ヒネリ錠付きのバッグの急カーブラインの縫い合わせが難関、もっと作りやすくするための工夫を試作品を完成させながら検討【363】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグをこじんまりとした小規模製作をしていることのメリットは、急な変更の融通が利くところ。

このたびは、緊急でこれまでずっとあこがれてきた、巷では「ケリー型」と呼ばれる蓋付きのハンドバッグの「側面の急カーブ」に注目しながら試作品を作りました。

以前にも一度製作したのですが、もっといろんな生地で作れるようにとなると見直したい点は、やはり作りやすさです。

作りやすいものは綺麗にできるという鉄則のもと、良い意味で楽に製作できる工夫も非常に重要なのです。

矢印のカーブは半径2.5cmの円の一部を使ったカーブですが。縫い合わせは難関箇所となるほどの難しさです。

「昆布巻き」というデザイン名を付けています。

蓋付のコンパクトなもので、ショルダーなどはあえて付けずにハンドバッグとして持つものです。

このサイドのマチの部分のパーツがカーブを描いています。

ここが縫い合わせの際に非常に難関になるのです。

側面の急カーブを縫いやすいように変えることができるのかの型紙変更の考案

円の一部を利用したカーブはとても美しく自然であり、どのバッグにもその半径を変えながら引用してまいりました。

本当はこのまま2.5cmの半径の円の一部を利用のカーブで行きたいところなのですが、作りにくいデザインは良質なものが出来上がりにくいう理論からカーブの見直しをはかります。

左は、これまでのカーブの型紙。右は緩やかなカーブにしてみた型紙。
結局、底が水平ではないこのカーブはボツ、こちらの型紙はやめました。

やはり、良い形になるはずがありません。なぜなら本体の形に沿わないからです。

この案は、型紙だけでボツになりましたのでサンプルは作りませんでした。

次の写真を見ていただきますとおおよそのここにはめ込む形が浮かび上がっているのが分かります。

そうしますと、今までの半径2.5cmの円のカーブの一部を引用のラインは正解だったと言えます。
このたび試作を作った時に採用した型紙:こんな風に途中まで円の一部のラインという形でやってみました。
上の型紙で縫った結果のライン:出来上がりの前にステッチ自体があのラインでは上手くかけられず。

結局は、物理的な動きの自然の法則とでも言いましょうか、円のようなカーブがどう考えても自然であり、そのようにミシンが進んでしまうのです。

とりあえず、このまま続行しました。

今回使用の生地はカーテン地、モカグレー色に四角いジャガード柄です。

ドレープカーテン地:ポリエステル/100%、日本製。入り口のフラップのシミュレーション。

そもそもフラップが浅過ぎるという点がここですでに失敗だと判明、それでも続行します。

なかなか折りたたみ構造も難しいものです。

おそらく試作が何度も必要なデザインだと思われます。

そして、とりあえずの完成です↓。

「昆布巻き:試作」<サイズ>縦18cmx横24/28cmxマチ8cm。

一応組み立てることはできたものの多くの課題のあるものになった試作。

まず、やはりフラップは浅すぎまして、この2倍ほど下へ長さを伸ばしたいところです。

側面も浅すぎて隙間ができていました。

ところで、側面のカーブに関しましては、結果的には元の型紙の方がましでした↓。

元の半径2.5cmカーブの型紙:やはり円の一部を利用したカーブでなければ美しくないのだと結論付けました。

そして、次回への展望として、半径を少し増やすというカーブにして側面の型紙を作ってみます。

次回への持越し事項として、今度は半径4cmの円の一部で引用する型紙を製作。
カーブの線が2.5cm半径よりも数ミリ内側に入りカーブ緩やかに。。少しでも縫いやすくなるはずです。
先にこの側面のサイズを徹底することでマチも広がり全体の型紙も見直すことになります。

すでにこの型紙自体をおおまかな台形型に変えまして、上の方になるに従い幅を狭くする改良も同時にしています。

と、こんな感じでその後の方向性が1つ見つかったということになります。

ヒネリ錠についての心配事と縫い代はみだしのリスク改善のアイデア

ヒネリ錠に対しては懸念が常にあります。

生地に大きな穴をあけることのリスクをとても感じます。

確かにかっこよさはあります。

それは、きっと枠がくり抜かれて透かしになっているかっこよさだと思います。

その反面、とてもリスキーな構造だと思います。

今ある生地をくり抜いてしまって包み込むこともせずヒネリ錠を付けているので、いつ何時、ヒネリ錠の間からゲジゲジの生地がはみ出すか気が気でありません。

隠しポケットの枠みたいに、ラッピング布でくるみ込むことも考えてみましたが、これも一度サンプルを作ることになりそうです。

頑丈に取り付けるすべが見つかれば、ヒネリ錠自体はポイント的な存在感でカッコイイです。

あとがき

こうして、組み立て式でなければなかなか作ることさえできないハンドバッグを作ろうと考えられたのも、「プレート組み立て式」の作りを採用し始めてからです。

このことがまずは有難いです。

あこがれだけで終わるということがなく、試作に踏み切れただけれでも一定の成果は有りました。

同様の立体型デザインに「バニティーバッグ」があります。

これは、通常よく作られる「ひっくり返し型」で裏地付きでも可能だと思いますが、組み立て式のばあいは、ラインがしっかり出て、イメージに近い形で実現できます。

そう考えますと、ほぼ無限に立体型のデザインが作れるということになりませんでしょうか。

確かにこの回は試作にとどまり、サイズ感も間違いながらのものでしかありませんでしたが、今後のハンドメイドバッグの製作のヒントになる点があれば幸いです(^-^)。

図書館で本を複数冊借りている私、実体験からのニーズで作った本専用の四角いバッグ【360】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

