メイン製作と何ら区別無い裏地付きの製作スタイル、ファスナーをしっかり付けた半月型マチ無しポーチの可能性【67】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびは、【38】の投稿でご紹介しました「ビッグボストンバッグ」製作の残布を利用しましたはぎれ製作です。

残布は、メインバッグ製作中はも臨時で必要なケースがある場合まで保管。

完成した後で使用という順番が望ましいと思います。

メイン製作で追加したい小さなパーツなどは残布から利用できることがあるからです。

このたびのはぎれ製作でもボストンの時と同じ組み合わせでパープル系小花柄のナイロンオックスとジャガードまだら柄のパープルコンビ。

ファスナーをしっかりと取り付けストラップを付けることで、小さなバッグのような存在になったところが特徴です。

ポーチとバッグの中間的存在、ファスナーがしっかりと付いた半月型ストラップ付きミニポーチに見込める多数の使い道

表地(右):ナイロンオックスプリント(はっ水加工)、ナイロン/100%、日本製。裏地(左):ジャガード、ポリエステル/100%、日本製。
はぎれ製作はメイン製作とコンビを変えることがありますが、このたびは同じ。パープル系は人気カラーです。

では、製作場面の中で、裁断やファスナー付けの部分をご紹介しながら完成まで行きたいと思います。

本体の型紙:縦12.5cmx横20cmの長方形の両端底を半径5cmの円の一部のカーブで形作ったもの。
その後パーツ自体も粗裁ちするやり方に変えました。2019年は先に生地のみで裁断後接着芯貼りの順番。
ファスナー取り付け:カットしたファスナーの両端に事前に表地でカバータブを設置しておきます。
ファスナー縫い付け(2連):タブの底辺ぎりぎりから始め、タブが飛び出すようなバランスで。ステッチは二列。
半月型ストラップポーチ完成:<サイズ>縦9cmx横15/17cmxマチ無し。ストラップタブは角カンで設置。
しっかりとファスナーが取り付けられた様子:サイズを変えれば、このやり方をメインバッグに引用できます。

あとがき

「外表」の組み立て式の作り方は、ひっくり返しに限界を感じたことから考案した作り方。

「中表」で最後までいくやり方は、頭の中に出来上がり構造の展開図が浮かびにくく、そういった想像が苦手であった悩みの打開策でもありました。

「外表」の良い点は、ファスナー仕様において心配されるファスナーへの無理強いによる負担などが無いこと。

しかし、裏地の色によっては表地の隙間から生地がのぞくという事態になります。

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.10.07からおよそ5年半後の2025.03.08にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

2025年でもこの「外表」製作には気持ちに引っ掛かりがあります。

伝統的な「中表」でひたすら作っていくやり方の意味をもう一度理解しながら、伝統的なやり方を実際に行ってから最終的な選択をしていきたいと思っています。

ただ研究期間の技術力もままならない2019年において、様々なデザインに挑戦できたことは、他でもない「外表」で進めていったおかげだったのです(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク

高級生地はむしろ共布ひも、既製品のひもよりも原価が下がる美しい形状記憶大花柄のコロンとした巾着袋【66】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2019年では高級生地を使わせたいただくハンドメイドバッグ製作に取り組みました。

高級生地のはぎれを隅々まで有効活用し、メイン製作後の残布で小さなサイズの袋物やポーチを作ってそちらも製品化。

2点が完成することで、原価を下げる一手になりはしないかと考えたのが2019年の考え方です。

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.10.06からおよそ5年半後の2025.03.07にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

