間違えて多めに購入してしまった生地のエピソードこそストーリー、リベンジ品と共に「リアルフリマ」でお客様へお伝えしたらよい【1351】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在カーテン・クッションカバー・テーブルクロスなど布製のインテリア品を次々に製作中です。

実家の新築に伴い、インテリアカバー類製作の担当者としてです。

ハンドメイドバッグ事業と何ら変わりのないスタンスで作っていますが、インテリア類は一重仕立てが多いので少し勝手は違います。

このたびは、一番簡単な端を三つ折りするだけで完成するテーブルクロスの洗い替え用の2点目に関して、サイズを間違えて生地を多めに購入してしまいました。

1点目製作から少し日数が経過し、うる覚えでダイニングテーブル自体の横の長さを128cmの所を158cmと間違えて見積もっていたのでした。

+30cmを余分に間違えたことによって、全体で幅なり1.6m購入した1点目に対し、2.5mも購入してしまったのです。

よって約90cm余分ということになりました。

余り布をこのたびは活かしていきます。

ナイロン/100%のはっ水加工タイプは、結構しっかりとしたハリコシある生地ですので、裏地を付けない一重仕立ての巾着袋を収納袋として製作しました。

一重仕立てでもちゃんと成り立つというところを感じ取っていただければと思います。

購入ミスでもったいなく余ったテーブルクロス用撥水生地、手持ちの薔薇ワッペン・ギフト用リボンテープを使い製作した一重仕立ての巾着袋

出来上がりを見ながらのご紹介になります。

ビッグ巾着袋完成:<サイズ>縦33cmx横33/55cmxマチ15cm。ふんわりとした丸いフォルム。
入り口付近の様子。
サイドの様子。
底の様子。

中に撮影用の中綿を入れていますが、一重仕立てにしてはなかなかのしっかり感。

このたびの生地は、ナイロンツイルはっ水加工、ナイロン/100%、日本製です。

オリーブグリーンがクラシックな雰囲気です。

では、工夫の点を5点ご紹介してまいります↓。

①薔薇のワッペンの接着+ステッチで固定

薔薇の花の赤い部分の真ん中を縦に往復縫い。葉っぱはそれぞれ3箇所往復縫いで固定。

最初にアイロン接着をした次の段階でステッチをしましたので、このペアの作業でしっかりとワッペンが縫い付けられたということになります。

ワッペンだけの接着ではお洗濯で経年の剥がれが起きることが見込まれるアイテムには、是非同色ステッチでなじませて固定するこの方法をお役立て下さいませ。

一重仕立てなので裏面にはステッチが出ますが、そうは言ってもすっきりと最低限に始末します。
糸の色をなじませましたので、遠目で見るとステッチをしていることがほとんど分かりません。

