まえがき
こんにちは。picturesque(ピクチャレスク)です。
現在研究製作中のエコバッグ、その名も「切餅:きりもち」は、角々しい四角いスタイルが特徴です。
縦長のパーツが非常に多く、このたび、柄物で製作するにあたって、あることに気づきます。
それは、もとは長い取っ手兼支柱の150cm以上もの長さを要する長いパーツ。
縦取りでは1.5m以上もの用尺を要するコスパが悪い配置になる為、横裁断をししていましたこれまで。
しかし、そう工夫しても、結局は選ぶ生地幅が限られ、むしろ作りにくいデザインになってしまうことから、長いベルトパーツに2つのハギ目を作り、3パーツに分解したものへ仕様変更。
それに伴い、生地幅がシングルの狭い幅にもすべて対応できるようになったのです。
ただ、横が60cmある本体のパーツは横に2枚並ばないのです。
最初はこれに対しがっかりしたものでしたが、結果は素晴らしいまとまりとなった結末。
そんな経緯を是非ご覧いただければと思います。
110cm巾では本体パーツは横には並ばないことから生まれた横の隙間の利用、長いベルトパーツの大半を縦向き裁断に配置したことですべてが正位置にまとまる
本体のパーツは110cmの生地に置いてみるとこんなイメージ、横に2枚を並べるには生地幅が不足します(▲50cm分くらい)。
よって、上下に並べることになり、この時点で縦の長さの2倍分(約1.1m)の用尺が決定。
残りのパーツをコスパ良く、右の隙間へ配置していきます。
そうしますと、結果は少しだけ余るだけでうまく裁断できました。
横が60cmある型紙なので、120cm巾以上の生地が見つかった時にやっと2枚横並びが実現できます。
しかし、その時に、今度は縦の長さが一番長いパーツである取っ手の70cmが追加され、縦に場所をとっていきます。
おそらくその場合に横向きに裁断することを選択するでしょう。
このことから、結局はこの度のシングル幅と呼ばれる110cm周辺の生地に対応した配置のように縦に2枚本体を並べて横の隙間で残りのベルトパーツを本来の望ましい地の目の向きで裁断した方が良いお品物ができます。
よく量産で選択される長いパーツの横向き裁断とも良い意味でご縁なく達成することができる配置アイデアが生まれました。
色々複雑な解説となってしまいましたが、まとめますと、110cm周辺の生地幅の選択でも用尺は型紙の縦の長さx2倍の1.1mで製作できるということです。
シングル巾の生地に起こる、本体が縦に並ぶことになる場合は、横にすき間ができます。
この隙間で実際にうまく配置できる方法は、「支柱」「取っ手」の2種のパーツに関しては縦向き裁断、「底ベルト」に関しては本来の横向き裁断で行けるということです。
柄物であっても望ましい本来の柄の向きが見事に正しい向きにすべて表れてくれるという素晴らしい結果をもたらしてくれました。
そもそも、長い一繋ぎであったベルトを分解した時点で、望ましい裁断の向きが完璧に実現できるところに向かったということになります。
これは大変素晴らしいことだと言えます。
あとがき
こんな感じで、バッグ1つのサイズさえも理由のあるサイズになっていくことがあります。
在庫も長期間携えねばならない量産の設定ではなくて、その都度必要な物だけを必要な分量使える工夫やアイデアも大切だと考えています。
量産の考え方は、全体の数で考えるコスパの良さなのでどうしても数量がたくさん必要であることが条件。
一方、1点物の考え方は、1点作るための配置が一番望ましい形の工夫であり、そのためには、自由にデザインさえも融通を利かせるということです。
私にできることは、そのような必要分を最低限作るためのご提案ということでしょう(^-^)。