パソコンの青画面が出始めたらやること1つ、まだ起動出来る内にUSBへの必要データのバックアップをして完全に壊れる事態に備える【380】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

およそ2か月ぶりくらいのブログ記事投稿になります。

なぜかと申しますと、遡ること昨年のクリスマス辺りに、パソコンが末期症状と呼ばれる青画面の状態になり、完全に壊れてしまったのです。

パソコンの新調の納期にかかる日数と、それまでの間あれこれと何とかならないかとの試行錯誤から随分間が空いてしまったのです。

幸いなことに復活をした様子があったほんの一時的なタイミングでバックアップをとり、必要なデータだけは残すことができました。

このたびは、この大変な経験から、パソコンの青画面が出た時にやることとして、「バックアップ」を重点に、当時の様子やリアルな実態をお伝えしてまいります。

ネットでのご質問でもパソコンの不調の症状がたくさん挙げられていたのを拝見しましたが、まずここでお伝えしますと、「青画面」が出始めた時点で末期症状であり、替え時だと理解することです。

決して元に戻ることがないというあきらめが必要です。

このことをしないまま復活して直ると信じ余計な時間を用してしまいました。

理由は、ハードを購入後わずか2年しか経過していなかったからです。

そうなると10年も使用したパソコンであれば、「寿命」だと思う方が良いということになります。

青画面が出始めた時期にすぐ行うべき、バックアップは後でとてもありがたいと思える「宝」のような作業

実は、クリスマス時期に完全に壊れたとはいえ、前兆のような症状がさかのぼること2か月前の10月に起こっていたのです。

その時は、パソコンの修理業者様にも見てもらい、初期化の方法での対処となりました。

ただ、今から思うこういう初期化もやはり一時しのぎであったのだろうということです。

これで、完全に最良の状態に戻ったわけではなかったのでしょう。

つまり、青画面が出始めた時点で、買い替えの時期だということを思わなければなりません。

年末の不具合が、今まで経験したことがないような最悪な感じがパソコンに詳しくもない私でも感じました。

下の写真のような青画面が出ると、自分のコントロールがもはや不能で、勝手にシャットダウンしてしまう事態にまでなりました↓。

パソコンの青画面の症状が起こした悲劇のエピソードと教訓
通称「BLUE SCREEN/青画面」と呼ばれる末期症状:これが出たら「替え時」と覚悟を決めることが効率的。

そして、勝手にシャットダウンするだけでなく、再起動もするので、永遠にこの状態でPCが動き続けるという経験したことがない症状でした。

これにはもうお手上げ、クリスマス周辺はあっという間に年末ですから修理より新規購入が得策だろうとすぐに「ビックカメラ」様に買いに行ったのです。

ただ、気持ちは腑に落ちないものがありまして、2年前に買ったものだということが壊れるには早すぎるという思いが頭から離れなかったのです。

家電製品とかOA機器に関しては、詳しくないものですから、一度買ったものを長く使いたい方針。

もったいないなあと思いながらの新規購入だったのですが、動画編集や、画像編集なども同時並行して行う使い方なので、やはり16ギガの容量があった方が良いというネット情報などの判断から少々高めの値段となりました。

ちなみに壊れたパソコンは8ギガでした。

壊れた原因が分からないので、容量が不足してのパンクみたいな感じもあり得ると思っていました。

そうして¥135,000ほどの「DELL」様の結構幅の太いデスクトップ型を購入。

その夜1すじの光が。。。

なんと、新しく買ったものの、念のため壊れたパソコンの電源を入れてみたのです。

そしたら久しぶりに起動したのです。

「わあ♪」と感動する反面「結局は一時的かなあ」とも思っていました。

ただ、このチャンスはバックアップをとるためのものではないのか、と思えて仕方がありませんでした。

バックアップも何もしていないまま、壊れて立ち上がらなくなったので、すべてのデータはあきらめていました。

ところが、今ここにチャンスが来たわけです。

そーっとパソコンを付けっぱなしにしてそばを離れ、そそくさと「USBメモリー」を買いに走りました。

できるだけたくさん詰め込めることができる容量のあるUSBメモリーを探しに。。

そして、USBメモリーを買い、とにかく可能なかぎりそこへデータを詰め込みました。

とはいっても、結果は大した容量のデータを持っていたわけではなかったようで、空き領域は余裕のようでした。

しかし、いろんな控えや記録、そして当ブログの記事タイトルのリストなども重要だったので大変助かったのは間違いないです。

そして、その後再び立ち上がったパソコンをしばらく使ってYouTubeを見たりしていました。

問題なく動いているので、「慌てて買うんじゃなかったな」などと思い始めます。

そして、それから1日くらい無事に動いていたので、いよいよ今度は、新しく買ったパソコンが無駄ではなかったのかと思ってしまいました。

そして、翌日に直ったことをお店に話して購入をキャンセルしていただいたのでした。

と、これで無事に、費用がかからずに済んだと喜んだのもつかの間。

翌日は、もう立ち上がりませんでした。

その後二度と立ち上がることは無かったのです。

「DELL様のパソコン、キャンセルするべきじゃなかったのでは。。」と心が大きく揺さぶられました。

あの一瞬直ったのは幻だったのです。

「次はどうする?」、自問自答です。

あの「DELL」様の新品も、横幅がやたら太くて100%良いと思ったわけではなかったから、もう一度買うのではなく、中古のスリムなのを別で、しかも安く買おうという判断を今度はしました。

もうクリスマスまっただ中、メーカー様ももうすぐ休みに入ろうという時ですから、急がねばなりません。

よし、「ヤフオクで中古を探そう」そう決心しました。

そして、「DELL」製ののスリムで、内容も非常に魅力的な希望する16ギガあるものを、¥38,000ほどで落札し、送料入れて¥40,000ほどで購入しました。

非常に急いでいる旨を伝え、ご協力いただき、無事翌々日に到着しました。

もう、WINDOWS10(WINDOWS7からのバージョンアップをしてあるもの)が入れてあるので、すぐ使えるというのもありがたいと思いました。

試しに、YouTubeなどを見てみましたが、大丈夫なようで少しほっとしたのでした。

ところがです。

YouTubeの見始めの時の人の姿が黒い影になってなかなか映らないという現象が少し見られるのが気になりました。

間違いなく違和感のあるモニターの映りだったのです。

その翌日です、朝から、そのヤフオクで買った「DELL」製の中古パソコンの電源を入れたら、なんと青画面!!。

ウソでしょーーーーーー。

こんな立て続けの青画面の出来事は信じられませんでした。

壊れた「HP」製のパソコンと同じ現象で、中古とはいえ、買ったばかりの商品がもう壊れたのです。

これは大変な悲劇が重なりました。

初期化もできず、まるで壊れた元のパソコンが乗り移ったかのようです。

はてさて、次はどうすればよいのか。。

ということで、修理屋様に救急車のように連絡をしたのでした。

修理屋様も年末ですから、忙しいのと休みが間近に迫っている時期でした。

診断的なことをしてもらって、結局、最初に壊れたパソコン(これはHP製)の方が、もともと自分が新品で購入したものだから直すにも部品がまだ入手しやすいかもということで、HPの最初に壊れたパソコンを修理する方向にいったんしたのです。

ところが、その後がなかなか進まず、修理を始める段階にまで入れず、時だけが過ぎていきました。

結局、1月はまるまる1か月直せるのかどうかさえもメーカー様が返事できない状態が続きました。

いよいよ2月に入ると、確定申告でパソコンが必要ですし、なにせ初の確定申告なので、ゆっくり聞きながら時間を使いながら進めていきたい思っていたので、気持ちがあせってきました。

結局、直す方向は時間がかかりすぎるから、新調するのがよい、しかもメーカー品でなくて、「カスタムメイドパソコン」ということに決まりました。

新調の「カスタムメイドパソコン」:横に太くてごついですが、2019年からの使用で2024現在では問題なく順調。

「カスタムメイドパソコン」なんて、プロの詳しい人が持つものだと思っていたので、ちょっと抵抗がありましたが、修理屋様としては、部品が調達しやすいので、直す時もスムーズだからお勧めとのこと。

ということで、自作パソコンを購入すると決定してからは、とても早く2日くらいで納品していただけました。

お値段は、診断費やら全部込みで¥180,000。

相場ではあるのかもしれませんが、一番最初に壊れてすぐにに一瞬だけ買った新品のDELLの太い¥135,000が、後々思えばいかにお買い得商品だったことがわかります(^_^;)。

でも、値段はまあその時だけのことですから。。

それよりも、今後使っていく上で、修理屋様購入でも1年間保証付きですし、壊れた時相談できますから結局は今は安心しています。

この大ぶりな分かりやすい作りが修理もしやすいので長持ちのお品なのだそう。

その後、数年が過ぎ2024年現在も何も問題なく稼働中。

ほこりのお手入れもまめにやっています。

横の網格子から掃除機でほこりをシャーッと吸い取ることも。。

本当にありがとうございます<m(__)m>。

一連のパソコンが壊れた騒動を振り返り、良かった対応、まずかった対応のまとめ

さて、このたびの機器には疎いながらの対応として良かった対応とまずかった対応をまとめてみたいと思います。

<良かった対応>:データを全てあきらめる覚悟を決めたピンチの中、偶然の起動のタイミングでUSBにバックアップをとった判断。

これは、まさか自分がしたとは思えない行動でした。

それだけピンチの状態が際ど過ぎて直感だけで行動していたと思います。

教訓としては、青画面が出始めた最初にこのバックアップをすると良いです。

そもそも日常的にコンスタントにバックアップは必要。

パソコン内だけでは、壊れた時に後で費用がかかりますし、データの確保が本当にできるのかは未知です。

それよりもまずは、事前にバックアップを取った方が確実で、リムーバブルなバックアップの仕方をお勧めしたいです。

<まずかった対応>:こちらは複数あります。

・青画面は末期状態、結局直ることはないのに直ると信じていたことがまずかった。

・中古パソコンを購入してしまったことが非常にもったいなかったです。

スリムな見かけのハードに大容量を詰め込むこと自体がリスキーだという学びもありました。

なぜたった2年で壊れたのかの原因と予想できるものが、「ファイル」の手動での抹消作業←なんでそんなことやっちゃったのかな!?

2年だけの寿命だった「HP」様のパソコンはとても気に入っていました。

コンパクトでスタイリッシュでしたので場所をとらなかったのです。

緊急の時には決まって大ぶりなタイプしか残っていなかったのは、やはりスリムなタイプは多くの人々に人気があるからです。

ところで、そもそも2年足らずで「HP」製のハードが壊れてしまった原因についてです。

分かるはずもなく、修理屋様も「運が悪い製品に当たったと思うしかない」というようなことをおっしゃっていました。

ただ、自分では1つ原因として思い当たる節が見つかりました。

あることを手動でしてしまっていたのです。

よく、知らない間に出来上がった「ファイル」があるのですが、それを開けたり消したりしたことがあったのです。

心当たりがないものなので必要がないと消したもの、それこそが必要なものだったのかもしれませんし、更新時にできあがった重要なファイルだったかもしれないのです。

ファイルもアップデートなどの時に、わけがあって作られたのでしょうから、むやみに、心あたりがないものだからと消したりするのは決していけません。決して触ってはいけない部分もあるのです。

その後は、知らないものを極力少なくするために、自分でダウンロードしたアプリケーションなどは、そのままではなくて、フォルダーを作って、タイトルにそのアプリの名前をつけておき、後で何のアイコンか分かりやすいように整理する1手間を加えるようになりました。

それ以外のものは、勝手に出来上がったものであり、触らない、開けないということを徹底するように。。

あとがき

パソコンは、この先も決して得意分野にはなることはないでしょうけれど、最低限の認識は持って、なるべく外からの情報にも敏感になっておくことは心がけたいと思っています。

