まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
今回は、製作にゆがみによる失敗があった1点のミニリュックを頻繁に自分で実際に使っていく中で気づいた驚くべき実態をお知らせして、製作のヒントになればとお話させていただきます。
結論からは、ハンドメイドバッグの作り手が、自分で使ってみることというのは新しい発見があるということです。
製作はあくまで使う手前までの事でしかありません。
その後の事は使っていかないと浮かび上がってこない事象なのです。
必ずしも上品に取っ手を持ちながら入り口を開閉するわけではないバッグ使用場面の現実あれこれ
ずっと同じものを使っていくと慣れて、ついつい荒々しく乱暴になります。
新しい頃は気を使っていますのでそれほどでもないですが、だんだん馴染んで慣れてきた頃というのは、何かしらの重要なヒントがある時期であると思いました。
実際に使わせていただいているのは、このニット素材のミニリュックです。
しかも、白黒というのは、まさに普段着としてコーデしている黒コーデにマッチしまして、大変使いやすいです。
何も考えず、このリュックを持って外へ出れば、自然に黒白コーデが成り立つので気楽です。
黒のバッグに少し柄が入っているといった感じを求める女性の何人かに過去のバッグの販売でご縁がありました。
黒白系はネット写真ではなかなか映えにくいものの、実際には多くのお洋服に使える色味だと見ています。
さて、このリュックを使っていく中で、意外と乱暴で荒々しい使い方をしてしまっているというのが、具体的にどういった場面なのかをショット写真で数点ご紹介。
なかなか興味深いものですねぇ。
もしかしたら、同じようなことを皆が気づかず無意識にやっているのかもしれません。
では、無意識な荒々しい使い方「あるある」まいります。
無意識というのは怖いものです。
気が付いたらこのようなすごいことをしておりました。
ファスナー開閉時にリュックを宙に浮かせながらファスナーを持ち上げることも。。
この時に、ファスナーで全体の重さを支えていることになります。
そうすると、対策として浮かぶのは、ファスナー取り付け時の縫いを強固にすることです。
二重縫いはその対策としてはなかなか良かったかと思いますので、今後このまま実行していきます。
なんと乱暴な。。しかしながら、実際私も使う中でこれを普通にやっていました。
そう考えると、こういう場面も大変荒々しいですが、実際には考慮せねばなりません。
ということで、これまで行ってきたフラップポケットの蓋の縫い付けを、裏側に「当て芯」をして、更に二重縫いして取り付けていますことを今後も続行です。
ここは、支えとなる部分なので、やはり、多重縫いにより強固な縫い付けが必須です。
そうするとこの対策としては、タブを強固に取り付ける具合というのも、目標をこの片方の1つのタブだけで全体を支える場面があることの想定のもとでなければなりません。
あまり深くそこまでは考えが及んではいませんでしたが、あの小さいタブ自体、そしてその縫い付けの両方にパワーがないといけないということですね。
接着芯は必須。強固にするための接着芯であるという目的に貼ります。
そして、縫い付けも今まで通り3重縫いです。
タブの幅もあまり狭いものではなく、ある程度広めの方が丈夫です。糸で縫う部分が広い程強固です。
ブランド物の高級バッグでポンとスタイリッシュなタブが外れてしまった過去を思い出します。
小さい物だと侮るなかれ、小さなショルダータブこそ主役のような取り付け方をする必要があるのです。
角カンは向きが変わりやすいので不向き。Dカンの方が安定して使えます。
その後、現在では、この結び目を隠れたところに出して、強固にコマ結びしています。
この写真の時は、見える位置で結び目を出してしまっていたのもこんな風にぼそぼそと見える原因になってしまいました。
テトロン糸はつるりとしてほぐれやすいので特にこうなりがちです。
よって玉止めを隠す場所の見つけ方も重要になります。
ポイントとしては、溝となっている箇所を近隣で探し、そこへ針を使って糸を移動して玉止めを行うということをこれ以降の製作に徹底しています。
対策としては、つまみをただの飾りではなく、丈夫な素材で強固に取り付けることです。
以上7点ですが、使っていく中で見つかった荒々しい使い方の場面とその対策でした。
では、使っていく中でとても良いと感じたところはあったのでしょうか?
次にそれを1点お伝えしたいと思います↓。
使っていく中での角の擦れの有無で分かる生地の良し悪し
バッグの角っこは傷み具合を測るには必ず見る箇所だと思います。
今回の素材というのは、「スポーツメッシュ」というニット生地です。
混率は、ポリエステル/94%、ポリウレタン/6%、日本製。
この素材で作ったミニリュックの角を見てみると。。全く傷みが見られませんでした。
今回のこの生地は、こういった結果からは、擦れにくい生地であると言ってよいかと思います。
良質の定義も様々かもしれませんが、長く持てるということになると、擦れが全く起こっていないということが「良質な素材」の1つの目安になるのではないでしょうか。
摩擦に対して柔軟性がある丈夫な生地だと言えます。
スポーツ着目的に製造されたこの素材の一番の「売り」でしょう。
あとがき
このスポーツメッシュという生地は、ユニークで面白みがありますが、決して高価な生地ではありません。
コストが高い生地こそが良い生地だと表面的な判断はするべきではないことを、今回の検証からも実感しています。
もし、高額生地=良いということにしてしまうと、製造のお品が「生地頼み」の作りとなってしまい、その製造者であるハンドメイド作家の役割がありません。
生地というのはあくまで「材料」であり、「製品」として仕上がるその間の「製作」には多くの「自分の考え方」を込めて表現していくのであり、その「表現」こそが実は一番伝えたいものが詰まっている重要な部分なのです。
これを多くが忘れられ、かわいい生地や素敵な生地さえあれば、その作りや考え方を深く見ることに目を背けられている現実を感じます。
「心を込めて」とか「精魂こめて」などという言葉がありますが、あの言葉は確かな文言であると考えます。
黙って物1つ作って売れることだけでも1つのコミュニケーションであり、人同士の対話だということになります(^-^)。