正確に算出したい、ハンドメイドバッグ業のパッチワーク生地の原価計算【1184】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグを製作する際に1点ごとに原価計算表というものを作っています。

1点1点の完成品それぞれについて、どれだけの材料を使用したのかを「金額」で積み算していくのです。

材料1つでいかにそのお品が割高になってしまうのかお得なコスパ良いお品になるのかの研究にもとても役立つのが原価表作りです。

ざっくり頭の中でも計算していけますが、正確な数字を出しておくことで、期末の棚卸の際にこの原価表の値は有効です。

よって、棚卸の作業もがスムーズになったということもあったきっかけで、お品1点ずつで原価表を作成することをずっと続けてきています。

大量生産であっても同じことです。

100点あれば、100点分の表を1つ作って、最後に合計の値を÷100すれば良いことなので1点分の原価表の作り方と全く同じで良いのです。

今回は、その原価の一部となる生地代を原価表に入力するにあたって、パッチワークの場合の生地の原価の求め方をご紹介したいと思います。

パッチワークは多くの生地の集まりで、しかも、細かいパーツです。

これを正確に算出できるのか。。。

できるのです(^o^)丿。

全64パーツもの複数の生地使用の生地原価の算出の仕方

1点のバッグにたくさんの種類のはぎれを使用していますので、ここでは、1種類のみピックアップして算出してみました。

ストライプ柄の部分の生地です。

1点のバッグ(ナップサック)の中に8枚のストライプパーツが登場しています。
この生地の原価が¥?になるというところは興味がわく部分ですよね。
まず、この1マス分である1枚で考えるところからのスタートです。
出来上りには縫い代も隠れていますが、生地原価は縫い代も込んだものです。
よって、元の型紙1パーツ分の縦12.5cmx横17.5cmの面積が
この生地の購入時の全体の大きなパーツのどのくらいを占めるのか
ということがカギになっていきます。

ということで、計算式がおのずと出来上がってきます。

この小さなパーツの面積は、購入時の生地1.5m分の面積のどのくらいの%であるのか、その%に生地購入時の全体の値段をかければ出ます。

それが8枚分なので最後にx8をします。

生地の巾は110cm巾なので、購入時の面積は、m単位では、1.5mx1.1mで表せます。

そうしますと、つなげた一続きの計算はこんな風に↓。。。

右上の写真を8枚分の写真に替えてイメージしやすくしてみますね↓。

この8枚分が¥60だと出ました。

さてこれがお得なのか、どうなのかというところです。

まだ他にも上下に生地がありますので、それぞれに同じように算出します。

そうしますと、それ相応な金額にはなっていくと思います。

他の同じデザインの1枚仕立てで作ったお品と比べると分かりやすいかもしれません。

ただ、パッチワークの良さは、本来一緒にコンビにならなかったであろう生地が集結する価値があると思いますので、その価値が実際の数字としてはどのような値段になるのかという点はとても興味がわきます。

まだ実際に原価表が出来上がっていませんので、今回はこの8枚分だけの算出ですがすみません<m(__)m>。

あとがき

イメージだけよりもこうしてきっちり事実をもとに算出した数字というのはとても意味があると思います。

ここへ利益を加えて売価を決める際にも、ほわっとした空想だけで売価を決めていくのと、原価をしっかり正確に把握した上での売価決めとでは、後者は根拠がはっきりしたものになると思います。

この面積を元に算出できるという点は生地のようなタイプの別の材料でも同じようにできます。

附属品の接着芯なども同じ生地の部類のような様相なので、芯地の巾が分かっている場合、もしくは、カットした状態でも、縦と横の長さを図れば面積が出ますので、そのように割合で考えていけば正確に算出できるのです。

この<パッチワーク企画>というものは、まだ続きますので、一度生地原価の合計をご紹介する投稿は、後日の投稿でアップしたいと思います。

また、是非お立ち寄りどうぞ(^-^)。

<経理>ハンドメイド品製作者向けの棚卸の仕方-仕訳編-【851】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