お部屋に本を置く場所を確保しておらず、本はレンタル(図書館で借りる)と決めております。

少し、生地の事典のような本は手持ちにありますが、引き出しに入れるほどの数冊のみ。

以前に300冊ほどの文学を日本、アメリカ、ヨーロッパ、などと分けて古本で集め、棚に収納していたことがあります。

とっても場所を要する保管でした(^_^;)。

学生時代に授業でも習った「アメリカ文学」については、楽しい、面白いでもない複雑な心境になる点がありとても魅力的でした。

えぐいとか残酷といった感じなのか、「二十日鼠と人間:ジョンスタインベック」とか「華麗なるギャツビー:フランシス・スコット・フィッツジェラルド」などはアメリカ文学で、両方共映画になっていますね。

「ギャツビー」の方はキャストが変わって年月を経て数回の映画になるというくらいのもの。

本もあくまでヒント。

そのまま実行していくような参考書とかテキストではないので、たくさん読んでいろんなことが自分の中でつながって、独自のコンテンツとしてやっとアウトプットできるものです。

時間がじっくりと必要なことです。

だからこそ毎日読むくらいの頻繁な本との接触が良いとお勧めしたいのです。

さて、このたびは、図書館を利用するスタイルがすっかり定着しましたが、専用のケースとして、本入れになるようなバッグを作ってみましたのでご紹介したいと思います。

内側に中綿キルト裏地を貼りふんわりと、そして本がこぼれないようにベルト付きのバッグにした

私が通う図書館では一度に6冊まで借りることができます。

実際は、6冊ともなると本のボリュームにもよりますが、延長を伴いなんとか読み切るか、更に借り手がない場合は新規で更新し直して引き続きレンタルできます。

せっかくなのでめいっぱいの6冊を借りたいと思うことが多く、バッグにまとめて持ち運びします。

そうして、お財布やスマホが入っているメインバッグとは別に本専用を求めるようになっていきました。

本を傷めないように、内側に中綿キルトを設置していきます。

<裏地>コーティングプリント目止め加工、ナイロン/100%、日本製。ここへバイアスキルトを掛けました。
<表地>ドレープカーテン地、ポリエステル/100%、日本製。四角いフォルムをピンタックで演出。

金茶色がシックです。

この生地自体が肉厚でクッション性があるものになります。

こんな風に補強の底ベルトの真ん中をトンネルにしてベルトを通します。
そして、入り口を本を包み込むようなイメージで縛りました。

入口の結び目を金具できちんと止めていくような考案の結果生まれた、「田楽:でんがく」という本用バッグ

最初は、このように結び目を自分で作るという開閉でしたが、もっと確実な留め具を設置しました。
完成品:「田楽」(本入れバッグ)。<サイズ>縦20cmx横28cmx横9cm。

金具を付けたとたんスタイリッシュになりました。

本入れだけに使うのではないということにも期待できます。

ところで、このバッグの名前「田楽:でんがく」は、その角々しいスクエアぶりがまるでお豆腐やこんにゃくのようにすっきりとしたその様相から名付けてみました。

あとがき

この記事の初投稿は2021.02.02です。

その後ブログ記事も手直しをしておりまして、現在2024.03.09に「リライティング」の順番がこの記事に該当。

3年後の今もお伝えすることになりました。

現在も全く変わることなく「図書館ライフ」を続けています。

現在読んでいるのが、他でもない冒頭の「アメリカ文学」の作家の紹介の本。

その時代の背景と作家の経歴をふまえた2ページずつに渡る様々な作家のエピソードです。

とても楽しく、アメリカ文学の謎、「なぜああも残酷な内容なのか」をいつか紐解きたいとその謎に独自に迫っている次第です。

事業とは関係のない分野でも、必ず読書から得た知識は己の観念に溶け込み、新たな自分の考え方が生まれます。

図書館ライフ素敵です。

たくさん本を持たなくてもどんどん本を読んで行けるのです。

そんな時に、たとえ借り物であっても大切に使い、ありがたくお返しできるよう、ふんわりと守られた本専用のバッグに入れて持ち運びたいものです(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

少しの改良であっても良質なバッグへの小さな一歩、タブを2cm長くした改良の手ごたえ【359】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび、最後に底板を残してとりあえずバッグ本体が完成。

「テリーヌ」というビジネスバッグです。

このデザインは、かつて2時間ほどの外回り仕事のあった経理部時代の書類の提出と受け取りの貿易のお仕事の時に持っていたバッグからの着想です。

実際にお仕事で使った者が実際に作るというこの説得力は有難いご縁であったとしっかりとお伝えしていくべき役割を感じております。

このたびは、より良質なバッグへと改良するほんの少しの寸法の変更でどれだけの効果があるのかの手ごたえをお伝えしたいと思いまして、同時におおわくの完成の姿をご覧いただけます。

タブの型紙を2cmだけ長くしたことによる効果をどう感じたのか

今までは縦の長さが7.5cmでしたが10cmにしました。

理由はバランスと使い勝手の追求からです。

縦10cm横7.5cmのパーツでファスナーつまみタブを作ります。

上下は縫い代を隠すための1cm強のアイロンの折り目。そして、観音開きにアイロンで事前に折り目を付けます。
このようにサイドを折った縁2mm程度の箇所にステッチを返し縫い無しですーっと入れます。
次に、仕上げのステッチ。先ほど仮縫いした縫い線の上をたどるように2列ステッチします。
ミシンをかけた側から見た様子。結び目を内側に引っ込めているのに、外へツンと飛び出してしまいます。

この飛び出しの解消は今後の課題であり、内側へ玉止めを隠す良き方法を考えていきます。

2つに折って、あらかじめ重なりの仮縫いのようなステッチをこちらも返し縫い無しで入れます。

ナイロンは目が詰まっていて、下糸がモソモソと引っかかることがとても多いです。

そして、口布に2度縫いx2列で縫い付けます。2列の意味は、1点への力の集中を分散するためです。

実は、タブを長くした理由にこの2列にする案が関係していました。

つまむところが前のままでありながら2列にするには、寸法を増やすということに至ったのでした。

中を広げた時に思わず気持ちがほころぶ美しい内装の黒ナイロンバッグの完成

黒の内部にこんなマルチカラーの小花柄が広がっているというギャップがあります。

このアイデアは、いくつかの展開が見込め、裏地の柄を変えてそれぞれの1点物志向が実現。

その他、黒の「ナイロンオックス」の表地も「ナイロンタッサー」などの織柄の違うタイプでチャレンジしてみてその違いを知るという体験ができます。

あとがき

この後、底板を設置して完成となりますが、完成の記事の投稿はこの度のお写真で終わりたいと思います。

このたび、裏地に利用させていただきました生地は、購入の生地屋様のサイトでは、「レジ袋」としてそのサンプルのお写真がご紹介されていました。

バッグの中にたたんで収納しておいて実際に素敵に使えそうで、とても素敵でした。

こうして、製造者によって同じ生地でも発想が変わるものです。

ということは、数少ない撥水のプリント柄生地を何とか豊富な展開にしていくためには。。

ということの1つとして、表地が同じでも裏地が違うのだという差別化も1つのアイデアになります。

巷では溢れかえっている黒のナイロンバッグ。

大きな流れの「流行」としてはだいぶ黒のナイロンバッグも広く知れ渡った昨今、この後の差別化をどうしていくのかというところが課題です。

とはいえ、黒のナイロンはやはり使いやすく永久不滅の素材だと思っています。

上手く活かすも、ただの流行だけのものとなって飽きられてしまうのも製造者の活かし方次第です(^-^)。

バッグの支柱をまっすぐに縫い付けるためには印を生地に書いてしまう方が良い、その上に端っこをかぶせ印を覆うやり方【356】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在、「テリーヌ」という名前のお仕事バッグを製作中です。

メンズのブリーフケースからの着想で、メンズライクな形、これをナイロンの撥水加工生地で作っています。

このたびは、支柱を縫い付ける時にまっすぐになることがポイントであるということから、印付けの大切さをお伝えしてまいりたいと思います。

待ち針が大切、そして時には書いてしまうほどのはっきりした印付けも重要

出来上がった支柱をこのチャコの白色ではっきりと書いた印にうまくかぶせていきます。

この印が幅のある支柱の左端です。

ここでお詫びなのですが、以前は、支柱の真ん中に印が来るようにしていたのですが、非常に見にくく、正確にできないので、左端ぎりぎりに変えました。

よって、後で貼りますYouTubeも真ん中の時のもので食い違いますが、その後の見直しで「外側の端っこが印と合致」が最も確実だということになりました<m(__)m>。

最初にサイドから9cmの位置に印をします。上の方は取っ手が縫われている部分だけです。
左右とも印を付けたら、待ち針をこんな風に横向きにして、底の部分を一番最初に留めます。

ここをまず固定してすべてが始まります。

一番下の次は一番上がよいでしょう。
そして、本体の上辺から6.5cmの位置に横向きに印的な待ち針を打ちます。まっすぐ横向きというのがポイント。

これを中心として上下1cmずつの位置に返し縫いのステッチで固定するのでこの待ち針自体が印の役割です。

そして、中間地点のぶらぶらした不安定さをこのど真ん中の待ち針で1か所固定。

そして、ミシンで縫い付けていきます。

今回は、ミシンの縫い付け場面は省略です。またの機会に縫う順番などのご紹介を致しますね。

隠しポケットの設置は支柱縫い付け後の方が良いと後で気づく

ポケットが付く方の面は、先に隠しポケットを設置していましたが、これは後の方が良いです。
裏面の様子:ポケットの袋の縫い代をを中途半端に縫い付けることがなく袋が独立しています。

バッグになってしまうとなかなか見れない場面ですので、こういった裏側の様子は貴重です。

待ち針を横向きにした上下1cmずつの箇所の返し縫いのステッチの出来上がりの様子。綺麗に出来ました。
下の方の様子:ここでバッグの中身を「よいしょ」と持ち上げるので支柱はとても重要。

あとがき

実際のお仕事の場面では、このたびの支柱の間の細長いポケットはスマホ入れに適していると考えています。

スマホにキズが付かないようあえてファスナーなどは付けず、その代わりこぼれ落ちにくいように比翼仕立てでひさしが守ってくれるのです。

ただの黒いバッグだからこそ、特徴や差別化で勝負するという良き勉強になっているところです(^-^)。

ありがとう生地屋さん、レアな素敵な小花柄の撥水生地を黒のナイロンオックスの裏地に使わせていただきました【355】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「テリーヌ」という名前のお仕事で使うようなビジネスバッグを製作しております。

コンビは、ナイロンオックスの撥水加工の生地の黒色を表地に、そして、ポリエステル/100%の小花柄がかわいいつるつるした裏地とで内側に広がる世界の素敵さを秘めたバッグです。

このたびは、接着芯貼りまでの進捗度の中で、薄手の生地の場合に望ましい「粗裁ち:あらだち」という方法をご紹介したいと思います。

接着芯貼りの際にはこのやり方が非常に有効で、どの状態での粗裁ちなのかの様子などもはっきりとお伝えしてまいります。

黒のナイロンオックスに合わせる生地の新しい形

まずは、定番のナイロンオックス。

そして、小花柄の生地でも今まで見たことが無かった初めての出会いの生地のコンビ。

ミントグリーンを黒の表地に合わせていくというのもありかな、とトライしてみようと思いました。

左:<表地:黒>撥水加工ナイロンオックス、ナイロン/100%、日本製。<裏地:ミントグリーン>小花撥水、ポリエステル/100%、日本製。この小花柄の生地屋様は日暮里商店街の「要藤商店:ようとうしょうてん」様。

