個性はデザインだけじゃない、サイズに特徴を入れていくビッグセルヴィッチデニムリュックの姿が見せてくれるもの【750】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび、とても大きなリュックのオーダーを近所の方から賜りました。

ほとんど勝手に詳細を進めてしまったのですが、そんな中でも忠実だった唯一の事が、「サイズ」でした。

ペットボトル2Lが横向きに5本くらい入る容量というのがかなり具体的でした。

そのようななリュックは山登りなどの特殊な分野のものしか見たことが無く、セルヴィッチデニムでビッグなサイズを作るところに希少価値が生まれました。

入れるものが決まっている場合は型紙を作りやすいのですが、ポケットにデザイン性も入れていったところがセルヴィッチデニムならではの製作になったのではないかと思います。

カジュアルなイメージのデニムなのに裏地を設置し、エレガントな解釈をしたところもご覧いただければと思います。

リュックでも取っ手を2個とも付けたことが使い方の可能性を広げた

ビッグリュック:サイズは縦57cmx横39.5cmxマチ17cm。パーツによってデニムのロットが違います。

背の部分のポケットはタオル入れなどにと設置。

フラップ付きで隠れながらも取り出しやすいです。

フラップは、セルヴィッチデニムの「赤耳」の部分をデザイン性を出してボーダー柄にパッチワークしたもの。

ロットが違うので生地の濃淡がありますことを味わいに。。

多くのパーツが残り生地をかき集め1つにまとめたものとなります。

そもそもデニムでリュックが珍しい中、思い切ったビッグサイズでさらに特徴を出します。

この写真の上の方の取っ手がリュックによくある1点ではなく2点である所に、ビッグリュックを手で持ち歩くシーンが持ちやすく引っ張る部分を均等な圧力にしてくれます。

大きなリュック程ちゃんとした2点の取っ手があることが良い効果となるようだと感じました。

裏地の素材は、同じ綿/100%でデニムと足並み揃えつつもエレガントさを忘れなかった先染めチェック

裏地はこのようなシックなチェック柄を使用しました。ジャケットやスラックスのイメージの柄です。

先染めは、高級感があります。

表地のカジュアルな綿の素材であるデニムに合わせて、綿/100%のチェックを選択。

なかなか厚みもあり、デニムとのバランスも良いです。

大人が持つデニムに相性の良いような無彩色なチェック柄、デニムだからとビビッドなカラーに走らない冷静さを「主張」したのです。

セルヴィッチデニム素材と共にいずれも日本製の生地です。

実はビジネス用のブリーフケースと同じモデルが基本

今までもずっとこのお仕立てでやってきていますが、こういったファスナーが付くタイプのバッグは、デザインすべてが、基本的には同じ作りです。

表地と裏地の縫い代をあらかじめ隠す「中表」でひっくり返し、プレートを「外表」で組み立てていく方法です。

レザーのブリーフケースに見られるような作りですが、布で作られることはほとんどないようです。

ブリーフケースを縦に伸ばしたのがこの度のリュックのデザイン。

反対に小さいものへもアレンジが可能ですし、マチを広げてボストンバッグにしても作りとしては全く同じです。

あとがき

セルヴィッチデニムリュックにはご使用の際の注意点があります。

ショルダー部分が、雨の降り始めや大雨の時であると、白いTシャツなどの洋服に色が移る場合があります。

天気の良くない日での利用を避けるか、ダークカラーの色のTシャツやお洋服をデニムと接するアウターに着ることをお勧めします。

天気の良い日は、白のTシャツなどにデニムが爽やかで◎。

ただ、場合によっては、汗で染色がにじむ可能性もあるので、いずれにしても白いお洋服にはお気を付けを。

これまでのアメカジ風なデニムの装い方の大きなくくりの流行がいったん終わったとうなことが囁かれました。

デニムにパンプスをはいたり、スラックスのような感覚でエレガントなトップスと合わせたりなど2015年くらいから、確かにエレガントなデニムのはき方を追求しています。

この度のリュックもどちらかというとエレガントにデニムを装いたい場合にはよくマッチするものになったのではないかと思います。

内部の裏地の選択は無限です。

花柄にしたり、別のチェックを選んだりなど可能性にあふれているところに楽しみがあります(^-^)。

Dカンタブを別布に交換して重なりを縫いあげた苦労、セルヴィッチデニムx小花柄キルト裏地コンビのヘルメットバッグの完成【445】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

