まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
以前、イタリア製の某ブランドバッグをとても気に入って持っていました。
かれこれ25年前くらいのこと。
ショルダー付きのドーム型バッグでした。
この写真のようなタイプの形のものでした。
入り口がぱっかりとたくさん開くので中身が見やすいものでした。
「高島屋」様で購入のもので大変気に入っていて、たまに使う感じにしていたのですが、ある日プチっとショルダータブ外れたのです。
私のバッグもタブの取り付け位置は斜めに対角線の位置ですよね、これと同じような位置に付いていたのですが。。
しかし、タブが本革1枚仕立てでした。
おそらく、今思えば、縫いこみやすいように革を漉いて薄くしてある作りだと思われます。
縫いこみが甘いのか、中身を入れ過ぎたのか経年により、レザーが避けてある日ポンと外れました。
とてもあっけなく、茫然としてしまったことを覚えています。
結局同じブランド様の最寄りである別の店舗のお店で何とかお直してもらえましたが、おそらく取り付け方は同じ手法でしょう。
ブランドバッグは、見た目の綺麗さも重視でしょうから、スマートな形に見えるように弱くなっている部分があると見ました。
というこんな苦いエピソードがあったのでした。
タブが外れた苦い経験から活かせること
このことから自分が製作するバッグに活かせるとしたら、同じように外れてしまうような丈夫でない取り付け方を決してしないということでしょう。
ということで、ショルダータブの作り方をご紹介します。
タブ自体も丈夫なのだけれど、取り付けも丈夫にする、それには取り付けやすくなくてはならないという連鎖で、「縫い付けやすいショルダータブ」がテーマです。
ショルダータブは、結局のところバッグ全体の重さを支えます。
それが外れてしまうようでは話になりません。
また、ここでお伝えしたいことは、何も硬くするばかりでもいけないという点。
過去にショルダータブを硬く分厚く作りすぎて本体に縫い付けられなかったことがあったからです。
よって、革を漉いて取り付けやすくするのももっともなことではあるのです。
ただ、その加減です。
取り付けやすい程度の厚みでありながら、同時に頑丈な取り付けでなければいけない、ここを今回追求したのです。
欲張りですが、2つのことを同時に満たす工夫をしたということになります。
後になって、お客様にお直しをするお手間をかけさせないように作りたいということです。
作り方は動画内で解説致しました↓。
あとがき
スタイリッシュに仕上げることを優先した丈夫でないショルダータブの取り付け方。
これがいかにユーザーの身になっていない製作側都合のお品であるかという見方ができます。
ショルダーなどは気休めなもので、常に使用するものではないという腕にかけるハンドバッグ主体の持ち方の優先ということもあったかもしれません。
そして、本革が厚みがあり過ぎると縫えないという製造の限界という事情もあるのでしょう。
特に本革レザーではこういったことが過去のお品に多く見られます。
そうしますと、布で作る製作者がそういった本革レザーのブランド品に抜きんでることができる点としてこうした細かなパーツの丈夫さの追求があると言えます。