今回は、記事がずいぶん長くなってしまいました。とても悲劇的だったので、思わずヒートアップ。

事業者はホームページの更新などを自分で行うことがありますので、やはりパソコンが必須。

当ブログ記事は、必ずパソコンで行います。

スマホでは集中力は散漫であり、まだまだメインとして使えるものではないという意見です。

壊れかけの時こそアンテナを立て集中されますよう、そしてこのたびのエピソードがヒントになればと思います。

picturesque

パッチワークは自分が作り上げる独自の柄、種類別の4点のパッチワーク柄を配したショルダーバッグ作りの完成でお伝えしたい「柄頼み」からの脱却【8】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

1つ前の番号の記事【7】では、今まで製作したことが無かった「バイヤスパッチワーク」をシートとして完成。

バックを作る下準備が出来ました。

このたびは、バイヤスパッチワークバッグを含む、ボーダー・ストライプ・市松などの全4種類のパッチワークで作った同じデザインのバッグの完成風景をお伝えしたいと思います。

ここまで独自に柄が作り出せるパッチワークの可能性をお伝えしたいと思います。

ミニショルダーバッグ4柄はすべてパッチワーク仕立て、今後の大きなサイズのバッグへの引用も夢広がる

4種のパッチワークバッグ:左から「バイヤス柄」「ストライプ柄」「ボーダー柄」「市松柄」。

どれもそれぞれの柄であり1つとして同じが無いというラインナップ。

遠目でも柄が結構はっきり分かるのは、やはり、溝の両縁をミシンでステッチしていることにあります。

そして、気になる裏地の選択ですが、表が柄になっていることでどんな裏地を選択したのかというと、意外なことにすべて柄ものです。

「コーデ」が得意、それぞれに配置した裏地の柄の理由をこう述べます↓。

裏地の組み合わせ:ストライプと水玉・バイヤスと千鳥・ボーダーとボーダー・市松と市松です。

ボーダーと市松は、柄の流れが同じですので単純です。

ストライプは太い幅であったことで、裏地の柄の対応の幅が広がると思うのです。

こうした四角いフォルムのバッグで四角い形の柄ではなかなかイメージがわきにくい水玉をこの太ストライプとコンビニしたのでした。

そして、バイヤス柄に対しては、同じように斜め右上がりな柄の千鳥柄を選択。

千鳥柄は上昇志向を願った向きの素敵な柄、バイヤス柄との相性が良いと見ています(^-^)。

あとがき

小さなバッグでしたので、比較的短い時間で完成していきました。

今後の課題としましては、パッチワークが混み合って、底のラインがしっかり四角に出ない点です。

そういった意味では、マチ付きの方がその点を解消してくれるかもしれないです。

「もしこれがカラフルな色のパッチワークだったら。。」「大きなサイズのバッグだったら。。」などのイメージを広げる一助になればと思います。

このたびは、チャコールグレーですが、もっとダークの極みである黒でも素敵に仕上がると思います。

地味な何の変哲もないような生地でもパッチワーク1つで随分生まれ変わるものです(^-^)。

picturesque

反ごと購入の「アムンゼン」生地で作ったバイヤス向きのパッチワークストライプ、自分が作りだした柄は製作品への自自信の1つになる【7】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

凹凸感のある生地が好きなのですが、このたび、凹凸感ある生地、名前が「アムンゼン」という生地で、表面にぶつぶつがあるのがとてもシックなこちらを、パッチワーク柄にして、ミニショルダーバッグにお作り致しました。

このたびは、ストライプやボーダーとは異を放つもう1つの柄、「バイヤスパッチワーク」シートを作った記録をご紹介したいと思います。

スタイリッシュでかっこよさを表現したい場合に引用して見てくださいませ。

反で購入するほど溺れた「アムンゼン」の厚手生地の美しさを自分が生み出すパッチワーク柄で仕立てた

そもそも、今回のベースとなる「アムンゼン」という生地。

名前の由来は、あの南極探検隊の「アムンゼン」様の探検の成功から、同年に完成した新しい生地だったそうです。

ポリエステル100%で、表面のぶつぶつが特徴、織り方としては、「梨地織」に属するのだそう。

アムンゼン生地:チャコールグレー色です。地味ですが、とても美しい生地です。ポリエステル/100%、日本製。

「アムンゼン」としてはめずらしい肉厚、とてもふんわりしています。

2017年にオフ・茶・チャコール同時に発見。

複数製作したく、あるだけ購入でしたが、分量が偏り、オフは早い段階で消化。

次に茶、最後までこのチャコールが残りましたので、この次の記事では、その他のパッチワークも交えたバッグの完成をご紹介できると思います。

バイヤスパッチワークは生地のもったいない使い方をするので分量の多い反があった場合のみ

この生地から、いったいどのようにパッチワークができていくかを写真で簡単にお伝えしたいと思います。

①生地をカット:まず、生地を型紙にあてて、長方形の形にカットします(10枚)。
②薄芯を貼る:生地に風合いやコシ、張りを出すための目的で、1枚ごとに丁寧に接着芯を貼りました。
③ミシンでつなげる:芯地が貼られた状態のパーツをミシンでつなぎ合わせます。縫い代は1.5cmです。
④アイロンで割る:裏側を両開きにアイロンで割りました。
⑤ハギ目の両サイドのミシンステッチ:表側の溝の両縁をミシンでステッチ。固定の機能と美しさの表現の兼用。

これが実は、なかなかされていないことが多いですが、つなぎ目をより丈夫にし、生地を固めてくれる働きは、この先のバッグに仕立てていく準備としては重要だと考えます。

⑥カットする:型紙に当てて、45度の向きにカットします。随分もったいなく生地が余ることが分かります。

出来上がってしまえば、このような事情が分からないので、大変貴重です。

⑦シート完成:パッチワークシートが完成しました。うっとりするほどの美しさです。

もともとぶつぶつの織柄がある生地に、更にパッチワークで立体感を出したと言えます。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿時の2018.12.13の記事をそのおよそ5年半後の2024.08.15に過去のブログの「手直し」の順番で、誤字脱字や追記や削除をしながら読みやすい生地にリライトしています。

随分手直しするまでに時間がかかってしまいましたが、今2024.08.15時点でこの時を振り返ってみても、これをやったことは良き学びでした。

「サスティナブル」な製作も意識する2024年現在では、そもそも見込みもなく反ごと生地を購入することさえ控えています。

そして、確かに素敵なバイヤスパッチワークなのですが、せっかく縫った多くの部分が45度のカットによって削られました。

厚みがあり過ぎて残布をポーチにすることさえできませんでした。

そうしますと、こういった余分な生地を余らせてしまう製作も見直すことになりました。

「どうしてもこのバイヤスパッチワークである必要があるのか。。」を考えた時の答えを大切にするのです。

そうやって、理由と意味を真剣に見直し、浅い表面的なかっこよさだけの商品を作らないように変わっていきました。

そうした理由や意味は、結局は「哲学的な品物」になっていくのです。

「そうなるべくして出来上がった姿」はミニマムであり、すべてが必要であるパーツの集まり、おのずと品物の価値と深みが出来ていくのです(^-^)。

picturesque

用途は、コスメボックスからランチボックスまで幅広く、素材はツイードからジャガードにまで及ぶ複数のハンドメイドバニティー同時製作【6】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

バニティと聞くと、ドレスの装いに小さめで持つバッグというイメージ。。

「バニティ」というアイテムは、もともとは化粧品等の小間物(こまもの)入れということで、遡ることヨーロッパの貴族の時代がその起源です。

ただ、実際にはお洋服と共に持つハンドバッグとしては、あまり実用性を感じないこともあります。

実際の身の回りのバニティを探してみました↓。

ボタン入れとして使うバニティバッグ:「Naraya」製。薔薇の柄のインテリアにはこの柄が馴染みます。

とはいえ、「入れ物」として使う事実からは、ある物を入れるピンポイントな目的で使ってもらえる機会がありそうだと見ることもできます。

「万能が無能」なこともあり、目的が絞られることがかえって分かりやすさといえるのかもしれません。

このたびは、挑戦しました、2018年から2021年辺りの4年くらいの期間のバニティーバッグ作りをしてまいりました初期の頃の製作品をまとめてご紹介したいと思います。

その後のラインやサイズのモデルチェンジはそれぞれのブログ記事で後日綴ってまいりますので、まずは初期の頃のモデルを顧み、どんな点を改良するべきかなどをお伝えしたいと思います。

6点の初期モデルは「急カーブ」が難関、意外な素材ばかりで製作したまたとないバニティバッグ

では、ご覧いただきましょう。

いろんな素材のバニティー全6種:<サイズ>高さ18cmx横幅22cmxマチ11cm。

この一連で、蓋と底を楕円にすることでもう少し縫いやすくできるという考えに至りました。

ある意味それは正解で、急カーブが難関だから完璧にできなかったところを円の一部を利用したカーブではスムーズです。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2018.12.06からおよそ6年後の2024.08.13にブログ記事の「手直し」の順番でまさにこの部分を追記しています。

2024.08.13現在は「picturesque」としましてはバニティバッグは廃版。

理由は、2018年頃は「バニティ」などというものが作れるのだという喜びにあふれた製作でありましたが、その後どんどん技術が上がるにつれて、「結局は完璧には作れない」という厳しい目で見た結論に至ったからです。

それほどにこのモデルは2次元的ミシンでは、ペタンコにつぶさないと縫えない部分があり、どうしても歪みが起きる、厳しく言えば不可能なデザインなのでした。

そこそこで仕上げることはできても、極上の仕立てにはどうしても難しいのでした。

もしかして、「ポストミシン」などのようなミシンではもう少し美しく仕上がるかもしれません。

ただ、こうした難しいデザインにも挑戦できたことは、良かったですので、この先の方向性に大きな影響を与える貴重な製作でした。

ご購入下さった方が結構ありましたこのデザイン、ありがとうございました<m(__)m>。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

<経理>税務署様主催の決算説明会ルポ:クレジットカードは複数持つ必要なし、個人用と事業用共通で使っても大丈夫な証明【345】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ファッション分野の「共有型のハンドメイドバッグ」という事業と「本物志向のレンタルジュエリー」という2事業をさせていただいておりまして、「個人事業主」をしています。

事業開始は、2018年初頭です。

税務署様へ「開業届」「青色申告の届け出」を提出してその日付をもってスタート日といたしまして現在に至ります。

よく「事業を始めたらクレカは会社専用を作るべきだ」などと言われています。

確かにそう思うところなのですが、「個人事業主」の場合、これから実るためのたゆまぬ努力の真っただ中の者が、事業と個人とを区別して両方バランスよくそれぞれで考えるなどという余裕があるのでしょうか。

むしろ、1つのクレカを徹底的に管理する方が現実的ですし、内容がちゃんと事業用と個人用と分かれていれば1枚だけでもOKだと税務署様がおっしゃっています。

実際にクレジットカードは新しく事業用になど作りませんでした。

何年もこれで特に問題なくできていますし、とにかくシンプルで整頓されたものになっています。

実際は、クレカの明細1つとっても、いかに個人の無駄な出費を事業用に回せるのかなどを工夫することで、人生を事業に費やしていく覚悟を決めるのです。

そういった決意無しで、その後の事業の実りなど到底見込むことはできないと考えます。

それほど、多くの人たちが途中でお手上げしてしまう事業継続の難しさ、永続的な営みの難しさがあると思わなければそんなに緩く甘いものでは決してありません。

さて、このたびは、初の決算を迎えるにあたり税務署様が主催の「説明会」に参加致しました。

確定申告を前に、11月に行われた「決算説明会」という内容です。

これで説明会は2度目。

最初は、「仕訳説明会」というものに過去に参加させていただいたことがありました。

説明会は無料ですのでとにかく参加する、そして、いくつかの質問を持って今後の実りにつながるような「答え」をいただいて帰っていくという意気込みで参加致しました。

給与支払報告書の提出の義務

まず、最初に、私には無関係だった(一人でやっているからです)のですが、従業員を雇っている人の義務として、「給与支払報告書」というのを、確定申告が始まるもっと前の1月21日あたりまでには提出するようにとの書類があるとのことでした。

