美しい椅子材を利用の幾何柄ナップサック、ジャガード生地の裏面使いとショート丈でレギュラーから異を放った【1457】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在はハンドメイドバッグの研究製作中。

2025年の上半期で100セット超えの表地と裏地のペアを決めて接着芯貼りと裁断まで終了した材料ストックの中で、どうしても生まれてしまう「仲間外れ」の集まりの消化を兼ねています。

この作業がかえって重要であり、本番であるペアのものとは別の新しい発見を得るチャンスだと考えています。

この研究製作は、今後のハンドメイド活動の重要な節目になりそうなのです。

このたびは、ペアが決まり保管されている2セット以外に更に残布となった「椅子材」を使わせていただきます。

インテリアのお店に売っているソファーやチェアーに貼ってある厚みのある生地に同等のものです。

ずっしりと重みがあり、まるでマットのような印象ですが、ゴブランを上回るこの厚みが無事にバッグに出来上がったことが非常に大きな成果でした。

非常に美しい生地、この材料なくしては作ることさえできなかったこのご縁に感謝したいと思います<m(__)m>。

縦長の縦のみを15cm短くして、横幅とマチはそのままのフォルムがふっくらしてかわいいことに気付いたナップサック

表地(ブルーxモカマルチ幾何柄):椅子材、アクリル/72%、ポリエステル/28%、ドイツ製。これが裏面です。

表地には接着芯のみ貼りながら4cmのボックスキルトをかけます。

緩めな素材の織りを安定させる目的もあります。

裏地(黒ブロック柄):パイルジャガード、綿/100%、日本製。ニットです。寝具やカバーなどのインテリア生地。

裏地にも4cm四方のボックスキルト、柄を潰さぬよう、パイルの部分の正方形へのキルトステッチは避けました。

別布①-ショルダー/タブ用(モカ):生地名不明(服地)、混率不明、原産国不明。オーダー生地で良質です。
別布②-ポケットフラップ用(黄土色):コットン無地、綿/100%、日本製。【1446】のショルダーとタブの残布。
別布③-ポケット袋用(ブラウンカーキ):コットンサテン、綿/100%、日本製。サテン織はツヤがあります。
ロックミシン代用のハンドブランケットステッチ:1cm幅程度で二重の糸で1枚分ずつ縁全てを手縫いかがり。

ロックミシンはほとんど使わないのですが、隠れる部分でもこのたびのほつれやすいインテリア生地は縁の始末をしておくことをお勧めします。

作業の途中の接触で糸が次から次へとほつれることを防ぎ、作業自体が格段にしやすくなりました。

Dカンタブ用の当て芯:白い当て芯は、ハード薄芯を4枚重ねして返し縫いで固定しています。

全体の重さを支えるこのショルダーの根元部分を「縁の下の力持ち」としてあらかじめ補強対策をしているのです。

伝統的な作り方:裏地に返し口を作って上部(ここでは真ん中)のハギ目ステッチを内部に完全隠す作り方。

トートタイプは別々で作って最後に入り口を「中裏」で重ねて最後に一度だけステッチするという方法も可能ですが、本来のバッグ全体に共通する伝統的手法は、すべてが「中表」でひっくり返しなのです。

伝統的である理由が、出来上がりのトップのラインの真っすぐさで頷けました。

「餅巾着」ショート丈バージョンの完成:<サイズ>縦28cmx横33/45cmxマチ18cm。

レギュラーは縦長ですが、この生地には事情がありましたので残布そのままを利用できるサイズへ融通を利かせたのです。

その他の角度:左上から時計回りに、左サイド→右サイド→底面。
厚地生地に対応した巾着の構造:本体に直接ホールを作るのではなく別布の比較的薄地で絞るパワーを有効に。

内部にはすべて接着芯、ショルダーとタブには共通に4本ステッチで固定し安定感あるパーツです。

内部:ポケットはコントラスト効果。袋の真ん中の線は左右2枚のハギ目、生地不足の巻き返しの策です。
畳んだ様子:使わない時は収納可能。元は@¥15,000/m以上の高級生地。大切に使うバッグという体です。
お洋服とのコーデ:カットソーはミントブルー:ぼやけたお洋服のカラーにはバッグが差し色的存在に。。

あとがき

このたびの製作では全5種類の生地を利用。

生地を集めた本人が、別布の3種の無地の色の区別の確認に苦労したほど類似色。

とはいえ、①茶色寄り②黄色味③グリーンがかる。。と茶色の展開が豊富、時々それぞれのパーツを眺める楽しさがあるバッグになりました。

作り手としては、はぎれのような残布を使い切る良い機会にはなるのですが、そのようなことよりもむしろ組み合わせの無限の楽しさに感無量になるのです。

少ないお洋服でも同じテイストをあえて区別することで豊富に映るという別カテゴリーの<コーデ>からも着想を得ています(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

デニムと名乗られずとも同等の生地、瀟洒な仕上がりの「デニムライク」なバラ柄アップリケ付き丸底バッグ【95】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグ製作を、ある共通の分類で括る<〇〇シリーズ>として続行中。

現在は<デニムシリーズ>で、デニムを含む類似素材で同じデザインの丸底バッグを連続製作しています。

このたびは、このシリーズの2点目。

前回の1点目は、「セルヴィッチデニム」という正真正銘のデニムで作りました。

このたびからは、素材に少し変化を付けていきたいと思います。

前回と同様に正面にアップリケをしていきますが、アップリケの構図はまた別のタイプになります。

アップリケの違いによっても、同じモデルのバッグにそれぞれの味わいをもたらす無限の可能性を感じていただければと思います。

<デニムシリーズ②>セルヴィッチデニムよりもエレガント、裏面の濃さを薔薇アップリケの凹凸感に活かした丸底バッグ

表地(グレー):綿無地、綿/100%、日本製。裏地(赤紫):ジャカードクロス、ポリエステル/100%、日本製。
生地の表面と裏面の濃淡の比較:左が表面右が裏面。裏面の方が縦筋が極めて少なく、色が少し濃い点が違い。
薔薇アップリケ:花芯の正方形からスタートして、変六角形の型紙で作った共通のパーツを花びらと葉っぱに。
本体の縫い代始末:「わ」の1枚を縫い代1.5cmで繋げます。二重縫いをすることを基本仕様としています。
丸底と本体の縫い合わせ:丸底バッグの難関。ここも二重縫い。縫う面を底面を上にしているところが間違い。
失敗のやり直し:底面と本体の合体に余計な部分を重ねてしまいがち。本体面を上にして縫うのが基本。

その他、寸法ミスで失敗することがあり、本体の底辺の長さ(出来上がり寸法)と楕円底の1周(出来上がりライン)の一致を型紙の時点で徹底していなければなりません。

この調整方法は、前回の【94】の投稿で、<楕円底のタック解消の型紙ピッタリの調整の仕方>と題して生地内に記録がございます。

実は、この時まだ未熟であり、徹底していないことでこうした失敗が起こりやすくなっていたと反省。

ショルダーカンの取り付け:完成品ではショルダーは付けませんが、アレンジしやすいようにと設置しました。

付け位置は、斜め対角線同士の2箇所です。

薔薇アップリケの丸底バッグの完成:<サイズ>縦32cmx横35cmxマチ15cm。取っ手は本革レザー黒。
薔薇パッチワークの立体感:わずかに濃い裏面を使うことの効果が立体感という姿で表れたのです。
後ろ面と底面:左上は後ろ面、右下は底面。1点目の時よりもタックが解消されています。
裏地部分:入口最初にサイドひもがあり、その下にマジックテープフラップという配置。ポケットはタブ付き。
お洋服とのコーデ例:ジャケットは本革レザーの黒。ブラックデニムコーデで素材が馴染むように合わせました。

あとがき

このたび利用させていただきましたデニムライクな生地は、「綿無地」という何とも地味なネーミングでありネットなどでは見つけにくいものです。

この生地は、「大塚屋」様で購入のもの、店舗で実際に目で見て探す良さはこういったところで実感しました。

所謂掘り出し物のような存在、「大塚屋」様の店舗においては、「デニムライク」がたくさん見つかります。

たくさんの生地の中に埋もれた優れた存在は、私達のようなバッグを製作する者が発見した時にこうしてアウトプットしていくことでより世に知られると思うのです。

製作するだけではなく、せっかく出会えた生地の有難さの感謝の意味をこめて、「このようなエレガントな雰囲気のデニムも実はあるのです」とお伝えしていく任務のようなものを感じました(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク