ガサガサとツルツルだけの違いじゃなかった、スパン糸とテトロン糸を比べて決定的に違う互いの強味【1040】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグ製作には欠かせない材料の1つ「糸」についてお話させていただきたいと思います。

圧倒的にテトロン糸を多く持ち合わせておりまして、理由が「エレガント」に感じるからです。

ただ、スパン糸ならではのメリットもあり、手持ちが多い少ないの量の差はあれど、両方共出番があり、それぞれを使い分けているのが現状です。

このたびは、スパン糸とややニッチなテトロン糸を比較してそれぞれの糸の持ち味をお伝えしたいと思います。

そして、上手に使い分けたことの良い結果が生まれますよう、その一助になればと思います。

スパン糸の決定的なメリット、がさっとした質感が玉止めをほつれにくくしてくれること

スパン糸30番:ブルーグレー色。パサついた質感。「テトロンスパン糸」もこちらに属する分類に設定します。

メリットデ/メリットは挙げれば複数ありますが、ここでは分かりやすく、決定的なメリットを1つずつ取り上げたいと思います。

後に貼りますYouTube内ではその他の部分にも触れていますので、後で是非ご視聴下さいませ。

実際にテトロン糸で悩むのが、玉止めの時にほつれやすいことです。

軽く結んでいてはスルスルっとほぐれてしまいますので、結んだ意味がなくなることが悩み。

その点、スパン糸はがさっとしていて滑りにくい為玉止めが頑丈です。

このことが決定的なスパン糸がテトロン糸に勝る点だと思っています。

見た感じのイメージだけではなく、こうした機能的な点にもメリットがあったことが喜ばしいことです。

テトロン糸の圧倒的なメリット、高級生地にも追随できるエレガントさを備えていること

テトロン糸30番:青紫色。ツヤが際立ちます。サテン地やラメ生地などには相性◎、原色カラーもより映えます。

好みから始まり、製作するバッグ自体がエレガントに寄せたものになっているところからテトロン糸が多くなっていったのでした。

圧倒的な高級感とエレガントさは、スパン糸と対極の一面です。

この変わらない性質が永久的なものだと、これまで思い切ってテトロン糸の方に片寄せて集めてきたのでした。

スパン糸にテトロンを混ぜた「テトロンスパン糸」はほぼ「スパン糸」と分類するスタンス

左:テトロンスパン糸30番/右:テトロン糸30番:同じ糸のカラーなので比べ安いです。

生粋のスパン糸だと短繊維の集まりなので簡単に手で切れやすいというデメリットがあります。

そのことを補うためにサポート役としてテトロンを少し混ぜた「テトロンスパン糸」というものが多く出回っているのが近年であり、多くが古い在庫糸を買い集めた手持ちのスパン糸の中から発見。

結構な量のスパン糸が現在は「テトロンスパン糸」となっています。

比較してみてどう感じるのかは、やはり左はスパン糸に変わりはないということ。

よって、テトロンスパン糸=スパン糸と考え、てテトロン糸とは別物であるという分類の仕方で収納しています。

「テトロンスパン糸」の実際の使い心地ですが、確かに生粋のスパン糸よりは切れやすさは解消されていると感じます。

見た目の整然さもありますし、ツヤも適度にあるのですが、テトロン糸と並べてしまうとテカリ具合が雲泥の差なのです。

あとがき

糸もこうして比較したその姿をはっきりと区別することで、生地との相性も自然に分かることになるのです。

糸は非常に大切な基本材料です。

バッグを安定的に持っていけるのも、「縫い」のおかげですから。

別の記事でも綴らせていただいたことがあるのですが、ハンドメイド製作の年数が高まるにつれて、既製品の金属パーツの頼りなさを感じるようになりました。

確かに見た目のスタイリッシュさ、バッグらしさは金属パーツのおかげで高まるのですが、強度は決して安心できるものではありません。

ほぼすべての金属パーツを体験してみましたが、打ち込み式や穴を開けたネジ式の設置は随分気持ちが凹み、すべて廃止しました。

良質な生地へわざわざ穴を開けることの抵抗感やいつ外れてくるとも分からない打ち込みをした品物を、本当に胸を張って誇れるのかということに懐疑的になってきたのでした。

金属パーツの代わりに糸で縫う丈夫さの方がはるかに勝るものではないかと糸の素晴らしさをより意識するようになったのです。

糸の研究をするために、いくつかのメーカー様へのお問合せをしてお返事をいただいたことがありましたが、どの糸も(日本のメーカー様のもの)ちゃんと作られた素晴らしい品物です。

良質なバッグを作るためには、変なコスパを考え過ぎずに、必要なところには惜しみなく糸を使わせていただきたいと思います(^-^)。

1点物のハンドメイドバッグを作り続ける製作者の持ち合わせ糸の収納風景【32】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

私が布製のバッグに使っている糸は30番です。

スパン糸とテトロン糸に分かれますが、テトロン糸の方が多く持ち合わせています。

というのも。。。

スパン糸のカジュアルな雰囲気が綿/100%にマッチするみたいな考え方からすると、テトロン糸の出番が多いのは、ツヤの多いポリエステル/100%の生地の採用が多いからです。

収納はある程度色別に分けていまして、前半では、糸の収納例として現在の収納の仕方をご紹介します。

そして、後半では、ある1つの生地に対して、なじむ糸は見かけのイメージと実際は違ったものになることがある不思議という内容になります。

縫い糸の色決めやコレクションのご参考になればと思います(^-^)。

糸の収納の仕方を箱詰めでしている例

収納はパンダンの大きな箱に、4部屋の紙袋で仕切り大きく色別にしています。

大きなパンダンボックスに中に紙袋を切って、外側に一度折り曲げて丈夫くし、小部屋を作って収納しています。一番右の外に飛び出しているのは、入りきらなくて上に置いています。

では、一番左の小部屋から順に見ていきます。

こちらには、ビビッドなはっきりした色を集めています。

それほど頻繁に出番はありませんが、必要な時に慌てないように一応持っているといった感じです。

常にカラーが豊富であると、すぐに使いたい時にゆったりとした心持ちでいられます。

パープルが似たような色が多いですが、調達する時に、1コーンずつではないのです。

とても大まかにまとめて使いたいカラーが豊富に入っているまとまりを調達してきているものなのです。

その時には使わない色も混じってくるということの積み重ねでいつの間にかこの量になっています。

微妙な違いですが、全く同じ色番号のものはあまりなく、少しずつ違っています。

一番左の小部屋:どれも1度は出番が出てくることをとりあえず調達の時点では想定しています。

次は、左から2番目の小部屋です。

左から2番目の小部屋:主に黒と紺ですが、行き場のないブルーを紺からのつながりで2色入れています。

左側の袋入りとそのすぐ隣りの縦向きまでが黒です。そして紺が3本。

一番下の横向きのものは、黒に一見見えますが、濃紺です。

糸のホールに紺と記載がありまして、黒に限りなく近い濃紺なんですね。

一番右の方は、ブルーで、ブルーグレーとも違い、ビビッドな1つ目の量が増えすぎることもあり、そこへ入れるのは断念して、紺からのつながりでここへ入れています。

次は、3番目の部屋です。

3番目の小部屋:全体に茶系ですが、この中ではパープルみたいなベリー色が入っているし、
グレーのような色も入っています。
ところが、パープルの中では浮くしグレーの中では茶色く見えるということで、
ここにこのように行き場のない中間色として集まりました。

茶色も最近はあまり出番はないですが、ファスナーの色が茶色の時に少し使います。

パープルの中だと浮いてしまう、真ん中周辺のベリー色、グレーの中では茶色く見えてしまう左右のサイドのあたりのモカグレー色は共に出番が多数あります。

こういったことから、中間色のなじみやすさ、使いやすさを感じています。

あいまいなどっちつかずのような色というのは、その色だけ見るとはっきりしておらず理解しがたいですが、生地に馴染んでいくことを想定し、実際に使った色というのは意外にもこのような色だったりするのです。

そして、4番目のの小部屋です。

4番目の小部屋:全体として白っぽいという色の集まりでこうなっています。ブルー系は、ミシンで縫うと
この見かけよりももっと色が薄く白っぽいので、オフ系という感じでここに入れています。  

ここは、ベージュが多いですが、白っぽい地のものが生地ではとても多いので、ここから選ぶことが多いです。

よって、薄いブルーのような色は紺のある2番目の部屋ではなく、こちらにあえて入れているのです。

ここのカラーの仲間に入れていることで、より良い選択を逃すことを避けています。

では、最後に飛び出している小部屋です。

外に飛び出している小部屋:こちらはグレー系です。グレーはよく使います。
あいまいな色なので、出番が多いです。

典型的なねずみ色のグレーもここで、チャコールグレーのような濃い目もここです。

グリーングレーなども出番が多く、グレーの色の展開の豊富さがとても役立ちます。

本当に生地になじむ色が意外な色であることの実験

ここで実験をしています。

一番なじむ糸の色を探す実験:こちらは淡いベージュ色のカーテン地の生地です。これに合う糸を探してみます

淡い色のベージュということで、小部屋の4の中から探すのがよいでしょう。

さて、この中では、どの色なんだろうという部分が少し奥深くなってきますね。

そこで、候補を2色ピックアップしました。

候補の2色:左側は、グリーンがかったのベージュ、右側は、黄色がかったベージュ。

イメージとしては、右側の黄色がかったベージュが合うような気がしていましたが、左側も意外に合うのではと予想してみました。

そしたら、どうでしょう。

上側が、前の写真でグリーンがかった方、下側が、前の写真での黄色がかった方です。
なんとなく、下の方が少し浮いていませんか。
ここで私は、上のグリーンがかったベージュの方がベストだと判断しました。

意外なことに、クールカラーがぴったりとなじんだようです。これは、見た目ではしっかりと分からなかったことです。

ただ、ウォームカラーが全然的外れだとは思いません。もし、このクールカラーの糸がなかった場合は、迷わずウォームカラーを選択したと思います。

たまたま、いろいろなベージュの糸があったからこそ、こうやって、選択し、最もなじむ色が得られたということです。

ミシンで縫って、生地の中に糸が埋まると、色の見え方が変わるのかもしれないですが、現実的なこととして、糸はバッグに作られた時そのまま永遠であることです。

ということは、糸が埋まっている時の見え方が一番大切だということなのです。

糸の色の選択は重要です。

では、昔私が糸の色の選択が甘かった経験があった証拠みたいなお品を見ていただきます。

昔、あまり深く考えずに、紺系の柄だから紺色の糸で縫った自分使いのバッグがとても糸の色が浮いているのを見つけました。

糸の色の選択1つで随分出来栄えが変わるものだと分かりますね。

あまりに糸の色が濃すぎると柄をつぶし、美しくありません。
この場合もっと薄い色の糸を選ぶべきでした。

あとがき

今回は、糸全50本ほどの使い分けや収納をご覧いただきました。

表地と裏地が存在するようなバッグの場合、表地と裏地が全く違う色の生地であったりすることもコントラストの効く美しい効果がある時があります。

そういった場合に、まめなようですが、それぞれの生地に対して糸のカラーを選び、上糸と下糸さえ違う色になる時も重ね縫いの場合は出てくるのです。

これを私は当たり前に行っています。そんなスタンスで製作したハンドメイドバッグの出来上がりというのは、シンプルですっきりとしたものになります。

糸1つでここまで美しさが違うのであれば、苦労を買ってでもしたいのです(^-^)。

ここからは、後に付け加えた記事の部分になります↓。

その後の考案で、今回ご紹介の収納の仕方を変えました。コンパクトにまとまって良いのですが、糸を抜き出す時に、テトロン糸は特に巻きが外れるのです。

その後の収納例は、後のブログの【132】の記事で一度糸を1コーンずつビニール袋に入れ始め、その後、【972】の記事では、ビニール袋収納を継続しながらヴィンテージ箪笥(たんす)の中に収納の現在に至ります。

箪笥の引き出しに入れている糸:無彩色系。
こちらはカラーもの。