縦も横も10cm未満のミニポーチは量産品の統一されたサイズ感に勝てるハンドメイド品ならではの武器【193】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイド活動をスタートした2007年の頃、ファスナー付きのポーチを作っていたことがありました。

生地は一重仕立てなのだけれど、ファスナーを取り付けて、小さいサイズのポーチを作ることが手短で複数作れたことがとても楽しく、お店で売られていないサイズ感で製作。

贈答品用にと、複数をまとめて「ヤフオク」や「楽オク(現ラクマ)」でご購入いただいたこともありました。

こういったハンドメイドのミニポーチというのは、サイズ感がレアです。

量産品のよくあるサイズ感ではなかなか実現できない自由を武器にいろいろサイズを試したり、ニッチなサイズに特化することも可能なのです。

特にはぎれでは、余った生地が限られた面積ですので、ミニポーチに仕立て、生地をもったいなく余らせないことはコスパが良いと言えます。

では、このたびは、ここ最近サイズを小さめに改良後の3種のコスメケースをご紹介したいと思います。

小さいケースの価値はどこにあるのか

まず、小さいサイズにある価値を考えてみるところから入っていきます。

大きいポーチに比べて容量が少ないからたくさん入らないのにそこにある価値とは何なのか。

コスメケースの場合、だいたい、よく目にするのは、コスメ類を入れる無難な中くらいのサイズのポーチ1個です。

そこにいろいろ仕切りがあったりして細かい物を入れていくというメインポーチです。

そういうお品は飽きるほど目にしてきましたし、ハイブランド様のお品がメインポーチになることも大いに考えられます。

そこで、脇役的存在のニッチなお品を作る案があります。

名もなき事業者がメインポーチなどとはおこがましい。。その中に更に入れるケースであればハイブランドポーチと一緒に使ってもらえるかもしれないと思いました。

こうして、ケースレベルの入れ物をピッタリなサイズで作っていきました。

以前のサイズはもうひとまわり大きかったのですが、余裕があり過ぎ余った部分が野暮ったいことでポーチの中に入れるケースにはなりにくかったのです。

そして、サイズを程よくもっとミニサイズに縮小していきました。

マルチカラーの和柄のコスメケース3点セットの縮小改良版

そして、実際に作ったのが、こちら。

上から時計回りに、ファンデーションケース、シャドウケース、ペンシルケース。
サイズは、ファンデ:6x9x2.5(cm)、シャドウ:3.5x15(cm)、ペンシル:5x4/7.5(cm)。

以前の洋風花柄からサイズ感を見直したこれらを以前のサイズの同デザインに並べて比較してみました↓。

以前の製作からのサイズ変更。ポーチの中に入れるのだから思い切って小さい方が容量の無駄がないです。

確かに以前のゆったりサイズも大は小を兼ねると考えると無難なのですが、無難にはない魅力がぴったりサイズにはあるのです。

あくまでもケースですので、それを入れるメインポーチがあることを忘れません。

ミニサイズのコスメケースの意外な使い方

使い方次第でどのようにも使えるかとは思うのですが、例えば、バッグが小さくてコスメポーチが入らないなあという場面ってよくありますね。

そういう時に、コスメポーチのあの大きな物体を入れずに、このミニサイズのこまごました3点をそれぞれバッグに直接入れるという使い方ができます。

そうして、ちょっとした化粧直しに必要なメイク道具だけを選りすぐってバッグの中に入れる、そんな使い方ができるのはこのミニケースならでは。

直接メイク道具をバッグに入れるのはいささか気がひけますね。

リフィルが割れてしまうかもしれない、中身が飛び出してバッグの内側に塗り絵をしてしまうかもしれないなど。。

けれどもこのケースにさえ入れていれば。。ということになります。

だからこそ、このケース自体も小さいものながら裏地を設置して立体感ある良質な作りにしていくのです。

あとがき

あらかじめ何を入れるかが決まっているケースのような存在は分かりやすいです。

どんなものでも入るのがメリットだという曖昧なサイズのポーチは結局ブランドロゴで選んだり好きな柄などに注目されます。

一方入れる目的をご提案したようなこの度のケース的なポーチは、「入れ物」という存在なので、きちんとしまうことが出来て衝撃からも守ってくれるなどといった機能的価値に目を向けられるのです。

そのぴったり感から感じる心地良さとか、他の物を邪魔しない控え目な存在として好かれる可能性があります(^-^)。

「そこそこレベル」も持ち合わせておく勧め、遠方へのお出かけや飲食の席で心配しながら楽しめないジレンマを解消できるジュエリー【191】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ジュエリー好きな方の中には、毎日でも付けたい思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

好きであるということは、複数持つことになることも多いかと。

今回は、その複数のジュエリーの中に高級品もあり、親しみやすく、また代替品も見つかりやすいミドルクラスのタイプもあえて持ち合わせておくことのお勧めのお話になります。

こうお話しますと「なぜわざわざ質を落として着飾るの?良い物を付けて出かけたいじゃない!」との反論もあるようですが、実体験で複数のジュエリーを失くしてしまうケースのある私が行き着いた考え方です。

少しお付き合いいただき、この考え方を聞いていただけはしないでしょうか<m(__)m>。

もちろん高級なジュエリーも持ち合わせることもしたいので、「ランク分けをして持ち合わせる」という言い方をしても良いかもしれません。

ジュエリー=高級品と決めてしまうことがかえってそのシーンごとにうまく対応できないことがあるものです。

ジュエリーののランク付けをした持ち方例

大のジュエリー好きとして、たくさんのジュエリーをこれまで収集。

もともと地金の18金のイエローゴールド、ホワイトゴールドを中心にコレクションしてきました。

元は地金が高価な本物が好みなのです。

そして、「本物」ということをコンセプトに、天然石と18金の留め具の組み合わせをしたパワーストーンとか宝石質の研磨された透明感あるやや高価な天然石を自分でつなげてハンドメイドの天然石ジュエリーにカスタムした経験をしてきました。

