<経理>発送という作業が無い取引、レンタルの「延長料金」の「売上」を計上するタイミング【698】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「本物志向のレンタルジュエリー」の事業者です。

商品自体が物品の場合というのは、会計における決まりにより、「出荷基準」「引渡基準」「検収基準」の3つがあります。

一応事業形態の特性に見合った基準を選択できるという融通があります。

しかしながら、それはあくまでも物販の場合ということで、例えば、ダウンロードによるソフトのアプリケーションなど発送が無い場合があります。

そして、レンタル事業も、新規レンタルの場合は物品を発送しますが、そのままお客様のお手元にあるまま延長の場合は発送自体の行為がないのです。

こういった場合の売上基準たるものがいつなのかということです。

当ブログ記事の投稿日2021.08.18のものを、その約3年後である2024.05.18に「手直し」をさせていただいております現在は、「延長」自体を廃止致ししておりまして、も今後も「延長」は盛り込まない意向です。

その廃止とこの度の事が関係は直接はないのですが、延長が新規からの続行であることであいまいになっていることが少し関連しています。

現在「延長」は廃止後ですので、当ブログ記事を残すのかどうかということを検討したのですが、過去には実際やっていましたし、ひょっとしてご参考にはなるかと掲載を「リライト」しながら続行することに決めました。

この延長の形態も全く同じではないかもしれませんが、よく考えてみれば、延長自体がそのままお手持ちのままレンタルを続行であることは、大きく見れば全く同じだと思いました。

あくまで、運営側の判断で正当なやり方であるとジャッジしてやってきたことでございますし、元の物品を発送する基準に沿った考え方をしています。

もし腑に落ちていただければ参考にしてみてくださいませ。

ネット情報で参考にさせていただいたのが、不動産の賃貸業の「使用収益開始基準」、延長開始日と同日を延長の「売上計上日」とした

ジュエリーなので、ほんの小さなサイズではありますが、マンションを賃貸する不動産屋さんと似た部分があると勝手に感じました(ごめんなさい不動産屋様<m(__)m>)。

レンタルという意味では、お品のサイズは違えど考え方は同じで合点がいくのです。

ジュエリーなどのレンタルの例がネットでは見つからなかったので、不動産屋様の形態を参考にさせていただいたわけです。

土地・建物の不動産業で採用される、「使用収益開始基準」というのがあります。

これは、商品を使用し始める時点ということになります。

厳密には、収益開始の基準なので、販売先が実際に収益を得られるスタートの時ということなので、ぴったり完全一致で当てはまるということではないですが、これを引用させていただきました<m(__)m>。

戻りますが、当picturesqueの延長開始日もしっかりと日にちがあらかじめ決められていますので、延長のお代金もその前日を期日として、ご入金後その翌日から延長期間に入っていました。

この延長期間の最初の日であるスタート日、この日を売上基準としたのでした。

そうして、「レンタル延長料明細書」という延長レンタル期間の合計金額の入った書類がエビデンスとして売上計上、<前受金-売上>を計上しました。

あとがき

今後、こういった「発送」といった作業が無い事業というものをされる方も増えてくるかもしれません。

実は、「共有型のハンドメイドバッグ」の事業者でもありまして、「ダウンロード型コンテンツ」も販売を企画しています。

ダウンロード型こそ発送が最初から最後まで無い事業形態になります。

よって、開始するにあたり、このことを考える時が来ると思います。

ブログを書いて下さっています税理士様などには、このようなまだネットに情報の見つからない記事のアップなどを是非お願いしたくお助けいただければと思っています<m(__)m>。

<経理>経理ソフトへ入力時の「摘要」の便利な使い方、元帳以外のグループでリストにくくりたい時に使える1ワードずつが大切な丁寧な入力の仕方【430】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