青味の色に、優しい赤色の花柄のおかげで、とてもバランスがよくとれているカラーの裏地。

とても楽しみです。

美しく仕上げるための「粗裁ち」は何の矛盾もない

これまでの製作では2つの粗裁ち引用のケースがありまして、1つは生地自体も粗裁ち、接着芯も粗裁ちというケースです。

もう1つは、生地だけは型紙通りに裁断、接着芯を貼る時だけ粗裁ちの方法です。

この使い分けは、薄手の裁断しにくい生地の時に前者が有効で、このたびは生地でも粗裁ち、接着芯でも粗裁ちの方法で行きます。

前者の「生地も接着芯も粗裁ち」の場合は生地の粗裁ちに最初に接着芯をはみ出したまま貼ってしまいます。
裏地の裁断も同じように裏地も粗く、接着芯もはみ出して貼ってから初めて型紙を当て本格的に裁断します。

粗裁ちとは言え、生地を無駄なく有効に使うために、周りはせいぜい1.5cm-2cmまでのゆとりです。

粗裁ちのパーツを見ただけでどのパーツの粗裁ちかが分かる程度ということですね。

これら以上の細かいパーツは、粗裁ちの時点で複数を1枚のシートにしてまとめて接着芯を貼ります。効率的です。
接着芯を貼り終わった状態。すべてのパーツに接着芯が貼られました。

取っ手にボンドを使わずに入れ込むソフト厚芯のご紹介

ソフト厚芯:これを取っ手に入れ込んでステッチをかけます。ボンドは使わないところがポイント。
ぷっくりと膨らんだ持ち手が実現。持ち心地が非常にふんわりと感じられ快適です。

ようやくたくさんの取っ手を作ってきて、この巾が統一になるように出来てきました。

ここは印などを付けることが困難な部分なので、いかに綺麗に仕上げるかは、目で見た幅の感覚のとらえ方というものが右と左とで違ったりして難しい点です。

両サイドのステッチは、まず1周ボックス型にステッチを入れた時のものなので、残り2本を目で見て均等に配分していくわけです。

端のステッチ間は役20mm強、21mmととらえて÷3の7mmずつの幅ということになります。

あとがき

このたび、粗裁ちをするケースとしてご紹介しましたが、粗裁ちをしない方がよいことがあるパーツは大きな面積のパーツです。

かえって粗裁ちをしようとして接着芯貼りの際にしわが入ったりしてしまうことがあるからです。

要するに使い分けということになりますが、細かいラインを綺麗に出すという点では、この度の細かいパーツに粗裁ちを採用したことが良い効果を出すことにつながります。

あとは、別の記事でも綴ってまいりましたが、接着芯を貼る時には、たとえアイロン台カバーが付いていてもアイロン台の上に「クッキングシート」を広い面積で敷いて行うことを推奨致します。

こうして長くアイロン台のカバーを覆うようにクッキングシートを敷いて接着芯貼りをしています。

糊がはがしやすいので、生地の地の目が崩れず美しいパーツをキープできます。

ということは、最終的には美しいフォルムを作るということにつながるのです。

「粗裁ち:あらだち」と何度も綴ってまいりましたが、決して「粗い作業」ではございませんでして、むしろ「緻密な作業」に当たるのではないかと思います(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

皆がよく知る「黒無地の撥水加工生地」は1種類だけじゃない、4種の美しい織り目の違いを見ながら、普遍的な扱いの黒無地を深堀りした【354】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今後、バッグ製作に黒無地の撥水加工生地をたくさん使わせていただきたいと思っております。

特に「テリーヌ」というブリーフケース型は、ナイロンなどの撥水加工生地を必ずチョイスすることにしておりまして、表地には無地を、裏地には華やかな柄を使うとも決めています。

黒無地という生地で作られたバッグは「仏頂面」のような表情の薄い素材に映りがちでじっくり見られることがないのです。

ネットの写真のみで素材の表面の様子を判断することになるわけですが、なかなか分かりにくいものです。

やはりネット写真の商品は華々しい柄や色が分かりやすいものなのです。

とはいえ、現実的には、黒は一番融通の利く色として好まれ、所有されているのが現実だと思います。

このたびは、ネットではなかなか細かく織り目まで見ることがない黒無地の撥水加工生地を4種じっくりとアップにしてご紹介したいと思います。

そして、一見黒無地ののっぺりとした素材に映るものが、実はよく見ると生地の織り方に違いがあり、それぞれ大変美しいものであるということをお伝えしたいと思います。

一見同じようにしか映らない4種の黒無地の撥水加工生地、よく見ると「畝:うね」がありとても美しい様相をしていることに気づく

とりあえず4種の生地を並べてみました。

撥水加工生地4種:一番左からナイロンオックス、ナイロンワッシャー、綿ストライプ、ナイロンタッサー。

こうしてみてみるとそれほど違いが分かりませんね(^_^;)。

では、次に細かく1点1点に近寄って見てみましょう。

1)ナイロンオックス

これが一番王道でしょうか、撥水加工の黒い生地との一番最初の出会いがこのオックスでした。

オックスというのは「オックスフォード織」のことです。

オックスフォード大学の学生のシャツのようだということでその名が付き、まるで、ブッチャーという生地がお肉屋さん(butcher)のエプロンの素材の織り方と同じだから名付けられた経緯に似ています。