この考え方は、いかにも「生地頼み」の考え方であったと後に見直すことになります。

とはいえ、「縫製」に伴い「裁断」が存在する製作では、必ず残布が出るのは致し方が無いことであり、運命のようなもの。

はぎれを有効活用する工夫は決して間違いではないのです。

ただ、もう1つ余分に作れたことで原価を下げることができるという考え方は、いささか浅い考えであったかと。

このたびはフランス製の形状記憶生地のぼかしプリント素材が結構多めに余っていましたので、これを材料にミニ巾着袋を作った記録を綴ります。

元のメインバッグ製作は、【24】の投稿の「メッセンジャーバッグ」でした。

薄手生地の一重仕立てに利用、地縫い後2枚をまとめて三つ折りする始末で作ったころんと丸い共布ひものミニ巾着袋

使用生地(ブルー大花柄):タフタプリント、ポリエステル/100%、フランス製。

はぎれの余り具合としては、なかなかの分量、巾着ひもも共布で作った点が特徴です。

はぎれにしては余った方、本体パーツ縦30cmx横25cmが2枚確実に確保できました。

型紙を使わない裁断:後で猛省することになりましたが、型紙を使った方が丁寧で緻密な製作になると思います。

この反省は後の製作に大きく影響したことであり、はぎれで作る製作品をバイヤスで見ていたのです、「どうせはぎれで作るものだから」と。

その考え方を大きく改め、すべての製作をフラットに見て、小さくも大きくも関係なくすべてに平等に熱を注ぎ込む製作スタイルへと変えていったのです。

このフラットな見方は、時間をかけた製造者本人の苦労の成果や可能性を自ら決めてしまうことを見直したものになると思うのです。

2025年であれば、これを裏地付きで迷わず製作すると思います。

サイドの地縫い:上から10cmの地点からのスタート。縫い代1.5cmで、その後7.5mmずつの三つ折り。

この後、巾着ホールを作る手前の、「コの字」ステッチをしました(画像省略)。

「コの字」ステッチの詳細については、ここにスポットを当てながら後のブログ記事でメインに取り上げた内容の記事がございます。

巾着ホールの三つ折り:最初の縫い代始末用の三つ折りステッチが内側に隠され表には出ていないという構造。
マチたっぷりのミニ巾着袋(共布ひも仕様):<サイズ>縦14cmx横14/25cmxマチ10cm。

このサイズ感でのマチは結構大きめ。

少し型破りなバランスのおかげでころんとした出来上がりになりました。

あとがき

冒頭でも少し触れました、残布への考え方のその後の発展をもう少し深堀りしたいと思います。

2019年当時は、こうして残布をできる限り使って最大限のサイズで作ることができるいろいろなデザインにトライしました。

その結果は惨敗であり、「何に使ったらよいのか分からない」というようなフィードバックをいただいてしまったのでした。

2025年では、「現実的に使う気持ちになるポーチとは。。」を熟考、「通帳サイズ」「スマホサイズ」。。などとはっきりとしたサイズ感を表示しながらサイズ違いで6種ほどのポーチを考案。

ただ、この時のこの巾着袋、現在も使わせていただいております↓。

シンク用ストッキングネット入れとして使用の2025年現在:ちょっとした容器があると便利な場所で活躍。

「巾着袋→入れ物へ」という使用例は、衣・食・住すべての分野に有効。

入れる中身がにある程度融通が利くのもプラスチック製ではない布製のメリットなのです(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク

両開きファスナーにはうねり防止の伸び止めテープ、生地の質も相まって整った風通ジャガードバニティーバッグ【65】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ただいま、シリーズとして、同素材で5デザインのミニショルダーバッグを作っていく「同素材シリーズ」というハンドメイドバッグ製作を続行中。

①ドーム②バニティー③巾着④ボストン⑤リュックとバッグの中では伝統的な立体感ある超オーソドックスなデザインでミニショルダーバッグが出来上がっていきます。

このたびは、②バニティーが完成した場面をお届け。

特に、両開きファスナーが本体にどう合体していくのかという裏側の様子も知っていただくことができます。

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.10.05からおよそ5年半後の2025.03.06にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

2025年からの目線も交えながら、課題点などを客観的に挙げていきたいと思います。

<同素材シリーズ:バニティー-後編>必ず見つけられる黒のダブルファスナー、バニティーバッグをうまくまとめてくれた

あらかじめ「中表」でひっくり返した後「外表」組み立てのやり方の中でも特殊な「中表無し」のやり方。

2025年の見解では、短い辺の両サイドを空き口として、長い上下の辺は「中表」でひっくり返した方が作りやすく辺のラインがまっすぐに仕上がると考え直しています。

今までのどれでもない方法です。

同じように表地と裏地がくっつくにしても複数の経路があるということですね。

完成した本体パーツ(左上)と蓋のマチパーツ(右下)に縦半分にカットした黒の伸び止めテープ(平)を接着。

本当はファスナーに貼りたいところなのですが、貼りにくいので生地の方に貼っています。

ファスナーの取り付け:左上から右へ、本体パーツ(下側)と蓋のマチパーツ(上側)をファスナーに縫い付け。

よく見ていただきたいのが、2列で縫い付けていることです。

ファスナーの横の端からわずかな場所に2列目が載るようにという技術が必要です。

「中表」ひっくり返しの伝統的なやり方では、おそらくステッチは1本、ファスナーの横の部分は生地の中に隠されます。

しかし、「外表」のやり方はファスナーが全部丸見えなのです。

ファスナーヒラヒラ不安定な1本目のみのステッチの状態を、2本目のステッチが大きく貢献。

ファスナーが生地にすっきりと密着してくれるためのどうしても必要な2本目なのです。

立体的な部分:先に側面が設置されたファスナーと蓋のマチを合体しておいてからペタンコの蓋と合体の順。
バニティーショルダーバッグ完成(パープル系ボタニカル柄):<サイズ>縦19cmx横22cmxマチ12cm。
お洋服とのコーデ例:アイテムはすべてネイビーです。少し青っぽさが入るバニティーバッグに合うのではと。
外表の製作気持ちの上での引っ掛かり:この隙間から裏地が見えること。実は製作者本人が気になっていること。