少し前の番号のブログ記事【443】で綴りましたのが、ヘルメットバッグの裏地の5cmダイヤキルトパーツの製作が完了しています。

キルトの全面を写したお写真は【443】の方が広いので是非そちらにもお立ち寄りどうぞ。

このたびは、その裏地キルトの完成の続きとして、このたびは入り口のDカンタブを縫い付け、表地のデニムと裏地キルトを合体させてヘルメットバッグが完成に至る様子をお届けしたいと思います。

当初Dカンを共布の14ozデニム生地で取り付けようとして、厚みが増し過ぎて断念。

その後タブ用に薄手の別布の必要性があったことで、14オンスのデニムの取り扱いの注意点として、「出来るだけ重ならない仕様が鉄則である」という学びもありました。

完成までの流れを、是非ご一読どうぞ(^-^)。

幾重にも重なった頑強な共布デニムタブが縫えなかったハプニングにおける別布決め、薄手ながら丈夫な「ちりめん」を選択

早速ながらハプニングが。。

デニムの表地と同化するようにと作ったタブが硬すぎて縫えないという事態に。。

幾重にも重なったタブがカチコチになり、ミシンの針が刺さらない事態。ここで共布を諦めます。
表地に馴染む紺色の手持ちの生地の中から「ちりめん」を見つけました。
完成:十文字にフックを使ってたたんだ状態。大きなヘルメットの実寸37cmに対して41cmというゆとり。
ヘルメットバッグらしく、マチがたっぷりあります。30cmのたっぷりマチというのがかなりの価値になります。
留め具は、Dカンとナスカンのコンビ。十文字に口を閉じることができ、ヘルメット飛び出し防止になります。
「ビッグヘルメットバッグ」:<サイズ>縦36cmx横41/72cmxマチ30cm。
たたんだ状態:<サイズ>縦36cmx横41cmxマチ30cm。ジェットヘルメットならこれでも入ります。

今後の課題、支柱の位置が底でぴったり合うことが美しい、優れた仕立てを実現するためのマスト事項に決定

今回課題が残りました。

支柱が底部分のハギの終了の部分で前面側、後ろ面側としっかり合わなかったこと。

ここを覗いてまで見るということは実際はしないかもしれませんが、合っていません。

この箇所を次回に注意して製作したいと思います。

ちなみに取っ手部分は、高さが42cm。

肩からはもちろん、場合によっては、ショルダーみたいにもかけられます。

しかし、あまりむやみに長すぎても無意味であることやひっかける危なさもあり、この42cmの高さは変わりません。

あとがき

今回は、3点連続製作の内の最初の1点です、引き続き裏地違い、そして、表地のステッチの色を変えて別物ずつの製作を完成してまいります。

ちなみに今回のステッチは、黄色でした。

ジーンズのイメージで、残りの2点はそれぞれオレンジとモカのステッチカラーが良いと思っています。

このたびは、黄色のステッチだから裏地のマルチカラーの小花柄の黄色とリンクしていました。

残りの2点も同じ考え方でリズムを合わせ、オレンジステッチには裏地のオレンジ部分とリンク、モカステッチには裏地のモカ部分とリンクというようなところにご注目下さいますと楽しくご覧いただけると思います。

引き続く残り2点の製作の行方をお楽しみにどうぞ(^-^)。

デニムステッチの乱れが起きやすい原因は、そもそも生地の織り密度の頑強さにあると解釈、デニムバッグを「瀟洒:しょうしゃ」に仕上げることは可能か【437】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在、セルヴィッチデニム14オンスの生地でヘルメットバッグを作り始めました。

14オンスともなるとかなりの迫力です。

綿/100%は一般的には、アイロンで折り曲げたりしやすくて、融通が利く生地ではあるのですが、この、セルヴィッチデニムに関してはずっと未解決の悩みがあります。

それは、糸にまつわること全般が上手くいかないことです。

糸調子の取り方、糸のステッチの歪みなど解決したくてもなかなかその糸口がつかめないことも多いのです。

そもそもその原因をまずは研究し、対策を考えるのはその後にしたいと思います。

確かに、デニムのステッチのゆがみこそ「味わい」であるなどという謳い文句を拝見したこともあるので、どうしても仕方がないということなのかもしれません。

ただ、自身のこの度の製作は、デニムを「瀟洒:しょうしゃ」に表現するところにもポイントを置いているのです。

まずは自身がしっかりとデニムに近づき、その性質を知るところから始めていきたいと思います。

糸目があちこちゆがむ原因は、どうやらデニムの織密度の高さにあるようだ、支柱を作る場面でステッチの歪みを確かめる

まずは、長い支柱を作ります。

とっても長い支柱。ビッグなサイズのバッグであるがゆえに1.9mという超ロング。生地の反の縦向きに裁断です。
出来はあまり良くないです。こんな風に黄色いステッチがデニム上に浮きますのでステッチ間隔の均一さは課題。
左の方の幅がやや広すぎます。難しいです(^_^;)。ところで、もう1つ気になること、ステッチの向きの歪みです。
このタブパーツも今回の製作過程で作りました。ステッチがあちこち歪んでいる様子がうかがえます。

これでもまっすぐに縫っているつもりなのです。

結果が、こういった感じでゆがんだステッチが見られてしまうのです。

この原因を改めてまとめますと、「デニムの綾織りの向きも相まった密度の高さと頑強さの総合」ではないかと予想。

結果、糸を変な方へ生地の織り目の流れに沿って誘導してしまうのではないか、とそう考えてみました。

そうすると仕方がないとも言えるのですが、何か解決方法はあるのでしょうか。

一度こういったセルヴィッチデニムを専門に縫っている方にお聞きしたいと思いました。

例えば、ミシンが「職業用」ではなく、デニム専用のもっと重くて強固なミシンだとこれが起こらないのか、それとも起こってしまうことなのかを。

支柱を片方のパーツのみ縫い付け完了で今回の作業終了に。

縫い付けに関してはOKです。

あとがき

さて、タイトルの「瀟洒:しょうしゃ」を追求することが出来るのかという点ですが、まだまだ最後まで作って見ないと分からない裏地部分が後半にあります。

裏地には花柄を使いまして中綿キルトをかけていきます。

ただ、このたび途中までの進捗度の支柱のステッチは黄色。

別のいくつかのバージョンごとにステッチの色をオレンジ系にしたり、モカ系にしたりして変化を付けていきたいと計画しています。

ただ、そもそもなのですが、デニムだからステッチを浮かせる色の黄色系にするのかというところがあります。

毎日はいて色落ちがしていきブルージーンズになっていくような使い方をするわけではないバッグでは、現在のカラーにそのまま糸の色を合わせてしまっても良いことがあります。

そうしますとかなり雰囲気は「瀟洒:しょうしゃ」になるのでは。。

ただ、デニムの象徴的な存在のような糸カラーのイメージが消えますので、迫力がなくなってしまうののではないか。。

いろいろ考えるところなのですが、やはりデニムらしい黄色系の糸カラーで良いです。

というのも、この度の黄色の糸の選択の理由が裏地に関連していることもあるからです。

裏地の小花柄には、ブルーとイエローが入っているのです。

オレンジでもモカでもなくイエローの糸をこのたびの製作に選択した理由の答えです(^-^)。