そのあたりのコレクションしてきたものというのは、いわゆる「コスチュームジュエリー」とのすみ分けです。

「天然」であるということが、コスチュームジュエリーの「プラスチック」などとは一線を画するのです。

ただ、本物にこだわって集める過程はとても夢中になるものの、集め切った後になかなか着用するに至らず、保管するだけにとどまってしまいました。

そこが私ならではのスタイルであり、特徴だったことなのです。

身に付けて着飾ることは得意ではない、華やかなシーンも好きではなかったのです。

。。ということで、現在は、出番のなかった「着用」の部分を「レンタルジュエリー」としてお客様にレンタルする事業をすることで、貸出しをすることに決めたのです。

そうすれば、ジュエリーがちゃんと活躍出来て、私の集めた意味もできます。

それは大変喜ばしいことであり、もしかして誰かを喜ばせることができるかもしれないからです。

私だけではどうにもならないジュエリーをいろいろな人に付けてもらい、その美しさを共有しようという事業です。

じゃあ、そのような私が全く身に付けないかというと、少しは身に付けます。

その内容が、動きの多い場面を想定した、もしかして、落としてしまうかもしれないリスクを考えたジュエリーばかりなのです。

動きの多いアクティブなシーンの想定

さて、アクティブな場面というのはどんなシーンになるでしょうか。

まずは、通勤を含めた、「仕事」の場面。

そして、仕事後、仕事以外の「娯楽、お食事」などの場面。

そして、旅行を含める、「遠出」の場面です。

これらは、実際どれも活動的。

お仕事ではよく働き、あちらこちらと足早に移動した時にジュエリーが揺れます。

仕事以外では、そのシーンに夢中になり、娯楽の最中にジュエリーには意識が行かなくなる時があったり、お食事場面では、お肉の油が飛んでジュエリーに付くかもしれません。

そして、遠方への旅行などの際には、これも旅行のシーンの移動などに気をとられ、ジュエリーへの意識までは行き届いていないのが現状だと思います。

そうしたシーンに高級なジュエリーを身に付けていくということは避けた方が賢明。

もし失くしたり落としたりした場合にその本来の目的別シーンが台無しになるからです。

このように思うことは自然な心理だと思います。

その活動での不利益を防御するための対策がこのたびのジュエリーのご紹介です。

「仕事」「娯楽・お食事」「遠出」シーンそれぞれにお勧めするジュエリーの3点セット

では、上に挙げました3つの場面に私がお勧めするジュエリーをご紹介しますね。

まずは、「仕事」の場面。

ティファニーのシルバーアクセサリーのセット。

実は3点共ティファニーであるところがみそ。

そして、3点に共通するスクエアモチーフでシルバー925製という地金の統一です。

仕事も業界によるとは思いますが、私としては、このあたりのアクセサリーなら自分表現に全く問題がないと考えます。

大勢の人達と近くコミュニケーションする場面ですので、これくらいのこだわりをしてもよいのではないかと考えます。

パッと目につくものというのは、より自分を分かってもらうきっかけになるものです。

ビジネスは大人の集まり。

「ティファニー」様はそういう意味で、誰もが認めるような良質なお品のイメージが定着しています。

シルバー925のシリーズはティファニーブランドの中ではお求めやすいお値段のランクだとは思いますが、地金の価値よりもブランドパワーが強味のジュエリーだと思っています。

よって、ビジネスのようなシーンにお勧めしたいのです。

そして、次のシーン、「娯楽、お食事」の場面。

粒のそろったきちんとしたライスパールが段差の2連になったショートネックレスのセット。

留め具もシルバークラスプでそこそこの良質感が感じられます。

ブレスはネックレスとお揃いの2連。

リングは、マザーオブパールというシェルがマーカサイトと交互にストライプ状に入ったシルバー925台。

このセットもものすごく高級ということではないですが、ある一定のレベルはあります。

突出し過ぎずある程度の良質な物というのは、お食事や娯楽の場面にちょうどいいのでは?と考えた組み合わせでした。

高級過ぎないというところがアクティブシーンのジュエリーの持ち方のポイントになります。

何十万円もするようなケタの違う真珠などは、気がかりで、思いっきり娯楽やお食事を楽しめないです。

次は、とても究極な場面、「遠出」の場面です。

かつて、遠出の旅行で時計を落としてきてしまったことがあります。

おそらく、腕に重いバッグが引っ掛かり、そのはずみで外れて気づかぬうちに落としていたという経緯だったと思います。

気が付いた時には、時計の行方が分かりませんでした。

旅先であれこれ探す時間もありません、警察にも行くこともありませんでした。

そういった悲劇の経験もあり、遠方へのジュエリー類というのは注意が必要です。

一番安全なのは、付けていかないことなのですが、せっかくの楽しい遠出、外出時にジュエリーを身に着けていないと気分も上がりません。

その場合に、万が一落としたり失くしたりしても良いようなもの、というところにポイントを置くわけです。

あこや真珠のヴィンテージもの。状態が悪く黄色みがかった色で真珠の質は良くないです。

本来淡水真珠よりも高級ですが、状態が非常に悪いこれら。

このまま味わいあるビンテージのクリーム色として気兼ねなく使っていくのです。

ネックレス、ブレス、リンの3点共、同じように黄色みをおびた真っ白でない古い物。

その同じようなトーンを一緒に付けて、ヴィンテージ感ある味わいのセットとして気軽に着用していくのです。

もう、経年のお品ですので、万が一があっても悔やむということにまではならないです。

購入金額も¥1,000-¥1,500の範囲でした。

一方、質のレベルは一定レベルがあることもポイント。

もともとあこや真珠という良質なお品であったという過去の姿もちゃんと投影されていることもこのセットの意味になります。

安物を集めたわけでは決してないという点ですね。

そこで、さらにご紹介したい工夫として、ここに付いていた問題のないお洒落なシルバークラスプは外して別にします。

そして、他の良い真珠の方へ付け替えるということをして、シルバークラスプをシャッフルするということをよくしていました。

そうして、失ったこのたびのヴィンテージネックレスの留め具などは、ステンレス製のダルマ板や引き輪のメッキクラスプの手持ちのものを活用しながら、その内容に見合ったレベルへ調整しました。

そんな部分でもランクのバランスが取れます。

リングはシルバー925台のそのままです。昔の突き出したようなビンテージ感たっぷりの台、これも見方によっては価値があるのです。

最後にもう1セット。ゴールド1色、そしてメッシュ系でそろえました↓。

まさにコスチュームジュエリーといった感じのセットです。素材のぱさぱさ感で統一。

ブレスやリングはメッシュのステンレス製です。ゴールドラメのタッセルペンダントのチェーンはステンレス製。

これでも、ちゃんとステンレス素材に統一したベースの部分での基本は考えました。

よって、メッキやプラスチックの素材よりは少しランクが上がります。

これらのアイテムは万が一遠出先で紛失したりするハプニングが起こっても嘆き悲しむことをせずとも、また同じようなアイテムを探していけそうな「量産品」なのです。

入手困難な1点物と対極に当たるものであることが、気軽に持てるのです。

どうでしょう、この価値観ご理解いただけると嬉しいのですが。。

あとがき

旅先、特に海外旅行では華やかで目立ち過ぎないこともポイント。

ジュエリー自体が無事でも、スリにあったりしやすいこともそのジュエリーのレベルを見て狙われることになります。

時と場合にジュエリーを使い分けるということがいかに意味のあることかがその究極な場面で分かるのですが、事前に対策しておく方が間違いなく平和です。

そうなると自然に、高級ジュエリーは、「おしとやかな席」が望ましい。

量産品の比較的お手頃なジュエリーは「活動的なシーン」が望ましいと決まってくると思います。

そんなこのたびの使い分けのお話でした。

すべてが高級でそろえる必要はなく、ランクに差があった方が問題が起こりにくいと言えます(^-^)。

書き手:ピクチャレスク

装飾面よりも大切な事、ひらひらと人魚のように何段にも飾るフリルと、そこにどうしても必要だから設置されたシンプルなフリルとの機能面の違い【190】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

エレガントさを表現できるモチーフの1つに「フリル」があります。

今回、ある必要に迫られて、どうしてもフリルを付ける必要がある状況が出てきました。

このことをきっかけに、フリルにおける「装飾」と「機能」について考えてみました。

フリルは装飾性のあるモチーフなイメージが強いのですが、この度の発見は、「機能としてのフリル」だったところがポイントになります。

フリル使い引用の時のヒントになればと思います。

ハンドメイドバッグの製作手法の限界を感じた縁っこライン

ハンドメイドバッグをいろいろなデザインで展開していきたい場合、どうしてもある壁にぶち当たるような気がします。

それは物理的な無理です。

バッグは基本的には、表地と裏地の「袋同士の合体」です。

そのような典型的な作りがトートバッグとか巾着バッグに展開されることが多いです。

袋と袋をつなげて重ねて1つにする作りということですね。

ところが、もっといろいろなデザインを試みていきたい場合、ひっくり返しに無理が生じたり、綺麗に作れないことがあります。

特に立体的な形が少々複雑になったバッグは、大変おしゃれで魅力的なのだけれど、作るのが困難であったりするものです。

そうした中で、工業製品にとどまらず、布でも作れるためのある工夫をしました。

それが、組み立て式の作りをしたバッグです。

簡単にご説明しますと、トートバッグなどが、表地と裏地を別々で容器に作って最後に合体していた作業を根本的に変え、最初から表地と裏地をくっつけて板状のプレートパーツに作り最後に組み立てるのです。