中表の伝統的な手法にはこの解消の意味もあるのではないかと思うと、そのやり方で仕立てていないことで気持ちが引っ掛かってしょうがないのです。

確かにこの「外表」作り方だったからこそ一歩難しめのバニティーに足を踏み入れることができたことがまずは認めたいこと。

ただ、今後もたくさん作っていき、この手法をご紹介していくことを考えると、自分がまだ腑に落ちておらずなかなかお勧めすることへの気が進みません。

2025年の内に、引っ掛かりの気持ちを解消すべく、伝統的なやり方をやってみようと考えている現在です。

あとがき

実は、このバッグは結局研究製作として自分使いに行き着きました。

2025年の姿はこちら↓。

2025年の同じバニティーバッグの姿:ショルダーは廃棄。なんとベープマット入れに。。金属パーツは色褪せ。

すずらんループエンドの方は、マイクロファイバーふきんでお水で拭きますと蘇りました。

しかし、Dカンは、同じように拭いてもツヤが戻りません、湿気などでメッキがはがれたと思われます。

5年半経っても何も変わっていないのが、元のイタリア製の高級生地の風通ジャガードでした。

こうして考えると、やたら金属パーツを取り付けることの無駄とデメリットを感じます。

金属パーツなど最小限で良いということです。

2019年当時の不足した技術力の割には、まずまずの出来だったバニティーバッグ。

これは、他でもない生地の良質さにあり、ややごわついた質感の生地が製作をスムーズにしてくれていたという感触。

バニティーバッグは、厚みは控え目である程度ごわついた生地が向いているのかもしれません。

難関を突破するべく頑張るというのではなく、「難関を作らない」という作りやすい仕様を考えること。

この考え方こそ今後目指すべきベクトルであると、難しめのバニティーバッグの製作が教えてくれたのです(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク

見えない場所でも一番力のかかる場所、バニティーバッグの要のてっぺんの取っ手を支えるハード厚芯の存在【64】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在ハンドメイドバッグ製作では、「同素材シリーズ」という名前で同じ素材を使ったデザイン違いの5点のミニショルダーバッグを連続製作しています。

表地-風通ジャカード、綿/54%、絹/26%、ナイロン/20%。イタリア製。裏地-ラメツインクルサテン、ポリエステル/60%、ナイロン/40%。日本製。

黒ベースのパープル系の組み合わせとなります。

あえて、同じ素材を共通にすることで、生地頼みの製作ではない、製作者からのアウトプットも生まれるような切り離した考え方を持ちたいと思いました。

切り離して考えることが、最終的には「素材への感謝と敬意」になってゆくのです。

優れた生地はありがたく材料として使わせていただくものであり、コラボしながらも依存し過ぎないこと。

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.10.04からおよそ5年半後の2025.03.0.5にブログ記事の「見直し」で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

バッグの製造から生まれた新しいメッセージもその素材の素晴らしさが引き立つよう相乗効果を生むのが目標です。

上述のようなことは、当時の2019年では到底考えつかなかったことであり、2025年の綴り直しで加えました。

このたびは、全5モデルの①ドーム②バニティー③巾着④ボストン⑤リュックの内の②の前半。

後半で完成ですので、完成したバニティーバッグは次の【65】でご覧いただけます。

製作の前半の当記事【64】では、バニティーショルダーバッグを支える取っ手の設置の場面にスポットを当てました。

<同素材シリーズ:バニティー-前編>バニティーバッグの取っ手の固定のみならず面全体を「ハード厚芯」で頑強にした

草むしりをする際に、スローモーションでその様子を見てみると、草周辺のみならず広範囲にわたって土が動く様子が捉えられます。

バニティーバッグの取っ手を実際の使用の際に持ち上げている力のかかり具合は、この草むしりにヒントがあるような気がしました。

取っ手のみを部分的に頑丈に縫い付けるだけではなく、この面全体の強靭さが必要であると解いたのです。

ハード厚芯:後に考え直し、縫い代まで突入するとカーブラインが出にくいので縫い代除く全面に貼るよう変更。
ハード厚芯の実物:1mmとはいかないまでもかなりのボリューム。重みもありますので部分的な使用をお勧め。
取っ手ホールの片面ハトメ:このシリーズはすべてこのホールに取っ手を通す取り付け方で行きます。

写真の左は、素材特性上マジックでも印が付かないので、原色カラーの目立つ色の糸で打つ場所のマークをしたのです。

写真の右は穴を開けた直後に「プライヤー」で「片面ハトメ」を設置。

力がかかる取っ手の部分でありながらスタイリッシュに取り付ける1例として、比較的持ち上げる重さが無いミニバッグでは大丈夫だと考えました。

大きなボストンバッグに使用するなどくれぐれもしないように注意喚起したいと思います。

取っ手取り付け完了:内側もすっきりとまとめました。三つ折りがストッパーの役割です。
裏地の裁断:YouTube動画内では、裏地のファスナーポケット製作の場面も出てきます。当ブログ記事では割愛。

あとがき

2019年は、研究段階であることもあり、ミニサイズのバッグだから通用するような条件付きの作り方でした。

2025年現在では、すべての素材に対応でき、どの素材が来ても同じように作れるようなノウハウに絞り込みました。

よって、2019年の片面ハトメを利用させていただいた取っ手の付け方は「条件付き(ミニバッグに限る)」ということになりますので、2025年では廃止しているのです。

ただ、バニティーのデザインを応用し、取っ手はリュックの補助的存在で、縫い付けタイプに、そして横に広がったタイプで今度はリュックとして作ってみようかと。

縦リュックが難しい理由は、「わ」に縫う際にトンネルみたいにミシンに隠れて見えないのです。

よって、ミニバッグ程度では可能であった縦の長さの分横に広がって容積を確保するという考え方です。

こんなアイデアが2025年で浮かぶのも、間違いなくこの2019年の製作の体験があったからなのです(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク

<仕立て直し>過去の自作品のクラシックな薔薇柄のビッグバッグ、取っ手も一繋ぎのランチバッグへ変身【63】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

思い出してみると確か2010年前半、インテリアコーナーにあったクラシックな薔薇柄の生地を自作のビッグバッグに一重仕立てで調達。

きっかけは、勤め先の同僚の退職の際にお礼を込めた贈り物として見つけたものでした。

その後、別の柄に変更、クラシックな薔薇柄は自分使いへ。。

当ブログ記事は最初の投稿の2019.10.03からおよそ5年半後の2025.03.04にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

2019年当時でもかなりの年数が経過したビッグバッグを仕立て直すという決意、当ブログ記事ではサブカテゴリーとしてタイトルの頭に<仕立て直し>を付記したものが当投稿の他にもいくつかございます。

さらに初製作のビッグバッグぁら10年以上が経過したと思うのですが、現在こうしたクラシックな薔薇柄を日本製でインテリア生地のコーナーで見つけることがなかなかできないのです。

生地としてはヴィンテージ感溢れた貴重なもの、こういったクラシックな柄の生地を今後も大切に利用させていただくためのリフレッシュのような意味でも非常に有意義な作業なのです。

ビッグサイズのバッグの出番の無さと、2010年代前半の製作時の粗さが気になり、2点の小さめバッグを製作する分量が解体後に見込めました。

その内の1点、取っ手一繋ぎのランチバッグをこのたびはご紹介したいと思います。

中肉オックスフォード生地が向いていた、ビッグバッグを解体して作り直した取っ手一繋ぎのランチバッグ

一度大きな買い物バッグにして使ってきましたので、過去の自作品のリメイクというスタイルになります。

2019年から見て5年以上前の生地、当時生地情報を記録しておらず大変恐縮でございますが、予想を明記しました↓。

生地名不明(オックスフォード)、混率不明(おそらく綿/100%)、原産国不明(日本製だと思います)。
型紙:シンプルな2種のみ。本体を取っ手と一繋ぎにレジ袋風、タブにマジックテープを付けていきます。

こうした一繋ぎ型は、結構面積が必要、元々ビッグバッグであったことのゆとりが活かされます。

U字のくり抜き部分にタブパーツをはめ込むことで無駄なく生地が利用できます。

左右共、カーブの部分に伸び止めテープのバイヤス9mm幅を、丈夫さと三つ折りの融通で貼ってみたのです。
あらかじめ三つ折り:縫い代を先に始末しておきました。一重仕立てでよく使うやり方。7.5mmずつ折りました。

縫い合わせる時には、三つ折りの際(きわ)を縫っていきまして、しっかり両割りします。

右下は、マチを底面に向かってそのまま折り曲げて縫い代同士の範囲で縫い付け。

マチの始末:上の写真の右下の一段階前にこのようにマチ縫いをしてあるのです。カットしないやり方です。
タブ作り:中表をひっくり返すやり方。この時は縫い代1.5cmでしたが、後の製作では共通に1cmに見直し。
入り口の開閉の様子と底のマチ:左上から時計回りに、入り口閉じ→入り口開き→底のマチ7.5cm幅のサイズ感。
ランチバッグ完成:<サイズ>縦13cmx横24cmxマチ7.5cm。小さめなランチバッグと言えます。

あとがき

取っ手一繋ぎタイプの良さは、力のかかり具合がある場所1点に集中し過ぎない点。

取っ手をどこかに縫い付ける場合は、その縫い付けの部分が途切れているので、その継ぎ目部分にどうしても力が集中しがち。

一繋ぎのこのたびのタイプは全体を持ち上げていまして、取っ手自体が両サイドに広がって配置してくれる点も使い勝手の良さの1つ。

こうして、仕立て直しをして感じたことは、少し大げさですが「人生における分岐点のような心地」です。

きっかけにこうしたリフレッシュの機会を得たようで、そもそもこの行動自体を促した元の変化を求める気持ちが自分の中にあったということなのでしょう(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

取っ手の付け根のワンポイントに、ハトメの穴に通す取っ手の付け方はミニバッグならではの特権【62】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在ハンドメイドバッグ製作におきまして、「同素材シリーズ」という企画を始めております。

