バロックよりもあこやを好む、イミテーションはあくまでシーンの使い分け、などから知る日本人のジュエリーに対する趣味嗜好【1266】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

日本生まれの「あこや真珠」。

真ん丸の美しさが整然としており、高級の証。

そんな整ったお品を好むところに日本人の特徴があるようです。

今回は、真珠と地金との両方で、これまで日本人が好んできたその国民性のようなところを実際の趣味嗜好から見ていきたいと思います。

本などの情報と自身の考え方をミックスした情報としてこのたびの記事を書いてまいります。

バロック真珠はここ最近でこそ受け入れられてきたが、あこや真珠の整然さを好みとする日本人

意外なことなのですが、あこや真珠というのは、素材は天然の貝ですが、手法としては実は人工です。

あえて、真ん丸に出来上がるように細工をした手間のかかった養殖の1つ。

それでも、本物である地位を築かれたことが「偉業」であると思われます。

考え方1つで、淡水真珠のいびつさがかえって手を加えていないそのままの価値であるともとれます。

ただ、やはり、その手間の苦労と出来上がったあまりの美しさが評価されていると思えます。

日本人というのは、そんな背景からかは分かりませんが、とても正配列に対して好む傾向があるようです。

あこや真珠の真ん丸の整然さは、バロック真珠のいびつな不定型よりも価値が認められているようです。

ヨーロッパの方ではバロック真珠の価値が高いようなので、その文化の違い、趣味嗜好の違いが感じられる一面です。

また、真珠に関してはもう1点日本人らしい傾向があるとのこと。

イミテーション真珠に関しては、イミテーションと分かったうえでそういった使い方持ち方をするということです。

ここには、私も全く同感しました。

イミテーションにはそもそも価値がないことを認め、あえて重要ではないカジュアルなシーンに使い分けをするためのジュエリーとしてとらえることです。

間違っても、イミテーションだけを真珠として持ち備えるのではなく、奥には立派なここぞというシーンの本物がひっそりとたたずんでいるということなのです。

「私も紛れもない日本人なのだ」と実感するほどの情報でした。

ただ、このことを、過去のYOUTUBE動画でお話してもなかなか理解されず、「なぜわざわざ悪い物を持つのだ、せっかく出かけていくのだから良い物を身に着けたらよいではないか」というご意見が印象的でした。

比較的若い年代の方なのだと予想します。

真珠をフォーマルジュエリーとしてメインに考える時代というのは、「昭和」だと思いますので、私も立派な昭和の一員です。

しかし、その後の平成生まれなどの方によって、もっと新しい真珠に対する考え方が生まれているのかもしれません。

現在であると、いよいよ男性もTシャツに小粒の真珠ネックレスを装う方を頻繁に見かけるようにまでなりました。

ついに、真珠が性別の垣根を超え、ジェンダーレス化に溶け込んだことがうかがえます。

日本人は18金やプラチナ重視、欧米では10金などの方が多く受け入れられているその趣味嗜好の違い

戦前、日本へプラチナという素材とともに、その加工技術も持ち込まれた歴史があるようです。

主なプラチナの調達先がロシアだったと。

ロシア革命の1917年頃からは、プラチナが入手困難になった時期があり、その代わりに同じシルバー色のK18WGが登場したもよう。

K18WGの正体は、K18YGだということにハッと驚かれるかもしれません。

もともと黄色い色のあのゴールドがベース。

75%の残りの25%の割金にシルバー色に寄った割金を多く混ぜるのか、そうでもないのか、とにかく、最後に表面にロジウムメッキを施すことで、プラチナに良い勝負を挑むあのホワイトゴールドが出来ていくようです。

しかし、マニア様の中には、メッキをしている時点で本物とは呼び難いと、ホワイトゴールドを嫌う人も一定数いらっしゃるようです。

そういった方は、純粋に元からシルバー色をしているプラチナを好まれると思います。

現在は、ジュエリーの中では、プラチナもそこそこ見つかりますので、K18WGなのかPTなのかを選ぶことができるわけですね。

話は戻しますが、そんなプラチナとダイヤモンドコンビのジュエリーと接してきた日本人というのは、実は海外から見ると特徴があるようです。

プラチナをジュエリーとして持つ文化は日本人特有だということもとても興味深いですね。

そして、日本人は、ジュエリーとしては丈夫さ追求の為少しは割金が入っている中でもマックスの18金を重視します。

ところが、ヨーロッパやアメリカだと、10金という24金の割合が非常に少ないタイプがメインのようで、随分と違った趣味嗜好なのです。

インドだと24金が一番と考えられるらしいのですが、黄色味が強くとてもエキゾチックなイメージですね。

ただ、24金は割金無しなので、柔らかすぎて、ジュエリーとしては変形や破損が多く決して良質のまま持ち続けることはクエスチョン(?)です。

ですから18金の意味はとても深いのです。

何か、長持ちするようなお品を追求する日本ならではな趣味嗜好ともとれまして、私は大いに感動しております。

ところで、最後にK18WGとプラチナの違いについての私の見方をお伝えしたいと思います。

色々な見た目の色の表現の仕方があるみたいですが、多くのジュエリーの完成品を見た私からするとK18WGは暗いです。

PT850やPT900は白っぽいというのが私が一言で言い表す違いになります。

プラチナの良さはそんな白っぽさに魅力があると思っていまして、ここ数年は、これまでイエローゴールド好きであった好みが一気にプラチナに変わった私です。

大きくは、金色よりも銀色の方があっさりしているし、ストーンとの相性良いなあと思うようになりました。

あとがき

レンタルジュエリー事業をさせていただいている私でありますが、お客様とのお取引の中で見る趣味嗜好というのがあります。

そうしますと、本に書いてあったようなこの度1点目に取り上げました真珠に関しては、実は人気がありません。

特に白いあこやはもうこの先は高級品としては考えられにくいところに来たこともあると思います。

それは、真珠をお出かけで身に着けるというものではなく、カジュアルに寄った「ストリートファッション」に取り入れられたアイテムなったからです。

レンタルも簡単に入手できる商品よりも、入手困難なお品を借りたいと思われるかと思います。

よって、白い真珠はレンタルとしては価値がないのです。

今回取り上げました真珠で現在レンタルジュエリーのラインナップに残っているのは、たった1つ「大粒の南洋真珠」のみになります。

マルチカラーが美しく、現在の真珠の中での人気はこれがダントツではないでしょうか。

一方、18金やプラチナは、近年の地金の高騰でダイヤモンドと組み合わせると最強になっているようです。

現在のジュエリー好きな方々の中にある趣味嗜好をこの事業が教えてくれます。

大変勉強になり、かつてはダイヤモンドをそれほど好まなかった私がかなりダイヤモンドにも目を向けるようになりました。

書けば書くほどいろいろお伝えしたいことも出てきてしまいますので、ここで終わります。

また、別の投稿でジュエリーについては、お話させていただきたいと思います(^-^)。

本来「鉱物」には属さない特殊な「宝石」3種【1030】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

宝石なるものをお取り扱いさせていただくレンタルジュエリーの事業者としましては、自身も知識とか基本的なことを知っていることが当たり前であるべきと、宝石については図鑑のようなものを見ることがよくあります。

実際に見てもいないけれども将来お取り扱いするかもしれないようなストーンもあるかもしれませんし、そもそもの金属である18金の部分であっても、あの素材も元は鉱山で採掘されるものです。

今回は、こういった「鉱物」が「宝石」になることがほとんどながら、時々、特殊な素材が、「宝石」になっているものがあります。

そういったものも、ちゃんと鉱物の図鑑には掲載され、れっきとした宝石と認められているのだと思います。

また、その特殊な分野の素材であるから綺麗だったりすることで、とても興味深いです。

それでは、本来鉱物ではない特殊な素材ながら宝石の仲間に君臨している身近な宝石を3種ご紹介致します。

樹脂と貝と微生物が宝石になっている事実

樹脂は、鼈甲や琥珀の天然樹脂素材のことです。

そして、貝というのは、真珠とかシェル(白蝶など)のこと。

微生物というのが、珊瑚のことです。

どれも、石ではないけれど立派な伝統ある宝石ですね。

これらが今回ご紹介の3つに当たります。

左上:シェル、右下:琥珀・・・珊瑚はお取り扱い経験がないので、お写真ございません<m(__)m>。

この写真は私のレンタルジュエリーの実際の商品アイテムの中のものです。

とても素敵でダイナミック。

ストーンではないのだけれど、エレガントで美しいです。

シェルもレベルはあるかと思うのですが、白蝶ということで、分厚くて、扇がめいっぱい広がっています。

まるでロングドレスのよう。

琥珀は、キャンディーみたいでおいしそう。

透明感がありますが、強度は無いですが、この多角形のかっこいい形で地金と組み合わせてリングになったことがまず素晴らしいです。

珊瑚に関しては、微生物でできたものというのがイメージが湧きにくいですが、植物などではないということですね。

枝みたいに広がったイメージですが、むしろ生き物寄りなのでしょうか。

海の中の神秘を思わせてくれます。

珊瑚は、扱いがこれも慎重でないといけない繊細な物らしいのですが、私としては、ジュエリー同士のコーデがイメージがうまく浮かばず、まだお取り扱いの予定がありません。

珊瑚に関しては、赤い色の良質なものは入手困難ということですし、ここ近年、ももいろ珊瑚の薄ピンクが人気のようです。

かわいくて、カジュアルのなので着けやすい感じがしますね。

けれど、実際には、薄いトーンの色目の珊瑚は価値としては低めなのです。

しかし、利用者の多数の好みの声が挙がると、流行になり、価値がそういった意味で上がるようです。

宝石もユーザー次第なところが大きいのですかね。

あとがき

こうした素材面の括りからの見方などは、やはり本に学ぶことが多いですが、より面白くなるかと思います。

出来上がりを1つ1つ見ながら楽しむのも良いのですが、もう一歩踏み込んで、その状態になる前の採掘のイメージをすることで、より夢が広がるかもしれません。

自然の神秘を愛でたり、楽しんだりしているということなのかもしれませんね(^-^)。