この時点でひっくり返してあるので、縫い代がすべて隠されています。

よって、最後はそのまま端っこを頑丈に組み立てて縫いつなげるというやり方です。

この方法でこれまでいろんな過去に経験したことがないデザインが一応完成まで行くことができました。

バニティーとかケリーも作ってみたことがあります。

今後もこの組み立て式の作り方は取り入れていきたいとは思いました。

難しいデザインもこれが可能にしてくれるこのやり方は何か新たな道が開けたと思っていました。

ただしかし。。ここにもやはり壁がありました。

組み立て式の作りの壁

この組み立て式にも壁があります。

特に裏地を表地とかけ離れた色にする場合に目立つことですが、ひっくり返した隙間から裏地が見えてしまうのです。

これが、面白いととらえるか、裏地が見えてしまって縫い閉じられていないととらえるかなのです。

そして、カーブの部分などが、綺麗に組み立てるにはぴったりと重なることに限界を感じる時があるのです。

綺麗に重なるようには縫い付けますが、この重なりがいかにも手作り感が突出しているような気もします。

この写真の製作は、かなりうまくいった出来上がりの方なのですが、それでも後々もやもやしたものが残るものです。

よって、この製作手法にもある一種の壁と限界があるのだということを思い始めました。

そこで、考えました。この縁のラインを隠すことをしてみようではないかと。。

それがフリル使いです。

表地と裏地の真ん中にフリルを挟み込むと、ガラリと縁のラインの視線が変わるのではないかと考えました。

縁のハギ目カバーの役割をしながら、かわいく装飾してくれるフリルを付けた箇所

ということで、フリルを施したのですが、結局今回作った「おにぎり」というデザインの場合、その他のデザインの場合もほぼ全体の総フリルということになりました。

飾るフリルとは意味が違います。

必要な箇所すべてにフリルをするということをやった結果たくさんのフリルの付いた豪華に見えるデザインになっただけなのです。

こんな風に1mほどの長いフリルを2つつなげるくらいの量を1周分に用意。
そして、フリルを本体にミシンであらかじめ縫い付けしておきます。

ちなみに、おおよそフリルの生地の分量は、クシュクシュになるには3倍くらい使うので、1周x3倍分の長さの細長い生地が必要です。

今回の5mm巾がちょうどすっきりと品の良い幅のフリルに出来上がるかと思いました。

フリルの作業が増えたことで手間と時間はかかりますが、出来栄えに迫力が出ました。

以前と変わった縁のラインにご注目を。

フリルに視線が行くことと、そもそも問題の溝の部分がフリルで隠されました。

これこそが、「隠すという役割=機能」ということになりました。

「フリルリュック」:<サイズ>縦23cmx横31cmxマチ12cm。

完成した正面のハンドバッグとリュックの2WAYです。

このデザインががリュックになっているとは意外かもしれません。

けれども、リュックにもなることで、ぐんと使う場面が増えると見込めます。

リュックのショルダーはリムーバブル。ハンドバッグに使いたい時は外せます。

背の所にポケットも付けていますので、パスとか切符とかタオルなど、すぐに取り出したいものを入れておくには外側に1つポケットがあるとよいと、ここにお付けしました。

底面にもフリルが付いている徹底ぶり。ここにただの装飾ではないことも読み取れます。

あとがき

フリルが多い=エレガントなのかもしれませんが、そのつもりでフリルを付けていません。

あくまでもバッグのラインのどうしても美しさが実現しにくい部分を隠す役割として取り付けたところ、結果フリルにボリュームが出てエレガントになったということになります。

今回はたった1つの例。

これをいろんなアイテム、いろんなデザインに「アイデア」の1つとして引用していただけそうです。

今までのフリルに対する固定観念を見直す機会になるかもしれません。

「なぜ」の理由をそのデザインに落とし込んだ一例です(^-^)。

コスチュームジュエリーの高級ラインと見ています、今や職人不足で希少価値のベネチアングラスのペンダント【188】

まえがき

「ベネチアングラス」。イタリア生まれの伝統工芸のガラス細工のことです。

日本でいう、「トンボ玉」とか「びいどろ」にその様相を同じくする美しいガラス工芸品です。

今では技術を要するこの製作の人手がないとのことで、希少なお品になってしまったようです。

今回、中古品を「メルカリ」様で購入させていただきました。

とてもお洒落で美しいです。出品者様、ありがとうございます(^-^)。

かっこいいペンダントにするためのチェーンのアレンジ方法

ベネチアングラスのペンダント:縦5cmx横3cmのビッグなスクエアモチーフ。

こういった大ぶりなトップは存在感があることは非常に良いのですが、ごつくなりがちです。

できるだけ軽やかなイメージにするためにチェーンを金属(ステンレスのゴールド)にして躍動感あるロングペンダントにしてみました。

よく売られているタイプのアレンジでは、「丸紐」なんかを束ねていくつかの層にしてセッティングしてあるものを見かけます。

が、あのアレンジこそごつくなる原因になるなのではないかと懸念。

ペンダントトップに色がよくなじみ、その色の延長上にあるようなゴールドの金属チェーンが良いと私は考えました。

もともと穴だけあいたペンダントトップでの購入でしたので、そこへカスタムを入れる必要があったのです。

今回もうすでにカスタムしてしまった状態にあるので、カスタムしていく過程を映していないのが申し訳ないです<m(__)m>。

簡単にまとめますと、まずチェーンを材料として用意し(「Ali Express:アリエクスプレス」という中国のサイトでお得に購入)、ニッパーでバチカン用にカット。

そして、チェーンの穴同士を丸カンで留めます。

1個だけだと不安なので2個使いで。

そして、さらに向きを正位置に整える目的で、さらなる2セットの丸カンをつなげ、そこへチェーンを通すという作り。

ポイントは、バチカン用のチェーンの穴をゆったりとさせ、丸カンが通るものでなければならないということ。

そこそこ線径の太いものがよいということも丈夫さを追求する上では安心です。

ペンダントのチェーンがステンレスなのだから、部品となるバチカン部分のチェーンも丸カンもすべて同じステンレス製です。

ここは「そこそこ良いレベルのコスチュームジュエリー」を作るためにこだわりたいところです。

その他のジュエリーアイテムとのコーデ

さて、ペンダントが完成すると、ジュエリー同士で組み合わせを考えます。

ジュエリー、コーデ両方好きな私は、この時がとてもウキウキします。

そして、合わせた組み合わせがこちら。

ブレス:ステンレス製のボックスチェーン。リング:「エンポリオアルマーニ」。

遠目で見るとボックスチェーンのスクエアがペンダントトップの形のスクエアとリンク。

エンポリオアルマーニのリングは、金の土台にマーブルの柄の樹脂。

ペンダントのマーブルの柄になんとなく馴染みます。

リングも四角いフォルムなので、こちらもトップやブレスの形とマッチ。

こんな感じで四角とゴールドをベースでそろえたジュエリーセット組みが完成しました。

洋服とのコーデ

そうしますと最後は、洋服とのコーデとなります。

順番が、ジュエリーからスタートのコーデとなりますが、こんな順番もあっても良いと思います。

今回の主役はベネチアングラスのペンダントですからね(^-^)。

さて、まずは、色を考えます。

そして、洋服の素材を考えます。

そうして、2色のワンピースにたどり着きました。

1)薄オレンジのワンピース。

1)この色は、ペンダントトップの中の1色のオレンジ色に同じです。

こうして、色を新たに加えるのではなく、今まで登場してきた色の中だけで解決していくというのは、スッキリとかっこよくまとめる秘訣とも言えます。

黒のワンピース。

2)黒のワンピースは注意点があります。

喪服寄りにならないよう、気を付けるというもの。

あまりにきちんとしたデザインは喪服を連想してしまうのでリラックスした「抜け感」も大切。

では、この黒で懸念の喪服寄りになってしまうのを気を付けなければならいという点で、どうしたら喪服みたいにならないのか。

これを考えます。

それは、まず素材です。

喪服はてろんとした高級感ある素材ですので、その逆の、綿や麻などのがさっとしたカジュアル感ある生地が良いと考えます。

絶対ポリエステルがだめということではないですけれど、確実に喪服から離れるには。。という対策としては良い方向に行けます。

洋服のデザインは、フリルがごちゃごちゃ入るよりも、シンプルなすっきりとしたラインが、結果ベネチアングラスが引き立つと考えます。

ただ、喪服寄りから遠ざけるには、そこそこワンピース自体にデザイン性があっても良いでしょうね。

では、洋服とジュエリーを並べてイメージを膨らませてみました。

リングのもやもやの中のオレンジ部分の色がリンクして楽しいです。
黒はペンダントトップにもリングにも入り込んでいる色ですので、うまくなじみます。

ベネチアングラスは結局何テイストで付けるとかっこいいのか?

私のアイデアとして1つあるのが、カジュアル寄りの「ネイティブ」テイストが良いかと思います。

黒の喪服に寄りすぎないという部分の意識ももちろんありますし、黒の洋服でいくと決めた場合に特にこのテイストが効果が出そうです。

もう1つは、ベネチアングラスそのものが生まれた背景がその地方特有の「民芸品」なので、そこをコーデの雰囲気に込めていくことで分かる人には分かるという「深み」が生まれるのです。

そうすると、「ラテン民族」的な雰囲気の民族衣装のような雰囲気のワンピースなどが浮かびます。

あとがき

以上、コーデをジュエリー同士、洋服とのコーデという2段階にわたって行ってみました。

私はいつもこのようにアクセサリーだけでコーデして、洋服と合わせていきます。

たくさんアクセサリーを持っている場合こういった方法もあるということです。

最後に細かいアイテムで悩むということが少ないかもしれないので、ぱぱっと全体コーデの準備が進んでいくということでは大変スムーズな時間の使い方となるかと。

この、「ごつくなりがちなアイテムをスタイリッシュに装う」というようなテーマは、「木彫りのペンダント」とか「七宝焼き」など超古典的なアイテムにも引用できるような考え方です。

アンティーク品などで難しそうなペンダントトップを見つけた際にはこのたびのご紹介が何か一助になればと思います(^-^)。

ハイブランドバッグに使われているようなレベルの高い金属パーツを自社ホームページ内で販売のお店で見つけた記録【187】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグを製作するにあたって一流ブランド品のバッグは大変学ぶべきことがたくさんあります。

多くは語らずとも、そのお品の表面に意志や姿勢がある程度見られるものです。

今回の記事は、ここ最近なかなか見つからず探していたハンドメイドバッグに取り付けるかっこいいチェーンを探してようやく見つかったお話です。

なかなか良いのが見つからなかったというのは、そもそも良い物を目にしたことがあったため、それと比べているからそういったジャッジになるわけです。

知らないうちにハイブランドバッグの影響を受けているのです。

ハイブランドバッグに使われていた金具の高級感

おしゃれにコーデしたい、バッグは、無地・柄・それとも・・・

「プラダ」様のナイロンバッグ:小物合わせに悩む紺ベースのお洋服にとても合います。

このようなバッグを以前持っていました。

個々のサイドの部分にゴールドのパーツ金具が使われているのが見えます。

しっかり見てみると、小さめでも非常に厚みがありずっしりと重い上々のお品。

このちょっとしたパーツの、Dカンやナスカンは、上質の物なのかよくあるみんなが使っているようなものなのかでバッグの見た目の高級感がぐんと変わります。

ハイブランドバッグに付いている金具なので「やはり」と納得。

パーツが良質な作りがしてあるとその部分がアクセントにもなります。

本体のおしゃれな素材や高級感あるバッグに付いているからこその効果も増しています。

自社ホームページで自社製造の厚みのある金属パーツを販売されているメーカー様「MK PLUS」様の発見

附属品などは、大手販売サイトでいろんな商品を見比べながら購入しがち。

しかし、類似品が多くわずかな価格の違いだけです。

キューブ型バッグ用のチェーン探しをしている際にあることに気づきます。

自社サイトのホームページでひっそりと良質なお品を販売されているメーカー様があるようだと。

以前にもそれは経験したことがありました。

たどり着いたきっかけは画像から探していくという方法です。

この方法をよくネット検索で何か欲しいものを積極的に自ら探していく時に使います。

そうすると変な枠にとらわれずほしいものが希望に近い形で見つかることが多いのです。

このように見つけたお品は、だいたい自社のホームページ内で販売している会社様です。

商品が大量製造っぽくなくて、いかにも1つずつ丁寧に作られた感じです。

大手販売サイトにも出品しているが、自社ホームページも持っていて、そこでも買えるという会社もあります。

そして、冒頭のハイブランドバッグのようなパーツに近いような厚みのある良質なパーツを見つけることができました。

そのお店は、「MK PLUS」様というパーツ屋さんです。

チェーンもあるし、それにともなう接続用の丸カン、ナスカンなども結構展開も豊富でいろいろありました。

届いたお品のナスカンの質を以前によくある一般的なナスカンと比べますと、かなり手で触った感じの質感が違いました。

ちょっとしたことなのですけれど、これが高級感の違いの1つです。

チェーン取り付けの難しさとキューブ型デザインのデザイン変更が必要な隙間部分

リントン素材のキューブ型バッグがまだショルダー無しの状態で待機中でしたので、そこへ取り付けました。

私なりに工夫した3wayです。「ハンドバッグ」「ショルダーバッグ」「リュック」と3種の方法で使い分けができる、個性ある立方体のデザインです。

まずは、何もショルダー無しの状態です。バニティ風でコロンとした感じ。
リュック仕様:チェーンの長さが1m。この立体感からは、1mほどが丁度良いです。
ショルダー仕様:リュックの状態からナスカンを取り外しそのままサイドのDカンへ付け直すだけ。

チェーンの取り付けは簡単ではありませんでした。

それでも一応使える物にはなったのですが、チェーンを付けてみて分かったこと。

それは、サイドの隙間です。

これは、次作るとすればこの隙間を必ず埋める必要があると思いました。

案としては、キャラメル箱のようなタブを付けて隙間を解消する方法です。

生地が引っ張られててっぺんが上に上がることでサイドの隙間が空いてしまうわけですが、そこにタブが設置されていると空いてもタブが覆ってくれると見込んでいます。

そう考えるとたやすく作ってしまった立方体ですが、いやはやまだまだ奥が深い。

作ってみて物理的な動きでやっと分かることもあるのです。

あとがき

リントンバッグは、以前にも本体のバッグを作った時に書いたかもしれませんが、カジュアルです。

このぱさっとした生地の質感がそう思わせるのだと思います。

そして、格子状の柄が断然多いリントン生地。キューブデザインとの相性は良いと思いました。

正面の蓋がまだちょっと弱々しいので、ここにハード厚芯を入れるなどしてびしっとさせて改良できると思っています。

今回は、あまり実用的であるとは思えないキューブ型ですが、ここからの引用として、直方体でボトルショルダーなどは全く同じ仕様で行けると思います。

よって、角張ったバッグの作り方例にはなったかもしれませんね(^_^;)。

ブランドバスタオルの破れの原因は硬すぎるロゴ刺繍にあり、お直しは裏側への当て芯で解決【185】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回、最近気になっていたバスタオルのロゴ刺繍周辺の破れ穴を塞ぐリフォームをしてみました。

このバスタオル10年以上は使っているものの、このバスタオル以上にもっと長く使っているものに比べるとえらく早い段階で穴が開いてしまったようなのです。

その原因というのが、皮肉なことに迫力あるロゴ刺繍にあります。

ロゴ刺繍はブランドの見せ場。

とても迫力があり素敵なのですが、最初では気づかないことが何年にもわたるお洗濯により明らかになってきました。

タオル地と刺繍の硬さのバランスが最初から偏っていることが原因だと思います。

とはいえ、末永くまだまだ使っていきたい、そのような思いを実現するリフォームをこの度致しました。

原因は密で硬めの良質な刺繍、タオル地との相性があまりよくないことを把握するところからのスタート

「MCM」様のバスタオル:刺繍周りだけが先に弱って穴が開きました(泣)。

ロゴの刺繍がタオル地に対してかなり硬く、刺繍も密なことによるその後の経年の破れが出てきた最近。

10年以上は使用してきましたが、まだ縁などは擦り切れていなく、ここでリフォームを決意。

残念なことに穴が開いてしまっていますが、他のタオルと同じように使ってきたものなのです。

ここで、興味深い比較をしてみます。

同じブランド様の別のバスタオルがあります。これよりはるかに昔から使っている物。

「MCM」様のクラシックなデザインのバスタオル。30年以上の使用になります。

こちらは典型的な「MCM」様らしいロゴですが、上の刺繍ロゴに当たるような部分がこの薄れて姿が消えそうな四角いワッペンです。

ロゴはプリントなのですっかり消えかかっていますが、ワッペン自体の縫い付けが程良くタオル地となじみ、現在も問題なく破れなど起こらず使えています。

その代わりと言っては何ですが、写真には写していませんが、縁などの擦り切れが上の明るいオレンジの方よりも目立ち、本当はこちらの方が長く使っているバスタオルであることが縁の擦り切れで分かるのです。

これを見て、ますます、穴だけで手放す前者がもったいなく感じられてきました。

別のバスタオルがそれ以上経年しているのに無事であるということから、何とかして直してまだまだ使いたいと思ったのです。

タオル地というのは1枚仕立てなので、硬めの良質な刺繍が時にタオル地を傷めてしまうことがあるのですね。

しかし、これも長年使ったからこそ表れてきた状態ですので、使ってみないと分からなかったことです。

「コスパが良い」というのは長年使った結果の判定、一部の傷みだけですぐに手放すのは一番コスパが悪い

某ブランド様によるある発信を見たことがあります。

高価な自社のバッグに対して、「長い目で見てコスパが非常に良いので、実は安いのである」というアピールでした。

しかし、それは「長年使い続けたらね」という条件が必ず入ります。

ここで、経理で登場してくる「減価償却費」のお話に少し脱線。

例えば、¥60,000で購入のレザーのパンプスがあるとします。

靴で¥60,000というのはかなり高級な部類と考えて良いかと思います。

これを10年間はくとします。

分かりやすく、単純に10で割ります。

そうすると1年間で¥6,000の金額が出ます。

1年も持たない途中でダメになるパンプスを1年の中で数回買うなら、この¥60,000を1足の方が結果安いのであるという考え方が減価償却費から見るベタな考え方。

減価償却費は、細かい1年ごとの費用が小さい値の方がコスパが良いということになります。

しかし、ここで重要なポイントを見逃してはなりません。

果たして、同じ靴を10年も履き続けるのかということです。

なかなかそれは現実的には難しいこと。

人間には「飽き」というものがあるからです。

そう考えると本当のコスパの良さは、単純計算では測れません。

そこで、バスタオルに話が戻りますが、バスタオルも、比較的安い¥1,000くらいを新品で購入して果たして10年持つのかというのは、洗濯や何やらで敗れたり劣化や破損をして大変難しいことです。

よって、バスタオルをハイブランド様の良質な素材で持ちたいのです。

しかも、百貨店で高価な値段で買うのではない、もともと流行なんてないバスタオルなのですから、古き良き昔の「未使用品」で良いではないかというのが私の考え方。

よって、これまで、バスタオルやフェイスタオルをリサイクルショップの贈答品コーナーで箱に入ったそのままのブランド物を購入してきました。

今のたびのの「MCM」様のお品もその1点。

今回のお直し品でさえ使用後10年は少なくとも超えてきています。

使用し続けるバスタオルなら減価償却に当てはめても良いでしょう。

購入時の金額は¥2,000程度。¥2,000÷10年=¥200/年。

1年で¥200だけ負担しています。

これが今後さらに10年使えたならば、結果1年で¥100ぽっちの負担だけしたというとてつもないコスパの良い商品であったことに慣れそうなのです。

それには、今後もお直しして長く持っていくことが重要になってくるのです。

穴を塞ぐリフォームの方法

開いてしまった穴は本来どうしようもないのですが、ここはバスタオル。

気軽にミシンをかけていこうと考えました。

裏側に接着芯の織芯を4枚重ねに当て、それを隠していくように縦横両方にステッチします。

あくまで固くなりすぎないようステッチをたくさんし過ぎない限度を見極めながらです。

結局今回の穴の原因と同じことをしてしまうといけないので、「ほどほど」のステッチの量というのは一番重要なのです。

こちらは裏側です:4枚重ねたバスタオルの色に近い黄色の接着芯をカットしてアイロンで接着。

穴が見事に塞がれ、正方形の余計な角のとがりを取ったことで刺繍にスタイリッシュに馴染みましたね。

こんな風に時折アレンジも加えていくのです。

ジグザグステッチ:ふり幅が大きくなり過ぎぬよう少しずつ横へずらしながら。
横向きもやります。先ほど貼った接着芯の姿がおおわく隠れたらOK。

やりすぎてカチコチにしてしまうのは禁物です。かえってそこから破れてくる原因になりかねませんので、くれぐれも。。

表面の様子:糸の色がタオル地にぴったりが見つからなく少し浮きました(^_^;)。

糸がちょっとタオルの色にマッチしていませんが、糸だけ見ると立派なオレンジ。

たまたま難しいカラーでした(^_^;)。

言ってもバスタオルなので、こういったカジュアルなリフォームも良いでしょう。

少し隙間がある程度でやめたところがポイントです。

あとがき

コスパの件は、私が自分のハンドメイドバッグの値段を決めることにも非常に参考になったことでした。

「高級感のある素材で手間もかかるデザインであるから高額で販売するのだ」という考え方は、もう少し深く考える必要があるのかもしれません。

やはり購入側の人というのは、お得感を感じたいに決まっているのです。

そうすると、値段とどのくらいの期間使うのだろうかという点が非常に大切な憶測となります。

高級感ある素材では作りたいものの、高級の中でもレベルがあります。

「とことん最高級」にしたところで、値段ばかりが高額でも、実際1年程度で買い替えていくと考えている人にはもったいないのです。

それならば、ある程度の高級さでものすごくきちんとした作りであった方が意味がありそうです。

極端に高級、極端に安物いずれも長い目で見て永続的ではないと言えるのかもしれません。

マチ付きバッグの視線が集まる場所はここです、底のハギ目がぴったりと十文字になった美しさの追求のための技術【184】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

