生地購入の際に注視する部分「生地幅」、巾着袋やトートバッグが左右に並んで裁断できることこそ生地のコスパを高める指標【982】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在2022年は、過去の生地在庫の一掃を兼ね短時間で製作可能な「インテリア収納袋」を連続製作しています。

数点作ってみまして、4種のサイズ展開で手持ちの生地がほぼすべて当てはまってくるということが分かってきました。

そのサイズの呼び名である、「大・中・小・ミニ」の4種の内の「大」の型紙でこのたび巾着袋を製作しました。

このたびの「生地幅」には「大」を作るに相応しい広幅だったのでした。

130-150cmくらいが「広幅」に該当、型紙の「大」が当てはまるには、横に2枚が並んで裁断できる必要があります。

シックな黒xゴールドのバイカラーのインテリア巾着袋は、その存在だけで大人っぽいインテリア空間を作ってくれる

まずは、出来上がった収納袋を見てみます↓。

インテリア収納袋-巾着型「大」:<サイズ>縦35cmx横42/61cmxマチ20cm。薔薇の総柄です。
<表地:黒xブロンズ>:ジャカード、ヴィスコース/70%、ポリエステル/30%、イタリア製。

この生地は138cm幅でした。

イタリア製のジャガードは広幅が多いので大きなバッグや袋には高価な生地でもコスパはあると思います。

<裏地>:シャーリング無地、ポリエステル/98%、ポリウレタン/2%、日本製。こちらは140cm巾。

表地と共に裏地も大きなパーツが裁断できなければなりませんので、何ら表地との差別化なく同等に探していかねばならないということです。

では、このたび製作しました「大」という一番大きなサイズの型紙を確認します↓。

「大」の型紙:実際にこの型紙で製作しました。縦:50cmx横:67.5cm。

この横の長さに注目していただきたいと思います、67.5cmですので横に並べ、67.5cmx2枚=135cmなので裁断のゆとりを見ても生地幅138cmがぴったり。

縦の長さの型紙に一致の在庫生地50cmもそのまま綺麗に使えました。

広い生地幅の生地の種類は、イタリア製の他には、カーテン地・シーツやカバー作りのための生地でこれまで実際に見つけることができました。

たまに服地であっても140cm巾くらいのものを見かけることもありますが、希です。

日本製の生地だと多くが、108cm-112cm辺りのものが多いかと。

どちらかというと広幅は貴重、そのような生地で作るビッグなサイズは、そのサイズだけでも「価値」が高まるのです。

あとがき

このように、「大・中・小・ミニ」に当てはめて、どんどん製作していくつもりです。

生地の収集は、古い物で2019年の夏くらいのものがまだストックとしては有りますが、多くは2020年に一気に集めました。

いつも同じ生地屋様へ出向いていましたが、コロナ禍もあって、2020年というのは、大きく調達先を広げました。

ネットで、東京の、かの有名な「日暮里」界隈の生地屋様も知ることができましたし、「日暮里」の生地屋様のチャンネルのYouTubeでもコメントさせていただきました。

また、メールでのお問合せをすることで、折り返しお電話をくださいました大阪の生地問屋様などとのやり取りの中で、生地屋様がどんな人達なのかも少し知ることもできました。

たくさんの生地を扱う業者様は、全体を見ながらの傾向や「著作権」に対する考え方もかなり正当に持ってみえました。

特に注目しています「ふくれ/フクレ」はネットでは、衣装生地の生地屋様や、ニット専門の生地屋様に少し登場していました。

あの膨らみはストレッチが加わった混率であったり、そもそもベースがニットである作られ方も多く、バッグではあまり注目しないに「ニット」の分野で探したり、「ブリスタージャガード」というワードもふくれ加工のある生地が見つかる可能性が高いです。

まるで埋蔵品、「ふくれ/フクレ」はまだまだ表舞台へは出ていない、多くの生地の中にひっそりと埋もれているニッチな生地なのです(^_^;)。

カーテン地/インテリア地の幅広生地にご注目あれ!ハンドメイドエコバッグの支えとなる支柱と取っ手の一つなぎの実現【218】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

番号が少し前の記事の【216】でエコバッグをスーツ姿のようなきちんとした格好に合うものに考案した素材とモデルで1点初製作致しました。

何しろ初製作だったので課題点はありましたが、1つ生地選びのヒントになるような重要なポイントがございました。

「どんな分野の生地で支柱の長いエコバッグが作りやすいのか」というお話を致します。

【216】で製作しましたサンプルの支柱部分に着目いただいて、これが実は逆U字に長い一繋ぎになっていることをご確認いただけたらと思います。

支柱(しちゅう)は、1つなぎが望ましい。→横裁断の方がコスパが良いので生地幅めいっぱいこのパーツに使用。

バッグの長さ40cmの左右合計の80cmに加えて取っ手の十分な長さを見るとさらに60-65cmプラス、縫い代も含めると合計140-150cm程の生地の長さが必要です。

そうなると生地幅が112cmのようなプリント物の多くは除外されていきます。

ハギ目を入れねばこのモデルが作れないということに。。

長い支柱パーツを一繋ぎで裁断する場合のマーキング

支柱(しちゅう)と私は呼んでいますが、正式な名称がどうも分からず。

もともとメンズのブリーフケースのデザインに多く見られたものだったのでその辺りを探っているのですが、情報は入手出来ていません(^_^;)。

ところで、この支柱はとても長く、写真でもご覧いただけます通り逆Uの字に一続きなのです。

とても長い生地が必要なパーツなのです。

これを狭い生地の幅の110cmとか120cmで横向きに裁断しようとすると継ぎ目を作らざるを得ません。

現在の仕様では継ぎ目がどうしても目に映るので、やはり一続きであることをとりあえず優先。

そうすると幅広の生地の横幅をめいいっぱい利用するということに至ったわけです。

もちろん縦向きに必要な分量存分にとることもできますが、生地の使い方が非常に効率が悪く、量産でない1点物志向で作りたい場合は不向き。

支柱を本来の縦向きに裁断したらどのくらいもったいないのかをマーキングで示してみます。

1)支柱横向き(現行の並べ方):140cm幅以上の生地なら効率的に利用できます。・・・用尺1m以下。

柄が入るジャガードやプリントの場合、どうしても横向きの長い支柱に現れる柄は横向きに出てしまうことがデメリットです。

それでも気にならない、むしろそれでよいケースなのかは、柄の種類や趣味嗜好も関わってきますね。

無地であれば、断然上記の裁断の仕方をお勧めしたいのです。

しかし、現実のところ人気生地はプリント物だと見ています。

一度多くの方が好んでおられると想像する110cm幅程度しか生地幅が無いプリント物のマーキングもシュミレーションしてみました↓。

1)支柱縦向き(シングル幅用):110cm幅程度の綿プリント生地は生地が大きく余ります・・・用尺1.9m。

支柱が縦向きに裁断できるものの、スペースがもったいないですね。

では、そのもったいなさの改善を兼ね、プチ量産ということで、2点同じ品物を製作すると仮定したマーキングをやってみました↓。

3)支柱縦向き(シングル幅用/量産用):隙間は解消されていますが・・・用尺2.4m。

2)で生地を多く余らせることをするくらいなら。。と3)に至る考え方は、「量産品を製造するビジネス」的な考え方。

エコバッグが大量生産され、間違っても1点物のエコバッグがあまり作られない理由をここに見通すことができます。

ここで私の考えをまとめたいと思います↓。

個人やプチ事業者が「同じ物を複数作る」というのは、ある程度その品物の価値が決まってきます。

行く末はビジネス色が入り込んだ量産品の考え方です。

大手企業の大量品に対して、2点作ったところで到底勝ち目はなく、その点で負けが決まります。

勝ち負けではないとは言え、実際はネット上に写真が同時に並ぶのは、競争以外に何でしょうか。

ということはですっ!、1点だけ作った方がそのバッグの価値は高いです。

ここに、本当の意味の品物の価値がただ金銭的な材料配分だけで決まるのかというところを本気で考えるヒントがあると見ています。

長い支柱が必要なエコバッグに選んだ幅広生地x7選のご紹介

では、今回エコバッグを1)の1点物志向で作ろうと集めた7点生地をご紹介したいと思います。

今後これらの生地で実際にエコバッグを作っていきますが、最初の生地選びというのも貴重な場面。

どうぞこの機会にその美しさをご覧くださいね。

「スーツに合うエコバッグ」というコンセプトなので、そんなイメージの生地です。

①カーテン地:生地名不明、ポリエステル/100%、日本製。モカグレー色。・・・ブツブツの凹凸感が特徴。
②カーテン地:ドレープカーテン地、ポリエステル/100%、ベルギー製。黒。・・・裏面は、シルバーグレー。
②カーテン地:2級遮光ドレープカーテン地、ポリエステル/100%、日本製。黒。湾曲したストライプとツヤ。
④インテリアカバー地:コットンヘリンボン、綿/100%、日本製。もともと布団のカバーなどに向けられた生地。
⑤カーテン地:生地名不明、ポリエステル/100%、日本製。白。レースカーテン地、薔薇ジャカードが美しい。
⑥カーテン地:生地名不明。ポリエステル/100%、日本製。かわいいボタニカル花柄の無彩色ジャカードです。
⑤カーテン地:生地名不明、ポリエステル/100%、日本製。抑えめな朱色。ピンドット柄はジャカード。

以上、7点の新着生地のご紹介でした。

今後完成したバッグの様子を1点ずつ記事投稿してまいりますので、どうぞお楽しみに(^-^)。

あとがき

さて、こんな風に、生地幅としては一般的ではないインテリア地の分野を中心になんとか幅広の140cm以上の生地を探してとりあえずエコバッグを一繋ぎの支柱で作っていきます。

ただ、ここでまだ未解決の事があります。

ゆくゆく、こうしたエコバッグは、「自身で作る文化」というのを広げたい夢があり、その場合好みの生地を自分で探すことになります。

多くの方が、好きなプリント柄のシングル幅と呼ばれる、綿/100%のブロード辺りで選ばれると思うのです。

実際に生地屋さんでもこの110cm程度の幅の生地が大半です。

その事実をもっと今後追求していきます。

実は、当ブログも、最初の投稿である2020年9月19日から年月を経た、現在2023年11月30日に記事投稿の「リライト」として、過去の1つ1つの投稿の記事を手直ししている最中です。

3年もの月日が経過した今、やはりいろいろ製作や考え方にも大きく変化がありまして、現在は、「どんな生地でも作ることができる仕様」へこのエコバッグをモデルチェンジしています。

それが、こちら↓。

一繋ぎの支柱を3等分し、ハギ目をタブで隠しながら縫い付けるモデルへ変更
:ハギ目は強靭に二重縫い。かえってタブがポイントになりかっこよくなりました。

このようにモデルチェンジをして、ほぼどんな生地の幅のものでも対応できる作りになりました。

もう、カーテン地やインテリア地の分野だけの幅広生地に特化しなくてもよくなったのです。

このようにエコバッグの作りが発展できたのも、この時の2020年の最初のマーキングのシュミレーションの考案やカーテン地だけを探す視野の狭さの不満をちゃんとくみとれたからです。

この時の引っ掛かりを素直に、「このままでは広まらないのではないか」ということに目を背けませんでした。

その結果今までの凝り固まった考え方を捨て、新しい考え方を持つことができました。

「継ぎ目を作ることは2流である」という固定観念がどうしても2020年当時は捨てきれませんでした。

が、果たして本当にそうだったのか。。

実はこうも考えられるのです、「継ぎ目をどうしても作らねばならない理由があった」ということ。

これこそが、自身があれこれトライしてみた結果行き着いた「哲学」だったと思います。

それが最も自然な経緯であり偽りのない事実を物語るということになります。

このことをちゃんとご説明して、一繋ぎと変わらぬ強度を追求してあれば、何も問題はないと。

むしろ、この作りが生まれるまでのあれこれの工夫のストーリーが出来上がったということになります(^-^)。