どのような厚みの生地にもオールマイティーに対応の巾着バッグ作りにお役立ていただける別付けの巾着ホールタブ【1361】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

ここ最近ナップサックバッグを毎日利用しています。

ナップサックという呼び方がクラシックで、かつては学生時代に学校のサブバッグとして使っていたことが思い出され懐かしいです(^_^;)。

特徴は、きゅっと口をしぼることで開閉する機能を持つ点です。

ナップサックと呼ぶ以上この巾着モデルであるということになります。

実際に使ってみたからこそ分かったナップサックの良さ

毎日使用しているナップサックは、ここ最近作っているデザインのもう1つ前のタイプです。

黒の表地に対して裏地に濃紺を選んだこともあり(裏地も黒ベースではないところに妥協があった)、自分使いをしてその使い心地を広めていこうと思ったものになります↓。

表地にキルトをかけた黒のナップサック:<サイズ>縦29cmx横32/43cmxマチ15cm。

使いやすいサイズ感で、物が少ない時も違和感がなく、反対に物を多めに入れた際にもそこそこ融通の利く容量です。

内側のポケットにはレジ袋がたたんで入れてありますので、この容量では足りない場合にレジ袋で補います。

これ自体もレジ袋として基本的には利用できます。

ナップサックの入り口の「隙間」に関する課題の解決

ところで、このナップサックの入り口を見てみましょう↓。

以前のモデルなので、本体を折り曲げて巾着ホールを確保し、全体をしぼる機能です。

この口の巾着ホールの作りというのは、本体を折り曲げて作る手法ですので、全体がギャザーのように寄り集まって口を閉じるということになります。

ただこのモデルの場合、条件が出てきてしまうのです。

それは、かなり薄手の生地でなければ口が空いてしまうデメリットが生まれることです。

ジョーゼットの透けそうなほどの薄い生地を使い、接着芯の黒を貼り、ソフト厚芯を重ねダイヤキルトをかけた表地。

そして、裏地は薔薇の柄の紺色の薄手の生地に接着芯の白を貼りました。

なんやかんやで接着芯だの別芯を貼るだのしていくうちに薄手だった生地もそこそこ丈夫になっていくのです。

それはとても良いのですが、巾着の口の隙間に関しては、なんとかぎりぎりのこの結果でした。

これ以上の中肉程度の生地(ブロードも中肉の部類に入ると思います)だと、もういろいろ重ねた結果このような口の閉まり具合にはなりません。

きゅっと口が閉まる結果に行き着くためには薄手の生地同士で作らねばならないという「厳しい条件」が生まれてしまうのです。

こんな狭き門とも呼べる条件付きのお品が広まるとはなかなか思えませんでした。

そこで、発想を変えていきました。

巾着の絞る部分だけを別に設置して絞りやすくする、そうすれば、本体の素材が厚みがどれだけあろうとも可能ではないか。。

この考え方はヒットでした。

その後、デニムや帆布でも巾着型を作ることに成功。

8号帆布という厚手でも絞れています。
やや帆布の影響が隙間に出ていますが、口部分は穴を最小限に抑えています。

細かいことを言えば、この時の花柄がブロードであり、もっと別の薄手を選ぶと口がさらに閉まったかもしれません。

ですから別に設置する巾着部分のパーツは、とにかく薄手であることが望ましいのです。

このことが新しい条件にはなるわけですが、それでもすべての本体生地に対応できると思いますので厳しい条件では決してないと言えます。

巾着ホールタブ設置の場面

随分前置きが長くなってしまいましたが、巾着ホールタブ設置の場面をご紹介したいと思います。

あらかじめ、8個の巾着ホールタブを作っておきます。

上の8号帆布の時は、バッグのサイズがやや大きいので10個取り付けてあります。

タブの位置はあらかじめ待ち針を使って指定しておき、針目5mmの粗さで仮縫いをします。

両端のサイドの中心を挟むように2.5-3cmずつ空けた位置が左右、残りの2個ずつを均等配分した位置に決めます。

必ず、両サイドのハギ目部分はまたぐように設置してくださいね。

そうしないと、巾着紐の出口が両サイドのど真ん中に出ないからです。

内側2個の間隔はだいたい7-8cm。

そして、5mmの針目で仮止め的に全体をステッチ。

ステッチの位置はあらかじめアイロンで縫い代を折った1.5cmのど真ん中です。

それぞれのタブの位置に来たら返し縫いをして続けてぐるり1周行きます。

縫い終わったらあらためて1.5cmの縫い代のアイロンをかけ直します。

そうしますと、びしっと綺麗に出来上がります。

ちなみに、今回の場合、9mmの伸び止めテープ(平)を1.5cmの縫い代内にあらかじめ貼っておきましたので、その効果がまっすぐなラインに出ていますね。

裏地側にタブを設置したところもポイントです。

表地に設置よりも仮止めの作業がしやすいからです。

今回使用の美しいワイン色のサテン生地は、ポリエステル/100%、日本製です。

あとがき

このたび使用のサテン地は、コートの裏地に使われるような程度の厚みです。

お洋服類の裏地としては厚い方です。

衣装コーナーにあったので、衣装の表地としても利用されるものだと思います。

夏物のシフォンスカートなどの裏地のような超薄手はちょっと弱いかもしれませんが、もしお手持ちにはぎれとして余っていたならばご利用いただけると思います。

表地との薄さのバランスが極端でなければ、裏に接着芯をしっかり貼って可能だと思います。

薄手の方が巾着の口がしっかり閉まるので、「目が詰まった織りの薄手生地」というのは探す条件としてはポイントをうまく押さえていると思います。

その他、捨てるにはもったいない高級素材の「絹:シルク」もこれくらいの細かいパーツなら利用できることもあると思います。

シルクも薄手ながら強い生地ですから。。

この作り方はまたダウンロード型のコンテンツにまとめていきますので、じっくりとお伝えしたいと思います(^-^)。

巾着袋の立派な作りに対して江戸打ちひもが3mmしかなかった時、三つ編みアレンジと黒と茶2色使いが織りなすハーモニーがボリューム感になった【1240】

まえがき

こんにちは、picturesque(ピクチャレスク)です。

洋服はハギ目が多いので、リメイク作業においては、1繋ぎで1パーツをちゃんと裁断できることを重視すると、小さめの巾着袋の容量が限界です。

それでも大きなバッグを作りたい場合は、ハギ目を入れたり、パッチワークの手法を使います。

このたびは、ハギ目を作ることなく完成した前者のタイプ、理由は柄が素敵で広く面積を使いたかったからです。

そうして出来上がったキルト仕様の花柄巾着袋だったのですが、巾着紐が3mm巾のものしか残っていませんでした。

そこで太い紐を新しく購入せず、既存の3mmで対応できる1つのアイデアを考えたのです。

三つ編みによる3倍のボリュームとともにデザイン性も生まれた江戸打ち紐の三つ編み、よくある巾着袋よりも個性を感じさせてくれた

江戸打ち紐3mm:小さな巾着袋にはバランスは良いですが、キルトの立派な巾着袋には迫力不足ではないかと。

さすがに3mmでは非常にバランスが偏り、せっかくのダイナミックな本体がこのか細い紐によって悪い影響を受けてしまうほどでした。

マチが15cmあるそこそこ存在感あるサイズの巾着袋ですので、ボリュームのある方へバランスを取りたいのです。

そこで、ひらめいたアイデアは、3本取りにして三つ編みをすること、早速トライしてみました。

そして、3倍のボリュームになり、しかもデザイン性の生まれた紐にアレンジできたのです↓。

3mmを三つ編みした江戸打ち紐のアレンジ:結果は良き手ごたえ。紐の分量不足により、黒と茶を半分ずつ使用。

色がバイカラーになっても、巾着紐では左右ありますので、こういった使い方も有効です。

少々黒の方が硬めなので三つ編みが粗いです。

三つ編みはペタンコなので、巾着ホールが十分に確保できていれば、余裕で通ります。

巾着ホールの縦の巾は、いつも定番としている3cmで行けました。

紐の先には、ゴールドのループエンドを設置。そして、そのネックラインを結び固定しました。

結ぶ部分だけは三つ編みが無い方が綺麗に結び目ができます。

空中で見てみた写真:もはやこれはウエーブタイプのデザインの紐になっています。
ゆったりと分量をとって、リボン結びができる長さにしてあります。なんとなく雰囲気が出ています。

インテリア使いでは、ゆったりと紐の分量があり、蝶々結びができるとすっきりとした収納になります。

このアイデアの引用元はジュエリー、地金チェーンの三つ編みが大変美しいブレスレットに着想を得た

ひらめいたと言っても、自分で考えたわけではないのです。

ジュエリーの三つ編みのチェーンをよく見ることがあったので、そこからの着想と引用でした。

「本物志向のレンタルジュエリー」というレンタル事業者でもあることで別分野からの引用ができたのでした。

K18YG/PT850コンビの三つ編みチェーンのブレス:ジュエリーも同じこと、1本のチェーンよりも幅広で華やか。

三つ編みは、単純ですし、誰もがとりあえず編み込める基本的な形だと思います。

頭と最後尾をしっかり固定すればほぐれてくることはありません。

あとがき

このたびは慌てて作業したもので三つ編みがやや粗めだったかもしれません。

三つ編み以外でも同じ考え方で別のデザインが生まれるかもしれません。

材料それ1つではなく組み合わせて使うというアイデアは、他の様々なことに引用できそうです。

出番の無かったひもも、このたび活躍の場ができたわけです(^-^)。

巾着袋の素敵な横顔でありますよう、ひも通し口の「コの字」縫いの美しいステッチのポイント【780】

まえがき

こんちには。picturesque(ピクチャレスク)です。

巾着袋作りは小学校の家庭科での体験が過去の記憶にあります。

女子はピンク、男子はブルーで製作。

女子がブルーで男子がピンクを選ぶことが暗黙に許されない変な垣根。

現代から見ると随分変な擦り込み教育だったものだと(^_^;)。

現在、「餅巾着」というリュックのデザインの中に、内袋として設置の巾着袋で製作の機会を得ました。

その中で、ひも通しホールの「コの字」のステッチのポイントをお伝えしたいと思います。

おおよそ、縫い代含むてっぺんから6-7cm辺りにコの字の角が来ませんかね。

ステッチが表にあまり表れないモデルの巾着袋において、数少ないステッチの1つがコの字なのですから、目線が行く部分だと思うのです。

巾着袋作りの際に是非意識して見てみてくださいませ。

ポイント①:三つ折りした側(裏面)から縫う

三つ折りした側から縫うなどとは当然だと思われるかもしれないのですが、実は以前表側から縫ったことがありまして(表に出るステッチを上糸側にしたかったから)、位置がはっきりせずしわが寄って失敗。

やはり、三つ折りした側の裏面をきちんと見ながらその側から縫うのがポイントです。

そうすると、下糸の糸目が表側に出るということで、下糸の調子も万全である必要が当然あります。

次のポイントにこのことが繋がっていきます。

ポイント②:糸調子を整えておく

糸調子は下糸が上手く調子が合わず(原因が下糸の調子が悪いとも言い切れないが、下糸側という意味です)、汚い糸目にでることもしばしば。

巾着袋の「コの字」ステッチは、裏面から縫いますので、表側に出る糸目をチェックすることが必須。

糸調子と同時に、両割りがあいまいで皺がよっていないかなどもチェックしたいものです。

ポイント③:コの字の曲がり角はV字の裂け目1mm内側で

コの字の右に曲がる部分は、裂け目の1mm内側でやっています。力のかかる裂け目の固定の意味もあります。

コの字を曲がる時の横線がてっぺんと並行の真っすぐが美しいです。

ポイント④:コの字の横線は返し縫い3度で

この返し縫い3度が2度ではない理由は必然、最後にコの字の上へ登っていくので、2度だと進行方向に向かえないから3度なのです。

この返し縫いの効果というのは、実際にひもを通して引っ張る時の重圧に耐え得る強靭さが必要です。

今後の改良点(ポイント⑤):そもそも縫う位置が真ん中ではなくて、三つ折りの先端ではないのか

コの字の縦線を縫う位置について:写真は真ん中ですが、外縁をステッチしていく方がより確実に固定されます。

もう1つ、曖昧な点をご紹介したいと思います。

コの字の下の方の三つ折りはどこでやめるのかということ。。とてもあいまいな点です。

コの字を越えたしばらく数センチは三つ折りアイロンはしておかないと、急にやめてしまっては、コの字ステッチの縫いにくさに影響してしまいます。

よって、適当な場所でやめているという点が随分曖昧。

しかし表には全く見えない部分であり影響がない部分だと判断し、コの字越え数センチの範囲(5-8cmくらい)でやめています。

次に、表から見た感じをチェックします。

表からのチェックの重要さこそ見た目の美しさ、どこを注視するとよいのか

コの字ステッチの直後の表からの確認は必ずあるべきです。

下の写真の表からのチェックの場面でどうも左右の縁からの幅が違うようであれば、まだやり直しのチャンス。

幅が均一であることは「美しい」のです。

もし、前述の三つ折りの先端をコの字ステッチしていくことにした場合、このコの字は横幅が広くなります。
3度の返し縫いは針目は3mmで2針のみ。前述の三つ折りの先端を縫うことにすると、この針目の数が増えます。

裏面のメリットを考えた「ピラピラしなくて固定される」ことと表から見た「幅」のいずれにも納得できれば、上述のような今後の改善の「縁を縫う」で良いと思います。

裏の事情に合わせて表の幅が広くなることに納得するということで腑に落ちています。

巾着をしぼった時に、右と左のコの字がぴったりと合うというようなものに仕上がると気持ちが良いです。

あとがき

巾着の開閉は機会数が多いので返し縫いの効果は大きいと思います。

出来上がりのその先の未来をイメージしながらの製作は「良質な品物」であることに関わるのです。

この場所以外であっても、この「未来をイメージした製作」というものに一度落とし込んでみていただければとご提案したいと思います(^-^)。