以前に、「シャネル」様のキルティングがかかったバッグについて、柄合わせの徹底さから、目に映る細かなラインの細部まで美しく整ったものを作っていく「姿勢」というものがとても素晴らしいというお話をブログの記事の中でさせていただいたことがあります。

あのキルトの柄のつながりを見て、チェックやストライプ、ボーダーのバッグを作る時に柄合わせを意識するようになりました。

見た側もとても心地が良い、柄がぴたりと合っていることの美しさと、そこに込められた強い熱意や徹底した方針も見られます。

今回は、<ハンドメイドバッグ教室>でマチ付きバッグのマチの綺麗な出し方をご紹介します。

マチの十文字ピタリと綺麗に出すコツ

マチは、長方形で縫っておいて、つまんで、ハサミでカットという方法もあります。

ハサミでカットしてはいけないような裏無しの場合は仕方がありませんが、間違いなく、マチ付きのバッグの型紙は、最初から角を削った形で用意し、裁断しておいた方が綺麗にできます。

このようにマチ部分を最初から削った型紙で裁断したやり方の方がマチが綺麗に作りやすいです。

それは、目に映りやすい位置にマチの重なりの十文字が来るので、整えやすい状況にまずはあるというのが、その理由。

そして、その環境が上手く整えられた状況で、マチを作りますが、その時に、マチの先端周辺だけを見るのではなく、奥3cm程入った部分までのハギ目の線のつながりを見るのです。

まずは、きちんと両割れしている必要がありますので、事前のアイロンも重要です。

こんな風に3cmほど奥までハギ目部分の線を見ながら十文字を合わせるということをします。
上の方だけを表面的に見ているよりもはるかにぴったり合ってきます。
そして、十文字にぴったり合った位置を指で固定し、真ん中のハギ目に待ち針を打ちます。
決して動かしてはいけません。固定した位置を確実にキープします。
左右もそのままぴたりと合った状態で待ち針を留めます。

コツを実行した結果のマチの出来具合

やることはやったということで、マチを縫った後ひっくり返します。

とりあえず、合格ライン。十文字が綺麗に出ているハギ目は美しく、気持ちが良いです。
これ1つでも良い仕事ができた証(あかし)と言えるのではないかと思います。

あとがき

良い仕事ができたことが分かる商品はやはり価値が上がります。

マチの十文字もいわゆる柄のようなもの。

「シャネル」バッグが徹底して柄を合わせてあるように、左右1つずつのシンプルなものではあるけれど、マチの十文字柄も同様のこと。

ここは重点を置きたい場所です。

マチ部分は、バッグを一目見た時に、視線のいく場所の1つであるかと思います。

びしっと綺麗な十文字にするまてにこのコツを取り入れていただくと、「ハンドメイドバッグ道」のワザが増え、1つステップアップできるのではないかと思います。

夢中で好きな物を集めていった時に出来上がったもの、それは独特の「世界観」だった【183】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

長い間「なぜなんだろう」というどうしても集めてしまう嗜好の理由が分かりませんでした。

何かそんなことが書かれた本はないものかと、「集める 理由」などと検索して本を自ら探し求めました。

そうしてヒットした1冊の本を早速購入。

タイトルは、「集める人びと 蒐集の小宇宙(ミクロコスモス):瀬川正仁 著」。

この本の帯の部分に「ヒトはなぜ蒐(あつ)めるのか」という私の疑問そのものが書かれていたのがきっかけです。

コレクター達の素晴らしいお品とその経緯をルポタージュで綴られています。

本の材質も良くて、1ページ1ページが厚めで、写真がたくさんあります。凧、鉄道パーツ、人形、値付けなどコレクター達が集めている物品もそれぞれ個性的です。

集め方に分野の偏りがあるのかどうかなどその集め方の人による違い

この本を読み進めていくと、コレクター達ががいかに本気で、人生をかけて集めているかが感じられます。

お金の問題、置き場所の問題などいろいろな困難には会いますが、集めることへの思いが勝って集めることを貫いています。

集めることをたくさんしていて、特に高価である宝石類は購入時は真剣勝負のような気持ちで挑んできました。

この本の中で人形を集めている女性の集め方が少し共感できました。

「何もかも完璧にぎっしり一からそろえる意識はない、購入できる範囲内のものをたとえシリーズが不ぞろいでも高価すぎるものには手を出さず、可能な範囲で集めています」とのこと。

何かこの感覚は、共感できる部分がありました。

ここから思うことは、コレクションしていく過程も大事だということです。

負担やつらい気持ちが伴うとそれは続かないし、楽しいものではなくなってしまうのかもしれません。

幸せを十分に感じながらゆったりと集めていく結果、気づいたらたくさん集まっていたということだって十分に素晴らしいのです。

集めると言っても、高額なものを無理してということは決してありません。

きりがないことなんです。

それよりもミドルクラスの良質な宝石をたくさん集めるところに重点を置いています。

一方で高価なものを人生かけてどっぷりお金をつぎ込む人もいます。

けれども、それに幸せと満足感を得られるならば、ありです。

集まったお品というのは、博物館行きのレベルの物になっていたというコレクターもこの本の中にはいらっしゃいました。

なぜ集めるのかということの私なりの答え

私は、この本を目的を持って見つけたわけです、なぜ集めるのかの答えを探したいということで。

この本を読んで、いくつかのヒントが得られました。

この本の中のコレクター達が人生をかけていること、家の中に置き場所が必要で引っ越しをしたり、とにかく集めることが人生の真ん中に位置していたのです。

そういうことから、得た私の答えは「生きがい」とか「人生そのもの」というのが答えです。

ミドルクラスの物を可能な範囲内で集める私でも、かなりの熱とそのお品に対する探究心、知識を持ち合わせるよう、日々アンテナをはりめぐらす人生になっていきました。

そんな人生の一幕を集めたものが「世界観」として表してくれるのです。

集めた後の商品の行方と活かし方

集めることの最終的なゴール、行き着く場所というのはあるのでしょうか。

本の中では、重要文化財級に資料館への提供などの形での貢献という形でのゴールもありました。

とてもそれは意味のあることです。

自分だけにとどまらず大きな規模でのアウトプットにつながった例です。

自分の好きだった物を自分だけの範囲にとどまらず、人にも伝えて広めていくきっかけが作れているということになりますね。

けれども、ただ集めているだけの段階にしても、この本で紹介されていること自体が、他の人へ伝えるきっかけにすでになっていますので、1つ何か集めてきたことが実りを上げていると言えます。

さて、私の場合は、といいますと。。

集めてきた300点近くの宝石類は、「本物志向のレンタルジュエリー」という形で他の人へ広めていこうとしています。

そして、その他の集めた品々は宝石以外でも、当ブログとかSNSなどでの発信の写真や映像でご紹介。

そうして、自分だけのものだった集めることの喜びや幸せを伝えてみるということを始めています。

遡ること10年以上前は、まだSNSが豊富でなくて何も手を付けていませんでした。

それが、集めていく時の何か溢れんばかりの気持ちを誰かに伝えたいと自然に思うことがありました。

誰かこの喜びを同じように感じる人はいないのか、なんでこんなに楽しいことを他の人は味わっていないのかなど、言葉にするとちょっと変な風に書いてしまいますが、とにかく気持ちが高ぶった瞬間が間違いなくありました。

その後10年経ち、今はSNSが当たり前になった時代に入りました。

そうすると伝えやすくなっているし、よく見てくれたり気づいてくれるようにもなったと思います。

そうやって今後も時には事業に取り入れながら、集めてきたものをいろんな形で共有したいと思います。

あとがき

集めていく中で嫌な気持ちになったことなど一度もありません。

集めるということ、コレクションしたものを愛でるだけにしても、間違いなく幸せを感じさせてくれるものに違いないのです。

先程貼りましたYoTtube動画の中では、この記事には書ききれなかった、「機能美」についてもお話しています。

自作しているハンドメイドバッグに学ぶ点が大きくあった内容です。

とても嬉しいことに、集めることの理由を見つけるための研究の中で、ハンドメイドバッグのヒントになることも得られたことは大変嬉しい偶然。

機能美については別の機会に特化した記事を書くつもりです。

ある分野に特化してこだわったり集めたりするような「オタク」は素晴らしい文化だと思います(^-^)。

種類が豊富でないタオル地をいかにして1点物としてリュックを作り続けていけるのかのご提案【182】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在<タオルシリーズ>という製作を企画して種類の違うタオル地を集め同じデザインの簡易リュックを作っています。

そうして、素材の違いによる雰囲気の違いなどをお伝えしております。

タオル地はすべて同じの織り方一辺倒ではないことにまずは驚いています。

ループになった本来の日用品のタオルにそっくりなイメージのもの。

スタイリッシュに高級感ある毛並みのパイルカットがしてあるもの。

その違いで同じタオル地といっても展開があるところに注目しています。

そして、混率も綿/100%だけではなくポリエステル/100%もあり、このたび製作の生地も後者の部類になります。

タオルシリーズは今回がラスト、今までと違ったフリル付きフラップへのアレンジでご紹介していきます。

タオル地のイメージは「癒し」とか「心地よさ」であるところが特徴

タオル地は、以前にインスタグラムで反響のよい素材であることが分かっています。

「かわいい」といったお言葉をいただき、タオル地が「ふんわりとして心地よい癒しのイメージ」を抱かせてくれるみたいなのです。

1点だけあるデザインをタオル地で作ったことも以前にはあったのですが、それよりも、3点を連続で製作していくこのシリーズの面白さがあります。

一気に連続してタオル地を深堀りすることができたことは貴重でした。

タオル地というのは、普段見ている日用品の親しみある素材です。

この日用品のイメージが大きいタオル地をバッグにすること自体「切り口」が新しいのです。

リュックになった完成品から見たタオル地の雰囲気とおしゃれ感

<サイズ>縦27cmx横27cmxマチ10cm。
<表地:濃ピンク>パイルニット無地、綿/75%、ポリエステル/25%、日本製。
<裏地/リボンひも/フリル:黒>生地名不明、ポリエステル/100%、日本製。

タオル地の出来栄えは上々です。縫い目が中に沈み、ふんわり感がより出ています。

今回だけ、フラップを大きくしてみました。

そして、コントラストを黒で付け、ジャージ素材のニットのフリルを縁にあしらうということを初めてしてみました。

前の2点は6角形型の小さめサイズのフラップでしたのでこれでかなり印象が変わってきます。

フリルをただの飾りと考えてしまうと「流行」という軽いその場限りの装飾であり、価値が薄れます。

なぜフリルが必要なのかをお伝えできるほどの意味のあるフリルの引用の仕方の方が「永久的なデザイン」になると思っています。

今回の場合だとピンクの中に良い位置にコントラストを付け、黒コーデと合わせやすくしたという「働き」が出来ました。

そのほかには、フリルでフラップの縁のぼやけたラインをカバーするなど、「欠点を隠す」とか「縁を美しく強調する」などの働きがあると考えています。

タオル地のバッグはまだまだレア

「タオル地ありだな」、と思ったことの1つににバッグとしての素材のレア感があります。

親しみやすい日用品としてごろごろしているタオルですけれど、バッグとなるとレアなもの。

生地としてはあまり豊富にはないのが現状です。

夏用のサーファー用のヤシの木がプリントされたようなものなどを過去に見かけたことがあります。

この「ヤシの木」というキーワードは、季節が夏に限定された季節感を表現したもの。

実際私も、このタオルシリーズは、夏をきっかけに知ってもらいたかったので、夏とは縁のある素材です。

しかし、使っていく中での使い心地の良さに、いずれは季節感を無くして、いつでも使いたいようなバッグだと思ってもらうということが目標です。

あとがき

今後もタオル地には注目していきたいと思っています。

もっとさらにいろんな工夫をしながらとことんタオル地を引用してみたいのです。

キルトをかけてパイル特有の糸のほつれを軽減したり、素敵な裏地の組み合わせで同じ色でも多種の展開ができたりすることを見込んでいます。

素材が限られた中での工夫は良い成果を生むこともあり、タオル地という豊富でない素材ならではの縛りから何か新しいことを考えていけそうです。

新しいことは、「枯渇した」中から思いつくものみたいです(^-^)。

死後の世界を理解すると腑に落ちる、「銀河鉄道の夜:宮沢賢治 著」をこのように解釈しました【365】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

たまたまネットでオンライン購読が可能であった「銀河鉄道の夜:宮沢賢治 著」。

ひょんなことから冒頭部分を読み始めて、そこから一気に最後まで。。

「銀河鉄道の夜」に関しては、多くの学生さんが読書感想文を書かれている作品だと思います。

セミロングな長さでありますこの作品、「未完の作品」だったとか。。

人のために尽くすということはどういうことなのかを究極の形で映し出す

学校の授業の場面。

先生の質問に上手く答えられないジョバンニ。

そして、その答えは分かっているのに分からないふりをして答えなかったカムパネルラ。

カムパネルラが明らかに知っている答えを自分のために答えなかったあの場面の時に、ジョバンニは、「自分もカムパネルラも悲しいと思った。。」と。

このことは、少し状況の違う別の人間が互いに同じシーンで、悲しい気持ちを共有した瞬間だと思いました。

カムパネルラという少年の、自分を犠牲にしてでも人を助けるという性格。

ここに親譲りの「育ち」のようなものを見ます。

親譲りをなぜ感じたかというのが次の場面。

ザネリが川でおぼれかけたのをカムパネルラが助け、結果帰らぬ人となった場面。

そして、そこへカムパネルラの父親がかけつけ、落ち着いた様子で、もうカムパネルラの生存が難しいだろうと冷静に語ります。

それどころか、ジョバンニに、お父さんが近く帰ってくるだろう吉報を伝えます。

自分の息子が亡くなったそのような時にさえ、他人の吉報を伝える配慮。

カムパネルラの姿勢は、おそらく父親から受け継がれた「継承」のようなもの。

この自己犠牲は、エゴで満ちた人間には是非とも知ってほしい姿。

まずは、自分の前に人の幸せを考えてあげる例が親子ともどもに感じられました。

「銀河鉄道の旅」はまさに死後の世界を分かりやすく象徴的に表現している

ところで、この物語を1つだけある「絵」で表すとしたら、銀河鉄道の旅の途中の場面でしょう。

善い行いをしていたカムパネルラの生き方そのものが評価されたような形の遠く高い宇宙の降車駅。

いろいろな人が列車に搭乗しては途中で降りていくのですが、カムパネルラのように最後の方の駅(上の方)で降りる人というその決められた片道切符が、「徳:とく」の高さを評価されたと感じます。

