まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
番号が少し前の記事の【216】でエコバッグをスーツ姿のようなきちんとした格好に合うものに考案した素材とモデルで1点初製作致しました。
何しろ初製作だったので課題点はありましたが、1つ生地選びのヒントになるような重要なポイントがございました。
「どんな分野の生地で支柱の長いエコバッグが作りやすいのか」というお話を致します。
【216】で製作しましたサンプルの支柱部分に着目いただいて、これが実は逆U字に長い一繋ぎになっていることをご確認いただけたらと思います。
バッグの長さ40cmの左右合計の80cmに加えて取っ手の十分な長さを見るとさらに60-65cmプラス、縫い代も含めると合計140-150cm程の生地の長さが必要です。
そうなると生地幅が112cmのようなプリント物の多くは除外されていきます。
ハギ目を入れねばこのモデルが作れないということに。。
長い支柱パーツを一繋ぎで裁断する場合のマーキング
支柱(しちゅう)と私は呼んでいますが、正式な名称がどうも分からず。
もともとメンズのブリーフケースのデザインに多く見られたものだったのでその辺りを探っているのですが、情報は入手出来ていません(^_^;)。
ところで、この支柱はとても長く、写真でもご覧いただけます通り逆Uの字に一続きなのです。
とても長い生地が必要なパーツなのです。
これを狭い生地の幅の110cmとか120cmで横向きに裁断しようとすると継ぎ目を作らざるを得ません。
現在の仕様では継ぎ目がどうしても目に映るので、やはり一続きであることをとりあえず優先。
そうすると幅広の生地の横幅をめいいっぱい利用するということに至ったわけです。
もちろん縦向きに必要な分量存分にとることもできますが、生地の使い方が非常に効率が悪く、量産でない1点物志向で作りたい場合は不向き。
支柱を本来の縦向きに裁断したらどのくらいもったいないのかをマーキングで示してみます。
柄が入るジャガードやプリントの場合、どうしても横向きの長い支柱に現れる柄は横向きに出てしまうことがデメリットです。
それでも気にならない、むしろそれでよいケースなのかは、柄の種類や趣味嗜好も関わってきますね。
無地であれば、断然上記の裁断の仕方をお勧めしたいのです。
しかし、現実のところ人気生地はプリント物だと見ています。
一度多くの方が好んでおられると想像する110cm幅程度しか生地幅が無いプリント物のマーキングもシュミレーションしてみました↓。
支柱が縦向きに裁断できるものの、スペースがもったいないですね。
では、そのもったいなさの改善を兼ね、プチ量産ということで、2点同じ品物を製作すると仮定したマーキングをやってみました↓。
2)で生地を多く余らせることをするくらいなら。。と3)に至る考え方は、「量産品を製造するビジネス」的な考え方。
エコバッグが大量生産され、間違っても1点物のエコバッグがあまり作られない理由をここに見通すことができます。
ここで私の考えをまとめたいと思います↓。
個人やプチ事業者が「同じ物を複数作る」というのは、ある程度その品物の価値が決まってきます。
行く末はビジネス色が入り込んだ量産品の考え方です。
大手企業の大量品に対して、2点作ったところで到底勝ち目はなく、その点で負けが決まります。
勝ち負けではないとは言え、実際はネット上に写真が同時に並ぶのは、競争以外に何でしょうか。
ということはですっ!、1点だけ作った方がそのバッグの価値は高いです。
ここに、本当の意味の品物の価値がただ金銭的な材料配分だけで決まるのかというところを本気で考えるヒントがあると見ています。
長い支柱が必要なエコバッグに選んだ幅広生地x7選のご紹介
では、今回エコバッグを1)の1点物志向で作ろうと集めた7点生地をご紹介したいと思います。
今後これらの生地で実際にエコバッグを作っていきますが、最初の生地選びというのも貴重な場面。
どうぞこの機会にその美しさをご覧くださいね。
「スーツに合うエコバッグ」というコンセプトなので、そんなイメージの生地です。
以上、7点の新着生地のご紹介でした。
今後完成したバッグの様子を1点ずつ記事投稿してまいりますので、どうぞお楽しみに(^-^)。
あとがき
さて、こんな風に、生地幅としては一般的ではないインテリア地の分野を中心になんとか幅広の140cm以上の生地を探してとりあえずエコバッグを一繋ぎの支柱で作っていきます。
ただ、ここでまだ未解決の事があります。
ゆくゆく、こうしたエコバッグは、「自身で作る文化」というのを広げたい夢があり、その場合好みの生地を自分で探すことになります。
多くの方が、好きなプリント柄のシングル幅と呼ばれる、綿/100%のブロード辺りで選ばれると思うのです。
実際に生地屋さんでもこの110cm程度の幅の生地が大半です。
その事実をもっと今後追求していきます。
実は、当ブログも、最初の投稿である2020年9月19日から年月を経た、現在2023年11月30日に記事投稿の「リライト」として、過去の1つ1つの投稿の記事を手直ししている最中です。
3年もの月日が経過した今、やはりいろいろ製作や考え方にも大きく変化がありまして、現在は、「どんな生地でも作ることができる仕様」へこのエコバッグをモデルチェンジしています。
それが、こちら↓。
このようにモデルチェンジをして、ほぼどんな生地の幅のものでも対応できる作りになりました。
もう、カーテン地やインテリア地の分野だけの幅広生地に特化しなくてもよくなったのです。
このようにエコバッグの作りが発展できたのも、この時の2020年の最初のマーキングのシュミレーションの考案やカーテン地だけを探す視野の狭さの不満をちゃんとくみとれたからです。
この時の引っ掛かりを素直に、「このままでは広まらないのではないか」ということに目を背けませんでした。
その結果今までの凝り固まった考え方を捨て、新しい考え方を持つことができました。
「継ぎ目を作ることは2流である」という固定観念がどうしても2020年当時は捨てきれませんでした。
が、果たして本当にそうだったのか。。
実はこうも考えられるのです、「継ぎ目をどうしても作らねばならない理由があった」ということ。
これこそが、自身があれこれトライしてみた結果行き着いた「哲学」だったと思います。
それが最も自然な経緯であり偽りのない事実を物語るということになります。
このことをちゃんとご説明して、一繋ぎと変わらぬ強度を追求してあれば、何も問題はないと。
むしろ、この作りが生まれるまでのあれこれの工夫のストーリーが出来上がったということになります(^-^)。