経理ソフトの入力は、とっても楽でスピーディー。

その1つに、「慣れたから」という理由があります。

会社員時代は、会社独自のシステムにソフト型パッケージを重くダウンロードした自社サーバータイプ。

確か、サーバー専用のパソコンが設置されていたと思います。

現在使用の「マネーフォワードクラウド」はログインタイプのクラウド型です。

大きくはサーバーの違いであり、「サブスク」で月払いさせていただくことで、自社サーバーを使用しなくてよいという大きなメリットがあります。

また、共通で他の人も同じソフトを使用することで、質問しやすく、疑問の答えも見つけやすいです。

会計ソフト会社様も他社ですが、知り合いに紹介することで、互いに情報の共有も後々可能に。。

会計ソフトへの入力は、元となる「エビデンス:証憑」をしっかり保管ということも必要です。

取引の証拠となるもので、「レシートとか請求書」など金額の入った計上用の書類です。

2022年1月からスタートの「電子帳簿保存法」の本格化以前は、紙ベースで保管しておりましたので、ソフトへ入力前に仕訳メモなどをエビデンスに補記していました。

完全デジタル化した2022年1月からは、元のエビデンスに補記することが全くなくなり、そのままの証憑の写真をとってアップロード。

リアルタイムで記憶のあるうちに計上していくというスピード感が一層高まりました。

その時に、紙ベース時代に頼っていた「補記」の代わりに、会計ソフト入力覧の「摘要」が重要になってきました。

いかに「摘要」が、後から振り返ったり、第3者が見て分かりやすいものになっているかをすっきりとまとめて綴れるかということが結構なポイントになると感じました。

このたびは、この「摘要欄」の丁寧な入力によって、元帳などの「勘定科目」ごとのくくりだけではなく、勘定科目以外の「言葉」によるくくりができるというユニーク活用法をご紹介したいと思います。

ハンドメイドバッグ製作の道具「裁ちばさみ」の消耗度をはかることさえ帳簿で可能、摘要欄への入力の際に入れるワードの均一化

例を挙げるのが分かりやすいかと思います。

ちょうどこんなことがありました。

ハンドメイドバッグを作っているので、生地をカットするハサミを1年の中で数回購入します。

それほど頻繁ではないにしても研いで使っていくのが結局高価なので、消耗して、新しいお品に買い替えています。

古い裁ちばさみは生地がカットできなくても紙はまだまだいけるので、その後紙切り用へと移動するのです。

決して簡単に捨てることはありません。

現在使っている裁ちばさみがとても使い勝手がよく、小さめで刃先がシャープなので、細かい部分も正確にカットできる点がグッド。

どこのお店のものだったかというのを摘要欄に入力していた情報をもとに検索します。

「マネーフォワードクラウド」のこの摘要の下の枠へ、「裁ちばさみ」というワードを入力します。

もちろん購入時に入力してある文字が、「裁ちばさみ」なのか、「裁ちバサミ」なのかなど細かい部分も一致していないといけないので、決めた文字に統一というルールを設けるのが良いです。

特に日にちをくくらなければ、この後、検索ボタンを押すだけで良いです。

そうすると、現在でいうと2021年1月1日から2021年3月7日までの間で購入した裁ちばさみの記録がずらりと集まります。

今回の場合は、まだ新しい期に入って2か月足らずで、検索結果がヒットせずゼロです。

裁ちばさみの購入は前の2020年のいつの日かに最新の購入だったようです。

経理ソフトのお部屋を1ボタン押しのみで2020年へ移動して、同じことを2020年全体で検索します。

裁ちばさみの購入も1年で2-3回なので、それぐらいのものが集まるだけですぐ見つけられます。

実際3回購入していまして、一番最新が2020年12月4日購入。

これが現在使っているとても使い心地の良い裁ちばさみのことなのだと分かります。

そして、その摘要「2020.12.04購入:裁ちばさみx1点 ほんまもん楽天店/(有)ステップ(楽天市場) クレジット」の中にある、楽天市場で購入の「ほんまもん」というお店に行き着きます。

このような使い方です。

どこのお店での購入なのかなど覚えていないこともあるものです。

これが定着してリピートしてくるとそうでもないですが、こういった前述の例のようにソフトの機能を頼りに、便利に追跡ができるのも、少々長めの情報が入力されているからです。

どうでしょう、これが入力されていなかった場合、私は裁ちばさみの以前の購入記録をどう探すのか、1-2ステップさらなる手間をかけねばならなかったと思います。

まず、消耗品費を総勘定元帳で集めて、その中から金額と時期で想像して、いくつかの候補から選び出すという非常に時間のかかる何段階かの作業になります。

今回の「摘要」だけで検索するやり方だとピンポイントでした。

さて、この「摘要」の文字ですが、自分で形式を決めています。

「2020.12.04購入:裁ちばさみx1点 ほんまもん楽天店/(有)ステップ(楽天市場) クレジット」。

まず、ソフトへの入力日付は、ボタンで最初にインプットするものの、あえて摘要にも入れています。

そして、その後「購入」とか「引落」とか「入金」などの取引を一言で表します。

買った場合は「購入」、そしてコロン「:」、さらには「購入した品物と購入数」、その後「お店の名前」。

最後に「クレジット」という言葉。

今回の場合「お店の名前(ショップ名)と会社名が違うので両方記載して、「楽天市場」での購入も記載していましたので、おそらくサイトの購入履歴もこの後利用できるのです。

こんな感じで、購入の場合だとこういった並び順に他の場合も当てはめるように「摘要の文字の配置のルールみたいなもの」を作っています。

同じような位置に同じような種類の内容が並ぶので探しやすく見やすいのです。

入力も機械的な作業になりスピーディ、会社の経理部門のようなカチャカチャ♪の音が響きます。

あとがき

その場で少しの苦労しておいて後で楽をするのか。。

それとも、その場で楽をしておいて後で苦労するのか。。

迷わず前者を選びたいと思います。

このたびの工夫の中には、そんな自身の考え方が詰まっています。

<経理>「荷造運賃」の相手科目に「立替金」を使う必要はない、シンプルでもちゃんとストーリー性のある帳簿に出来上がる仕訳【384】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

かつて、14年程の期間「経理事務」を会社で経験してまいりました自身が、「個人事業主」となった今、経理分野の仕訳を時々ご紹介しています。

このたびは、簿記の教科書通りではないシンプルな表現のケースとして成り立つというご紹介を商品の発送の場面において出てくる「荷造運賃:にづくりうんちん」という科目の例でご紹介してまいりたいと思います。

ポイントを置く場所は、「荷造運賃」の「総勘定元帳」を見た時にいかにストーリー性が感じられ分かりやすいかというところです。

「creema」様で商品(マスク)をご購入いただいた時の発送、物語のように連なる「振替」の姿

荷造運賃(にづくりうんちん)と呼ばれる荷物を発送する科目を、自身の事業では、「商品発送運賃」としています。

サンプルを発送するという時もありますし、着払運賃の際にもこの科目を使います。

この「総勘定元帳」を見ると商品発送時の運賃がずらりと集まります。

「総勘定元帳」をぱっと見るだけでお取引の流れが分かるような分かりやすい結果をもたらす仕訳をご紹介したいと思います。

先日creemaでマスクを1点ご購入いただきました。

「おしゃれマスク」というもので、お洒落な生地を使って作ったものです。

「コロナ禍」のほんの当初の2020年4月-5月がこうした活動をさせていただいておりました。

こんなマスクは、その後の大手の参入で事業としては「撤退」でしたが、貴重な体験として有難かったです。
「creema」様の納品書の一部分。

「creema」様は、有難いことに納品書のアウトプット機能を作って下さっています。

「おしゃれマスク」に関しては、仲間内の取り決めでお客様から送料をいただこうと決めたものでした。

商品代の¥880に加えて、定形外郵便の¥120が加わった合計¥1,000の納品書になるわけです。

この場合、次のような仕訳を致しました。

¥880の商品の送料¥120をいただいた時の売上仕訳の例。

すでに発送時にこんな仕訳が済んでいます↓。

郵便局もクレジットが可能になったので、費用計上と、クレジット引落時の仕訳を前もって記載。

クレジット引落日周辺に3/29分の入力をしますが、最初の2/6に一緒にメモだけしてふせんで3/29入力というタグを記します。

クレジットは2度仕訳があるというのが逆にスムーズです。

実際の発送のレシートで費用計上をしました①。

そして、その後で売上の計上をしました②。

①<2021.02.06>

120 商品発送運賃 未払金 120

②<2021.02.06>

1,000 売掛金 売上 880

       商品発送運賃 120

①と②の仕訳を見ていただくと、同じ科目の商品発送運賃が①で発生しましたが、同日にすぐに②で取り消されました。

現実には、お客様にご負担いただいたので当方は費用がかからなかった結果になったというストーリーです。

①と②は互いに分離して仕分けしていまして、エビデンスが別のものです。

①はエビデンスが「日本郵便」様のレシート。②はエビデンスが「creema」様の納品書です。

おのおの事実に従ってその場で仕訳をすることができ、後でそれを遡って気にかける必要がありません。

もし、参考書とか簿記の教科書のように「立替金」を使ってしまうと、新たなる科目が発生してしまい複雑に。。

そして、「立替金」はいずれ消滅させねばなりませんから、そこを忘れずに管理することがストレス。

ですから、この2行になる仕訳のやり方は、2行にはなりますがあとは気楽なのです。

万が一、送料に誤差があった場合についての対処と仕訳

お客様から¥120いただいたのに、発送は実際多く¥140になってしまった場合¥20の誤差が出ますが、お客様から追加していただくというようなことは普通はしないでしょう。

そういった場合にも、このやり方でそのまま行えばOKです。

帳簿になった時に、¥140で費用の時の商品発送運賃の計上がまず発生しています。

お客様からいただいた購入者負担の料金分が¥120だった、残りは販売者である私が¥20もったという事実のままのストーリーができあがるのみです。

何ら金額が一致しいない場合でもそのまま計上するだけで成立する記録なのでした。

送料も含んだ金額を売上金額にしてしまう1行仕訳についての私見、「かえってわかりにくい」が結論

よくネットで、売り上げの金額に運賃も入れてしまえばよいというのを見かけます。

今回の場合ですと、

1,000 売掛金 売上 1,000

というものです。間違いではないようですが、純粋な商品自体の価格が不明になります。

¥880+¥120=¥1,000 ということが仕訳だけでは読み取れない隠れた事実です。

この事実を隠す必要などありません。

そして、商品の値段は重要なので、数字として正確に残しておきたいという意向があります。

よってこの1行仕訳のやり方は現在採用しておりません。

「売上金は¥880で送料が¥120だった」という真実がそのまま反映されたような仕訳が「物語」の本質です。

あとがき

その後2022年1月からの「電子帳簿保存法」に従い、自身も完全にエビデンスをデジタルにまとめています。

手書きの追加説明などの記録は今後のデジタル化では残っていかないことになります。

そうしますと、その都度の計上の具体的な分かりやすさが大切になると思っております。

手書きのメモ的な補足説明は、会計ソフトの「摘要欄」で表現していくのです。

まずは自身の事業の内容の把握をスピーディーにリアルタイムに行っていくための対策は非常に重要。

総勘定元帳を見ただけでそのイメージが湧きやすいことは日々の実直な活動の「証」だと思います。

こうした事務作業は事実そのままで良いと思っています。

それよりも日々の事業活動に「AI」ではない「人間」でしかできない強味を持ちたいものです。

経理事務は今後は、より「AI」の範囲になっていくと思いますので、正直でなければゆくゆくは成り立たなくなると見ています。

<経理>開業後早めに参加して数々の謎を解いておく、「税務署」様主催の「帳簿の記帳説明会」への参加の推奨と用意しておく質問事項【361】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

個人事業主をスタートさせて、現在ちょうど3ケ月が過ぎたところです。

日々、初の売上を作ろうと懸命な「ハンドメイドバッグ製作+マーケットサイトで販売」の最初の3ケ月の中で並行しながら、「経理事務」のお仕事があります。

会社員時代には長年「経理事務」に携わっていましたので基本的には心配するところはありません。

しかし、実際は、「マネーフォワードクラウド」という「(株)マネーフォワード」様にお世話になっている会計ソフトに、日々の取引を計上していく中で、「これでいいのかな?」など、モヤモヤして、はっきり分からないことなどが数点出てきておりました。

「マネーフォワードクラウド」にも質問はできるのですが、あくまでソフトの使い方などに範囲の限界があります。

のぞましい仕訳や、特殊なケースへの計上する手前の事項に関しては「税務署」様に聞くべきなのです。

そんな頃に、タイミングよく税務署様から、帳簿の記帳説明会のご案内を郵送でいただいたので、「よし、参加して質問してすっきりしてこよう」と思ったのです。

そして、先日4月中旬あたりでしたが、参加してまいりました。

このたびは、実際に参加した「税務署」様主催の「帳簿の記帳説明会」のルポタージュとしまして初めて事業主になられた方のためになるところがあればと、その時の実直な内容をお届けしたいと思います。

「帳簿の記帳説明会」のおおかたの流れ

ネットで、事前に記帳説明会に行った感想のようなブログ記事(このたび私が綴っているようなもの)を数件読ませていただきました。

感想は人によってさまざまでしたが、なかなかインパクトのある感想は見つからなかったです。

あまり、感動的な良かったという感想も見当たらなかったです。

やはり、実際に自分で出向いてみるのが一番だと思いましたし、質問をしたい内容が解決できるなら、行く意味は必ずあるだろうということで出かけていきました。

事前申し込みは必要なく、当日そのまま会場へ足を運べばよいというのが、とても行きやすかったです。

部屋の椅子の数の50人前後の定員がある程度決められているようでしたが、実際は、10人いなかったと思います(驚)。

税務署様がご用意の資料を「パワーポイント」を使ってお姉さん(税務署員様)が説明して下さいました。

記帳説明会の時間は、1時間半程度でしたね。

さて、参加して良かったのかどうかですが、迷うことなく、「良かった」です。

反対に、参加しなかったらと想像すると寒くなるほどの大きなイベントだったと思えます。

この後に綴りますいくつかの学びがあることでこの「良かった」「意味があった」という感想がいかにリアルなものであるかを感じ取っていただければと思います。

参加して良かったと改めて思う、初の情報の数々や大鉄則事項

1)クレジットカードと預金の残高ともども、月末では「帳簿」と「実際」の完全一致の鉄則

記帳説明会の参加を終えて、これは重要なポイントだと感じたことがあります。

説明会に参加する前は、実際にできていなかったことでもありました。

とにかく、預金通帳の残高と、帳簿の残高が一致しなければならないとうことが大鉄則とのこと。

クレジットカードも同じように一致しなければなりませんが、クレジットカードの引落も普通預金からなので、当然、連動して一致が余儀なく求められます。

よく、個人事業主になったら、「専用のクレジットカードを作るべき」「普通預金の口座も専用に作った方がよい」などは、ネットでも拝見したことがあった情報です。

専用のカードや口座を作ることは、多少分かりやすいですが、それが必ずしも重要ではなくて、むしろ「残高を一致させること」の方が重要なのです。

特に今までの個人のままの延長でクレジットも普通預金も継続したかったので、新規には一切作りませんでした。

結論から言うと、これでも「全然大丈夫」です。

ただ、預金の中に、個人(事業外費用)の使用の内容の物も含まれ、クレジットカードの内容にも、個人(事業外費用)の内容も混じるわけです。

それをクレジットカードの引き落とし日に、まとめて1本の計上をする必要があるというのが初耳。

除外して計上せずにいまして、「残高が合わないのはそういった事情で仕方がないと認められる」というような勝手な解釈をしていたのです。

それで、普通預金の月末の残高や、クレジットの月別合計が、ぴったりにならない状態で2-3か月を過ごしていたのでした。

絶対的なものでないから、仕方ないと認めてもらえると思っていたというところが大きな勘違いだったのです。

ほら、こういうことがあるから、こうした説明会でご質問する意味が大いにあるのです。

「法人」と同じで、完全一致であることが絶対だとお話を聞き、「頑張って合わせてみてね」、と税務署のお姉さんに言われ残高を合わせる作業を2-3日にわたって行い、やっと一致に至りました。

そこで、完全一致のために使う重要な勘定科目が、

・事業主貸

・事業主借

という2つの科目で、例えば、個人用と事業用が混在しているクレジットでも、

事業主貸 50,000    普通預金 50,000

「〇〇月分事業外費用(総合計) 支払 △△カード:xx銀行」と摘要欄に入力。

こんなふうにたくさんの合計を1行にまとめて事業外費用一括として、シンプルな計上で全然良いと、税務署様がおっしゃっていました。

この後に、「総勘定元帳:普通預金」で残高を「帳簿」と「通帳」で合致する確認をするのです。

クレジットは、事業専用に作るのも確かに良いです。

ただ、他の明細がどうしても混在するケースがどこかで必ず出てくるので、綺麗に分かれるということが難しいです。

例えば、事業用と個人用とで50%ずつの使用としています「地代家賃」という科目の場合、事業用のクレカを作っての支払いをしたところで、結局は、家賃を事業用と個人用に分ける2段の計上をせねばならないです。

さらに、家賃が実際に引き落ちるカードが事業専用の方ならば、結局は個人用の家賃の部分の金額も一緒に引き落ちる運命ではありませんか。

よって、クレジットカードは個人使いの1つのクレジットカードを事業用と共有し、中身の内容だけをクリアに分けることでかえって、1本のクレカの管理だけでに集中できるのだと考えるとむしろこの方が良いという考え方です。

2)「預金利息」の入金は「事業外収入に該当」という決まりがある

「預金利息」で一番共通するのが、「普通預金利息」です。

普通預金に、「預金利息」がほんのわずかの金額ですが入金された場合など、これは、「事業のものではない」という決まりらしいので、いくら、事業主用に専用の口座を設けていても、

普通預金200 受取利息200 ・・・ x

という仕訳はダメで、

普通預金200 事業主借 200 ・・・ 〇

が正解。

ここでも結局、個人が混在してきてしまうのです。

3)「現金」のマイナスの残高は認められない(現実的な矛盾)

もう1つ、現金の残高はマイナスは不可というのも大鉄則とのことです。

マイナスになっているということは、計上などにミスがない限り、個人のお金から事業に使っていることになりまして、その流れを都度リアルタイムで計上します。

現金 100,000   事業主借 100,000

※振替(個人用現金⇒事業用に)

これで、個人の私のお金を事業へ投入したということになります。

会社であれば、会社専用に現金がはっきり分かれていますから、現金ボックスなどの現物を数えて、総勘定元帳の現金の残だと一致しているかを調べるということになります。

一方、個人事業主の場合は、たとえ事業用にボックスを作ったとしても、何か購入する時は個人の財布からということが多いですから、現金を別に分けておくということはなかなか困難です。

そこで、時おり、現金の帳簿をチェックすることを心掛けるといいです。

毎回現金の出費の計上をした後に、必ず帳簿上の「現金」の残高とお財布の現金を数えて合致を確認しています。

それならば、お財布を「個人用」と「事業用」に分けて管理はどうかというアイデアが浮かぶかもしれません。

実は3年程お財布を分けてやってきた結果が出ています↓。

あまりに管理がしにくく、その後はずっと1つの財布だけで管理になりました。

お財布を2個もバッグに入れてとても野暮ったいですし、結果は混乱の原因になるだけでした。

その代わり、ちょっとしたお菓子を現金で購入しても会計ソフトに、

100 事業主貸  現金 100 

※お菓子1個(事業外費用)

を入力することになるのです。

とはいえ、それでもこちらの方を選択したのでした。

4)簿記の教科書に登場の、「仕掛品」「製品」は通常の計上では省略してシンプルに

ここからは、前もって準備していた質問に対して税務署様からいただいた回答をご紹介したいと思います。

どなたかのネット上のブログで、自作商品を製作している人の仕訳ということで、工業簿記を引用してみえました。

①材料仕入 現金(材料購入時)

②仕掛品 材料仕入(作業に取り掛かった時)

③製品 仕掛品(商品完成時)

④売上原価 製品(商品が売れた時)

と作業の順に振り替えていくのだということが書いてあったのを拝見しました。

これは確かに、工業簿記に従っています。

しかし、とても複雑であり、頭が痛いです。

税務署様によると、「商業簿記風で簡素で良い」とのことです。

①材料仕入 現金(材料購入時)・・・②③④の仕訳は無し。

⑤売掛金 売上(商品が売れて受け渡し時)

これだけで良いのです。

「受け渡し時」は、商品を発送した日でも、相手が受け取った日でもそれは、各々の方針通りでどちらでもいいとのことです。

そして、実際に入金があった時に、

⑥普通預金 売掛金(商品代入金時)

を仕訳します。

ということで、①⑤⑥だけの仕訳しか現在も使っておりません。

「製品」という科目は、通常は使いませんが、決算仕訳の時だけ「棚卸仕訳」の計上の際に使うことになります。

5)「社会保険類」の支払いの計上はすべて「個人扱い」であり事業の費用とはみなされないルール、ただし、「損害保険」のみ費用計上OK

・国民健康保険料

・国民年金保険料

これらは、「確定申告」時には控除対象になるもので、申告はしますが、その都度の計上は、

・国民健康保険料・・・事業主貸 - 普通預金(自動引落日だけ計上)

・国民年金保険料・・・事業主貸 - 普通預金(カード引落日だけ計上)

で「事業主貸」の科目を使って計上しなければいけません。

税金関係は個人のものだから、「保険料」という費用の科目を使用してはいけないのです。

ただし、家賃を事業と個人とで兼用しているタイプの方も多いと思います。

この賃貸の際に契約している「地震保険」「火災保険」などの「損害保険」に関しては、費用計上するのです。

全額ではなくて、「家賃」の計上をするときの割合に等しい案分で、「控除証明書」の金額を分け、2月の確定申告の際に、控除金額の欄には、案分金額を入力することで事業分を差し引いた「個人分」のみを控除してもらうのです。

この保険に関する以上のことをクリップにまとめました↓。

6)不用品の販売と収入(「ヤフオク」や「メルカリ」で衣類や雑貨を販売した場合)

このこともよくある話題なのですが、実際に税務署様にお聞きしました。

前に買ったたくさんのお洋服などが不要で、現在ヤフオクで売っています。

それでも、個人の持ち物である衣類などの不用品販売というのは、売上の多少、関係なく「申告対象外」とのこと、計上も無しでよいそうです。

一方、「せどり」「転売」など、事業として行い、個人の不用品販売とは明らかに違う場合は、「事業要素が高い」と判断されますので、「計上も申告も必要」とのことです。

事業者としてそういった「せどり」「転売」をしているかどうかなどは、ご本人が一番分かっていることです。

正直なのが後々楽なのです。

あとがき

今回、初めて経理部門のカテゴリーの記事を書いてみました。

もしかして「経理経験が生かされた部分があれば」ということ、ネットで調べてもなかなか完全な答えが見つからなかったこと、がこの度お伝えしたことの中に入っていれば幸いでございます。

「普通預金口座の一致」や、「現金がマイナスになるのは不可の鉄則」は、かえって、計上もれや、重複の答え合わせにもなる良い鉄則なのです。

まだ個人事業主経験が浅いですので、まだ多くのことはお伝えできませんが、今後、この<事業><経理>のカテゴリーにも、経験が増えてきたら、記事を増やしてお役に立ってまいりたいと思います。

お互い、事業の発展と実りを目指しながら日々の事業活動を頑張ってまいりましょうね(^-^)。