が、垢抜け(あかぬけ)していてい魅力的だという価値観もあるのです(^-^)。

ヴィンテージ物の落とし穴、ユニフォーム素材のつやのあるメッシュTシャツのプリントの剥がれは30年後に「洗濯」で起きた【406】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ15年間、古着の洋服しか購入しなくなりました。

店舗で実際に手に取って購入することはほぼ「ゼロ」。

2010年代における「ファストファッション」の大盛況の中で、その流れに乗れず全く反対のお洋服を見つけることに価値を見出し、より一層ヴィンテージ物への愛着が深まったのが自身です。

そんな中で、1980年代辺りの品数が少ないヴィンテージ物に素敵なマルチカラーが見つかったことがありました。

現在でも世界的に多くの人が日常着として来ている「アディダス」製です。

現在では随分世界的な「ファスト」的な製造形態が確立されているという印象ですが、1980年代の品物は良質だったと感じており、ジャージなども現在とはかけ離れた厚手の良質さがあったのです。

このたびは、素敵なマルチカラーの部屋着として考えていた「アディダス」製ビッグTシャツがお洗濯後ロゴが全部はがれてしまった事件からヴィンテージTシャツの選択の仕方の極意のようなものを考えたいと思います。

事件は洗濯後に起こった!この事件から導く2つの大切な事、①古着業者の責任感②消費者の品物の性質を見極める目

ある時期に、素敵なマルチカラーのヴィンテージTシャツをネットの古着屋様で見つけます。

ボトムに黒を合わせたいので、黒を含むマルチカラーを探していました。

そんな時に素敵なこちらを発見↓。

洗濯前の状態:何も問題が無いように見えます。ボーダーは生地の切り替え、胸と背のプリントは塗装タイプ。

なぜこちらを選んだかの理由は、丈が70cm以上あったからです。

ボトムにはレギンスのようなフィットしたパンツを用意しており、それも同じ「アディダス」でした。

ヒップがすっぽりと覆われるようなロング丈をしぼって探すと、ほとんど無いことに気づきました。

Tシャツは、メンズであっても65cm辺りの着丈が平均であり、70cm以上ものロング丈はなかなか見つからなかったのです。

そうした時にこちらはサイズがメンズのL以上のもので、丈も75cmくらいあったのでした。

古着購入の到着後必ずやることがあります。

それは「洗濯」。時にはクリーニングも。。

そうして、自身のスタートを切る節目としています。

古着は洗濯がされていないものもありますし、洗濯の仕方1つにもその仕上がりの香りが自身の思う香りと違ったります。

「柔軟剤」が広がったような香りは違和感を感じます、無臭が一番だと思っております。

そして、洗濯をした後、事件は起こりました↓。

洗濯後の状態:わずかにロゴの塗装が前側も背中側も残っていますが、ほぼ全滅です。しかもベタベタします。

これでは、古びた感じの印象にもなってしまいますので、着用する気持ちにはどうしてもなりません。

まず、この原因を考えてみます。

おそらく「PVC」のような劣化する印刷塗料が、長年の時を経て劣化したのだと思います。

おそらく、30年前の1980年代後半あたりのお品だということです。

30年ともなれば通常は立派なヴィンテージ物。

30年も前のTシャツというアイテムが残っていることがミラクルで素敵なことなのですが、こんな状態では、ヴィンテージとはもはや呼べません。

販売業者様へは苦情を申し出まして(直電)、「無責任さ」を追求しました。

刺繍のロゴの場合は、素材が糸なので永久的ですので劣化の心配はないです。

また、アップリケも布であれば永久的です。

アップリケが合皮の場合は将来劣化が予想されます。

今回の科学的な塗料も詳しい素材までは分からないですが、おそらく、空気にふれた瞬間から劣化が始まるPVC、合皮などと同じ性質を持っているのだと思います。

ここで勘違いしてはならないのは、大切に引き出しにしまっておけばよいではないかというと、保管の引き出しの中で空気に触れているので、同じことが起こります。

ということで、ヴィンテージ物で気を付けたいことは、「塗装」タイプのプリントの劣化です。