後程アップにした写真を撮影したのでご覧いただけますが、均一に四角いブツブツが入ったような柄です。

しかし、遠目で見たり普通の視線で見れば、プレーンな織り目といった感じに映ってしまい、今回ご紹介の4種の生地の中では一番平たく見えてしまうのです。

1)撥水加工ナイロンオックス:ナイロン/100%、日本製・・・四角いマスがレンガみたい。光沢も感じます。

2)ナイロンワッシャー

ナイロンワッシャーも結構有名で聞いたことがあるかもしれません。

ジャケットやコートなどにも使われることがある生地。

ワッシャーというのは、しわ加工のこと。

このしわ加工は、凹凸感ある表面の演出であり、この加工による厚みも感じられ風合いを良くしています。

オシャレ感が増します。

2)撥水スパンライクナイロンワッシャー:ナイロン/100%、日本製・・・縦じまとのコンビになっています。

少し複雑になりますが、ナイロンオックスのワッシャーというのもあります。

ワッシャー加工が入るのは、何もこの写真のようにストライプみたいに縦に線が走る織り方の生地がワッシャーというわけではないです。

いろんな織り方との組み合わせでワッシャー加工できるようで、複数の展開があるのです。

3)綿/100%の撥水加工生地

撥水加工はナイロン/100%ばかりではないです。

綿/100%とかポリエステル/100%にも撥水加工がされている生地があります。

過去に「雨の日シリーズ」という撥水加工の生地ばかりを集めて雨しのぎの比翼リュックを作ったブログ記事が綴られています。

その時に使用したモカグレーの生地は、綿/100%でありながらコーティングで撥水効果のある生地でした。

このリュックを作った時の生地名は、ストライプコーティング、綿/100%、日本製。モカグレー色でした。

織物事情が事細かに分かるわけではありませんが、こういった撥水加工にもできるような加工に差し障りのない程度の織柄というのが、均一感あるストライプだったりするのかもしれません。

3)防水・撥水コットン100%:綿/100%、日本製。・・・織り方を忠実に表した生地名ではないですが「ママ」引用。

過去に私が使用した先ほどの上の写真のモカグレー色のストライプに似て、こちらもストライプの織目が入っています。

この生地だけ4種の中で綿/100%なのですが、不思議なもので、撥水加工していない生地は、明らかにナイロン/100%と綿/100%の違いが判るのに、撥水加工がなされると似た感じになるということです。

かろうじて、端っこのカットの跡のほつれ具合で綿の糸だと分かります。

綿/100%の撥水加工の生地の端の様子・・・ほつれ具合からナイロンとの違いが分かり、綿っぽさが出ています。

ナイロンよりもガサガサッとする風合いです。

4)ナイロンタッサー

タッサーには、分かりやすい特徴があります。

生地の織り糸がボーダー柄みたいに走っていることがかなり分かりやすく表れていること。

4)撥水加工ナイロンタッサータイプ:ナイロン/100%、日本製・・・目の詰まったボーダー柄。

ここまで「畦:あぜ」がぎっしりなので当然全体としてしっかりとしていて程よい厚みがあります。

おそらく大勢の方が好まれるような人気の生地ではないでしょうか。

ナイロンタッサーは今まで出会ったことが無かったので、このたび非常に感激しています。

こうして見てみると、一見同じような黒の無地の撥水加工の生地といっても、ここまで違いがあるのだと分かります。

他にも、市松柄のような織り方のナイロン撥水生地も見かけたことがありますので、今回のこの4種以外にもまだまだあるのだと思います。

あとがき

あまりに巷に黒のナイロン撥水加工生地で作られているリュックがあふれているために、生地自体の素敵さに目を向けることを忘れているのではないでしょうか。

あそこまで大量生産され尽くしていると、黒の撥水加工生地が普遍的でつまらないものに思えてきてしまうのです。

必ずバッグのお店をのぞけば、どこかには置いてある「黒のナイロンバッグ」、これを見つけた暁には是非じっくりと生地を眺め、どんな織り方がされているかを見てみて下さいませ。

多くは「ナイロンオックス」ではないかと思うのですが、もしかしてこの度のご紹介の中にも出てこなかったような新しい発見があるかもしれません。

当たり前にあるものの美しさがいかに埋もれてしまっているかということ、それを見つけてあげて下さいませ(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

型紙がバラバラになってしまっても、どのデザインのどのパーツなのかが必ず分かる型紙シールの存在感【353】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ最近デザインのを固定して、「ブランディング」を打ち出せないかと考えます。

一見敷居が高いような言葉ですが、1点もしくは複数のラインナップをパッと見て、「ここの品物だ」分かるようなハンドメイドバッグにしていこうというもので、競争の中では当たり前のことです。

そうした中で、デザインをしぼって少数にしました。

型紙のパーツ1つ1つを大切にする為に、型紙の整理整頓を兼ね、型紙1枚ずつにシールを貼って、その内容を示していきました。

そこに記載されていることは、①デザイン名、②パーツ名、③材料ごとの枚数です。

では、そのシール中心に型紙収納をひっくるめた整理整頓の様子をどうぞ。

どの型紙にも右下に「内容シール」が貼られる整然さが良い物を作ることに繋がるかもしれないと実感

型紙をパッと見てどこのパーツかは分かります。

しかし、それでは不十分なのです。

先のことは分からないけれども、もし、人にこのことを伝えるとしたら。。を考えるべきだと常に思っています。

そうすると、まっさらのただのパーツでは事足りません。

そして、長い間使わないと記憶も薄れるものです。

よって、「内容シール」というものを考え、最低限を型紙に記します。

内容シールの印刷:「エーワン」ラベルシールの12マスの「#72312」というタイプの角丸のシール。

もともと宛名シールとして売られているものです。

内容シールの中身:一番上にバッグのデザインの名前、その下には一般的な名称、その下には該当パーツの名前。

一番下の田の字の4箇所は、表地、裏地、薄芯、ハード/ソフト芯などを記載する位置。

左上から時計回りに、表地、裏地、接着芯(薄芯と表現)、別芯(ハード薄芯など)と枠に記載する反物の材料の位置を決めています。

空欄ならば「その位置の材料は使わない」という意味で、数字はパーツの枚数。

基本的に、このラベルシール1枚をパーツの右下に貼りますが、小さなサイズの型紙のはラベルシールの端をカット。

ラベルシールをパーツに折り曲げたりして無理矢理貼ると、外枠の線の歪みの原因になりますので、必ず、型紙の枠内に収まる大きさに「シール自体をカットする」ということをします。

小さすぎる特殊なパーツに内容シールを貼る場合のカットの仕方

小さなパーツにシールを貼る場合:この2つは、左がショルダータブ、右が取っ手付け根タブです。
とても小さなパーツのシールは半分使い:シールがパーツ内に収まるよう、半分ずつ使います。

その他、特殊なシールの貼り方をする必要があるのが細長い巾着ひもパーツ。

縦の幅が足りない場合の細長いパーツの場合:こういう場合は、シールを縦に分割。仕方がないです。

さて、ここであることにお気づきでは?。なぜ右の端に貼っているのかです。

これにも理由があります。次はシール事態を貼る位置についてのお話です。

シールを「右下」に統一、パーツが見つけやすくなる

シールを貼る位置を右下と決めることで、その部分がたたんだ時も見えるようにたたむということになります。

パーツと言ってもいろいろなパーツがありますので、3つほどご紹介します。

角が削られたパーツの場合:削られた角はよけて、全体で右下の位置に貼ります。

型紙を2枚に折りたたんだ時に右下の方のこのシールが顔を見せているのがポイントです。

右下という位置が無い場合:シールの幅が型紙の幅に近いので、こういう場合は、右の真ん中です。

横長なので3つほどに折りたたみますが、この部分が顔を見せるようにたたみます。

右下がカーブになった場合:こういったカーブの場合も全体で右下の方になるような位置で良いです。

十文字に折りたたみますが、たたんだ状態で、この右下部分が顔を出すようにたたみます。

さて、ここで何かお気づきでしょうか。

方眼紙の矢印の向きがすべて下を向いていることにお気づきであればするどいです。

この矢印はいろんな意味で都合よく「必須条件」として使うことができます。

次にこの矢印の使い方、「どのような意味で使っているか」のご紹介です。

型紙用紙の矢印の向きの意味2つ、①地の目の向き②柄や毛並みの天地の向き

あくまで私が決めた矢印の使い方なので、用途によってはいろいろ考えられますので、その点は悪しからず。

矢印の向きが下向きが正位置:①「縦向き」を表す地の目の向き、②柄や毛並みの「天地の向き」。

例えば、誰が見ても向きが1つだけの柄があります。

このお花柄は、向きがあり、すべてが、お花が咲いているようなこの向きにジャカードが施されています。

そういった向きの決まった柄にもこの矢印は有効、必ず矢印の矢が地面側を向くということです。

また、こういった好みによって使い方の向きが分かれる柄も、使い手としては、ちぐはぐではなく統一したいですので、この矢印が活きるのです。

うろこのような柄。この向きが美しいと感じましたが、製作者様によっては、反対を好まれるかもしれない。

もともと生地に使用する向きは自由ですので、抽象的な柄とか幾何柄なども自分で決めた向きで製作できるという柔軟な柄とも言えます。

ファスナータブに話が戻りますが、もし、このファスナータブに貼るシールをを間違えて反対向きに貼ったらどうなるか。。です。

シールの貼り方が反対。まるでタブのカーブが下を向くような感じに思えてしまいます。

なぜこの写真があるかというと、実は間違えて反対に貼っていたからです。

タブのカーブは天地でいうと、天の方になるのが正解。

タブの向きは、カーブが天地の「天」の向きであることで、矢印がこの状態で下向きになっている型紙が正解。

それが分かっていたとしても、この間違った向きにシールが貼ってある、もしくは、矢印の向きが反対の状態のタブでバッグを製作した場合問題があります。

お花柄の向きが反対に出来上がったり、うろこ柄が自分が決めた向きではない反対向きに出来上がってしまい、パーツごとの柄の向きが天地が不統一になってしまうのです。

そんなバッグが美しいと言えるでしょうか、いいえ美しくはないでしょう。

整然と同じ向きに整えられている方がはるかに美しいのです。

柄は一部だから運よく分からないという結果になれたとしても、毛並みのあるようなファーなどは、見た目の毛並みの向きの違いとか、目に映る色も濃淡ができてしまいます。

こういったことが完成した時に起こるととても悲劇。

そうならないために、まずは土台の型紙をしっかりしたものに、緻密に作っておくことの大切さが分かります。

たかが紙にシールを貼っただけということでは決してないのです。

あとがき

今回は、型紙の整理整頓の風景と細かな工夫の箇所をご紹介しました。

やはり細かく気を付けたりするのもすべては良質なバッグを作るためです。

最後にこの「パターン用紙」をご紹介して締めくくりたいと思います。

この型紙用紙に出会ってからというもの、作業が大変スムーズになりました。

あまり定規を使わなくてよいため、実験とかシミュレーション的なこともスピーディーになりました。

まだ幅の狭いタイプが入手できた頃のもので幅50cmタイプですが、現在は1mくらいのものが基本的なアパレル向けパターン用紙となっているようです。

ハンドメイドバッグでは、断然50cmの狭い方が使いやすいのですが。。

これより大きなものを作る時は、つなげてのりで貼って使います。

この短いバージョンは、現在ではレアとなってしまいました。

以上、いろいろなことを書いてしまいましたが、目指すところは、「良質な商品」です。

すべては、きちんと整理整頓するところが基盤になるのではないかと思えて仕方がありません。

「整然」が「成功」につながりますよう(^-^)。

まっすぐなのか斜めなのかだけの違いの全く同じ構造の2つのデザインのバッグの比較、なぜ別デザインの必要があるのかの理由【350】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「おにぎり」デザインのハンドメイドバッグが完成しました。

まずは、出来上がりをざっと見て、その次にファスナー周りのボックス枠二重ステッチの役割をご紹介。

そして、最後、気になっている類似デザインは1つに絞った方が良いのではないかの検討という順番で綴ってまいります。

「おにぎり」の完成の姿と作りやすさについての感想

「おにぎり」:<サイズ>縦22cmx横22/32cmxマチ10cm。赤色のヘリンボン柄が立体的で美しいです。
このデザインでリュックになることは意外。Dカン付きなら、どんなバッグでもリュックにすることが可能の証明。
入口開閉は、ここ。両開きファスナーがマスト。シェイプされたすずらんデザインのループエンドと牛革のひも。
内側の様子:出来上がると見にくいので途中の場面で写しています。キャンバス地の薔薇柄が賑やか。

さて、作りやすさについてですが、実直な感想としまして、作りやすかったです。

裏地に厚みのある生地を持ってきた心配もありましたが、何ら問題なし。

ファスナー周りの二重ボックスステッチをなぜ採用しているのかの重要エピソード

入口のファスナーがとても重要です。

実際使う中で、思わず、ファスナーを持ち上げるなどということもあるからです。

そこで、ファスナーの取り付けは、二重縫いということを徹底しています。

この二重縫いには、過去のヒヤリとした経験があるからです。

あれは、2018年初頭のこと、紺色で大きなボストンバッグに挑戦していました。

2018年初頭くらいまでは、まだ縫い糸が50-60番を使用。

出来上がったバッグのファスナー周りを一重だけで縫っていた完成品を持ち上げてみましたら、ファスナーの両サイドのステッチがいかにもちぎれそうに浮いたのです。

それを見て、「これはまずい」と冷や汗。

このころから、まずはすべての縫い糸を一掃、30番にすべての糸を統一する決心を固めました。

それ以来ずっと30番糸ばかりで製作しています。

それでもファスナー周辺は二重縫いを継続しています。

そして、さらに、今回ご紹介したいのは、ボックスステッチの二重縫いを1周り外側にも書けることの意味。

これを分かりやすくご理解いただくためにまずは、ボックスが1周のみの裏面の状態をまず一緒に見ていただきましょう。

特に注目すべきは、裏側から見たときのファスナーの裏面の様子です。

ファスナー取り付けの内枠のステッチをミシンがけしています。
1周だけのボックスステッチの場合の裏面:ファスナーの縁がヒラヒラとしていて不安定な様子が分かります。
では、続いて行う外枠のステッチ場面。外枠も内枠と同じく二度縫いです。
内枠と外枠両方が完了した状態を表側から見た様子。安定した丈夫さが見られますし、美しいです。
その裏面を見てみます。さきほどのヒラヒラとは違い、縁の方がステッチで固定され、整然としています。

以上、ボックスステッチを二重枠にする理由というのがこういった整った見栄えになる効果を出すためでした。

バッグが出来上がった状態でこの部分を覗いて裏から見る人は少ないでしょう。

しかし、間違いなく見える部分とも言えまして、視界に入る部分であることは確かなのです。

全く同じ構造の「巻き寿司」と「おにぎり」は別のデザインとみなしていくのかどうかの検討

左が「巻き寿司」。右が「おにぎり」。構造が全く同じで型紙の面積もほぼ同じです。

検討しますのは、わずかなラインの違いで「巻き寿司」と「おにぎり」を別物にすることの意味があるのかどうかということです。

おにぎりが完成したこのたびをきっかけに、なんら変わらぬ同じ作り方の2点を並べてみました。

取っ手と、取っ手の付け根タブの8角形も全く同じサイズで同じ長さのパーツで共通。

共通点がほとんどで、唯一違うのがサイドのラインだけです。

ただの雰囲気に過ぎませんが、「巻き寿司」はメンズライク、「おにぎり」はフェミニンなどと多少の違いを感じます。

同じサイズなので確かに比較しにくいのですので、もしこれらを大きなボストンバッグで作るとしたら。。を考えてみます。

右の「おにぎり」をまずは採用しようとするのではないでしょうか。

大容量のボストンバッグが左の「巻き寿司」だと荷物の多い旅行の際には下に置いて中身を出し入れの時の安定感に少し不安があるかもしれません。

こうして、同じサイズだとよく分からなかった比較も、サイズを極端に変えた時のイメージで比較することで、どちらも別デザインとして見て良いのだと結論づけました。

あとがき

実はこのたびの紅色の「おにぎり」。

その後1年くらい使わせていただきました。

そのレポートとしましては、ほとんどがリュックの使い方オンリーであったこと、取っ手がややブラブラしている様子であったことです。

その他の機能については不満は感じませんでした。

ということで、リュックに寄せるならもしかして取っ手は片方だけとか短い方が良いのかもしれません。

こうして、どんどんその後の月日の経過によって改良点や見直し事項が出てくるのです。

「製作」というのはもしかしたら、終わりがない旅のようなものなのかもしれません。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

「おにぎり」デザインのリュックこうして作っていく、ここからのアレンジでいかようにもアイデアが浮かびますよう作り手様へ向けた製作例【348】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「おにぎり」というハンドメイドバッグのデザインをもっと作りやすく改良致しまして、新しいデザインのおにぎり型を作り始めたところです。

作りやすく改良することはとても大切で、綺麗に作ることができることにイコールとなります。

使用の裏地は2種類展開でして、表地含む全3種を使った生地同士のコーディネートの考案からスタートしましたコンパクトなサイズのリュックです。

一度使った残り同士なので面積が不足、2種で裏地のどのパーツに配分するかのポイント

<裏地1>ミラーレースカーテン地、ポリエステル/100%、日本製。フラップポケット部分をこの生地で。

少々浮きますが、ポケット自体が浮く感じの貼り付け型なので、ここに追加の方の裏地を使ってみました。

ミラーレースカーテン地は一見薄そうに見えるかもしれませんが実はとても丈夫です。

ポケットはもう1つ逆サイドに設置。

違うデザインの「隠しポケット」です。

<裏地2>キャンバスフラワー、ポリエステル/100%、日本製。厚みがある生地なのに裏地として使います。

そして、表地をご紹介。

紅色というような赤色がすっきりとしています。

ヘリンボンのジャカードがダイナミックで美しいです。

<表地>ドレープカーテン地:シェイプス、ポリエステル/100%、日本製。ヘリンボン柄を無地ライクと解釈。
取っ手の付け根パーツの8角形:通称オクタゴン。視線の行く取っ手付近に象徴的なデザインを注入します。

