糸の用尺を計算する時に忘れてはいけないロス部分-縫い始めと縫い終わりの部分の余り糸【1070】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回、初めて20番という太番手の糸を手配する機会がありました。

20番だと60番などと比べて糸の太さがあるために、当然同じようなボリュームのコーンの巻きでもそのm数は小さくなります。

糸の手配をベタにしてみました。

1点分のお品に使う全部のステッチがかかった箇所の合計を用尺として設定してx点数というような見積もりをするわけですが、30番あたりからは、ちゃんと計算しないと1コーンの2000m巻では不足の事が起こってくるわけで、複数同じ糸を手配するにあたって用尺が必要になります。

まずは、1点製作してみて、糸の部分を単純にメジャーで計ります。

上糸と下糸があることを忘れてはならないので単純に2倍します。

と、ここまでは出来上がった実寸でしかありません。

しかし、よく考えると見落としてはならないことがあります。

それが、縫い始めと縫い終わりの余った糸のタランとした部分。

あれって20cmくらいあることもありますね。

そうすると縫いを途中で区切る数が増えれば、それだけ、その余った糸の縫い始めと縫い終わり、そして、上糸と下糸という風に20cmx4=80cm・・・もう少しざっくりと+20cmしてみて、1m程、一度の縫いのターンでロスが出るということになろうかと思います。

今回は、このロスも用尺に入れることが結構な分量であり、糸がいかにロスの多い材料であるかということも分かるというお話になります。

糸手配は、不足よりも余った方が作業がスムーズな件

できれば、ちょうどぴったりな分量を手配したいものですが、万が一不足の場合に、もう二度と手に入らないような特別な状況の中見つかった糸もあります。

よって、多めに手配して余るという形が結局慌てずに安定して作業ができるのでそうなるかと思います。

後になってもったいないなあと思うこともあるかもしれませんが、糸の場合仕方がないですね。

また保管しておいて、別のお品に使えるわけですので、不足して入手できなく、どうしようと悩むよりはよいかと思います。

今回、特殊な太番の20番であり、色も特殊な色だったんです。

せっかくぴったり色が生地にマッチしていたことで、30番では見つからなかった20番に挑戦したという経緯があります。

結果は、5コーンの手配に対してまるっと1コーンと+α余りましたが、仕方がないですね(^_^;)。(1コーンで600m巻でした)。

途中でやり直しなどもすることもあり、ぎりぎりではヒヤヒヤ感が半端ないです。

今回の20番も何かわけがあってたまたま在庫にあったというメーカー様のお話。

通常なら入手できなかった糸だと思います。

糸の分量のおおよその考え方

30番のスパン糸がボビンに8割程度巻かれています。

いろんなネットのデータなども参考にさせていただきまして、ボビンに巻かれる糸のM数は50m周辺を考えたらよいかと思います。しかし、それは糸が60番の場合とのこと。

この写真は30番です。とても単純ですが、番号が半分なので20-25mくらいかなあと解釈してみます。

で、20番の糸の場合は、私が思うに、実際の減り方を経験して、10mくらいだと思いました。

短い時間でボビンの糸がなくなり、何度も途中で交換しました。

しかし、ボビンはあくまで参考です。

やはり1点できあがったお品を計ってロスを追加する方法が良いかと思います。

その時に、上述の1mx縫い目が途切れる回数(10回と見積もり)=10mをロス分として追加。

そんな感じで実用尺+ロス分とざっくり使用量を出すわけです。

あとがき

糸は結構見積もるのが難しいですね。

パーツなどは1品にいくつ使用かがはっきりとしていて分かりやすいですね。

ボタンとかファスナーなども割とはっきりと割り出しやすいです。

伸び止めテープもそれほど困難ではないです、

やはり糸ですねえ。

1つのハンドメイドバッグに原価表を作る時には、糸は常にざっくりとした平均を多く見た一定の金額を毎回入れ込んでいます。

その都度計るということはハンドメイドバッグの1点作りの場合はしていません。

原価表の場合は結果で良いので多く見積もっておいてもそれは¥100/点以内のことですから大きな影響はないです。

ただ、複数製作する時の材料としての手配という点では用尺は活用する意味がありますね(^-^)。

比較して並べると歴然、デニム向きなスパン糸の30番と20番の違いが驚く程大きい事実【1068】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

