「裁断」があるからこそ素敵なフォルムが出来るがゆえ生まれる「切れ端」、小さくても上質なポーチを作ることは決して譲らない【1421】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2022年から始めた過去の生地ストックの整理活動。

長い年月をかけましたが、その後のインテリアカバーの製作の担当の2023年で新しい生地が増え、波のうねりのように消化していきました。

一度2024年でのまとめとして、はぎれを使ったミニポーチを日常使いに相応しいサイズ感を一番に重視しながら型紙を6種作りました。

そして、6種類の三つ折りポーチの裁断まで行いました。

このたびは、1点のみ完成した通帳サイズのポーチをご覧いただきながら、このサイズ展開の意味やはぎれを使った製作に対しての考え方を綴りたいと思います。

可能な限りを尽くした生地の使い切り、それでもチェックの柄を合わせ全6種類の日常的なアイテムケースとして使える作りの良い三つ折りポーチ

上は種類のポーチ用の型紙、下は型紙通りにはぎれを裁断した状態。
6種類の型紙と裁断:サイズ感を重視して、イメージしやすい入れ物の対象物を表現しました。一番上はキャップ。
型紙x6種:①通帳②スマホ③ファンデ④コンタクト容器⑤シャドウ⑥キャップです。だんだん小さくなります。
型紙シール:材料の必要量をシールで型紙に記しています。
一番上に見えているのは、①通帳の生地の裏面です。ジャガードは両面使用できることで全1点物が可能。

作り方は、中表に2枚を合わせて、Uの字を縫い、ひっくり返し、口を閉じて三つ折りにして固定ステッチで完成です。

①三つ折りポーチ(通帳サイズ):縦12cmx横18cmxマチ無し。通帳の為にあるようなサイズ感。

もしかして、ユーザー様は通帳を入れないかもしれない、それでも「通帳サイズなのだ」とお知らせすることにサイズ感の的確な伝達の意味があります。

チェックの柄合わせ:特にチェック・ストライプ・ボーダーに関しては、柄の「ずれ」は「価値の無さ」です。

これは⑥キャップという一番小さなパーツですが、こちらだけは同じ2枚を中表にしますので(裏地が無いタイプ)、その他の①-⑤と違う構造です。

よって、特に前後の柄がぴったり合うように裁断します。

それが可能であるのは、パーツが小さいからであり、柄が合わないものは裁断せずに廃棄の方の選択を取ります。

ここで大切なのは、生地をすべて残すことなく使い切ることよりも、むしろ良質な品物を作ることに重点を置くということ。

小さな小物をいい加減に考えて、前者の考え方をしてしまうことは間違い。

もっと製造するその労力を大切にしなければなりません。

せっかく作るために時間を割き集中するという苦労は最も労うべき部分であり、それこそが「サスティナブル」だと言えるのではないでしょうか。

「薄利多売」の手を抜いた製造がいかに変な方向・道を歩んでいるのかを考え直すきっかけになればと思います。

あとがき

品物を製造するということには責任があると思うのです。

良質ではないと分かっていながらご提供するなど本来あり得ないことなのです。

製造する者が「価値」を入れ込まないで、ユーザー様が果たして価値を共有し受け止めてくれるのか。。先に「give」を能動的にしていくべきなのです。

結局は、良質な物を追求する姿勢が、後になって製造者本人も幸せになる「良き循環」があるのではないかと思っています(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

使用頻度の多いエコバッグのベルトだからこそコスパ良く大格子を裁断したい、されど良質な品物を作りたいからこその柄合わせ方法【1404】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在、「切餅:きりもち」という名前のエコバッグ型のノウハウをコンテンツに制作中。

字幕を入れ1つずつの作業を細かくチェックしながら進めているところです。

その作業の中で、「あっ!」と思ったことがありまして、おそらく寸法の計算間違いをしているのではないかということです。

大変、こんなことをコンテンツにまとめてしまっては決してならない。。と試作に入っています。

場所はマチの部分なのですが、おそらく1cmくらい間違えているのです。

裏地付きは縫い代1.5cm統一でここが正方形で問題なし。一重仕立てはサイドが三つ折りで長方形になるのです。

細かいご説明はここでは省略致しますが、三つ折りであるサイドの縫い代は、底の1.5cmの縫い代にラッピングをする仕様と違いますので、マチの部分の型紙は正方形にならないのです。