すぐ1つ前の記事の【850】の続きの記事が今回の【851】です。

前回は、棚卸作業において、ハンドメイドバッグ製作事業の私の場合で、生地や附属を数えていく上でのイメージとか分量とか風景が分かりやすいのかな。。ということでご紹介致しました。

今回は、いよいよ、そのカウントした材料や製品を仕訳の形で計上していくような、経理事務作業の場面です。

今回で、決算の作業における棚卸のゴールに到達できます。

実際にpicturesqueが使っている棚卸資産表のご紹介と使い方

製品(ハンドメイドバッグ)の在庫をリストアップした棚卸資産表:エクセルでこんな風に作りました。仕訳の時に昨年度の金額も情報として必要なので、あえて、昨年のリストも右から左へスライドして掲載しています。

黄色いマーカーの部分が、主役である、今期のハンドメイドバッグの在庫の明細部分です。

一番左の細かい数字は、明細の番号だけなので、1から順番です。

製品番号という部分は、製作時に原価表を作ったり、ヤフオクやクリーマで販売の時にタイトル内に謳うシリアル番号みたいなもので、この製品を表すものです。

左から製作年月日とその年に製作した採番で成り立つ、10ケタの番号です。

名称というのは、そのハンドメイドバッグの名前です。餅巾着とか切餅とかのネーミングです。

その次は写真を掲載。やはり、昨年度写真無しでやってみましたが、写真がないと私も何だか、もやっとしましたので、今年度改めて写真わくを復活させました。

そして、前期末の在庫のお部屋、今期末の在庫のお部屋と大きく分かれています。

前期末は、昨年度の表をそのままコピーしたものを左にスライドさせることで出来上がります。

今期内処理というところには、計上したことに関連する文言を入れまして、日にちも入れます。

例えば、今期内に、前期に在庫だったバッグを廃棄処分した場合には、<製品廃棄損-材料仕入>という仕訳をこの作業より数日前に12月31日付でまとめて合計して計上済なんです。

よって、廃棄:3/31などと廃棄し日付を伴う処理を記載。

ということは、事前に、廃棄処分した場合には、その日付をメモしておいたという下準備があったわけですね。

今期内処理には、もちろん売上もありまして、前期在庫だったものが今期ご購入されたものは、売上:9/30などと記載。

引き続き今年度も在庫にしていく場合は、仕訳処理としては何もないので、空欄。

今年度に製作して今年度内に売上たものは、この在庫リストには載らないことになります。

また、今年度に製作して今期末で在庫のものは、このリストには新規として追加されます。

ここで、この中で一番重要な事項のお話になります↓。

前期も、今期も、在庫額という欄が一番右にありますね。

この在庫額という金額がどんなものの集まりなのか。。。

これは、製品1点ずつの原価表の値から引っ張ってきています。

ということで、製品を製作するたびに実は、原価表を作ってきていたのです。

そのことが、この作業にはとても便利です。

ただ、原価表の合計をここへ掲載すればよいのですから。

ところで、原価表というのは、正味の証憑やエビデンスの集まりと考えますので、製作における加工賃などは、たとえ、利益には入れていても、この場合は、自分で製作しているので¥0なんです。

ここを間違えないように。

このバッグは、非常に手間がかかっているので、¥10,000を盛り込みたいといって高額なバッグにして販売していたとしても、原価としては、加工賃は¥0です。

ただし、外注で、よその人にお願いしてバッグ製作を頼んで請求書があがり、支払いが行われたなどの場合は、もちろん原価に入ります。

この違い、他者(他社)さんが作ったものか、自分が作ったものかで大きく変わりますので、その違いを十分に区別する必要がありますね。

材料(生地・附属)のをリストアップした棚卸資産表:上の製品のものと全く同じ表で良いです。ただ、材料に関しては非常に多いので、困難な作業になるからと、写真の掲載は省いています。

