まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
あるヴィンテージバッグを購入した際に、裏地が綿/100%だと思われるカジュアルなチノ素材であったことが、表地のつるりとしたエレガントさとのミスマッチを感じたことがありました。
バッグがいかにも量産っぽいありふれた第一印象になってしまうのも、裏地を見てそのように感じるものです。
裏地にもきちんと丁寧さが行き届いているのかどうかというところにバッグの高級さがうかがえるエピソードです。
裏地は脇役かもしれませんが、バッグのヴィンテージを見てまいりました範囲では、良い印象のバッグは必ずきちんとした高級感ある裏地が設置されていたことが印象的です。
このたびは、過去にヴィンテージバッグの裏地を見てきた中で、特に高級感が感じられた記憶を掘り起こし、裏地に使用する高級感ある生地をアウトプットしてみたいと思います。
裏地に使われていた生地x4種、「サテン」「シャンタン」「別珍」「グログラン」が記憶に残る、バッグ全体の高級感に間違いなく裏地も寄与していると考えずにはいられない
まず、ここで、このお話をしたいと思います↓。
過去には、ハイブランド様でも裏地を表の本革レザーに沿うようにと、その一時ではとりあえず見栄えの良いPVCや合皮が貼られていたことがハンドバッグでは大半でした。
確かに、数年は高級感があり、本革レザーのレベルに近く感じられます。
ところが、一生物と言われたその20-30年後のバッグが見事に内側の裏地だけがが劣化してボロボロである現象があちこちで起こりました。
実際にそのような事態を経験したのです。
裏地の張替えや、合皮ポケットを外すというリフォームによって、今後は本当の一生物にやっとなれたという経験です。
最初から永久的には作られていないというところが重要な点、目先の高級感に騙されたと言えます。
合皮やPVCを裏地に貼るよりも、かえって、布が最初から貼られていた方がはるかに永久的なお品だということが結果から言えることです。
とは言え、高級感がある布地というと限られてきますので、選択例として、4点の高級感ある裏地に相応しい「布」素材をご紹介したいと思います。
この4種です。
サテンやシャンタンはポリエステルでも存在していますが、シルクの。。ということに特化した方がより一層の差別化。
シルクはしなやかで柔らかいのだけれど強いという優れた特性を持ちますので、バッグを開けたときに内側に広がるゴージャス感はシルクならではの価値です。
そして、別珍というのは、綿/100%でありながら、ベルベットやベロアの類似品にもなり、一見似たコーデュロイとも違います。
そして、裏地としては王道のグログラン。
緯糸が太く、経糸が細いという糸の太さの差が織柄になって現れるボーダーのような様相。
こちらも手持ちでバッグの裏地にグログランだと思われる生地が使われていましたのでお写真貼ります。
向きは横向きに使われています↓。
大きくざっくりまとめますと、ツヤがあり、凹凸感がある生地を裏地にすることで、高級感が高まるということです。
バッグの中で裏地は重要な名脇役と言えるでしょう。
あとがき
1つ、最後に自らのアイデアをアウトプットしてみます。
レザーのハンドバッグのヴィンテージの中では、「グログラン」は頻繁に裏地に使われているのを見かけました。
このたびの実物のお写真は横向きでしたが、ボーダー状に使う場合、ストライプ状に使う場合とで表地の柄に歩調を合わせた向きの使い分けなども素敵です。
また、パッチワークボーダー、パッチワークストライプなどの表地に対しても向きを変えてどちらの向きに使うかです。
パッチワークは一見カジュアルですが、生地を選定しエレガントに寄せることができるのも裏地の一押しが影響すると思うのです(^-^)。