これは、他人のために自分を犠牲にしてまでも尽くしたという人間への高い評価をだと解釈できます。

しかし、カムパネルラは死者となった身。

やはり上の方の駅ではあっても、やがては、他の人と同じように列車を降りて銀河の闇に消えてしまいました。

ジョバンニは、この旅で一瞬だけではありましたが、何らかの霊感みたいなもののせいで死んだ後の体験に触れたことになります。

死んだ人しか知ることがない宇宙の列車の旅に参加する体験をほんのわずかの時間だけ味わったということです。

ここで「はっ!」と思うことが。。

ここ最近YouTubeで視聴させていただいた、「臨死体験」をした人のエピソード。

その臨死体験は、よく日本人の中で言い伝えられている「三途の川」のお話。

生きている間に誠実に生きてきた人は、美しく素敵な景色の場所へ行ける、その逆の人は暗い場所で心も晴れないと、そしてその場所がその先も永久なのだと。

列車の旅の途中で、二人(主人公ジョバンニとカムパネルラ)は鳥を捕らえて生業(なりわい)にしている男性に出会います。

しかも、時間が経過しても相も変わらずただ同じ場面であり、そこからの変化も発展もありません。

この男性に対してジョバンニは、「本当に心からその仕事をしたいのだろうか」と疑問を持つ場面が印象的。

臨死体験の人がこうもお話されていました、「いくら頑張って働いてきた人生であったとしても嫌々ながらその仕事をしたのでは死後はハッピーではない」と。

まさにこのことに符合。

ということで、「シャーマン」的な霊感を持っていたと言われる著者「宮沢賢治」がこの列車の停車場である駅を段階付けて示し、人生をちゃんと生きた人には高い位置の停車場で降車する切符を配布したのです。

その鳥の男の降車駅とは随分かけ離れた高い位置の駅とのその距離の意味は3次元での物理的な人生においてやってきた過去の行いの「差」。

一方それらのいずれでもない、生きているジョバンニが持っている切符はどこでも自由に行けるフリー切符。

まだ人生がポテンシャルを秘め、この先いかようにもなりうる無限の可能性があることを行き先自由のフリー切符で表現していると思うのです。

これが生きている人と亡くなった人の違い、苦しみを真正面から実体験できている3次元での「今」こそが生きている「証」であると考えざるを得ない

「ずっとこれからも旅していこうよ」と列車内でカムパネルラと誓い合いたかったジョバンニでしたが、大きく二人が違っている点は、カムパネルラは、もう生きてはいない人間であるということ。

ジョバンニにはある「生命」というものをカムパネルラはもう失ってしまった状態にあるのです。

どれだけ格の高い停車場で降車できたとて、カムパネルラには、その降車以外の選択肢はないことを「残念」とか「悲しみ」として私達読者に伝えます。

裕福ではなく、母が病気で、牛乳こそが大切な母の毎日の栄養源。

そしてそれを買うお金を作るため、小さい子供なのに大人に混じって毎日学校後に労働をするジョバンニ。

ぎりぎりの、際どい暮らし。

けれども、毎日地をしっかり踏みしめて1日1日貴重に明るく生きていることがとても力強いと感じられます。

おそらく友人たちの輪からも外れ、いじめられている様子がどの読者の目にも明らかであるけれど、そんなことは大変な1日のたくさんのタスクの中のわずかな部分でしかない。

それだけにこだわってもいられない、その前向きさはまるで宝物のようにキラキラと輝いている。。

このキラキラは、銀河鉄道の旅のはるか彼方の停車場に点在していた美しいトパーズなどの色鮮やかな天然石にリンクします。

カムパネルラの父親が教えてくれた、父がじき帰ってくるという吉報、苦しい毎日の中に舞い込んできた幸せと喜び。

ジョバンニにとっては最高の幸せです。

命の尊さ、生きているということの次元を分かりやすく、死の次元を見せることで「宮沢賢治」様はそれを示したと考えます。

生きている人は、今自分がいる次元というものが当たり前すぎて、見失っているもの。

死後の世界を旅する経験をしたジョバンニは、貴重な「メッセンジャー」的役割。

著者様の死後もそれを永遠に伝えていくには。。

物語の主人公というのは、その物語が読まれる以上、永久のもの。断然著者様よりも永久に生き続けるものです。

「宮沢賢治」様は、永久的な発信者としての任務をジョバンニに託したのではなかろうかと。

感想まとめ

列車の旅の次元が高い降車場では、美しい宝石がキラキラと輝く色とりどりの明るい世界が存在しています。

その風景こそ、いわゆる「天国」の象徴だと思えます。

そんな次元の高い降車場で降りられる人の条件を考えてみました。

1)人の気持ちに寄り添うこと・・・ジョバンニや父親の他人の心の深い部分を思いやる行動でそれを例として示している。

2)自分に誠実であること・・・貧しく辛くとも常に胸を張って明るく前向きな主人公ジョバンニが将来高き次元の駅で降りることができる可能性を鳥を捕まえる仕事の男との対比に垣間見る。

亡くなってこの3次元から姿を消した後に行くであろう銀河鉄道の降車駅を降りたって存在する場所を生前の人生の過ごし方が決めるのだということです。

人に対して嫌な態度をとったり、やりたくもない仕事を無理して頑張るなどの本当の気持ちに向き合わない生き方は、1)2)とは対極の事。。決して「あの世」では評価されないのです。

他人のことを思いやり、自分の気持ちに正直に心から納得できる行動、そしてライフスタイルを送るべき「理由」を、そうしてきた結果がどうなるのかということを次元を超えた見方でこの銀河鉄道の旅が教えてくれました。

「ツキ」のない自分の人生を嘆くなかれ、当たり前の毎日の中にあるささやかな幸せ、喜びに感謝するのだ。

人生における「苦楽」は、この世に生をいただいた者の宿命であり、様々な「苦楽」を丁寧に受け止めながら、正直に前を向いて歩いて行かれますよう。。

あとがき

何か後々心にずっしりと重みを残したこのお話。

時々、こんな風にブログで読んだ本の感想を書きます。

今回、小説が題材なのは珍しいです。

小説だけをそのまま読むとなかなか理解が難しいです。

最初にこの記事を書いた2020年8月14日投稿をその3年後の2023年7月15日、さらに2024年3月11日に手直し(リライト)しています。

まずは、読んだ後にネット上で可能な限りレビューを拝見。

その後、作者「宮沢賢治」について別の人が考察した「霊感」とか「天然石」についてのかかわりについて書かれた本も読ませていただきました。

それが<読書>カテゴリーの中の【623】の記事の投稿です。

そして、途中でも触れました、臨死体験をした方のお話を拝見したのがここ最近の2023年6月頃です。

ここで、この物語の私なりの解釈が随分まとまることになります。

ただ、こんなことも未だに引っかかったまま↓。。

それは、いじめていたリーダー的な者が助かって生き延びた、人を思いやっていた者が亡くなったという事実。。

これは何か意味するところがあるのだろうかというところです。

この世の矛盾とでもいうのでしょうか、いい人が早くなくなるみたいな。。

もう十分この世では尽くして来たからそこで終わる運命の者、まだまだ成長のしなければならない使命として、生かされたということなのかです。

それでも死後の評価は正当に下されるものなのだということがメッセージなのでしょうか。

もしかして、再びこの続きを考える時がこの先あるのかもしれません、その時はここにまた文章を書き加えることになるかもしれません。