「総括表」というヘッドのような書類に、「個人別明細書」という複写式の用紙をアタッチしての提出です。

なるほど、従業員が存在する場合はこういうものを提出する必要があるのだな、という認識をしたにすぎませんが重要です。

一見ものすごく大変そうですが、書類を準備してくれている有難さにまず感謝、そこへ記入していくだけだと考えればやるべき作業の1つに過ぎないと肩の力を抜きましょう。

「確定申告書」もこの「給与支払報告書」も「国税庁」様のホームページの中の「e-tax(イータックス)」というソフトでも行えます。

ここまで書きながら今更申し訳ないのですが、その後のブログ記事の見直しで2024年に現在手直ししているところです。

2024.03.04現在に今この文章も入力しているのです。

2018年当時は、「e-tax」も「インターネットエクスプローラー11」でなければならなく、「マイクロソフトエッジ」が不可だという信じられない限定がありました。

その後、時代が進み、マイクロソフトエッジこそ当たり前で大半の人がご利用の状況から、OKになっています。

一番最初だけは、おおがかりなダウンロードでe-taxソフトをパソコンに取り込む作業がありますので、頑張って下さいませ。

ログインは、一般的なクラウド型の方式が選べますので、「利用者識別番号」というのを最初だけ管轄の税務署様に出向いていただいてくるということを致しまして、現在はログインしやすくなっています。

決算仕訳の定番、「減価償却費」はパソコンなどが30万以下なら一括で減価償却できる特例あり(個人事業主の青色申告者向けのみ)

計算が出てくる減価償却費ですが、これは、決算時に行うどこの会社でも必ず1つはあるような項目です。

運搬車用に車を購入、パソコンを新しく購入、などがこれに当たる場合が多いです。

個人事業主の場合だと、パソコン購入がとても多いケースになるかもしれません。

パソコンの場合だとおそらく、高くても10万-20万の間ではないでしょうか。

この場合、「少額減価償却資産」の取り扱いというものに該当し、一括償却資産として30万円以下ならば一括で減価償却できます。

そのかわり、経費で一括で落とすという意味ではないので、必ず購入時にいったん資産にして、決算時に「減価償却費」という科目を立て、減価償却自体は証として残す必要があることはくれぐれも。。

<仕訳>

2019.02.18:工具器具美品 181,600 現金 181,600

2019.12.31:減価償却費 181,600 工具器具美品 181,600

購入当時に1本「資産」として据え置き、決算の12/31に減価償却費の科目を立てて仕訳するという、年間で2本立てです。

そして、この特例は「青色申告の個人事業主向けのもの」です。

会社経営だと「法人」ですので、法人用のルールに従っていただきますようよろしくどうぞ。

パソコンの購入で勘違いしていたこと、事業開始以前に購入したパソコンを減価償却するものなのかを税務署様へ聞いた結果。。

ここで、私が今までモヤモヤして勘違いしていたことが1つあります。

事業主をスタートした2018年以前の2016年にパソコンを新規購入しレシートも持っていました。

この場合、3年経過していないから、遡って減価償却ができるのか、などという勘違いをしていましたが、税務署様にはっきり「ノー」とのお答えをもらいました。

2016年時点では事業をスタートしていないので、そのパソコンを現在使っている事実があっても、購入時期というのが一番のポイントとなりますので、もう済んだ過去の事象となっているわけです。

2017当時に会社の社長をされている人から「経費にできるよ」などと聞いたことで気になっていましたが、真実は自分の耳で正しい答えを聞かねばなりません。

人の声に惑わされて間違ったことをしても責任は自分。

納得するまで「自分軸」でもって追求していくことです。

減価償却費対象の物品というのは、とにかく事業主スタート後に購入したものでなければ該当しないということです。

よって、事業主スタートの年月日(「開業届」に書く開始日)というのも経理上は影響があり、大切な日付だと言えます。

「グレーゾーン」との返答をいただいた、ファッション業界の者がファッション関連の本購入は、「研究費」になるのか。。

「必要経費」という名前で呼ばれる、いわゆる決算書に掲載される、「収入得るために支出した、売上原価、販売費、管理費、その他の費用でその年中に支払うことが確定したもの」。

この必要経費=事業用の経費にあたらないとみなされるのが、「家事費等」といって、夕食代、趣味、教養などの費用などがあるわけですが、私のようなバッグを作って販売する内容の仕事上専門的な内容の本を研究費として仕訳計上したことがありました。

このような事業内容ではない方は、明らかに、趣味・教養の部類に入り家事費等にあたるので除外となるわけです。

しかし、当の本人は、真剣に事業の+αや参考に利用しているというつもりであるから必要経費になる部分もあるかと思ったのですが、税務署様は「グレーゾーンだねえ」とのことでした。

そうするときりがなく、ファッション関連の本がすべて関わってくるのです。

こういったグレーゾーンは入れないことにこの時に決めました。

その後たくさんのファッション史やノウハウ本なども読んでいますが、あくまで個人用としていますし、2020年頃からはすっかり「図書館ライフ」に切り替えまして、本自体を購入しないという志向に変えました。

よってこの問題はその後は関係なくなりました。

事業主貸と事業主借の行方は年度切替の際にどうなっていくのか?

結局、説明会の前にモヤモヤしていたにもかかわらず、質問することを忘れてしまった事業主貸と事業主借の科目の行方です(^_^;)。

その後、ネットで、ググらせてもらいまして、この2つの科目は、「翌期首」時点で消滅させなければならないと分かりました。

まず、事業主貸と事業主借を相殺し、残ったどちらかを、資本金のような最初のお金である、元入金というものに+であろうが、-であろうが振り替えておくということのようです。

やはり、事業主貸、事業主借をそのまま繰越ししないのです。

その後分かったことは、利用させていただいている「マネーフォワードクラウド」会計ソフトは、自動で仕訳をしてくれることが分かりまして、「繰越」ボタンを押すだけで仕訳が翌年度の最初の仕訳が1月1日付で出来上がっていました。

この仕訳を自分でしなくても、翌年度の最初に出来上がっているのでとてもとても有難いです<m(__)m>。

つまりまとめますと、会計ソフトで出来上がる決算書は、「事業主貸」「事業主借」の科目は年度末の2023.12.31には科目が掲載されて出来上がります。

その後2024年度スタートの2024.01.01付けで自動で仕訳があり「元入金:資本金のようなもの」に振り替わっています。

この狭間のタイミングで「事業主貸」「事業主借」は消えているのです。

そして、2024.01.01からの新たな「事業主貸」「事業主借」の科目を使うたびに¥0からのスタートでまた積みあがっていくというサイクルです。

年度をまたいでも繰越しする「資産:現金など」「負債:買掛金など」に対して、¥0からのスタートで始まる「費用」のような扱いとでも言いましょうか。。

期末商品の存在を金額で表現する「棚卸資産表」自体は手作りのエクセル

「棚卸し(たなおろし)」と一般的に呼ばれている作業がこれにあたります。

ハンドメイドバッグ販売の場合は、材料を積み算してあらかじめ1点ずつ「個別原価表」を作っているので、その品番ごとの原価を「棚卸資産表」の項目にリストアップ。

レンタルジュエリー業の場合は、ジュエリー自体を仕入れた仕入金額(科目では、「商品仕入」に当たる金額)を引っ張ってきて、棚卸資産表にリストアップしています。

この棚卸資産表については、別の記事で綴らせていただいておりますので、そちらの記事もどうぞ。

【901】【1012】【1013】が該当です。

番号が大きい程、その後の何年後かの記事ですので、新しく工夫した改良点や工夫箇所などをご覧いただけます。

私見、クレジットカードはビジネス専用にする必要は無し、むしろ個人と事業のミックスで、中身だけをきちんと分けて把握の方がコンパクト

事業では、材料の購入などもクレジットカードを大いに使います。

そもそも事業用にクレジットカードを専用に作るのかという点です。

「その必要はない」と断言。

2018年に事業開始の2024年現在でそう思うのです。

個人用と事業用とが混在したクレジットカードというものにはメリットがちゃんとあります。

事業主だからと必ず専用のクレジットカードを作ることが義務のようによくネットでは書かれていますが、実際は個人で使っているものも混在するものでもOKなのです。

ただ、正確な仕訳というのは必要なので、個人の物を事業としての計上など、法に触れるような行為は無い前提があってのもので、ルール順守は必須。

クレジット引落時には、個人の分は総合計の金額1本の計上で良いのです。

<仕訳>

2024.02.27引落:事業主貸 100,000 ※1月分事業外費用(総合計)〇〇カード:△△銀行                                普通預金 100,000

クレジットカードの使い方に関するお話は下に貼りますYouTube動画にまとめております。

あとがき

分からないことがあれば、地域の「青色申告会」様という団体に聞く(聞くのも実際は会員にならないと気軽には教えてもらえないことが後で判明しました)こともできるという案内がありました。

一応以前の会社員時代に長い間「経理部」でしたので、税理士様には一度もお願いしたことがありません。

ただ、質問事項は多々湧き出てくることがあり、その際には変な勘違いをしないためにはモヤモヤは十分に解消しておくべきで、こうしたこの度のような説明会に参加する意味は一定あります。

ただ、「独自の質問」を必ず持参することをお勧めします。

そうでなければ参加の意義は薄れます。

分からないモヤモヤこそ、その後の解決後の「成長」のきっかけなのです。

気持ち悪い、重苦しいモヤモヤから逃げずに、正面からそれを受けて、そして峠を越えていって下さいませ。

ご検討を祈ります(^-^)。

picturesque

生地と同色の糸で美しいステッチ、手間を惜しみなくかけたストライプパッチワークポーチ、今後は部分的パッチワークへのアレンジでこの技術を活用してみて【5】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2017年頃からでした、ボーダーやストライプパッチワークに夢中になり、シートをまず製作し、バッグに仕立てるという2段階の手間があるバッグに作り上げることを様々な生地やカラーでトライ。

カラフルなマルチカラーもかわいいのですが、しっとりとした落ち着いたカラーの3色展開で無彩色にポーチを作っていきました。

4点のポーチをご紹介しまして、パッチワークの更なる可能性を探っていきたいと思います。

パッチワークストライプの4点のポーチ製作を100%全力でやった後にその政策を顧みて思うこと

同じようで違う1点ずつになるようにと、3カラーのみの展開を4種に決めました。

3色の組み合わせの可能な限り組み合わせてみました。2色のバイカラーはコントラストが効き過ぎますね(^_^;)。

3点が、B5サイズ、一番手前の黒x白がA5サイズとなります。

せっかくのストライプ柄を出したのですから、デザインは四角のフラットなタイプが柄が広がって美しいと思います。

このたびの3色、生地の名前は、「アムンゼン」、ポリエステル/100%です。

ぶつぶつが表面にあり、生地に立体感があり高級感があります。

この「アムンゼン」のぶつぶつは、生地が作られていく過程において、変わり織の一種であることから現れるブツブツ、後から加工してつけられたものではないところにナチュラルさもあります。

随分この生地に引き寄せられ、茶と黒は反ごと購入した2017年のこと。

肝心な白は在庫がほとんどありませんでした。

この調達の仕方も良くなくて、いくら気に入っても反ごとはあまりにも行き過ぎました(^_^;)。

パッチワークの作り方ですが、正確に作るために。型紙を作り、5cm巾の細い1枚1枚をつなぎ合わせて、ストライプシートを作り上げていくのです。

型紙:ストライプパーツ。幅は5cm。縦は、実際の裁断の時に歪みのロスを見込むために長めにとりました。

なぜかよく伸びるポリエステル/100%生地のこのアムンゼン。

ここまでストレッチ性がある生地は、織物でも「ニット芯」を貼ります。

そうしないと接着芯と表地がうまく馴染まず気泡が接着芯に表れてしまうのです。

そして、ハギ目の溝の両サイドのステッチをかける固定も安定感を作ります。

溝の両サイドのステッチ:ステッチが見えますが、これは安定感という機能とステッチの美しさの両方です。

糸の色を生地に合わせて交互に替えていますのでここがひと手間。

それでも効率的に行うのは、同じ糸の箇所を連続進行することです。

本体:縦25cmx横30cmの型紙。シートが出来たらこの型紙に当てはめ裁断。

そして、表地と裏地を縫い合わせて1枚の板のようにパーツを作ります(この時点で、縫い代が完全に消滅するような状態)。

そして、その板状のパーツの縁を縫って組み立てていくという作りです。

本来、ポーチやバッグは、布製の場合は、縫い代を後で始末するのですが、このやり方は、縫い代を中表で最初に始末しておいてひっくり返してプレートを作り、後は組み立てるだけという製作方法です。