そのことは分かっていましたので、横辺を10cm、縦辺を9cmとしていたのですが、横辺は1cmずつの三つ折りをするにしても10-1-1=8からさらにステッチの位置が内側に入るのでマチはさらに1cm程マイナスになった7cmくらいにならないか。。というもの。

底の縫い代はそのままをラッピングするだけなので割りと分かりやすく、9-1.5=7.5cmと大まかに割り出しました。

なかなか縦と横が縫い代が違うせいで分かりにくくなっているのです。

いかに裏地付きの縫い代統一のやり方が何も考えなくてよいかという融通に今更ながら驚いています。

。。ということで、このたびは、まだ定まってはいないのですが、厚みある生地でも可能な1.25cmずつの三つ折りをサイドにすることで、型紙を縦9cm横11cmという2cmの差をつけてやってみるのです。

そんな背景の中で、このたびはコントラストの効いた支柱ベルトを大格子柄で作っていきました。

ポイントとなる部分は「柄合わせを加味した裁断」にあります。

大格子も原反で見ても柄のピッチが分からないほどの大柄。

エコバッグにベルトとして使う大格子の柄合わせのほどほどなコスパも重視したやり方をご紹介したいと思います。

チェックは縦も横もそろえることが本来のぴったりではあるが。。段のずれだけを解消した「ほどほど」の柄合わせ

<使用生地>特大格子、綿/100%、日本製。一番面積の広い取っ手パーツから裁断。30cmのみの調達です。

生地巾は110cmですので、一般的なシングルタイプ。

30cmは本当に最低限です。

取っ手パーツ(2枚):一見対象のように見えますがよく見ると対称ではないのです。ボーダー状にそろえます。
支柱パーツ(4枚):4枚ともなるとピッタリは難しいですが、横段は段差ができないようにしっかり固定。
ラッピングパーツ(底1枚/マチ2枚):内部の目立たない部分なので表には強すぎるカラーの出方の部分を選択。

表地側で使うにはパンチがあり過ぎる強い色の集まりですので、内部に隠して使いますが偶然にも左右があるラッピングは同じ場所で対称に取れました。

ハギ目カバー(4枚):小さいパーツこそまんべんなく色が配置する方が自然であると判断。ペアを作った上下。
実際に支柱が完成。左右が対称というのは、この2本を比べていてはいけません。配置が対称という意味です。
実際はこうして並ぶ左右における柄の段差が解消されているところが重要。後ろ面の片方は仲間外れの柄の出方。

あとがき

申し訳ないのが、YouTube動画内ではこの実際の配置のシミュレーションができていませんでした。

勘違いして、2本が対称になっているようなお伝えの仕方(最後の方)でごめんなさい<m(__)m>。

ただ、持ち手の重なる部分は、対象であることが目に映り易く、それも重要ではあったのです。

この続きは完成をもってバッグの形で後日の記事でお伝えできると思います。

ちなみに、通常なら、底ベルトも大格子で設置するところなのですが、30cmはやはりぎりぎり過ぎました、底ベルトのみ共布のリップクロスで同色で縫い付けたのでした。

底の部分なのであまり分からないところですが、このことも、全部配色生地の大格子で設置した方が美しかったのかどうかも出来上がりで検討していきたいと思います。

生地の調達は難しいです、多すぎてもはぎれができてしまいコスパが悪く、少なすぎても不足の事態もあるということ。

特にベルトのような長いパーツは、もし選択が可能であれば幅広の140cmなどがもっとコスパが良くなると思います(^-^)。

クッションカバーと同じ構造、遠出にも持参できるミニ寝布団をおしゃれに包み込むダマスク柄カバーの作り方【1395】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

