今後製作のバッグの表地と裏地の組み合わせの考え直し、エレガント同士・カジュアル同士で着地した「心地」【1436】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

当番号から少し前の【1432】からおよそ1か月弱の間、更に生地を追加調達する日々の中で別の考え方に行き着きました。

【1432】では、デニム生地を表地にした場合に、裏地に服地を組み合わせることもしていました。

その後「ミックス」に対して心に大きく引っ掛かりが生まれまして「ごちゃ混ぜ」と感じるようになってしまったのです。

そして、行き着いた組み合わせが、「エレガント」「カジュアル」を真っ二つにはっきりと分けてしまうことでした。

ミックスが良いという考え方もあると思いますが、随分ちぐはぐさを感じてきた「心地悪さ」をしっかりと受け止め、「心地良さ」へ向かおうと。

当記事内ではそれぞれのラインから代表的な数セットのみをピックアップしまして、この「心境の変化」があったことを軸に綴ってまいります。

バッグ素材の生地コーデのその後の心境の変化による組み合わせ替え、エレガント同士・カジュアル同士に行き着く

カジュアルテイスト、エレガントテイストという違いをそれぞれ色濃くしていくことにしました。

ただ、全体としては、いずれもエレガントに寄せていくという特徴こそが本当の姿。

どこまでがカジュアルでどこまでがエレガントなど、それぞれの価値観です。

ピクチャレスクとしては、すべてをエレガントな方向へ持っていきたいというたった1つの目標を持ちました。

2つのテイストにはっきりと分けたことが、かえって全体でのエレガント志向を際立たせると判断したのです。

ナップサック「餅巾着」の本体パーツ(横長)は黄色の包みに三つ折りにふんわり畳んで重ねてストック。

その他のパーツの底面やタブやショルダーなどは黒の方にまとめています。

接着芯貼りが完了し裁断が完了した本体パーツで見ていきます↓。

こんな風にふんわりと畳んでいます。ある程度の分量で括りを2段目に分けていかないと皺が寄りますので注意。
カジュアルなテイスト同士の組み合わせ。違和感の無いすっきりとした相性。デニムや綿/100%はここに集結。

ツイード以外はほとんど表地は無地、ユーザー様としてはおそらく柄物が表地ではクセが強すぎで使用の出番を失うのではないかと、これまでのバッグ製作+販売で手応えとして感じています。

ただ、時々抽象的な柄が表地でも良い場合や、厚手でどうしても表地でなければ成り立たない場合のみ柄が表地になります。

エレガントなテイスト同士の組み合わせ:主に高級服地に特化。(一番下の真ん中の黒は裏面の芯地ですので)。

以前はここにデニムをミックスしていましたが、このたび考え方を大きく改め、カジュアルとエレガント別物にすることにしました。

不思議と、そうすることでこそ全体がエレガントな方向性を色濃くしてくれるのだと解釈したのでした。

あとがき

生地の組み合わせは、ハンドメイドバッグ製作でここ2025年から最も「熱」を入れ込むタスクになりました。

ここで大半が決まってしまうと考えると非常に重要な場面なのです。

そして何より、この製作自体ができるのも生地のおかげではないのかと思うようになったこと。

2020年辺りも生地をたくさん集めましたが、その時以上に2025年の方がはっきりとした選び方をしていると思います。

製作するデザインを絞っていることで、素材を特化することに熱を注ぎ込めているということかもしれません(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク

美しく繊細な服地のバッグデザインへの落とし込み方、柔らかなエレガントな生地は断然巾着型との相性が良いと紐解いた【296】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたび、1点のコンパクトなボストンリュックが完成しました。

リュックにハンドバッグ用の取っ手がフルに2個付いている点が珍しいことと、そもそもボストンバッグにショルダーが付いてリュックになる意外性が特徴です。

このたびは、後半の製作過程の様子と、総まとめとしてこの製作について振り返る回と致します。

素材に最も合うデザインの見極めの甘さ、柔らかなマルチフクレジャガードが強固であるべきボストンリュックのラインを崩した

「中表」ひっくり返し後:表地と裏地の縫い代をあらかじめ解決、その後は「外表」で組み立て縫いで完成へ。
メインファスナーをマチ布に設置:上はハード薄芯への作図で下は裏地部分、これらも予め合体しておきます。
ファスナー設置前の玉縁作り:裏地を「ラッピング布」と兼用、「中表」で外側から内側へ返しました。
ファスナーの設置:ファスナーが内側で丸見えの点は課題。その後表地と裏地の間に挟む設置が新案。
片方の面の縫い付け後の姿:この角度から内面を見ることができるのもこれが最後です。
本体面の設置前の仕付け糸:カーブ部分の縫いがずれやすく、仕付け糸を二重にして固定する方法を採用。
くるみ底板の設置:裏地と同じ共布で、「ベルポーレン」を内蔵し、縁は多角形のデザイン。
ショルダーの設置:丁寧な4本ステッチを裏地と同じ生地で共布製作。取り外しが可能なタイプです。
設置されたファスナー:たまたま相性が良かった抹茶色のファスナー・すずらんループエンド・本革ひも。
ミニボストンリュック完成(マルチフクレジャガード):<サイズ>縦19cmx横29cmxマチ9cm。
その他の角度:別の斜め方向からと背負う面。ややラインが曖昧な点が残念である点です。

このたびのストレッチフクレジャガードという繊細な服地での思い切ったバッグの製作は、非常に大切な学びを得ました。

そもそもこのボストンバッグ型との相性は良くなかったかと思うのです。

こうした柔らかい生地は、しっかりハード芯を貼ってもラインの出方に限界がありました。

ボストン型のカーブのラインの見た目のシャープさは思いの他重要だったのでした。

あとがき

当ブログ記事は最初の投稿の2020.12.07からおよそ5年後の2025.10.26にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

2025年では迷うことなく、この美しい生地は巾着型のナップサックで製作すると思います。

一期一会の生地。。しかし、もしももう一度この生地に出会えることがあったならば、是非納得する巾着型で作りたい。。そのように思う現在です。

一番望ましいと後で振り返る巾着デザイン:広々とした1面で作られる構造も柄の美しさが存分に活かされます。

こうして、体感としてデザインと生地との相性を得ていきました。

とにかく柄がうっとりするような生地はそのままの状態に近い方が美しい、切り刻むことさえじっくり検討するべきだという学びです。

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書き手:ピクチャレスク

布製の柔らかさに甘えて曖昧に形作ることを決してしない、1つ1つのパーツの裏側が確かな部品になっていることの証明【294】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

美しいマルチカラーのフクレジャガード生地で製作を始めたミニボストンバッグ(リュック型)。

バッグ自体の完成は後の投稿の【296】でご覧いただけます。

このたびは、製作途中のパートにおける部品パーツの作りの裏面を特に中心にお伝えする回と致します。

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.12.05からおよそ5年後の2025.10.24にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

せっかくのこの機会、5年後には同じパーツを引用しているのか、それとも。。

5年の間に起こった考え方やスタイルの変遷も同時にお伝えできればと思います。

取っ手・付け根カバー・Dカンタブ・ポケットが寄せ集まって1点のバッグになっている、完成では決して見えない裏側の構造の実態

大半が完成品の華やかさに重点を置いたショットを大切にされていることだと思います。

華々しい完成の姿は、魔法のように出来上がっていったかのようなまやかしがあります。

失敗しては改良を重ねいくうちに、2025年現在では堂々と裏面の構造を解説出来ることこそが完成の姿よりもむしろ大切であると思うようになりました。

そもそも5年で大きく変化した点は、こうした製作者自らの姿勢にあります。

では、コンパクトなボストンバッグ(リュック仕様)の製作途中の各パーツをご紹介しながら、2025年ではどう考えているのかということも一緒にお伝えしてまいります。

フラップポケット:前後両面に合計2個付くポケットの1つ。貼り付け型の袋の角が変形することが多く廃止へ。

ただ、後のポケットモデルではどうしても切り込む際のあまりのほつれのリスクや困難がある場合には、ただ貼り付けるだけのこのポケットを採用することもありまして、完全廃止でもありません。

ゆったりとした覆いのフラップはセキュリティー性もあり、可愛くて優しいライン、引き続き存続の部分です。

片玉縁風ポケット:もう1つの方。こちらが2025年ではメインで、上のフラップが更に付くハイブリッド型へ。
完成した2個のポケット:結局は、分かれていた2個のポケットは1個の混合型へその後は変化していったのです。
Dカンタブ:リュックの三角形位置に設置の大切な支えです。真ん中は「ハード薄芯」。このおかげで頑強に。

2020年当時は、5cm四方の型紙を三つ折り観音開き折りでしたが、足をもっと長くし、安定的に深く埋め込むのが2025年のスタイル。

Dカンタブは、「縫い」のパワーによるものですので、しっかり縫って設置するその舵取りは製造者本人の裁量に委ねられる点が安心。

打ち込みパーツなどの強度は「カシメ」る力に委ねられることに比較すると、「確かな手応えを伴う設置」だと言えます。

取っ手付け根カバー:変8角形を採用。等辺ではなく型紙の2.5cmの印を有効に利用し、斜めカットを入れます。

パーツ自体にも「接着芯」に加え、「ハード薄芯」を貼ることでラインを整え、本体への設置の裏面に「ハード厚芯」を当て芯します。

2025年では、このパーツは定番モデルではないのですが、「研究製作」では大いに利用しています。

取っ手がスタイリッシュに作り上げられる過程を製造者自らも楽しめます。

取っ手:共布のこのたび、別布の場合もあります。革は使用しません。

取っ手のみをバッグに途中で取り付けるということの強度の弱さは、一重仕立てのエコバッグ作りの2025年では「支柱ベルト」によって解決。

とは言え、持ち上げた時に力がかからないようなコンパクトなこうしたバッグでは取っ手のみを途中に縫い付けても全く問題がありません。

こちらも「研究製作:大きめ残布を利用」における生地が取っ手の分量しか余っていない場合などには有効です。

「支柱ベルト」は長いパーツであり生地が必要なのです。

あとがき

2020年の製作では、かなり2025年へのきっかけが固まっていたと見ています。

では、2025年はどこまでに完璧なのか。。日々学びの連続で決してゴールとは言えません。

そして、こうしたボストンバッグ型のモデルについては。。なのですが、この後に続いていきます生地違いで何度か製作する中で底の角の急カーブ過ぎる点が課題になっていきます。

さらに、その課題解決の緩やかカーブへの変更後は廃止したモデルです。

理由は、生地をぶつ切りにすることで本来の元生地の壮大な美しさが十分活きないという理由です。

2025年では、面積が最も広く経年後気持ちの変化から解体してリメイクの「仕立て直し」が可能なモデルへとシフトしていきました。

とは言えこの過程あってのその後の見直しであって、非常に後に影響する大切な時期だったと言えます(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク

暖色系寄りなマルチカラーが天然石のように美しいフクレジャガード、バッグになど作られないからこそバッグに選んだ覚悟【292】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびからボストンバッグの製作を生地を替えながら2020年末まで製作してまいります。

当ブログ記事は、最初の投稿の2020.12.03からおよそ5年後の2025.10.22にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直し綴り直しをしています。

この時以来、同じ生地には出会えていないので貴重だったのだと5年前を懐かしく振り返っております。

生地には一期一会が多く、多品種小ロットな実状、1点物志向の製作スタイルには相性が良い傾向ではあるのですが、生地ストック問題に悩みます。

大切に保管しておき技術の磨かれた時にこそ出番だと思いたいのですが、2025年から振り返りますと随分拙い腕前の時期に早々と利用してしまったものだと思うばかりです。

進捗度が少な目で生地の裁断周辺までしか行けなかった当回、生地についてじっくりとその美しさをミックスカラーに使われているカラーを細かく眺める回としました。

カーキグリーン地にマルチカラーが映える美しいフクレジャガード生地、エレガントに寄せるための衣装生地のラメを裏地に選択

使用生地:表地(ミックス)-ストレッチフクレジャカード、ポリエステル/85%、絹/12%、ナイロン/2%、ポリウレタン/1%、日本製。裏地(オレンジ)-ラメツインクルサテン、ポリエステル/60%、ナイロン/40%、日本製。

表地に並び、裏地も非常に美しい生地、全10色超えの色展開のほとんどをこれまでバッグの裏地に利用せていただきました。

ハリコシがあるその様相を作る混率は、ナイロン40%です。

表地の裏面:こんな風にダークなカーキグリーン色をしていました。全体の落ち着きの源と言えます。
ボストンバッグの本体パーツの裁断:何となくボストンバッグらしさをすでに感じる形です。
裏地の裁断:裏地はパーツ数が多く、ポケット1個で3パーツ、2個分でポケット2種のみで6パーツに及ぶのです。

では、ここからは表地のミックスのカラーの構造を見てみたいと思います↓。

ミックスカラーの解析:左は単純な色相環。隣同士が「類似色」対角線上が「補色」。

織り糸で出来上がるモールのようななウェーブの柄の色はほぼ均等配分だと見ました。

「寒色系」「暖色系」で言うと、グリーンはニュートラルなのだそう。

しかし、グリーンにも青緑や黄緑があり、どちらかというと黄緑がベースであるこのたびの生地は、全体としては暖色系の印象と映りました。

あとがき

「レインボーカラー」と呼ぶ程くっきりと原色ではない点がかえって素敵です。

このテイストが大人っぽさを作っているような気がします。

元はジャケットやカットソー用の服地ですが、そのような生地をバッグにできれば素敵なギャップがお伝えできると心躍った生地の入手でした。

ボストンバッグの完成は、【296】の投稿でご覧いただけます。

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書き手:ピクチャレスク

お洋服になるとシーンの区別や縛りを感じることもある服地、バッグへの利用はその垣根を取っ払うことができる【53】

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まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

黒いワンピースは、「喪服っぽくならないか」ということを気にすることがあります。

夏のロングワンピースは、「リゾートっぽくなり過ぎて場違いではないのか」などと気にすることがあります。

お洋服に向けて生産されたであろう服地、これをバッグに利用させていただくことで意外性や新しい発見を探しております。

とはいえ、大半の方が、バッグの生地は丈夫な長持ちのイメージの厚手の生地に注目することもバッグ販売の手応えとして十分に感じています。

あまりにも狭い分野にのみ範囲を括ってしまうことが、素敵な素材を逃すという懸念から、薄手の服地も厚手のいかにもバッグに向く生地もフラットに見るという意識を持つようになりました。

このたびは、アパレル業界の方なら、多くの方が手に取ったことがある、もしくは手元に常に置いている本「服地の基本がわかるテキスタイル事典:文化ファッション大学院大学教授 閏間正雄 著」を現物との照らし合わせに利用させていただきました。

バッグにエレガントテイストを盛り込みたい時に服地を利用のご提案、まだ2次製品になっていない無限の可能性

この本の中にもバッグのイメージの丈夫さある素材のデニムが登場。

ということは、服地の中の厚手の一部がバッグ向きであると考えられているに過ぎないということなのです。

全体の一部しか見ていなかったと考えますと、服地全体の中で能動的に選んでいくことが良き素材との出会いの可能性が高まると思うのです。

もう1点参考にさせていただいた本があります↓。

「洋服地の事典-サンプル生地つき-:田中道一著:関西衣生活研究会」です。

学生用のテキストなのでしょうか、実物の生地サンプルが貼り付けてある立体的な本。

昭和時代のものですが、大変オーソドックスであり、伝統的な生地がたくさん見つかります。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2019.09.20からおよそ5年半後の2025.02.22にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

実は、2025年現在でも服地は大いにバッグ作りに利用させていただいております。

「とろみ生地」とよばれるようなものでも、キルトがけによってしっかりとさせて裏地に利用できます。

そのようにアレンジできる技術も持ったということになるのかもしれません。

表地はニーズも取り入れ、基本無地のデニムや帆布などの厚地に条件付け、裏地を自由に服地含む様々な生地の中から選んでいます。

特に「高級生地」と呼ばれる生地は限られた分野であり、広く世に出回ることがないようですが、ここにも素敵な生地がたくさん静かに佇んでいるのでした。

2025年に調達の高級生地を含むご紹介は、【1432】で投稿しております。

2019年との違いは、大きく見たピクチャレスクの製作スタイルが「エレガント」テイストに特化していること。

表地にデニムを使わせていただいたとしても、アメカジデニムのような方向ではなく、瀟洒な方向へ必ず向かうのです。

そんなところが服地を引用したことで生まれた製作のテイストです。

川上の生地製造業者様、生地を選び仕入て下さった生地屋様、バッグ作りの為の素材を有難く手にすることができることに感謝したいと思います(^-^)。

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書き手:ピクチャレスク