ポケットの仕様:10cmx17cm程。一部のスマホも入ります。

少し写真の上の方に移っているのですが、この作り方はファスナーが内側でむき出しになります。

厚みのある生地をポーチに仕立てた限界、小さなものはあまりお勧めしない

4点も作って存分に味わった苦難。

ポーチやセカンドバッグはお勧めしません。

大きなバッグの製作の方がパッチワークの素敵さも活かされ効果的だという結論です。

この4点の中では、3色使いの左側のタイプが一番良い色使いだと思います。

3色使いのボーダーとストライプでデザインも替えたビッグなボストンバッグはこちらです↓。

3色パッチワーク(ボーダー):ボストンバッグのドーム型。
3色パッチワーク(ストライプ):トート型。丈夫はマチが隙間なく覆うデザイン。

これらのビッグなタイプも、相当苦労して作ったものになります。

ポーチと違い、縁をラッピングするスタイルは、ハンドメイド2007年スタート後に大きなバッグを作る用になっていった最初の独自の基本デザインでした。

随分ラッピング技術の難しさに悩みましたが、強度を考えると、その後は廃止。

とはいえ、ラッピング技術習得のための訓練だったと思います。

当ブログ記事は、最初の投稿の2018.11.17からおよそ6年後の2024.08.12に「手直し」をし、まさにこの部分を追記しています。

長ければ良いことは決してないと随分余分を削り、このようにほぼ書き直しのように綴ってまいりました。

今思うことは、まず、この時のストライプパッチワークやボーダーパッチワークのただ四角い生地をハギ合わせるだけの「初期的」な段階出会ったと振り返ります。

その後、生地がもったいなく余った場合に、ブロックタイプも登場したり、まだやったことが無いのですが、色違いは、端っこだけをスタイリッシュなデザインで部分的に切り替えることもアイデアが浮かんでいます。

ただ、この当時から全く変わらない考え方が、生地の色に糸をなじませる手間を惜しみなくかけるというスタイル。

変化していく事項と、変わらずに続行していく事項とをその「意味」を考えながら選択しています。

あとがき

今、この2024年で思うことは、こうした過去の製作例からの引用で更なるアイデアが浮かんだり、生地に糸の色をなじませることに共感いただけるととても光栄です。

今思えばごつい製作品だった当時のボストンバッグやポーチのパッチワーク仕立ても、その後の別のハギ合わせなどの工夫へのアイデアへの発展になっています。

パッチワークはスタイリッシュに考案できると、余ったわずかな面積の生地を有効に使うことができコスパが上がります。

どうしても作りたい品物があるが、切り落とさざるを得ない場合に、捨てずに、こうして利用できるということで新しい価値が生まれればと思います(^-^)。

picturesque

スピーディーにお届けが到底難しいオーダーメイド品に対してのフォローが必要、良質なお品でたっぷりお客様を満足させる重要任務が待っている【273】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

こんなエピソードがありました。

かなり昔のことでしたが、ここ近年の地金高騰の頂点とはかけ離れたはるか10年以上前の第一回目の地金高騰の時期2010年代前半くらいのこと。

ネット上で指輪のオーダーメイド品がありました。

実質は決められたデザインのストーンやサイズが選べるというセミオーダーにあたるものだっと記憶しております。

その時に、3週間ほどかかって出来上がって手にしたお品物が非常に納得いかなかったことがありました。

結局は製造の無駄を省く「受注生産」が軸の「量産品」であったと後から分かりました。

そんながっかりすることに対して、「注文品のメリット」を堂々と謳うことに対してとても納得がいきませんでした。

お買い物には非常に価値観が分かれ、同じということがなかなかないわけですが、それでも、ここ近年のAIは「同一」ということを中心に「同じ物を購入した人がいる」というお知らせや、「類似品のご案内」などに関してかなりの精度だと感じます。

このたびは、お買い物に対して、時間をかける、スピーディーに手早く済ませるということの対極同士の2例について考えました。

どんなお買い物には時間をかけ、どんなお買い物には迅速なのか

食料品意外の、日用品や、雑貨類、洋服類は店舗ではなく、ほとんどインターネットのサイトのお店での購入というスタイルです。

ここ近年、よりこのことが徹底してきました。

どちらかと言えば私は、買い物をスピーディーにしたいという考え方です。

基本的には、スピーディーがモットーではありますが、物によっては、時間をかける物もありまして、品目別に買い物にかける時間のかけ方の違いがありました。

①日用品・・・超時短で済ませています

まず、日用品。

これは、トイレットペーパー、シャンプー、歯ブラシ、掃除用品などですが、商品の種類は、過去の使用履歴から決めたものばかり。

よって、リピートして、いつも同じお店で全く同じ商品を買います。

それが、とてもスピーディーで楽です。

物があふれているネットではありますが、自分なりに、価格と品物の良さで今やお気に入りが決まっているのが日用品だと思います。

品物が決まっているのでお店が違ってもいいものですが、いつもの流れがあり、安心感があるのです。

よって、1つのお店に決めてしまって他を見ていないのです。

これは、決めたお店を完全に信頼してしまっているということです。

②洋服:好みがはっきりしていて迷いはなく大方即決です

次は洋服類です。

靴やバッグやアクセサリーも含めて考えたいと思います。

洋服の分野は、私が得意な分野なので、ある程度見分けたりして選ぶ時間は必要としますが、それでも短い時間で決まる傾向です。

自分が好きな物がはっきりしていて、テイストが偏っているので、あれこれ迷うことは少なく、ピンと来たものを買うのみです。

洋服が決まれば、靴やバッグもおのずと連動して決まりますので、全体としてはかける時間が短めだと思っています。

それほど高価なものを買っていないとうことも時間が短くて済む理由です。

高価だと、より付加価値などをじっくり検討したくなってしまい、ついつい慎重になりがちですから。

③食料品:安全な無添加をじっくり眺めながら店舗で購入、時間をかけます

次は食料品です。

実は、これに一番時間をかけているのかもしれないです。

理由は無添加へのこだわりがあります。

同じ商品でも少し高くても、完全無添加の商品を選びます。

無添加を謳っていない商品は、裏側の原材料の表示をじっくり見て判断しています。

1点1点の買う食料品に対して必ず裏側の表示をチェックしますので、それは結構な時間が経過します。

すべてが無添加の商品を扱っているスーパーというのは、私が知るところでは存在していないと思っています。

それぐらい、食品というのは添加物が付帯していて当たり前の世の中なんですね。

そうしないと、食料品の日持ちが非常に悪くなるので仕方ない部分もあるのですが、ただ、体には毒です。

一番買い物に時間をかけるのが、意外にも実店舗で手にしながらの購入の食料品であったということになります。

時間をかけただけの品物を得られるというところがポイントになります。

これは、オーダーメイド品が、時間はかかるけれど大変満足のいく良質な品物であるということに通じます。

あとがき

買い物にかける時間が短く即決するタイプの人は、待ち時間が長すぎると心に変化ができてしまい、気持ちが変わってしまう可能性さえあるということです。

この体験は、後に商品を発送する側になる時に良い教訓となりました。

お客様が、早くほしいのだという言葉をたとえ言われていないにしても、スピーディーに届けることは、その迅速さに感動して気持ちが良いのです。

冒頭のオーダーメイド品の指輪にしても、待つ日数が長ければ、それだけの品物でのフォローが無いとなかなか気持ちの良いお取引にはならないのです。

いかに、販売業者側が自分たちの都合で行っている形態であるのかということです。

オーダーメイド以外の他のケースであっても、一番はお客様優先の考え方でなければいけないのではないかと思います。

何かの縛りがあり過ぎてそうせざるを得ないのであれば、事業自体も見直すぐらいの重要な事、それなのに気づくと事業者都合になっていることが大半です。

厳しい現実なのですが、やはり事業は自分中心のスタンスでは成り立たないと実感しています。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

目に映る色がぼやけるグレンチェック、色物と合わせずにしっとりと黒で仕上げることこそが柄が主役として活きる秘訣である【234】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

先染め、後染め、という言葉があります。

先染めは、織布する前の糸の段階で、色が付けられていく染め方、後染めは生地の土台が出来上がってから染色をほどこす手法です。

柄物では、ジャカードとプリントの違いも似ています。

このたびは、先染めがほとんどで、千鳥柄を中心とした織柄が格子状にデザインされた「グレンチェック」という種類の先染めチェックについて、その起源と素敵に決まるコーデを考えていきたいと思います。