「ダマスク柄」は、日本製の伝統生地でいうところの「小紋柄」と同じタイプの柄です。

柄のモチーフがエタニティーに繰り返されます。

生地幅や反の終わりに柄がやっと区切られるという配置です。

良質な生地では、「ダマスク柄」の縦横共に正確な配置を利用し、ものさし要らずの裁断が可能。

実際に製作するにあたって、大きな布団カバーなどにはとても有難い柄なのです。

実は、このたび利用させていただきました「STOF:ストフ」社様の生地はメインには、「こたつカバー」を作りました。

購入生地屋様は、「大塚屋」様です。

その残りを有効活用するためにその他のカバーに利用を考案。

本来順番が「こたつカバー」が先ですが、季節もずれてしまっておりますので、先にお昼寝用にも利用できそうな「ミニ寝布団カバー」のご紹介をさせていただきます。

「こたつカバー」は非常に大きくファスナーの設置もありハギ目もありますので、やや仕様が複雑。

それに比べて、生地だけで作れるこの度の「ミニ寝布団カバー」は、大人・子供・動物に及ぶまでユーザーのポテンシャルも幅広いので是非ご一読どうぞ(^-^)。

2枚の段差を中表に縫い合わせる入れ口が比翼タイプの「ミニ寝布団カバー」のとても簡単な製作手順

まず、大まかにシミュレーションです。

生地に差が付いた2枚を用意:ダマスク柄の同じヶ所を底部分で合わせ美しい柄の重なりに仕立てます。

最初にやることは、2枚共上辺を9mmの伸び止めテープ(平)を貼り、その巾で三つ折りステッチです。

中表に長い方を20cm折り下側に。短い方は上です。ひっくり返し後の重なりは逆転し正しくなります。

待ち針でまずは、長い方の20cm折った箇所だけ固定しておいて、次に短い方を重ねて更に待ち針りするのが正確です。

トップの「わ」以外をコの字型に縫い代から5-7mmを一周ステッチ。
中表の時の5-7mmのステッチのイメージ:上側が底に当たります。角はちゃんと5-7mmをキープしながら。
コの字に縫い終わった次にすることは、角を3/4程度の切込みを斜めに入れること。

この切込みの意味は、この後のひっくり返しの時の角の出方が出来るだけ尖るように邪魔な縫い代の融通を利かせるためです。

先程の5-7mmのコの字ステッチ線に沿ってアイロンで折り目を付け、ひっくり返します。

ここでさらにアイロンで整え、端から2本のステッチをそれぞれコの字型に入れていきます。

この2本のステッチでもって内側の先ほどの5-7mmの縫い代が完全にカバーされます。

いわゆる「袋縫い」です。

2列のステッチを入れた状態:端っこがペタンとなった様子が遠目ながらうかがえます。
二本ステッチの出来上がり:1本ずつかけますが、最初に端から2mm程度、次に間3-4mm程度空けた箇所へ。

いかに幅を統一するかは技術であり、美しさのために追求する箇所だと思います。

角の部分もステッチが並行になっていることを追求することが良質さへの歩み寄りとなります。
最初に20cmの重なりを見た大小の差がここに表れます。長い方を先に折って下にしたことで表では上に。

実は、一度失敗していまして、先に短い方を下にしていた中表のまま途中までやっていました(^_^;)。

結構間違えがちなので、この点はご注意を。

完成(裏面):縦130cmx横65cm。
表面:適度なゆとりのあるカバーです。ものさしをほとんど使わずこのダマスク柄だけを頼りに作れます。

あとがき

このたびのような、20cmの重なりは、正方形でも同じ20cmで製作しますので、定番の数字として引用いただけます。

この構造を利用しますと、いろんなことに応用ができると思います。

例えば、ポケットもそうです。

比翼付きはこぼれにくくセキュリティー性が高まります。

ファスナーやマジックテープの留め具が無い場合にはこうした利用の仕方を小物製作でも可能ということです。

ティッシュケースが良い例でこの構造と同じだということに気づかれると思います。

ティッシュケースは重なりはさすがに20cmとはいきませんのが、ティッシュケースのようなわずかな重なり部分も寸法を変えることでポテンシャルが高まります(^-^)。

貼り付けポケットは柄合わせした方が良い、隠しポケットの比翼は柄合わせしなくても問題ない、目に映る美しさと整いを意識した必要手間【867】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在3種類の生地をそれぞれのパートで使い分け、「餅巾着」というリュックを製作中です。

このたびは、内蔵巾着袋が完成した様子、そして、裏地のポケット2種類の取り付けの際に柄合わせをどこまでしたのかということをお伝えしてまいります。

特に、ポケットの柄合わせに関しては、この度のネイティブ柄は大きく見ると「ボーダー状」という配置。

効率良く生地を使うためには、必要な部分のみ合わせていくという判断をポイントにしています。

無地の巾着袋には、コントラストの効いた柄を巾着ひもに選ぶと素敵になる

ポケットの柄合わせの前に、その柄と同じ生地を内蔵巾着袋の巾着ひもにも設置した素敵さをご紹介させていただきます↓。

二重仕立ての裏地付き巾着袋:内側に縫い付けはマチの部分で行いますので、縫い代のままのマチ。ひもが素敵。

巾着ひもは、裏地と同じ素材ですので、コントラストが効いた巾着袋が内部に設置されますが、それでもすっきりとおしゃれに仕上げることができます。

ひもの向き:ひも通しもひもがよじれないように統一の向きで通します。「わ」を上向きに「はぎ」を下向きに。

ひもの上下の向きが整う通し方などはまた別の記事で詳しくポイントとして解説したいと思います。

では、次に、このたびのポイントのポケットの柄合わせについて綴っていきます。

貼り付けタイプのポケット「フラップポケット」はボーダー状に柄を縦向きに合わせた

貼り付けポケットの柄合わせ:ポケットの縁をご覧いただくと柄がボーダー状の向きに合わせてあります。

ポケットの袋の部分も、フラップも柄の位置が良い具合にそろうように、裁断時にある程度柄の場所を指定して裁断します。

縫い代が1.5cm内側に消えることも見越し、出来上がりの位置がどうなるかと見積もります。

このポケットは、ポケットの入り口の縫い代が内側に始末された出来上がり線が上から13cmと決めています。

上から13cmの本体の柄をまず見てその位置より縫い代の1.5cm分まで含めた部分を切り取り裁断します。

フラップの縫い付け位置に関しては、ポケットの袋部分の入り口の線より2cm程空けた上の位置に出来上がり線を持ってくる仕様。

その位置から縫い代の1.5cmをプラスした分も含んだ部分を切り取り裁断というように見積もります。

それほど難しくはないことです。

ミリ単位で正確にと時間をかけて考えるよりも、少しのずれは、縫い付けの位置を調整すればよいので、こういったボーダータイプの柄は比較的やりやすいです。

難しい柄というのが、複雑な色がマルチカラーになったようなタータンチェックです。

そして、細かい柄であることが幸いして、ストライプ状の柄合わせはそれほど意識する必要は無く、ボーダー状だけしっかり合わせれば良いと思っております。

この条件は、柄の種類によって、また、柄の大きさによっても変わってくると思いますので、特に「大柄」は覚悟が必要ということになります。

切り込んで枠に比翼を当てはめる「隠しポケット」は柄合わせの必要は無い

隠しポケットの比翼の柄:むしろ一切何も考えずに違う柄が来るということで良いのではないでしょうか。

隠しポケットは、もともと1枚仕立てを切り込み、枠をくり抜くだけなので柄はつながったままです。

ただ、次の段階で別で裁断の比翼布を枠に当てはめる時の柄の繋がりだけ検討するわけですが、くり抜いた部分と同じ柄を比翼に該当させる必要は無いと判断。

確かに完全になじみますが、この度のように全く違う柄であったことがかえってマークになりデザイン性が生まれるかもしれないのです。

必要が無い箇所には労力は使う必要が無いという判断のもと、こうした考え方を採用したのでした。

あとがき

意外なのですが、とろみ生地の裏地のこのネイティブ柄、芯貼りの時などは形がずれやすくて緊張感のあるものでしたが、ポケット作りなどの時にはとても作りやすかったです。

このガサっとした風合いのせいでしょうか。すべりにくいのです。

こうしていろんな素材の性質もよく分かり、とても有意義です。

固定観念で難しそうな生地だと思って手を付けなかったものが意外と作りやすかったり、素敵に仕上がったりするのかもしれません。

かっこよくなる可能性がある雰囲気の生地を見つけたら、たとえそれがやや扱いにくい生地に思えても、予想外の良い結果になる可能性がある「挑戦」をお勧めをしたいと思います(^-^)。

