まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
ここ最近楽器ケースなどをふんわりキルトステッチなどを盛り込み、大きなバッグというものを作る機会が多くありました。
その時に、ただでさえ時間がかかり過ぎるキルトのステッチを、楽器ケースであることもあり、通常3mmのところを5mmの糸目に変えて作ってみたのです。
その結果、2mmの差の作業の効率の大きさに驚きました。
ぐんぐんとミシンが進み、進捗度が劇的に高まりました。
なるほど、量産品に見られるあのステッチの糸目の粗さはこの「効率」を重視したものだと実感したのです。
この度お伝えしたいこと、それは3mmのステッチと5mmのステッチの違いを実際に体験した私が、それでも3mmの方に価値があるという結論に至ったというその理由です。
5mmはよくあるお品にしかならない、3mmはハンドメイドらしい緻密さと良質さがその糸目だけで伝わる
5mmを使った場所というのが、大きなケースの場合のキルトともう1つは、見えない部分なのですが、タブなどの仮固定の仕付け糸のような役割の箇所でした。
キルトもしっかり待ち針を内側にも均等に打ち、長いステッチの中で途中しわやタックが寄ってしまわないように気を付ける必要があります。
その時に、3mmだと生地にぎゅっと圧力がかかりますので、よりそういったリスクが高まります。
5mmだと、ステッチの糸目の巾の空間でそれを解消してくれる役割があることも知りました。
よって、ケースバイケース。
大きなバッグの場合その糸目のパット見が粗く感じなく、反対に小さいバッグは、糸目が粗いとバッグがコンパクトなために目立ってしまうのです。
ということで、5mmのステッチはこれまで頻繁には採用せず、ほとんどすべては、3mmのステッチで緻密に縫っています。
3mmのお品と5mmのお品の長い目で見た比較
冒頭でもお話させていただきましたように、5mmというのは量産品ではよくある糸目ですので、何もまずいこともありません。
それでも、ここまで多くのお品があふれている中での差別化としては強いものではないです。
また、せっかくの素敵な生地に対して、5mmであることで、生地の良さも糸目によって影響があります。
やはり緻密な糸目は美しいバッグ全体を作っていく為の重要な「デザイン」の1つとまで言えるのではないかと思います。
長く持ち続けていけるバッグの継続のジャッジの時に、「作りの良さ」が判断基準になることも必ずあるかと思います。
手放すにしても、別の人が良いと思ってくれるかもしれない、そうして、ヴィンテージバッグみたいに、長い間入手されていくお品というのは陰にこういった隠れた「手間」があることもあります。
いかにも粗悪な作りのお品を逆に考えてみると、ステッチに必ずその様子が現れていると言えます。
粗くきちんと縫われていないというものに愛着や良質さはなかなか感じられません。
生地が素敵なのに、ステッチだけが粗いなあということであれば、縫い直しも検討することだって無駄ではないかもしれません。
ただ、お品というものはやはりバランスが考えられていて、良い生地には良い仕立てがされているものです。
一度、雑貨1つお店で見るにしても、ステッチの糸目に注目するという見方をしてみてくださると、なるほどと思えるかもしれません。
あとがき
「縫い」という工程は必ずミシン物ではその「跡」を残すものです。
ただ布と布をつなぐ役割だけではなく「装飾でありデザインである」ことを思えば、ステッチの1目1目が丁寧に最大のコンディションで施されたものでありたいと意識することになります。
YOUTUBE動画の中でもお話したのですが、じゃあ細かければ良いかというと、そうではないです。
2mm程の細かいステッチは、かえってバッグの迫力を失います。
やはり、緻密でありながらも迫力があるベストなバランスの糸目が3mmであると私は考えています。
テトロン糸などは特にツヤがあり、3mmの糸目の縫われたそのバッグはステッチのつややかさを感じうっとりとする瞬間もあるのです(^-^)。