「グレンチェック」という柄の起源

グレンチェックは今や、有名で人気の柄です。

しかし、その複雑な織り交じりから、柄をじっくり見たことなどあまりないのでは。。

ぱっと見て、あ、グレンチェックだというようなマークのような感じの見方ですよね。

ですから、ここで一度より奥深くグレンチェックの柄というものを見ていきましょう。

時々参考に見ることがある、2冊の貴重な本があります。

まずは「洋服地の事典-サンプル生地つき-関西衣生活研究会-:田中道一著」。

実際に生地サンプルが現物として貼ってある昭和時代の貴重な教材用のテキストのような事典です。

もう1冊は、「服地の基本がわかるテキスタイル事典:閏間正雄 監修」です。

厚みのある本で、アパレル業界の人の多くがこれを持っているのではないかと想像します。

グレンチェックは、格子やストライプの組合せで混合して作られた1つの大柄なのだということです。

発祥の地としては、スコットランドということなので、高緯度の寒い地方であることから、主に冬にウール素材でグレンチェックは使われることが多かったのかな。

さて、グレンチェックの生地をバッグの裏地用に持っていたので広げてみました。

グレンチェックの柄の構造をここでじっくりご覧くださいませ↓。

紺白グレンチェック:レーヨン混。原産国不明。・・・薄手素材です。

紺色が濃紺過ぎて、黒とほとんど違いが分かりませんが、黒の色の洋服と比べると間違いなく紺です。

かつてのスコットランドで生まれたグレンチェックはこんな感じの紺ベースだったとのこと。

黒ベースではなかったことかが意外です。

黒白グレンチェック:先染めリネン、麻/100%、日本製。・・やや肉厚な素材です。

パートごとにじっくり眺めますと、千鳥や細かいストライプが集まっています。

グレンチェックの構造は、「千鳥とストライプの混合」なのだということです。

これらのような典型的なグレンチェックの柄がオリジナルっぽい織柄です。

しかし、グレンチェックは主に何十種類以上もあるとのこと。

むしろ上のような典型的なタイプはレアで、飾りっ気が入ったタイプのグレンチェックの方がよく見かけると思います。

間にもう1本の線が入ったり、カラーべースの場合にコントラストの効いた色のついた線が入ったりしているタイプが多いです。

下の2つのグレンチェックを見比べてみてくださいませ。

典型的なグレンチェックとペンシル格子入りとの見かけの違い

生地だけ見ると右側の方が目にはクリアに映るかもしれません。

加えられたペンシル格子の色が地と同じ黒であっても、はっきりと目に映るのですね。

洋服になった状態でよく見かけるのは断然このペンシル格子入りの方です。

典型的な柄の方はメンズのスーツ地で見られることが多いのかなと。。

グレンチェックの柄を見る機会があったらこんな風に構造を見てみてください。

とても楽しく見ることができると思います。

グレンチェック柄が素敵に映えるお勧めの洋服コーデ

好みは、メンズライクな典型的なグレンチェック柄の前者の方。

余分な色や柄を加えていない最小限な色合いがとても粋。

ただ、とても粋だとはいえどもコーデにおいては欠点があるのです。

どうしても、先ほども少し触れていますように全体がぼやけるのです。

その理由がにぎやかなストライプと千鳥が入り混じった複雑な柄にあると思います。

ここがコーデのキーになります。

合わせる色を、強いシャープな色でしめることでグレンチェックを引き立たせることです。

黒x白の典型的なグレンチェック柄に一番合う色は黒。

そして、その黒のアイテムも出来るだけ平凡なシンプルなものがよく、それによってグレンチェックという柄が主人公のごとく引き立ち輝くのです。

さて、コーデする時に、グレンチェックをボトムにもって着た時に合わせるトップスについてです。

フリルなどの装飾はない方がよく、またブラウスやシャツやTシャツなどの素材よりも、やわらかなセーター類の方がグレンチェックの相手には向いているよう。

しかも色は黒以外にベストな色が無いです。

そして、これも大切なことだと思うのですが、グレンチェック自体も、洋服になる時にできるだけ当たり前の平凡な形が良いです。

当たり前の形のスラックス、タイトスカートなど丸みのあるラインの少ないボックス型のイメージが強い方が、グレンチェックの格子型にうまくなじみ粋になると考えます。

丸みのあるラインを作ろうと、フリルなどで生地をぺたんこから立体的にすると、どうしてもグレンチェックの美しい柄がとぎれます。

やはり、グレンチェックという柄をのびのびと存分に見栄えさせ生かしてあげなければなりません。

では、今一度グレンチェックをおしゃれにシックに着こなすお勧めのコツをまとめます。

①相手を黒のシンプルなセーターのようなやわらかな素材のアイテムに合わせる。

②グレンチェックのアイテムは平凡な形で、しかも四角を意識した形がカッコいい。

グレンチェックがトップスやアウターに来る場合

グレンチェックのジャケット:「ジョルジオアルマーニ」。毛/100%。色はモカグレー。

こちらも、一瞬黒x白に見えますが、モカグレーのような色目で印象がソフトです。

よって、このモカグレーのグレンチェックには、ボトムにグレーのジーンズがトーンの相性が良いです。

全体に黒白を落としたようなイメージです。

こちらも色はモカグレーにマイルドになっていますがペンシル格子無しの典型的な方です。

グレンチェックと言ったら、こちらのタイプがどうしても好みなのです(^_^;)。

あとがき

グレンチェックという柄の魅力は、何と言っても上品なところ。

同じチェックのタータンチェックだと覚悟してそのお洋服を着るような緊張感がありますが、ぼんやりしている柄であるグレンチェックは親しみやすい柄です。

ちゃんと良きパートナーの「黒」がありますし今後も、おしゃれな定番柄として好まれ続けていくのではないかと思います。

ジェントルマンであるイメージのグレンチェック。

きちんとトラディショナルに着る方のがやはり一番だと思います。

この柄を着崩そうと丸いラインを入れたり、カジュアルに寄せるのは何かがそれをとどまらせるような反対のパワーを感じてしまいます。

「チェック柄でしかありえなかった姿」というこのグレンチェックの「縛られた条件」がその装い方の一番を決めていくような気がします。

やはり王道はセンターライン入りのスラックスだと思います。

グレンチェックの生地に出会った時には是非その織柄の構造をじっくりと眺めてみて下さいませ(^-^)。

picturesque

ブランドバッグの主な素材に①本革レザー②フェイクレザー③布がある、購入時にこそまだ起こってもいない遠い将来の状態を想定するべき理由【177】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

バッグの素材を、メジャーな3種の素材で見てみます。①本革レザー②フェイクレザー③布です。

この3種の中では、フェイクレザーを持ち合わせておりません。

ずっと持ち続けられるというコスパをついつい考えますので、劣化する運命のフェイクレザーを避けてしまいがちなのです。

今回は、ハイブランドバッグの部分的劣化について具体例と共に、新品購入後その遠い何十年後かに起こる状態をお伝えします。

そしてその実際の例から、バッグの素材の将来の状態の見抜き方をお伝えしていく回になります。

せっかくの高級品でも内部の素材が劣化する素材であることで一生物ではなくなる可能性が大いにあるのです。

本当の一生物というお品はどんなお品であるのかを見極めていくことのヒントになればと思います。

合皮・PVCなどのフェイクレザーがあまり好まれない理由

もしかして、フェイクレザーが大好きな方もいらっしゃるかもしれませんが、フェイクレザーはどちらかというと、本革レザーと対極にあるという考え方があります。

本革レザー愛好家にとってはあまり好ましくない素材であることも。

不思議なもので、もとは、フェイクレザーは本革レザー(天然皮革)の代替品とか類似品として考えられた素材であるにもかかわらず、実は全く違う素材であり、同等に隣に並べないというようなレベルが劣った存在である一面があります。

似てはいるものの、違うということをはっきりさせることで本革レザーの存在感を際立たせたい強い考え方がフェイクレザーを別物であるとはっきりと区別することになっているように思えます。

そのように本革レザーと線引きされるフェイクレザー(合成皮革、人工皮革、PVC)ですが、それはその通り。

末永くそのままの状態でいるという良質さが無いのです。

それは、劣化が必ず起こることが運命であるとあらかじめ分かっているということです。

本革は一生ものとも言われるほど、半永久的な素材だと言っても過言ではありません。

一方、空気に触れたその瞬間から劣化が始まるフェイクレザーのその寿命は短いです。

そして、3つ目の素材の布ですが、本革より弱く、すぐ破れたりほつれたりするイメージも強いです。

ただ、本革に比べると、永久的というようなものではないにしろ、頻繁に使わなければ、かなり長持ちであることも事実。

おそらくフェイクレザーよりも布の方が永続的だと私は考えます。

ポリエステルでも、ナイロンでもとにかく純粋な布は、劣化は決してしないのが特徴です(PVCなどが構造の一部に含まれる場合は除きます)。

その布に比べても、フェイクレザーは寿命が数年といったところで劣化が目立ってきます。

合皮:写真で見ると本革と似ていますが。。

雨の日専用の素材としては抜群のフェイクレザー

結構多くの悪いイメージがあるフェイクレザーですが、その一方で1点だけダントツのメリットがあります。

それは、雨に強いということ。

撥水を上回る防水級の素材であるということです。

まず、撥水や防水についての言葉の引用ですが、よくネットでは謳い文句として防水という言葉もはっきりと使われているようですが、実際のところ、生地分野で完全防水は今のところ実現されていない状況かと思います。

なるべく、雨をはじき、限りなく防水に近づける努力をした加工はありますが、それも撥水(はっすい)の延長の「強めの撥水」という素材であるに過ぎません。

防水と言い切る表現はある意味誇張です。

撥水は、摩擦によりその加工がはがれてきますので、永久の機能ではないので、いずれ効果が薄まります。

よって、「防水級」という表現をさせていただいたのです。

やはり強い雨の日は、どうしても心配事ができてしまいます。

まず1つは、本革や布は、雨にたくさん当たると、中に入れている紙類などの書類が濡れる心配ができます。

ビジネスシーンでは神経を使う状況です。

もう1つは、お気に入りのデザインの素敵なバッグの表面が雨が原因で傷むということです。

本革レザー(天然皮革は)、雨がしみこまないくらい分厚く頑丈なイメージもあるかと思うのですが、実際は水を通してしまう構造です。

布は更に本革レザーに比べてはるかにスカスカですので簡単にお水を通してしまいます。

ですから、雨の日というのはフェイクレザー製バッグが一人勝ち。

この雨の日に強いということが、やはり最大のメリットです。

仕事では、特に雨はあなどれません。

ということで、雨の日にはダントツであるフェイクレザーですが、同時に心理的なメリットも並行して生まれます。

それは、「特に気を使わなくても良い」というストレスの軽減です。

本革レザーや布を雨の日に持ってしまう時の心理状況と比べればとても気楽です。

「雨でも大丈夫なのだ」という安心感で、繊細に気を使うようなストレスから解放されて1日を過ごせます。

そして、万が一フェイクレザーが傷ついたり破れてきたりしても本革レザーほどにがっかりすることは無いと思うのです。

なぜなら、元から永久的ではない素材である固定観念によって、「そういうものだ」という覚悟のような構えを持ちながらフェイクレザーバッグを所有するからです。

そして、素材をしっかり守らなければいけない呪縛から解き放たれるのです。

この心理状況は、フェイクレザーのバッグを持っていないと起こらないものなので、フェイクレザーならではの大きな価値であるとみなします。

ですから、フェイクレザーバッグを、雨の日専用に1つ持っておくという考え方は効果があります。

雨の日に使うためだけのバッグ。

あまり使わない場合でも必ず劣化していく運命だということを分かった上で、1つ持っておくのです。

ただ、毎日雨がるわけではありませんから、出番のない時も、心地よい気持ちで眺められるようなお洒落な合成皮革、人工皮革、PVC、ビニールコーティングであれば愛着がわき、かわいがることもできるでしょう。

高額ブランドバッグは本当の意味で高級品と言えるのかの疑問(ハイブランドバッグの内貼りの劣化例)

合皮の劣化というのが、空気に触れた瞬間から起こり始めるというのが衝撃的です。

この合皮は、格安品のバッグのメイン素材に使われているイメージがありますが、実は、ハイブランドなどの高額なバッグにも、ポケットや裏地など表面ではない箇所に使われていることも多いのです。

そう考えますと、高価格=コスパが良い物というのは誤った固定観念かもしれません。

目で真実を見抜き、結果として本当に長持ちしていくお品を正しく見つけられたバッグ、これこそが本当のコスパの良い優れたバッグということになっていくと思います。

私も数々の合皮の劣化を過去の古いブランドバッグで見てきました。

劣化もここまで徹底的に劣化するものなのかというほどのひどいものであることに驚きます。

一生もののバッグであるようにと20年前に買ったバッグを久しぶりに保管場所のクローゼットから取り出してみると、それほど頻繁に使ってもいないのに中側の裏地がボロボロだったり、ねっとりしていたりという事件が起こりました。

購入後20-30年くらいでボロボロの状態になっていることが多いです。

この光景はとても悲しいことです。

一生ものではなかった。。と後から気づく瞬間です。ここで大きくブランド様に対して信用を失う瞬間でもあります。

よって、高価なバッグを購入の際、特にずっと使っていきたいようなバッグに出会った時は、冷静になって、合皮/PVCが使われている部分がどこかにあるかを内部までもチェックすることをお勧めしたいです。

