基本が「真っ白」というミシン糸の選び方の見直しへ、白ではない中間的なオフカラーが出来上がりの高級感へとつながる【1239】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ミシン糸のカラーバリエーションは、マルチカラーが好きな私としては、重要視し、箪笥の引き出しに3段分が現在のストックです。

「スパン糸」と「テトロン糸」に分かれますが、ぱさぱさしたスパン糸はあまり好まず、少な目の40コーン程。

テトロン糸はその倍くらいの80コーンという数です。

すべて2000m巻程の工業用の量産用のタイプです。

特に量産せずとも、何度も使うような色であれば、コスパは非常に良いです。

ミシン道を歩み始めた当初は、基本的な糸の色ということで、真っ白を調達しがちです。

しかし、実際は、いろんな生地のカラーに際立たせたり、なじませたりすることが多く、真っ白の出番が豊富というわけではないのです。

ここまでいろんな色を持っている私でもスパン糸では1コーンしか持ち合わせていないのが真っ白の糸です。

スパン糸の真っ白カラー:全く使わないことはないので持っていますが1コーンで十分です。

今回は、この真っ白カラーよりも一層ハンドメイド製作したそのお品が味わい深いものになったり高級感あるものになったりする糸の色をご紹介したいと思います。

白よりも少しだけカラーが入った「オフカラー」の糸の利用の仕方例

こんな風に3cmのダイヤキルトをかけました。この糸の色は真っ白ではないのです。
真っ白ではないオフカラーの糸(一番右は比較のために真っ白です)。

上のキルトをかけた糸はこれらのスパン糸の中でどれだと思いますか。

答え:右から2つ目のこの色を選びました。

もし、ここに、真っ白のキルトをかけていたとすると、機械的な様相になってしまい、量産でよく見かけるキルトになっていたことでしょう。

しかし、こうして、少しグリーンのような淡いカラーが入っているだけで背景の花柄によくなじみ、柄を引き立てます。

キルトが主役ではない、あくまでもこの美しい小花柄なのだ、キルトは「機能である」という考え方に基づいた糸の色の選択です。

反対に、無地にキルトの色を際立たせる場合はまた話が変わりますが、こうしたマルチカラーなどの柄物は特に、その柄を主役にしたいことが多いです。

そうするとこういったオフカラー糸の出番が大いにあるということになります。

スパン糸30番のオフカラーはデニムの裏面にも相性が良い

再びこれらのオフカラー色のスパン糸の写真を見てみます。

左の3つは結構色が入っていますが、通常のブルー、黄色、グリーンと比べてはるかにカラーのトーンが薄く、中間的です。

ジーンズの裏面に使用しやすいのがオフカラー糸。

このジーンズの裏面を見てみます。

ここに馴染む色は、見たところ、左から3番目のブルーから3コーンの並びです。

実際に合わせてみるとこの3コーンはどの色も相性があるようでなじみました。

過去に製作してきたハンドメイドバッグでは、裏面にも糸の色をなじませることもあり、オフカラーの糸の出番がありました。

デニムの裏面に合わせるカラー:この3つならどれでも合いますが、
ジーンズの裏面の色もそれぞれの生地によってピッタリな色が変わってきます。

あとがき

別の生地でもご紹介したことがあったのですが、今回のキルトをかけたようなマルチカラーの柄では、白とは真逆の真っ黒も同じことが言えます。

とりあえず、黒を持っておけば使えると思いがちですが、実際に真っ黒を使うことはこういったマルチカラーではほとんどありません。

マルチカラーは中間色の集まりであることの美しさも特徴ですので、黒を選んでしまうと黒が勝ってしまい、柄をつぶします。

そうすると、より柄が生き生きと引き立つようにするには、糸のカラーの強さを緩和するべき、グレーなどの方向へトーンを下げることで柄に馴染み、美しく仕上がることを過去に研究済みです。

同じ作業をするなら、高級感ある美しいもへと、その可能性を最大限に発揮したいものです。

そうすると、糸のカラー1つでもこうした微妙な色の違いがせっかく存在しているわけですので、どの糸よりもこれが一番であるという渾身の糸のカラーのチョイスが可能なのです。

そうして選んだ魂を込めたような選択がなされたハンドメイドバッグがどんなものに出来上がるのかは、想像がつきますね。

こういうことの積み重ねの集まりが1つの素晴らしいお品になるのだということです(^-^)。