決して「塗装」タイプを選ばないというのが正解だと。

同じ「ロゴ」なら、刺繍や布製のアップリケに注目していくことがお勧めとなります。

この「塗装」と「プリント」の違いを次の類似のメッシュ素材のTシャツでお話致します↓。

質の良い、マルチカラーのメッシュTシャツは永久的な作り

「カステルバジャック」のキャラクターメッシュTシャツ、ポリエステル/100%:イタリア製。

このたび塗装部分が劣化したTシャツと似たメッシュ素材です。

おそらく、ゴルフなどのスポーツシーンに向けられたTシャツかと。

マルチカラーが楽しく、当ブランド様らしい遊び心があります。

明らかにこちらの方が、何も問題なく今後も安心してそのままの状態で着用して行けるのです。

幅広い視点は大切で、「このブランドで」と決め過ぎて、間違った選び方をしてしまった購入者にも責任はあるのです。

ただ、こうした将来の状態を想定した気配りは、「古着屋」様がやるべきことだと思います。

「商品を仕入れ、横に流すだけが仕事なのですか」という自身の追求に対して、古着屋様は「今後気を付けていく」とのことでした。

あとがき

いくつかの購入の失敗をしながら、その学びを新しい知識として他の人に伝えていく役割は実際に購入してこうした事件が起こった自分にあると思っています。

実は、1つその後のアイデアが生まれています。

「リメイク」に当たると思いますので、その後の「転売」は一切不可になる行為ですが、自分使いだけなら正当な処置となります。

それは、更にお洗濯でブラシなどを使ってロゴを完全に消滅させてしまうのです。

そして、ロゴが付いていた正面だけに左胸かVネックの先端の下あたりに、「アディダス」の別のどうしようもない捨てるような古着の「ワッペン」を移植するのです。

移植方法は、ボンドで軽く貼って、ミシンで色がなじむ糸でステッチで固定するというやり方です。

これなら、がっかりした後の立ち上がりとして、せっかく金銭をはたいて購入したヴィンテージの品物が活きるのではないでしょうか。

1つの箇所がだめになったとしても、別の切り口で活かす方法はないかと考える「アイデアの考案」もこうして起こってしまったどうしようもない事件の対処方法としてあるのではないでしょうか。

波打ち、うねりを解消するファスナーの取り付け方【28】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

バッグのファスナーというのは、玄関のようなもの。

整ってスッキリしている状態がやはりグッドです。

今回は、ファスナーがものすごく波打って出来上がってしまったバッグについて、リフォームのような作業をしながら、その波打ちを解消していきたいと思います。

そもそもファスナーが波打つ場合とそうでない場合の違いは?

どんな場合でも大きく波打つというわけではないです。

大きな1つの原因として、ファスナーに縫い付けられる生地があります。

ファスナー自体は大きくはそれほど伸び縮みするものでは本来ないと思います。

ただ、ファスナーに縫い付ける生地があまりにも伸びる生地だったり、洗濯によって生地が縮み、そのパワーでファスナーも一緒に動くという物理現象があったりします。

今回の私の例では、前者の、生地がよく伸びる生地であることが原因となります。

ニットだから伸び、織物はそれほど伸びないというのが一般的な考え方ではあります。

今回は、しかしながら、ニットではなく織物なんですね。じゃあなぜ。。。

フクレジャガード素材で作ったミニボックス型ショルダーバッグ:ポリエステル/100%
・・・メインファスナーが特に大きく波打ってしまっています。
驚くほどファスナーがうねっている口布:これは気持ちの良い物ではありませんね。
ファスナーも開閉しにくそうです(*_*)。

織物ではあるのですが、フクレジャガードという名前が付いていて、ぷっくりと膨らんだ立体的に見せる加工がしてあります。

当然ながら、ぺったんこの平らな生地からつまんで、膨らませる分の余分な生地が膨らみになりますから、その余分なスペースが結局ゆとりであり、伸びるといった現象になって現れることになります。

なので、ある意味、目のしっかり詰まった固く編んであるニットよりも伸び率が大きいかもしれません。

このブログ記事のちょうど1つ前の【27】の記事では、同じミニボックス型ショルダーバッグが完成した記録を掲載しました。

その時の紺系のマルチカラーの変わりボーダー柄はニット生地だったのですが、この問題が起こっていません。

ということで、フクレなどの加工物は織物であってもニット以上に伸びる生地のゆとりが多く、注意が必要だということです。

一筋縄ではいかなかった波打ち解消の作業

まず、とりあえず、ファスナーを取り外さねばなりません。

今回の場合お直しが可能な物理的状態にありました。

よって、ファスナーに縫い付けてある口布部分のみを糸を切って取り外します。

口布の部分の、ファスナーが縫い付けてある箇所のみ、リッパーで慎重にほつきます。

このデザインだからできることであり、また、このデザインだからこそ、波打ちが目立つとも言えます。

そして、ファスナーが綺麗に取り外せたら、伸び止めテープを貼るという対策をしました。

伸び止めテープは本当は黒の方が良かったですね。いや、たとえ黒であっても飛び出さないようにわずかな隙間に隠さねばなりません。

よって、9mm巾の伸び止めテープを縦に、半分にカットして、4.5mmにして使います。

伸び止めテープ9mm巾を半分に縦にカットして、4.5mm巾で使用します。
もともと細い幅のテープを使用した方が当然綺麗です。

これで、表から見えることがなく、中に隠せるかと思います。

そして、アイロンで、生地側に飛び出さないように気を付けて接着します。

伸び止めテープを口布の裏側に接着します。

そして、ミシンでファスナーに縫い付けます。

その出来上がりが、こちら。

伸び止めテープを1枚仕立てで貼った状態:残念なことに、それほど貼っていない状態と変わっていませんでした。

あれれ?。

あまり変わり映えがしませんね。とんだオチでした。

結果的に、伸び止めテープを1枚仕立てで通常のようなやり方では、通用しなかったのです。

分かりやすく、ビフォーアフターで比べてみますね。

左:伸び止めテープを全く貼っていない状態 右:伸び止めテープを1枚仕立てで貼った状態
・・・それほど変化がなく、波打ちが解消されているとはとても言いがたい状態ですね。

ということで、いったんエラーということになります。

そこで、次の対策として、伸び止めテープを重ねて貼ることにしました。ただ、2枚だとあまり変化がなく、またやり直しになるかもしれない手間もあり、思い切って3枚重ねです。

その結果がこちらです。

伸び止めテープを3枚仕立てで貼った状態・・・・かなりすっきりしましたね。波打ちがかなり解消されています。

分かりやすく1枚仕立ての状態と並べますね。

左:伸び止めテープを1枚仕立てで貼った状態 右:伸び止めテープを3枚仕立てで貼った状態

だいぶ、良い状態に進んだようです。最初と比べれば、劇的ですね。

上:伸び止めテープを全く貼っていない状態 下:伸び止めテープを3枚仕立てで貼った状態

次は、段階ごとの移り変わりも見てみましょう。

とりあえず、解消はできたということです。

ただ、完璧に波打ちがなくなったとは決して言えません。あくまで解消の領域内であり、完全に成功ということではないのです。

これが厳しい現実です。

完璧に波打ち/うねりは無くせるのかどうか

ところで、完璧に波打やうねりは皆無にできるのでしょうか。

これは、おそらく、不可能だと私は結論付けました。

ただ、劇的に解消はできるという検証結果がこのたびのリフォームで出ました。

ニットの生地とか、伸びるような生地を使う宿命として、この現象はどうしても起きてしまう仕方がないことです。

が、今回これほど劇的に解消できたのは、良かったことです。

あとがき

今一度最後の方の検証結果の所を振り返りますが、今回のうねりの解消で、完全には「うねり」現象は、完全にはぬぐい切れないものだということを結論付けました。

それなのに、このバッグを作って行くの?ということになります。

ということで、最終的な結論は、「こういった完全が実現できないようなデザインは作るべきではない」というものです。

私は大切なことを忘れていました。

一度考えたので作り続けていかなければいけないのだという固定観念。

これは間違いで、自分が腑に落ちない状態にしか出来上がらないものを製作するのかというそもそもの最初の時点の判断を、「製作しない」というジャッジにするということもできるのです。

まあ、そこまでということであれば、少なくとも、今回のフクレジャガードはファスナーと組み合わせるべきではなかった、ファスナー仕様の無いバッグのデザインに製作するべきであったと言えます。

これこそがこのたびの最も重要なポイントです。

どんなお品でも綺麗に出来上がることができないものはそもそも作らない、ということで、「切り捨て」の大切さがあります。

切り捨てるなんて冷たいようですが、悪いお品を商業利用することこそが一番冷たいことなのです。

ニット生地をそのまま織物生地と同様にバッグに製作して何か問題があったかどうか【27】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびは、ニット素材でピンと来た生地に出会い、バッグに製作していきました。

特にニットになったからと言って、糸を変えるわけでもなく、いつもの布帛(織物)と同じように製作していきました。

今回は、そんなニット生地でバッグが製作可能なのかどうか、何か特別なことをする必要があったのかなどをポイントとしてご紹介したいと思います。

マルチカラーが美しいニットジャガード生地

イメージとは裏腹に、ニットは、意外と作りやすい生地もあるようです。

見た目の雰囲気がぐんと柔らかい印象になります。

織物だけに留まらないことで、また1つ展開が広がります。

表地(ブルー系マルチカラー):ニットジャガード、ポリエステル/60%、綿/30%、アクリル/10%、日本製。

ニットは、両端の耳の部分がくるりんとロールすることがよくあり、その部分は扱いが難しいです。

このロールした隅っこの部分は最初から裁断を避けました。

どうしても使いたい時は、アイロンで伸ばしてから芯地を貼って固定することをすれば使えるようです。

裏地も同じようなテイストを保った方が統一感が美しいであろうかと、同じくニット生地で。

裏地(薄グレー):スポーツメッシュ、ナイロン/96%、ポリウレタン/4%、日本製。

とても面白い生地です。

ニットの良さは、作業の途中で布の端がぼろぼろほつれてこないことです。

ゴミが出にくいといいますか、素材がきちんと固まって安定しているといった感じです。

バッグにピンタックつまみステッチを入れることの効果

このたびの製作過程におけるポイントの1つとして、ピンタックつまみをしてボックス型をシャープにはっきりと表現したという点があります。

これは、元の素材にかかわらず、良しあしが自身の作業にかかわってきます。

が、決して難しいものではありません。

ピンタックつまみのやり方:底のマチ厚くってある状態の最終で行います(左)。
ものさしで幅を均一に測りながらアイロンでマチと同幅に折り目を付けます(右)。

折り目を付けたら、その折り目の端から2mm程度をミシンでステッチします。

この作業をサイド4か所と底部分前後で、合計6か所行います。

そうすると、かっちりとしたスクエアなラインができました。まるで紙袋のようです(^-^)。

ピンタックつまみにより出来上がったスクエアなボックスライン:かなり美しいものになります。

整っていて素敵なボックスラインができあがりました。

一方裏地も同様ですが、裏地で視界には入りにくくとも、同じようにピンタックつまみをしてサイズを合わせます。

ピンタックをしないとサイズが4箇所分の口の1周の長さが2mmx4=8mmずれるので、しわが寄ったりして綺麗にできないです。

ピンタックが飛び出る向きが裏地の場合見えない部分に飛び出し、バッグを覗いた時はへこんだ部分が視界に入ってくるということになります。

裏地にもピンタックつまみステッチをほどこします。
この向きで行うので、ピンタックのステッチは裏側にミシンをかけることになります。

こうして、凹凸がうまくピンタックの箇所で表地と裏地とで合体してバッグを安定へと導きます。

完成品を見て厳しく自分で評価した記録

では、完成したということで、10枚の写真をご覧くださいませ。

<サイズ>:縦19cmx横30cmxマチ60cm。
<ショルダーのサイズ>:幅1.2cmx長さ63/123cm。

糸はテトロン糸を使用しましたが、スパン糸でも問題ないと思いますし、ニットであることの違和感は感じない生地でした。

生地によっては影響ある場合もありますし、接着芯をニットでなじませて、表地も裏地もニット素材で合わせたこともスムーズに縫える工夫かもしれません。

それで、全体を通して思った私自身の辛口な感想です。

バッグが小さくて柄が生き生きと出ないので、大きなバッグを作ってみることで最初に見た生地の迫力とか感動をもっと削がれずに感じてもらえるかもしれないと。

あとは、口布ファスナーがカジュアル過ぎます。

ここ辺りで、この口布のファスナーの仕様を卒業だと感じた瞬間がありました。

結構見た目がエレガントな生地に対して、ファスナーの仕様がやや粗い感じが否めませんでした。

ピンタックに関してはその効果が出ていて今後も別のバッグにも取り入れていく程腑に落ちました。

あとがき

やはり、このデザインは平凡です。そして、粗い入り口の作りです。

きちんと縫っても、そもそもデザインがまずいと感じています。

しっかりと縫っても、ファスナーの両端付近の空きが気になり、カジュアル過ぎて、機能としてもめいっぱい口が開かないという欠点が見られます。

そろそろ、この入り口の仕様に限界を感じています。

自分使いを越えた商業利用には到底ありふれたものの領域を超えることが無いと厳しく判断。

まだまだ長い道のりです(^_^;)。