このたびは前半部分ですが、複数の生地を使いながら進めています。

3種の生地があっても互いに邪魔しないそれぞれの持ち場を重視する配分です。

混ぜないようにしたところはこの度の判断ですが、時によってはコントラストを利かせ混じることが良い時もあると思います。

あとがき

この「おにぎり」デザインは、4つのカーブが並行に並ぶと四角くなり、別の「巻き寿司」というデザインになります。

どちらかというと、こちらのデザインはエレガントです。

ちょっとしたことなのに同じ構造でありながら雰囲気が随分変わるものだと驚き、あえて2デザインを別に考えて製作しているのです。

この「おにぎり」をうんと面積を広げればボストンバッグが実現できます。

サイズを変えるだけでもシーンの違うバッグが作れるということになりますので、主軸にこれぞというデザインが1つだけあれば、堂々と胸を張れば良いのです(^-^)。

書き手:ピクチャレスク

数ある黒のナイロンバッグの中からひときわ魅力的な光を放つバッグにするためには。。を追求した黒のビジネスバッグ【347】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび1点のハンドメイドバッグが完成致しました。

名前は「テリーヌ」。

内側に柄が鮮やかに広がるビジネスシーンをイメージしたバッグです。

数ある溢れんばかりの黒のナイロンバッグの中で、どのような存在になっていくのか、どういった点が差別化なのかなどのお話を中心に綴りたいと思います。

黒と赤色タータンチェックのコンビが王道で美しい、ビジネスシーンを硬いものから笑顔が広がる楽しい瞬間へ

「テリーヌ」:<サイズ>縦29cmx横36cmxマチ10cm。こちらが実は正面。
リュック用のDカン:リュックを背負う場面が出てきた場合に備えたオプション的な設置の仕方、
内側の様子:出来上がりだと写真が写しにくいので途中段階の写真を掲載してみました。チェック柄が華やか。

もし、多くの黒のナイロンバッグにこの「テリーヌ」が埋もれていたら。。を想定してみました。

見てもらった時に目につくパッと見の特徴あるヶ所をまずはご説明したいと思います。

・リュックになるDカンの設置

リュックのショルダーまでは取り付けていなくても、リュックとして使いたい場合、例えば、自転車での外回りとか電車に乗って遠方まで出向く場合などは、背負う方が安全です。

このDカンの存在で、その後のアレンジでショルダーを付けることを想定でき、使い方の広がりを実現しやすい準備をさせていただいております。

Dカンの設置:もしこれがなければ、リュック仕様にしたいと思った時に大幅なリフォームになってしまいます。

・内側に広がる赤のタータンチェック

無表情で硬めなビジネスシーン、バッグをオープンした時に広がる鮮やかで楽しい柄。

内側にひっそりと笑顔になるきっかけを仕込みました。

・頑丈でセキュリティー性の高い内ポケットと出し入れにストレスの少ない柔軟性のある外ポケット

ポケットも時に、出し入れにストレスを感じることがあります。

頑丈に保護することだけが良いわけではないのだと思ったことがあります。

というわけで、外側に付けるポケットは、仕事中に携帯電話が取り出しやすいように外ポケットに細長い隠しポケットを設置。

携帯電話を入れる入り口にファスナーでは、かえって電話に傷を付けてしまう原因に。。

外ポケット:スマホが入るよう、ポケットが縦長の袋になっています。

スムーズに携帯電話が出し入れできるバランスはこれだと思いました。

その代わり、比翼的な型玉縁風の入り口の作りになって丸見えではない構造にしたことと、携帯電話がこぼれにくい状態を作っています。

内側の隠しポケットは、内側にあることもあり一番重要な物を入れますので、ファスナーをきちんと閉め、完全密封を徹底しています。

内側のポケット:ファスナーでシャットアウトし、中身を護衛。ファスナー周りやポケットの内袋も2重縫い。

・支柱の縫い付けが二重

支柱は、途中でそのまま取っ手になりまた支柱になる1本の長い生地を逆Uの字に縫い付けています。

途中でつぎはぎしていることはありません。

この支柱が重いものを外側からよいしょっと持ち上げる役割があるので、書類がたくさん入っていたり、少々重いパソコンが入っていても安心。

30番の太く頑丈な糸で二度縫いを徹底しています。

・リムーバルの底板の設置

底板がないと底が沈んで不格好であるとともに不安です。

底板が付くとびっくりするくらい底が水平。

本来、内側に内蔵してしまいたいのですが、それが可能なのはトート型のみです。

こういったデザインでは底部分で布の端が重なり合っていますので、1枚の板を入れ込むことが不可能。

そうするとリムーバブルな底板を最後に置くような形で設置することになります。

底板ベルポーレン(割れない強靭なプラスチック製のもの)に裏地でなじむように包み込んだ8角形の底板です。

8角形の底板カバー:四角デザインから変更。角を削り余分をそぎ落とした結果です。底に沿いやすくなりました。

・ふんわり心地よい持ち心地の取っ手

取っ手は支柱からずっと続いていますので、支柱全体ということになりますが、この全体にソフト厚芯を入れ込んでいます。

ソフト厚芯を入れる/入れないの実験でかなりの持ち心地の違いが確認できています。

ステッチの間にぷっくり膨らんだふんわり感を見ていただけるかと思いますが、持った時大変気持ちがよく持てるのです。

心地良さは2つで成り立つ:ソフト厚芯+ステッチ。

以上が、数多い黒のナイロンバッグの中での「テリーヌ」の存在感になる部分でした。

山のように積み上げられた同じ黒のナイロンバッグの中からこのバッグが選ばれる確率を高めた改良とたゆまぬ努力の結果です。

あとがき

その後の展開としましては、この黒の「ナイロンオックスはっ水加工」という生地が共通でも裏地を変えることで1点ずつの違いが表現できます。

ナイロンのはっ水生地はそれほど無限に種類があるわけでもなく、限られています。

そうすると変えていくと効果的なところは裏地だと思ったのです。

ところが、裏地に相応しいようなナイロンの柄物がとても少ないのも現状なのです。

ここを生地屋様にお願いしたいのが増やしてほしいという希望です。

そんな中でなんとか見つけた他の柄物の素敵な裏地もございまして、今後作った場合にはブログ記事にてお伝えしてまいりますね(^-^)。