これまでいろんな厚手の生地を縫ってまいりました。

スパン糸の30番と20番というのはひとくくりに「デニム向き」などと称されますが、実際に両方を使用する機会にめぐまれて、その違いがあまりに大きくて是非この記事でお伝えしたいと思いました。

カラー展開が豊富で見つけやすいのは30番ではあるが。。。

もともと自分のデザインのハンドメイドバッグでしっかりした作りを目的として30番糸をそろえていきました。

その前までは、50番や60番だったのですが、どうしても弱々しく、糸を横に引っ張るとプッツンとすぐ切れました。

スパン糸は短繊維なので切れやすいというのはデメリットです。

しかし、そのぱさついた様相がカジュアルで、コットン方面の気取らない生地には向いているのです。

番号が少なくなるにつれて糸が太くなりお品もレアになっていきます。

通常60番などは一番多くの人が使用します。洋服にも使われるので、よりユーザーの多い番号が60番。

それより少し丈夫にと、ハンドメイドのスタート時期には50番にも注目していました。

そして、ミシンを家庭用から職業用に変えていった時期くらいから、30番へと移行。

そして、2017年頃、30番統一で一気にいろんなカラーの糸を集めていきました。

私の場合、ツヤのある生地が多いのでスパン糸よりもテトロン糸の方が多いですが、いずれもすべて30番で収集してきました。

メンズライクな世界とか、カジュアルさを追求すると、30番でも上品で控え目だと思うことがあります。

今回、たまたまエプロン製作で20番の糸が生地にぴったりだったのをきっかけにして、初めて20番で縫うという機会があり、その感想等をこめて、比較の検証をしてみました。

30番と20番の糸がどのくらい違うかの比較です。とても興味深いですね(^-^)。

レアな20番糸を思いっきり使ってみた結果の感想と30番と20番の比較実験

一括りにデニム用と称される30番と20番も並べて比較すると縫い目がこんなに違うのです。

驚かれるかと思います。

この違いは非常に大きいです。20番はより存在感があり、力強いです。

ステッチのアクセントを強調するようなデザインに20番は向いていますね。

30番は考え方を変えれば、適度に上品ですので、カジュアルな素材を大人っぽく製作したい場合などには向いています。

入手しやすいのは30番の方です。20番は思うような色が見つけられないこともあるかと思います。

20番糸でも職業用ミシンでの製作が可能なのか

結論からは、可能ということになります。

私は、JUKI様のシュプール:TL25です。末尾に何も追加番号のない昔のTL25(その後TL25デラックスという商品が出たようです)であることからなのか、こういった太口の糸の場合に工夫は必要です。

その工夫というのは糸調子の調整になります。

下に貼りますYOUTUBE動画内でポイントの糸調子を整える箇所をご紹介致しますが、ここでまとめて置きますと、2つの箇所を徹底します。

①糸案内にすべて通す・・・取説によるとスパン糸は2箇所通しでよいのですが、3穴にフルに通します。そうすることで、糸がピンと張り、硬いデニムにしっかり糸が埋まっていくのです。

②糸調子ダイヤルは強め・・・こう覚えたらよいです→。硬くて厚い生地にはダイヤルは番号が大きい方へ絞めるということ。ただ、あまりにかちんこちんに4などにしてしまうとかえって糸が切れやすかったり、他のパーツが引っ張られて傷みますので、優しくミシンを扱うということです。

ミシンを優しく扱うために①をやっておいて、上糸を引っ張る際には、針の周辺を引っ張ると動きにくいので無理矢理引っ張らず、糸のコーンと糸案内の間をたるませることを手動で行います。

この作業は、縫う途中では出てきませんので大丈夫。最初の縫い始めと最後の縫い終わりに引っ張る時がありますね、あの時にそのまま引っ張る前にコーンと糸案内(三つ穴のパーツ)の間を手動でたるませるのです。→これはYOUTUBE動画内でも