上:合皮の裏地の劣化・・・模様ではありません。壁がはがれたような様相です。
下:自主リフォームによって、新たな布製の裏地を形取り設置しました。

あまりに多くの部分にPVCが使われていたら、購入の是非をしっかり判断した方がよいかもしれません。

PVCだらけのバッグでも、数年使って終了すると決めているもともと低価格のバッグなら、問題ないです。

1-2年では、ボロボロにはならないでしょうし、数年使い向けと決めた納得した購入の仕方もあると思います。

合皮は雨にも強く、防水力もありますので。

先程の写真の自主リフォームも、実は、持ち手を取り外せたらもっと完璧に直せたもので、完璧ではないリフォームです。

入り口の裏地縫い付けがやりにくい箇所があり、100%の対処ではないと言えます。

こんなことになるのであれば、最初から布の裏地を付けてくれたらいいのに。。と思いませんか。

商業の事情により布よりも合皮を選択されているように見えます。

合皮は、レザー寄りに高級に映るので、布よりも最初の時点は見かけの良さが高いのです。

その辺りが何か商業の事情のヒントになりそうですね。

今後もそういった本革と合皮とのコンビのバッグは引き続き作られていくかもしれません。

よって、購入者様がもっと真贋(しんがん)の目を肥やしていく必要があるのです。

次の2件も、なんとか自分で対処できた劣化が起こったケースです。ご参考にどうぞ。

バッグの劣化、合皮使い部分は注意、裏地は布の方がいい
ルイ・ヴィトンのモノグラムの「マルゼルブ」:現在からは30年以上前のモデルだと思います。

この型が上品でとても気に入っていて、ずっと持っていたのですが、購入後、30年くらい経過したころに、内側のポケットがネタネタしていることに気づきました。

ポケットはなくなってしまうけど仕方ないということで、内側のポケットを外しました。

誰でもできる超シンプルな考え方、「劣化した部分の除外」です。

バッグの劣化、合皮使い部分は注意、裏地は布の方がいい
中ポケットが劣化したので外しました。

ミシンの縫い目の跡は残りましたが、この部分以外は、劣化しない素材なので、「除外」することで今後使い続けることができるお品へと生まれ変わりました。

でも内側のポケットが0(ゼロ)となってしまったのは、付加価値が落ちました。

メインの部分が今でもとても綺麗なので、合皮の劣化部分とのギャップがあまりに極端だったと言えます。

バッグの劣化、合皮使い部分は注意、裏地は布の方がいい
フェンディのナイロンバッグ:PVC製の取っ手がボロボロに劣化して本革へ取替えました。

今は、丈夫な革ひも1cm巾程度を付け直して、安心して使っていますが、最初はPVC素材の取っ手でした。

取っ手の作りは全く同じで、この写真と同じように結び目でストッパーの役割をする留め方だったので、素材を変えるだけの単純リフォームで今後も使えるバッグになりました。

劣化によりボロボロでとても持てるものではなくなってしまった一方で、布の本体がとても綺麗でもったいないのです。

過去のハイブランドバッグにはこうした極端な素材の差の表れ方も多いです。

この場合も、結局、布>合皮という価値を感じずにはいられません。

話は脱線しますが、ナイロンのバッグで、持ち手が本革レザーの商品、持ち手が全然良い状態のまま、本体のナイロンが破れてしまう場合もありました。

今回の劣化とは無関係なお話なのですが、取っ手がまだまだ使えるのにもったいないなあと思ったことがありました。

こういうのって、バランスの悪さが後でわかるケースです。

やはり、いかに高級に見せるかという商業事情により、布+レザー(本革も合皮も含む)という組み合わせになることも多いのです。

となると、布というのがレザー(本革も合皮も含む)に比べると高級感が劣るイメージのようです。

ということで、次は、布製のハンドメイドバッグをいろんな生地でお作りしています私が、布であっても高級感あるものがあることをご提案したいと思います↓。

高級バッグに相応しい布地のご提案

劣化することが分かっている素材で最初から高額なお品を作ろうとはとても思わないです。

そう考えますと、布の方が結局ははるかにコスパが良く、優れた素材だというところに行き着きます。

ここで、布製だけのハンドメイドバッグを作っています私からのご提案として、高級な本革のバッグの内側に生地を利用するとしたら。。という場合の生地のご提案です。

2種ご紹介したいと思います。

・グログラン・・・横にボーダーみたいなうねりが入った生地です。

過去に、グログランであるかどうかは正確には分かりませんが、その様相に近い生地がポケットになっていた高級ブランドバッグを見ました。

その高級感ある内ポケットは、何十年経過のバッグであってもとても良い状態を保っていました。

生地は劣化しないのです。このポイントは、合皮との大きな違いであり、布の大切な特徴です。

・シャンタン・・・シルクシャンタン、ポリエステルシャンタンなどに混率によって更に分かれますが、高級バッグであればシルクシャンタンであれば納得の裏地になるでしょう。

節が美しく、その様相は高級なバッグの裏地にはピッタリです。凹凸感ある素材は高級感を感じさせてくれるものです。

レザーという言葉は、生粋の本革もPVCや合皮もいずれも当てはまる危険!

レザーとは、簡単には「皮革」のことです。

この、皮革という皮(かわ)と革(かわ)というダブルの漢字のイメージが動物の牛や豚などの天然の革を思い浮かべます。

しかしながら、実際の広い意味での定義としては、レザー・皮革には、

・人工皮革

・合成皮革

という、ウレタンゴムや不織布という本革意外の素材を用いた本革の類似品である「人工皮革・合成皮革」も含まれるのです。

もちろん、本革は当然ながら堂々たる天然皮革です。

この、レザーという言葉には、言葉のイメージに翻弄されるような罠が潜んでいます。

特に、実際に手に取ることなく購入のネット販売されている商品などには、写真と説明分こそがとりあえずのよりどころとなります。

注意しないことには、うっかり勘違いの購入の可能性が免れません。

実際に、本革と勘違いして何人もの人が人工皮革や合成皮革の商品を購入してしまっていることでしょう。

やはり、そういう勘違いの誤購入が起こるということには、定義と呼び名の結びつきの曖昧さが否めません。

そこで、これはいけない!と思った私が、確実にはっきりと区別できる言い方を考えてました。

単純ですが、これが分かりやすいし誤解を招かない呼び方であると思っています。

・本革レザー:生粋の天然皮革のこと

・フェイクレザー:合成皮革、人工皮革、PVC

という呼び名の区別方法です。

末尾に同じように「レザー」を共通に付けることで、レザーという言葉が持つまぎらわしいイメージを払拭できます。

どちらもレザーなんだから、消去法で、残る本革という言葉とフェイクという言葉に注目してもらうのです。

あわよくば、本革と勘違いさせて売ろうなどと悪徳な売り主がいたとしても、本革という言葉を使う以上、実物がフェイクだった場合は「詐欺」にあたります。

この逃げも隠れもできない、真実を表す言葉の使い方こそが、購入者の勘違い、迷い、まぎらわしさによる躊躇を払拭できると思っています。

実は、私にも苦い失敗談があります。

ベルトに「fレザー」というタイトルが付けてあって、目立たない「f」を読み落として慌てて購入してしまったため、実物はフェイクレザーを手にすることになってしまいました。

このfと1文字で省略された商品名が、f=フェイクを表記していたのです。

文字数が限られているからfとだけ表現したなどの理由説明が周到に準備されているかのようです。

しかし、こういった分かりにくい表現の仕方も、購入を促す策なのではないかと後からは疑わしく思えてなりません。

購入者の立場に立つなどということとは裏腹の、とても悪意のある販売の仕方ではないですか!!。

今や、本革は材料としては高価ですから、本革以外をいかにおしゃれに本革に見せるかの商業の事情がその背景にあるのかもしれません。。

そこまでして、レザーに執着する意味は??。

しかし、そういった誤解を招くようなことは意図的であるにしろ、配慮の欠如による悪気の無いことであったにしろ、後の信頼を落とすことになると思います。

事業者も本当にユーザーの立場に立つ製造や企画をするために心を入れ替えていただく必要があると思っています。

そうでなければ、そのような偽りの事業は根本から考え直し、そんなことを今後も本当に続けていくのかということの見直しの時ではないでしょうか。

表面だけを見た本革レザーとフェイクレザーの見分け方、「不揃い」こそが「本物の証」という意外

では、本革レザーとフェイクレザーの見た目の違いを写真でご覧いただきましょう。

たまたま同じ黒色で持ち合わせていました本革レザーと合皮レザーの見かけがどんな感じなのかを写真で比べてみます↓。

左(本革):本革レザー
右(合皮):フェイクレザー

右の合皮(フェイクレザー)の皺がすごく美しく整っているのが分かります。

だからこそその美しさに思わず本革と思ってしまいがちですが。。

実は、その「逆の考え方」をせねばなりません。

左の天然皮革は、その刻まれた皺がまるで生きているかのような繊細さと複雑さがあると見ることができます。

この複雑さを人工で表現することが不可能なのです。

機械では均一に表現しがちなので、どうしても整ってきちんと仕上がってしまうという考え方をします。

いかにも不揃いであることがかえって「本物の証」であることを見せてくれます。

物を比べたり見極める時には、その裏側の事情を読み取ることで裏付けが得られるということもあります。

均一の美しさは「人工の証」であることも多いのです。

感触に関しては、フェイクレザーは触るとねっとりとした感じが少しありました。

さらりと気持ちの良い手触りの天然皮革の左側とは異質な手触りであったというのが実際に触った私の感想です。

と、このように似ていても実は異質である2素材なのです。

別の本革レザーの皺の寄り方。この緻密さ、複雑さは人工的に表現できるものでは到底ありません。

同じフェイクレザーの中の人工皮革と合成皮革の「構造」から見た違い

ついでに、もう1つここで。。

人工皮革と合成皮革は構造は同じです。

上層部と下層部の2層構造でできていて、上層部は樹脂層(人工的なもの)、下層部は布の場合が合成皮革、不織布であるものが人工皮革という定義です。

いずれも、本革が少しも使われていないですので、言葉の「合成」などにつられて、半分は本革なのではないか。。などということは定義にはあてはまりません。

が、しかし。。

ベルトで、上層部が本革使い、下層部が人工皮革の不織布というものを見たことがあります。そういった構造のお品は、定義としては、人工皮革でも合成皮革でもない別の名前が付かねばならないと思います。

半分は本革レザーが占める割合となっている構造だからです。

こういうお品もあることがかえって紛らわしいのですが、お品としては実際にはあり得ます。

けれど、せっかくの貴重な本革素材をALL天然で使用しないところに、これまた商業的な事情を感じてしまいます。

そのベルトは、本当に良いお品なのかというとそれは首をかしげる質のものになりはしないでしょうか。

本革レザーバッグ、フェイクレザーバッグ、布バッグがそれぞれ相応しいシーン

1:本革レザー

2:フェイクレザー

3:布

だいたい、どのバッグを選んでも、上の1-3のどれかに素材が当てはまるのではないかと冒頭でお話致しました。

まず、1:本革レザーは、鞄(かばん)本来の素材です。

鞄(かばん)という漢字の中に革(かわ)という字が入り、革で包むものこそがかばんと呼ぶアイテムであるというのが実は鞄の定義です。

それほど、王道であり歴史があるトラディショナルな素材が「本革」なのです。

2:フェイクレザーは、高価なレザーに似た風合いを出しながら、低価格でお手軽に持つことができる後発的な加工品です。

あるメーカー様においては、フェイクレザーにも名前がついて、その生地がブランド化するほどフェイクレザーも存在感が出てくるようになりました。

3:布は、本来の鞄(かばん)という定義からは外れて袋物のイメージですが素材や柄が豊富です。

では、次に、バッグが使われるシーンを挙げてみます。

・ビジネスシーン

・通勤シーン

・フォーマルシーン

・レジャーシーン

・トラベルシーン

などがあります。

ビジネスシーンと通勤シーンは、もしかして同じバッグを使うことも多いかもしれません。

さて、上に挙げたシーンにおいて、多くの方が実際に経験するシーンの1つビジネスシーンをピックアップして、相応しい素材を考えてみます。

会社で使用のビジネス用具である印鑑、通帳、債券、書類などは、落としたり、紛失したりできない大切なアイテム。

そんなビジネスにおける大切なアイテムを守る働きという点で、素材は重要になってきます。

上に挙げたビジネス用具は、ちゃんと収納する機能であるポケットなどが充実していれば1-3のどの素材でも良さそうですが。。。

ただ、予期せぬ状況というものが起きます。

「雨が降る」という状況です。

このとんだハプニングともなることがある雨降りは、ビジネスシーンでは特に緊張感が高まります。

書類など大切なアイテムが濡れて台無しになってしまう懸念。

そんな懸念の払拭から、ビジネスシーンにおいては特に3:布が外れます。

もっと突き詰めると、実際の雨というのは1:本革レザーも厳しいですがアウトです。

本革も実は、表面からのしみこみが元素材としてはあります。

その後のバッグ製作の加工などで目を詰まったものにしていき解消はされているようですが。。

そもそも雨が当たることのダメージが天然皮革を損ねますので、まず雨の日に持たない選択になるという心理的な考え方も強くなります。

そうしますと2:フェイクレザーが雨には一番良いのではないかということになります。

この3つの中では、防水相当のパワーとしては、はダントツ2:フェイクレザーで良いでしょう。

ですが、完璧な防水というものは存在はしないと言われています。

合皮でも大雨であればファスナー間の隙間や縫い目から雨が入ったりすることも実際にあります。

そして、もう1つ、防水級のイメージのビニールコーティングという布の部類の素材があります。

こちらも防水寄りではありますが、強い雨であると、ファスナーのわずかな隙間から、または底の縫い目のわずかなすき間から雨が浸み込みんだ経験を実際に体験しています。

よって、ビニコと言えども雨に対して完璧ではないのです。

よって、消去法といった方法で、なんとか一番安心できる素材としてビジネスにおいては、合皮はよく使われるのではないかと思います。

ビジネスシーンだけでなく、雨の降る場面は、実は、どのシーンでも共通に起こりうる場面となりますので、雨対策がなされた素材の出番がいかに豊富であるかということが分かります。

本革レザー、フェイクレザー、布それぞれのメリットの活かし方

最初の方にお話致しましたが、今一度それぞれの素材のメリットについて、その良さを活かす工夫をお伝えしたいと思います。

まず、結論から最初にお伝えしてしまいますと、1-3の素材の中では1つも、完璧璧な素材というのは無いです。

それぞれ、メリット(^-^)とデメリット(+_+)があって、使い手がシーンに応じて使い分けをするしかないのが現状です。

では、3種の素材のそれぞれで、一番の突出したメリットのみにもっと深くフォーカスしてみるところで、この記事の前半を終わりたいと思います(長編なので後半もあるのです<m(__)m>)。

1:本革レザーの一番のメリットは、やはり、高級感があるということでしょう。

ただ、お手入れ、保管具合で、高級感の持続性というものは変わってくるので、高級感というのも経年により期限付きとなってしまいます。

いかに世話をきちんとするかということで高級感が持続されるわけですので、覚悟を持って高額である本革レザーを持ち合わせることでメリットである高級感を維持できるでしょう。

2:フェイクレザーの一番のメリットは、上述の雨の日の強さですね。

クリップには載せていませんでしたが、それほど気にすることが無い持ち方ができるという点もメリットなのです。

雨の日に繋がることでもあるので、雨の日の防水級のメリットということの心理面に含まれると思っていますが、雨であっても気にしなくてよいですよね。

濡れにくいし、表面が雨でどうにかなろうとも、もともとが永続的な素材でないことが分かっている上での納得みたいなものがあり、気軽に使えるというものです。

会社などで使用のものは、個人の大切なコレクションアイテムとは違うものです。

よって、傷んでいくことに対する気持ちの下がりなどはあまり起こりません。

そんなものなんだという最初からの覚悟と言いますか、傷みに対して割り切れるものがあるのでしょう。

3:布は、劣化が起こらない素材ですので、ある意味永久的です。

意外とバッグは消耗品であることを実感することも多いです。

何と比べるかによって強味とも弱みともなる場合がありますが、強みとしてはずっとお気に入りの素材を持ち続けることができるという大きなメリットを持っています。

これが、私が製作しています布製のハンドメイドバッグの伸ばしたいメリットの部分でもあります。

ほとんどが内貼りの劣化、昔のハイブランドバッグを自主リフォームしてみた体験

さて、ここからは後半です。

すでに劣化してしまっているハイブランドバッグを自主リフォームした記録です。

劣化が激しい内貼りのブランドバッグを一生ものにリフォームした記録
カーフ(仔牛)素材のバッグ。<サイズ>縦34cmx横44cmxマチ12cm。
表側は非常に綺麗ですが内側がボロボロに劣化しています。

ハンドバッグとしてはかなりビッグなバッグです。

とても残念なのが、表側はまだまだ今後も末永く使えそうなのに、内側がどうしようもないというこのバランスの悪さです。

こういったバランスの悪さは工夫をあれこれ考えねばならないことをユーザーにさせるという「無責任さ」を感じます。

しかし、当時の多くのバッグがこういった内側に劣化素材を使用することが多かった風潮であったようなのです。

製造者様もその事業の発展の過程においてたどってきた道であるので、その後はこういったアンバランスを見直しをすることになったかもしれません。

では、リフォームの過程をたどっていきたいと思います。

ここでお伝えしておきたいのですが、私はリフォームの技術は持っていないただのファッション好きです。

しかし、ハンドメイドバッグを作るミシン縫いの技術がある程度あり、布バッグを作っている者がやってみたリフォーム技術の範囲内であるとしてご覧いただきたいと思います。

どうすればよいのかのざっくりとした要領は分かるつもりでしたが、綺麗にはできませんでした。

まずは、リッパーで裏地が縫い留めてある部分の糸をほどいて劣化した裏地を全部外します。

左:リッパーで縫い糸を切っていく。 右:途中附属品を外す(これはマグネットボタン)。

なかなか一縫い一縫いが頑丈で沈んでいるので、外すのが大変困難でした。

マグネットボタンに関しては、磁気が起こるので、今後のデジタル時代、もうバッグには付けるべきではないと私は考えます。

大切なATMやクレジットカードが数回壊れています。原因がこれである可能性大です。

そして、外し終わった裏地のかたまりをどうぞご覧ください↓。

劣化が激しい内貼りのブランドバッグを一生ものにリフォームした記録
左:こうして、裏地と表地の縫い目を全部外しました。 右:裏地を抜き出しました。

樹脂やボンドの劣化で粉だらけ。

中を開けてみて、附属品に感動と驚きがあったので、写してしまいました↓。

左:厚紙にハガネの板が貼ってあります。 右:ハガネの板が錆びています。

この鋼(はがね)板は、バッグを強固にするための芯のような役割だと思われます。バッグの入り口の部分に横になっていました。

触ると何かとても硬いと思っていたものはこれだったんですね(;'∀')。

バッグが重くなる理由にこういった隠れたパーツの重さも影響していると思います。

劣化が激しい内貼りのブランドバッグを一生ものにリフォームした記録
左:マグネットボタンの相方。 中:ファスナーの飾り2個 右:ブランドタブ(共素材)。

マグネットボタンの相方は、前述のとおり、ここで廃棄です。

特にブランドのマグネットボタンは磁力が強くてパワフルですから。

そして、ファスナーのつまみとして付いていたゴールドのコイン型飾り。

これは、綺麗に拭き取ると見違えるようにきれいな金色が美しく、ペンダントトップやキーホルダーとして、後々お洒落に使えますので保管しておくとしました。

そして、右は後で裏地に縫い付ける予定のブランドタブです。本革なので、劣化の影響は全く受けていませんから、再利用が可能なアイテムです。

そして、次の作業は裏地を作っていきますので、型紙をまず作ります。

バッグのサイズである縦34cmx横44cmxマチ12cmを考慮し型紙作成です。

劣化が激しい内貼りのブランドバッグを一生ものにリフォームした記録
縦44cmx横60cmの型紙をまず長方形に作っておいてから、入り口のカーブの部分にバッグを当てて製図。

マチというのは、2枚を縫い合わせるデザインの作りでにおいては、見込む分量が出来上がりマチサイズの半分を見込みます。

そうすると、2枚重ね合わせたときに倍になって希望のマチの大きさになるわけです。

ただ、型紙の平面においては、縦は半分を見込み、横は右端と左端と両方が関係してきますから、半分を見込んだ2か所分ということで、結局横の長さというのは、見込む数値がマチと同じ分量を見込むということになっていきます。

今回縫い代は2cmずつ共通にしたので、

【型紙における縦の長さ】出来上がりの縦34+マチ12÷2+入口縫い代2+底縫い代2=44cmが導き出されました。

【型紙における横の長さ】出来上がりの横44+マチ左側12÷2+マチ右側12÷2+左脇縫い代2+右脇縫い代2=60cmが導き出されました。

型紙が長方形で出来上がったら、バッグの実際の入り口がなめらかなカーブを描いていることを型紙で表現せねばなりません。

このカーブは、厳密にはこのバッグのデザイナー様しか分かりませんから、バッグを型紙に当ててなぞります。

そして、型紙の真ん中から左右対称に整えてカットします。

ミリ単位まで正確にせずとも、この方法でバッグをあてがって大まかなラインを知り、そのあと手直しの方法で良いと思います。

そして、生地に型紙を置いてカットし、印をつけて地縫いに入ります。

劣化が激しい内貼りのブランドバッグを一生ものにリフォームした記録
左:カットした生地に縫い代2cmに印付け。 右:地縫い。

そして、マチを12cmつまんで作り、入り口部分を縫い代2cmで1つ折りで縫います。

劣化が激しい内貼りのブランドバッグを一生ものにリフォームした記録
左:マチ12cmを作りました 。右:入口を縫い代2cmで縫いました。

そして、いよいよ、ここがクライマックス。

バッグへ裏地を取り付け、縫いました。

劣化が激しい内貼りのブランドバッグを一生ものにリフォームした記録
左-タブは裏地のみにミシンで縫い付けました。
右-入口のトップから3mm程度をぐるり1周裏地を縫い付けていきます。内側からステッチしていきます。

はい、完成しました。ミシンの針が果たして、通るのだろうかと心配していましたが、通りました。

ミシンは、JUKIシュプールTL25、針はDB1という工業用針の#16という太い頑丈な方の針番です。

結果的に、下手な部分があって失敗箇所はここです。(下手ですね~(^_^;))

劣化が激しい内貼りのブランドバッグを一生ものにリフォームした記録
裏地が少し表に見えてしまいました(;'∀')。

自分使いで持っていくものなので、良しとしました(^_^;)。甘めな判断です。

そして、補色などのクリームで少しお手入れして、完成しました。

劣化が激しい内貼りのブランドバッグを一生ものにリフォームした記録
裏地は、綿/100%の黒のミニダイヤジャガード。
劣化が激しい内貼りのブランドバッグを一生ものにリフォームした記録
完成:中に新聞紙のあんこを詰め込み、形を立体的にキープして収納し続けます。

自主リフォームを終えて改めて気づいたバンブーの自然の性質と無理のある構造

では、自主リフォームをした感想と今後をお伝えしたいと思います。

率直に下手です。技術が全く足りません。

お直し屋さんにお願いするとものすごく綺麗に仕上げてくれますので、そのバッグの重要度によってその辺りはジャッジすることになります。

ちなみに、過去の別のバッグの裏地交換で、¥20,000程度でお願いした記憶がございます。

で、今回のこのバッグを日常使いしていくのかどうかなのですが、結論は収納の容器のような使い方にとどまることになりました。

ただの物入れです。

その理由なのですが。。ここからが話が深くなっていきます。

まず、重すぎます。1kgはあると思います。

このバッグが作られた背景を考えてみます。

ズバリ、バブル周辺の時代の1980年代後半だと予想します。

車での移動も多く、この重さも気にならない環境の中での利用ならOK。

本来のバッグとしてのユーザーの使い勝手や持ち心地などの心理的な部分はあまり重視されていない部分も見られます。

この取っ手の竹の性質は強くまっすぐに伸びるのが本来の姿。

それをぎゅーっと曲げてあり、おそらく熱などを加えて曲げやすい加工を施しながらこのフォルムをキープしてきました。

本当にキープされているのか。。実のところ、経年により竹が本来の真っすぐなろうとする執念の力ともいうべきパワーにより、タブで固定されたその周辺で異変が起こっています。

竹がまっすぐに戻ろうとする力により、取っ手の縫い付けのタブが変形して左右によじれています。

だからこそ、分離してはいけない取っ手用のバンドがデフォルトでは付いていたはずです。

こちらのお品も中古品で、購入時にはバンドの姿は有りませんでした。

この竹の性質をよく知り、いかにUの字をキープするためのバンドが大切な役割であるかを理解していれば手放されなかったかと思うと、お品の細部の意味を理解されてこなかった点が見られます。