【61】の記事からスタートしておりまして、デザインは全部で5つ、①ドーム②バニティ③巾着④ボストン⑤リュックです。

どれもミニサイズですが、150cm幅の生地1.5m内で有効活用しながら5点を連続製作予定。

このたびは、①ドーム型の後半部分の製作を含む完成場面です。

<同素材シリーズ:ドーム-後編>力がかかり過ぎないミニバッグに有効、スタイリッシュな取っ手が実現の片面ハトメ

以前の製作の巾着バッグでは、アルミ素材の片面ハトメ用にセットになっている「プライヤー」を使う方法と、硬め素材の片面ハトメ用に打ち台などのセットで行う方法の2通りをやりました。

パープル系のマルチカラーの生地に合うのはシルバーカラーであると判断し、アルミ素材の方の「プライヤー」を使用しての設置を選択。

穴をポンチでくり抜く作業は、共通で金づちで打ち込み作業があります。

片面ハトメの設置:左上はポンチで穴開け場面、右下は「プライヤー」でカシメて取り付け場面です。

以前の片面ハトメの打ち込み場面でもミスをしていたのですが、まだこの時知識が足りず、下にダンボールを敷いてしまっています。

画像や動画が当時のままであること非常に申し訳ございませんが、これは実は悪い例。

汚れ防止に新聞紙を敷く程度は良いですが、平らな硬いコンクリートや厚みのある木製のテーブル上で行うべきもの。

クッション性のあるダンボールを敷くなどかえってずれなどが起こりやすく、失敗の元なのでした。

10mm幅程度の取っ手を製作:直径8mmの穴に10mm幅というのは布製ならではの無茶であり、悪しからず。
完成した取っ手を取り付けた片面ハトメに通します。表側から遠し、通った後に三つ折りしてミシンで縫い付け。

通した後内側で三つ折りを縫い付けることで、穴から表へ飛び出すことがありません、つまりは、ストッパーの役割りをしてくれるのです。

「おにぎり(ドーム型)」完成:<サイズ>縦20cmx横22/27cmx12cm。片面ハトメの存在感は大きい。

非常にスタイリッシュに取っ手の付け根を装飾してくれながら取っ手を通すというホールの役割りの「片面ハトメ」。

コーデ例:バッグ素材に僅かに入る白にリンクの花柄レースカットソー、バッグ生地のエレガントさに寄せます。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.10.03からおよそ5年半後の2025.03.03にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

その後の、バッグのサイド部分の反りの「えくぼ」、随分研究しましたが、正しい型紙が見出せませんでした。

こうした結果のままであることも、そもそもハイブランドバッグのあるモデルへのあこがれ、自らが生み出したアイデアではないのです。

確かにあこがれて長い間好んできた自分使いのバッグでもたくさん持っていた形だったのですが、そういった真似事には結局とことんまで追求する「熱」が続かないものです。

なぜ、このデザインでなければいけないのかの理由が、「あこがれ」というだけでは弱々しいものなのではないでしょうか。

もし、自らが閃いたデザインならば、上手くいくまで粘り続けたと思うのです。

それだけそのアイデア自体が「他人」のものだったということ。

この片面ハトメ含むすべての打ち込みパーツ(ヒネリ錠なども含みます)は、その後はすべてを廃止。

しかし、ひと通りほとんどすべてを一度は体験させていただき「肌感覚」というようなものでその感触を知っています。

なぜ「廃止」を決めたかの説得力としてはちゃんと体験した者のみが実直に語れることだからです。

この度のようなバッグの小ささなら重みが極度に増えず、カシメることで支えられているパーツが維持できるのではないかと、ミニバッグとの相性で成り立っていた製作だと見ることができます。

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書き手:ピクチャレスク

既製品ファスナーのカラーがマッチする貴重な出会いを活かす、ファスナー色に馴染む美しいステッチの出方【61】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびから、ハンドメイドバッグ製作をシリーズごとに括るという企画を始めました。

しばらくは、「〇〇シリーズ」というように製作品を特色あるものに括っていくスタイルで進めていきます。

最初は、ハンドメイドバッグでは何といっても重要な存在の生地を主体にしたもの。

全くの同素材でデザインのく違う5点のバッグを作る、「同素材シリーズ」です。

このシリーズで学びたいことは、同じ素材にそろえることで生まれるデザインの違いの真実。

見かけのかっこよさや流行を取っ払った本当の事を探究したいのです。

元々同じデザインの色違いの展開において、カラーの違いによる優劣の差が生まれることを排除、あらかじめ渾身の1色を選んだ1点物製作スタイルなのです。

このことを更に深堀りするにあたり、全くの同じ生地で同じカラーで数点の別モデルを連続製作していくという企画です。

最初は、難易度の高いドーム型(おにぎりのような形)から始めていきます。

このたびはまだ完成に至る前、ファスナーの縫い付け場面の特に内部にあるステッチ(ポケットの中をのぞいた時に見える内部という意味です)の出方にスポットを当てました。

完成のドーム型ミニショルダーバッグは、次の投稿番号の【62】でご覧いただけます。

<同素材シリーズ:ドーム-前編>ファスナーポケットのファスナーが生地のパープルにぴったりで見つかったケース

このシリーズに使用します表地と裏地は共通です↓。

左(黒地xパープル系花柄):表地-風通ジャカード、綿/54%、絹/26%、ナイロン/20%。イタリア製。
右(パープル):裏地-ラメツインクルサテン、ポリエステル/60%、ナイロン/40%。日本製。

上から時計回りに、元生地→裁断→生地ズーム。

表地のボタニカルな柄の中のパープルの部分と裏地はほぼ同色と言ってよいでしょう。

ファスナーポケット製作の手順(左上からジグザグに):四角くくり抜き→ファスナーと袋の合体→本体へ設置。

このたびの部分は、表側の後ろ面に取り付けるファスナーポケット、既製品の付け位置に習ったものです。

ファスナーを丈夫に縫い付けるために、ファスナー自体に二列にステッチを載せている点が特徴。

普通はほぼ一列しか縫われていないことが多いのですが、実はここは非常に圧力がかかる部分でもあります。

そして、出来上がりもすっきりと、ポケットをオープンした入り口の手前のステッチも美しく二列に出るようにしました。

完成したファスナーポケット:ファスナー周りのボックス縫いも二重(2周します)なのです。

あとがき

「たとえ内側でも視界に入る部分は全て表である」という考え方を徹底、その後もこうした一見内部の場所でも気を使うということをやっています。

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.10.01からおよそ5年半後の2025.03.02にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

このシリーズ企画は、2025年から懐かしい過去の記録ではあるのですが、今のスタイルを作るきっかけに間違いなくなっています。

複数のデザインを同じ素材で作ったことで分かったデザイン同士良し悪しは、後の製作モデルを単一化することに繋がっていきました。

出来るだけ寄り道をせぬよう割愛しましたが、実はこの場面だけでも結構突っ込みどころがあるような未熟さが2019年全体では存在していました。

例えば、黒地であるからと思いっきり黒糸を使用したことでファスナー周りのボックスステッチがやや汚い印象。

マルチフラワーの綺麗な色にバランスをとったトーンダウンしたグレー系のような糸の色を選ぶべきであったのです。

その後はこうした望ましくない判断を根本から見直し、そもそもファスナーポケットで素敵な柄を遮ることさえやめています。

ただ、それもこれもこうした企画でよりクリアになった点が良い機会であったということが何よりの資産となりました。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

残布使い切りをもって該当生地の本当の価値が表れる、高級生地のわずかな面積を利用する小物製作【59】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

冒頭ながらお伝えしておきたいのでが、当ブログ記事は、最初の投稿の2019.09.28からおよそ5年半後の2025.02.28にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

内容においては、確かに当時の未熟さや至らない点もありますが、それも含めてその後の伸びのきっかけとなった時期だからです。

最初から素晴らしいお品を製作することができたかのように盛ることをせず、当時のままをリアルに残しています。

そして、その後の見方も含めた年月の経過の奥行きを盛り込んだブログ記事に深みを感じていただけるようにとこのスタイルにしているのです。

2025年現在でも大いに行っているはぎれの小物製作への利用は、この2019年がスタートでした。

2019年ではたくさん利用させていただいた高級生地のはぎれが多く存在していましたので小物作りも一際注目の作業だったと振り返ります。

にもかかわらず未熟なはぎれ品の姿であった。。という後からは反省する点もあります。

このたびは、1点のはぎれ製作品をご紹介しまして、本製作生地とはぎれに対するフラットな目線の重要さをお伝えできればと思います。

はぎれが生まれる前の本製作品のバッグは、過去のブログ記事【22】でご覧いただけまして、「ミニリュック」製作でした。

もったいない高級生地の残布をきっかけにスタートしたはぎれによるポーチ作り、本製作と変わらぬ仕立てが望ましい

冒頭でもお話しましたように、何しろ2019年が初めてのはぎれの利用を開始した年、最初ははぎれを斜め上から見るようなところがありました。

「どうせはぎれなのだからそこそこで良い。。」などというような。。

それが、当時完成の至らぬ点、写真や動画にも現れていまして、接着芯を貼らずに本製作のバッグと違う「近道」のような仕立てをしていたのでした。

左上はスカーフを使った風呂敷包み、はぎれをまとめて収納。この中からこのたび製作の生地を取り出し。

生地名は、ジャガードプリント、ビスコース/70%、ナイロン/20%、ポリエステル/10%、イタリア製。

製作手順(左上からジグザグに):先に三つ折りで縫い代を完全始末、その後組み立てて完成していくマチ無し。
ブックポーチの完成:単行本が入るようなサイズ感。縦15cmx横24cmxマチ無し。マジックテープで開閉。

2019年では裏無しの1枚仕立てで完成しています。

しかし、どれだけジャガードのしっかりしたごわついた生地であっても裏地が無いことで結局は柔らかさを感じることになり、価値が半減。

その後裏地付けを追加して2025年も健在↓。

その後裏地付けを追加した状態:劇的変化だと思います。フォルムがしっかりとしまして大変美しくなりました。

生地のみに依存するような製作では、最終的なじんわりとした納得感が得られないことを自ら感じました。

その後の端切れを使った製作では、ちゃんと長い目で見るようになりまして、この世に出す以上はいつまでも持ち続けたい「心地」を重視。

何ら本製作品と変わらぬ熱と丁寧さをはぎれ製作にも入れ込むようなスタイルを徹底していく方向になったのです。

あとがき

最後に、「心地」のお話をもう少し踏み込んで終わりたいと思います。

単行本入れとして製作した当初の2019年でしたが、本ケースとしての使い道の他にその他の細かい物を入れた変遷がありました。

ただ、一重仕立ての時代はいつ手放してもいいような愛着の無さも感じたことも事実。

しかし、ある時期(おそらく2023年頃だったかと)に裏地を後付けしてからはポーチが立派になったことで手放したくないという気持ちに変わっていきました。

2019年では未熟な作りも、その後は通用するようなものに発展していったと思います。

技術が未熟な時代から早々と高級生地に足を踏み入れたフライング、随分もったいなかった部分もありますが、別の部分ではこうして貴重な学びもあったのです。

はぎれであっても、生地の姿は本製作と変わらぬ上質さ。

それならば製作も変なバイヤス感を入れずにフラットに見て、すべてを差別なく丁寧に仕立てていくことがベストであると解きました(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

一見バッグには縁遠そうなイメージのニット生地が背中に感じるソフト感、「外表」組み立て式のミニリュック【60】

アイキャッチ画像60

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびは、以前の【58】の記事の続きでございまして、モノトーンボーダーパッチワークのミニリュックが完成致しました。

無彩色のマルチカラー3色の黒、グレー、白は、「スポーツメッシュ」というユニークな凹凸感が魅力の生地。

製作したパッチワークシートから裁断後の「組み立て」がこのたびのメイン場面。

主に、「①ポケット付け」「②金属パーツ付け」「③ファスナー付け」の3箇所、完成前の途中段階の場面も写しながらその出来上がりまでの流れが分かるようお伝えします。

そして最後には、パッチワークのカラーが切り替わるところで糸の色も馴染ませながら交換した手間の成果もお伝えできればと思います。

あらかじめのひっくり返し済みにより生地の厚みの条件無く製作できる、「外表」組み立て式のモノトーンミニリュック

では上述のように、「①ポケット付け」「②金属パーツ付け」「③ファスナー付け」の3つの場面の流れの見方で完成までを追っていきます↓。

①ポケット付け(左から右へ):ポケットは裏地のみの状態で「一番最初」の順番で設置しておきます。
②金属パーツ付け(左上から右に):ポケットの次に作業。取っ手と四角カンタブ(上下)。

ショルダーは、バッグ本体が完成後、本当の最終で設置するというタイミングです。

③ファスナー付け(左上から右に):くり抜き枠に当てはめ設置。ファスナー先端付近の隙間が無い点が利点。
糸の馴染み:生地ごとにステッチ糸の色を交換。手間はかかりますが、これが非常に美しいです。
ミニリュック完成(モノトーンボーダーパッチワーク):<サイズ>縦24cmx横22cmxマチ7cm。

長財布が横向きに入りますので、最低限の横幅。

バッグにはあまり選ばれないニット生地で作った感想ですが、それほど無茶苦茶なチャレンジでもなく可能性があると見ています。

細かい点では、ボーダーの切り替え部分のラインが織物の方がまっすぐなのではないかなどもっと細かく追求していくとデメリットも見えることがあるかと思います。

ただ、こうして作ってみることで、選ぶ素材の可能性がニット分野にも広がる素晴らしさが発見できました。

このリュックを背中に背負うと柔らかな感触。

同じように「感触・心地」から素材を選んでいく際に、寒い冬にはウールの暖かい素材で作ったリュックは、素材自体が「あったか機能」になるかもしれないのです。

非常に素晴らしいことです。

コーデ例:セットアップでは比較的カジュアルな「別珍」の黒に合わせてみました。

あとがき

前半部分の投稿の【58】でもお話しましたが、このたび、カーブを思い切って半径12.5cmというダイナミックなフォルムに型紙を改良しています。

どうでしょう、まず最初に視線が行くのはトップのドーム型のカーブの部分ではないでしょうか。

それだけこの部分が注目の場所であり、ラインの美しさの見せ所なのです。

裁断の時に心配していた端にぼやけたオフカラーが配置されたことは、口布のグレー色でフォロー。

このたびの「外表」組み立て式の作り方は、後のリュック・ボストン・バニティーと複数の立体型のバッグ製作に引用できました。

当ブログ記事は最初の投稿の2019.09.28からおよそ5年半後の2025.03.01にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

2025年では、「外表」組み立て式は採用しておりません。

というのも、ずっと引っ掛かりがあった完全ではない作りという点もあるからです。

2025年では、最初からひっくり返すやり方をもう少し研究して、そこそこ厚手の生地でも対応できるのかどうかの糸口を探してみたいと思います。

どうしても「外表」は裏地が見えてしまい、本来「中表」の目的の1つにそういったことを解消する意味があって採用されてきたことではないかと思うからです。

こうしたことに対しては決して蓋をせず、完全に腑に落ちるまで追求していきたいと思っております(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

同生地の色違いの展開の美しさを見つけた時の判断、1色で複数作るよりも1点をパッチワークに詰め込む発想【58】

アイキャッチ画像58

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびは、ハンドメイドバッグ道の中では3度目のリュック製作。

リュックのフォルムを型紙から見直し、新しいスタイルの製作をしていきます。

以前に製作の2点のミニリュック:角のカーブにご注目を。ここを型紙改良してからのスタートです。
ミニリュックのカーブラインの型紙変更場面:コンパスでよりダイナミックな半径12.5cmのカーブへ。

そして、更にこのたびの製作の特徴は、同じ生地の色違いの展開の美しさをそのまま1点の製作品へ投入するスタイル。

1点ずつを色違いで展開する量産的な考え方とは対極(量産品はライバルですから)、1点に色濃くその生地の色違いの美しさ、または同時に味わえるマルチカラーならではの贅沢な心地を詰め込みます。

ミニリュックの実際の完成は、後日投稿の【60】でご覧いただけます。

このたび綴らせていただきます場面は、3色のモノクロカラーの展開をミニリュックの面積に2度ずつ登場させたボーダーパッチワークシート作りと裁断までです。

同生地の色違いの味わいを同時に1点に詰め込む贅沢感、ミニリュックを作る下準備の無彩色ボーダーパッチワーク

3色以上がマルチカラーの定義、3色集まれば立派に多色が作られるのです。

表地(オフ、グレー、黒):スポーツメッシュ、ポリエステル/94%、ポリウレタン/6%、日本製。裏地(黒):フクレジャカード、綿/97%、ポリウレタン/3%、日本製。
表地のスポーツメッシュはニット、裏地のフクレジャガードは織物。横伸び同士の相性は生地分野の垣根を超越。
ボーダーの幅7.5cmずつで3色を均等に裁断(左上)、接着芯を貼り、1.5cmずつの縫い代で縫い繋げ(右下)。
生地の色に馴染む同色糸で表面からもハギ目の左右にすべて固定ステッチ。その後型紙に当て裁断。
3色ボーダーの並び順(①案):先端付近に強いカラーが配置したことで、この時点ではフォルムがクリアです。

ただ、1パーツ生地の表と裏を間違えまして、反対に出来上がった時点で気付いたのでした。

よってこちらの①案はこの面の向き間違いのミスという理由でボツ。

3色ボーダーの並び順(②案):重い色はバッグの底の方へ。。という理論で並べた配置。こちらで進めます。

トップがややぼやけますが、こちらを採用しました。

ボツの方は後のポーチ作りに再利用していきました。

あとがき

裁断しただけでも顕著に感じたことは、ミニリュックのトップのカーブの美しさとダイナミックさ。

冒頭でご紹介しました、過去の製作品ではカーブが控え目過ぎてデザインがクリアに出ていなかったので、まず1つの改良が成し遂げられました。

この時の、「円の半径を大きくすることでフォルムをはっきりと出すことができる」というノウハウは後の製作に活かされました。

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.09.24からおよそ5年半後の2025.02.27にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

実は2025年現在でもパッチワーク製作スタイルは続行。

生地がもったいなく余った時のまず最初の対処法として行うことが多いです。

それこそ「サスティナブル」の製作スタイルにも大いに通じる部分。

一方でこのたびの製作は、最初からパッチワークを仕立てようとした背景違いのスタイル。

この生地の多色展開の魅力を1点のリュックに詰め込み価値を高めるというスタンスでした。

1色少しずつの生地の調達で成り立つ素晴らしさがあります。

その後、こちらの理由を伴ってのパッチワーク製作スタイルの方も何度かやっています↓。

左上は、この度と同じスポーツメッシュのカラー展開4色で製作のリュック。上の方はオフではなくライトグレー。

ボーダーパッチワークよりもストライプの方が生地が縦長に余りやすく、「上向き」の「運気」も込めてボーダーは現在ではやっておりません。

こうして年月が経過した今も、発展した形に変わりながらパッチワークを使ったバッグ作りのスタイルを続行中なのです。

パッチワークをして製作する定番タスクは、実はこの2019年のモノトーンボーダーミニリュックの製作から始まっていたのだと2025年からこうして懐かしく振り返ったのでした(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク