<経理>買掛金、未払金は消込必須、常に残高があるからこそ迷宮入りしがちな間違いを防ぐための完璧な確認方法【1254】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

以前14年程会社の経理部門で働かせていただいたことがあります。

この長い間、決して、第一線で活躍した敏腕経理と呼べる存在ではありませんでしたが、簿記の世界観を背景にきちんとした答えがちゃんと出ることの数字の確かさを学びました。

簿記は矛盾などがあったりごまかしがあるとちゃんと最終的には暴けるものであるという結論に至っています。

ということで、実直にひたすら記録してゆけばよいというのが、個人事業主では実践していることです。

会社だといろんな工夫をしないと歯車が回らない難しさがあることも少し分かります。

ということで、個人事業主様向けになりますが、この先会計ソフトさえ契約してお世話になれば経理は自分でやって行けると思っています。

ただ一方でデジタルの保存が義務付けられ始めた2022年以降はデジタルであるがゆえにいろんな作業も増えそこそこ時間がかかることも実感しています。

とにかくこの経理分部をゆくゆくは経理担当者にお任せし、自身は事業活動に専念するという分担もかなり効果的であるかもしれません。

それにしても、最も大切なことは、自身が経理を知っていなければならないということになります。

ということで、今回実際に会社の経理部としてもこの場面に多く遭遇するという元帳の残高を確認するやり方を未払金の元帳を例にご紹介したいと思います。

買掛金も同じことですし、とにかく、〇〇金と呼ばれる科目は、仮のツール科目であるためにいずれ取消の仕訳が起こり消えてゆきます。

それが「消込:けしこみ」です。

それでも残った、取消の仕訳がまだ起こっていない計上の合計が「残高」と一致するのです。

月末の計上がすべて終了した後にする「消込:けしこみ」作業とは

当たり障りがない範囲で、未払金の実際の元帳を写真に写してご紹介します。

その方が具体的かなと思いました。

会社だと自社の元帳をこんな風に投稿するなんて「タブー」です。

個人事業主だからこそできることです(^_^;)。

先月(2月分:2/1-2/28)の「未払金」の元帳一部抜粋
:当月(3月分:3/1-3/31)の消込では、前月の残も関係してきます。

未払金は買掛金と同じで「購入」という行動が伴いますので、クレジットの支払いの明細の中の科目は、発生時に「仕入-買掛金」という仕訳で計上したものか、もしくは、「消耗品費-未払金」で計上したものかのいずれかが多いです。

消耗品費の部分はそれぞれ科目が独自のものになることもありますが、相手科目は、「買掛金」か「未払金」です。

それをクレジットの引落日に、「買掛金-普通預金」や「未払金-普通預金」という仕訳で2度目の計上をするのです。

そうすることで、元帳では、前者の発生の方が右側(貸方)の位置に、後者の引落の方が左側(借方)の位置に掲載されるのが「元帳」です。

そうしますと、ピンクのマーカーですでに消し込み済の¥185の左側の2明細はクレジットの引落の時の計上なのです。

一方、¥395の2明細の右側は、翌月のクレジットの引落、つまり今回でいうと3/27の引落の時に、左側の明細とコンビになった(ここではそのコンビが映っていませんが)のでマーカーで消し込みをした状態です。

そうしますと、シャープペンで〇を打った¥490は、今月の3/末時点では、「残高」になった分です。

残高という言葉はややイメージしにくいかもしれませんが、クレジットカードの引き落としは、その次の4/27の予定のもので、発生の計上がしてあるのみの状態なので、コンビがまだ現れず残っているのです。

このページは、すべての明細が残高のみです。

残高確認の最もスピーディーなやり方-「一番右の残高の末尾-最初の明細の1つ前の残高」という公式

さて、この写真のように、残高を確認していく場合に、これらを合算した金額と末尾の最終の3/31の残高の金額の一致で確認ができたことになります。

その場合に、この〇を1つ1つ足すということもできますが、項目が結構多いです。

そうした場合にスピーディーなやり方があります。

一番右の残高である大きな金額のしっぽから頭を引けばよいです。

数字にスポットを当ててみますね。

最後の明細の¥714の隣の残高は、¥82,066です。この¥82,066をまず計算機に置きます。
次に、このページの一番上の明細を見ます。¥500が一番最初に登場した明細ですが、その隣ではなく、その1つ前の斜め右上の残高である¥46,934を先ほどの¥82,066からマイナスするのです。

そうしますと、¥82,066-¥46,934=¥35,132です。

¥35,132という数字は、このたくさんの〇を計算機で一生懸命足した金額に一致します。

この法則が分かっていれば、末尾-頭の明細の斜め右上(1つ前の残高)という式でジャンプしてスピーディーな計算ができます。

計算機もたたけばたたくほど間違いのリスクも増えますので、最小限で良いのです。

途中に消込項目がある場合の残高の計算はどうなるのか

途中に消し込み項目がある場合の計算
:ピンクのマーカー分は消込されているので、残高からは「除外」せねばなりません。

そうしますと、上の3つだけは、さっさとそのまま3つをまともに足して、残りの8明細は、「末尾-一番上の明細の1つ前の残高」に従い一番早い方法で計算できますね。

月末の残高の金額の値と〇の合計金額が一致しない場合の原因

とにかく、細かい明細の合算金額と、元帳の一番最後の残高がぴったり一致が「消込が正しい」ということになります。

これが一致しない場合の原因は、「買掛金」と「未払金」の科目をどこかで間違えていることがほとんど。

発生時に買掛金で計上したなら、クレジットの引落日の取消計上も「買掛金」であるべきです。

これが「未払金」と間違えることで、「買掛金」、「未払金」両方の元帳の残高が同じ金額分狂います。

あとがき

会社様の場合、消込さえもマッチング機能で打ち消すということがソフトの機能として導入されていることもあるみたいです。

お取引が莫大な数の大手様の会社専用の経理ソフトの様子になりますね。

ただ、その消し込みも金額と摘要欄の文言の定形のルールがないと間違って消し込まれてしまうこともあるかと。

とりあえず、規模の小さな私みたいな事業者などはこうして消し込みに関しては紙ベースが分かりやすいというのが今の現状です。

デジタルの時代に何か違和感があるかと思いますが、消込はただのチェック作業であり、会計上の必須の決め事ではないためにこうしていつまでもデジタル化にならずに残ってしまっていると思います。

ただ、紙ベースでその基礎的なことを理解していると急にデジタル化が可能になったとしてもスムーズだということで、こうした古典的な作業も決して無意味ではありません(^-^)。