このたび、下手な自主リフォームで、大成功と呼べるものではありませんでしたが、別の学びも得られました。

私たち日本人は、小さい頃から、昔話とか、七夕、たけのこ料理、インテリア、容器などに使われる竹には親しみがあります。

バンブーの取っ手は、でこぼこの溝に指が当たった時に持ちやすく心地がよいです。

今回使用した裏地は、綿/100%のジャガード生地。高級感と雰囲気がある生地です。

ポケットなどを付けなかったので、非常にシンプルなバッグですが、ここまでで終了です。

その後、こうまで苦労してやってみたリフォーム後のバンブーバッグでしたが、気持ちに引っかかりがありました。

本来まっすぐに伸びようとする竹を曲げるということは、最後にはその自然の力に負けるということをありありとこの状態が見せてくれました。

元は、ハイブランド様のデザイナー様が竹の魅力に魅せられてこのように高級なバッグの持ち手に引用したアイデアでした。

ただ、竹にとってそれが一番相応しい使い方だったのか。。

丈はまっすぐで使われるべきものではないかという結論を持ちました。

実は、もう現在はこのリフォームしたバッグは私の手元にはこの姿では存在していません。

この仔牛(カーフ)素材を活かして、ベルトを作り、ベルトとして今後も持っていくことへ更なる自主リフォームをしたのです。

写真はあまりに姿や形が変わり過ぎてバッグから別のアイテムへと変化させてしまったので著作権侵害になるのでアップすることができませんが、無理のあるバッグの構造に愛想が尽きたのです。

過去のリフォーム依頼が大成功だった例x2つ

ここで、自主リフォームではなくて、お直し屋さんにお願いしてすごく良かったリフォームをバッグ限定でご紹介したいと思います。

1つは、中敷きの劣化による裏地の取り換えです。

これが上述の¥20,000程度であったもののことです。

元は、真ん中に仕切りがあり、その仕切り自体がポーチになっているファスナー付きであったのですが、ボロボロに劣化したため、裏地ごと一掃してもらい、新たに黒い生地で裏地を設置してもらい、ただの容器の構造に変えてもらいました。

というか、もうそれしかリーズナブルにお直ししていただく方法がなかったのです。

確かに真ん中のしきりがポーチになっているのは付加価値が高かったです。

あれをお願いするとほぼ全解体となり大掛かり過ぎコストも上がります。

ただの入れ物のような構造でも、何か大きな袋を内側に加えて使用するなどを工夫していくことで一生物として使えるものになりました。

もう1つは、マグネットボタンの除去をしてもらった喪服用のバッグがありました。

マグネットボタンの交換も自主リフォームでは簡単ではありません。

ある段階までほどいての作業であることと、喪服用こそ一生物ですので、プロにお任せした次第です。

その後マグネットボタンはマジックテープへと変更してもらいました。

マジックテープはケリーバッグなどのヒネリ錠の支えるような強度は有りませんので、バッグ自体のデザインによっては無意味である場合もありますが、取っ手で支えるタイプのバッグだったのでOK。

その後は、これらのバッグは今後も更に長く持てるものになり、おそらく一生持てると確信しています。

一時的にお直しもお値段が張りますが、その後一生使えるような本革レザーのバッグや布バッグであれば慎重な判断により依頼して使い続けることも大変意味があります。

あとがき

今後、今回の自主リフォームしたようなカーフなどの天然皮革のバッグが新規にあまり作られていかないと思います。

それは世界中における「SDGs」の高まりです。

動物の大切な体の一部分をいたわるべきであり、それを嗜好品に利用することが残酷なのです。

しかし、すでに存在している過去のお品はどうするのか。

もう今後は無いから貴重なので使わせていただくのか、それとも、そんなことすらするべきではないのか。。

とても難しくて答えが出ませんが今回のリフォームはまぎれもなく本革バッグですので、前者のジャッジをしたのです。

先日もとてもはがゆい記事を目にしました。

「街を綺麗にしようと定期的に水を抜き、ゴミを回収する作業をある池で行ったところ、逆にそれをすることで池が生き物達にとって住める場所ではなくなってきた」というのです。

よって、ある1つの事だけを中止してもかえって他のバランスが悪くなるジレンマもあるのです。

すべてを丸くおさめることの難しさがここにあります。

とにかく、ちっぽけな私のような者が自らができることとして、1つ1つの購入、製造、販売どれに対しても自分が関わるものは、その後のこと何十年も後の事も見越した行動であるべきだということです。

目には見えませんが、利潤の追求のみに焦点を当てたお品は今後生まれてほしくはありません。

フェイクレザーも必要な素材であり、ニーズのあるシーンはあるのです。

しかしです。私としては、その必要性は、購入者側が決めることであるということが前提だと思います。

よって、推奨しました呼び名、「本革レザー」と「フェイクレザー」、これをタイトルや商品説明などで、販売者側が正直に徹底してもらいたいと強く思います。

本革レザーを購入するのか、フェイクレザー、はたまた布製を購入するのかは、購入者に与えられた特権でなければなりません。

バッグというのはこれ1つで完璧に希望を満たすものがなかなか難しいのが現状です。

それぞれの素材のメリットを生かし、デメリットを補うような工夫を、製造者ユーザー共に工夫することが大切です。

バッグの製造者は、よりデメリットを補う工夫を凝らし、バッグのユーザーは、よりうまく使い分ける、このようなタッグを組むことがバッグが製造者からユーザーへ移行した後の成功を生むと言えましょう。

バッグの作り手として、お買い上げいただいたその後のバッグの状態のことも考えていくことは、非常に大切。

その時だけの一瞬の売れるためだけの工夫が長年かけてどんどん信頼を失う恐ろしい結果を招くことをしっかり考えねばなりません。

その場だけ乗り切っていくような考え方はいずれ「つけ」として今までの回収のごとくある時一気に信頼を損ねることになるかと思うのです。

そして、どう考えても粗悪品は作るべきではないと思っています。

そして、劣化すると分かっている合皮を高級素材とのコンビで作るべきではないということも。。

末永く使える親切なお品を作ることは、ご購入者様に余計な迷いや緊張感を与えず安心してご購入に踏み切っていただけることや、その後の何年もかけた信用をいただけることにつながります。

今一度雨の日のお話をしたいと思います。

雨の日の悩みは可能な限り解消したいものです。

ただでさえ外出しにくいストレスがありますので、携えるバッグに関しては気にせず安心して持てるフェイクレザーの出番によって気持ちをできるだけ安定させたいものです。

つまり、フェイクレザーのたった1つの最高の価値というのは、フェイクレザーでなければならないシーンにストレスを軽減してくれる「ありがたさ」にあると、そういうことなのです。

これは、ユーザーの気持ちを本気で考えたバッグであるのかどうか、というところに行き着きます。

バッグのシーンの使い分けのメリハリが結局、晴れた日に持つ本革レザーや布バッグなども含めたすべてのワードローブを気持ちよく着用できることにも影響するのではなかろうかと。。

そう考えると、私があまり好まないフェイクレザーの役割も偉大です(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク

イタリア製には付いていないことが多いワンピースの背の「スプリングホック」、髪の毛に引っかかるデメリットがあるのに本当に必要なのか【181】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

古着のワンピースがとても好きなのですが、ワンピースには決まって付いているものがあります。

それは、スプリングホック。首の後ろにちょこんと1セット付いています。

スカートにも付いています。フレアースカートなどの脇ですね。

しかしながら、私は、購入後手元に届いた瞬間、最初にすること、それはスプリングホックを外す作業なのです。

それには理由があります。

今回は、ワンピースやスカートに付いているスプリングホックの必要性について考えてみたいと思います。

ワンピースやスカートのスプリングホックを着用前に外してしまう理由

ワンピースから着用前に取り外したスプリングホック・・・これまで幾度もこのことを繰り返してきました。

さて、なぜ早々と着用もせずしてスプリングホックを外すのかをお伝えしたいと思います。

スプリングホックは、ワンピースでいうと、ちょうど首の付け根周辺に位置し、その位置が髪の毛に触れると髪の毛が引っ掛かるのです。

その不快感といったらこの上ないものです。

そういった不快な感触が忘れられずに嫌な記憶として残ります。

スカートのスプリングホックも同じようなことが起きました。

スプリングホックがインナーレースに絡む時があったのです。

そもそもスプリングホックの役割というものは、付けることによってメリットをもたらすから付けられているはずなのですが。。

このメリットが本当にあるのかをしっかり考えてみたいと思います。

スプリングホックは本来「留め具」としての役割であるはずです。

しかしながら、なかなかスプリングホック=留め具の名目上の役割ばかりが謳ってあるわけで、実際のところはどうなのでしょうか。

スプリングホックはコンシールファスナーとセットで取り付けられることが多いです。

体のさまざまな動きによりファスナーが開いたり、引っ張られたりした圧力がかからないように固定してくれているのがスプリングホック。

ただ、私の場合こういったことがあまり起こっていないためか、必要性を感じていないということが今まででした。

しかし、細かい洋服のラインを見てみますと、スプリングホックを取り付けてあると、安定してスカートやワンピースがファスナー部分でVの字に開かずにクローズされたラインになり、体に密着できるような美しい線を作ってくれる役割も果たしてくれているようだと気づきました。

ヨーロッパの商品には、スプリングホックはほとんど使われていない

私は、よく「エンポリオアルマーニ(イタリア製)」とか、最近では、「ESCADA:エスカーダ(ドイツ製)」の古着をよく見つけます。

2ブランドともヨーロッパ製ですが、スカートやワンピースにスプリングホックが使われていないです。

ワンピースやスカートのスプリングホックは本当に必要なのか
エスカーダのウール混マーメイドタイトスカート(黒)。

このエスカーダのスカートの場合は、代わりにボタンとタブでホックのような機能の附属が付けてありましたが、これは外すことはないにしても、やはり使っていません。

何かヨーロッパの文化なのでしょうか。。

読んだ本の中にファッション史的な部分があって、かなり昔にブローチみたいに衣服を留める役割の装飾性のあるアクセサリーが紹介されていたことを記憶しています。

古代は布を纏うだけの簡易な洋服ですので、余計な布の余り部分を留め具によって留める必要があったのですね。

よってファスナーが無い時代には間違いなくその留め具的な機能のニーズに対応する留め具が活躍したということです。

スプリングホックが必須アイテムであるブラジャーにたくさん付いていた!

スプリングホックが必要のないものであるとの断定はまだできかねる中、あることに気づきました。

スプリングホックが絶対に必要なアイテムを持っていたのです。ブラジャーです。

ワンピースやスカートのスプリングホックは本当に必要なのか
黒色のブラジャーのホック部分:「DHC」様。こんなに多くのスプリングホックが配置されていました。

あった、あったんです。ブラジャーには必ず必要ですよね。

ということは、スカートやワンピースのスプリングホックもこんな気持ちで必要とされることを想定したものであるのです。

本来の留め具というあっさりとした一言の名目ではなく、もっと裏事情を探ってみました。

ネットの悩みのコーナーのようなサイトの一部を拝見しました。

ウエストがきついけどどうしてもはきたいスカートがあったようです。

ホックの位置をずらして、ゆとりあるウエストにしてはけるウエストにするところに、縁の下の力持ちほホックに働いてもらうという裏ワザがあるようなお話でした。

なるほど。必要である人にとっては、この小さな針金みたいなパーツこそが大切な留め具なのです。

あとがき

今回は、スプリングホックの必要性について、不必要派の私が、一度フラットになって考えてみました。

スプリングホック自体は必要な場合があり、ブラジャーやコルセット(たまに医療用でしている人がいらっしゃるようです)などには複数の設置によって強度を高めるなどマストアイテムだと言えます。

あの小さなスプリングホックが体を支えたり、縁の下の力持ちともいうべき機能を果たしているアイテムであることは間違いないようです。

ですから、スカートやワンピースにも必要な人がいらっしゃることを認識していたいと思います。

では、最後に、スカートやワンピースのスプリングホックを使用しない私が得た、スプリングホックの必要性のまとめです。

<スプリングホックの必要性>・・・必要ない派であった者の新たな見つめ直し

・コンビで設置のコンシールファスナーがずり落ちないための心理面の安心を得るため。

・ファスナーの空き部分をVの字にならないようスプリングホックで固定して美しいラインを作ってくれる。

・医療用コルセットやブラジャーには欠かせないほどの機能である。

・サイズの合わないウエストのスカートをはく時などに工夫次第ではけるようになる裏技に使われる道具のとしての機能。

とこんな感じの新たな認識を持ちました。

スプリングホックは「必要である場合も大いにある」と締めくくりたいと思います。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク