その後のデザインを大きく変えたきっかけの製作品は失敗であっても貴重である、厚みによって絞り切れず別付けのタブホール仕様へ改良【1165】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

現在制作中のコンテンツに伴い、同時に撮影用に製作の方も進めていました。

そんなナップサック製作の最終局面で大きく失敗して一からやり直しとなったこのたび。

コンテンツ制作者がまだまだ学びがあるということで、まずはこちらの解決が先になりました。

このたびは、美しく完成した製作品も素晴らしい成果ではあるのですが、反対に巾着が全く絞れず機能を果たせなかった「失敗品」をご紹介します。

失敗に終わった「残念さ」を見返りに得られる大きなものを同時にお伝えできればと思います。

ナップサック製作の最終局面で起こった巾着ひもホールが絞れないことの原因と解決、これをきっかけにすべての生地に対応できる「巾着ひもホールタブ」を考案した

最後の最後で巾着紐(共布紐)がこれ以上しぼれませんでした。よって、ここまで完成間近でありながらボツに。
こんな風にソフト厚芯をキルトをかける時に当てるのですから、表地は相当薄くなければいけないのです。

何とも残念(*_*)。

巾着ホールを縦に少し巾を広げれば良いということでもない大きなミス。

巾着を絞るという動きには、かなりの空洞と動きの融通が必要であるということがこれでよく分かります。

ということで、そもそも、この厚みあるカーテン地で作ったことこそ失敗だったのです。

こんな風に江戸打ち紐での巾着袋なら絞れました。インテリアの収納用に巾着袋としては何とか使えそう。

ただ、この巾着紐がリュックのショルダー部分にそのままなるかというと、それはあり得ません。

共布でホールに通り、融通の利く絞りの動きにも対応できなければならないのです。

では、生地を薄手のみに条件付きでご提案したナップサックということになるのでしょうか。

答えとしては、「受け入れられない」ということになります。

よって、このたまたま厚みあるカーテン地で作った試作品の大きな失敗により後の「巾着ホールタブ仕様」が生まれたのでした↓。

下のすべての生地対応可能な巾着ホールの方が必ず選ばれます。「条件付き」は「縛り」を生みますので。

下の写真の「巾着ひもホールタブ」の誕生は2023年のこと。

下に貼ります2022年当時のYouTube動画では、生地選びの条件を「薄手に限る」ということでいったん締めています。

しかし、「薄手生地に限る」なでと条件の付いたノウハウではとても優れたコンテンツにはならないと後に見直したのです。

あとがき

当ブログ記事は、最初の投稿の2022.11.26からおよそ2年後の2024.10.18にブログ記事の「手直し」の順番で、タイトルから見直しここまで綴り直しをしてまいりました。

2024年では、「巾着ホールタブ」の仕様のおかげで、セルヴィッチデニム・帆布をその後製作することができました。

おそらく、「金華山織」「ゴブラン」も可能だと思います。

少し大げさですが、ナップサックにおいては、二度と本体に巾着ホールを設置する作り方に戻ることはありません。

極薄生地でそれが可能だとしても、もうすべてをカバーできる「タブ」があるのですから新しい「巾着ホールタブ」の方1つだけで十分なのです。

こうして、ナップサックのデザインにまた1つ「なぜそれを設置したのか」という「哲学」が埋め込まれていきました(^-^)。

とろんとした薄手の花柄サテン地が表地の巾着袋、ひもホールステッチに一瞬でできてしまったピリは繊細な生地に16番の針という無茶によるもの【1090】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

2022年の大きな目標、「これまでの生地ストックを一掃の方向へ」ということを実行していっております。

半分のストックに関しては「生地販売」も体験できまして、そこから得られる傾向や今まで気づかなかった学びもあり初トライでしたが、売上高がどうのこうのを遥かに超えた大変有意義な活動でした。

残り半分は、引き続き「インテリア収納袋:大・中・小・ミニ」のサイズを選び生地を最大限に有効に使いながら1点ずつ裏地付きの丁寧なお仕立てをして製作。

このたびは、サテン生地のボタニカル柄で「小」サイズです。

最終場面で大きな失敗があり、ボツになってしまいましたが、その分アウトプットとしましてお役に立つような件をお話してまいりたいと思います。

ボツになった理由は、薄地のために針との相性が悪くピリが入ったこと、サテン地の薄手ともなればいつもの16番の針は間違っていた

非常に良い生地の組み合わせができていたのですが、最終のひもホールのステッチでシャーッとピリが入り終了ー(*_*)。

せっかくですので、その最後の場面でのポイントをその「ピリ」の姿と共に解説したいと思います。

薄手で柔らかい生地の場合、待ち針無しではタックやしわが寄っていきます。

よって、縦に等間隔で待ち針で固定することの効果が非常に重要になってくるのです↓。

待ち針が本体の天地に対して縦向きに留められました。最終のひもホールステッチをかけようとしている場面。

ここの最初の時点で返し縫いした後のステッチで、早くも縦にストライプ状にピリが入りました(+_+)。

一瞬の出来事でした。糸調子も良くなかったと思いますし、いつもの16番の針では耐えられなかったかと。。

非常に反省しています。

接着芯は貼っていますが、それも超えた負担が生地にかかったのです。

生地が薄くて、それに対応して、針をせめて、14番に換える必要があったのに、そのまま16番でいつものように続行してしまったからです。

待ち針を打ってもこの通り内陸部の方で皺が発生しています。
待ち針は外さずにそのままで通過していくのが良いと判断。待ち針の向きが反対の方が良かったかもしれません。
<表地:黒xマルチカラーボタニカル柄>ポリエステル合繊、ポリエステル/100%、日本製。
<裏地:黄緑まだら柄>ジャカード、ポリエステル/100%、日本製。
<インテリア収納袋:小>サイズ:縦22cmx横19/34cmxマチ15cm。

とりあえず完成させてしまいましたが、これが成功していたら。。と思うと悔しいですし、もっと材料の生地と丁寧に向き合う必要性を反省。

全体的に厚手に合わせた16番の針、糸調子などに対して緩んだ気持ちで挑んだ証拠だと思いました。

悔しい気持ちともう1つ、素敵な生地をご提供下さった生地屋様にも申し訳ない気持ちがあります。

おそらく、素敵な完成品を望まれていることでしょう、すべては「心の緩み」が招いたことではなかったかと。。

あとがき

ボツ品を作ってしまうと非常にもったいないことになります。

そこまでかけてきた時間や労力は実らぬものだったと残念に思うもの。

そんな時には、十分に反省し、こうしてお恥ずかしいことではありますが、「悪い例」としてアウトプットすることも「挽回」「リベンジ」の1つ。

おそらく多くの方がいとも優れた技術ですんなり作れたかのように「良い例」だけを記録したがりますから。。

「悪い例」は、気持ちの入れ込み方、考え方からしてすべてが悪かったからそうなったのです。

技術が劣っているせいだけではないのです。

それを考えると、「製作品」というのは、その時々の心の状態をも表すものだとも言えますし、この材料を使わせていただけることへの有難い気持ちを持つべきなのです。

製作者の創造をはるかに超える荒々しい使いっぷりの現実、実際にバッグが使われるシーンを事細かに想定した強化箇所【202】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、製作にゆがみによる失敗があった1点のミニリュックを頻繁に自分で実際に使っていく中で気づいた驚くべき実態をお知らせして、製作のヒントになればとお話させていただきます。

結論からは、ハンドメイドバッグの作り手が、自分自身で使ってみることというのは新しい発見があるということです。

製作はあくまで使う手前までの事でしかありません。

その後の事は使っていかないと浮かび上がってこない事象なのです。

必ずしも上品に取っ手を持ちながら入り口を開閉するわけではないバッグ使用場面の現実あれこれ

ずっと同じものを使っていくと慣れて、ついつい荒々しく乱暴になります。

新しい頃は気を使っていますのでそれほどでもないですが、だんだん馴染んで慣れてきた頃というのは、何かしらの重要なヒントがある時期であると思いました。

実際に使わせていただいているのは、このニット素材のミニリュックです。

横向きに長財布がぎりぎり入るような小さなもの。中側にポケット2個。トップには取っ手の調節機能付き。
このように角の位置が対角線上に並ばず、歪みが起きてボツとなりましたことで自分で使うことにしたもの。

しかも、白黒というのは、まさに普段着としてコーデしている黒コーデにマッチしまして、大変使いやすいです。

何も考えず、このリュックを持って外へ出れば、自然に黒白コーデが成り立つので気楽です。

黒のバッグに少し柄が入っているといった感じを求める女性の何人かに過去のバッグの販売でご縁がありました。

黒白系はネット写真ではなかなか映えにくいものの、実際には多くのお洋服に使える色味だと見ています。

さて、このリュックを使っていく中で、意外と乱暴で荒々しい使い方をしてしまっているというのが、具体的にどういった場面なのかをショット写真で数点ご紹介。

なかなか興味深いものですねぇ。

もしかしたら、同じようなことを皆が気づかず無意識にやっているのかもしれません。

では、無意識な荒々しい使い方「あるある」まいります。

①ファスナーで持ち上げてしまう・・・ファスナーを開閉すると同時に思わずファスナーを持ち上げてしまう。

無意識というのは怖いものです。

気が付いたらこのようなすごいことをしておりました。

ファスナー開閉時にリュックを宙に浮かせながらファスナーを持ち上げることも。。

この時に、ファスナーで全体の重さを支えていることになります。

そうすると、対策として浮かぶのは、ファスナー取り付け時の縫いを強固にすることです。

二重縫いはその対策としてはなかなか良かったかと思いますので、今後このまま実行していきます。

②フラップポケットのフラップを宙に浮かせた状態で持ち上げる・・・これは①のファスナーに似た使い方。

なんと乱暴な。。しかしながら、実際私も使う中でこれを普通にやっていました。

そう考えると、こういう場面も大変荒々しいですが、実際には考慮せねばなりません。

ということで、これまで行ってきたフラップポケットの蓋の縫い付けを、裏側に「当て芯」をして、更に二重縫いして取り付けていますことを今後も続行です。

③ショルダータブの強固な取り付けが求められる・・・ショルダータブは縫い付け時に3度縫い。

ここは、支えとなる部分なので、やはり、多重縫いにより強固な縫い付けが必須です。

④片方のショルダーだけで肩に背負うことがある・・・不安定な状態の時、物を取り出そうとする時です。

そうするとこの対策としては、タブを強固に取り付ける具合というのも、目標をこの片方の1つのタブだけで全体を支える場面があることの想定のもとでなければなりません。

あまり深くそこまでは考えが及んではいませんでしたが、あの小さいタブ自体、そしてその縫い付けの両方にパワーがないといけないということですね。

接着芯は必須。強固にするための接着芯であるという目的に貼ります。

そして、縫い付けも今まで通り3重縫いです。

タブの幅もあまり狭いものではなく、ある程度広めの方が丈夫です。糸で縫う部分が広い程強固です。

ブランド物の高級バッグでポンとスタイリッシュなタブが外れてしまった過去を思い出します。

小さい物だと侮るなかれ、小さなショルダータブこそ主役のような取り付け方をする必要があるのです。

⑤カンが傾く・・・そもそもこの角カンがまずいということで、Dカンに徹底し直し。

角カンは向きが変わりやすいので不向き。Dカンの方が安定して使えます。

⑥糸の始末がほつれてくる・・・これでも玉結び玉止めを一度はしっかりやっての結果です。更なる対策は↓。。

その後、現在では、この結び目を隠れたところに出して、強固にコマ結びしています。

この写真の時は、見える位置で結び目を出してしまっていたのもこんな風にぼそぼそと見える原因になってしまいました。

テトロン糸はつるりとしてほぐれやすいので特にこうなりがちです。

よって玉止めを隠す場所の見つけ方も重要になります。

ポイントとしては、溝となっている箇所を近隣で探し、そこへ針を使って糸を移動して玉止めを行うということをこれ以降の製作に徹底しています。

⑦ファスナーのつまみで持ち上げることがある・・・最初の①に類似ですが、つまみ部分を持ち上げるケース。

対策としては、つまみをただの飾りではなく、丈夫な素材で強固に取り付けることです。

以上7点ですが、使っていく中で見つかった荒々しい使い方の場面とその対策でした。

では、使っていく中でとても良いと感じたところはあったのでしょうか?

次にそれを1点お伝えしたいと思います↓。

使っていく中での角の擦れの有無で分かる生地の良し悪し

バッグの角っこは傷み具合を測るには必ず見る箇所だと思います。

今回の素材というのは、「スポーツメッシュ」というニット生地です。

混率は、ポリエステル/94%、ポリウレタン/6%、日本製。

この素材で作ったミニリュックの角を見てみると。。全く傷みが見られませんでした。

傷みが出ていないスポーツメッシュという生地。・・・過度の擦れは直すのが難しいので素材は重要です。

今回のこの生地は、こういった結果からは、擦れにくい生地であると言ってよいかと思います。

良質の定義も様々かもしれませんが、長く持てるということになると、擦れが全く起こっていないということが「良質な素材」の1つの目安になるのではないでしょうか。

摩擦に対して柔軟性がある丈夫な生地だと言えます。

スポーツ着目的に製造されたこの素材の一番の「売り」でしょう。

あとがき

このスポーツメッシュという生地は、ユニークで面白みがありますが、決して高価な生地ではありません。

コストが高い生地こそが良い生地だと表面的な判断はするべきではないことを、今回の検証からも実感しています。

もし、高額生地=良いということにしてしまうと、製造のお品が「生地頼み」の作りとなってしまい、その製造者であるハンドメイド作家の役割がありません。

生地というのはあくまで「材料」であり、「製品」として仕上がるその間の「製作」には多くの「自分の考え方」を込めて表現していくのであり、その「表現」こそが実は一番伝えたいものが詰まっている重要な部分なのです。

これを多くが忘れられ、かわいい生地や素敵な生地さえあれば、その作りや考え方を深く見ることに目を背けられている現実を感じます。

「心を込めて」とか「精魂こめて」などという言葉がありますが、あの言葉は確かな文言であると考えます。

黙って物1つ作って売れることだけでも1つのコミュニケーションであり、人同士の対話だということになります(^-^)。

みかんのへたが下を向いた失敗ウエストポーチ【36】

まえがき

こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。

今回は、みかんウエストポーチ製作の後編の記事となります。

前編、後編と分けているのは、YOUTUBE動画が長くなりすぎないように、2つに分けていることから、この当ブログもYOUTUBEと平行しているので、それに沿っているからです。

今回で完成致しました。

後半の製作で行ったこと

前半は、ファスナーのくり抜きまで行いました。

後半は、この続きになります、ファスナーをこのボックス型の穴にはめ込んで縫い付けるところからのスタートです。

ファスナーの縫い付け完成(表面):表側から見るとこのようになります。
ファスナーを当てて縁を縫うだけではありますが、
丈夫にするためにボックス型に2重にステッチをかけています。
もう1つ目的があり、丈夫なだけでなく裏側のファスナーの端が
ぴらぴらとして締まりがない感じをスッキリと解消します。
ファスナーの取り付け完成(面):側から見るとこのようになります。1重縫いのみですと、
ファスナーの縁がぴらぴらと波打ち美しくありません。
さらには、ファスナーの先端にタブを付け、裏地のグリーンになじませ綺麗に見せています。
ファスナーの縁そのままだと不格好だからです。

ファスナーを取り付けた後は、このマチ兼口布パーツの縁1.5cmの縫い代を表地も裏地もきちんと中側にアイロンで折り込んで、縁にステッチをかけ、1枚のプレートにします。

このように、縁縫い代1.5cmを完全に中側に折り込んで、縁の始末された綺麗な板状のパーツに作ります。
この後は、組み立てるように本体と縫い合わせていけば、出来上がってきます。
みかんの葉っぱを裏地のグリーンで形づくります。これをファスナーのつまみにするのです。
ベルトを作ります。中に、ソフト厚芯を入れ、立体的かつ、丈夫な強固なものに仕上げます。
このベルトにより、ベルト通しに入れてもポーチがだらんとならず。シュッとまっすぐに立ちます。
本体と、マチを縫い合わせポーチに形成します。
完成しました。
着用イメージ・・・ヘタの向きが非常に悪いです(+_+)。
完成したみかんウエストポーチの表側と中側

正直なところ、全く満足できませんでした。

根本的に変えていかねばならないところが多いです。

そもそも、組み立てを裏向きにしてひっくり返すやり方の方が、ふんわり仕上がります。

また、ファスナーは長すぎました。60cmまるまる使いましたが、長財布を入れた時など、底の部分から落ちそうになり機能としては危ういものです。

半分の30cmくらいで良かったかと思います。底部分がちゃんと受け皿になって安心して使えるものにしたいです。

また、ポケットには、スマホはらくらくは入りませんでした。

なかなかゆとりがとれない面積ですので仕方がないですが、本体全体を使ったようなポケットに変えた方が横が広がります。

そして、肝心なポイントのみかんの葉っぱ。これがよくなかったです。下へだらりと垂れて、かわいくないです。

ファスナーも両開きにして2個葉っぱを取り付ける。そうすれば、閉じている状態で、良い位置にみかんの葉っぱが配置します。

あとは、ファスナー取り付けの時に、波打ちを解消せねばなりません。

そして、ベルトバックルですが、これがひっぱると外れてしまうんです。

これでは、機能が不十分なので、カシャッと閉まるタイプのバックルに変える必要があります。

布なので、ベルト穴は開けても穴の周りがゲジゲジですので、望ましくないです。

ということで、大きく課題の残る製作となりました。素敵な柄に対して申し訳ない製作となってしまいました。

もっとその素敵な素材を活かすように作らねばなりません。

ただの巾着袋を作った方が100倍マシでした(^_^;)。

あとがき

結局失敗に終わりました。

ここからは、後になってブログを手直しの際に書き加えた部分です。

そもそも、最初のファスナーを縫い付ける時点でもファスナーサイドの布が見えない手法が洋服のコンシールファスナーの裏地付けで存在することを知りました。

そうしますと、綺麗にファスナーの縁が隠れます。

洋服の場合はコの字だから可能なのか、ボックス型に縫い囲う必要があるこういったバッグにも取り入れることができる手法なのか、興味があります。

お恥ずかしい製作でしたが、これが実際の製作の記録です。

こんな風にジャガード生地のマルチカラーを果物とか、動物とかを形作ることで、抽象的で遊び心が出るような製作というアイデアはどうぞ参考にしてみて下さい。