「完全オリジナル」の解釈を間違えてはいけない、身近でありながら芸術品級のデザインの「レジ袋」の例で「完全」の意味をひも解く【1278】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグを製作し、その手法やコツを解説してハンドメイド文化が広まることを目指す活動として、ネットでSNSやホームページのブログで発信しています。

その日に作った実際の製作物をそのままYOUTUBEでご紹介するところからのスタートで、同じ番号の投稿を、翌日ブログ、その後インスタグラムと連動するやり方をある時点からスタートしました。

このやり方は今でも続いていまして、ルーティーンとなって当たり前の日常の活動の1つです。

とても大切な活動だと思っておりまして、それは、一気にできる活動ではなく、毎日コツコツとしたものになりますので、後からなかなか巻き返すことが難しいのです。

そうすると、長い目で見た目標を少しずつ歩んでいくことの大切さは1つ人生においてあるのかもしれません。

今回は、ハンドメイドバッグであっても、その他のハンドメイド作品であっても関わることで、デザインの特異性が関係することです。

よく、「これ、うちのオリジナルなんですよ」という会話が聞かれますが、実際の「完全オリジナル」という言葉をこのたび掘り下げてみました。

もしかして、オリジナルという言葉の一人歩きで、オリジナルと思っていたつもりがそうではなかったという勘違いにならないよう、ここで一度深堀りをしてみたのです。

商売上、オリジナルという言葉を使うことはよくあるデザインなんですというよりも特異性が感じられお客様を引き付けることができるので魅力的な言葉です。

ただ、それは本当の完全オリジナルの意味を分かった上でのこと。

私が心配なのは、「勘違い」です。

それは早いうちに修正したり把握したりした方が良いと思うので、この度の投稿は重要です。

多くの自身で製造ということをされる方や場合によっては会社様であることもあると思いますが、この記事に対して何らかの共有とそもそもこの内容が何らかの形でお届けできれば良いなあと思っています。

レジ袋は身近なアイテム、しかしあの袋自体もある会社が最初に考案した芸術的な著作権を持つデザインであること

スーパーのレジ袋:かつて八百屋さんでのお買い物はおばあちゃんがかごを持っていました。
昭和のどこかの時点でレジ袋が主流になってきたのです。

こういったプラスチック系の素材の袋というのは、間違いなく戦後ですし、それほど昔でもない昭和のどこかで生み出されたものです。

「レジ袋 起源」でググると、ちゃんと最初にレジ袋を製造したメーカー様のお名前が「ウィキ」などで登場。

ということは、間違いなく著作権はこのレジ袋のデザインに存在します。

よく広まった身近なものだからそんな著作権などあるはずはないと、実は私も以前は思っていたのですが、理論から言うと、最初に作ったメーカー様がしっかり分かっている時点で著作権が存在するのです。

果物の「梨」を入れたところからのスタートだったとのことです。

実際にそのメーカー様がこのデザインの著作権を主張され、特許庁に商標権も申請してあるものかどうかはそのメーカー様の意向なのでお聞きしないと分かりません。

しかし、このデザインが発明品に相当するような画期的なお品であることはそのレジ袋のこれまでの広がりと歴史から見れば誰もが認めることではないでしょうか。

私も、ハンドメイドでレジ袋有料化が迫る2020年7月の直前に生地を使って自作してみました。

その時に、実際のスーパーのレジ袋を生地に当てて写し取って型紙を作りましたので、間違いなく、私が考えたデザインではありません。

このレジ袋の構造はかなり物理的な特質を活かしたなかなか複雑な構造だと思っています。

私が一から自分の頭の中で、このビニール袋と同じデザインが浮かんだかというと、全く「ノー」です。

その自身の写し取りの証拠から、私の作ったハンドメイドのレジ袋は完全オリジナルではないと導けます。

ということで、完全オリジナルということはそういうものなのです。

デザイン性に富んだ見たことがないような芸術品級のお品は完全オリジナルが実現できる

さて、レジ袋は身近なものであったけど実はなかなか簡単に考え付くデザインではない芸術品級のデザインなのだ、だから最初のメーカーさんの完全オリジナル品なのだというのが私の考え方でした。

自身のお品が完全オリジナルになるには、誰かが真似しても、いやいやあの人のを真似したでしょうと証明できるほどの特異なデザインでないと認められないと思います。

そうすると、よくあるようなデザインでは、著作権を持つ側でさえも、完全オリジナルであるとの主張は最終的には難しく、認められないことになりそうです。

このことは、完全オリジナル作品というのがいかに難しく、商業には適していないというところへも導けます。

やはり芸術品級の特異なデザインでは、使い勝手が悪かったり余計なパーツが使う上では有効的ではなくて「商品」にはならないことが多いのではないでしょうか。

ここで、「芸術品」と「商品」の違いが浮き彫りになります。

ハンドメイドで製作するにしても、「芸術品」を目指していくのか、たくさんの人に受け入れられて利用されるような「商品」らしいものに作るのかということです。

この選択によって自身のハンドメイド活動の方向性が決まります。

あとがき

ビニール袋のデザインについて、もう少し。。

ビニール袋からは写しとったけど、サイズを変えたり、真ん中の結びひもを取っ払ったデザインだと独自のアレンジではないかと思われるかと思います。

しかし、それは、あくまでアレンジ。

元の構造そのものの、マチを内側に折り曲げて、たたんでいる時はコンパクトなのに、中に物を入れると広がるような構造というところにこそ、このレジ袋の特性があります。

あとは、取っ手が本体と一繋ぎになっている点も、他のバッグとの差別化がある点で、この発想というのが他に何かにあったかというと、もしかして、これが最初なのかもしれません。

やはり、果物を入れるために一繋ぎで取っ手もあることの便利さと製造工程の無駄の無さを工夫した最初のメーカーさんにそのアイデアがあると思います。

かなり私の意見も織り交ぜましたので、本当の著作権の行使などは元のメーカー様にその権利がありますので、そこは分かりません。

けれど、このたびは、「完全オリジナルとは」ということがテーマです。

物がたくさん溢れた時代には、多くが模倣品であることと思います。

しかし、今後物を大切にし1つのアイテムを長く使っていく文化が育っていくとすると、購入する際に価値を感じるのはどんなお品なのだろうということのヒントがここにあります。

製造する側も模倣品だらけで本当に今後受け入れられるのかということを考えるうえで、同じくヒントになります。

ある1つのあこがれと真似デザインの廃止、発案者しかできない正しい改良があることの学びと今後の決意【334】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ最近壁となっていますカーブ型のバッグの正しいフォルムがなかなかつかめません。

このたびは、最後の型紙として、改良した試作品を作っていきます。

これまでいくつか変更した型紙ではどれもラインが違い、イメージのものではありませんでした。

というのも、そもそもカーブ型のバッグはハイブランド様にあこがれて作ったからです。

言い換えれば「真似」となります。

真似も全くのピッタリ以外は、その追従を許さないほどのものがブランディングが完全に確立されたハイブランド様のデザインにあることを身に染みて感じました。

この度の試作を最後に、この「あこがれ」だけで始まったデザインを廃止することに決めました。

そして、ちゃんと自身の発案の型紙に1か所ずつ丁寧にその「哲学」が入るような、たとえシンプルであっても「優れた品物」と言い切れるようなバッグを目指していく決意を致しました。

型紙と現物とのギャップが大きい理由、平面で出来上がりをイメージしにくいから

先回の【333】の記事からの続きとなります。

【333】では「おにぎり」デザインのバッグの底とサイドのラインがうまく沿うようにと考えたはずの型紙がてんで間違っており、この度の型紙に改めました。

「変な斜めの突き出した線は、型紙の線が斜めだからであり、まっすぐな直線に改めてはどうか」というこのたびの考え方の見直しです。

考え直した型紙:特徴は、サイドのラインが上からまっすぐ降りてくるストレートライン。

意外と分かりやすい型紙に戻りました。

本来、ここからスタートするべきだったのではないかと、ただの「あこがれ」で型紙に角度を適当に付けてスタートしてしまったことを反省。

ストレートラインは、立体的に出来上がった時にどうなるのかが見やすいです。

初期の型紙で斜めの角度を適当に決めてしまうと、その後どちらの方向へ調整したらよいのかの方向が分かりにくいからです。

実際のフォルム:型紙ではストレートな両サイドラインが内側に反りました。この発見は重要です。
正面から見ると、こんな風に内側にへこんだ出来上がりになってしまいました。

ここから何が言えるのかというと、ストレートラインで内側へへこんだのだから、調整するとすれば、ストレートから角度を「ハの字」へ広げるということです。

そうすると、一番最初の型紙である、角度が付いた型紙もあながち間違いではないということです。

ただ、これを最初にやっておくべきだったことは、自身のステップの悪さであり、階段を何段も飛び越えてゴールに到達しようとしてしまったことがいけなかったのです。

カーブ型のバッグのデザインはここで廃止、一から自身が素直に思い浮かんだアイデアを改良したものとしてスタートする決意

さて、こんな信じられない結果となった製作でしたが、デザインと実物のギャップに大きな学びが得られました。

なんとなくのものでは、不完全さが簡単に見抜かれてしまうものです。

「おにぎり」という名前を付けるのが早かったかもしれません。

けれども、実は、おにぎりの形にふさわしいような1点、新しいデザインが用意してあります。

結果おにぎりみたいな形になっている台形を丸くしたようなものなのですが、こちらの試作を後日作ってみたいと思います。

あとがき

試作となれば、他の関係ない部分を省略したりして短い時間で必要な見たい部分のみを作ることも可能。

今回使用した生地は、綿/100%のマスタード色の迷彩柄のジャガードのような柄です。

結構丈夫くて中肉で使いやすい生地、日本製です。

これが黒だともう少し貴重になりますが、カラシ色はあまり受けないようで、このたび試作に使いました。

出番のない長期的にストックしている生地を研究のための試作品、もしくは試作パーツとして利用することも後に大きな成果につながると考えると無駄な使い方では決してないかと(^-^)。