ご説明させていただいておりますのでどうぞ見てくださいませ↓。

あとがき

今後たくさんのハンドメイド作品作って行きたい方へのメッセージとしましては、ある時期に家庭用から職業用のミシンへの切り替えをお勧めします。

確かに家庭用ミシンはロックミシン機能なども付いていて便利なのですが、縫い目が歪んで綺麗に縫えません。

いずれ商業利用などをしたハンドメイドを作りたいと誰もが思うことでしょう。

そうした時に、土台であるミシンを職業用にしておくことで、こうして、何とかデニムとか帆布なども上手く縫っていけるのです。

しかも驚くほど美しい縫い目が購入者様の心をぎゅっとつかむのです!!。

デニムや帆布は糸調子が普通地である服地に比べて上述のように難しくなりますが、それでもこうして工夫と対策を分かっていると悩みは解決できます。

どうか、素敵なオリジナル作品をお作り下さいませ(^-^)。

そして、途中でやめてしまわないこと、何年も何年もひたすら続けていくことです。

そうした中で何かの転機が生まれたり考え方が良い意味で変わったりして発展が起こると思います(^-^)。

スパン糸とテトロン糸を比べて決定的に違う互いの強味【1040】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、多くの人がハンドメイド製作にご利用のスパン糸と、ややニッチなテトロン糸を比較してそれぞれの糸の持ち味をお伝えしようと思います。

私の場合なのですが、圧倒的にテトロン糸が多いのですが、スパン糸でなければならないメリットもあり両方使用しています。

そんな両方を使い分ける私が見る視点でお伝えしたいと思います。

スパン糸の決定的なメリット

スパン糸30番:ブルーグレー色

メリットデメリットは挙げれば複数ありますが、ここでは分かりやすく、決定的なメリットを1つだけを取り上げたいと思います。

後に貼りますYOUTUBE内ではその他の部分にも触れていますので、当ブログではこれだという1つをアップ致しますね。

実際に私がテトロン糸で悩むのが、玉止めの時にほつれやすいことです。

軽く結んでいてはスルスルっとほぐれてしまいますので、結んだ意味がなくなることが悩みです。

その点、スパン糸は、がさっとしていて滑りにくい為、玉止めが頑丈です。

ここが決定的なスパン糸がテトロン糸に勝る点だと思っています。

なので、卸売りのお得意先に商品を卸す場合などは、ほつれが目立つようなご迷惑をかけてはならないこともあり、玉止めの強固なスパン糸を中心に使っています。

スパン糸が合うテイストの生地ばかりを使用する企画なのでそれも都合が良かったということです。

テトロン糸の圧倒的なメリット

テトロン糸30番:青紫色

実は、私は自分の好みはテトロン糸の方です。

その理由にもこのメリットがイコールになるかもしれません。

圧倒的な高級感とエレガントさです。

今までハンドメイドバッグはエレガントな生地を利用してきましたので、やはりテトロン糸が自然とマッチするようです。

よってこのエレガントな雰囲気で今後もエレガントなテイストのバッグを製作したいと思いながらテトロン糸の方を多く集めてきました。

スパン糸はどちらかというとカジュアルです。

糸製造業者様の工夫を感じた点-スパン糸にテトロンを混ぜたテトロンスパン糸というものがある

左:テトロンスパン糸30番/ 右:テトロン糸30番

生粋のスパン糸だと短繊維の集まりなので簡単に手で切れやすいというデメリットも実はあります。

そのことを補うためにサポート役としてテトロンを少し混ぜた「テトロンスパン糸」というものが多くあるのを、私の手持ちのスパン糸の中から発見。

結構な量のスパン糸が現在はテトロンスパン糸となっています。これ、実は今まで気づきませんでした(^_^;)。

実際に同じような色をあえてピックアップした「テトロンスパン糸」と「テトロン糸」を並べると、どうでしょう、やはり、左はスパン糸に変わりはないのです。

なので、私は、テトロンスパン糸=スパン糸と考えてテトロン糸とは別物であるという風に分けて収納しています。

生粋のスパン糸よりは切れやすさは解消されているのですが実際に使っていても分かりますが、根本的には短繊維が多く集まった糸であることには変わりないのです。

あとがき

糸もこうして比較して見たりすると楽しいものです。

糸はとても大切だと思っています。

バッグを作っていても糸の縫いのおかげで丈夫に仕上げることができています。

ここへ、附属品の打ち込み式のパーツなどを加えると不安でしょうがありません。

それはいつ外れてくるかが私の感覚では全く分からないからです。

例えば、飾りを兼ねたパーツで固定するくらいなら、同じ個所を糸で頑丈に返し縫いをしたいです(^_^;)。

糸はそれぐらい肌感覚で丈夫さが分かるものとしてとても身近で信用あるものだとつくづく思います(^-^)。

工業用ミシン糸60番と30番の下糸の用尺の違い【1039】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ミシン縫い作業において、通常下糸のボビンは、上糸のコーンから巻き取る作業をしますね。

この時にストッパーがかかって自然に止まるところがボビンにフルに巻いた状態。

あの全体の長さってどれくらいなんだろう。。。

そんなことを考えるものです。

今回は、糸の太さの違いで当然巻きmも変わってくるであろう下糸のボビンの糸容量についての比較のお話です。

60番糸でだいたい50m周辺、となると30番の場合は。。。テトロン糸の場合は。。。

すでに、200m巻の小さめの手芸用の60番糸をボビンに全部移した人のデータを2つほど拝見しましたので、私があえて実験をすることはありません。

しかしながら糸の種類によっても同じ60番でも少しデータが違うのでそこからのだいたいの平均で、ボビンには60番糸で50m程ということへ導きました。

私は通常60番糸はほとんど持ち合わせておらず感覚が分かりませんが、30番に関しては毎回使用していますので、こちらが実体験からお話できることがあります。

まず、60番糸が50mくらいということですが、30番では、うんと糸が太くなります。

単純計算で、値が60と30で1/2であるから、50mが25m?ってまず考えます。実際の私の作業を振り返った時に、2mの長いステッチを6セット程縫っていく作業があり、2mx6s=12mです。

その作業の中で1度は下糸がなくなる感覚ですので、私の感覚では、30番のスパン糸で10m強かなあと言った感じです。

少ないですよね。先程の単純計算よりもぐんと少ないようです。1点製作するのに、その製作物にもよりますが結構大きいと1度は下糸がなくなっている感覚です。

3点同時に製作した時にも3回ほど交換したという記憶なので、やはり、1点では平均1回交換する感じです。

では、これが同じ30番のテトロン糸になるとどうでしょうか。

テトロン糸は同じ30番でも細いです。

その代わり丈夫で切れにくいわけなのですが、ボビンに下糸を巻く時の秒数がスパン糸に比べて5秒ほど差があることが毎回の作業で分かっています。

その5秒が果たして何Mくらいになるのかですが、何となくですが、2-3mかなあと思っています。

テトロン糸であっても60番のスパンに比べたらテトロン糸の方が断然太いと思いますので、やはり、違いはあるかと思います。

原価表に入れ込む糸の見積もり

ここで少し余談ですが、1点ハンドメイドバッグを製作する時に、1点分の原価表をそれぞれ作っています。

これは、販売価格を決める際の資料ということと、期末の棚卸の際に原価表の合計の値を引用するからです。

1つの原価表で複数の活用があるわけです。

フォームはいたってシンプル。

私みたいに、自分で製作している人は加工賃は経理上は入れません。

請求書などが発生した「仕入」科目を使ったものだけを棚卸資産にリストアップしますので、自作は¥0であるというのが経理上の見方です。

しかし、その分販売価格に見積もればよいので、自身の裁量とお客様のお求めになる価格を考慮して売値を決定することになります。

で、この原価表の中にも糸の項目を毎回設けています。

何かミシンで作るには必ずこの項目があるかと思うのですが、実際に出来上がったステッチの部分をすべて計って合計しても良いですが、金額の値がざっくり見ると誤差がそれほど大きく全体の金額に影響するほどではないので労力の無駄です。

よって、固定で、〇〇m使用する設定をしています。

今回の場合、原価表には、当然上糸の分も入れねばなりません。

上糸と下糸を単純に同じ分量と設定すると30番糸で使用のボビンの下糸のデータがだいたい12mと私の感覚で出ていますので、12mx2=24mの約25mを1点のある商品に糸全体で使用したというデータが原価表に入ります。

糸を1コーンで購入の場合は、購入時のm数からの割合で25m分の価格を導きます。

そうしますと、結局糸代はよほど高級な糸をわざわざ調達しない限り数十円なので、毎回けいさんせずとも、見積もりの固定価格を設定して、常にその分を糸代として入れればよいわけです。

あとがき

こう考えると、とっても太いデニム専用の値の少ない番手の糸がいかに貴重かということが分かります。

私の場合デニムでも職業用ミシンで縫いますので、30番を使います。

デニムの専用のミシンなどは糸番手が6番というのもあります。なぜか手持ちで1コーンだけ持っています。とても太くて、針穴に通らず、使い道を変えていて、ギャザーを作る時の仕付け糸などに使っています。

糸のお話も奥深いことがありますね。

何か脇役的な存在ではありますが、糸の色は商品の素敵さをぐんと上げてくれるものだと思っていまして、私は大切にしています(^-^)。