②最初の1枚布の時点ですべての辺を三つ折りして縫い代を隠しておいた

その後の作業終了後の写真ですが、もとは三つ折りで縫い代が始末されていますのですっきり。
巾着ひもホールもそのまま一度折り曲げるだけです。

③マチはカットせずにサイド側へ縫い付ける

マチを三角に作ったら、サイドの縫い代へ縫い付けました。カットすると再び縫い代ができてしまうので。

底へ折り曲げ縫い付けるやり方も考え方としてはありますが、バッグの中をのぞいた時に視界に入りやすい底を避け、サイドにしたという理由からです。

④巾着ひもは江戸打ち紐を購入せず、サテンタイプのリボンテープを使用

比較的リーズナブルなお値段で強固なサテンタイプのリボンひもを巾着ひもに利用。ラッピング資材の余りです。

同じ仲間のシフォンタイプは少し弱さを感じたので目の詰まったサテンタイプを選択。

一重仕立ての表地にバランスが合う軽いひもになりますが、表地のオリーブグリーンにちゃんと色を合わせています。

⑤ひもの先にゴールドのループエンドを飾った

紐の先のほつれが綺麗に隠され高級感が生まれるスズラン型のループエンド。
リボンを蝶結びにした様子。

こうして完成しました。

ここには、室内エクササイズ用の運動着を数点収納することに決めました。

タンクトップと短パンのエクササイズ用のアイテムをロール状にたたみ、横に並べて収納。

あとがき

使い方は、その後の気持ちの変化に従って変え、その後の2024年現在では事業用の道具入れとしています。

自分使いにした例ではあったのですが、ハンドメイドマーケットなどでは、ミスも貴重なストーリーとして、笑い話のように会話の1つに盛り込まれてはどうでしょう。

そうしますと、そのお品物に何か特別感が生まれ、受け手に届きやすくなっていくかもしれません(^-^)。

ピクチャレスク-山田絵美-ブログラスト
書き手:ピクチャレスク

一括りに合皮と呼ぶのは不正解、的確なバッグ購入のためのPVC・合成皮革・人工皮革・コーティングの構造から見る違い【179】

アイキャッチ画像179

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

以前に、<雨の日シリーズ>として、複数の雨の日用のリュックを製作をしたことがあります。

近年工業製品として広がったレザーライクなバッグ、お買い物の際にしっかりと見分け惑わされることがないような一助となればと当記事を綴らせていただきます。

実際にリュックの製作で取り扱った素材を含め、複数のレザー風な素材の構造の違いを見ていきたいと思います。

基布+PVC載せの二層構造の素材で作られた合成皮革は必ず劣化する、純粋な本革レザー・純粋な布製との構造の違い

「ポリ塩化ビニール製の透明バッグ:「ダイソー」様にて。材質タグに「塩化ビニール樹脂」と記載。

このたびの雨をしのぐレザーライクな素材の違いの把握には、非常に大切な存在であろうと掲載させていただいた、純粋なPVCだけでできた透明バッグです。

実は、かえってこのようなPVC/100%というお品はレア、「ダイソー」様のセンスの良さが光ります。

合皮バッグの内貼り劣化:こちらもこのたびの解説の理解のヒントになります。剥がれの下には布があるのです。

では、せっかくなので、上の黒の内貼りの劣化は、どの素材が巻き起こした状態なのかというところから入っていきます。

答えは合皮、正式名称は「合成皮革」になります。

「合成皮革」というのは、主に二重構造であり、基布(きふ)というベースの生地があり、そこへPVCなどをコートすることで成り立つ素材です。

基布にコーティングが載った見かけの変化:綿/100%の生地に、PVCがコーティングされるとまったりとします。
<雨の日シリーズ>:右上は左と同じPVC合皮、下の3つは、「撥水加工」「コーティング」「撥水剤の自主施工」。

どれも雨をしのぐ工夫をした素材に作り上げられましたが、それぞれ構造が違うということになります。

コーティング剤はPVCだけとは限らず、「ポリウレタンコーティング」というものもあるとのこと。

では、それぞれの違いを紐解いていきます↓。

多くの方が混乱し、一口にPVCなどと呼んでしまうバッグは、正確にはそれぞれ構造が違うのです。

①PVCと合皮の違い

「PVCバッグ」という言葉そのままなら、冒頭の「ダイソー」様のバッグのみが該当。

巷の多くは、基布+PVCで成り立った二重構造のバッグが多く、製造側からの視点では、二重構造の方がバラエティー豊かに製造できると思われます。

②合成皮革と人工皮革の違い

合成皮革は基布が織物、人工皮革は基布が不織布という違いだけです。

③撥水加工は劣化するのか

これについては、私も詳しいことがまだ分かっておりません。

「撥水加工」と謳われた「ナイロンオックスはっ水加工」というこれまでたくさんお世話になった生地は、実際に劣化など起こったことがありません。

ただ、何十年先に、白く粉がパラパラとはがれてくるリサイクルショップなどで拝見するナイロンバッグは、劣化が無いと言われる「シリコン」ではなく別の「合成樹脂」の撥水加工だったからなのではないでしょうか。

時々、古着市場にあるナイロンバッグの内側を見てみると、こうした現象を知ることが出来ることがあります。

撥水加工は、たとえ劣化しないシリコンだけが成分として注入されていたとしても、というそもそも「剥がれ」による機能の喪失という別問題もあります。

アイロンの熱である一定の割合が戻るコツもあるようですが、完全に復活することはなく、撥水加工も永久のものではないということです。

あとがき

最後にお伝えしたいのが、「皮革」というレザー風な言葉を使いながら全く「本革レザー」が使われていない点。

この言い回しに惑わされることなく、自分の持ちたいバッグの素材を希望通りに入手出来るゴールを願いたいと思います。

本革レザーが好き、布バッグが好きという嗜好も、雨の日には避けたいと思うもの。

雨の日だけは、専用に「合皮バッグ」を持つという使い分けがあるかもしれません。

そうした独自の方針を打ち立てるにあたっても、バッグの素材の更なる構造というのは、良きノウハウとなるでしょう(^-^)。

山田絵美
書き手:ピクチャレスク