上の製品と同じ要領なので、後は省略しますね。

では、次に、いよいよ、この棚卸資産表の合計の値をもとに、決算仕訳を経理ソフトへ入力して計上を終えるというクライマックスの場面へ移りますね。

事業主開始時に、税務署さんへ仕訳説明会の際に相談したところ、製品と材料とは仕訳計上は、分けた方が分かりやすいということになり、私もその通りだと思いまして、こうして、2種(●が2つありますね)分けて計上しています。実際のe-taxでは、合算を求められてはいますが、棚卸資産表としては分かれている方が作りやすいです。

まず、そもそも、この棚卸した製品とか、材料というのは、資産にあたりますので、簿記のルール上、資産の発生(+)が左側(借方)、減少や取消(-)が右側(貸方)に位置するということをイメージしてくださいね。

この仕訳の時に昨年度の情報が必要になるから、上の資産表の合計金額の昨年度も関係してくるわけなのです。

ですから、あえて、表に昨年度を掲載したのです。

これを、今年度だけの表にしてもかまわないですが、結局、仕訳の時に、どうだったっけ?と昨年の書類の中をあさったり、昨年の会計ソフトにもどって値を確認したりする作業を必ずするに決まっています。

それも、最終的なチェックには少し見るかもしれませんが、こうして資産表に最初から、コピーしたものを左側にスライドしておくのは、この時のスムーズさを目指したものになります。

私は、製造しているので、あえて、製品という言葉使いをしていて、経理ソフトの科目も自分で作ってデフォルトから変えていますが、結局は、e-taxなども商品という欄へ入っていきますので、ただの自分の拘りだけです。

さて、この棚卸仕訳について少し解説しますね↓。

今一度上の仕訳を再び。。。

まず、上の段が、製品であるハンドメイドバッグの棚卸仕訳。

昨年度の製品の10,000が今年度で20,000に変わりますので、資産が発生している左側にあった、つまり計上の状態にあった繰越商品に値する、私では、製品という科目のをいったん右側に移動して取り消します。

その代わりに、今期ならではの決算書用の科目である、1年に1度しか出てこない期首製品棚卸高という科目を発生させます。

そして、2行目として、今年度の新たなる在庫表示として、20,000の製品という資産を発生させます。その右側というのが、ペアの相手のようなもので、期末製品棚卸高です。

期末と付くから末尾の位置に配置などと覚えたらよいです。

材料の方も全く同じ考え方なので省略しますね。

あとがき

棚卸に関する記事は、過去にも書いています。【199】という記事ですが、毎回多く読んでいただいている記事になります。

数学の式などの横並びの形ではないので、何か、左右という表現がなじみにくいですが、そういうものということで位置などを覚えてしまったらよいかと思います。

突然変わることなど無く、数字が変化するだけでいつも同じ配置に同じ科目が来るのですからね(^-^)。

当記事【851】も、他と同じように、YOUTUBE、インスタグラムと同時進行で並行してアップしています。

もし、ご質問などがございましたら、ご遠慮なく、どのSNSからでも、当HPのお問合せからでもお気軽にどうぞ。

何かお力になれることがあれば、お返事させていただきたいと思います(^-^)。

<経理>ハンドメイド品製作者向けの棚卸の仕方-カウント編-【850】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ2日程棚卸作業に入っています。

個人事業主の棚卸は、1月1日から近日中に行うのが良いと思っています。

あまり先になると、その後の作業で、材料などの在庫が変わってしまい、2021年の12月31日時点ではどうだったのかに遡ることが困難になりかねないからです。

棚卸は、素早く2-3日で終えてしまえるような工夫をすることも大切。

今回は、その工夫の内の1つ、場所をしっかり決めてカウントしやすくしている様子と、この後行っていく棚卸資産表を作成するにあたってのその表の工夫も一緒にお話したいと思います。

以前に、棚卸資産表を作るまでの工夫などの記事もアップした過去がありますが、今回は実際に棚卸する物品をご紹介するのがメインになります。

ハンドメイドバッグでは、完成品、生地、附属が棚卸するものです

まず最初に、完成品である残ったバッグをカウントするのがスムーズ。

私達のような個人事業主の完成品の在庫はそれほど多いものでもありませんので、数えやすいです。

期の途中で時には廃棄をしたものはすでに、廃棄した日を記録して、その合計額で商品廃棄損の仕訳は済みです。

そうして残ったものをカウントして、「原価」でアップして、合計金額を計上します。

この「原価」という金額を導くには、ハンドメイド品が完成した時に、その都度必ず原価表というのを1品ずつ作ってきていますので、この時期にその金額を見てそのままアップするということで楽をします。

普段の細かな原価表作りがここで活きるのです。

棚卸しというのは、この決算の時期だけのものと思いがちですが、実はそうではなくて、年中意識して、まめに少しずつその手掛かりになるものの情報をインプットしている実態が実はあるのです。

生地や附属を普段から整理整頓してまとめて保管しています。
棚卸の時にはケースの中を数えるだけでよいです。
あちこち散らばっているのはカウントしにくいですし、時間がかかってしまいますね。

製品の棚卸の次は、生地と附属ですが、附属の方が私は種類が少ないので、こちらを先にやります。

そして、最後に生地です。生地は1点物志向なので、1種ずつ多種を地道に掲載してきています。

生地の在庫が結構ある理由は、見つけた時に早めに調達していかないと二度と入手できないことになりがちだからです。

生地は意外と同じ物が継続して生産されていないのが現状のようです。

その都度違ったものになっていくからこその1点物が作りやすかったりするのですが、その反面で、在庫としてキープしておくということがどうしても出てきます。

よって、多く調達した後の「つけ」として在庫が増えます。

去年2020年の年末付近にとっても多くの生地を調達していました。

それなのに、2021年の製作が思いのほか少なく、2022年は2020年調達したものをメインに使っていくことになるのです。

生地に流行があまりに入っていると、このスパンでは追いつきません。

私がお作りするハンドメイドバッグの生地の志向の「流行のないもの」という方向であることの事情も1つここに見られるかもしれませんね。

附属品は、糸が全部で100本以上ありましたし、芯地も5種類程を使い分けているのでどうしてもボリュームがあります。

その他、ファスナーも必要な時にすぐあるようにと100本以上をキープ。

残りは、ショルダー金具などの線コキ、ナスカン、Dカン、タルカン、巾着ひものループエンドなどですね。

それぞれ、細かくサイズも分けることで、購入時のサブ的な表(材料明細表)からそのまま棚卸資産表へ移動してこれば良いので作業がスムーズにしやすく最大限に工夫しています。

附属品は、例えば、ファスナーだと、シングルと両開きの2段だけに分けます。

シングルの方には、長さの違う30cmとか50cmも混じりますが、シングルファスナー使う部分がデザインの中のテリーヌだけなので、あえて1行にまとめるのです。

逆に、ナスカンであると、メーカーさんによって、ゴールド色とシルバー色とお値段が違うので、同じサイズでも2段に分けたりします。

これが、自分にとって把握しやすい都合の良いようなリストとなっているのです。

同じお品でも値段が違っている場合、別の行にしてあることで、原価表も作りやすいのです。

こんなお話をしていますと、表が見たくなりますよね。

今回の生地は、-カウント編-です。

次の番号の【851】が-仕訳編-になりまして、そちらにも是非お立ち寄りどうぞ(^-^)。

あとがき

棚卸も、結構大変ではあるようですが、結局は事務作業なのです。

こうしたことは時間をかけずに、サクサクこなし、あとは、本業である事業活動に精を出すのが望ましいと思っています。

そのために、スムーズにできる工夫や案を考えていくことをして、この作業で悩みすぎたり、苦労し過ぎたりすることがないように、スムーズな決算を実行していけるよう何かお手伝いが出来ればと思っています。