マチ付き四角バッグの3種類のチェック柄のサイドの柄合わせ、最低限の段差(ボーダー向き)の解消のみで十分【80】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ハンドメイドバッグ製作をその着目点ごとに括るシリーズ企画を続行中、<〇〇シリーズ>とまとめることで、その製作の目的や深みをお伝えしやすくしました。

このたびは<チェックシリーズ>という3種の違った形のチェック柄を同時進行で仕上げ、ミニサイズのショルダーバッグが完成。

一度で完結するもの、投稿を複数回に分けるものと分かれますが、このたびはこの1回で<チェックシリーズ>は完結です。

2枚ハギ合わせの四角いマチ付きバッグでは、前面と後ろ面が合体する部分のチェックの柄の出方に視線を集めるものです。

とはいえ、それほどのビッグチェックではないことで、しかも狭い面積のミニサイズを作るということですので、完全な縦横の柄合わせをする必要がないという具合をお伝えできればと思います。

ボーダー柄は前後面のハギ目は段差がそろうように、一方ストライプ柄はハギ目付近に柄が美しく左右に展開していくように。。と考えます。

ではチェックはどうなのかというと、本来は両方。

しかし、ストライプ柄の場合はあまり効果は劇的ではないということから、ボーダー柄の合わせ方の「段差の解消」という向きをチェックでも採用していきました。

<チェックシリーズ>3種類のチェック柄の箱型ショルダーバッグ、サイドのハギ目の柄が自然に映る最低限の柄合わせ

表地も裏地も同じ生地を共通に使用しましたので、3点作るための3種のみの生地の登場です。

箱型ミニショルダーバッグを製作するための3種の生地:どれも共通に「チェック柄」であるというシリーズ。
①手織りジョントン綿、綿/100%、タイ製。ジョントンは、タイの北部のジョムトン地方で織られる織物。
②起毛チェック、綿/100%、日本製。名前からの毛羽立ったイメージよりも実際ははるかになめらかです。
③先染チェック、綿/97%、ポリウレタン/3%、日本製。ネイビーよりもマイルドで感じの良いカラー。人気色。
裁断での柄合わせ:本体が重要。並べ方はチェックの柄の元の作り方をよく見て現実的な向きで並べ方を考案。
ギンガムチェックは上下左右共に対称の柄であることから比較的易しい柄合わせです。右下はポケット製作場面。
ポケットと背景の柄合わせ:ポケットの柄合わせが可能。難しい場合ポケットをバイヤス裁ちするという手段も。
入り口開閉はマジックテープにて(左上)。裏地を表地の中に入れて口を縫い閉じの場面(右下)。
取っ手付け:取っ手は観音開き折りで外枠一周をステッチ+真ん中にもう1本追加の3本。右下は取っ手設置後。

このたびは、紙袋型のようなボックスデザインに相性が良い片面ハトメを打ち込み、共布製の取っ手を通して作りました。

更に、対角線上にDカン+ショルダーも付きました。

四角バッグのサイドのハギ目の柄合わせ:3種とも横段のずれがありません。しかし、左右は対称ではないのです。

どうでしょう、段差さえ解消していれば、ハギ目の位置が分かりにくく左右が対称になっていなくても気になるものではありません。

つまり、チェックでありながら、ボーダーの柄合わせを引用すれば十分であると言えるのです。

段差のずれは、柄の本当の配置を知らなくても誰が見ても気になるものでありますが、横の柄同士の並びは柄の元の配置を知らなければそれほど気になるものではないのです。

3点同時完成のミニ四角ショルダーバッグ:<サイズ>縦17cmx横16cmxマチ10cm。

サイズを拡大したり変更したりすることで様々な可能性が生まれると思います。

あとがき

シリーズ企画1回目の<同素材シリーズ>と真逆のこのたびの<チェックシリーズ>は、デザインが全く同じなのに、同じチェックの柄でさえ別物になるのだという素敵さがお伝えできればと思いました。

チェック一括りにしてもここまでの違いが生まれるということをじっくり味わえます。

柄合わせをしながら美しく仕立てる工夫をすることで、新しい発見が得られるのです。

柄や素材のみに頼って適当な製作をすることは製作者自らのアウトプットが足りません。

最終的にはこの自らのアウトプットこそ、元の素材の素敵さを敬い活かした相乗効果になるというものです(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

細かなランダムボーダー生地、美しいA4横バッグに仕上げるための横の段差が起こらないような柄合わせ【56】

アイキャッチ画像56

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびは、王道の「A4横サブバッグ」の製作に入りました。

よく製作されているこのデザインを服地のラメ入りマルチボーダーで美しく作って行ければと挑戦致しました。

トートバッグはハギ目が複数のデザインですので、サイド・底・取っ手の「対象の柄のそろい」を裁断の時から意識していくことになります。

このたびは、まだ完成には至りませんが(次の【57】で完成)、柄合わせの実体験をリアルにお伝えできればと思います。

せっかくの素敵な柄生地、少しの手間を惜しむことなくその後の永遠の美しさを重視するというこの「考え方」にもご注目下さればと思います。

トートバッグの同じ位置の柄同士をぴたりと合わせる、縫い始める場所も工夫次第のランダムボーダーの柄合わせ

まずは、製作するA4横トートバッグの表地と裏地のご紹介です↓。

表地(グリーン系マルチ):シルク混マルチボーダー、綿/46%、ポリエステル/24%、絹/20%、麻/10%、日本製。裏地(ゴールド):クリスティーヌ、ポリエステル/60%、メタル/40%、日本製。
ランダムボーダーの裁断:一番太い濃グリーンのボーダーが等間隔で入ります。左は本体で右は取っ手。

そもそも裁断時から柄合わせは始まっています。

ボーダーの場合は縫い合わせた時に横の段差のずれを解消していくゴールに向かうのです。

各2枚ずつのパーツですが、互いに同じ位置に同じボーダーの線が出るように裁断しています。

1間隔はストライプやチェックの場合にも同じで、「ピッチ」と呼び、本体ではおよそ5ピッチ程で成り立っていると見ることができます。

遠目で見た方がピッチはつかみやすいです。

本体パーツx2枚の縫い合わせの準備:せっかく裁断で合わせていても縫い合わせでずれませぬよう。
ランダムボーダーに段差ができないコツ①:待ち針を柄を基準に打つということ。端っこを基準にしません。

無地の生地であれば、端っこから均等にぴったりくっつけますが、この場合は特別。

柄の同じ部分に待ち針で固定します。

そして、もう1つのポイントとしましては、②端から縫うのではなく、待ち針周辺の同じ柄の重なりからスタートすることも効果的です。

縫い合わせは二重縫いをしておりますので、途中の場所からスタートしても、最終的にはすべての辺が二重縫いになるように。

左右の両サイドの出来上がり:左側がわずかにずれている様子。右側はおおむね合格です。

簡単ではないのが、待ち針で固定して対策しても1mm程ずれることがあるということ、それもずれたということには変わりありません。

徹底的なまでに待ち針を細かく打つということも、この場合は必要なのではないでしょうか。

あとがき

ストライプの場合を考えてみますと、ボーダーの時の両サイドにおいては、ボーダーよりも目立ちにくいです。

ただ、このたびあまり気にしなかった底のハギ目は、ストライプでは縦に線が1本に繋がるようにするのが美しいのです。

やはり難しいのはチェックです。

ボーダーとストライプの混合と考えると縦も横も柄合わせが必要だからです。

よって、難易度順には、チェック>ボーダー>ストライプということになります。

ただ、チェックでも「ある程度」という合わせ方として後のブログ記事にも投稿させていただいておりまして、このたびのボーダーのような段差の方のみを合わせるという中間をとることも。。

そう考えますと、まずはボーダーで体験していくのが良いと考えます。

とにかく後に美しい堂々たるバッグとして残せるよう、今ここで苦労をいとわないという姿勢も同時に説いていきたいと思ったのです(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク