ニット生地をそのまま織物生地と同様にバッグに製作して何か問題があったかどうか【27】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

このたびは、ニット素材でピンと来た生地に出会い、バッグに製作していきました。

特にニットになったからと言って、糸を変えるわけでもなく、いつもの布帛(織物)と同じように製作していきました。

今回は、そんなニット生地でバッグが製作可能なのかどうか、何か特別なことをする必要があったのかなどをポイントとしてご紹介したいと思います。

マルチカラーが美しいニットジャガード生地

イメージとは裏腹に、ニットは、意外と作りやすい生地もあるようです。

見た目の雰囲気がぐんと柔らかい印象になります。

織物だけに留まらないことで、また1つ展開が広がります。

表地(ブルー系マルチカラー):ニットジャガード、ポリエステル/60%、綿/30%、アクリル/10%、日本製。

ニットは、両端の耳の部分がくるりんとロールすることがよくあり、その部分は扱いが難しいです。

このロールした隅っこの部分は最初から裁断を避けました。

どうしても使いたい時は、アイロンで伸ばしてから芯地を貼って固定することをすれば使えるようです。

裏地も同じようなテイストを保った方が統一感が美しいであろうかと、同じくニット生地で。

裏地(薄グレー):スポーツメッシュ、ナイロン/96%、ポリウレタン/4%、日本製。

とても面白い生地です。

ニットの良さは、作業の途中で布の端がぼろぼろほつれてこないことです。

ゴミが出にくいといいますか、素材がきちんと固まって安定しているといった感じです。

バッグにピンタックつまみステッチを入れることの効果

このたびの製作過程におけるポイントの1つとして、ピンタックつまみをしてボックス型をシャープにはっきりと表現したという点があります。

これは、元の素材にかかわらず、良しあしが作業にかかわってきます。

が、決して難しいものではありません。

ピンタックつまみのやり方:底のマチ厚くってある状態の最終で行います(左)。
ものさしで幅を均一に測りながらアイロンでマチと同幅に折り目を付けます(右)。

折り目を付けたら、その折り目の端から2mm程度をミシンでステッチします。

この作業をサイド4か所と底部分前後で、合計6か所行います。

そうすると、かっちりとしたスクエアなラインができました。まるで紙袋のようです(^-^)。

ピンタックつまみにより出来上がったスクエアなボックスライン:かなり美しいものになります。

整っていて素敵なボックスラインができあがりました。

一方裏地も同様ですが、裏地で視界には入りにくくとも、同じようにピンタックつまみをしてサイズを合わせます。

ピンタックをしないとサイズが4箇所分の口の1周の長さが2mmx4=8mmずれるので、しわが寄ったりして綺麗にできないです。

ピンタックが飛び出る向きが裏地の場合見えない部分に飛び出し、バッグを覗いた時はへこんだ部分が視界に入ってくるということになります。

裏地にもピンタックつまみステッチをほどこします。
この向きで行うので、ピンタックのステッチは裏側にミシンをかけることになります。

こうして、凹凸がうまくピンタックの箇所で表地と裏地とで合体してバッグを安定へと導きます。

完成品を見て厳しく自分で評価した記録

では、完成したということで、10枚の写真をご覧くださいませ。

<サイズ>:縦19cmx横30cmxマチ60cm。
<ショルダーのサイズ>:幅1.2cmx長さ63/123cm。

糸はテトロン糸を使用しましたが、スパン糸でも問題ないと思いますし、ニットであることの違和感は感じない生地でした。

生地によっては影響ある場合もありますし、接着芯をニットでなじませて、表地も裏地もニット素材で合わせたこともスムーズに縫える工夫かもしれません。

それで、全体を通して思った辛口な感想です。

バッグが小さくて柄が生き生きと出ないので、大きなバッグを作ってみることで最初に見た生地の迫力とか感動をもっと削がれずに感じてもらえるかもしれないと。

あとは、口布ファスナーがカジュアル過ぎます。

ここ辺りで、この口布のファスナーの仕様を卒業だと感じた瞬間がありました。

結構見た目がエレガントな生地に対して、ファスナーの仕様がやや粗い感じが否めませんでした。

ピンタックに関してはその効果が出ていて今後も別のバッグにも取り入れていく程腑に落ちました。

あとがき

やはり、このデザインは平凡です。そして、粗い入り口の作りです。

きちんと縫っても、そもそもデザインがまずいと感じています。

しっかりと縫っても、ファスナーの両端付近の空きが気になり、カジュアル過ぎて、機能としてもめいっぱい口が開かないという欠点が見られます。

そろそろ、この入り口の仕様に限界を感じています。

自分使いを越えた商業利用には到底ありふれたものの領域を超えることが無いと厳しく判断。

まだまだ長い道のりです(^_^;)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク